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2009年春号 - Asian University for Women

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アジア 女 子 大 学 支 援 財 団 ニュースレター 2009 年 春 号 vol. 3, no. 1創 立 記 念 式 典 のハイライトアクセスアカデミーの 学 生 コミュニティ具 体 化 する 学 部 カリキュラムモシェ・サフディ 氏 が 語 るアジア 女 子 大 学 キャンパスの 姿リタ・コルウェル 氏 とタエブ・カマリ 氏 が 率 いる 国 際 アドバイザー 委 員 会


22009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1理 事 長 からのご 挨 拶2008 年 10 月 、 千 人 近 くの 方 々のご 出 席 を 賜 り、バングラデシュにてアジア 女 子 大 学 創 立 記 念 式 典 が 開 催 されました。4 日 間 にわたって2 都 市 で 開 催 された 記 念 式 典 は、 実 によく 準 備 され、 結 果的 に 非 常 に 洗 練 された、 説 得 力 のあるものとなり、 大 成 功 を 収 めました。限 られた 人 数 による 運 営 でここまでのことができたことを 誇 りに 思 うとともに、 参 加 者 の 方 々にはこのイベントから 数 々の 刺 激 を 受 け、アジア 地 域 、ひいては 世 界 にとって、アジア 女 子 大 学 のようなプロジェクトがいかに 重要 であるかを 認 識 していただけたことと 思 います。記 念 式 典 を 通 して 私 が 感 じたことは、 私 たちと 同 じ 思 いを 共 有 している 人 が 多 くいるということです。世 界 各 国 から 支 援 をいただけていることを 本 当 にうれしく 思 うと 同 時 に、 私 たちが 正 しい 方 向 へ 向 かっており、ついにアジア 女 子 大 学 の 構 想 の 機 が 熟 したことを 実 感 しました。学 部 課 程 開 校 を 数 ヶ 月 後 にひかえ、より 一 層 力 を 入 れて 活 動 をしていくとともに、 今 まで 以 上 に 皆 様からの 支 援 を 必 要 としています。このニュースレターを 通 して、アジア 女 子 大 学 について 皆 様 に 知 っていただき、この 壮 大 な 企 画 に 何 らかの 形 で 関 わっていただけたら 幸 いです。アジア 女 子 大 学 支 援 財 団 理 事 長ジャック・マイヤー目 次 :アジア 女 子 大 学 創 立 記 念 式 典 3アクセスアカデミー立 ち 上 がるコミュニティ 8女 性 の 人 生 を 本 が 変 える 11学 生 紹 介 :スニタ・バスネットカンボジアに 変 化 を 起 こす 13学 部 カリキュラムと 教 職 員カリキュラムの 重 要 性 14教 職 員 紹 介 16スタンフォード 大 学 ポストドクターの 22研 究 者 がAUW 教 授 陣 にクリティカル 思 考 の 重 要 さ 22キャンパス 建 設コミュニティを 思 い 描 いて 24東 と 南 が 出 会 う 29国 際 アドバイザー 委 員 会 の 設 立 29お 知 らせ 34若 い 女 性 の 未 来 を 切 り 拓 く 37AUW 支 援 財 団 理 事 ジャネット・モンタグ 氏アジア 女 子 大 学 支 援 財 団 寄 付 の 近 況 38アジア 女 子 大 学 支 援 財 団 ニュースレター編 集 & 執 筆エイミー・パラディスアジア 女 子 大 学 創 立 記 念 式 典 に 訪 れたジャック・マイヤー 氏 、ロネ・ディブカー 氏 ( 前 列 中 央 )と 各 国(アメリカ、イギリス、デンマーク、インド、パキスタン、 香 港 、 日 本 、イラン、ドイツ、 バングラデシュ)からの 使 節 団アジア 女 子 大 学 についてアジア 女 子 大 学 (AUW)は、 高 等 教 育 がリーダーシップ 育 成 、 経 済 成 長 、 社 会 的 ・ 政 治 的 平 等 の 実 現にきわめて 重 要 であるという 強 い 信 念 に 基 づき、バングラデシュ 第 二 の 都 市 チッタゴンに 設 立 されました。 南 アジア、 東 南 アジアから 中 東 にわたる 地 域 の、 特 に 貧 困 地 帯 や 農 村 部 、 難 民 コミュニティを中 心 とする、 様 々な 文 化 、 宗 教 、 民 族 、 社 会 的 背 景 をもつ 有 望 な 女 性 を 育 成 し、 地 域 の 社 会 ・ 経 済 的発 展 に 貢 献 する 知 識 と 能 力 のある 女 性 リーダーを 継 続 的 に 輩 出 していくことを 目 指 しています。アジア 女 子 大 学 支 援 財 団 (AUWSF)は、アジア 女 子 大 学 の 企 画 立 案 および 資 金 調 達 に 従 事 するアメリカを拠 点 とした 非 営 利 財 団 です。寄 稿エリザベス・アグネロメアリーアン・バイランダーマーサ・ナスバウムボニー・シャイルソン翻 訳坂 井 馨 月ソーンダース 朋 子写 真シャヒドゥル・アラムシャファワット・カン・シャフジョン・ハールナーデザインケリー・セントピエール大 橋 怜 奈アジア 女 子 大 学 支 援 財 団 広 報 担 当 ディレクターレベッカ・ノウルズ


42009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1事 、テンプル 大 学 日 本 キャンパス 心 理 学 部 教授 ・ 副 研 究 院 長 )はこの 点 を 前 面 に 出 し、 学生 たちに「AUWの 卒 業 生 としてあなたたちは地 域 コミュニィティのリーダーになるだけではなく、 世 界 に 変 化 をもたらす 存 在 となるでしょう」と 語 りました。パネリストとして 参 加 した、ローレン・モリアーティー 氏 ( 前 アジア 太 平 洋 経 済 協 力 閣 僚会 議 APECアメリカ 大 使 )、ヴィヴィアン・ロウェリー・デリック 氏 (AUW 支 援 財 団 理 事 、前 Academy <strong>for</strong> Educational Developmentシ「 発 展 途 上 国 で 教 育 と 雇 用 の 男 女不 平 等 を 是 正 することにより、 年率 で0.2パーセントのGDP 成 長 を見 込 めるのです。」キャシー・ 松 井 氏ニア・バイスプレジデント 兼 官 民 パートナーシップディレクター)も、リーダーシップを機 軸 に 議 論 を 展 開 しました。パネルセッション「 古 い 慣 習 を 打 ち 壊 す: 女 性 の 地 位 向 上 の成 功 事 例 」で、モリアーティー 氏 は、 女 性 の地 位 向 上 を 促 すために 重 要 な4つの 要 素 として、スキル、 自 信 、ロールモデル( 模 範 になる 人 )、メンターをあげました。また、デリック 氏 は、 真 のリーダーたちが 保 持 している素 質 は、 誠 実 さと 正 直 さ、 技 術 的 な 専 門 能 力 、ビジョン、 試 し 失 敗 し 学 ぶメンタリティー、変 革 の 重 要 性 への 理 解 、まわりの 人 が 重 要 で価 値 ある 存 在 だと 感 じられるよう 助 ける 心 だと 述 べました。パネリストたちはシンポジウムの1 日 を 通 して、このリーダーの 頭 と 心 の 素 質 の 組 み 合 わせについて 議 論 しました。また、 女 性 の 地 位向 上 と 改 革 の 追 求 は 有 益 なことでありながら、時 として 大 きな 犠 牲 を 伴 うこともあると、 個人 的 な 実 話 を 交 えながら 話 しました。イラン 人 弁 護 士 、 活 動 家 、そして 作 家 のメランギズ・カル 氏 は、このことについて 非 常 によく 理 解 しています。イラン 諜 報 機 関 による逮 捕 、 度 重 なる 脅 しに 耐 えながら、カル 氏 はハーバード 法 科 大 学 人 権 問 題 プログラム 特 別研 究 員 として、 自 国 イランにおける 人 権 侵 害について 公 に 異 議 を 唱 え 続 けています。 女 性差 別 による 人 的 ・ 経 済 的 損 害 を 議 論 するパネルで、カル 氏 は、イランにおいてイスラムの名 のもとで 女 性 の 人 権 が 侵 害 され 続 けていることに 焦 点 を 絞 って 話 しました。1979 年 の 改革 の 後 、 女 性 がいかに 政 治 的 発 言 力 、 専 門 的な 役 割 、 社 会 的 自 由 を 失 ったか 説 明 しました。今 日 、イラン 政 府 は 女 性 を 差 別 しないというスタンスをとりながら、イスラム 教 の 価 値 観の 維 持 を 盾 に、 男 女 不 平 等 を 是 正 しようとする 人 々を 迫 害 しています。カル 氏 は、 女 性 たちが 穏 健 で 非 暴 力 的 なイスラムの 解 釈 を 草 の根 レベルで 積 極 的 に 広 めはじめることによってのみ 変 革 は 可 能 だと 考 えます。保 守 的 な 政 権 の 国 だけでなく 民 主 主 義 の 国 も、政 治 家 の 不 在 により 数 々の 女 性 問 題 と 直 面 しています。ゾーヤ・ハサン 氏 (ジャワハルラル・ネルー 大 学 政 治 学 部 教 授 、マイノリティのためのインド 国 家 委 員 会 メンバー)は、インドは 女 性 の 地 位 向 上 を 表 面 上 は 掲 げてきたものの、 女 性 の 政 治 参 加 を 促 す 動 きはほとんどなされていない。この「 構 造 変 革 をせずして政 治 への 進 出 を 促 そうとするパラドックス」は、 女 性 の 将 来 と 幸 福 に 影 響 する 変 革 そのものから 彼 女 らを 排 除 していると 説 明 しました。コミュニティから 抑 圧 されている 女 性 は、 経済 的 、 社 会 的 に 排 除 されていると 感 じ、さらに 極 端 な 場 合 には、 肉 体 的 、 精 神 的 な 罰 だと受 けとめることもあります。 数 々の 賞 を 受 賞しているジャーナリスト、シャーミーン・オベイド・チノイ 氏 によるドキュメンタリー「Lifting the Veil(ベールを 上 げて)」を 通して、シンポジウム 参 加 者 はそのような 抑 圧がもたらす 社 会 への 影 響 を 目 の 当 たりにしました。オベイド・チノイ 氏 がバスでアフガニスタン 中 をまわって 撮 影 したドキュメンタリーは、タリバン 政 権 崩 壊 後 の 女 性 の 苦 闘 を描 いています。ハミーダ・ホセイン 氏 ( 人 権擁 護 活 動 家 そして、アイン・オ・シャリシュ・ケンドロ(ASK、 法 律 と 調 停 のセンター) 設立 者 )もまた 女 性 への 過 酷 な 抑 圧 に 触 れ、パキスタンやバングラデシュでは、 女 性 は 政 治的 交 渉 で 板 ばさみになり、 名 誉 殺 人 のような暴 力 行 為 の 被 害 者 になることも 少 なくないと説 明 しました。ホセイン 氏 は、 弱 い 立 場 の 人 々に 法 的 な 支 援 を 提 供 するASKの 活 動 を 通 し、これらの 不 正 問 題 に 取 り 組 んできた 自 分 のキャリアについて 語 りました。シャヒダ・ジャフリー 氏 は、 女 性 たちが 社 会のシステムの 犠 牲 になる 前 の 人 生 の 早 い 段 階で 行 動 を 起 こそうとしている 自 身 の 活 動 について 話 しました。ジャフリー 氏 は、イランとアフガニスタンの 国 境 にほど 近 いパキスタンのバロチスタン 地 域 にある 最 初 の 女 子 大 学 サルダール・バハドル・カン 大 学 (SBK)の 創立 者 兼 学 長 です。ジャフリー 氏 は、SBKのような 大 学 は 学 生 に 教 育 を 提 供 するだけでなく、若 いパキスタンの 女 性 にロールモデルを 提 供していると 語 りました。しかしながら、 学 校 教 育 を 通 して 能 力 を 引 き伸 ばす 機 会 を 得 られる 女 性 は 非 常 に 限 られています。そのため、 女 性 たちは 織 り 手 、タバコ 製 造 者 、 農 民 として 生 計 を 立 てなければなりません。インドの 自 営 女 性 労 働 者 協 会メランギズ・カル 氏 キャシー・パイク 氏 キャシー・ 松 井 氏


アジア 女 子 大 学 創 立 記 念 式 典5( Self Employed <strong>Women</strong>’s Association、SEWA)代 表 ジョティ・マクワン 氏 は、そういった 非公 式 セクターで 働 く 女 性 が 安 定 した 収 入 、ヘルスケアやチャイルドケア、そして 保 険 のある 正 式 雇 用 を 得 て、 平 等 と 独 立 を 獲 得 するのを 手 助 けしてきました。SEWAの 成 功 要 因 についてマクワン 氏 は、 女 性 労 働 者 への 教 育 に力 を 入 れていることをあげ、それが 持 続 的 な経 済 と 利 益 に 繋 がっていると 説 明 しました。キャシー・ 松 井 氏 (AUW 支 援 財 団 理 事 、ゴールドマン・サックス 証 券 ( 日 本 )マネージング・ディレクター 兼 チーフ 日 本 株 ストラテジスト、 汎 アジア 投 資 調 査 部 部 長 )は 、 教育 と 経 済 の 相 関 関 係 について 議 論 しました。女 性 の 賃 金 は 学 校 教 育 により 増 加 し、またそれは 男 性 よりも 早 いスピードであることが 多 い。また、 学 校 教 育 が1 年 増 えることにより 約 10パーセントの 増 加 があると 指 摘 します。 松 井 氏 によると、 発 展 途 上 国 で 教 育と 雇 用 の 男 女 不 平 等 を 是 正 することにより、年 率 で0.2パーセントのGDP 成 長 を 見 込 めるとのことです。「 女 性 の 教 育 は、 今 日 私 たちができるもっとも 効 果 的 な 社 会 投 資 なのです」と 松 井 氏 は 締 めくくりました。最 後 のセッションでは、アジア 女 子 大 学 のアカデミックリーダー、 学 生 、 教 員 が 壇 上 にあがり、このプロジェクトへの 投 資 がいかに 重要 であるかをそれぞれの 経 験 を 通 して 議 論 しました。 副 総 長 兼 学 長 のフーネン・クー 氏 は、自 分 が 家 庭 や 学 校 で 学 んだ 価 値 観 がいかに 重要 であったかを 述 べ、 女 性 が 意 味 のある 変 化を 遂 げるのを 支 える 教 育 機 関 やグループの 存在 は 極 めて 重 要 であると 語 りました。最 後 にアクセスアカデミーの 学 生 、ドゥース・キムスルー(カンボジア 出 身 )、サイカ・ラニ(パキスタン)、サデカ・タスミン(バングラデシュ)、アイダ・ジョニー(インド)、ガンガ・シルバ(スリランカ)、ロージー・カ創 立 記 念 式 典 でパフォーマンスを 披 露 するアクセスアカデミーの 学 生ルナ(ネパール)が、それぞれいかに 貧 困 、偏 見 、 自 然 災 害 、 孤 立 を 克 服 してアジア 女 子大 学 で 学 ぶ 機 会 を 得 るに 至 ったかを 話 しました。キムスルーがたどったカンボジアの 小 さな 農 村 からアクセスアカデミーへの 道 のりは実 に 感 動 的 で、まさにアジア 女 子 大 学 のミッションを 体 現 したすばらしい 事 例 です。カンボジアでは 受 けられないアジア 女 子 大 学 の 質のよい 教 育 、そしてアジアの 女 性 のコミュニティの 一 員 になる 喜 びを、しっかりした 英 語で 語 り、クラスメートについて「 私 たちは 皆異 なります。しかし、 多 くの 共 通 点 も 持 っています。 私 たちは 人 生 を 通 して 友 人 でいることでしょう」と 述 べました。そして 卒 業 後 は、彼 女 のような 村 の 女 性 たちを 助 けるためにカンボジアへ 戻 りつもりだと 話 しました。キムスルーの 言 葉 は、アジアにおける 変 化 の指 針 として、アジア 女 子 大 学 のような 教 育 機関 の 重 要 性 がますます 増 していることを 示 しています。ロネ・ディブカー 氏 (AUW 国 際 支援 委 員 会 代 表 、デンマーク 国 会 議 員 )は、こう 締 めくくりました。「アジア 女 子 大 学 のように 船 が 進 むべき 方 向 を 示 す 灯 台 が 私 たちには 必 要 です。 世 界 に 変 化 を 起 こし、 貧 困 を 過去 のものとし、 東 と 西 の 文 化 を 越 えた 会 話 を促 していくために。」1Nussbaum, Martha. “<strong>Women</strong>’s Education:A Global Challenge,” Signs: Journal of<strong>Women</strong> in Culture and Society, 2003, vol.29, no.2.キムスルーのスピーチを 含 む 創 立 記 念 式 典 の詳 細 については、www.asian-university.orgをご 覧 ください。ジュディー・ムディー・スチュワート 氏シャヒーダ・ジェフリー 氏ゾーヤ・ハサン 氏


62009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1アジア 女 子 大 学 創 立 記 念 式 典変 化 を 起 こそうとする 大 学 のミッションを 出 席 者 らが 賞 賛アラン・ローゼンフィールド 教 授 を 偲 んでアジア 女 子 大 学 は 大 学 創 立 記 念 シンポジウムを 亡 きアラン・ローゼンフィールド教 授 へ 捧 げたいと 思 います。コロンビア大 学 公 衆 衛 生 大 学 院 名 誉 学 長 、BRACUSA 理 事 長 であり、 公 衆 衛 生 において 世界 的 に 偉 大 な 活 動 をされたローゼンフィールド 教 授 は、2008 年 10 月 12 日 、 筋 萎縮 性 側 索 硬 化 症 (ルー・ゲーリック 病 )でご 逝 去 されました。 教 授 は、 子 供 の 生命 を 守 るという 役 割 だけでなく、 女 性 自身 のために 女 性 の 健 康 を 考 える 必 要 があるという 考 えを 述 べて、 女 性 の 健 康 保 健問 題 を 提 起 した 第 一 人 者 です。アジア 女子 大 学 の 親 愛 なる 友 ローゼンフィールド教 授 は、 本 大 学 がパッカード 財 団 から 多大 な 支 援 を 受 ける 際 にも 重 要 な 後 押 しをして 下 さいました。 私 たちはローゼンフィールド 教 授 のご 冥 福 をお 祈 りするとともに、 公 正 な 世 界 を 築 こうと 努 力 された教 授 の 意 思 を 今 後 とも 引 き 継 いでまいります。2008 年 10 月 18 日 、ダッカのバングラシュ 中国 友 好 会 議 場 で 開 催 されたアジア 女 子 大 学(AUW) 創 立 記 念 式 典 に、 世 界 各 地 から 外 交官 、 学 識 者 、 活 動 家 、メディア、アジア 女 子大 学 首 脳 陣 、 教 職 員 、 学 生 、 特 別 招 待 客 が 集まりました。バングラデシュ 暫 定 政 府 ファクルッディン・アーメド 首 相 ( 当 時 )が 議 長 をつとめ、2006 年 にノーベル 平 和 賞 を 受 賞 したグラミン 銀 行 創 始 者 モハメド・ユヌス 博 士 を主 賓 に 迎 えました。「アジア 女 子 大 学 のプロジェクトに 関 わるようになって 数 年 、 大 学 設 立 の 計 画 と 進 展 を 見守 ってきました」とアーメッド 首 相 は 語 りました。「 積 年 の 労 がついに 実 を 結 び、 力 強 いアイデアが 現 実 のものになったのをこの 目 で見 るのは 計 り 知 れない 喜 びです。」また、アーメッド 首 相 は、AUWの 際 立 った 特徴 に 触 れ、 卓 越 した 教 育 機 関 を 目 指 していること、 多 様 性 にこだわっていること、 世 界 各地 から 支 援 をとりつけていることをたたえました。「バングラデシュで 始 まったプロジェクトが、デンマークの 元 首 相 夫 人 、ハーバード 大 学 投 資 部 門 の 伝 説 的 元 トップ、シンガポールの 科 学 者 、 世 界 的 に 有 名 な 建 築 家 などを巻 き 込 み、 支 持 を 得 ることは、 非 常 に 稀 なことです。」アーメッド 首 相 はAUWのミッションがいかに適 切 であるかについて 語 り、 講 演 を 締 めくくりました。「 残 りの 半 数 の 人 々( 女 性 )が 国 の活 動 に 従 事 することができてはじめて、 持 続可 能 な 発 展 が 可 能 だという、このシンプルな現 実 に 気 づくことが 極 めて 重 要 なのです。」ムハマド・ユヌス 博 士 は 当 初 AUWのプロジェクトに 対 して 大 きな 疑 問 を 抱 えていたことを打 ち 明 けました。「 私 は 二 つの 理 由 で 反 対 していました。 一 つ 目 は、この 大 学 がプロジェクトのための 資 金 がほとんどないバングラデシュに 設 立 されるという 点 です。 二 つ 目 に、女 性 のためだけの 大 学 であるという 点 に 時 代への 逆 行 を 感 じたことです。それに 対 してカマール・アーマッド 氏 は 私 にこう 尋 ねました。(グラミン 銀 行 が) 女 性 のための 銀 行 を 始 められて、なぜ 女 性 のための 大 学 が 成 功 しない理 由 があるのか、と。それがきっかけとなって 私 の 考 えは 変 わりました。」ユヌス 博 士 はさらに、AUWの 学 生 がより 包 括的 で 持 続 的 なアジアの 枠 組 みを 築 いていくことを 願 っているとコメントしました。「この大 学 は、アジアの、そして 世 界 の 人 種 のるつぼです。 学 生 が 建 物 の 中 だけで 学 ぶのではなく、 村 に 出 て 人 々の 苦 闘 から 学 ぶ 教 育 機 関 の先 がけとなるでしょう。カリキュラムにはそういったプログラムが 含 まれるべきです。」と 語 りました。式 典 では、 大 学 首 脳 陣 や 理 事 も 講 演 しました。アジア 女 子 大 学 副 総 長 兼 学 長 、フーネン・クー氏 は、 卒 業 生 が 社 会 の 不 平 等 と 闘 っていく 上でいかにこの 大 学 が 助 けになるかを 説 明 しました。「 女 性 を 取 り 巻 く 数 々の 問 題 において、何 も 変 わらないとあきらめて 投 げ 出 してしまうことは 簡 単 です。しかし、 社 会 を 変 革 するための 解 決 策 は 教 育 、および、 文 化 ・ 政 治 活動 にあり、それによって、これまでアジアの女 性 が 直 面 してきた 不 平 等 を 克 服 することができるのです。」クー 氏 は 引 き 続 き 大 学 の 構 想 について 語 りました。「AUWのカリキュラムは、 進 歩 的 なリベラルアーツ( 一 般 教 養 課 程 )と 専 門 的 な 大学 院 課 程 に 焦 点 をあてます。リーダーシップと 起 業 家 精 神 をそなえ、 持 続 的 な 発 展 、 経 済成 長 、 社 会 ・ 政 治 的 な 平 等 を 実 現 していく 卒業 生 を 輩 出 していくことを 目 指 しています。」アジア 女 子 大 学 支 援 財 団 理 事 長 、コンベキシティ・キャピタル・マネジメント 専 務 取 締 役ジャック・マイヤー 氏 は、「 私 はただいま 非常 に 難 しい 立 場 におります。ファクルッディン・アーメド 首 相 の 雄 弁 さ、ユヌス 博 士 の 道徳 的 影 響 力 や 経 験 には 遠 く 及 びません。クー氏 が 説 明 してくださった 素 晴 らしいアカデミックプログラムに 何 か 補 足 できることもありません」とこれまでの 講 演 を 受 けて 話 しはじめました。マイヤー 氏 は 大 学 に 対 する 彼 自 身 の 展 望 を 語りました。「 私 たちは 大 勢 のアジアの 女 性 に月 並 みな 教 育 を 提 供 しようとしているのではありません。 少 人 数 の 学 生 に 非 常 に 質 の 高 い教 育 を 提 供 することによって、 彼 女 たちが 他アジア 女 子 大 学 のプロジェクトに 関 わるようになって 数 年 、 大 学 設 立 の計 画 と 進 展 を 見 守 ってきました。 積 年 の 労 がついに 実 を 結 び、 力 強 いアイデアが 力 強 い 現 実 のものになったのをこの 目 で 見 るのは 計 り 知 れない喜 びです。ファクルッディン・アーメド 首 相


