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B. plantarii の 針 接 種 により 穂 と 葉 に 病 斑 が 現 れる 植 物 種 としてライムギ, 穂 にのみ 病 斑 が 現 れる 植 物 種 と<br />
してカズノコグサ,スズメノテッポウ,スズメノカタビラ,コムギ,イタリアンライグラス,ローズグラス,<br />
シコクビエ,トウモロコシ,ソルガムが 報 告 されている(Miyagawa et al., 1988).( 第 5 章 第 2 項 も 参 照 )<br />
<br />
B. glumae によるもみ 枯 れ 症 の 発 生 は, 平 均 気 温 が 平 年 より 高 めで, 特 に 出 穂 ・ 開 花 期 前 後 のイネが 高 温 ・<br />
多 湿 , 降 雨 に 遭 遇 すると 多 発 する 傾 向 にあるので( 関 ,1959), 発 生 地 域 は 九 州 , 四 国 地 方 などの 暖 地 に 多 いが,<br />
中 国 , 近 畿 , 東 海 , 関 東 地 方 のみならず, 北 陸 , 東 北 地 方 でも 発 生 の 報 告 がある.<br />
また, 本 症 状 の 発 生 は 日 本 だけでなく, 大 韓 民 国 , 中 華 人 民 共 和 国 , 台 湾 ,ベトナム 社 会 主 義 共 和 国 ,マ<br />
レーシア,フィリピン 共 和 国 ,インドネシア 共 和 国 など 東 および 東 南 アジア 地 域 で 広 くみられる.さらに,<br />
1980 年 代 にはコロンビア 共 和 国 (Zeigler and Alvarez, 1989),1990 年 代 にはアメリカ 合 衆 国 (Shahjahan et<br />
al., 2000),2000 年 代 にはパナマ 共 和 国 (Nandakumar et al., 2007),コスタリカ 共 和 国 ,ニカラグア 共 和 国<br />
などの 中 南 米 諸 国 でも 発 生 が 認 められるようになった(Correa et al., 2007).アメリカ 合 衆 国 では 南 部 の 米 作<br />
地 帯 で 穂 枯 れ 症 状 が 発 生 していたが, 猛 暑 であった 1995 年 のルイジアナ 州 ,アーカンソー 州 ,テキサス 州 で<br />
大 発 生 し,その 後 さらにミシシッピ 州 ,ミズーリ 州 でも 発 生 している. 米 国 南 部 や 中 南 米 では 葉 鞘 腐 敗 も 伴 っ<br />
て,40% からときには 80% の 減 収 をもたらすほど 甚 大 な 被 害 を 与 えることもある.<br />
B. glumae による 苗 腐 敗 症 ならびに B. plantarii による 苗 立 枯 細 菌 病 の 発 生 は, 育 苗 期 間 中 の 高 温 が 発 病 助<br />
長 要 因 であるので, 九 州 から 北 海 道 まで 全 国 的 に 問 題 になっている.ただし, 育 苗 に 保 温 用 ビニールハウス 等<br />
を 用 いない 栽 培 法 を 行 っている 九 州 の 一 部 地 域 では 発 生 が 認 められていない.ビニールハウス 内 の 温 度 は, 特<br />
に 春 先 は 一 定 に 管 理 することが 容 易 ではなく, 常 に 監 視 していなければ 天 候 の 変 化 による 急 上 昇 は 避 けられず<br />
に 発 病 を 招 いてしまうが,ビニールハウス 等 を 用 いなければ, 苗 が 極 端 な 高 温 にさらされることがないためで<br />
ある. 苗 立 枯 細 菌 病 の 被 害 は, 我 が 国 以 外 では 正 式 な 報 告 はない.<br />
<br />
B. glumae<br />
B. glumae は 種 子 伝 染 し( 後 藤 ・ 渡 辺 ,1975), 圃 場 で 感 染 したもみを 播 種 すると 箱 育 苗 において 苗 腐 敗 症<br />
を 発 生 させる( 植 松 ・ 藤 井 ,1976a, b; 藤 井 ・ 植 松 ,1976). 本 細 菌 は, 浸 種 , 催 芽 , 播 種 , 出 芽 , 緑 化 ,ビニー<br />
ルハウス 等 の 中 での 育 苗 ,という 育 苗 工 程 の 中 で, 特 に 催 芽 , 出 芽 時 の 30 ~ 32℃ 前 後 の 温 度 条 件 下 で 急 激 に<br />
増 殖 し,さらにビニールハウス 等 の 中 で 高 温 に 遭 遇 すると 苗 を 激 しく 発 病 させる.<br />
無 病 徴 の 感 染 苗 を 水 田 に 移 植 しても, 出 穂 期 頃 までは 発 病 しないで 生 育 することが 多 い.しかし, 病 原 細 菌<br />
は 株 元 に 定 着 し, 後 のもみ 枯 れ 症 や 葉 鞘 褐 変 を 起 こす 原 因 になる.1980 年 代 に 入 って, 九 州 地 方 をはじめ 西<br />
南 暖 地 でもみ 枯 細 菌 病 の 被 害 が 顕 著 になったのは, 稲 作 過 程<br />
に 箱 育 苗 という 病 原 細 菌 にとって 菌 数 増 加 の 好 機 が 入 り 込 ん<br />
だことと,コシヒカリなど 一 部 の 人 気 品 種 の 保 菌 した 種 もみ<br />
の 広 範 な 流 通 が 原 因 ではないかと 推 測 されている.すなわ<br />
ち,もみ 枯 れ 症 が 顕 在 化 しないような 気 候 のもとで 生 産 され<br />
た 人 気 品 種 の 無 病 徴 感 染 した 種 もみが 広 範 囲 に 流 通 し,それ<br />
が 苗 腐 敗 症 が 顕 在 化 しない 地 域 で 対 策 が 施 されないまま 箱 育<br />
苗 に 用 いられて 細 菌 数 が 増 加 したために, 本 田 におけるもみ<br />
枯 れ 症 の 多 発 につながったのではないかと 考 えられている.<br />
もみに 付 着 していた B. glumae は, 浸 種 , 催 芽 の 段 階 で<br />
急 増 し, 気 孔 や 出 根 の 際 に 生 ずる 傷 口 等 から 苗 に 侵 入 し, 細<br />
胞 間 隙 で 増 殖 して 激 しい 腐 敗 を 起 こす( 図 14)(Azegami et<br />
al., 1988a).また, 開 花 期 にもみの 内 ・ 外 穎 の 特 に 下 表 皮<br />
( 内 側 の 表 皮 )に 多 く 存 在 する 気 孔 から 穎 の 中 へ 侵 入 し, 下<br />
-8-<br />
<br />
第 1 葉 鞘 の 柔 組 織 は,B. glumae(Stoughton<br />
の 染 色 法 によって 紫 色 に 染 まっている)によっ<br />
て 溶 けて 崩 壊 している. 維 管 束 部 及 び 鞘 葉 は 形<br />
をとどめている. 第 2 葉 鞘 は,この 標 本 では 感<br />
染 しておらず, 形 をとどめている.