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水のポリアモルフィズムと今後の展望 - 物質・材料研究機構

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水 のポリアモルフィズムと 今 後 の 展 望<br />

Water polyamorphism and the foreseen perspective.<br />

鈴 木 芳 治<br />

Yoshiharu Suzuki<br />

〒305-0044 茨 城 県 つくば 市 並 木 1-1<br />

独 立 行 政 法 人 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構<br />

先 端 的 共 通 技 術 部 門 表 界 面 構 造 ・ 物 性 ユニット ポリアモルフィズムグループ<br />

Namiki1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-0044, Japan<br />

Polyamorphism Group,, Surface Physics and Structure Unit,<br />

Advanced Key Technologies Division,, National Institute for Materials Science (NIMS)<br />

E-Mail : suzuki.yoshiharu@nims.go.jp<br />

要 旨 : 最 近 の 水 の 研 究 で、 低 温 の 水 には 2 つの 液 体 が 存 在 することがわかってきた。この「 水 のポリアモルフィズム」と<br />

いう 考 え 方 は、 水 の 液 - 液 相 転 移 という 新 しい 臨 界 現 象 と 関 係 している。そして、この 水 の 新 しい 概 念 は、 今 まで 説 明 で<br />

きなかった 水 の 奇 妙 な 振 る 舞 い( 例 えば 水 の 4℃ 密 度 極 大 現 象 など)を 解 決 する 可 能 性 を 秘 めている。また、この 水 の 新<br />

しい 考 え 方 は 水 に 関 係 する 他 の 分 野 に 展 開 されることが、 今 後 期 待 される。<br />

Keywords: liquid water, polyamorphism, liquid-liquid phase transition, amorphous ice, liquid-liquid critical point<br />