82009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1アクセスアカデミー 概 要アジア 女 子 大 学 アクセスアカデミーは、 恵 まれない 環 境 で 育 った 学 生 がアジア 女 子 大 学 に入 学 できるよう 補 習 する1 年 間 の 大 学 入 学 準備 プログラムです。アカデミーでは、 高 等 教育 を 受 けるのに 必 要 な 学 問 的 なスキルやテクノロジースキルを 提 供 するとともに、 社 会 ・文 化 的 な 適 応 を 促 進 し、また、メンターシップ、カウンセリング、レクレーションなどで構 成 されています。2009 年 よりアクセスアカデミーでは、 一 家 で 最 初 に 大 学 へ 進 学 する 学生 のみを 受 け 入 れる 制 度 を 導 入 します。2008年 3 月 に 入 学 した 最 初 の 学 年 の129 名 の 学 生は2009 年 8 月 にプログラムを 終 え、アジア 女子 大 学 の 学 部 課 程 に 入 学 します。国 際 的 な 大 学 を 標 榜 するアジア 女子 大 学 はアジア 各 国 から 学 生 を 募集 しています。これまでに 学 生 を受 け 入 れているバングラデシュ、カンボジア、インド、ネパール、パキスタン、スリランカの6ヵ 国から 引 き 続 き 募 集 をするとともに、2009 年 8 月 に 入 学 する 学 年 には、アフガニスタン、ブータン、パレスチナ、インドネシア、ミャンマー、タイ、ベトナム、 中 国 から 学 生 を 募 集 する 予 定 です。立 ち 上 がるコミュニティ幅 広 いカリキュラム、 世 界 各 国 から 訪 れるゲスト、 思 いがけないつながりがアクセスアカデミー 学 生 の 視 野 、そしてコミュニティ 意 識 を 広 げる授 業 を 通 しての 進 展2008 年 8 月 、ジャーナリスト、 人 権 問 題 活 動家 、エイズ 感 染 防 止 キャンペーン 活 動 家 として 著 名 な、マリナ・マハティール 氏 (マハティール・モハマド 前 マレーシア 首 相 とシティ・ハスマー・ビンティ・モハマド・アリ 夫人 のご 息 女 )がアクセスアカデミーを 訪 れました。マハティール 氏 は、エイズへの 認 知 をあげるためのマレーシアでの 自 身 の 活 動 に 関するプレゼンテーションをおこなうとともに、訪 問 の 大 半 の 時 間 を 授 業 の 見 学 や 学 生 との 意見 交 換 をして 過 ごしました。マハティール 氏 は 英 作 文 の 授 業 を 見 学 し、ある 学 生 の 文 章 に 大 きく 心 を 動 かされました。マハティール 氏 は 自 身 のブログにこう 綴 っています。「4ヶ 月 前 、 村 から 出 てきたばかりの 彼 女 はほんの 少 ししか 英 語 を 話 せませんでした。ところが 今 日 、 私 のような 初 対 面 の 人に、 自 信 をもって 完 璧 に 近 い 英 語 で 話 し、 予想 をはるかに 超 える 教 養 ある 表 現 で 彼 女 の 考えを 伝 えてくれたのです。」 1マハティール 氏 の 視 察 報 告 から、 少 人 数 のクラスと 熱 心 な 先 生 のおかげでこの 数 ヶ 月 で 学生 がいかにめざましく 上 達 したかについて 読み 取 ることができます。また、アカデミーではカリキュラムにいくつか 新 しい 要 素 を 導 入しました。 昨 年 7 月 、ピーター・バーベラ 氏がチッタゴンを 訪 問 し、 革 新 的 な 数 学 カリキュラムであるコアプラス( 高 等 数 学 や 定 量 分析 を 現 実 の 問 題 に 適 応 するスキルを 向 上 することに 焦 点 をおいたカリキュラム)についてアカデミーの 数 学 教 員 を 指 導 しました。アメリカと 海 外 で27 年 間 数 学 を 教 え、 教 員 の 指 導をしてきたバーベラ 氏 は、アカデミーでの 経験 についてこう 語 りました。「 個 人 、 地 域 、そして 国 にとって、いかに 学 校 教 育 が 価 値 があり、 重 要 なものであるかを 心 底 から 理 解 できました。」1マリナ・マハティール「Chittagong:Watching Girls Blossom」(http://rantingsbymm.blogspot.comより2008年 9 月 4 日 の 記事 を 抜 粋 しました。)エイズの 認 知 をあげるためのマレーシアでの 活 動 について 学 生 に 話 すマリナ・マハティール 氏モデルUN


アクセスアカデミー9学 生 の 世 界 観 を 広 げるゲストスピーカーマハティール 氏 とバーベラ 氏 をはじめとする数 多 くのゲスト 講 演 は 学 生 たちの 世 界 観 を 大きく 広 げています。 昨 年 夏 、チッタゴン 出 身のハーバード 大 学 3 年 生 サナム・イスパハニ氏 が 訪 れ、6 週 間 の 模 擬 国 連 を 開 催 しました。アカデミーの 学 生 たちはそれぞれの 国 に 割 り当 てられ、 政 策 方 針 声 明 を 作 成 し、 解 決 策 を発 表 、 質 疑 応 答 をおこないました。「 世 界 の地 理 や 国 際 問 題 にこれまでほとんど 関 わりがなかった 学 生 にとって、 模 擬 国 連 は 英 語 の 授業 で 学 んだ 論 理 的 思 考 力 、 文 章 能 力 、 発 表 する 力 などを 活 用 するとても 良 い 機 会 になりました。」とアクセスアカデミー 代 表 代 理 ザリナ・ホセイン 氏 は 語 っています。授 業 風 景学 生 たちはグローバルに 考 えるだけでなく、地 域 で 活 動 していくことについても 学 んでいます。 活 動 家 として 賞 を 受 賞 しているハーバード 大 学 4 年 生 のミヒリ・ティラカランテ氏 はアカデミーで2 週 間 ほど 過 ごし、 保 健 、教 育 、 女 性 と 若 者 の 地 位 向 上 、 農 村 での 電 力と 水 の 獲 得 などの 例 をあげ、 様 々な 分 野 で 草の 根 プログラムを 推 進 する 方 法 について 指 導しました。さらに、コミュニケーションを 専 門 にしているエイダ・イップ 氏 を 迎 え、 効 果 的 なコミュニケーションに 関 する 講 座 シリーズを 提 供 しました。ゴールドマン・サックス 証 券 香 港 オフィスで 働 くエイダ・イップ 氏 は、アクセスアカデミーの 学 生 についてこう 語 っています。「 学 生 たちは 授 業 でよく 発 言 し、 非 常 に 活 発です。 学 生 たちの 学 ぼうとする 熱 意 と 向 上 心に 非 常 によい 刺 激 をもらいました。」学 生 と 語 らうアクセスアカデミー 教 員 ジル・デイヴィス 氏変 化 を 起 こす多 数 派 の 民 族 や 宗 教 が 往 々にしてコミュニティや 国 の 政 治 を 率 いる 地 域 にありながら、ベンガル 人 が 半 数 近 くを 占 めるアカデミーの 学生 の 中 から、スリランカ 出 身 のシンハラ 人 の3 人 が 新 しく 発 足 した 学 生 自 治 会 の 代 表 に 選ばれました。シンハラ 人 は129 人 の 学 生 のうち11 人 と 少 人 数 ですが、 自 治 会 長 に 選 ばれたスリランカのマタレ 出 身 のチリニ・シャニカ・ヘワージはその 結 果 についてこう 語 っています。「アジア 女 子 大 学 の 学 生 は、お 互 いを 宗教 や 民 族 を 超 えた 個 人 として 受 け 入 れようとしています。」学 生 自 治 会 のこれまでで 最 大 の 功 績 は 何 かという 質 問 に 対 し、ヘワージは「 学 生 と 教 員 やスタッフの 間 のコミュニケーション 網 を 確 立したことです。 今 では、 学 生 たちが 自 治 会 の地 元 の 学 校 を 訪 問 する 学 生


102009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1「 私 たちはそれぞれの 方 法 でお 祈 りを 捧 げます。でも、それはまったく 問 題 にならないのです。」ナズニーンが 地 元 の 村 を 恋 しく 思 うとき、 先生 たちがまるで 地 元 にいるかのように 感 じさせてくれました。 他 の 学 生 も 同 様 のことを 話しています。「すべての 学 生 が 自 分 の 家 族 のようなものなのです」とナズニーンは 締 めくくりました。 22ナズニーンに 関 する 記 事 は、ペンシルベニア大 学 4 年 生 のボニー・シャネイルソン 氏 によるエッセイからの 抜 粋 です。シャネイルソン 氏 は2008 年 夏 アクセスアカデミーで 学 生とともに 過 ごし、 学 生 のストーリーをエッセイにまとめました。ITセンターでの 指 導メンバーに 自 由 に 悩 みや 問 題 を 打 ち 明 けることができるようになり、それが 大 学 側 に 伝 えられるという 仕 組 みができあがりました」と答 えました。また、 学 生 はアカデミーの 外 でも 積 極 的 に 活動 をしています。「ある 日 、 私 たちはチッタゴンのコミュニティについて 議 論 をし、 窮 地に 追 い 込 まれた 人 々についてのスライドを 見ました。 私 は 大 きく 心 を 動 かされ、 地 元 の 人々を 支 援 するクラブを 立 ち 上 げました」と 話すのは、バングラデシュ 人 の 学 生 で 地 域 奉 仕クラブの 共 同 創 始 者 、シャミマ・ナスリン・リマです。 地 域 奉 仕 クラブに 所 属 する 学 生 は現 在 、 地 元 の 孤 児 院 の 子 供 たちに 英 語 を 教 えたり、 低 所 得 地 域 の 学 校 で 音 楽 を 教 えたりしています。「アジア 女 子 大 学 の 学 生 は、お 互いを 宗 教 や 民 族 を 超 えた 個 人 として 受 け 入 れようとしています。」学 生 自 治 会 長 チリニ・シャニカ・ヘワージ異 国 における 故 郷 との 出 会 いアカデミーのほとんどの 学 生 にとって、チッタゴンはこれまでに 行 ったことのある 場 所 の中 で、 自 分 の 家 から 最 も 遠 く 離 れた 場 所 です。しかし 遠 く 離 れた 地 で、 故 郷 とのつながりを見 つけた 学 生 もいます。 例 えば、20 歳 のナズニーンは、 北 パキスタンの 人 里 離 れた 村 からやってきました。チッタゴンに 来 て 間 もなく、ナズニーンは、 自 分 の 村 で 信 仰 されているイスラム 教 の 宗 派 イスマイル 派 がチッタゴンにも 存 在 していることを 発 見 したのです。AUW支 援 財 団 代 表 のカマール・アーマッド 氏 の 助けを 借 りて、ナズニーンは 地 元 のイスマイリセンターに 紹 介 してもらうことができました。この 発 見 をきっかけに、 宗 派 の 代 表 アーガー・ハーン4 世 がダッカを 訪 問 するという 歴 史 的な 瞬 間 に 立 ち 会 うなど、 数 々の 刺 激 的 な 出 来事 がありました。「このような 機 会 に 恵 まれることはめったにありません。 私 たちは 彼 の信 奉 者 であり、 心 より 崇 拝 しています。」とナズニーンは 語 ります。アクセスアカデミーに 来 てからの 数 ヶ 月 間 は、ナズニーンにとって 様 々な 宗 教 を 知 る 機 会 でもありました。ナズニーンの 地 元 にはイスマイル 派 というひとつの 宗 教 しかありません。AUWに 来 るまで、ナズニーンは 他 の 宗 教 の 信 者 と出 会 ったことがありませんでした。まわりの学 生 が 何 の 問 題 もなくそれぞれの 習 慣 を 持続 しているのを 見 て 彼 女 はほっとしました。朝 のお 祈 り


122009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1年 の 世 論 調 査 では、 識 字 率 がたったの48%という 結 果 でした。そんな 中 、スニタの 父 親 は 教 育 をいつも 重 視していました。 例 えば、 幼 稚 園 の 最 初 の 日 、機 嫌 を 悪 くして 家 を 出 たがらなかったスニタに 向 かって 父 親 は、 幼 稚 園 に 行 ったら 先 生 がチョコをくれるよと 言 って 説 得 しました。いつもは 強 情 なスニタもそのご 褒 美 につられて機 嫌 をなおし、 一 番 いい 格 好 に 着 替 えて 出 かけました。ところが、 途 中 で 滑 ってバランスを 崩 し、 泥 まみれになってしまったのです。貴 重 な 鉛 筆 と 紙 のかわりにすべての 生 徒 に 配られた 黒 板 とチョーク、そしてせっかくの 服も 台 無 しです。 最 悪 な1 日 のはじまりでした。粉 々になったチョークを 手 に、 泥 だらけの 格好 で 幼 稚 園 に 到 着 。 壁 やベンチなどの 設 備 はなく、 子 供 たちは 床 に 座 ってアルファベットを 学 びました。すでに 父 親 からアルファベットを 習 って 知 っているスニタの 頭 にはチョコのことしかありません。スニタは 待 ちきれなくなって 先 生 におねだりをはじめました。そしてしつこいおねだりに 音 をあげた 先 生 が 彼女 をたたいたのです。 憤 然 としたスニタは 黒板 をスカートの 下 に 隠 し、トイレ( 近 くの 池 )に 行 くふりをして 家 まで 走 って 帰 りました。5歳 のスニタはすでに 自 分 の 立 場 を 守 る 方 法 を知 っていたのです。スニタはその 後 学 校 に 通 い、2004 年 、 村 で 女性 としてはじめて 高 校 を 卒 業 しました。スニタはすぐに 大 学 に 行 くための 資 金 を 貯 めるという 次 の 課 題 について 考 え 始 めました。 経 営学 を 学 びたいと 思 っていましたが、 地 元 の 大学 に 導 入 されたばかりのプログラムは 手 の 届かない 値 段 でした。スニタの 父 親 は、 自 分 には 財 産 がないにも 関 わらず、 教 育 費 はどうにかすると 彼 女 に 約 束 しました。そして、とても 裕 福 で、 村 中 の 借 金 を 取 り 仕 切 っているスニタの 伯 父 ラジュのもとへ 融 資 してくれるようお 願 いしに 行 きました。しかし、ラジュは「スニタの 教 育 は 無 駄 になる。 夫 を 見 つけ、 子供 を 育 てればいいだけだ」と 言 って 頼 みを 断 りました。スニタの 結 婚 式 のためのお 金 だったら 喜 んで 貸 すけれど、 教 育 のためには 絶 対 貸さないと 言 い 切 ったのです。その 晩 帰 ってきた 父 親 は 不 機 嫌 で、ただ 押 し黙 っていました。スニタは 嫌 な 予 感 がしながらも 待 ちきれなくて 子 供 のように 父 親 を 問 い詰 めました。はじめスニタは 父 親 が 冗 談 を 言っているのだと 思 ったのですが、すぐに 本 気であることが 分 かりました。 家 族 の 名 誉 にとって 由 々しきことです。スニタは 一 晩 中 泣 きました。しかし、 次 の 朝 にはスニタは 心 を 決 めていました。 仕 事 を 見 つけ、 自 分 で 大 学 へ 進 むことにしたのです。さっそく 友 人 の 助 けで 人 権 ジャーナリストフォーラムでの 仕 事 見 つけ、 経験 や 学 位 がないにも 関 わらず 面 接 を 受 け、 自分 の 状 況 を 説 明 しました。 組 織 の 代 表 は 他 のスタッフと 話 し、 例 外 的 に 彼 の 計 らいで、 近くの 村 での10 日 間 の 試 用 プロジェクトに 受 け入 れてもらいました。 人 権 侵 害 に 苦 しむ 人 々を 彼 女 がどう 扱 うのか、またそれを 外 部 にどう 伝 えるのかを 見 る 目 的 でのプロジェクトです。スニタはその 村 の 人 と 話 をするのにすごく 緊 張 したことを 今 でも 覚 えています。「ああいう 人 と 話 をするのはあれが 初 めてでした。」1つのケースの 情 報 を 集 め、 詳 細 のレポートを 作 成 するのに10 日 間 かかりましたが、とてもやりがいのある 仕 事 でした。 組 織 の 人 々が彼 女 のレポートの 出 来 にひどく 感 心 しました。「 彼 らは 私 があれだけの 記 事 を 書 くとは 思 ってもいなかったと 思 います。」スニタはその場 で 採 用 されました。そのときの 喜 びをスニタは 笑 顔 で 振 り 返 ります。「 今 日 から 私 はジャーナリストだわ!」しかし、 物 事 はそうシンプルではありませんでした。まず 両 親 に 伝 えなければなりません。スニタの 仕 事 は、 家 を 離 れて 国 内 を 飛 び 回 り、人 権 侵 害 の 被 害 者 としての 経 験 のある 恵 まれない 環 境 の 人 々について 調 べるというものでした。これはネパールの 普 通 の 母 親 が 娘 に 望むような 仕 事 ではなく、 実 際 スニタの 母 親 も危 険 や 社 会 的 な 評 価 を 理 由 に 最 初 は 反 対 しました。 父 親 の 粘 り 強 い 説 得 のお 陰 で、1 週 間 後にようやく 母 親 の 許 可 を 得 ることができました。それから3 年 、スニタは 地 方 を 飛 び 回 り、ネパール 人 が 直 面 している 苦 難 を 記 録 しました。スニタはその 経 験 を 振 り 返 り、 自 分 が「 精 神的 に 変 わった」と 語 ります。この 経 験 を 通 して、「 自 分 はお 金 のために 働 くべきではない」と 実 感 し、 将 来 自 分 の 時 間 と 能 力 を 社 会 事 業にささげたいと 考 えるようになりました。この 仕 事 はスニタにレポート 作 成 のスキルだけでなく、 視 点 の 変 化 をもたらしたのです。しかし、 生 きていくためにお 金 が 必 要 なことは 確 固 とした 事 実 で、 精 神 的 に 大 きな 転 機 を迎 えたスニタにとってもそれは 変 わらぬ 事 実でした。3 年 間 必 死 で 働 いても、 彼 女 の 貯 蓄 は大 学 の 高 い 学 費 には 全 く 届 きませんでした。ある 日 スニタは、インフォーマル・サービスセクター・センター(INSEC)というNGOで人 権 擁 護 者 の 求 人 を 見 つけ、それに 飛 びつきました。ほとんどが 学 士 もしくは 修 士 の 学 位をもつ300 人 の 中 から 選 ばれるというとても競 争 率 の 高 い 仕 事 です。しかし 彼 女 はこう 言います。「 挑 戦 しなかったらどうやって 成 功することができるの?」と。そして、 高 卒 の学 歴 しかないながら、 国 中 をまわって 得 た 知識 と 熱 意 を 伝 えたスニタは、この 仕 事 に 採 用されることになったのです。INSECはミルゴウリヤ、ハリチャ 地 域 の2つの 村 落 開 発 委 員 会 を 担 当 していました。スニタの 村 は1つ 目 の 委 員 会 の 担 当 地 域 にあります。 政 治 指 導 者 と 会 って、 村 の 政 治 的 プロセスに 憲 法 制 定 会 議 を 加 えることの 重 要 性 を 理解 してもらうという 難 しい 仕 事 を 任 されました。 彼 女 の 村 では 民 主 的 な 政 治 プロセスは 表面 的 なものでしかなく、 汚 職 が 横 行 していました。スニタはこう 説 明 します。「 人 々は 米や500ルピーを 受 け 取 るとその 政 党 に 投 票 してしまいます。しかし 彼 らはわかっていないのです。500ルピーなんて2、3 日 しかもたず、悪 い 指 導 者 を 選 べばそれが 自 分 の 生 涯 に 影 響するということを。」スニタはその 後 、もう1つの 重 要 なプロジェクトに 目 を 向 けます。9 人 の 女 性 とともにウーマン・セービング・クラブという 組 織 を 立 ち 上げました。 村 の 女 性 が、 農 業 を 始 める 際 や、子 供 を 学 校 に 通 わせたいとき、また 学 士 号 を取 得 したいときに 融 資 する 組 織 です。 男 性 は参 加 することができません。スニタは 新 進 のマイクロファイナンス 家 として、 非 常 に 小 額の 利 子 で 女 性 にローンを 提 供 するという 重 要な 条 項 を 掲 げ、プログラムを 考 案 しました。数 年 でウーマン・セービング・クラブは2 万「 人 々は 米 や500ルピーを 受 け 取るとその 政 党 に 投 票 してしまいます。しかし 彼 らはわかっていないのです。500ルピーなんて2、3 日しかもたず、 悪 い 指 導 者 を 選 べばそれが 自 分 の 生 涯 に 影 響 するということを。」スニタ・バスネットルピーものローンを 貸 し 出 し、 村 中 の 女 性 がこのプログラムに 参 加 するようになりました。6 年 たちウーマン・セービング・クラブが 村で 大 繁 盛 する 中 、アジア 女 子 大 学 アクセスアカデミーで 勉 強 する22 歳 のスニタは、 自 信 をもって「 一 家 に 一 人 はメンバーがいます」と語 ります。過 去 に 彼 女 の 伯 父 が 断 固 として 拒 否 したことがきっかけとなり、スニタは 将 来 に 向 かって大 きく 羽 ばたきました。これらのプロジェクトを 通 して、 伯 父 が 彼 女 に 対 して 拒 否 したことをスニタは 他 の 多 くの 人 のためにしました。子 供 を 育 てることにしか 女 性 の 価 値 はないと決 めつける 社 会 と 直 面 しながらも、スニタは国 の 不 正 行 為 を 記 録 し、 政 治 的 指 導 者 とたたかい、 村 の 女 性 の 権 利 拡 大 を 目 指 します。そうすることによって 彼 女 は、 自 分 のコミュニティに 対 して、そしてもしかしたら 彼 女 自 身


