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報文 教材としての原生動物(3)―ゾウリムシⅡ

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116 原 生 動 物 学 雑 誌 第 38 巻 2005 年図 1 繊 毛 打 方 向 と 遊 泳 行 動ゾウリムシの 前 端 を 時 計 の 12 時 方 向 、 後 端 を 6 時 方向 に 定 位 させたとした 場 合 、ふつうの 速 さで 遊 泳 するときは、 繊 毛 打 の 方 向 は 4 時 半 ( 実 線 矢 印 )、 反 対 面は 7 時 半 ( 破 線 矢 印 )となり、 左 回 転 をしながら 前 進遊 泳 し(A)、 全 体 としての 遊 泳 軌 跡 は 左 螺 旋 を 描 くようになる(a)。 容 器 に 機 械 的 なショックを 与 えたり、天 敵 に 追 われたりすると、 繊 毛 打 の 方 向 は 6 時 に 近 くなるとともに(B) 繊 毛 打 頻 度 も 高 くなり、 螺 旋 のピッチが 大 きくなって 速 く 泳 ぐようになる(b)。 細 胞 膜 の脱 分 極 により 繊 毛 打 方 向 が 逆 転 し 12 時 近 くになると、左 回 転 しながら 後 退 遊 泳 し(C)、 全 体 としては 右 螺 旋の 遊 泳 軌 跡 を 描 く(c)。ほとんど 前 後 に 動 くことなく、 後 端 を 支 点 に 大 きく 前 端 を 右 回 転 させる、いわゆる“ 首 振 り 運 動 ”(d)は、 障 害 物 をさけるときなどにしばしば 観 察 される 行 動 で、このとき 繊 毛 打 はちょうど 3 時 方 向 であるため、 前 後 への 推 進 力 はなく 回 転 力のみ 生 じている(D)。表 11/60M CaCl2 1/40M KCl ゾウリムシの 行 動 (22℃)1( 滴 ) 15( 滴 )約 40 秒 間 直 線 的 に 後 退 → 停 止 して、 後 端 を 支 点 に 約 20 秒 間 時 計 回 りに 大 きく首 振 り 回 転 → 大 きく 首 を 振 りながらゆっくり 前 進 し、やがて 普 通 の 前 進 遊 泳に 戻 る2 14約 15~20 秒 間 少 し 首 を 振 りながらであるが 直 線 的 に 後 退 → 停 止 して、 約 10秒 間 大 きく 首 振 り 運 動 →40~60 秒 後 に 普 通 の 前 進 遊 泳 に 戻 る4 12約 7~8 秒 間 後 退 → 停 止 して3~5 秒 間 大 きく 首 振 り 運 動 →15~20 秒 後 に 普 通の 遊 泳 に 戻 る8 8 1~2 秒 間 、 停 止 した 状 態 で 少 し 大 きく 首 を 振 る→ 普 通 の 前 進 遊 泳 に 戻 る12 4 対 照 と 見 かけ 上 同 じ 前 進 遊 泳 、 障 害 物 に 当 たると 普 通 に 回 避 反 応 も 起 こる16 0 同 上表 21/60M CaCl2 1/40M BaCl2 ゾウリムシの 行 動 (22℃)12( 滴 ) 4( 滴 )自 発 性 方 向 変 換 が 頻 繁 (1~2 秒 ごと)におこるが、 後 退 遊 泳 の 継 続 時 間 は 短く、 前 進 と 後 退 のピストン 運 動 を 行 う8 8試 験 液 に 移 した 直 後 は 少 し 後 退 するが、 前 進 遊 泳 をはじめ、 比 較 的 高 い 頻 度で 自 発 性 方 向 転 換 ( 約 10 秒 の 直 線 的 後 退 遊 泳 )をする4 12 ほぼ 同 上2 140 16かなり 長 時 間 (20~60 秒 間 ) 後 退 遊 泳 を 継 続 後 、 自 発 的 方 向 変 換 は 少 なく、普 通 の 前 進 遊 泳 に 戻 る試 験 液 に 移 した 瞬 間 はゆっくりと 首 振 り 運 動 をするが、15~30 秒 後 に 運 動 を停 止 する

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