1.まえがき<br />

ギリシャ 時 代 の 哲 学 者 タレスが「 万 物 の 根 源 は 水 であ<br />

る」と 唱 えたように、 古 代 から 水 は 重 要 な 物 質 として<br />

考 えられてきた。そして、 現 代 科 学 でも 水 は 欠 くこと<br />

のできない 物 質 の1つである。しかし、 水 は 複 雑 液 体<br />

と 位 置 づけられ、 未 だにその 本 質 は 理 解 されていない。<br />

例 えば、こおり 水 のコップの 底 の 温 度 が 約 4℃で、 表<br />

面 温 度 (0℃)より 暖 かい 現 象 ( 図 1)は 身 近 に 観 測 で<br />

きる 水 の 不 思 議 の1つであり、やはりこの 現 象 にも 明<br />

快 な 説 明 は 与 えられていない。しかし、 最 近 になって<br />

水 には2つの 液 体 状 態 が 存 在 するという「 水 のポリア<br />

モルフィズム」の 理 解 が 進 み、この 考 え 方 で 水 の 不 思<br />

議 が 説 明 できる 可 能 性 が 出 てきた。 1,2 本 稿 は、 水 のポ<br />

リアモルフィズムの 解 説 を 通 し、この 水 に 関 する 新 し<br />

い 概 念 の 今 後 の 展 望 について 考 えたい。<br />

2. 低 温 の 水 (H 2 O)<br />

~ 結 晶 氷 、 過 冷 却 水 、アモルファス 氷 ~<br />

台 所 で 我 々は、 鍋 から 立 ち 登 る 水 蒸 気 ( 気 体 )、 蛇 口<br />

から 流 れ 出 る 水 ( 液 体 )、 冷 凍 庫 で 作 られる 氷 ( 固 体 )<br />

を 目 にすることができる。このように、 日 常 生 活 で 水<br />

だけが3つの 状 態 で 観 測 できる 物 質 である。 通 常 、1<br />

気 圧 の 水 (H 2 O)は0℃で 氷 になる。この 氷 は 隣 接 す<br />

る 分 子 が4 分 子 の 六 方 晶 の 結 晶 ( 氷 I h )であり、その<br />

構 造 には 大 きな 空 間 があるため、その 密 度 は 非 常 に 低<br />

い。 氷 の 結 晶 構 造 は 圧 力 と 温 度 で 変 化 し、 少 なくとも<br />

12 種 類 の 結 晶 構 造 が 存 在 する。( 図 2)このような<br />

H 2 O の 単 一 組 成 で 複 数 の 結 晶 構 造 を 持 つことを「 氷 の<br />

ポリモルフィズム( 氷 の 多 形 )」と 呼 んでいる。<br />

水 は 融 解 温 度 (T m ) 以 下 でも 凍 らずに、 過 冷 却 液 体<br />

として 存 在 することができる。しかし、この 液 体 状 態<br />

も 自 然 核 発 生 温 度 (T H ) 以 下 では 急 速 に 結 晶 化 してし<br />

まうが、 核 形 成 が 起 こるよりも 十 分 に 早 く 水 を 冷 却 す<br />

ることができれば、T H 以 下 の 温 度 でも 瞬 間 的 に 液 体 状<br />

態 が 存 在 することが 可 能 である。<br />

水 には 結 晶 氷 とは 別 の 固 体 状 態 としてアモルファス<br />

氷 ( 非 晶 質 氷 、ガラス 状 の 水 )が 約 150K 以 下 で 存 在<br />

する。 最 初 のアモルファス 氷 は 1935 年 に 気 相 蒸 着 法 に<br />

よって 作 製 された。 3 1980 年 には 小 さな 水 滴 ( 液 体 )を<br />

超 急 冷 することでもアモルファス 氷 が 作 られた。 4 一<br />

方 で、1984 年 に 三 島 等 は 氷 I h を 低 温 で 加 圧 することで<br />

アモルファス 氷 を 作 製 した。 5 このアモルファス 氷 は 従<br />

来 のアモルファス 氷 より 20% 以 上 も 密 度 が 大 きいた<br />

め 高 密 度 アモルファス 氷 (high-density amorphous ice:<br />

HDA)と 呼 び、 従 来 のアモルファス 氷 は 低 密 度 アモル<br />

ファス 氷 (low-density amorphous ice: LDA)と 呼 んでい<br />

る。そして、 興 味 深 いことに、LDA と HDA は 相 互 に<br />

見 掛 け 上 不 連 続 な 転 移 をし、その 転 移 はヒステリシス<br />

1


を 持 つことがわかった。 6, 7<br />

LDA と HDA の 詳 細 な 構 造 は 様 々な 手 法 で 解 析 され<br />

8-10 、LDA と HDA の 局 所 構 造 は 全 く 異 なり、どちらも<br />

長 距 離 秩 序 構 造 がないことが 示 されている。これらの<br />

局 所 構 造 の 違 いは 水 素 結 合 で 形 成 される 水 分 子 の4 配<br />

位 ユニットの 幾 何 学 的 配 置 の 違 いで 説 明 されている。<br />