アクセスアカデミー13に 対 しても、 女 性 の 運 命 を 決 めるのは 必 ずしも 男 性 ではないということを 強 く 訴 えかけていくことでしょう。バングラデシュの 小 さなゴキブリにはスニタ・バスネットを 驚 かせることなんてできないのです。アクセスアカデミーの 学 生 紹 介 は 以 下 のサイトでご 覧 になれます。http://www.asian-university.org/documents/AUW09StudentBio.pdfペンシルベニア 大 学 4 年 生 のボニー・シャネイルソン 氏 は2008 年 夏 アクセスアカデミーで学 生 とともに 過 ごし、 学 生 のストーリーをエッセイにまとめました。カンボジアに 変 化 を 起 こすメアリーアン・バイランダー 氏 寄 稿2005 年 から 私 はカンボジアの 農 村 地 域 における 教 育 開 発 を 支 援 する 団 体 で 働 いています。このNGOでは8つの 学 校 、11の 農 村 、 千 人 以上 の 生 徒 を 支 援 しています。そんな 中 、 現 在アジア 女 子 大 学 アクセスアカデミーで 学 ぶ8名 の 若 いクメール 人 (カンボジア 人 ) 女 性 を募 集 し、 支 援 してきたことは、カンボジアで 私が 果 たした 最 も 大 きな 功 績 だと 思 っています。最 初 にアジア 女 子 大 学 について 聞 いた 時 、 私はすぐに 大 学 のミッションと 将 来 像 に 強 く 共感 しました。なぜなら、プノンペンの 優 秀 な若 い 女 性 が 教 育 の 質 の 低 さに 不 満 を 語 ったり、農 村 地 域 の 女 性 が 将 来 につながらないため 高校 を 中 退 してしまったりするのを 何 度 も 見 てきていたからです。そして、まさにアジア 女子 大 学 のような 教 育 機 関 にカンボジアの 女 性が 進 学 できる 日 を 夢 見 ていたのです。カンボジアでは、 高 等 教 育 への 道 は 非 常 に 狭く、 大 学 を 卒 業 する 女 性 はごく 少 数 です。 私立 大 学 は 増 えてきていますが、 学 費 がとても高 く、そのほとんどはプノンペンに 位 置 しています。 全 国 からの 優 秀 な 学 生 に 付 与 される数 少 ない 政 府 の 奨 学 金 には、 住 居 や 食 事 の 費用 は 含 まれていません。また、 伝 統 的 に 女 の子 供 は 家 族 の 近 くで 生 活 するべきだという 習慣 から、 女 性 にとって 教 育 への 壁 はさらに 高くなります。そして、 大 学 に 通 ったからといって 必 ずしも 質 の 高 い 教 育 を 受 けられるとは限 りません。 教 員 は 適 切 な 訓 練 を 受 けておらず、 初 等 教 育 から 大 学 院 にわたって 教 員 の 欠席 率 が 高 く、また 学 生 の 間 ではカンニングやお 金 で 成 績 を 買 う 行 為 がまかり 通 っているのが 現 状 です。カンボジアのカントリーコーディネーターの話 を 受 けようとしているとき、カンボジアでアクセスアカデミーの 学 生 を 募 集 することへの 興 味 や 可 能 性 を 探 ろうと、アジア 女 子 大 学について 友 人 や 同 僚 に 話 してみました。 今 思カンボジアのAUWカントリーコーディネーター、メアリーアン・バイランダー 氏 ( 右 )とカンボジアの 学 生 と 母 親えば、それと 同 時 に、その 仕 事 をする 情 熱 と自 信 が 自 分 にあるのかを 確 かめようとしていたのだと 思 います。 私 には、 未 知 の 場 所 のまったく 新 しい 大 学 で 学 ぶために、 現 在 の 奨 学金 を 手 放 し、 家 族 や 安 定 した 生 活 を 離 れようとする 女 性 がどのぐらいいるのか 想 像 できませんでした。そこで、 大 学 在 籍 中 の 優 秀 な 友 人 に 相 談 し、バングラデシュにある 国 際 的 な 女 子 大 学 で 学ぶ 機 会 について 彼 女 の 率 直 な 考 えを 聞 いてみることにしました。 遠 く 離 れた 場 所 であること、 家 族 や 友 達 から 離 れなければならないこと、 発 展 途 上 国 に 住 むことになること、 学 問的 にレベルが 高 く 精 神 的 にも 大 変 になることなど、 自 分 が 考 えていたいくつかの 心 配 事 についても 話 してみました。 彼 女 は 私 の 話 をうなずきながらじっくり 聞 いた 上 で、カンボジアの 若 い 女 性 にはアジア 女 子 大 学 のような 機会 が 絶 対 に 必 要 だと 答 え、こう 話 しました。「 私 たちは 井 戸 の 中 の 蛙 です。 頭 上 に 小 さな抜 け 穴 が 見 えるだけで、そこから 抜 け 出 て 外を 見 るための 方 法 は 本 当 に 限 られています。このようなチャンスがあることを 知 らなければ、どうやって 前 に 進 んでいけるのか 私 にはわかりません。そして、そのチャンスを 掴 んだ 女 性 たちが、いつかこの 井 戸 を 切 りひらいてくれることと 思 います。」それから1 年 もたたないうちに、 優 秀 な 若 いカンボジアの 学 生 たちの、はじめての 海 外 渡航 に 私 は 同 行 していました。 彼 女 たちは、 空港 のターミナルで、 飛 行 機 の 中 で、 乗 り 継 ぎのバンコクとダッカで、そしてついにアクセスアカデミーの 新 しい 仲 間 たちとの 出 会 いに目 を 輝 かせました。まだ 始 まりにすぎませんが、 彼 女 たちがアクセスアカデミーで 培 った知 識 を 母 国 カンボジアにもたらしてくれる 日を 楽 しみにしています。この 素 晴 らしい 道 のりに 関 わらせていただいたことに 心 より 感 謝しています。


142009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1アジア 女 子 大 学 のアカデミックプログラムアジア 女 子 大 学 は2 種 類 のアカデミックプログラムを 提 供 しています。1 年 間 の 準 備 期 間を 必 要 とし、 家 族 ではじめて 大 学 へ 進 学 する 学 生 のためのアクセスアカデミー、そして、リベラルアーツと 科 学 を 中 心 とする 学部 課 程 と 専 門 教 育 の 大 学 院 課 程 をあわせた5年 間 のプログラムです。 大 学 院 課 程 のコースとして、 情 報 通 信 テクノロジー、 環 境 工学 ・ 持 続 的 開 発 、アントレプレナーシップ・経 営 学 の 専 攻 プログラムを 立 ち 上 げており、その 他 のプログラムも 今 後 開 発 していく 予定 です。また、2 年 目 の 夏 よりインターンシップの 機 会 を 提 供 します。アジア 女 子 大 学 は 学 生 と 家 族 の 経 済 状 況 に応 じた 教 育 資 金 援 助 を 提 供 します。 全 額 支給 の 奨 学 金 には、 住 居 費 、 食 費 、 学 費 、 健康 保 健 費 、 交 通 費 が 含 まれます。 必 要 に 応じて、キャンパス 内 でのアルバイトや 給 付金 を 提 供 します。 経 済 的 に 余 裕 のある 家 庭には、 収 入 と 財 産 に 応 じた 額 の 支 払 いをお願 いしています。アジア 女 子 大 学 入 学 申 請 情 報 はwww.asianuniversity.org/admission/howtoapply.htmよりご 覧 いただけます。詳 細 はadmissions@auw.edu.bdまでご 連 絡ください。アカデミックカレンダー2009 年 ~2010 年2009 年 7 月 1 日 ~8 月 20 日AUW 教 員 養 成 ワークショップ2009 年 7 月 15~16 日アクセスアカデミー 卒 業 式2009 年 8 月 16 日アクセスアカデミー・AUWオリエンテーション2009 年 8 月 23 日 ~12 月 17 日学 期 12010 年 1 月 10 日 ~4 月 29 日学 期 22010 年 5 月 9 日 ~8 月 12 日夏 期 講 習カリキュラムの 重 要 性アジア 女 子 大 学 のカリキュラムは、 学 問 分 野 を 超 えたコラボレーションと現 実 社 会 の 課 題 への 取 り 組 みを 重 視 しています。アジア 女 子 大 学 フーネン・クー 副 総 長 代 理 兼学 長 は、 大 学 のカリキュラムを 組 み 立 てることは 非 常 に 刺 激 的 であるとともに 複 雑 な 仕 事であると 語 ります。「 私 たちは 早 い 段 階 で、アメリカのリベラルアーツ( 一 般 教 養 科 目 )大 学 のカリキュラムを 転 用 する 考 えを 捨 てました。そしてこの 機 会 に、 伝 統 的 なリベラルアーツの 枠 組 みをとらえなおし、アジアの 女性 のニーズと 地 域 の 変 革 を 視 野 に 入 れたモデルを 組 み 立 てることにしました。」また、リベラルアーツのみでは、 将 来 のリーダーを 育 成 することができないことが 明 らかになりました。 様 々な 専 門 家 と 協 議 した 結 果 、専 門 性 を 重 んじ、 多 くの 場 合 修 士 号 を 必 要 とする 競 争 の 激 しい 就 職 市 場 に、 学 士 号 のみの卒 業 生 を 送 り 出 していくのは 危 険 だという 結論 に 至 りました。その 結 果 、 質 の 高 い 学 部 課 程 の 一 般 教 養 プログラムと 修 士 課 程 を 組 み 合 わせ、5 年 間 で 学士 号 と 修 士 号 を 取 得 できる 学 士 修 士 一 貫 モデルができあがりました。また、 学 生 は 在 学 中に、 企 業 、 政 府 機 関 、 非 営 利 団 体 などでインターンシップをおこない、1 年 間 の 就 業 経 験を 積 むことが 求 められています。 学 生 はその経 験 を 通 して、 実 務 経 験 を 積 むとともに、ロールモデルを 見 つけたり、 将 来 の 就 職 に 向けたネットワークを 構 築 したりできるわけです。すでにHSBC( 香 港 上 海 銀 行 )、シェブロン、ユニリーバなど 著 名 な 企 業 がアジア 女子 大 学 の 学 生 に 有 償 のインターンシップを 提供 することに 合 意 しています。学 生 の 視 点 に 立 った、統 合 されたカリキュラム学 部 課 程 の 開 講 を 数 ヵ 月 後 に 控 え、アジア 女子 大 学 では 学 生 の 視 点 に 立 った、 統 合 されたカリキュラムの 開 発 が 進 められています。 専門 的 な 研 究 や 分 野 を 超 えたコラボレーションともに、 純 粋 に、 教 えること、 学 ぶことに 大きな 価 値 がおかれています。「 学 生 の 視 点 に 立 ったカリキュラムを 開 発 するにあたって、まず 学 生 が 卒 業 するまでにどんな 知 識 を 身 につけ、 何 ができるようになっているべきかというゴールを 定 め、それから、いかにしてそこにたどり 着 くかを 議 論 します」と 説 明 するのは、アジア 女 子 大 学 学 部 課 程 学部 長 で、カリキュラム 作 成 の 中 心 メンバーのミシェル・ジフラ 氏 です。「アジア 女 子 大 学AUWSF 理 事 会 にてハナ・グレイ 氏 とヘンリー・ロゾフスキー 氏では、 大 学 のミッションに 基 づいてカリキュラムを 発 想 しています。 有 能 なリーダーとして 地 域 の 変 革 を 推 進 していくためには、どんな 知 識 と 技 術 が 必 要 なのか、と。」その 答 えとして、アジア 女 子 大 学 は、 以 下 の3つの 資 質 をもった 卒 業 生 を 育 てることを 目指 しています。 専 門 分 野 において、またいくつかの 分 野 にまたがって 情 報 を 論 理 的 に 評 価できる 力 、 多 様 な 人 々とコミュニケーションをとり、 協 働 する 力 、そして、 実 社 会 の 問 題に 革 新 的 な 解 決 策 を 見 つけ 出 す 力 、です。カリキュラム 作 成 チームは、これらの 資 質 を育 てるためにはリベラルアーツのカリキュラムが 最 も 効 果 的 な 枠 組 みであると 考 えています。ハナ・グレイ 氏 (AUW 支 援 財 団 理 事 、シカゴ 大 学 名 誉 学 長 ・ハリー・プラット・ジャドソン 殊 勲 賞 受 賞 史 学 部 名 誉 教 授 )はこう 語 ります。「リベラルアーツ 教 育 は、 独 自 の 考 え、論 理 的 な 判 断 、 分 析 能 力 を 授 け、 伝 統 的 なとらわれた 考 え 方 から 解 放 し、どの 分 野 に 進 むとしてもしっかりした 考 えをもった 有 能 なリーダーとなれるよう 資 質 を 伸 ばします。」ヘンリー・ロゾフスキー 氏 (AUW 支 援 財 団 理事 、ハーバード 大 学 ルイス・リンダ・ガイザー 名 誉 教 授 ・ 教 養 学 部 前 学 部 長 )は、「またそういったカリキュラムは、 自 分 の 民 族 、 宗教 、 社 会 的 背 景 を 超 えたより 広 い 視 点 でコミュニティをとらえ、 明 確 で 説 得 力 のあるコミュニケーションをとる 能 力 をも 育 てます」と付 け 加 えます。必 修 コースアジア 女 子 大 学 の 学 生 は、 必 修 コースを 通 して 上 記 の 能 力 を 身 につけます。1 年 目 は 知 識の 種 類 、 思 考 プロセス、および 主 要 な 学 問 分野 の 基 礎 を 学 びます。 人 生 やアイデンティテ


大 学 のカリキュラムと 教 員15ィに 関 する 人 文 科 学 の 視 点 、 人 間 社 会 や 行 動に 関 する 社 会 科 学 の 視 点 、 自 然 現 象 を 物 理 的に 検 証 する 自 然 科 学 の 視 点 を 通 して、 世 の 中の 課 題 を 分 析 する 力 を 養 います。1 年 目 の 人 文 科 学 では、アジアの 歴 史 、 宗 教 、美 術 、 文 学 、 哲 学 を 扱 います。 社 会 科 学 では、地 域 の 政 治 、 経 済 、 文 化 、 地 理 を、 世 界 の 安全 保 障 、 女 性 の 保 健 、 平 等 な 経 済 などの 視 点から 取 り 上 げます。 自 然 科 学 の 入 門 コースでは、 物 理 、 化 学 、 生 物 、コンピューターサイエンスの 考 え 方 を、 気 候 変 動 、 栄 養 、 社 会 、エネルギー、テクノロジーなどと 結 び 付 けて学 びます。また、 数 的 論 理 では、 他 のコースで 取 り 上 げられた 課 題 に 取 り 組 めるよう、 応用 数 学 ( 微 分 積 分 と 統 計 )とコンピューター( 基 礎 的 なプログラミングとデータ 解 析 )に焦 点 をあてます。2 年 目 はジェンダー 教 育 がカリキュラムに 加わります。「 社 会 を 動 かす 女 性 」という 必 修の 通 年 コースでは、 戦 争 と 平 和 、 教 育 、 科 学 、「リベラルアーツ 教 育 は、 独 自 の考 え、 論 理 的 な 判 断 、 分 析 能 力を 授 け、 伝 統 的 なとらわれた 考 え方 から 解 放 し、どの 分 野 に 進 むとしてもしっかりした 考 えをもった 有 能 なリーダーとなれるよう 資質 を 伸 ばします。」ハナ・グレイ 氏(AUW 支 援 財 団 理 事 、シカゴ 大 学 名 誉 学 長 ・ハリー・プラット・ジャドソン 殊 勲 賞 受 賞 史学 部 名 誉 教 授 )テクノロジー、 人 権 と 結 びつけて 女 性 について 議 論 します。もう1つの 必 修 科 目 「メディア・ラボ」では、コミュニケーションが 鍵 を握 るプロジェクトに 必 要 なスキルを 指 導 します。3 年 目 と4 年 目 でも 必 修 科 目 では 引 き 続 き「イノベーション・ラボ」のような 多 くの 学問 分 野 にまたがるセミナーを 実 施 していきます。「イノベーション・ラボは、マサチューセッツ 工 科 大 学 (MIT)のD-Lab をもとにしたコースで、 学 生 自 らがチームを 組 み、コミュニティの 課 題 に 取 り 組 むプロジェクトを立 ち 上 げ、 計 画 し、 発 表 するコースです」とクー 氏 は 説 明 します。学 科 コース学 生 は2 年 目 のはじめに、 生 物 科 学 、コンピューターサイエンス、 政 治 ・ 哲 学 ・ 経 済 (PPE)、文 学 、 女 性 学 から 専 攻 を 選 択 します。学 生 は 自 分 の 専 攻 内 で12 科 目 以 上 履 修 することが 求 められます。たとえば、PPE 専 攻 の 学生 は、まず、マクロ 経 済 、ミクロ 経 済 の 基 礎科 目 を 履 修 し、その 後 、 開 発 経 済 学 、グローバル 化 、ゲーム 理 論 、ジェンダーと 環 境 ・ 貧困 、モラル 論 理 、 政 治 的 価 値 と 倫 理 ・ 公 共 政策 などの 科 目 を 履 修 します。PPE 専 攻 の 学 生は、アントレプレナーシップ、もしくは 経 営学 の 修 士 課 程 に 進 むことができます。3 年 間 のコンピューターサイエンスのプログラムでは、プログラミング、データ 解 析 、ソフトウェア 開 発 、コンピューター 論 理 、アルゴリズムなどの 基 礎 科 目 からはじめ、コンピューター 構 造 、データベースシステム、アルゴリズム 解 析 、コンピューターと 倫 理 などの応 用 科 目 に 進 みます。成 果 目 標「 授 業 とは 教 員 のノートを 学 生 のノートに 双方 の 脳 を 経 由 することなく 転 送 することだ」という 古 いことわざがあります。アジア 女 子大 学 ではこのような 教 育 はおこないません。アジア 女 子 大 学 では、 学 生 に 物 事 を 実 社 会 と結 び 付 けて 学 ばせることで、 伝 統 的 な 教 育 モデルを 変 革 していきます。「AUWでは、ケーススタディーやサービスプロジェクト、インターンシップを 通 して、 専 門 的 な 実 務 経 験 から 刺 激 を 受 けるとともに、 学 生 自 らがアイディアを 操 作 したり、 応 用 ・ 分 析 したり、 評 価したりする 機 会 を 積 極 的 に 推 奨 していきます」とジハラ 氏 は 語 ります。また、 成 果 目 標 と 照 らし 合 わせて、 学 生 が 基礎 的 な 知 識 をしっかりと 吸 収 しているかを 確認 できるようにします。 人 文 科 学 では1 年 目の 終 わりまでに、 古 典 について、また 古 典 が人 類 の 目 的 や 価 値 観 へどのような 影 響 を 与 えたかについてきちんと 説 明 でき、コンセプトや 理 論 、 方 法 論 を 応 用 できるようになることを目 標 にしています。1 年 目 の 社 会 科 学 のコースでは、 政 治 的 組 織 やプロセス、 理 論 を 理 解 し、コンセプトやモデルを 今 現 在 の 出 来 事 にあてはめられること、 統 計 を 使 って 分 析 できることを 目 標 に 掲 げています。また、 自 然 科 学 、数 的 論 理 のコースでは、 最 初 の 学 年 で 自 然 科学 の 特 性 、 理 論 、コンセプトを 理 解 し、 実 社会 の 課 題 にあてはめられるようになること、統 計 や 微 分 積 分 を 応 用 できるようになることを 目 指 します。これらの 基 礎 コースが 後 の 専 攻 コースの 基 盤を 築 きます。 人 文 科 学 専 攻 の 学 生 は、 相 反 する 意 見 を 分 析 できるようになること、 学 んだことを 世 界 の 出 来 事 に 応 用 できるようになることを 求 められます。 社 会 科 学 専 攻 の 学 生 は、歴 史 上 の 出 来 事 を 要 約 できるようになり、 政策 を 分 析 でき、また、 主 だった 過 去 の 理 論 について 評 価 できるようになることが 期 待 されます。そして、 自 然 科 学 専 攻 の 学 生 は、 実 験システムの 計 画 、データの 解 釈 と 分 析 、 自 然科 学 の 原 則 にのっとって 現 象 をまとめ、 評 価することを 学 びます。さらに、カリキュラム 全 体 を 通 して、 学 生 のコミュニケーション、チームワーク、 問 題 解決 能 力 、 量 的 分 析 力 を 伸 ばします。また、 学生 が 学 問 分 野 間 のつながりを 認 識 できるよう、問 題 解 決 やイノベーションを1つの 学 問 分 野のみの 中 でと、 複 数 の 学 問 分 野 にまたがって経 験 するコースやプロジェクトを 提 供 していきます。アジア 女 子 大 学 の 最 初 の 修 士 プログラムデンマークにあるオールボルグ 大 学 (AAU)とパートナーシップを 組 んで 現 在 開 発 が 進 められているアジア 女 子 大 学 修 士 課 程 の 情 報 通信 テクノロジー(ICT)コースは、 学 部 課 程のカリキュラムと 同 様 に、 問 題 解 決 の 視 点 から 学 ぶよう 設 計 されています。この 度 AUW 情報 通 信 テクノロジー 大 学 院 の 名 誉 学 部 長 に 就任 したロネ・ダーキンク・ホルムフェルド 教授 は、 大 学 院 のカリキュラム 構 成 についてオールボルグ 大 学 のカリキュラムを 基 盤 とすると 述 べ、 以 下 のように 説 明 します。「オールボルグ 大 学 では、 各 学 期 が、コースおよびワークショップと、 学 んだことを 実 践 に 応 用するプロジェクトの2つの 要 素 で 構 成 されています。」ダーキンク・ホルムフェルド 教 授は 現 在 、オールボルグ 大 学 の 人 間 中 心 通 信 情報 科 学 学 科 の 教 授 で、 博 士 課 程 プログラムの代 表 を 務 めています。アジア 女 子 大 学 では、オールボルグ 大 学 のカリキュラムをもとに 大 学 と 地 域 のニーズに 合ったプログラムを 開 発 していきます。「バングラデシュのいくつかの 企 業 の 方 とお 会 いした 際 、 人 間 中 心 情 報 科 学 の 経 験 を 積 んだ 卒 業生 について、 非 常 に 大 きな 需 要 があることがわかりました。この 期 待 に 応 え、アジア 女 子大 学 のプログラムでは、 人 間 中 心 情 報 科 学 の修 士 号 とコンピューターサイエンスの 科 学 修士 号 の2つを 組 み 合 わせることにしました」とダーキンク・ホルムフェルド 教 授 は 語 っています。また、オールボルグ 大 学 はこのプログラムに向 けて 将 来 の 教 授 陣 を 養 成 しはじめました。先 日 、オールボルグ 大 学 人 間 中 心 通 信 情 報 科学 学 科 の 博 士 課 程 は、デット・オベルスケ・


