口 唇 部 には 上 下 二 段 に 櫛 描 波 状 文 を 巡 らせ, 二 個 一 対 の 竹 管 円 形 浮 文 を 配 置 する。 頸 部 には 突 帯 を貼 付 し,さらに 貝 殻 による 刻 目 文 を 施 す。また, 肩 部 には 櫛 描 波 状 文 を 施 す。 口 縁 部 内 面 はハケメ 調整 後 ,ミガキ 調 整 か。 外 面 は 主 としてナデ 調 整 を 施 す。58 は 口 縁 部 片 である。 口 縁 端 部 上 面 に 粘 土 紐を 貼 付 けるとともに 下 方 へ 拡 張 させることで 口 唇 部 を 上 下 に 拡 張 する。 口 唇 部 には 3 条 1 単 位 の 櫛描 波 状 文 を 上 下 二 段 に 配 置 する。59は 口 縁 部 の 破 片 である。 口 唇 部 を 上 方 へ 拡 張 し,ハケ 状 原 体 により 斜 格 子 文 を 施 す。 内 外 面 ともハケメ 調 整 を 施 す。60 は 口 縁 部 片 である。 口 唇 部 を 上 下 に 拡 張 させ,櫛 描 波 状 文 を 施 す。 内 面 はミガキ 調 整 である。61 は 口 縁 部 片 である。 口 唇 部 は 下 方 へ 拡 張 させる。62は 口 縁 部 片 である。 外 側 へ 押 し 出 すようにして 口 縁 部 を 作 り 出 し, 二 重 口 縁 状 を 呈 する。 頸 部 外 面 にはハケメ 調 整 , 内 面 にはナデ 調 整 を 施 す。63 〜 71 は 複 合 口 縁 壺 である。63 は 二 次 口 縁 部 に 強 いヨコナデ 調 整 を 施 し,やや 内 傾 させる。 口 唇 部 は 丸 くおさめる。64の 一 次 口 縁 と 二 次 口 縁 の 接 合 部 は 段 状を 呈 するが 屈 曲 は 弱 い。 内 面 は 緩 やかな 弧 を 描 き, 二 次 口 縁 部 外 面 には 波 状 文 を 施 す。65の 二 次 口 縁は 短 く 内 傾 し, 口 唇 部 は 丸 くおさめる。66の 二 次 口 縁 は 内 傾 し, 口 唇 部 は 丸 みを 帯 びる。67の 二 次 口縁 は 短 く, 口 唇 部 は 丸 くおさめる。 頸 部 には 刻 目 文 を 施 した 突 帯 を 巡 らせる。 胴 部 外 面 は 叩 き 調 整 後 ,ハケメ 調 整 を 施 す。 内 外 面 とも 一 次 口 縁 部 はハケメ 調 整 である。68の 二 次 口 縁 はやや 内 傾 させ, 口 唇部 は 平 坦 面 をなす。 一 次 口 縁 と 二 次 口 縁 の 接 合 部 は 突 出 させる。 一 次 口 縁 部 には 内 外 面 ともハケメ調 整 を, 二 次 口 縁 部 にはナデ 調 整 を 施 す。69の 一 次 口 縁 と 二 次 口 縁 の 接 合 部 は 丸 みを 帯 びる。 体 部 外面 には 右 上 がりの 叩 き 目 が 残 存 している。 口 縁 部 はハケメ 調 整 である。 内 面 はハケメ 調 整 及 びナデ調 整 である。 頸 部 には 粘 土 紐 接 合 痕 跡 が 認 められる。70の 二 次 口 縁 部 は 内 湾 気 味 に 付 き, 下 端 は 若 干外 方 へ 出 る。 口 唇 部 は 丸 くおさめる。 頸 部 に 刻 目 文 を 施 した 突 帯 を 巡 らせる。 体 部 は 中 位 に 最 大 径 を持 つと 考 えられる。 内 外 面 とも 摩 耗 しているため 調 整 の 観 察 は 難 しいが, 外 面 は 叩 き 調 整 後 ハケメ調 整 を 施 す。 接 点 は 無 いが 同 一 個 体 と 推 測 される 底 部 は, 底 端 部 は 丸 みを 帯 びるが 若 干 平 坦 部 を 残す。71は 長 めの 二 次 口 縁 が 直 立 気 味 に 付 き, 口 唇 部 は 丸 みを 持 つ。 頸 部 には 竹 管 文 を 施 した 突 帯 が 巡る。 内 外 面 ともハケメ 調 整 を 基 本 とする。72〜85は 甕 である。72の 口 縁 部 は 短 く 外 反 し, 胴 部 は 中 位付 近 に 最 大 径 を 持 つ。 底 端 部 は 丸 みを 帯 びるが 底 面 には 若 干 平 坦 部 を 残 す。 外 面 底 部 付 近 には 右 上がりの 叩 き 目 が, 上 胴 部 付 近 は 右 下 がりの 叩 き 目 が 残 存 している。 全 体 的 に 摩 耗 している。73は 長 胴である。 底 部 は 丸 底 であり 外 底 面 には 叩 き 目 が 認 められる。 叩 き 調 整 は 三 分 割 で 施 されている。 叩 き目 の 方 向 は 底 部 では 右 上 がり 方 向 , 下 半 部 では 水 平 方 向 , 上 半 部 では 右 上 がり 方 向 であり, 口 縁 部 まで 連 続 して 施 されている。また, 底 部 は 叩 き 調 整 後 ,ハケメ 調 整 を 施 す。 内 面 はナデ 調 整 である。74は 長 胴 であり, 胴 部 中 位 に 最 大 径 を 有 する。 口 縁 部 は「く」の 字 状 に 外 反 させる。 底 部 はほぼ 丸 底 である。 外 面 には 叩 き 目 が 残 存 しており, 下 半 部 は 叩 き 調 整 後 ハケメ 調 整 を 比 較 的 密 に 施 す。 内 面 は 主 としてナデ 調 整 である。75は 体 部 中 位 に 最 大 径 を 持 ち,やや 長 胴 形 を 呈 する。 口 縁 部 は「く」の 字 状 に 外反 させる。 外 面 には 叩 き 目 が 残 存 する。 最 大 径 付 近 より 上 は 右 上 がり 方 向 の 叩 き 目 であり, 口 縁 部 まで 一 気 に 叩 き 上 げている。 一 方 , 下 半 部 は 右 下 がり 方 向 の 叩 き 目 であり, 分 割 して 成 形 あるいは 調 整している。 胴 部 内 面 は 縦 方 向 のナデ 調 整 , 上 胴 部 から 口 縁 部 にかけてはハケメ 調 整 である。 外 面 下 半部 には 煤 が 付 着 する。76は 長 胴 の 胴 部 から 口 縁 部 は 短 く 外 反 するが, 屈 曲 度 合 いは 弱 い。 外 面 全 面 に叩 き 目 が 残 存 する。 叩 き 目 の 方 向 等 から 三 分 割 で 成 形 されたと 考 えられる。 下 半 部 にはハケメ 調 整をきわめて 疎 に 施 す。 口 縁 部 外 面 には 上 胴 部 から 一 連 の 叩 き 目 が 認 められる。 内 面 は 上 半 部 がハケメ 調 整 , 下 半 部 がナデ 調 整 である。77 の 口 縁 部 は 緩 やかに 外 反 し, 口 唇 部 には 軽 くナデ 調 整 を 施 す。26
第 Ⅲ 章 調 査 成 果72737475767779807881828384図 20 SD2 出 土 遺 物 実 測 図 2850 5 10 20cm(S=1/4)27