LDA は 隙 間 が 大 きい 分 子 配 置 をとり( 図 2の 左 図 )、<br />

クラスレートハイドレートの 籠 構 造 が 歪 んだような 状<br />

態 と 考 えられている。 11 一 方 、HDA は、 高 圧 氷 Ⅵの 構<br />

造 のようなネットワークの 隙 間 に 互 いが 入 り 込 んで 隙<br />

間 を 互 いに 埋 め 合 わせる 配 置 ( 図 2の 右 図 )をとると<br />

考 えられる。そして、その 分 子 配 置 の 四 面 体 性 は 極 端<br />

に 歪 んでいると 考 えられている。 10<br />

LDA と HDA は、 昇 温 すると 結 晶 化 温 度 (T x )で 結<br />

晶 化 する。アモルファス 氷 の 結 晶 化 もカイネティック<br />

な 現 象 であり、T x の 値 は 昇 温 速 度 などに 依 存 する。 12 T H<br />

と T x は 圧 力 にも 依 存 し、それを 考 慮 して 水 の 乱 れた 状<br />

態 を 図 2にまとめた。 水 の 乱 れた 状 態 は 結 晶 化 領 域 ( 図<br />

2の T H と T x で 挟 まれた 白 い 領 域 )で 分 断 され、 結 晶<br />

化 領 域 に 存 在 する 液 体 は 急 速 に 結 晶 化 するために 液 体<br />

状 態 の 観 測 は 難 しい。<br />

通 常 、ガラス 状 態 はガラス 化 する 直 前 の 液 体 の 状 態<br />

を 反 映 している。これは、LDA と HDA を 昇 温 すると<br />

それぞれに 対 応 する 液 体 、 低 密 度 水 (low-density<br />

liquid:LDL)と 高 密 度 水 (high-density liquid:HDL)、<br />

に 変 化 することを 示 唆 している。このように、 水 には<br />

低 温 で 2 つの 乱 れた 状 態 が 存 在 する 可 能 性 が 示 唆 され、<br />

この 現 象 を「 氷 のポリモルフィズム」に 倣 って「 水 の<br />

ポリアモルフィズム( 水 の 多 形 )」と 呼 んでいる。<br />

3. 水 の 液 - 液 相 転 移 と 液 - 液 臨 界 点<br />

水 の 過 冷 却 温 度 領 域 に2 種 類 のアモルファス 氷 が 存<br />

在 することは、 液 体 論 の 上 で 非 常 に 興 味 深 い。もし 結<br />

晶 化 領 域 に 2 つの 液 体 (LDL と HDL)が 存 在 し、 且 つ<br />

LDA-HDA 転 移 の 本 質 が 一 次 であるなら、 室 温 の 液 体<br />

は 圧 力 に 対 して 連 続 なので、LDA と HDA の 共 存 曲 線<br />

は 図 2の 赤 い 破 線 の 内 側 で 臨 界 点 (CP)を 持 たなけれ<br />

ばならない。つまり、 水 には 気 - 液 臨 界 点 とは 別 の 第<br />

2 の 臨 界 点 ( 液 - 液 臨 界 点 )が 存 在 することになる。<br />

1992 年 に Pool 等 は 計 算 機 実 験 で 水 の 液 - 液 臨 界 点 の<br />

存 在 の 可 能 性 を 指 摘 し 13 、その 根 拠 として 2 つのアモ<br />

ルファス 氷 の 存 在 を 挙 げている。<br />

しかし、2つの 液 体 (LDL と HDL)の 存 在 や 液 - 液<br />

臨 界 点 の 場 所 を 実 験 的 に 確 認 することは 結 晶 化 領 域 が<br />

存 在 するために 難 しい。そこで、 仕 方 なく 2 つのアモ<br />

ルファス 氷 の 観 測 から 間 接 的 に 2 つの 液 体 の 正 体 を 探<br />

ることになるが、アモルファス 氷 の 実 験 からも、 水 の<br />

ポリアモルフィズムの 正 当 性 を 示 すことは 簡 単 ではな<br />

い。 何 故 なら、アモルファス 氷 は 常 に 非 平 衡 状 態 下 で<br />

観 測 されるからである。 14,15 つまり、アモルファス 氷 は<br />

高 粘 性 のために 圧 力 の 変 化 に 状 態 の 変 化 が 追 従 できず、<br />

その 状 態 の 変 化 の 本 質 ( 氷 I h のアモルファス 化 や<br />

LDA-HDA 転 移 の 本 質 )が 観 測 に 現 われないことがあ<br />

る。 実 際 に、 構 造 緩 和 に 関 係 したガラスの 圧 力 誘 起 緻<br />

密 化 現 象 は、しばしばポリアモルフィック 転 移 と 混 同<br />

されることがある。 14<br />

残 念 ながら、まだ 水 の 液 - 液 臨 界 点 の 正 確 な 位 置 は<br />

実 験 的 に 求 められていない。 16 しかし、 実 験 装 置 の 工<br />

夫 や 斬 新 なアイデアで 諸 々の 問 題 は 回 避 され、これま<br />

での 実 験 結 果<br />

17 は、「 水 には 低 温 に 異 なった 2 つの 水 が<br />