162009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1ファミリー 財 団 からの 支 援 を 得 て、ジャナリ・セバナンサ 氏 、ファルザナ・アクター 氏 、アパルナ・プルショタマン 氏 の3 人 に 博 士 課 程 奨学 金 を 授 与 しました。セバナンサ 氏 (36 歳 )はスリランカのジャフナ 大 学 で 学 士 号 、ケラニヤ 大 学 で 修 士 号 を、アクター 氏 (36 歳 )はバングラデシュ 国 立 大 学 エデン 校 で 学 士 号 、ダッカ 大 学 で 修 士 号 を、また、プルショタマン 氏 (30 歳 )はインドのカルカッタ 大 学 で 学士 号 、マハトマ・ガンジー 大 学 で 修 士 号 を 取得 しています。3 人 は、オールボルグ 大 学 博士 課 程 在 学 中 にAUWのICTプログラムの 開 発に 携 わり、チッタゴンで 少 なくとも1 年 の 教育 実 務 経 験 およびコース 設 計 をおこなった 上で、 卒 業 とともにアジア 女 子 大 学 の 教 職 員 に加 わる 予 定 です。な 研 究 に 携 わり、 急 速 に 変 化 する 世 界 のニーズに 応 える 卒 業 生 を 輩 出 するという 両 大 学に 共 通 の 目 標 に 向 かって 今 後 さらに 邁 進 していけることと 信 じています」とコメントしました。アジア 女 子 大 学 のカリキュラムの 詳 細 については、こちらをご 覧 ください。http://www.asian-university.org/academicprograms/curriculum.htmオールボルグ 大 学 のレクター・フィン・カジェルスダム 氏 はアジア 女 子 大 学 とオールボルグ 大 学 のパートナーシップについて、「 地 域コミュニティに 貢 献 するとともにグローバルアジア 女 子 大 学 アカデミックリーダー・ 教 職 員 紹 介以 下 の 初 代 メンバーが 力 を 尽 くし、アジア 女 子 大 学 の 新 しい 体 制 をつくってまいります。先 生 である 父 親 と、4 年 の 初 等 教 育 しか 受 けられなかった 母 親 の 間 で 育 ったフーネン・クー氏 は、 学 術 の 世 界 で 輝 かしいキャリアを 築 いてきました。AUW 就 任 前 は、シンガポール 国立 大 学 医 学 部 の 副 学 長 を 務 め、ティーチング・ラーニング 養 成 センターの 副 代 表 、 医 学 教 育部 門 の 部 門 長 代 理 ( 前 臨 床 コース)を 兼 任 していました。クー 氏 は「Basics of Medical Education andthe Practical Guide to Medical StudentAssessment( 医 療 教 育 の 基 本 と 医 学 生 評 価の 実 践 書 )」 など 数 々の 学 術 文 献 を 執 筆 しています。また、シンガポールと 母 国 マレーシアで、 環 境 保 護 および 女 性 の 人 権 問 題 を 取 り上 げるNGO( 非 政 府 組 織 )を 設 立 し、エイズ支 援 団 体 の 活 動 にも 積 極 的 に 参 加 しています。幼 いころから 勉 学 に 励 んでいましたが、アメリカのスミスカレッジへ 進 学 する 奨 学 金 を 獲得 したことがクー 氏 の 人 生 の 転 機 となりました。スミスカレッジでは 自 然 科 学 への 興 味 を追 求 し、 生 物 化 学 の 学 位 を 修 めました。そして 卒 業 後 、ロンドン 大 学 セントメアリー 医 学大 学 に 進 学 し、 博 士 号 を 取 得 しました。フーネン・クー 氏副 総 長 代 理 兼 学 長クー 氏 は、AUWの 副 総 長 代 理 兼 学 長 として、若 い 女 性 たちに 自 分 が 経 験 したのと 同 じような 人 生 の 転 機 となる 機 会 を 提 供 できると 信 じています。「アジア 女 子 大 学 が、そのミッションにのっとり、 進 歩 的 なリベラルアーツ( 一 般 教 養 )と 専 門 教 育 によって 有 望 な 若 い 女性 を 養 成 していけるよう 最 善 を 尽 くします」と語 ります。


大 学 のカリキュラムと 教 員17ミシェル・ジハラ 氏学 部 課 程 学 部 長ミシェル・ジハラ 氏 は、 卓 越 した 指 導 法 と 学生 の 視 点 に 立 った 学 習 法 を 基 盤 としたリベラルアーツと 科 学 の 教 育 を 強 く 支 持 しています。「カリキュラムが 参 加 型 で、 創 造 的 、かつ 現代 の 問 題 と 関 係 していると、 学 生 はより 興 味を 持 って 学 ぶようになります」と 説 明 します。ジハラ 氏 は 学 部 課 程 の 学 部 長 として、 将 来 世界 を 取 り 巻 く 課 題 に 立 ち 向 かうために 必 要 となる 知 識 やスキルを 学 生 が 十 分 に 得 られるよう、ダイナミックな 学 部 課 程 のカリキュラムの 開 発 に 力 を 入 れています。「 女 性 たちの 人生 、そしてこの 地 域 の 将 来 に 変 化 を 起 こそうとするこのプロジェクトに 胸 をふくらませています。 素 晴 らしい 教 員 と 新 しい 世 代 の 学 生を 指 導 していくことを 心 から 楽 しみにしています」と 話 しています。ジハラ 氏 はAUW 就 任 以 前 に、フルブライト 研究 員 としてベトナムに 赴 任 、 学 生 の 視 点 に 立った 教 授 法 と 単 位 制 のカリキュラムを 国 内 の各 大 学 に 導 入 するプロジェクトに 着 手 した 経験 を 持 ちます。また、ルワンダと 南 アフリカ共 和 国 でも、 教 員 養 成 と 教 授 法 のワークショップを 指 揮 しました。ジハラ 氏 は、 南 ジョージア 大 学 生 物 学 部 準 教授 、 植 物 標 本 科 のディレクター、および 教 授法 センター 研 究 員 を 務 めてきました。 彼 女 の植 物 学 および 教 育 に 関 する 研 究 は、 米 国 科 学財 団 (NSF)をはじめとする 数 々の 著 名 な 組織 から 研 究 助 成 を 受 け、また、サイエンス 誌や 各 種 国 際 的 な 出 版 物 に 掲 載 されています。南 ジョージア 大 学 でテニア( 終 身 在 職 権 )を得 る 以 前 には、キーン 州 立 大 学 に 教 員 として、また、アリゾナ 大 学 にNSFポストドクター 研究 生 として 在 任 しました。ジハラ 博 士 はオレゴン 州 ポートランドのリードカレッジで 生 物 学 の 学 士 号 を、マディソンのウィスコンシン 大 学 で 植 物 学 の 博 士 号 を 取得 しています。ロネ・ダーキンク・ホルムフェルド 氏情 報 通 信 テクノロジー 大 学 院 名 誉 学 部 長ダーキング・ホルムフェルド 氏 は、AUWと 提携 しているデンマークのオールボルグ 大 学 のイーラーニング・ラボ・センター (www.ell.aau.dk)の 代 表 を 務 め、 人 間 中 心 情 報 科 学 学 科 で 博 士課 程 プログラムの 代 表 を 兼 任 しています。コンピューターを 使 ったコラボラティブ・ラーニング(CSCL)の 研 究 の 第 一 人 者 として、ネットワーク・ラーニング 環 境 の 設 計 、およびそれに 関 わる 課 題 の 抽 出 に 力 を 注 いでおり、設 計 において 人 間 中 心 アプローチを 推 進 しています。ポール・コールマン 氏情 報 システム 最 高 責 任 者 (CIO)ポール・コールマン 氏 は、 図 書 館 司 書 から 情報 システム 最 高 責 任 者 にわたる 幅 広 い 経 験 を持 っています。ミシガン 州 、コロラド 州 、マサチューセッツ 州 、オクラホマ 州 で 教 育 機 関の 司 書 を 務 めた 後 、 西 テキサスA&M 大 学 で 司書 として 過 去 14 年 間 務 めました。コールマン氏 は、アジア 女 子 大 学 が 質 の 高 いリ ベ ラ ルア ーツ 教 育 を 提 供 するにあたって、 設 備 と 蔵書 を 統 合 した 革 新 的 な 情 報 技 術 サービスが 不可 欠 だと 考 えます。また、 地 理 と 都 市 開 発 に強 い 関 心 を 持 つコールマン 氏 は、チッタゴンでその 研 究 をさらに 深 めることができることを 心 待 ちにしています。コールマン 氏 はキャロル 夫 人 と 息 子 のフレデリックとともに 海 外を 旅 することが 好 きで、バングラデシュのAUWでの 新 しい 生 活 をとても 楽 しみにしています。


182009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1サラ・ナズハット・アミン 氏サラ・ナズハット・アミン 氏 は、 社 会 学 の 博士 号 取 得 予 定 者 で、 現 在 カナダとアメリカのイスラム 教 指 導 者 と 信 仰 に 関 する 対 話 について 博 士 論 文 を 書 いています。 政 治 社 会 学 と 定量 的 手 法 を 専 門 にするアミン 氏 は、 人 口 保 健統 計 調 査 、 労 働 所 得 動 力 調 査 、 若 者 の 変 遷 調査 などに 着 手 してきました。また、 国 連 、 世界 銀 行 、 国 際 通 貨 基 金 等 の 様 々なデータ 解 析の 経 験 があります。アミン 氏 夫 妻 は、カナダのモントリオールにあるマギル 大 学 での10 年間 の 生 活 を 終 え、バングラデシュの 文 化 と 美しさに 触 れることを 楽 しみにしています。「AUWの 学 生 や 世 界 中 から 集 まる 教 員 とともに 過 ごすことは、 仕 事 面 においても、それ 以外 においても 非 常 に 素 晴 らしい 経 験 になると信 じています。」バーバラ・アネッロ 氏アメリカ 人 アーティスト、 美 術 史 学 者 、ドキュメンタリー 写 真 家 のバーバラ・アネッロ 氏は、 美 術 史 の 研 究 のためフルブライト 研 究 助成 金 を 得 て、 昨 年 1 年 をベトナム、カンボジア、インドネシアで 過 ごしました。そこで、アメリカ 人 建 築 家 ドロシー・ウェスト・ペルツァー 氏 にならって、 伝 統 的 な 建 築 の 現 状 をデジタル 写 真 に 残 す 作 業 に 着 手 しました。また、2006 年 から2008 年 にかけて、アネッロ氏 は 米 国 平 和 部 隊 (ピースコープ)とモロッコ 文 化 美 術 省 の 支 援 のもと、モロッコのアトラス 山 脈 に 滞 在 し、 現 地 の 職 人 とともに 働 きました。アメリカのリード 大 学 で 美 術 学 の 学士 号 を、モンクレア 大 学 で 美 術 史 の 修 士 号 、さらにスミソニアン 協 会 の 研 究 フェローを 取得 しています。アネッロ 氏 はAUWの 教 員 の 一員 になれることを 誇 りに 思 うとともに、バングラデシュでの 経 験 に 胸 をふくらませています。ブライス・バティスティ 氏ブライス・バティスティ 氏 は、アメリカのブリガム・ヤング 大 学 で 科 学 修 士 号 を、カリフォルニア 大 学 デイビス 校 で 農 業 ・ 環 境 科 学 教育 の 博 士 号 を 取 得 しました。 科 学 と 持 続 性 教育 を 専 門 とし、 昨 年 はベトナムにて 植 物 と 動物 の 生 態 学 を 教 えるかたわら、 現 地 の 小 規 模な 農 業 大 学 の 教 職 員 とともに、 教 育 方 法 と 学生 評 価 方 法 を 向 上 するプロジェクトに 携 わりました。また、 高 等 教 育 が 学 生 にとってより魅 力 的 で、 世 界 中 で 持 続 可 能 となる 方 法 を 探る 研 究 をしてきたバティスティ 氏 は、 大 学 が必 要 な 食 物 を 自 ら 栽 培 することがその 最 も 簡単 な 答 えだとし、アジア 女 子 大 学 で 実 践 していきたいと 考 えています。バティスティ 氏 はAUWで 高 等 教 育 プログラムの 立 ち 上 げに 参 加することを 楽 しみにしています。キャロル・コールマン 氏キャロル・コールマン 氏 は、アメリカのミシガン 州 立 大 学 で 応 用 数 学 ・ 統 計 の 修 士 号 を、レンセラー・ポリテクニック・インスティテュートで 数 学 の 博 士 号 を 取 得 しました。 数 学と 統 計 を 専 攻 するかたわら、 学 部 課 程 教 育 とオンライン 教 育 も 専 門 としています。コールマン 氏 は、リベラルアーツに 力 を 入 れている複 数 の 大 学 で 教 職 をとった 経 験 を 持 つ 一 方 で、教 育 機 関 やその 他 の 組 織 で 女 性 をメンタリングすることにも 力 を 入 れています。コールマン 氏 はAUW 着 任 に 向 けて 自 身 のブログを 開 設し、グーグルアラートを 活 用 してバングラデシュのチッタゴンおよび 南 アジア 全 域 の 情 報を 集 めはじめました。また、AUWの 学 生 にあった 数 学 ・ 統 計 学 の 教 育 方 法 について 研 究 を進 めています。「AUWの 初 代 教 員 チームの 一員 になれることに 誇 りに 思 っています。」


大 学 のカリキュラムと 教 員19ジュディス・エングル 氏ジュディス・エングル 氏 は2008 年 10 月 、ボランティア 教 員 としてチッタゴンのAUWアクセスアカデミーに 招 かれ、それ 以 来 、 熱 意 をもってアカデミーの 学 生 に 英 語 指 導 をおこなってきました。 古 典 学 者 としてエングル 氏 は複 数 の 学 術 分 野 にまたがる 興 味 を 持 ち、 近 代以 前 の 文 学 と 社 会 状 況 の 関 係 を 専 門 にしています。アメリカのマウント・ホリヨーク 大 学で 学 士 課 程 を 修 了 、ブリン・マウル 大 学 で 修士 課 程 を、プリンストン 大 学 で 古 典 哲 学 の 博士 課 程 を 修 めました。 数 々の 大 学 で 教 職 をとり、また 財 務 とテクノロジー 分 野 のビジネス経 験 も 持 っています。エングル 氏 は、リベラルアーツを 現 実 世 界 にあてはめて 考 える 自 身の 経 験 をAUWで 共 有 できることを 楽 しみにしています。ヴァルニ・ガネポラ 氏ヴァルニ・ガネポラ 氏 は 心 理 学 、 社 会 学 、 心理 社 会 学 を 専 門 にしています。オーストラリアのモナッシュ 大 学 とイギリスのウェールズ大 学 にて 心 理 学 と 社 会 学 を 学 びました。 近 年 、カナダのモントリオールにあるマギル 大 学 で、社 会 文 化 精 神 医 学 の 夏 期 講 座 を 受 講 しました。スリランカのコロンボ 大 学 で 教 員 兼 研 究 者 として 長 年 務 めています。 現 在 は、カウンセリングと 社 会 心 理 学 の 修 士 課 程 プログラムを 取りまとめ、 情 報 テクノロジーの 学 部 生 向 けに心 理 学 のカリキュラムを 作 成 し、 学 部 課 程 で心 理 学 の 授 業 を 教 えています。ガネポラ 氏 は、心 理 学 と 精 神 衛 生 を 理 解 する 上 で 学 際 的 なアプローチが 重 要 であることを 訴 え、また、 心理 社 会 学 上 の 問 題 を 概 念 化 することによって地 域 の 現 状 を 発 信 していく 努 力 をしています。興 味 のある 研 究 テーマは、 対 立 と 紛 争 、 精 神的 苦 痛 と 回 復 力 、 子 供 と 移 民 ・ 難 民 の 精 神 衛生 、 元 未 成 年 兵 士 の 人 生 の 理 解 です。ジョージア・グルダン 氏ジョージア・グルダン 氏 は、アメリカのタフツ 大 学 で 栄 養 学 の 科 学 修 士 号 と 博 士 号 を 取 得しました。 栄 養 学 専 門 家 として、 香 港 中 文 大学 では 食 と 栄 養 理 学 に 関 するプログラム 設 立し、 教 職 をとりました。 博 士 課 程 の 研 究 の 際 、バングラデシュの 農 村 の 家 族 たちに 様 々なことを 教 わったグルダン 氏 は、「AUWに 就 任 することはアジアの 将 来 の 女 性 リーダーたちを育 成 することであるとともに、バングラデシュとその 人 々に 何 かお 返 しをできる 機 会 だと思 っています」と 語 っています。アジア 各 地をまわって 教 えた 経 験 を 持 つグルダン 氏 は、教 育 は 人 々と 国 の 発 展 に 不 可 欠 だと 確 信 しています。


202009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1ファヒーム・フセイン 氏ファヒーム・フセイン 氏 は、カーネギー・メロン 大 学 の 工 学 ・ 公 共 政 策 学 部 で 南 アジアのテクノロジーと 開 発 を 専 門 として 博 士 号 を 取得 しました。 開 発 のための 情 報 通 信 技 術 、 電気 通 信 の 政 策 と 経 営 、 科 学 と 技 術 に 関 する 政策 、コミュニティメディアを 専 門 とし、 現 在 、カーネギー・メロン 大 学 のカタール 校 にて 教員 メンバーとして 勤 務 しています。 興 味 のあるテーマは、 南 アジアの 農 村 地 域 での 様 々な情 報 サービスの 効 果 に 関 する 比 較 分 析 、 持 続可 能 な 教 育 テクノロジーとコミュニティメディアの 応 用 、 情 報 通 信 技 術 によるサービスの移 民 労 働 者 コミュニティへの 適 合 性 と 影 響 に関 する 分 析 、 電 気 通 信 業 界 の 発 展 と 規 制 です。「AUWに 着 任 することを 楽 しみにしています。また、AUWで 働 くことを 通 して 地 域 の 社 会 経済 の 発 展 に 貢 献 できると 信 じています。」アグネス・クー 氏アグネス・クー 氏 は、オランダのインスティテュート・オブ・ソーシャル・スタディーズで開 発 学 の 修 士 号 を、イギリスのマンチェスター大 学 で 社 会 学 の 博 士 号 を 取 得 しています。 社会 学 とソーシャルワークの 学 士 号 を 取 得 したシンガポール 国 立 大 学 では、 翻 訳 学 も 学 びました。シンガポール 出 身 のクー 氏 は、アジア学 、ジェンダー 学 、 開 発 学 、 社 会 学 、 口 述 歴 史 、社 会 運 動 、NGO 活 動 を 専 門 としています。AUW以 前 は、マンチェスター 大 学 およびマンチェスター 市 立 大 学 で 教 員 を 務 めていました。 南アジア 地 域 の 植 民 地 支 配 に 対 する 女 性 たちの苦 闘 についての 口 述 歴 史 の 本 を 出 版 し、 現 在 は、台 湾 の 移 民 労 働 者 の 生 活 に 関 する 本 を 中 国 語から 英 語 に 翻 訳 しています。「AUWで 学 生 や他 の 教 員 とともに 学 べることを 楽 しみにしています。」カトリーナ・ルイス 氏カトリーナ・ルイス 氏 は、アメリカのカンザス 州 立 大 学 で、 室 内 建 築 の 学 士 号 と、 地 域 コミュニティ・プランニングの 修 士 号 を 取 得 しました。AUW 着 任 前 は、カンザス 州 立 大 学 の室 内 建 築 ・プロダクトデザイン 学 部 で 教 職 をとり、また、ヨルダン、チェコのチェコテクニカル 大 学 、 中 国 の 重 慶 建 築 大 学 、アフガニスタンのカブール 大 学 での 教 員 経 験 を 持 っています。に 強 く 共 感 するルイス 氏 は、 教 えること、 学ぶこと、そしてリーダーシップに 焦 点 をあてた 環 境 で、 学 生 と 世 界 中 からやってくる 教 員と 共 に 過 ごすことを 心 待 ちにしています。ルイス 氏 は 住 宅 関 連 、 海 外 旅 行 ・ 留 学 、 学 習方 法 とプロセス、 基 礎 デザインを 教 えることに 関 心 があります。AUWの 目 的 は、 教 室 での学 習 を 現 実 体 験 と 結 びつけるというルイス 氏の 教 育 哲 学 と 重 なります。AUWのミッション


大 学 のカリキュラムと 教 員21イェレナ・ラモンターニュ 氏イェレナ・ラモンターニュ 氏 は、アルバータ大 学 で 環 境 生 態 学 の 博 士 号 を 取 得 しました。また、カルガリー 大 学 で 生 態 学 の 学 士 号 と自 然 保 護 生 態 学 の 科 学 修 士 号 を 修 了 しています。 人 口 生 態 学 者 、 定 量 生 態 学 者 であるラモンターニュ 氏 の 興 味 のある 研 究 テーマは、行 動 と 生 息 地 の 選 択 と 変 化 、 水 中 と 陸 上 の 生物 動 態 です。ラモンターニュ 氏 は 複 数 の 生 物学 のコースでの 教 職 経 験 と、 学 部 ・ 修 士 課 程の 学 生 のメンター 経 験 を 持 っています。また、アルバータ 州 政 府 のアルバータ・インジェヌイティ・ポスドク・フェローシップ、アルバータ 大 学 のイザック・ワルトン・キラム・メモリアル 奨 学 金 など 数 々の 著 名 な 賞 を 受 賞 しています。ラモンターニュ 氏 は 母 国 カナダと 海 外 を 広 範囲 にわたって 旅 した 経 験 があります。「AUWのコミュニティの 一 員 となること、そしてバングラデシュで 生 活 する 経 験 をとても 楽 しみにしています。」ポリー・プーク 氏ポリー・プーク 氏 は、ブラウン 大 学 で 数 学 と美 術 の 学 士 号 を、ローチェスター 大 学 でコンピューターサイエンスの 修 士 号 と 博 士 号 を、マサチューセッツ 工 科 大 学 で 博 士 課 程 修 了 後の 研 究 フェローを 修 了 しました。 人 工 知 能 を専 門 にする 起 業 家 として、テクノロジー 会 社を2 社 立 ち 上 げた 経 験 も 持 っています。 趣 味は、 旅 行 、 建 築 、 料 理 とガーデニング。「 地 元コミュニティで 活 躍 したり、 街 で 働 いたり、国 の 政 策 に 携 わっている10 年 後 の 学 生 の 姿 を思 い 描 こうとしています。そして、 彼 女 たちの 将 来 のために、 私 たちが 今 何 をしてあげられるのか。 私 はこのプロジェクトに 胸 をふくらませ、また 学 生 から 数 多 くのことを 学 ぶせてもらうことを 楽 しみにしています。」サンギータ・ラヤマジヒ 氏サンギータ・ラヤマジヒ 氏 は、 母 国 ネパールで 女 性 として 初 の 英 文 学 の 博 士 号 を 取 得 しました。 過 去 21 年 間 文 学 を 教 えてきたラヤマジヒ 氏 の 専 門 は、 女 性 学 ( 南 アジア)と 女 性 文学 です。ラヤマジヒ 氏 は 南 アジア 地 域 の 女 性学 の 研 究 の 第 一 人 者 で、ジェンダー、 政 治 、メディアでの 使 用 言 語 など 広 範 にわたる 本 を出 版 しています。また、3つのモノグラフと脚 本 を 執 筆 し、 共 同 著 者 としても 本 を 出 版 しています。さらに、ハーバード 大 学 、フルブライト・コミッション、カトマンドゥーの 国連 女 性 開 発 機 構 など 数 々の 会 議 やワークショップで 研 究 の 発 表 をしてきました。 近 年 、ラヤマジヒ 氏 はアメリカのアラバマ 大 学 タスカルーサ 校 で、スカラー・レスキュー・ファンドの 研 究 フェローとして 女 性 学 と 比 較 文 化 学を 指 導 しました。「AUWで 教 えることは 南 アジアの 若 い 女 性 たちと 直 接 交 流 することができる 素 晴 らしい 機 会 です。」


