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田村西遺跡 - 高知県文化財団

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第 Ⅲ 章 調 査 成 果師 質 土 器 の 皿 である。 内 外 面 とも 摩 耗 しており, 調 整 は 不 明 である。40 は 土 師 器 の 杯 である。 内 外 面とも 摩 耗 しており, 調 整 は 不 明 である。41 は SD5 の 底 から 出 土 した 須 恵 器 の 杯 である。 内 外 面 とも回 転 ナデ 調 整 である。 外 底 面 はヘラ 切 り 後 ,ナデ 調 整 を 施 す。 残 存 率 は 良 好 である。42 は 須 恵 器 の 杯である。 断 面 形 が 方 形 の 高 台 を 貼 付 ける。 内 外 面 とも 回 転 ナデ 調 整 である。 焼 成 不 良 であり,にぶい橙 色 に 発 色 する。43 は 弥 生 土 器 の 甕 である。 頸 部 から 口 縁 部 にかけて 右 上 がりの 叩 き 目 が 残 存 している。 口 唇 部 は 面 取 りされる。44はサヌカイト 製 の 打 製 石 鏃 である。 平 基 式 と 考 えられる。⑷SD6( 図 17)SD6は, 幅 約 1.5m , 検 出 長 は 約 47mであり, 南 北 端 とも 調 査 区 外 へのびる。 深 さは 調 査 区 北 端 部 から 中 央 部 では 約 10 cm, 調 査 区 南 半 部 では 約 30 cmである。 調 査 区 北 端 部 では 北 東 から 南 西 方 向 の 向 きであるが, 南 北 方 向 へ 向 きを 変 え, 直 線 的 に 走 り 調 査 区 外 へのびる。E35-21-4 付 近 を 境 に 幅 , 断 面 形が 変 化 する。 北 側 は 幅 が 広 く 浅 いが, 南 側 は 幅 が 狭 く 深 い。SD6の 埋 土 は,にぶい 黄 褐 色 (10YR5/4)細 粒 砂 混 じりシルトである。 断 面 形 はレンズ 状 を 呈 する。出 土 遺 物45は 土 師 質 土 器 の 杯 である。 内 外 面 とも 摩 耗 しているが, 外 面 にはロクロ 目 が 認 められる。以 上 の 溝 跡 群 は, 長 岡 郡 と 香 美 郡 の 境 から 約 一 町 西 に 位 置 し, 概 ね 香 長 条 理 の 方 向 と 一 致 している。 出 土 土 器 は 小 破 片 でローリングを 受 けているものが 多 く, 明 らかに 混 入 品 考 えられるものも 含まれていることから 出 土 遺 物 から 各 溝 跡 の 時 期 を 決 定 することは 困 難 である。ただし,41 は SD5 の溝 底 からの 出 土 であり, 残 存 率 も 良 好 なことから,SD5 の 埋 没 時 期 は 古 代 と 考 えられ, 香 長 条 理 の施 行 時 期 を 考 えるうえでは 重 要 である。⑸SD2( 図 18 〜 28)SD2 は,ⅠA・B 区 で 検 出 した 溝 跡 である。ⅠA 区 では,SD1・4 〜 6 に 切 られる。 北 東 から 南 西 方向 へ 直 線 的 に 掘 削 されていた。また,E35-21-1 では, 溝 の 肩 部 でピット 状 の 遺 構 (P4 〜 6)を 検 出 したが, 判 然 としない。Ⅰ 区 東 半 部 (E35-16-15 ,E35-16-19 ,E35-16-23)では, 検 出 面 から 底 までの 深 さは 約 20cmと 浅 い。 一 方 ,Ⅱ 区 では 約 50cmである。 底 の 標 高 は,Ⅰ 区 北 東 部 では8.8mであり,Ⅱ 区 の 南端 部 では8.5mと 南 西 方 向 へいくにしたがい 標 高 は 低 くなっており, 周 辺 の 微 地 形 をも 考 え 合 わせると, 北 東 方 向 から 南 西 方 向 へ 水 を 流 すために 掘 削 されたものと 考 えられる。埋 土 は,3ヵ 所 に 土 層 観 察 用 のアゼを 設 定 し, 堆 積 状 況 の 確 認 を 行 った。 埋 土 は4 層 に 分 層 でき,1層 は 黒 色 (10YR2/1) 細 粒 砂 混 じり 粘 土 ,2 層 は 褐 灰 色 (10YR4/1) 細 粒 砂 混 じり 粘 土 ,3 層 は 黒 褐 色(10YR3/1) 細 粒 砂 混 じり 粘 土 4 層 は 褐 灰 色 (10YR4/1) 砂 である。出 土 遺 物 はⅠ 区 の4 層 から 多 く 出 土 した。 調 査 時 に 出 土 遺 物 は, 小 グリッド(4m 四 方 )と 5 ~ 10 cm厚 さ 毎 の 人 工 層 位 で 取 り 上 げたが, 検 出 面 から 10 cmまでを 上 層 ,10 ~ 20 cmを 中 層 ,20 ~ 30 cmを 下層 ,30 cm~ 底 までを 最 下 層 として 報 告 する。 出 土 遺 物 の 接 合 状 況 を 水 平 距 離 と 垂 直 距 離 で 表 した。水 平 方 向 の 接 合 状 況 では, 同 一 グリッドあるいは 隣 接 するグリッドで 接 合 できたものが 62%を 占 める。さらに 3 グリッドまでの 範 囲 内 で 接 合 できたものは 全 体 の 79%を 占 める。 一 方 , 垂 直 方 向 の 接 合状 況 は 同 一 層 , 及 び 上 下 層 間 での 接 合 は 全 体 の 69 %を 占 める。 上 層 のものと 最 下 層 のものが 接 合 したものが10%を 占 めている。 遺 物 の 出 土 状 況 では, 最 下 層 からの 出 土 も 多 いことから, 溝 跡 が 埋 没 す23

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