存 在 し、 液 - 液 臨 界 点 が 存 在 する」ことが 確 からしい<br />

ことを 示 している。 例 えば、 結 晶 化 領 域 内 で 高 圧 氷 Ⅳ<br />

の 融 解 曲 線 が 急 激 に 折 れ 曲 がることが 観 測 された。 18<br />

融 解 曲 線 は 氷 Ⅳと 液 体 のギブスのフリーエネルギー 面<br />

の 交 線 なので、 氷 Ⅳの 融 解 曲 線 の 折 れ 曲 りはその 点 で<br />

液 体 状 態 が 劇 的 に 変 化 していることを 示 唆 している。<br />

( 注 )<br />

一 方 で、 計 算 機 実 験 や 理 論 も 水 のポリアモルフィ<br />

ズムの 正 当 性 を 支 持 している。 19<br />

4. 水 のポリアモルフィズムの 応 用 と 展 望<br />

水 に 液 - 液 臨 界 点 があれば、 臨 界 点 周 辺 では 液 体 の<br />

密 度 などの 揺 らぎは 大 きいはずである。そして、その<br />

揺 らぎの 影 響 が 水 の 不 思 議 を 誘 発 しているのかもしれ<br />

ない。この 揺 らぎの 研 究 から「 水 の 不 思 議 」が 解 き 明<br />

かされるのも 近 いだろう。<br />

この「 臨 界 点 付 近 の 揺 らぎ」や「 低 温 での 2 つの 水<br />

への 相 分 離 」のようなポリアモルフィズムのダナミッ<br />

クス( 図 3)は 水 を 含 んだ 物 質 の 機 能 や 構 造 に 複 雑 な<br />

影 響 を 及 ぼすはずである。 最 近 になって 水 のポリアモ<br />

ルフィズムの 水 溶 液 系 への 応 用 が 始 まっている。 20-22<br />

塩 水 が 凍 結 する 時 、 結 晶 氷 から 溶 質 ( 塩 )を 排 出 して、<br />

高 濃 度 の 塩 水 と 低 濃 度 の 結 晶 氷 に 分 離 する。この 偏 析<br />

現 象 が 低 温 で 水 が 2 つに 分 離 する 現 象 と 関 係 している<br />

20, 22<br />

ことが 徐 々にわかってきた。<br />

水 のポリアモルフィズムの 水 溶 液 系 への 応 用 はまだ<br />

手 探 りの 状 態 だが、 物 質 と 2 つの 水 との 相 互 作 用 を 理<br />

解 することができれば、 水 溶 液 化 学 の 諸 問 題 に 新 たな<br />

展 開 を 与 えることも 可 能 かもしれない。 例 えば、 物 質<br />

に 近 接 した 水 のミクロスコピックな 状 態 を2つの 水 の<br />

状 態 に 関 係 づけることで、 界 面 や 分 子 表 面 で 起 こるダ<br />

イナミックな 変 化 を 高 度 に 制 御 できるかもしれない。<br />

また、 物 質 の 水 への 溶 解 現 象 ( 水 和 現 象 )を 物 質 の 2<br />

つの 水 への 溶 解 度 の 違 いと 関 係 づけることで、 親 水 性<br />

と 疎 水 性 の 水 和 現 象 を 統 一 的 に、そしてより 簡 潔 に 扱<br />

うことが 可 能 になるかもしれない。<br />

現 時 点 では、 水 のポリアモルフィズムの 基 礎 的 な 理<br />

解 がされ 始 めたばかりで、まだ 解 決 しなければならな<br />

い 問 題 も 多 い。ましてや、 他 分 野 への 応 用 研 究 はその<br />

方 向 性 や 手 法 すら 確 立 されていない。しかし、 水 は 学<br />

際 的 な 分 野 に 関 係 していることから、 水 のポリアモル<br />

2


フィズムが 関 係 していると 思 われる 分 野 は 広 く( 図 4)、<br />

その 応 用 研 究 の 重 要 性 は 高 い。 水 のポリアモルフィズ<br />

ムの 理 解 が 進 めば、 各 分 野 で 行 き 詰 っていた 諸 問 題 が<br />

打 開 でき、 複 雑 な 現 象 も 簡 素 化 できるかもしれない。<br />

水 のポリアモルフィズムにはそれだけの 可 能 性 が 潜 在<br />

していると、 私 は 思 っている。<br />

最 後 に、ポリアモルフィズムは 水 に 限 った 現 象 では<br />

なく、 他 の 物 質 にも 確 認 されている。 23-25 ポリアモルフ<br />

ィズムの 概 念 は 乱 れた 系 ( 特 にガラスや 非 晶 質 )の 見<br />

方 を 大 きく 変 革 し、 物 質 ・ 材 料 分 野 での 発 展 も 大 いに<br />

期 待 されるだけではなく、 全 く 思 いもよらない 分 野 に<br />

展 開 される 可 能 性 があることも 指 摘 しておく。<br />

なお、 我 々が 行 なってきた 水 のポリアモルフィズム<br />

に 関 する 研 究 は http://www.nims.go.jp/water/にまとめて<br />

ある。また、 多 くの 助 言 とデータの 提 供 をして 頂 いた<br />