222009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1スタンフォード 大 学 ポストドクターの 研 究 者 がAUW 教 授 陣 に昨 年 秋 、アジア 女 子 大 学 支 援 財 団 代 表 カマール・アーマッド 氏 は、スタンフォード 大 学 のジョン・エチメンディ 学 長 と 会 談 し、スタンフォード 大 学とアジア 女 子 大 学 の 協 力 関 係 の 構 築 について 打 診 しました。りポストドクター( 博 士 課 程 終 了 後 ) 研 究 者2 名 を2009 年 から2010 年 にかけてアジア 女子 大 学 の 最 初 の 教 員 として 派 遣 していただけることになりました。 昨 年 10 月 にダッカでおこなわれたアジア 女 子 大 学 の 創 立 記 念 式 典 で、スタンフォード 大 学 学 部 教 育 開 発 ディレクターのジュリア・ハーティング 氏 より 正 式 な 発表 がありました。スタンフォード 大 学 のジョン・エチメンディ学 長 はアジア 女 子 大 学 との 提 携 についてこのように 語 っています。「アジア 女 子 大 学 のミッションは 本 当 に 素 晴 らしいと 思 います。 機会 がなければその 能 力 も 見 逃 されてしまう 女性 たちに 質 の 高 い 高 等 教 育 を 受 ける 機 会 を 提供 することによって、 彼 女 たち 本 人 、そしてまわりの 家 族 の 生 活 を 変 えていくことでしょう。また、 女 性 の 地 位 向 上 を 促 し、 社 会 のリーダーを 育 成 していくことで、 世 界 をよい 方ロキア・アフザル・ラーマン 氏 にスタンフォード 大 学 の 校 旗 を 手 渡 すジュリア・ハーティング 氏正 直 なところアーマッド 氏 は 当 初 、 助 言 をいただければという 期 待 しかしていませんでした。 ところが、アジア 女 子 大 学 にとって 非 常にうれしいことに、 世 界 トップクラスのスタンフォード 大 学 からその 期 待 を 大 きく 上 回 る支 援 をいただけることになったのです。その後 、スタンフォード 大 学 人 文 科 学 ・ 自 然 科 学学 部 のリチャード・サラー 学 部 長 とアジア 女子 大 学 支 援 財 団 理 事 ジャネット・モンタグ 氏に 力 添 えをいただき、スタンフォード 大 学 よ「アジア 女 子 大 学 のカリキュラムを 作 成 し、教 授 陣 を 募 っている 時 点 で、スタンフォード大 学 のような 進 歩 的 で 国 際 的 な 大 学 と 手 を 組めることは、 大 変 光 栄 です」とアジア 女 子 大学 副 総 長 代 理 兼 学 長 フーネン・クー 氏 は 語 っています。「 学 生 たちがアジア 女 子 大 学 で 経験 する 知 識 共 有 や 文 化 体 験 は、アジア 女 子 大学 のミッション― 南 ・ 東 南 アジアの 有 能 な 女性 に 世 界 で 一 流 の 教 育 と 世 界 で 活 躍 するための 専 門 教 育 を 提 供 する―の 神 髄 を 示 してくれると 信 じています。」スタンフォード 大 学 とアジア 女 子 大 学 の 提 携上 注 目 すべき 点 は、 今 後 スタンフォード 大 学が 現 代 経 済 学 と 政 治 学 、 多 様 な 文 化 と 歴 史 を中 心 とする 南 アジア 研 究 のプログラムの 作 成に 力 を 入 れていくことです。スタンフォード大 学 の 学 生 が、アジア 女 子 大 学 を 含 む 世 界 中の 学 生 とともに 学 び、 将 来 のキャリアを 追 求してくれることを 願 っています。「スタンフォード 大 学 は、 南 アジア 研 究 の 新 しいプログラムを 編 成することに 力 を 尽 くし、アジア 女子 大 学 がチッタゴンで 生 み 出 すコミュニティに 貢 献 していけることを 心 待 ちにしています。」スタンフォード 大 学 ジョン・エチメンディ 学 長向 へ 導 く 推 進 力 を 築 いていくでしょう。スタンフォード 大 学 は、 南 アジア 研 究 の 新 しいプログラムを 編 成 することに 力 を 尽 くし、アジア 女 子 大 学 がチッタゴンで 生 み 出 すコミュニティに 貢 献 していけることを 心 待 ちにしています。」クリティカル 思 考 の 重 要 さクリティカル 思 考 は 一 般 教 養 の 基 礎 です。 著 名 な 哲 学 者 でAUWのアドバイザーでもあるマーサ・ナスバウム 氏 の「 Education <strong>for</strong> Profit, Education<strong>for</strong> Freedom( 利 益 のための 教 育 、 自 由 のための 教 育 )」という 講 義 からクリティカル 思 考 の 重 要 性 について 語 った 部 分 を 引 用 します。とき、 自 活 して 政 治 家 に 希 望 を 託 すには、 若者 たちが 耳 に 入 ってくる 情 報 を 批 判 的 に 考 え、その 裏 にある 論 理 とコンセプトを 検 証 し、 代替 案 を 思 案 する 方 法 を 知 らなければなりません。民 族 、カースト、 宗 教 などの 異 なる 人 々と 向き 合 っていかなければならない 社 会 において、クリティカル 思 考 ( 論 理 的 思 考 ・ 批 判 的 思 考 )は 良 き 市 民 であるために 不 可 欠 です。 様 々な文 化 の 壁 を 越 えて 意 味 のある 議 論 を 展 開 するためには、 若 い 世 代 の 人 々がどのように 会 話や 審 議 を 進 めたらいいのかを 理 解 していなければなりません。また、そのためには、 若 者が 自 分 自 身 を 分 析 し、ある 考 えに 対 してなぜ自 分 はこういう 考 えを 持 つのかの 理 由 ― 政 治討 論 で 頻 繁 に 見 られる、 自 己 主 張 、 相 手 を 打ち 負 かすことを 第 一 に 考 えるのではなく―を理 解 する 方 法 を 学 ばなければなりません。 政治 家 たちがシンプルなプロパガンダを 掲 げるクリティカル 思 考 の 教 育 に 触 れた 学 生 は、 同時 に 自 分 と 異 なる 考 えを 持 つ 人 々に 対 してそれまでと 異 なる 態 度 をとるようになります。哲 学 を 含 む 一 連 の「 一 般 教 養 」コースを 必 修 科目 として 履 修 した、 経 営 専 攻 の 学 生 ビリー・タッカーを 例 にお 話 しします。 彼 の 講 師 クリシュナ・マリック 氏 は 偶 然 にもカルカッタ 出 身 のインド 系 アメリカ 人 で、ラビンドラナート・タ


大 学 のカリキュラムと 教 員23マーサ・ナスバウム 氏ゴール(インドの 詩 人 ・ 思 想 家 )の 教 育 思 想を 信 奉 し、 実 践 していました。 最 初 の 講 義 でソクラテスの 人 生 と 死 について 学 びました。タッカーは 人 生 をかけて 討 論 をするソクラテスに 心 を 動 かされました。その 後 、 論 理 についても 少 し 学 びました。このような 抽 象 的 で知 的 な 分 野 は 苦 手 だと 思 っていたタッカーでしたが、テストでよい 点 数 をとり、うれしくなりました。 次 に、 政 治 スピーチと 論 説 を 分析 して、 論 理 的 欠 陥 を 見 つける 勉 強 をしました。そして 講 義 の 終 盤 では、 世 の 中 の 課 題 をめぐる 議 論 について 研 究 しました。タッカー自 身 は 死 刑 に 賛 成 であるにも 関 わらず、 死 刑の 反 対 論 を 論 議 するように 言 われて 大 変 驚 きました。 自 分 の 持 つ 考 えとは 逆 の 立 場 に 立 って 議 論 することができるとはそれまで 考 えたことがありませんでした。この 経 験 が 政 治 討論 に 対 する 新 しい 見 方 を 与 えてくれたと 彼 は話 します。 議 論 を 自 己 主 張 の 場 として 見 るのではなく、 反 対 の 意 見 にも 敬 意 を 示 し、 双 方の 論 点 とそこに 共 通 する 考 えが 何 なのかに 興味 を 持 つようになったと 語 っています。このようにして 反 対 意 見 をもつグループもいくつかの 点 で 自 分 たちと 同 じ 考 えを 持 っている 合理 的 な 存 在 だと 考 えるようになり、 政 治 的 な「 他 者 」を 受 け 入 れることができるのです。自 分 の 議 論 の 筋 道 に 責 任 を 持 ち、 互 いの 理 由づけを 尊 重 しながら 意 見 を 交 わすことは、 国内 そして 宗 教 と 民 族 紛 争 でますます 分 裂 が 進む 世 界 で、 異 なる 考 えを 平 和 的 に 取 りまとめるのに 不 可 欠 です。タッカーは 既 に 大 学 生 でしたが、クリティカル 思 考 は 子 供 の 教 育 の 早い 段 階 から 取 り 入 れることが 可 能 で、かつ 重要 だとされ、 実 際 これまでにも 実 践 されてきました。ヨーロッパのフルーベル、ペスタロッチ、マリア・モンテッソーリ、インドのラビンドラナート・タゴール、そして19 世 紀 のアメリカ 人 ブロンソン・アルコットなどが 近代 の 先 進 的 な 教 育 の 証 しです。クリティカル 思 考 は 学 校 のカリキュラムの 一部 に 取 り 込 むことも 可 能 ですが、 学 校 の 教 育方 針 全 体 に 根 付 いていなければあまり 意 味 がありません。 生 徒 1 人 1 人 を 限 りない 能 力 をもった 個 人 として 扱 い、 教 室 での 議 論 に 活 発 かつ 独 創 的 な 意 見 で 参 加 するよう 促 さなければなりません。クリティカル 思 考 を 重 視 するようになると、カリキュラム 作 成 においても、日 々の 活 動 においても 生 徒 の 声 を 重 視 するようになります。 例 えばタゴールの 学 校 では、生 徒 たちが 日 々の 生 活 に 関 してよく 考 えて 決断 し、 積 極 的 にミーティングを 開 くことを 奨励 していました。 学 校 の 概 要 には、 学 校 は 生徒 たちが 知 的 自 己 依 存 と 自 由 を 求 めるよう 奨励 する 自 治 コミュニィティであると 繰 り 返 し述 べられています。その 中 の1つにタゴールはこう 書 いています。「 質 問 し、 経 験 する 完全 なる 自 由 が 与 えられ、 同 時 に 自 分 自 身 で 考えるよう 促 されたとき、 物 事 ははじめて 頭 に残 ります。 知 識 を 習 得 し、 他 の 人 の 考 えに 同調 するだけでは 本 物 の 自 由 は 得 られません。自 分 の 判 断 基 準 を 持 ち、 自 分 の 考 えを 形 成 してはじめてそれが 可 能 になります。」 記 録 によると、 彼 の 指 導 法 は、 常 に 生 徒 に 問 題 を 投げかけ、 質 問 することによって 答 えを 引 き 出すというソクラテス 流 のやり 方 でした。タゴールが 用 いたもう1つのソクラテス 流 の 教 育方 法 は、 子 供 たちに 自 分 の 視 点 から 離 れて 他の 人 の 視 点 に 立 ってもらうロールプレイングという 方 法 です。この 教 育 方 法 によって、 他の 視 点 を 体 験 し、 内 側 から 異 なる 視 点 を 理 解する 自 由 を 与 えたのです。ジョン・デューイ(アメリカの 哲 学 者 ・ 教 育 者 )も 同 様 の 教 育方 針 を 持 ち、それを 保 健 、そして 民 主 主 義 の可 能 性 へと 導 いたのです。私 たちの 目 的 は、 単 に 知 識 を 豊 かにすることではありません。 政 治 文 化 に 目 を 向 けてみましょう。 以 前 申 し 上 げたように、 人 間 は 権 威とまわりからのプレッシャーに 振 り 回 される傾 向 があります。 非 道 な 行 為 を 防 ぐためには、この 人 間 の 傾 向 を 抑 え、 個 人 が 異 議 を 唱 えられる 文 化 をつくる 必 要 があります。それぞれの 活 発 な 発 言 を 重 視 することにより、 責 任 の文 化 を 醸 成 します。 人 々が 自 分 の 考 えに 責 任を 持 つようになると、それと 同 時 に 自 分 の 行動 にも 責 任 を 持 つようになります。これが 著書 「ナショナリズム」でタゴールが 訴 えようとしていたことで、 社 会 生 活 の 官 僚 主 義 化 と現 代 の 国 家 の 機 械 的 な 性 質 が、 人 々の 道 徳 的思 考 力 を 殺 し、 非 道 な 行 為 を 良 心 の 呵 責 なく黙 認 させています。 世 界 が 破 壊 的 方 向 へ 向 かうのを 止 めるために、 独 立 した 考 えを 持 つことが 極 めて 重 要 だとタゴールは 付 け 加 えています。タゴールは1917 年 に 日 本 で 行 われた講 義 で、 国 力 向 上 という 名 目 でますます 多 く人 々が 自 分 の 考 えに 責 任 を 持 つようになると、それと 同 時 に 自分 の 行 動 にも 責 任 を 持 つようになります。の 人 が 巨 大 な 機 械 のコマとなっているのを 憂い、「 魂 の 収 縮 による 漸 進 的 自 殺 行 為 」だと語 りました。 確 固 たるクリティカル 思 考 を 持つ 大 衆 によってのみ、この 致 命 的 な 流 れを 食い 止 めることができるのです。マーサ・ナスバウム 氏 はシカゴ 大 学 のアーンスト・フレウド 殊 勲 賞 受 賞 法 律 ・ 倫 理 教 授 です。


242009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1コミュニティを 思 い 描 いて―アジア 女 子 大 学 キャンパスの 姿エイミー・パラディス 氏 寄 稿


キャ ンパス 建 設25モシェ・サフディ 氏 によるにキャンパスのマスタープラン( 基 本 設 計 )は、バングラデシュの 土 地 柄 と 世界 で 一 流 の 大 学 としてのニーズに 応えています。大 学 にとって、そこで 学 ぶ 学 生 、 考 え 方 と 同じぐらい、 物 理 的 な 環 境 は 重 要 です。 特 にキャンパスの 設 計 を 一 から 始 める 際 、このことは 非 常 に 重 要 になります。なぜなら、これから 築 き 上 げられるコミュニティのニーズと 特質 をあらかじめ 予 測 する 必 要 があるからです。2008 年 2 月 、 著 名 な 建 築 家 モシェ・サフディ氏 により、チッタゴンのアジア 女 子 大 学 キャンパスのマスタープラン( 基 本 設 計 )が 完 成しました。 地 方 色 を 生 かしつつ 万 国 共 通 の 要素 を 取 り 入 れ、 人 工 物 と 自 然 を 調 和 させ、 伝統 的 なものと 画 期 的 で 持 続 可 能 なものを 両 立させることにより、 地 形 ・ 気 候 的 に 課 題 の 多い 土 地 をバランスのとれたキャンパスへと 転換 させる 設 計 です。完 成 した 延 べ 床 面 積 230 万 平 方 フィートの 建 設 プログラムは、「 村 や小 さな 町 の 縮 図 になぞらえ」、「 土地 そのものの 高 さとゾーンを 生 かして」 設 計 されています。モシェ・サフディ 氏AUWキャンパス 建 設 予 定 地


262009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1モシェ・サフディ 氏このマスタープランの 最 も 際 立 った 特 徴 は、もしかしたら 図 書 館 や 居 住 施 設 などの 建 物 ではなく、それらの 建 物 を 結 び、 人 の 流 れをつくり、 自 発 的 な 交 流 を 促 す 空 間 としてのアーケードや 緑 の 通 路 、 庭 園 などの 存 在 かもしれません。こういった 空 間 で、アイディアが 共有 され、 友 情 が 育 まれ、そして、コミュニティが 形 成 されていくのです。「 土 地 に 順 応 する」こと1962 年 、 建 築 家 ルイス・カーン 氏 がダッカのシェル・エ・バングラナガールのナショナル・キャピタル・コンプレックス( 国 会 議 事堂 )の 設 計 依 頼 を 受 けたとき、それがその 後バングラデシュとその 人 々の 生 活 に 大 きな 歴史 的 な 意 味 をもつことになるとは 知 るよしもありませんでした。バングラデシュ 独 立 への闘 いという 象 徴 的 かつ 複 雑 な 出 来 事 がその 素晴 らしい 建 築 に 影 を 落 としてきました。シェル・エ・バングラナガールは、 建 物 の 構 成 、公 共 のスペース、 庭 園 、 池 が 先 進 的 な 都 市 景観 をつくり 出 しているだけでなく、バングラデシュに 特 徴 的 なデルタ( 三 角 州 ) 地 形 にも順 応 した 素 晴 らしい 建 築 物 です。 1ナショナル・キャピタル・コンプレックスの完 成 から 既 に 四 半 世 紀 以 上 経 った 今 、モシェ・サフディ 氏 のアジア 女 子 大 学 のキャンパス 設計 には、この「 土 地 への 順 応 」という 考 えが再 び 生 かされています。1960 年 代 にカーン氏 のもとで 修 行 を 積 んだサフディ 氏 は、カーン 氏 の 数 々の 建 築 プロジェクトに 見 られる、構 成 、 素 材 、 光 、 空 間 を 完 全 に 統 合 する 技 術を 引 き 継 いでいます。67 年 のモントリオール万 国 博 覧 会 のために 設 計 した 積 み 重 なるモジュール、ハビタットにはじまり、 近 年 のヤド・ヴァシェム・ホロコースト 博 物 館 (エルサレム)、カルサ・ヘリテージ・メモリアル・コンプレックス(インド、パンジャブ 地 方 アナンドプール・サヒフ)、 全 米 平 和 協 会 本 部 (ワシントンD.C.)にいたるサフディ 氏 の 建 築 物 は、その 土 地 の 地 勢 と 文 化 と 調 和 しながら、その建 物 の 目 的 を 画 期 的 かつ 効 率 的 に 満 たしています。アジア 女 子 大 学 のマスタープランを 作 成 するにあたり、サフディ 氏 は104エーカーの 建 設予 定 地 にある 小 高 い 丘 、 深 い 谷 、 小 川 をもとに 設 計 を 進 めました。 完 成 した 延 べ 床 面 積230 万 平 方 フィートの 建 設 プログラムは、「 村 や 小 さな 町 の 縮 図 になぞらえ」、「 土 地そのものの 高 さとゾーンを 生 かして」 設 計 されているとサフディ 氏 は 説 明 します。大 胆 な 多 層 構 造 の 設 計 で、 丘 の 斜 面 の 傾 斜 を生 かして 学 術 施 設 が 建 てられ、その 上 の 美 しいベンガル 湾 と 市 街 を 見 渡 せる 高 台 に 居 住 施設 が 建 設 されます。 谷 に 沿 った 学 術 施 設 と 居住 施 設 の 間 には 階 段 状 の 庭 園 と 階 段 があり、自 由 に 行 き 来 できます。また、アーケードや植 物 棚 、 木 々によって 日 陰 をつくり、 暑 さへの 対 策 を 行 ないます。土 地 独 自 の 課 題 がもたらす 自 然 と 調 和 したユニークな 設 計チッタゴン 市 中 心 部 から 北 へ6キロ、フォイ湖 行 楽 エリアに 隣 接 した 土 地 にキャンパスは建 設 されます。 木 々が 茂 る 自 然 が 豊 かな 土 地ですが、 建 設 にあたっていくつかの 難 題 があります。 例 えば、 薄 くて 脆 い 地 盤 で 形 成 された 深 い 谷 は 洪 水 の 影 響 を 受 けやすく、モンスーンの 大 雨 による 侵 食 を 避 けられません。このように 建 設 可 能 な 平 坦 な 場 所 が 限 られた 土 地を 前 に、サフディ 氏 は、 学 術 施 設 を 谷 間 に、居 住 施 設 を 高 台 に 建 設 する 多 層 構 造 の 設 計 に至 ったわけです。 居 住 施 設 を 建 てるために 丘の 上 の 緩 い 土 壌 を 削 って 平 地 にし、その 土 壌を 谷 底 に 入 れてプラットフォームをつくり 洪水 による 影 響 を 少 なくします。設 計 初 期 には、より 高 低 差 が 大 きく、エレベーターと 吹 き 抜 けで 結 ばれた 設 計 がなされてい


キャンパス 建 設27ましたが、 建 設 予 定 地 の 調 査 を 進 めていくにつれて 実 現 性 が 低 いことがわかり、 設 計 を 変更 し、 丘 を 低 く、 谷 のプラットフォームを 高くし、 構 造 上 の 理 由 で 一 部 の 学 術 施 設 も 丘 側に 建 てられることになりました。これにより、土 地 の 侵 食 を 防 ぐとともに、 居 住 エリアと 学術 エリアがよりよく 統 合 されました。「 建 設 予 定 地 がもつ 数 々の 課 題 に 取 り 組 むにあたり、アジア 女 子 大 学 はより 環 境 に 配 慮 した設 計 ・ 建 設 を 実 現 する 機 会 を 得 られました」と 話 すのは、AUWキャンパス・プランニング・アドバイザーのデイビット・バーソン 氏 です。丘 の 再 緑 地 化 、 適 切 な 水 の 保 持 と 運 搬 は、 資源 の 保 持 、そしてモンスーンの 大 雨 から 土 地を 守 る 重 要 な 役 割 を 果 たします。また、 豊 かな 庭 園 、 土 地 の 伝 統 、 地 域 の 植 物 がもつ 象 徴的 な 意 味 をたたえるキャンパスの 景 観 は、 環境 を 意 識 した 取 り 組 みを 印 象 づけ、 学 生 と 教職 員 、 訪 問 者 たちを 惹 きつけていくことでしょう。最 先 端 の 設 備マスタープランは3つの 建 設 フェーズに 分 けられ、 世 界 トップクラスの 技 術 を 生 かすと 同時 に、コミュニティ 構 築 を 意 識 して 構 成 されています。 完 成 した 暁 には、3,000 人 の 学 生と300 人 の 教 職 員 が 世 界 中 から 集 うキャンパスとなります。第 一 期 には、 延 べ 床 面 積 86 万 平 方 フィートにわたる 学 術 施 設 と 居 住 施 設 が 建 設 されます。そこには、 図 書 室 ・ 情 報 センター、キャンパスセンター( 食 堂 、 美 術 ・ 運 動 などの 活 動 スペース)、 事 務 センター、 学 生 ・ 教 職 員 の 居住 施 設 が 含 まれます。第 一 期 に 建 てられる 建 物 には、 地 域 と 大 学 の施 設 を 兼 ねたものもあります。その1つが、モハメド・ユヌス・センター・フォー・リーダーシップ・アントレプレナーシップ・イノベーションです。このセンターは、 女 性 起 業家 を 支 援 することが 経 済 発 展 を 促 し、 社 会 問題 を 解 決 する 上 で 極 めて 重 要 だという 考 えにもとづいています。センターには、12 人 用 の会 議 室 から700 人 収 容 可 能 のホールがつくられる 予 定 です。そして、キャンパス 建 設 において 非 常 に 重 要なのがインフラ 設 備 です。AUW 支 援 財 団 代 表兼 CEOのカマール・アーマッド 氏 は、こう 語ります。「インフラの 重 要 性 を 過 小 評 価 することはできません。バングラデシュのような途 上 国 では、インフラが 整 備 されてはじめて、距 離 の 障 壁 がなくなり、 日 常 業 務 が 可 能 になるのです。」アジア 女 子 大 学 が 国 際 的 な 基 準 でキャンパスを 運 営 していくためには、 環 境 に 配 慮 した 独自 の 給 水 ・ 配 水 システム、 汚 水 回 収 ・ 処 理 システム、 発 電 システムが 必 要 です。先 頃 、ラタン・タタ 氏 ( 国 際 的 なコングロマリットのタタ・グループ 会 長 、アジア 女 子 大学 初 代 理 事 就 任 予 定 )が、タタ・インターナショナル 会 長 シャマール・グプタ 氏 を 中 心 とするチームを 結 成 し、 発 電 プラントの 建 設 にあたっての 調 査 を 行 なっています。この 発 電プラントは 大 学 キャンパスへ 電 気 をもたらすだけではなく、 余 剰 電 力 を 国 の 送 電 網 に 流 すことによって 大 学 に 収 益 をもたらす 可 能 性 もあります。多 くの 方 の 協 力 を 得 てこのプロジェクトには、サフィディ 氏 とともに 多 くの 方 々が 関 わっています。サフディ 氏のチームは、モシェ・サフディ&アソシエイツ(MSA)で10 年 以 上 にわたって 活 躍 しているクリストファー・マルヴィー 氏 が 指 揮 しています。マルヴィー 氏 は、ビューロー・ハッポルド・コンサルティング・エンジニアズのバース(イギリス)オフィスとニューヨークオフィス、ブラウン・サルディナ・ランドスケープ・アーキテクツ(ボストン)のコンサルタントを 取 りまとめ、アジア 女 子 大 学 との 窓 口 の 役 割 も 果 たしています。MSAと 共 同 でキャンパス 計 画 を 進 めているのが、アジア 女 子 大 学 キャンパス 計 画 諮 問 委 員会 のメンバーです。キャンパス 計 画 諮 問 委 員会 の 委 員 長 を 務 めるジル・ラーナー 氏 (コーン・ペダーセン・フォックス・アーキテクツ(ニューヨーク) 代 表 、コーネル 大 学 理 事 )は、「 当 委 員 会 は、 建 築 、エンジニア、 教 育 、企 業 、 非 営 利 団 体 など 様 々な 領 域 の 専 門 家 で構 成 されています。それぞれの 専 門 的 視 点 でもって、 計 画 の 各 段 階 で、サフディ 氏 や 彼 のチームにアドバイスしています」と 語 ります。BRAC 大 学 (ダッカ)の 副 総 長 ジャミラー・レザ・チョウドリー 教 授 は、キャンパス 計 画諮 問 委 員 会 の 重 要 なメンバーで、マスタープランの 作 成 に 当 初 から 参 画 しています。「AUWの 建 設 予 定 地 には、エンジニアから 見 て 数 々の 課 題 があります。MSAチームは 私 どもキャンパス 計 画 諮 問 委 員 会 の 懸 念 や 提 案 に 前 向 きに 対 応 してくれています」と 話 します。また、バングラデシュでは、ビティSHSコンソーシアムの 建 築 家 イクバル・ハビブ 氏 がこのプロジェクトのチームリーダーを 務 めています。ハビブ 氏 は、 建 築 家 のサイフ・ウル・フクエ 氏 、イシュティク・ザヒール 氏 、アーサン・カーン 氏 とともに、 環 境 への 配 慮 、 社会 文 化 的 課 題 への 対 応 、 建 設 技 術 と 習 慣 など、現 地 での 調 整 を 行 なっています。そして、ザリナ・ホセイン 氏 とムシュタク・ハビブ 氏 がアジア 女 子 大 学 側 のバングラデシュ 代 表 を 務めています。 建 築 家 としての 教 育 を 受 けているホセイン 氏 はこの 度 アジア 女 子 大 学 アクセスアカデミーの 暫 定 学 部 長 となり、また、アジア 女 子 大 学 の 運 営 ・ 管 理 ・ 広 報 担 当 ディレクター 代 理 を 務 めています。エンジニアであるハビブ 氏 は、 近 頃 アジア 女 子 大 学 キャンパス 計 画 プロジェクト・ディレクターとして 参画 することになりました。ハビブ 氏 は 本 プロジェクト 以 前 は、ノース・サウス 大 学 (ダッカ)の 新 キャンパスの 設 計 ・ 建 設 を 監 督 しており、また、BEXIMCOグループ(ダッカ)図 書 館 を 東 に 見 たアカデミックバレーの 縮 図


