ブラジル：現実的な生産目標へのシフト―Petrobras 新5 カ年計画

今 回 の 5 カ 年 計 画 は、 導 入 部 分 でこの Petrobras に 対 する 批判 を 列 挙 し、それにこたえる 形 で 問 題 点 を 把 握 するとともに、 過去 5 年 間 の 世 界 の 深 海 での 油 田 発 見 の 63%がブラジル 沖 合でのものであり、これら 新 たに 発 見 された 油 田 はブラジル 国 内市 場 から 300km 離 れているという Petrobras 特 有 の 事 情 を 説 明している。そして、 今 後 の 状 況 を 改 善 するために、1 生 産 目 標を 見 直 して 現 実 的 な 目 標 を 設 定 、2プロジェクトの 管 理 、 承 認システムを 公 正 ・ 公 平 に 遂 行 、3プロジェクトを 効 率 的 に 運 営するとしている。また、ブラジルでの 探 鉱 ・ 開 発 にプライオリティを 置 き、プロジェクトごとに 目 標 を 達 成 していくとしている。Petrobras に 対 する 批 判Petrobras は 生 産 目 標 を 達 成 しない。Petrobras のプロジェクトは 遅 れる。ローカルコンテンツ 政 策 がプロジェクト 遅 延 の 原 因だ。Petrobras は 石 油 製 品 価 格 を 国 際 価 格 と 同 等 に 設定 していない。Petrobras に 対 する 批 判 と 回 答( 出 所 :Petrobras ホームページ)回 答 、 問 題 点 把 握探 鉱 ・ 生 産 プロジェクトについては 積 極 的 な 目 標 を設 定 してきたため、 先 になるほど 生 産 目 標 が 非 現実 的 なものとなっていた。承 認 システムが 完 全 ではなく、 物 資 や 資 金 の 監督 、 管 理 に 失 敗 した。掘 削 リグはブラジル 以 外 で 建 造 されている。 世 界的 な 商 品 、サービスに 対 する 需 要 の 高 まりの 影 響を 受 けた。長 期 的 な 観 点 から 石 油 製 品 価 格 を 設 定 している。(Petrobrasホームページより 作 成 )(2)ブラジルの 探 鉱 ・ 生 産 部 門 に 重 点「ビジネスプラン 2012-2016」によると、Petrobras の 2012~2016 年 の 5 年 間 の 投 資 額 は 2,365 億 ドルと、 前 5 カ 年 計 画 の 2,247 億 ドルから 5% 増 加 した。部 門 別 に 見 てみると、 探 鉱 ・ 生 産 部 門 への 投 資 額 が 前 5 カ 年 計 画 の 1,275 億 ドルから 11% 増 加 し1,418 億 ドルとされている。 投 資 額 全 体 に 占 める 探 鉱 ・ 生 産 部 門 の 割 合 も 57%から 60%に 増 加 しており、ここ 数 年 続 いている 探 鉱 ・ 生 産 部 門 に 注 力 していくという 方 針 が 継 続 されている。Petrobras は 探 鉱 ・ 生 産部 門 への 投 資 額 のうち93%にあたる1,316 億 ドルをブラジル 国 内 向 けとしており、 探 鉱 ・ 生 産 部 門 でのブラジル 国 内 重 視 の 傾 向 も 続 いている。 国 外 への 投 資 額 は、 探 鉱 ・ 開 発 部 門 だけではなく、ビジネスプラン全 体 としても 年 々 削 減 される 傾 向 にあるが、 今 回 の「ビジネスプラン 2012-2016」でも 107 億 ドルと、 前 5カ 年 計 画 の 112 億 ドルよりさらに 削 減 されている。- 2 -Global Disclaimer( 免 責 事 項 )本 資 料 は 石 油 天 然 ガス・ 金 属 鉱 物 資 源 機 構 ( 以 下 「 機 構 」) 調 査 部 が 信 頼 できると 判 断 した 各 種 資 料 に 基 づいて 作 成 されていますが、 機 構 は 本 資 料 に 含 まれるデータおよび 情 報 の 正 確 性 又 は 完 全 性 を 保 証 するものではありません。また、 本 資 料 は 読 者 への 一 般 的 な 情 報 提 供 を 目 的 としたものであり、 何 らかの投 資 等 に 関 する 特 定 のアドバイスの 提 供 を 目 的 としたものではありません。したがって、 機 構 は 本 資 料 に 依 拠 して 行 われた 投 資 等 の 結 果 については 一 切 責任 を 負 いません。なお、 本 資 料 の 図 表 類 等 を 引 用 等 する 場 合 には、 機 構 資 料 からの 引 用 である 旨 を 明 示 してくださいますようお 願 い 申 し 上 げます。