三 島 修 氏 には 心 から 感 謝 します。<br />

注 釈 : 一 次 相 転 移 はギブスのフリーエネルギーの 一 階<br />

微 分 が 不 連 続 になることで 定 義 される。<br />

文 献<br />

1. O. Mishima and H. E. Stanley: The relationship<br />

between liquid, supercooled and glassy water, Nature,<br />

396, 329 (1998).<br />

2. P. G. Debenedetti: Supercooled and glassy water, J.<br />

Phys. Condens. Matter, 15, R1669 (2003).<br />

3. E. F. Burton and W. F. Oliver: The Crystal Structure of<br />

Ice at Low Temperatures, Proc. R. Soc. Lond. A, 153,<br />

166 (1935).<br />

4. P. Brüggeller and E. Mayer: Complete vitrification in<br />

pure liquid water and dilute aqueous solutions, Nature,<br />

288, 569 (1980).<br />

5. O. Mishima, L.D. Calvert and E. Whalley: ‘Melting’<br />

ice I at 77K and 10 kbar: a new method of making<br />

amorphous solids, Nature, 310, 393 (1984).<br />

6. O. Mishima, L.D. Calvert and E. Whalley: An<br />

apparently first-order transition between two<br />

amorphous phases of ice induced by pressure, Nature,<br />

314, 76 (1985).<br />

7. O. Mishima: Reversible first-order transition between<br />

two H 2 O amorphs at ~0.2 GPa and ~135 K, J. Chem.<br />

Phys. 100, 5910 (1994).<br />

8. A.K. Soper and M.A. Ricci: Structure of high-density<br />

and low-density water, Phys. Rev. Lett. 84, 2881<br />

(2000).<br />

9. J. L. Finney, A. Hallbrucker, I. Kohl, A. K. Soper, and<br />

D. T. Bowron: Structures of High and Low Density<br />

Amorphous Ice by Neutron Diffraction, Phys. Rev. Lett.<br />

88, 225503 (2002).<br />

10. Y. Suzuki, Y. Takasaki, Y. Tominaga and O. Mishima:<br />

Low-frequency Raman spectra of amorphous ices,<br />

Chem. Phys. Lett. 319, 81 (2000).<br />

11. M. Matsumoto: Why dose water expand when it<br />

cools? , Phys. Rev. Lett. 103, 017801 (2009).<br />

12. Y. Suzuki and O. Mishima: Raman study of the<br />

annealing effect of low-density glassy waters, J. Phys.<br />

Soc. Jpn. 72, 3128 (2003).<br />

13. P. H. Poole, F. Sciortino, U. Essmann and H. E.<br />

Stanley: Phase behavior of metastable water, Nature<br />

360, 324 (1992).<br />

14. Y. Suzuki and O. Mishima: Differences between<br />

pressure-induced densification of LiCl-H 2 O glass and<br />

polyamorphic transition of H 2 O, J. Phys. Condens.<br />

Matter 21, 155105 (2009).<br />

15. Y. Suzuki and Y. Tominaga: Polarized Raman<br />