28282009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1キャンパスモデルでプロジェクト・ディレクター、VECTRA(カリフォルニア 州 サンノゼ)でエンジニアリング・マネジャーを 経 験 しています。アジア 女 子 大 学 初 の 建 物 の 建 設 計 画2008 年 夏 、アジア 女 子 大 学 は、キャンパスの 最 初 の 施 設 の 建 設 工 事 費 として500 万 米 ドルの 寄 付 を 受 けました。 現 在 、2011 年 に 完成 予 定 の 多 目 的 施 設 の 設 計 がMSAにより 進 められており、この 建 物 が「キャンパスの 機 軸を 築 くという 点 で 非 常 に 重 要 」であるとサフディ 氏 は 語 ります。建 物 の 設 計 以 上 に 重 要 となってくるのは、その 建 物 がアジア 女 子 大 学 のコミュニティ 構 成員 に 何 を 意 味 するのかということかもしれません― 大 学 の 学 生 や 教 職 員 が 世 界 一 流 の 教 育を 追 求 する 場 として、 大 学 の 創 設 者 たちが 長年 の 夢 を 実 現 する 場 として。もしかしたら、環 境 に 配 慮 した 視 野 の 広 い 設 計 ・ 建 築 という新 しいトレンドを 生 み 出 し、よりよいコミュニティ、 地 域 を 築 いていくきっかけとなるかもしれません。カーン 氏 が 残 した 思 いを 引 き継 いで―。1Ashraf, Kazi Khaleed and Saif Ul Huque,Sherebanglanagar: Louis Kahn and theMaking of the Capital Complex, LokaPublications, Dhaka 2002.アジア 女 子 大 学 支 援 財 団キャンパス 計 画 諮 問 委 員 会リトゥ・バンガJOINT SCHOOLS ACTIVITIES, INC. 理 事 、アジア 女 子 大 学 支 援 財 団 理 事 会 メンバージャミラー・レザ・チョウドリーBRAC 大 学 副 総 長ビーディー・ラッドラッド・ファミリー 財 団 ディレクタージル・ラーナーアジア 女 子 大 学 キャンパス 計 画 諮 問 委 員 会 委員 長 、コーン・ペダーセン・フォックス・アーキテクツ 代 表ジョン・マコンバーハーバードビジネススクール、マサチューセッツ 工 科 大 学 不 動 産 講 師ミュレイ・メットカルフリー・マンダー・キャピタルグループ・プライベートエクイティ 部 門 シニアアドバイザー兼 取 締 役モーセン・モスタファヴィハーバード 大 学 デザイン 大 学 院 学 長シェーク・ラフマンSARエンジニアリングINC. 代 表 兼 創 立 者アデーレ・サントスマサチューセッツ 工 科 大 学 建 築 ・ 計 画 大 学 院学 長キャンパスモデル( 上 空 から 見 た 図 )リック・シュバートフィリップス・エクセター・アカデミーベイツ・ラッセル 賞 受 賞 グローバル 教 育 教 授 、 史学 部 長 、 入 学 担 当 学 部 長


国 際 アドバイザー 委 員 会29東 と 南 が 出 会 うアジア 女 子 大 学 はキャンパス 建 設を 通 して、 東 アジアと 南 アジアのパートナーシップを 促 進 します。アジアは 大 きなコントラストを 抱 えています。 世 界 で 最 もダイナミックな 経 済 を 誇る 一 方 で、7 億 人 もの 人 々が1 日 2ドル 以 下で 暮 らしています。そして、この 不 均 衡 はさらに 広 がっており、2015 年 までに 世 界の 貧 困 の 半 数 がアジアに 集 中 すると 言 われています。アジアの 明 るく 持 続 性 のある 未 来 は、 国 家間 の 協 力 、 特 に 日 本 や 中 国 のような 経 済 先進 国 と 途 上 国 との 協 力 なしには 遂 げることができません。アジア 女 子 大 学 は、 様 々な 国 の 様 々な 背 景を 持 つ 学 生 を 幅 広 く 迎 え 入 れることで、より 統 合 されたアジアの 実 現 を 目 指 しています。そしてすでにこの 活 動 を 知 り、 協 力 して 下 さっている 方 々がいます。2008 年 夏 、アジア 女 子 大 学 は 香 港 の 匿 名 の 女 性 より、キャンパス 最 初 の 施 設 の 建 設 費 として500万 ドルの 寄 付 をいただきました。AUWのマスター・プランナーである 著 名 な 建 築 家 モシェ・サフディ 氏 によって 設 計 されたこの多 目 的 施 設 には、 学 術 施 設 、 居 住 施 設 が 含まれ、2011 年 に 完 成 する 予 定 です。個 人 による 寄 付 でこれまでで 最 高 額 となる寄 付 をした 女 性 は、この 寄 付 がアジア 地 域の 女 性 に 世 界 で 一 流 の 教 育 を 受 ける 機 会 を提 供 する 助 けとなることを 願 っていると 話します。これにより、キャンパス 建 設 第 一期 で 今 後 2 年 間 に 必 要 となる2500 万 ドルという 資 金 目 標 に 一 歩 近 づきました。 現 在129 名 の 学 生 を 擁 するアクセスアカデミーは 市 街 地 の 賃 貸 施 設 を 利 用 しており、また2009 年 8 月 に 向 けて 開 講 準 備 を 進 める 中 、キャンパスを 建 設 し、 学 生 と 教 職 員 のためのスペースを 確 保 することは 極 めて 重 要です。友 人 そして 支 援 者 の 皆 様 、アジア 女 子 大 学のキャンパス 実 現 に 向 けて、ご 支 援 ご 協 力をどうぞよろしくお 願 いいたします。国 際 アドバイザー 委 員 会 の 設 立アジア 女 子 大 学 はこの 度 、 国 際 アドバイザー委 員 会 を 設 立 しました。 世 界 各 国 の 著 名 な 方々で 構 成 される 本 委 員 会 は、 女 性 の 教 育 、とりわけアジア 女 子 大 学 を 広 く 知 らしめるために 活 動 していきます。 具 体 的 には、 大 学 を 立ち 上 げ、 軌 道 にのせていく 上 で 重 要 なカリキュラムの 開 発 、 教 員 の 採 用 、 学 生 の 募 集 、インターンシップおよび 就 職 先 の 斡 旋 、 大 学 間提 携 、 資 金 調 達 などに 関 し、 大 学 の 首 脳 陣 に戦 略 的 な 提 言 を 行 います。アジア 女 子 大 学 は、多 忙 なスケジュールの 中 、AUWのミッションの 実 現 に 向 けて 力 を 貸 してくださっている 以下 の 方 々に 心 より 感 謝 いたします。共 同 委 員 長リタ・コルウェル 氏カレッジパークのメリーランド 大 学 およびジョンズ・ホプキンス 大 学 ブルーンバーグ 公 衆衛 生 大 学 院 名 誉 教 授 。キャノン・アメリカ・ライフサイエンス 社 のシニアアドバイザー 兼名 誉 理 事 長 、コスモスID 社 の 代 表 兼 CEO。 専門 は 世 界 の 感 染 病 、 水 、 健 康 問 題 。1998~2004 年 、 国 立 科 学 財 団 (NSF) 取 締 役 。NSF以 前 は、メリーランド 大 学 バイオテクノロジー研 究 所 代 表 とマイクロバイオロジー・バイオテクノロジー 教 授 を 兼 任 。 現 在 は、 国 立 科 学アカデミーとアメリカ 哲 学 協 会 など 複 数 の 機関 に 所 属 し、アメリカ 生 物 科 学 研 究 所 の 代 表を 務 める。2007 年 、ナショナル・メダル・オブ・サイエンス(アメリカにおける 科 学 分野 で 最 高 の 賞 )を 受 賞 。パルデュー 大 学 で 細菌 学 の 学 士 号 および 遺 伝 学 の 修 士 号 、ワシントン 大 学 で 海 洋 学 の 博 士 号 を 取 得 。タエブ・カマリ 氏アラブ 首 長 国 連 邦 のテクノロジー 高 等 大 学(HCT、 国 内 に12の 大 学 をもつ 国 立 高 等 教 育機 関 ) 副 総 長 。アブダビの 応 用 研 究 ・ 研 修 センター(CERT) 代 表 兼 CEO、エデュケーション・ウィズアウト・ボーダーズ( 国 境 なき教 育 )・ワールドフォーラム 代 表 を 務 める。ジョージ・ワシントン 大 学 で 航 空 工 学 の 博 士号 を 取 得 。アジア 女 子 大 学 は 図 書 館 および 各種 プログラムの 開 発 においてHCTと 提 携 しています。アジア 女 子 大 学 への 支 援 方 法 に 関 する 詳 細はこちらをご 覧 ください。http://asian-university.org/japanese/supportAUW/waysToGive.htm「 途 上 国 世 界 を 変 革 する 上 で 重 要 な 動 きに関 わるとしたら、 私 は 迷 わず 女 性 の 教 育 を選 びます。 国 際 アドバイザー 委 員 会 の 共 同委 員 長 を 務 めることを 大 変 光 栄 に 思 っています。」共 同 委 員 長 リタ・コルウェル 氏「 女 性 の 教 育 は、 世 界 の 貧 困 と 不 平 等 問 題を 解 決 する 最 も 有 効 な 方 法 のひとつです。AUWへ 携 わることで、 才 能 ある 女 性 の 人生 、その 家 族 、そしてコミュニティの 生 活を 変 えていく 活 動 の 一 端 を 担 えたら 光 栄です。」共 同 委 員 長 タエブ・カマリ 氏


302009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1メンバーサラ・アバシ 氏ディベロップメント・イン・リテラシー(DIL、パキスタンの 農 村 地 帯 の 女 性 識 字 率をあげる 活 動 をするアメリカ 拠 点 の 非 営 利 団体 ) 理 事 長 。2001 年 に、DILサンフランシスコ 支 部 を 設 立 。ワン・ネーション、 北 カリフォルニア・ワールド・アフェアーズ・カウンシル、スタンフォード 大 学 イスラム 学 プログラム、メンロ・スクールの 理 事 を 務 める。サンタ・クララ 大 学 で 経 営 学 の 学 士 号 、ゴールデン・ゲート 大 学 で 国 際 関 係 学 の 修 士 号 を取 得 。ジェームス・ベネディクト 氏アメリカとブラジルを 拠 点 とする 投 資 会 社 、キッド&カンパニー 社 代 表 。 著 名 な 経 済 学 者ジャグディシュ・バグワティ 氏 に 師 事 し、コロンビア 大 学 で 国 際 経 済 学 の 博 士 号 を 取 得 。また、 日 本 の 財 務 省 の 財 務 政 策 の 資 格 およびベイラー 大 学 の 学 士 号 を 持 つ。 教 員 の 採 用 などでAUWのアカデミック・チームを 支 援 している。ヴィシャカ・デサイ 氏ニューヨーク 市 のアジア・ソサエティー 代 表兼 CEOとして、 政 策 、ビジネス、 美 術 、 文 化 、教 育 にわたる 幅 広 いプログラムを 統 括 。 前 職は、アジア・ソサエティーの 副 代 表 、および美 術 館 ・ 文 化 プログラムのディレクター。インドの 古 典 美 術 研 究 家 として 多 くのカタログと 学 術 文 献 を 出 版 、アジア 伝 統 美 術 の 革 新 的な 展 覧 会 を 開 催 することで 広 く 知 られている。我 喜 屋 まりこ 氏稲 盛 財 団 環 境 文 明 倫 理 研 究 センター、エグゼクティブ・ディレクター。ハーバード 教 育 大学 院 LILAプロジェクト・ゼロのグローバル 議長 、ウブンチュ 財 団 理 事 を 務 める。 早 稲 田 大学 講 師 。ミッシェル・グテリエ 氏プロビデンス・エクイティ 香 港 オフィス 取 締役 。 前 職 は、アジアの 代 表 的 なメディア・エンターテイメント 会 社 であるSTAR 社 CEO。オーストラリアのFOXTEL、イギリスのBSkyBでの 勤 務 経 験 を 持 ち、アレン・アレン・ヘムズリー 弁 護 士 事 務 所 のシドニーオフィスとシンガポールオフィスで 弁 護 士 として 勤 めた 経 験も 持 つ。2005 年 に 世 界 経 済 フォーラムの「ヤング・グローバル・リーダー」、「 ヴーヴ・クリコ 香 港 ビジネスウーマン・オブ・イヤー」に 選 出 された。ステファニー・フイ 氏ゴールドマン・サックスのマーチャント・バンキング 部 門 マネージング・ディレクター。1995 年 ファイナンシャル・アナリシストとしてゴールドマン・サックスに 入 社 、ニューヨークのプリンシパル 投 資 部 門 を 経 て1997年 香 港 オフィスに 転 籍 。1998 年 MBA 取 得 のため 退 職 し、2000 年 アソシエートとして 再入 社 。2003 年 エグゼクティブ・ディレクター、2006 年 から 現 職 。 中 国 ネップスター、グローバル・リテール、シピックス・グループ、 深センヘパリンク 製 薬 会 社 、CPVIライティング・ホールデイングスの 取 締 役 を 務 める。1995 年 にハーバード 大 学 で 生 物 学 の 学 士 号 、2000 年 にハーバード・ビジネス・スクールでMBAを 取 得 。 夫 ハロルド 氏 と3 人 の 子 供 たちと 香 港 に 在 住 。ダイパック・ジェイン 氏ノースウェスタン 大 学 ケロッグ 経 営 大 学 院 学長 、 起 業 学 のサンディー・モートン・ゴールドマン 教 授 、マーケティングの 教 授 を 兼 任 。研 究 分 野 は、ハイテク 製 品 のマーケティング、市 場 細 分 化 および 競 合 市 場 構 造 の 分 析 、グローバル 製 品 普 及 にまつわる 文 化 間 問 題 、 新 製 品の 普 及 および 予 測 モデル。インドのゴウハティ 大 学 で 学 士 号 と 修 士 号 を、テキサス 大 学 でマーケティングの 博 士 号 を 取 得 。バンコクのチュラロンゴーン 大 学 サシン 経 営 大 学 院 の 客員 講 師 。


国 際 アドバイザー 委 員 会31サリー・ジュタバ 氏スタンフォード 大 学 で 学 士 号 、ペンシルバニア 大 学 ウォートン 校 でMBAを 取 得 。MBA 取得 前 は、ゴールドマン・サックスのニューヨークオフィスとロサンゼルスオフィスで勤 務 。1991 年 に 夫 のデイビット・マイケル氏 と 共 にタイで 不 動 産 開 発 をはじめ、GMSパワーパブリック 社 を 設 立 。2003 年 にタイ 貿易 組 合 のアドバイザーに 着 任 、2005 年 にタイ 外 務 大 臣 のアドバイザーに 任 命 される。バンコク・パタナ・インターナショナル・スクールおよびフィリップス・エクセター・アカデミーの 理 事 、タイのスタンフォード 大 学 同窓 会 の 代 表 を 務 める。 夫 と4 人 の 子 供 たちとバンコクに 在 住 。KC・ラム 氏ITとソフトウェア 開 発 を 主 な 事 業 とするイービズエニウェア・テクノロジー 社 取 締 役 。ラム・キンチャング・モーニング・サン・チャリティー・ファンドを1992 年 に 設 立 、 平 和 、教 育 、 文 化 交 流 に 貢 献 している。2000 年 にハーバード 大 学 のジョン・ハーバード・フェローを 授 与 され、ハーバード・アジアセンター顧 問 委 員 会 のメンバーを 務 めている。ジェフリー・リーマン 氏北 京 大 学 ( 中 国 北 京 市 ) 国 際 法 大 学 院 の 総 長兼 初 代 学 長 。コーネル 大 学 前 学 長 。ミシガン大 学 で 法 律 と 公 共 政 策 を 教 えるところからキャリアをはじめ、その 後 同 大 学 法 科 大 学 院 の学 長 を 務 める。 貧 困 、 税 制 、アメリカの 社 会保 障 制 度 を 専 門 とする 著 名 な 法 律 専 門 家 。ミシガン 大 学 では、アメリカの 最 高 裁 判 所 を 相手 に 法 科 大 学 院 の 入 学 基 準 を 擁 護 するのに 成功 した 立 役 者 。コーネル 大 学 で 数 学 の 学 士 号 、ミシガン 大 学 でMPPとJDを 取 得 。マリナ・マハティール 氏イスラム 女 性 の 人 権 とエイズに 焦 点 をあてたマレーシア 人 作 家 兼 ブロガー、 活 動 家 。12 年にわたって 非 営 利 団 体 マレーシア・エイズ・カウンシルの 代 表 を 務 めた 経 験 を 持 つ。 現 在は、エイズと 開 発 に 関 するアジア 太 平 洋 ・リーダーシップ・フォーラム 運 営 委 員 会 メンバーおよびアジア 太 平 洋 ・エイズ・ソサエティ(ASAP) 部 会 の 議 長 を 兼 任 。 当 部 会 は 第 9回 アジア 太 平 洋 エイズ 国 際 会 議 (ICAAP)の一 環 として、バリで 今 年 後 半 に 開 催 される 予定 。マレーシアでは、 時 事 問 題 、 女 性 、 健 康 、国 内 政 治 、 人 権 、 教 育 を 取 り 上 げるスター 新聞 に 隔 週 でコラムを 掲 載 している。1997 年にこれらのコラムを 本 にまとめ、「イン・リベラル・ドーセス」を 出 版 。また、 自 身 のブログ「ランティングス」でマレーシアの 政 治やその 他 の 時 事 問 題 を 取 り 上 げている。セラ・キルダー・メリティ 氏オックスフォード 大 学 の 中 東 センターと 応 用資 源 研 究 センターの 協 力 によって 設 立 されたムタバラ 財 団 の 創 立 者 兼 取 締 役 。アラブ 首 長国 連 邦 (UAE)ドバイに 拠 点 を 置 く 当 財 団は、UAEの 女 子 大 学 生 および 大 学 院 生 によりよい 教 育 とキャリアを 提 供 するための 働 きかけを 行 なっている。インスティチュート・フォー・インターナショナル・エデュケーションとオックスフォード 大 学 中 東 センターでイニシチブ・フォー・イノベイティブ・ティーチング(INTEACH)を 創 設 。オックスフォード 大 学 で 中 東 学 の 学 士 号 、 比 較 国 際 教 育 の 修士 号 、 哲 学 の 博 士 号 を 取 得 。 現 在 夫 リアド・メリティ 氏 (アルクァム・キャピタルCEO)と1 歳 の 息 子 とドバイに 在 住 。シェイカ・アブドゥラ・アル・ミスナッド 氏カタールの 著 名 な 教 育 者 。 数 々の 名 誉 ある 教員 職 、 管 理 職 、 研 究 職 、 代 表 職 をカタール 大学 にて 務 める。カタール 財 団 および 最 高 教 育委 員 会 の 理 事 会 メンバー。また、 国 際 的 には、国 連 大 学 委 員 会 (UNU)メンバーを 務 める。カタール 大 学 にて 教 育 学 士 号 、その 後 イギリスのダラム 大 学 にて 教 育 学 の 哲 学 博 士 号 を 取得 。また、2008 年 1 月 に、ダラム 大 学 より 民法 学 名 誉 博 士 号 を 授 与 される。


322009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1ルルワ・アル・ムラ 氏1963 年 に 設 立 されたクウェート 最 初 の 女 性NGOウーマンズ・カルチュラル・ソーシャル・ソサイエティ 事 務 総 長 。 代 表 的 な 活 動 家 で、クウェート 政 府 に 女 性 参 政 権 を 認 める 申 し 立てを 行 なうなど、 女 性 の 地 位 向 上 に 向 けて 活発 に 活 動 している。また、コソボやイラクなど 紛 争 地 域 の 市 民 の 救 済 にも 関 わっている。M.B. レジーナ・パパ 氏アジア 女 子 大 学 アクセスアカデミーの 前 代 表 。前 職 はアラガッパ 大 学 教 授 、 女 性 学 部 学 部 長 。マドラス 大 学 卒 業 、マドゥライ・カマラジ 大学 で 博 士 号 を 取 得 。タミル・ナドゥのアラガッパ 大 学 にインドの 総 合 大 学 で 最 初 の 女 性 学部 を 設 立 、また、インドの 主 要 な 総 合 大 学 ではじめて 女 性 として 教 務 課 長 に 就 任 。ジェンダー 論 および 研 究 コースを 教 えるかたわら、女 性 のための 無 料 の 法 律 相 談 センターを 運 営するなど、 多 数 の 実 務 研 究 を 行 なっている。ディー・プーン 氏新 鋭 の 中 国 系 タレントの 間 で 話 題 のファッションブランドDysemevas 創 始 者 。2004 年 にハーバード 大 学 を 卒 業 、 家 族 とともにPYEブランドの 立 ち 上 げに2 年 間 を 費 やす。 中 国 のファッション 誌 iLook 編 集 者 、Modern Weeklyのコラム 執 筆 者 。YLヤン・エスクウェル 教 育財 団 、 香 港 デザイン 大 使 、ズニ・イコサヘドロン、 中 国 教 育 イニシアチブで 理 事 を 務 めるとともに、 香 港 貿 易 開 発 協 会 のデザイン・マーケティング・ライセンシング・サービス顧 問 委 員 会 に 所 属 している。カヴィタ・N・ラムダス 氏グローバル・ファンド・フォー・ウーマン 社長 兼 CEO。 前 職 は、マッカーサー 財 団 コミュニティ・イニシアティブ・プログラムのプログラム・オフィサー。ビル&メリンダ・ゲイツ 財 団 グローバル・ディベロップメント・プログラム 諮 問 委 員 会 、プリンストン 大 学 ウッドロー・ウィルソン 校 男 女 平 等 諮 問 委 員 会 に所 属 。マウント・ホリヨーク 大 学 、プリンストン 大 学 の 理 事 を 務 める。2008 年 にデュヴェネク・ヒューマニタリアン 賞 、2005 年 にアフリカン・ウーマン・ディベロップメント・ファンドのウーマン・オブ・サブスタンス 賞を 受 賞 。マウント・ホリヨーク 大 学 で 学 士 号 、プリンストン 大 学 ウッドロー・ウィルソン 校 でMPAを 取 得 。クレア・ステイン・ローゼンフィールド 氏作 家 (2002 年 以 降 4 冊 の 詩 集 を 出 版 )、 瞑 想の 指 導 者 、ソーシャルワーカー。ホリスティックアプローチを 提 唱 するコンタクトヒーリングの 設 立 者 。スミスカレッジでフランス 語の 学 士 号 、コロンビア 大 学 でソーシャルワーカーの 科 学 修 士 号 を 取 得 。ボストン、ラゴス、バンコクでフランス 語 教 師 を 歴 任 した 経 験 を持 つ。 女 性 のための 保 健 を 推 進 し、また、アジア 女 子 大 学 の 強 力 な 支 援 者 であったコロンビア 大 学 メールマンスクール 名 誉 学 長 アラン・ローゼンフィールド 教 授 の 未 亡 人 。チャールズ・レイモンド 氏ニューヨークのハドソン・ハイツ・パートナーの 共 同 経 営 者 。 前 職 は、シティグループのファミリー・オフィス&プライベート・バンクの 取 締 役 兼 慈 善 事 業 シニアアドバイザー。シティー 財 団 とトラベラーズ 財 団 の 代 表 を 兼 任した 経 験 を 持 つ。ニューヨーク 市 のホームレス・サービス 部 門 局 長 、 住 居 ・ 保 存 ・ 開 発 部門 副 局 長 を 務 める。アフター・スクール・コーポレーションおよびタッチ 財 団 の 理 事 、フェアーウィンド・トレーディング( 戦 争 中 の 国や 途 上 国 の 女 性 による 工 芸 品 を 世 界 に 流 通 させる 団 体 )シニアアドバイザー。シラキュース 大 学 で 学 士 号 、シラキュース 大 学 とニューヨーク 大 学 の 大 学 院 に 就 学 。 妻 ジェン 氏 との間 に2 人 の 息 子 を 持 つ。ブライアン・サンダーソン 氏1964 年 にBPに 入 社 、1990 年 にBPケミカルのCEO、1992 年 にBPの 取 締 役 に 就 任 するまで 様 々なポジションを 経 験 。2000 年 にBPを退 社 、ラーニング&スキル・カウンシル、スタンダード・チャーター 銀 行 、ノーザン・ロックの 会 長 など 数 々の 企 業 経 営 を 経 験 。 現 在は、コモンウェルス・ビジネス・カウンシル理 事 、フローレンス・ナイチンゲール 財 団 会長 、ロンドン 経 済 大 学 理 事 長 を 務 める。ロンドン 経 済 大 学 、ローザンヌのIMEDEビジネス・スクールで 学 士 号 を 取 得 。 結 婚 し、2 人 の 子供 を 持 つ。


国 際 アドバイザー 委 員 会 33ジャヴェイド・シェイク 氏不 安 障 害 、 慢 性 ストレス 症 、 認 知 障 害 を 専門 とする 世 界 的 に 著 名 な 研 究 者 。 現 職 は、カタールのウェイル・コーネル 医 学 大 学 の暫 定 学 長 。 国 立 保 健 機 構 、 退 役 軍 人 協 会 をはじめとするアメリカの 公 的 ・ 私 的 団 体 から 研 究 助 成 を 受 けてきた。 最 近 の 研 究 では、慢 性 不 安 障 害 の 患 者 の 不 安 のサイクルと 睡眠 の 関 係 の 解 明 に 注 力 している。2001~2006 年 にVAPAHCSの 医 療 従 事 者 代 表 、スタンフォード 大 学 退 役 軍 人 課 副 代 表 を 務めた。1997~2001 年 「アメリカのベスト・ドクター」に 選 ばれた。竹 内 佐 和 子 氏京 都 大 学 都 市 工 学 教 授 。 早 稲 田 大 学 で 法 律の 学 士 号 、 日 本 大 学 で 政 治 学 の 修 士 号 を 取得 。1981 年 博 士 課 程 修 了 後 、フランスの応 用 数 学 ・ 経 済 研 究 所 に 招 かれ 理 論 経 済 学を 学 ぶ。1985 年 日 本 総 合 研 究 所 ( JRI)のシニア 研 究 員 、1994 年 日 本 長 期 信 用 銀 行研 究 所 チーフエコノミストに 着 任 。1998年 に 東 京 大 学 工 学 大 学 院 の 准 教 授 に 就 任 、その 後 自 身 の 研 究 所 を 設 立 。2004 年 、 世界 銀 行 の 経 済 金 融 アナリストに 着 任 。パリの 経 済 協 力 開 発 機 構 (OECD) 事 務 総 長 の 指名 を 受 けた。ダイアナ・L・テイラー 氏2007 年 4 月 より 投 資 銀 行 ウォルフェンション&Co.のマネージングディレクター。2003 年 ~2007 年 、ジョージ・パタキ 知 事 と 州 議 員 の推 薦 を 受 けてニューヨーク 州 の 銀 行 のスーバーインテンデントを 務 める。スミス・バーニー、リーマン・ブラザーズ、ドナルドソン・ルフキン&ジェンレテで 投 資 銀 行 員 としてキャリアを 開 始 。その 後 、ロング・アイランド・パワー・オーソリティーのチーフ・ファイナンシャル・オフィサー、 住 宅 財 務 長 官 副 次 官など、 数 々の 職 を 州 政 府 で 歴 任 。コロンビア大 学 メールマン 公 衆 衛 生 大 学 院 、ニューヨーク・ウーマンズ 財 団 、 国 際 女 性 保 健 団 体 、ACCIONインターナショナル、BRAC USAなど 数 々の 非 営 利 団 体 の 理 事 を 務 める。ダートマス 大 学 にて 経 済 学 を 学 び、コロンビア・ビジネス・スクールで 財 務 修 士 号 、コロンビア大 学 メールマン 公 衆 衛 生 大 学 院 で 公 衆 衛 生 修士 号 を 取 得 。アジア 女 子 大 学 副 総 長 兼 経 営 最 高 責 任 者 を 募 集アジア 女 子 大 学 (AUW)は、 高 等 教 育 がリーダーシップ 育 成 、 経 済 成 長 、 社 会 的 ・ 政 治 的平 等 の 実 現 にきわめて 重 要 であるという 強 い信 念 に 基 づき、バングラデシュ 第 二 の 都 市 チッタゴンに 設 立 されました。AUWは、 能 力 が高 く 有 望 な 女 性 をリベラルアーツと 科 学 、 専門 教 育 をあわせた 斬 新 なカリキュラムを 通 して 育 成 し、 地 域 の 課 題 に 立 ち 向 かい、 真 の 変化 を 起 こすことができる、 深 慮 深 く 論 理 意 識の 高 いリーダーを 輩 出 していきます。 有 能 ながら 恵 まれない 環 境 で 育 った 女 性 がAUWの学 部 課 程 に 進 学 するための1 年 間 の 入 学 準備 コースには6カ 国 から 学 生 が 集 まっています。 彼 女 たちは2009 年 7 月 に 卒 業 し、8 月 に開 講 するAUWの 学 部 課 程 に 進 学 します。 現 在すべてのプログラムが 賃 貸 施 設 で 運 営 されており、 学 術 施 設 の 建 設 は2009 年 10 月 に 着 工します。アジア 女 子 大 学 はアジア 地 域 の 様 々な 背 景 をもつ 女 性 のための、 質 の 高 い 教 育 ・リーダー 育 成 機 関 となることを 目 指 しています。アジア 女 子 大 学 は 現 在 、 学 術 機 関 、 企 業 、 政府 、または 非 政 府 組 織 での 実 務 経 験 と 起 業 家精 神 をもち、 素 晴 らしいリーダーの 素 質 を 備えた、 副 総 長 兼 経 営 最 高 責 任 者 (CEO)を 募集 しています。 副 総 長 兼 CEOは、 国 際 的 なメンバーからなるチームを 率 い、 学 生 のための学 術 ・ 居 住 プログラムを 構 築 し、 施 設 建 設 計画 を 監 督 し、 学 術 機 関 および 様 々な 機 関 と 提携 し、 大 学 の 運 営 と 継 続 的 なガバナンスの 為のシステムを 構 築 ・ 運 営 し、また、 現 行 の 国際 的 な 資 金 調 達 活 動 ( 現 在 までの 寄 付 金 合 計4000 万 米 ドル)を 拡 大 していく 責 任 を 負 います。 模 範 的 な 組 織 力 ・コミュニケーション 力をもち、 学 術 コミュニティの 重 要 性 を 理 解 する 情 熱 的 で 社 会 的 意 識 の 高 いリーダーを 求 めています。 組 織 をスタートアップから 成 功 へ導 いた 経 験 がある 方 を 優 先 します。アジア 地域 の 開 発 に 関 する 知 識 をもち、その 環 境 において 高 等 教 育 機 関 を 設 立 するというユニークな 課 題 の 意 義 に 共 感 してくださる 方 を 歓 迎 します。副 総 長 兼 最 高 経 営 責 任 者 への 推 薦 また 応 募 はアジア 女 子 大 学 支 援 財 団 代 表 兼 経 営 最 高 責 任者 カマール・アーマッド(Kamal.Ahmad@asian-university.org)へ 直 接 ご 連 絡 ください。詳 細 はwww.asian-university.org/japanese をご 覧 いただくか、メールでお 問 い 合 わせください。


3434 2009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1お 知 らせM・バーナーディン・ディアス 氏カタリーナ・コーエン 氏ジル・ラーナー 氏アジア 女 子 大 学 支 援 財 団 、3 名 の 新 メンバーを 迎 えるM・バーナーディン・ディアス 氏 、カタリーナ・コーエン 氏 、ジル・ラーナー 氏 がアジア女 子 大 学 支 援 財 団 理 事 会 メンバーに 新 たに 任命 されました。ディアス 氏 はカーネギー・メロン 大 学 ロボット 工 学 研 究 所 の 研 究 者 です。ハミルトン 大 学より 学 士 号 、カーネギー・メロン 大 学 よりロボット 工 学 の 修 士 号 、 博 士 号 を 取 得 しています。 主 な 研 究 テーマは、 文 化 に 適 応 したコンピューターテクノロジーを 途 上 国 向 けに 開 発 すること。ディアス 氏 は、 世 界 中 の 恵 まれないコミュニティ 向 けに、パートナーシップを 組 みながらテクノロジー 研 究 を 行 なうテクブリッジワールドグループを 設 立 し、 統 括 しています。コーエン 氏 はボストン 大 学 卒 、ゴールドマン・サックス 香 港 の 証 券 部 門 でエグゼクティブ・ディレクターとして 勤 務 しています。1995年 にニューヨークのブラウン・ブラザーズ・ハリーマンにリサーチ 担 当 として 就 職 、その後 ロンドンに 移 り、アメリカ 株 のリサーチとセールスに 携 わりました。ドイツ 生 まれのコーエン 氏 は 現 在 、 夫 のヤンク 氏 、 娘 ルイーサさんとジョアナさんとともに 香 港 で 暮 らしています。コーエン 氏 はAUW 香 港 支 援 委 員 会 の 共同 設 立 者 でもあります。ラーナー 氏 はニューヨークのコーン・ぺダーセン・フォックス(KPF)・アーキテクツの代 表 兼 建 築 家 です。20 年 以 上 の 設 計 と 経 営 の経 験 を 経 て、ラーナー 氏 はKPFの 担 当 案 件 を教 育 関 係 および 公 共 のプロジェクトへと 拡 張してきました。2001 年 9 月 11 日 の 世 界 貿 易 センターの 惨 事 からニューヨーク・ニュー・ビジョン・メモリアル・プロセスのチームの 共同 委 員 長 となり、 研 究 、 広 報 、 記 念 館 建 築 、支 援 問 題 などに 深 く 携 わってきました。ニューヨーク 出 身 のラーナー 氏 はコーネル 大 学 の 理事 、アジア 女 子 大 学 支 援 財 団 キャンパス 計 画諮 問 委 員 会 の 委 員 長 も 務 めています。ディアス 氏 、コーエン 氏 、ラーナー 氏 、どうぞよろしくお 願 いします。香 港 でアジア 女 子 大 学 支 援 委 員 会 が 発 足カタリーナ・コーエン 氏 、ケイ・マカードル氏 、エイダ・イップ 氏 は、2008 年 春 、アジア 女 子 大 学 香 港 支 援 委 員 会 を 設 立 しました。「 教 育 は 貧 困 や 依 存 のサイクルを 打 ち 壊 すための 土 台 であると 心 から 信 じています。このことは 世 界 各 国 で 男 女 ともにあてはまるにもかかわらず、 女 性 の 教 育 の 重 要 性 は 見 落 とされがちです。 様 々な 宗 教 、 文 化 、 民 族 、 社 会経 済 的 背 景 を 持 つ 才 能 のある 女 性 たちに 一 流の 教 育 を 受 ける 機 会 を 提 供 するというアジア女 子 大 学 のミッションは 本 当 に 素 晴 らしいと思 います」と 話 すコーエン 氏 。2008 年 4 月 にゴールドマン・サックス 香 港 主 催 で 開 催 されたAUW 支 援 財 団 会 長 ジャック・マイヤー 氏 のプレゼンテーションに 心 を 動 かされ、マカードル 氏 とイップ 氏 とともに 香 港 支 援 委 員 会 を立 ち 上 げました。コーエン 氏 はこの 度 AUW 支援 財 団 の 理 事 に 就 任 しました。委 員 会 は 設 立 以 来 、2008 年 6 月 にAUW 支 援財 団 代 表 カマール・アーマッド 氏 を 招 いたレセプション、10 月 にアジア 女 子 大 学 のアニー・スー 氏 を 招 いたカクテルパーティーを 開 催 し、アジア 女 子 大 学 を 広 く 知 らしめています。また、 香 港 支 援 委 員 会 の 友 人 であるモニカ・アスワニ 氏 の 協 力 で、アジア 女 子 大 学 は2008年 4 月 に 開 催 された 大 学 相 互 交 流 ネットワークのイベントで 集 まった 資 金 を 寄 付 として 受け 取 りました。 香 港 支 援 委 員 会 の 次 回 のイベントはシェリー・ブレア 氏 を 招 いて4 月 17 日に 開 催 されます。お 知 らせと 今 後 のイベントの 詳 細 はこちらでご 覧 いただけます。http://asian-university.org/japanese/news_and_events.htm


お 知 らせ35各 財 団 がアジア 女 子 大 学 支 援 財 団 への 支 援 を新 たに 発 表ウィリアム&フローラ・ヒューレット 財 団 、ロックフェラー 財 団 、ジョン・マッカーサー財 団 、MSST 財 団 がアジア 女 子 大 学 支 援 財 団への 支 援 を 新 たに 発 表 しました。ヒューレット 財 団 からアジア 女 子 大 学 アクセスアカデミーに100 万 米 ドルの 支 援 をいただきました。アクセスアカデミーは、アジア 女子 大 学 に 進 学 するにあたって 補 習 が 必 要 な 学生 のための1 年 間 の 大 学 入 学 準 備 プログラムです。「 私 たちはアジア 女 子 大 学 を 通 して、世 界 で 最 も 貧 しい 地 域 のひとつである 土 地 の若 い 女 性 たちに、 教 育 の 機 会 を 与 える 支 援 ができることを 大 変 嬉 しく 思 っています」とヒューレット 財 団 代 表 ポール・ブレスト 氏 は 語ります。ロックフェラー 財 団 から50 万 米 ドルの 支 援 をいただきました。そのうち36 万 ドルは12 名の 学 部 生 の 奨 学 金 にあてられ、この 奨 学 金 を受 ける 学 生 は「ロックフェラー 財 団 スカラー」とよばれます。 残 りの14 万 ドルは、AUWが世 界 中 から 様 々な 分 野 のリーダーたちを 招 いて 年 に1 度 開 催 する「リフレクション・オン・リーダーシップ(リーダーシップの 再 考 )」会 議 の 費 用 にあてられます。「 世 界 の 恵 まれない 地 域 の 女 性 たちに 教 育 を提 供 し、 社 会 意 識 の 高 いリーダーを 育 成 することは、 地 域 の 発 展 に 最 も 有 効 な 方 法 だと 思います。 私 たちはこのような 使 命 を 持 ったAUWの 活 動 を 支 援 できることをとても 誇 りに思 っています」とロックフェラー 財 団 のアソシエート・ディレクター、ジョアン・シケガワ 氏 は 語 っています。マッカーサー 財 団 からは15 万 米 ドルの 支 援 をいただき、7 万 5 千 ドルは10 月 に 開 催 したアジア 女 子 大 学 創 立 記 念 式 典 に、 残 りはアカデミック・プランニングに 使 われています。カリフォルニア 州 に 拠 点 を 置 くMSST 財 団 は新 たに10 万 米 ドルの 支 援 を 発 表 し、MSST 財団 からの 支 援 は 過 去 2 年 で 合 計 60 万 米 ドルになります。メディアボストン・グローブ(ボストンの 新 聞 )が、AUWの 創 設 者 に 関 する 記 事 「カマール・アーマッド 氏 の 教 育 」を 掲 載 しました。ニュー・ステイツマン(イギリスの 雑 誌 )が、女 性 の 社 会 進 出 を 促 すレジーナ・パパ 氏 の 活動 とその 中 のアジア 女 子 大 学 に 注 目 し、「 女性 にリーダーシップのチャンスを 与 える」を掲 載 しました。ジャパン・タイムズ( 日 本 の 英 字 新 聞 )が、アジア 女 子 大 学 を 訪 れたジェフ・キングストン 氏 (テンプル 大 学 東 京 キャンパス、アジア 学 科 ディレクター)による、 大 学 のミッション、 支 援 者 、そしてアジア 女 子 大 学の 学 生 や 教 員 とのインタビューを 紹 介 する記 事 を 掲 載 しました。新 しいパートナーシップAUWはアフガニスタンの32 地 域 のうち23 地域 で 活 動 をしているBRACアフガニスタンとパートナーシップを 組 み、 才 能 あるアフガニスタン 女 性 25 名 を 募 り、アクセスアカデミーへ 受 け 入 れることで 合 意 しました。また、AUWは 学 生 募 集 にあたり、バングラデシュのグラミン 銀 行 、インドの 自 営 女 性 労 働者 協 会 (Self Employed <strong>Women</strong>’s Association、SEWA)とも提 携 しています。グラミン 銀 行 は 独 自 のネットワークを 駆 使 し、 一 家ではじめての 大 学 進 学 者 となる 才 能 ある 女 性を 募 るために 大 きく 貢 献 しています。アクセスアカデミーがAUW 支 援 財 団 理 事 長を 称 えるアジア 女 子 大 学 創 立 への 素 晴 らしいリーダーシップと 支 援 を 称 え、アクセスアカデミーの 学生 と 教 職 員 がAUW 支 援 財 団 理 事 長 ジャック・マイヤー 氏 へ 手 塗 りのリクシャーを 贈 りました。アクセスアカデミーのレジーナ・パパ 氏は、「 飛 行 機 で 世 界 中 を 飛 び 回 る 多 忙 なマイヤー 氏 に、AUWは 手 作 りのリクシャーを 贈 りたいと 思 います。リクシャーはゆっくりと、しかし 確 実 に 細 い 道 や 不 安 定 な 道 を 進 み、より 早 く 力 強 い 移 動 手 段 のある 高 速 道 路 へとお連 れします。 私 たちの 愛 と 感 謝 の 気 持 ちを 込めてお 贈 りしま す」と 添 えました。AUW 創 立 者 カマール・アーマッド 氏 がマレーシアの 支 援 者 を 訪 問カマール・アーマッド 氏 はこの 度 、クアラルンプールにて 元 マレーシア 首 相 マハティール・モハマド 氏 と 娘 マリナ・マハティール 氏 を 訪問 しました。ブルネイ 国 王 にAUWを 紹 介 するにあたり、マハティール 氏 はこう 説 明 しました。「 世 界 の 北 と 南 を 分 断 しているのは 何 よりも 知 識 へのアクセスだと 私 は 常 に 考 えています。この 格 差 を 縮 小 しようとする 活 動 は 支援 されるべきです。これまで 才 能 が 簡 単 には認 められなかった 女 性 たちに 一 流 の 教 育 を 提供 し、 地 域 のネットワークを 広 げていこうとするアジア 女 子 大 学 は、 世 界 に 大 きな 変 化 をもたらすことでしょう。 国 際 的 な 開 発 プロジェクトにおいて 初 等 教 育 ばかりが 注 目 される中 、 質 の 高 い 高 等 教 育 こそが 貧 困 と 開 発 の 遅れ、ひいては 世 界 のパワーの 不 均 衡 を 打 ち 破ることができることをこのプロジェクトは 提唱 しています。」クアラルンプールのマハティール 氏 のオフィスにて、AUW 後 援 者 マハティール・モハマド 氏 ( 中 央 )、娘 で 国 際 アドバイザー 委 員 会 メンバーのマリナ・マハティール 氏 とカマール・アーマッド 氏