spectroscopic study of relaxed high density amorphous<br />

ices under pressure, J. Chem. Phys. 133, 164508<br />

(2010).<br />

16. O. Mishima: Volume of supercooled water under<br />

pressure and the liquid-liquid critical point, J. Chem.<br />

Phys. 133, 144503 (2010).<br />

17. 鈴 木 芳 治 : 水 のポリアモルフィズム- 実 験 による<br />

正 当 性 の 検 証 , 日 本 物 理 学 会 誌 61, 318 (2006).<br />

18. O.Mishima and H.E.Stanley: Decompression-induced<br />

melting of ice IV and the liquid-liquid transition in<br />

water, Nature 392, 164 (1998).<br />

19. 例 えば、M.J. Cuthbertson and P.H. Poole: Mixturelike<br />

behavior near a liquid-liquid phase transition in<br />

simulations of supercooled water, Phys. Rev. Lett. 106,<br />

115706 (2011).<br />

20. Y. Suzuki and O. Mishima: Two distinct Raman profiles<br />

of glassy dilute LiCl solution, Phys. Rev. Lett. 85, 1322<br />

(2000).<br />

21. O. Mishima: Phase separation in dilute LiCl-H 2 O<br />

solution related to the polyamorphism of liquid water, J.<br />

Chem. Phys., 126, 244507 (2007).<br />

22. L. Le and V. Molinero: Nanophase segregation in<br />

supercooled aqueous solutions and their glasses driven<br />

by the polyamorphism of water, J. Phys. Chem. A, 115,<br />

5900 (2011).<br />

23. S. Aasland and P.F. McMillan: Density-driven<br />

liquid-liquid phase separation in the system Al 2 O 3 -Y 2 O 3 ,<br />

Nature 369,633 (1994).<br />

24. Y. Katayama, T. Mizutani, W. Utsumi, O. Shimomura,<br />

M. Yamakata and K. Funakoshi: A first-order<br />

liquid-liquid phase transition in phosphorus, Nature 403,<br />

170 (2000).<br />

25. H. Tanaka, R. Kurita and H. Mataki: Liquid-Liquid<br />

Transition in the Molecular Liquid Triphenyl Phosphite,<br />

Phys. Rev. Lett. 92, 025701 (2004).<br />

3


図 表 の 解 説<br />

図 1:コップの 中 のこおり 水 の 温 度 。 水 の 4℃ 密 度 極<br />

大 の 一 例 。<br />

図 2: 水 、 過 冷 却 水 、 結 晶 氷 、アモルファス 氷 の 温 度<br />

- 圧 力 状 態 図 。LDA と HDA の 領 域 に、それぞれの 分<br />

子 配 置 の 模 式 図 を 示 す。0.1GPa は 1000 気 圧 。HDA と<br />

高 圧 水 の 連 続 性 と LDA-HDA 転 移 の 不 連 続 性 が 成 り<br />

立 つと、 赤 い 破 線 で 囲 った 内 側 に LDL と HDL に 関 係<br />

する 液 - 液 臨 界 点 (CP)が 存 在 することになる。<br />

図 3: 液 - 液 臨 界 点 の 揺 らぎと 液 - 液 相 分 離 の 模 式 図 。<br />

図 4: 水 のポリアモルフィズムが 関 係 する 応 用 分 野 。<br />

( 本 文 は 応 用 物 理 80 巻 10 号 (2011) p.890-893<br />

に 掲 載 したものである。)<br />

4


300<br />

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