362009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1アクセスアカデミーの 学 生 と 教 員 よりリクシャーを 贈 られるAUW 支 援 財 団 会 長 ジャック・マイヤー 氏 ( 左 )キャシー・ 松 井 氏 が 著 作 でAUWを 紹 介AUW 支 援 財 団 理 事 で、ゴールドマン・サックス 証 券 ( 日 本 )マネージング・ディレクター兼 チーフ 日 本 株 ストラテジスト、 汎 アジア 投資 調 査 部 部 長 のキャシー・ 松 井 氏 が2008 年12 月 に 出 版 した 自 身 の 著 作 「 子 供 にマネーゲームを 教 えてはいけない」( 講 談 社 )でAUWを紹 介 しました。 松 井 氏 はAUWとの 関 わり、アジアの 女 性 のために 高 等 教 育 の 機 会 を 広 げることの 重 要 性 、バングラデシュのようなアジアの 途 上 国 へ 日 本 からの 協 力 を 拡 大 しようとする 自 身 の 活 動 について 語 っています。ニューナム・カレッジのニュースレターがジュディー・ムディー・スチュアート 氏 を 特 集ニューナム・カレッジの 最 新 のニュースレター「 人 生 を 変 える」が、アジア 女 子 大 学 支 援 財団 理 事 でニューナム・カレッジ 卒 業 生 であるジュディー・ムディー・スチュアート 氏 を 取り 上 げ、 彼 女 のAUWでの 活 動 について 特 集 を組 みました。ニューナム・カレッジはケンブリッジ 大 学 の 女 子 大 学 二 校 のひとつです。特 集 はwww.newn.cam.ac.uk/roll/changinglives03.pdfでご覧 いただけます。アクセスアカデミーの 学 生 が 国 際 会 議 に 出 席アラブ 首 長 国 連 邦 (UAE)ドバイで 開 催 された 国 際 会 議 に、アクセスアカデミーの 学 生 クリスタル・フェルナンド(スリランカ)、マリアン・フェルナンド(スリランカ)、ジャスミン・クリアン(インド)、レンジニ・トーマス(インド)、ナシマ・アクター(バングラデシュ)、ネハ・ラウニヤー(ネパール)が、3 千 人 以 上 の 応 募 者 の 中 から 選 ばれて 出席 しました。UAEのテクノロジー 高 等 大 学(HCT) 主 催 の 当 国 際 会 議 「 国 境 なき 教 育 :グローバルな 課 題 への 革 新 的 な 解 決 策 」は、「 世 界 各 国 の 学 生 と 専 門 家 が 集 い、 世 界 の 差し 迫 った 社 会 問 題 について 議 論 し、 解 決 策 と実 践 法 を 探 る」ことを 目 的 にしています。AUWが 大 学 院 設 立 計 画 を 発 表2008 年 12 月 、 香 港 でクリントン・グローバル・イニシアチブ・アジア 主 催 により 開 催 されたイベントで、アジア 女 子 大 学 は 環 境 工 学 ・持 続 的 開 発 大 学 院 の 設 立 計 画 を 発 表 しました。環 境 に 関 わる 世 界 の 注 目 が 気 候 変 化 に 集 中 する 中 、 当 大 学 院 は 古 くからある 未 解 決 で、 時として 忘 れられてしまっているアジア 地 域 の環 境 問 題 に 焦 点 をあてます。 大 学 院 はロンドンのインペリアル・カレッジと 提 携 して 設 立され、 水 と 公 衆 衛 生 、 土 地 の 劣 化 、 森 林 伐 採 、産 業 ・ 農 業 ・ 海 洋 汚 染 を 専 門 とするMSc( 科学 修 士 )を 修 めることができます。 南 ・ 東 南アジア 各 国 から 学 生 と 専 門 家 が 集 まる 教 育 機関 として、アジア 女 子 大 学 には、 技 術 的 、 論理 的 、 社 会 的 、 政 治 的 、 倫 理 的 、その 他 の 現実 的 障 害 と 向 き 合 い、 地 域 の 深 刻 な 環 境 問 題を 克 服 していく 大 きな 強 みがあると 信 じています。 人 口 増 加 、 貧 困 、 自 然 災 害 、 人 災 、 新しい 病 気 、そして 世 界 の 工 場 としてのアジアの 台 頭 などにより、この 地 域 では 環 境 問 題 は悪 化 の 一 途 をたどっています。マーガレット・コームズ 氏 がアクセスアカデミーを 訪 問2008 年 12 月 、アメリカン・ユニバーシティ・オブ・クウェート(AUK) 英 語 集 中 プログラムのディレクターであるマーガレット・コームズ 氏 をAUWに 迎 えました。ESL( 第 二 言 語としての 英 語 ) 教 員 をして30 年 の 経 験 をもつコームズ 氏 は、バングラデシュのアクセスアカデミーで 年 末 休 暇 を 過 ごし、アクセスアカデミーの 教 員 とスタッフにカリキュラムや 評価 に 関 し 数 々の 助 言 をしました。AUWはコームズ 氏 の 貢 献 に 心 より 感 謝 するとともに、2009 年 8 月 に 再 度 お 越 しいただけることを 楽しみにしています。また、AUK 理 事 長 シェイ香 港 にてAUW 創 設 者 カマール・アーマッド 氏 とアメリカ 合 衆 国 元 大 統 領 ビル・クリントン 氏カ・ダナ・ナッサー・アル・サバー 氏 とAUK学 長 マリナ・トゥルマチェバ 氏 の 多 大 な 支 援に 心 よりお 礼 申 し 上 げます。AUW 学 長 がデリーで 開 催 された 国 際 会 議に 参 加フーネン・クー 学 長 は、インドのデリーで 開催 された「 国 境 なき 教 育 2009 南 アジアフォーラム」に 出 席 しました。アラブ 首 長 国 連 邦 のアブダビに 拠 点 をおくテクノロジー 高 等 学 校とインスティチュート・オブ・インターナショナル・エデュケーションによる 共 催 で 開 かれた 当 会 議 のテーマは、「 高 等 教 育 の 見 直 し:国 際 化 とグローバリゼーションに 関 する 南 アジアの 視 点 」。クー 学 長 はAUWを 紹 介 し、AUWがバングラデシュや 南 アジアのすでにある 大 学 と 対 抗 するのではなく、 補 足 する 役 割を 果 たすと 説 明 しました。フォーラムにはインド、バングラデシュ、スリランカの 大 学 から 多 くの 学 長 が 出 席 しました。オールボルグ 大 学 のICTセミナーにてロネ・ディブカー 氏 を 称 える情 報 通 信 テクノロジー 大 学 院 設 立 に 向 けてAUWと 提 携 しているデンマークのオールボルグ 大 学 がセミナー「ICT: 開 発 と 女 性 リーダーシップ」を 開 催 します。セミナーでは 南 ・ 東南 アジアの 開 発 に 関 わる 問 題 を 取 り 上 げ、 情報 通 信 テクノロジー(ICT)と 女 性 の 地 位 向上 が 地 域 の 発 展 にいかに 重 要 であるかが 議 論されます。また、AUWのICT 大 学 院 プログラムの 開 発 についても 話 し 合 われます。セミナーでは、AUW 創 設 者 グループの1 人 であり、 支援 者 であるロネ・ディブカー 氏 が、AUWへの多 大 なる 貢 献 と 男 女 平 等 を 目 指 した 数 々の 活動 を 評 価 され、オーボルグ 大 学 人 文 科 学 学 部より 名 誉 教 授 に 任 命 されます。


アジア 女 子 大 学 支 援 財 団 理 事 :ジャネット・モンタグ 氏37若 い 女 性 の 未 来 を 切 り 拓 く豊 富 な 国 際 経 験 とボランティアへの 情 熱 が、ジャネット・モンタグ 氏 のアジア 女子 大 学 への 参 画 の 試 金 石 に「 私 はAUWの 女 性 たちが、 人 々の 接 し 方 を 変 え、まわりの 人 々に人 生 で 大 切 なことに 力 を 入 れるべきことを 教 えていってくれると 信じています。」ジャネット・モンタグ 氏と 語 ります。「 温 かい 心 遣 いと 指 導 が 子 供 の自 我 形 成 に 大 きな 変 化 を 起 こすということを身 をもって 経 験 することができたのです。」昨 年 、モンタグ 氏 と 家 族 はニューヨーク 市 に戻 ってきました。トム 氏 は 現 在 メリルリンチの 海 外 営 業 ・ 貿 易 部 門 のトップで、モンタグ氏 は 引 き 続 きボランティア 活 動 に 取 り 組 んでいます。3 人 の 子 供 が 通 うリバーデール・カントリー・スクールで 活 動 する 他 に、2007年 に 開 校 したカリフォルニア 州 カールズバッドの 大 学 入 学 準 備 学 校 パシフィック・リッジ・スクール(PRS)で 理 事 を 務 めています。ジャネット・モンタグ 氏 ( 中 央 )と 夫 トム 氏 、 子 供 ラニー、ジーン、ジェフエリザベス・アグネロ 寄 稿様 々な 文 化 や 女 性 の 教 育 に 関 わる 幅 広 い 経 験は、ジャネット・モンタグ 氏 の 価 値 観 に 大 きな 影 響 をもたらしてきました。 女 性 の 教 育 について 熱 く 語 る 彼 女 の 祖 母 は、1920 年 代 に家 族 で 女 性 として 初 めて 大 学 を 卒 業 しました。モンタグ 氏 は、「 私 は 中 流 の 家 庭 で 育 ちましたが、 両 親 は 私 達 が 出 来 る 限 りよい 教 育 を 受けることに 力 を 入 れていました。 能 力 があれば 誰 にでもチャンスはあるのです。AUWが 人々の 生 活 をよりよくする 手 立 てであると 信 じています。」と 語 ります。モンタグ 氏 自 身 、ジョージア 州 アトランタのエモリー 大 学 に 入 学 してチャンスが 開 けました。1981 年 に 経 営 学 士 を 取 得 して 卒 業 し、ニューヨークのJPモルガンで 企 業 金 融 、シンジケーション、プライベートバンキングを 専門 に12 年 間 働 きました。 銀 行 業 務 を 楽 しんだものの、モンタグ 氏 の 心 は 非 営 利 活 動 にあり、いつか 自 分 の 経 験 が 活 かせるであろうと 夢 見ていました。夫 のトム 氏 と 結 婚 し 家 族 を 持 った 後 、 銀 行 業とニューヨークに 別 れを 告 げ、 海 外 生 活 が 始まりました。1996 年 、 彼 女 の 家 族 はロンドンへ 移 り 住 み、そこでトム 氏 はゴールドマン・サックスの 債 券 本 部 を 統 括 しました。そして、彼 が2000 年 にゴールドマン・サックス 日 本の 社 長 兼 債 券 本 部 の 共 同 経 営 者 になったことにともない、モンタグ 一 家 は 東 京 での7 年 半の 生 活 を 始 めることになりました。「 東 京 での 生 活 は 最 高 に 魅 力 的 でした。 私 達は 文 化 、 学 校 、 料 理 、 友 情 などを 喜 んで 受 け入 れました」とモンタグ 氏 は 振 り 返 ります。東 京 では 子 供 の 通 う 学 校 でボランティア 活 動をして 過 ごしました。また、 旅 行 も 続 けました。チベット、ブータン、ミャンマー、インドネシア、ラオス、タイ、 中 国 、オーストラリア、 香 港 が 特 に 印 象 の 強 かった 国 々です。「これらの 旅 行 を 通 して 私 の 人 生 がどんなに恵 まれているかに 気 づくことが 出 来 ました。私 は 次 の 食 事 がとれるかどうか、 安 全 に 暮 らせるか、 自 分 が 愛 されているか、 自 分 の 子 供たちに 必 要 な 教 育 を 与 えてあげられるかについて 心 配 する 必 要 がありません。しかし 私 はこの 幸 運 とともに 責 任 があることもわかっています。AUWで 才 能 ある 人 々と 一 緒 に 働 くことができる 機 会 を 頂 けたことをとても 誇 りに思 っています。」海 外 生 活 、 海 外 旅 行 の 他 にモンタグ 氏 はボランティアにも 力 を 入 れてきました。ニュージャージー 州 サミット 郡 ジュニア 連 盟 のKids onthe Block 委 員 会 の 代 表 を 務 め、 子 供 たちに、日 本 の 伝 統 的 芸 能 である 文 楽 をもとにした 教育 人 形 劇 を 披 露 したこともあります。この 活動 を 通 してモンタグ 氏 は 子 供 たちが 学 習 障 害や 身 体 障 害 、 虐 待 と 対 応 できるよう 手 助 けしました。 彼 女 はまた、メンター( 指 導 )・プログラムでも5 年 間 ボランティアし、 非 行 の恐 れがあるとされたサウスブロンクス 出 身 の9 歳 の 男 の 子 とペアを 組 みました。 彼 女 はそのボランティア 経 験 がすばらしいものだった「 学 問 的 に 優 れ、 倫 理 的 責 任 感 を 備 え、 国 際的 な 視 野 をもつ 人 間 を 育 成 する」というPRSのミッションが、 彼 女 の 中 でAUWへの 思 いと重 なりました。モンタグ 氏 は、アジア 女 子 大学 が 将 来 、 熱 心 な 卒 業 生 による 影 響 力 のあるネットワークを 構 築 していくことを 期 待 しています。「 私 はAUWの 女 性 たちが、 人 々の 接し 方 を 変 え、まわりの 人 々に 人 生 で 大 切 なことに 力 を 入 れるべきことを 教 えていってくれると 信 じています。」AUWの 何 が 特 別 なのかという 質 問 に 対 してモンタグ 氏 は 以 下 のように 答 えました。「 様 々な 国 の 異 なる 背 景 を 持 つ 女 性 たちと 一 緒 に 学ぶことは、 彼 女 たちが 将 来 どう 人 と 交 わっていくかに 大 きな 影 響 を 及 ぼすでしょう。 私 自身 、 自 分 と 異 なる 経 歴 、 国 籍 を 持 った 人 と 友達 になることで、 新 しい 世 界 が 広 がるということを 経 験 してきました。 私 の 子 供 たちについても 同 じことが 言 えます。 彼 らは 出 身 地 、肌 の 色 、 宗 教 などではなく、 親 切 さ、ユーモア、 賢 さ、 運 動 能 力 、 芸 術 センスなどの 資 質や 人 柄 に 惹 かれて 友 達 をつくっています。」ジャネット・モンタグ 氏 はアジア 女 子 大 学 支援 財 団 理 事 、2009-2010 年 度 資 金 調 達 委 員 会委 員 長 です。AUWに 関 する 情 報 は、http://asianuniversity.org/japanese/index.htmをご 覧 ください。


382009 年 春 号 VOL. 3, NO. 1アジア 女 子 大 学 支 援 財 団 寄 付 の 近 況アジア 女 子 大 学 は 世 界 各 国 の 支 援 者 の 方 々から 現 金 および 物 品 賛 助 として、これまでに4000 万 米 ドル 近 くの寄 付 をいただいています。2008 年 には、1500 万 ドルにのぼる 支 援 をいただき、うち1440 万 ドルは 現 金 で受 け 取 りました。2008 年 1 月 1 日 ~2008 年 12 月 31 日 ( 敬 称 略 )以 下 の 寄 付 金 額 は 米 国 ドルです。個 人匿 名 $5,000,000.00ジャック&ベス・マイヤー 2,100,000.00キャシー・ 松 井 &ジェスパー・コール 210,578.00マーク&ジュディー・ムディー・スチュアート 127,561.84メアリー・バイロン 50,000.00土 岐 大 介 49,753.13ガイ・サイデンバーグ 48,852.82長 洲 謙 一 31,736.97匿 名 25,000.00カート・コールバーグ&アレグラ・マナチャー 25,000.00笹 沼 キャサリン& 泰 助 22,410.78オネイル・トラスト 19,535.00山 口 積 恵 15,069.00ミュレイ・メットカルフ&ナンシー・ルトキシュ 10,000.00匿 名 9,000.00ジョアン・レフロイ 8,765.00アジェイ&リトゥ・バンガ 5,000.00エドガー&エリーゼ・カルマン 5,000.00イアン・G・スミス 2,000.00匿 名 1,000.00エリザベス・ラーソン 1,000.00カタリーナ・コーエン 1,000.00ミシェル・ガーナー 1,000.00ステファニー・シューペルト 1,000.00その 他 5,941.792008 年 個 人 からの 寄 付 金 合 計 $7,776,204.33財 団 ・ 企 業ビル&メリンダ・ゲイツ 財 団13,322,680.00ゴールドマン・サックス 財 団21,400,000.00ロックフェラー 財 団 500,000.00ウィリアム&フローラ・ヒューレット 財 団3500,000.00米 国 国 際 開 発 庁 (US AID) 339,650.41マッカーサー 財 団 150,000.00MSST 財 団 100,000.00モンタグ・ファミリー 財 団 75,000.00ユニリーバ 50,719.53匿 名 25,000.00マッキンゼー・アンド・カンパニー 25,000.00MGHホールデイングス・リミテッド 20,173.80ラム・キンチェング・モーニング・サン・チェリテイー・ファンド 20,000.00ウォーバーグ・ピンカスLLC 16,000.00伊 藤 忠 株 式 会 社 11,357.77プライム・バンク・リミテッド 9,714.29グラミン・フォン・リミテッド 7,142.86マイヤー 財 団 6,250.00スパークス・グループ 株 式 会 社 5,117.59ボストン 財 団 5,000.00インセプタ 製 薬 4,928.57香 港 ハーバードクラブ 4,643.37東 京 ロータリークラブ 2,877.03プライスウォーターハウスクーパース 2,766.76セールスフォース・ドットコム 2,766.76鳥 居 坂 アートLLC 1,367.50モートン・マイヤーソン・ファミリー 財 団 1,000.00エレクトロ・マート 1,000.00BRAC・バンク・リミテッド 971.43イントラコ・グループ 971.43ペドロロ nk リミテッド 971.43タイサー・リスク・マネジメント(バングラデシュ) 971.43BSRMスチール・リミテッド 942.29IDLCファイナンス・リミテッド 642.86シンガー・バングラデシュ・リミテッド 571.43香 港 インタークラブ 同 窓 会 357.7012005 年 に 確 定 したチャレンジ・グラントの 残 額 を 受 理 したことによる 計 上22006 年 に 確 定 した 寄 付 金 の 第 二 期 受 理 分 (65 万 ドル) と2008 年 に 確 定 した 寄付 金 の 第 一 期 受 理 分 (75 万 ドル) の 合 計 。2008 年 に 確 定 した 寄 附 金 の 第 二 期 分(65 万 ドル) は2009 年 受 理 予 定 。32008 年 に 確 定 した100 万 ドルの 第 一 期 受 理 分 。 第 二 期 受 理 分 の50 万 ドルは2009 年 受 理 予 定 。2008 年 財 団 & 企 業 からの 寄 付 金 合 計 $6,616,556.222008 年 寄 付 金 合 計 $14,392,760.55


資 金 集 めとガバナンス39世 界 を 変 えていくために、あなたの 力 を 貸 してくださいアジア 女 子 大 学 支 援 財 団 2009-2010 年 度 資 金 調 達 諮 問 委 員 会 の 委員 長 を 務 めさせていただくことを大 変 光 栄 に 思 っています。資 金 調 達 諮 問 委 員 会 は、アジア 女 子 大 学 のビジョンの 実 現 に 向 け、 必要 となる 資 金 を 確 保 する 役 割 を 担 っています。私 自 身 ここで2つの 役目 を 担 っていると 考 えています。それは、アジア 女 子 大 学 が 女 性 に提 供 する 素 晴 らしい 機 会 について 知 ってもらうこと、そして、 大 学 がこの 機 会 を 提 供 し 続けるのに 必 要 な 資 金 を 確 保 することです。AUWは 昨 年 、 大 学 の 歴 史 上 重 要 となる 数 々の出 来 事 を 経 験 しました。2008 年 4 月 、アクセスアカデミーが 開 講 し、 最 初 の 学 生 を 迎 えました。また、 世 界 中 の 著 名 な 大 学 から 教 員 を迎 えて 初 代 教 授 陣 が 結 成 されました。そして、今 年 10 月 には 常 設 キャンパスの 最 初 の 建 物 の建 設 がはじまります。これらを 達 成 するためには、 財 団 や 個 人 の 皆様 方 からの 温 かい 支 援 が 必 要 です。 今 後 2 年で、 大 学 学 部 課 程 に 最 初 の 学 生 を 迎 え、アクセスアカデミーは2 期 生 を 養 成 していきます。また、 大 学 キャンパス 最 初 の 校 舎 、 寮 の 建 設を 開 始 し、 学 生 が 本 キャンパスに 移 る 準 備 を進 めます。 実 に 壮 大 な 目 標 です。ぜひこの 機 会 に 皆 様 に 本 企 画 に 関 わっていただけたらと 思 っています。アジア 女 子 大 学 のウェブサイトをご 覧 いただき、アクセスアカデミー 生 への 奨 学 金 支 援 、コンピュータの 購入 、 研 究 室 の 開 設 などに 力 を 貸 していただけると 幸 いです。アジア 女 子 大 学 の 才 能 ある 素晴 らしい 若 い 学 生 を 通 して 世 界 を 変 えていく、この 刺 激 的 な 企 画 へぜひご 参 加 ください。どうぞよろしくお 願 い 致 します。アジア 女 子 大 学 支 援 財 団 理 事 、2009-2010 年 度 資 金 調 達 委 員 会 委 員 長ジャネット・モンタグ寄 付 のご 案 内アジア 女 子 大 学 への 寄 付 の 詳 細 については、http://asian-university.org/japanese/supportAUW/waysToGive.htmをご 覧 になるか、giving@asian-university.org 宛 にメールでお 問 い 合 わせください。アジア 女 子 大 学 への 寄 付 は、国 際 交 流 基 金 (ジャパンファウンデーション)の 特 定 寄 附 金 制 度 を 通 じて、 日 本 国 内 での 税 制 上 の優 遇 措 置 を 受 けることができます。 米 国 の 税 控 除 をご 希 望 の 方 は、 直 接 米 国 の<strong>Asian</strong> <strong>University</strong><strong>for</strong> <strong>Women</strong> Support Foundation 宛 にご 寄 付 ください。 金 額 は 米 ドル、 特 に 説 明 のない 限 り 運 用のない 使 いきりの 寄 付 です。 寄 付 に 伴 う 命 名 権 については 別 途 お 問 い 合 わせください。 以 下 の 寄付 金 額 は 米 国 ドルです。大 学 設 立 関 連デスクトップ・パソコン( 学 生 用 ) $800( 合 計 200 口 )デスクトップ・パソコン( 教 職 員 用 ) $800( 合 計 50 口 )講 堂 (60 人 収 容 ) $50,000( 合 計 2 口 )講 堂 (400 人 収 容 ) $150,000運 動 施 設 $50,000科 学 実 験 室 $300,000( 合 計 2 口 )図 書 館 $500,000( 合 計 3 口 )運 営 費 ( 創 立 1 年 目 ) $2,500,000( 合 計 2 口 )奨 学 金アクセスアカデミー 生 (1 年 ) $10,000アジア 女 子 大 学 学 生 (5 年 間 ) $50,000アクセスアカデミー・アジア 女 子 大 学 学 部 生 奨 学 基 金 設 立 $250,000プロフェッサーシップ大 学 教 員 メンバー(1 年 間 ) $100,000プロフェッサーシップ 基 金 設 立 $1,500,000アクセスアカデミー 運 営 費アクセスアカデミー 運 営 費 (1 年 ) $1,500,000キャンパスデザイン、 建 設 ( 命 名 権 あり)キャンパスのデザインと 建 設 資 金 $250,000 - $10,000,000キャンパス 建 設 地 獲 得追 加 で 必 要 となる70エーカーの 土 地 獲 得 資 金 $5,000,000アジア 女 子 大 学 の 資 金 集 めにご 協 力 ください女 性 の 教 育 に 投 資 することは、 世 界 を 変 えていく 最 善 の 方 法 です。アジアの 途 上 国 世 界 において、 専 門 知 識 を 持 った 社 会 意 識 の 高 い 女 性 リーダーを 継 続 的 に 育 成 し、 輩 出 していくために、アジア 女 子 大 学 にお 力 をお 貸 しください。 支 援 の 方 法 に 関 してはhttp://asian-university.org/japanese/supportAUW/waysToGive.htmをご覧 になるか、giving@asian-univerisity.orgまでお 問 い 合 わせください。

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