Petrobras「ビジネスプラン」 投 資 額 の 推 移(Petrobras ホームページより 作 成 )すでに 多 くの 既 発 見 、かつ 将 来 有 望 な 資 産 を 保 有 しており、 新 規 探 鉱 に 注 力 する 必 要 はないと 感 じているためか、Petrobras の 探 鉱 投 資 は 生 産 ・ 開 発 投 資 に 比べ 少 なくなっているが、それでも 1 年 当 たりの 平 均 の探 鉱 投 資 額 は 50 億 ドル 超 と、 前 5 カ 年 計 画 を 上 回 る数 字 となっている。そして、ブラジル 国 内 の 探 鉱 ・ 生 産 投 資 額 のうち51%にあたる 677 億 ドルがプレソルト 向 けとされている。プレソルト 向 けの 投 資 額 は 前 5 カ 年 計 画 では 534 億 ドルとされており、27% 増 加 したことになる。このうち 180億 ドルが Transfer of Rights、すなわち、2010 年 に 新 たに 発 行 した 株 式 と 引 き 換 えに 政 府 より 権 益 を 取 得 したサントス 盆 地 プレソルトの Franco 等 の 鉱 区 向 けの 投 資となっている。( 出 所 :Petrobras ホームページ)これらの 点 から、Petrobras がブラジル 国 内 でも、 特 にプレソルトでの 探 鉱 ・ 生 産 部 門 に 重 点 を 置 いていることがうかがわれるが、 探 鉱 については、プレソルト 以 外 への 投 資 が 69%を 占 めており、カンポス 盆地 、サントス 盆 地 以 外 の 地 域 にも 力 を 入 れていく 方 針 と 考 えられる。- 3 -Global Disclaimer( 免 責 事 項 )本 資 料 は 石 油 天 然 ガス・ 金 属 鉱 物 資 源 機 構 ( 以 下 「 機 構 」) 調 査 部 が 信 頼 できると 判 断 した 各 種 資 料 に 基 づいて 作 成 されていますが、 機 構 は 本 資 料 に 含 まれるデータおよび 情 報 の 正 確 性 又 は 完 全 性 を 保 証 するものではありません。また、 本 資 料 は 読 者 への 一 般 的 な 情 報 提 供 を 目 的 としたものであり、 何 らかの投 資 等 に 関 する 特 定 のアドバイスの 提 供 を 目 的 としたものではありません。したがって、 機 構 は 本 資 料 に 依 拠 して 行 われた 投 資 等 の 結 果 については 一 切 責任 を 負 いません。なお、 本 資 料 の 図 表 類 等 を 引 用 等 する 場 合 には、 機 構 資 料 からの 引 用 である 旨 を 明 示 してくださいますようお 願 い 申 し 上 げます。

- 4 -( 出 所 :Petrobras ホームページ)Petrobras ビジネスプラン 生 産 実 績 と 目 標(3)2020 年 の 生 産 目 標 は 570 万 boe/d ( 単 位 : 万 b/d)前 5 カ 年 計 画 では Petrobras の 生 産 量 は 年 々 増加 し、ブラジル 国 内 の 石 油 生 産 量 は 2015 年 に 307万 b/d に、2020 年 に 491 万 b/d に 達 するとされていた。しかし、「ビジネスプラン 2012-2016」では、Campos Basin の 生 産 量 の 減 少 が 著 しいことに 加 え、プレソルトの 生 産 開 始 が 遅 れているため、2013 年までのブラジル 国 内 の 石 油 生 産 量 は 2011 年 と 同程 度 (±2%)としている。2014 年 以 降 は、プレソルトの 油 田 の 生 産 が 相 次 いで 始 まることで、ブラジル国 内 の 石 油 生 産 量 は 年 率 5~6%の 割 合 で 増 加 するが、2016 年 250 万 b/d、2020 年 420 万 b/d と、前 5 カ 年 計 画 の 目 標 値 よりは 低 い 数 字 となっている。上 :「ビジネスプラン 2011-2015」、 下 :「ビジネスプラン 2012-2016」 (Petrobras ホームページより 作 成 )Global Disclaimer( 免 責 事 項 )本 資 料 は 石 油 天 然 ガス・ 金 属 鉱 物 資 源 機 構 ( 以 下 「 機 構 」) 調 査 部 が 信 頼 できると 判 断 した 各 種 資 料 に 基 づいて 作 成 されていますが、 機 構 は 本 資 料 に 含 まれるデータおよび 情 報 の 正 確 性 又 は 完 全 性 を 保 証 するものではありません。また、 本 資 料 は 読 者 への 一 般 的 な 情 報 提 供 を 目 的 としたものであり、 何 らかの投 資 等 に 関 する 特 定 のアドバイスの 提 供 を 目 的 としたものではありません。したがって、 機 構 は 本 資 料 に 依 拠 して 行 われた 投 資 等 の 結 果 については 一 切 責任 を 負 いません。なお、 本 資 料 の 図 表 類 等 を 引 用 等 する 場 合 には、 機 構 資 料 からの 引 用 である 旨 を 明 示 してくださいますようお 願 い 申 し 上 げます。

2020 年 の Petrobras 全 体 の 生 産 量 についても、 前 5 カ 年 計 画 では 641.8 万 boe/d とされていたが、「ビジネスプラン 2012-2016」では 570 万 boe/d と 11% 引 き 下 げられた。探 鉱 が 遅 れ、 生 産 量 が 計 画 通 り 増 加 しないために、Petrobras は 生 産 目 標 を 見 直 し、 大 幅 に 引 き 下 げなくてはならなくなったが、その 原 因 は、ローカルコンテンツが 厳 しいためにリグなど 必 要 な 資 材 、 機 材をタイムリーに 確 保 できないことではないかとされてきた。しかし、Petrobras は、 生 産 目 標 を 見 直 さなくてはならなくなったのはローカルコンテンツが 厳 しいためではなく、ブラジル 以 外 の 企 業 に 発 注 したリグの 完 成 が 遅 延 していることが 原 因 であるとしている。2007年 以 降 、Petrobras はブラジル 以 外 の 企 業 とリグ 35 基 の 建 造 契 約 を 締 結 したが、そのほとんどが 当 初 計画 よりも 遅 れてブラジルに 到 着 している。2011 年 に 納 入 されたリグ( 水 深 2,000m 以 深 で 掘 削 ができるもの)は 10 基 で、 引 き 渡 し 日 程 の 遅 れは 合 計 で 542 日 だった。2012 年 については、 水 深 2,000m 以 深 で 掘 削 ができるリグ14 基 が 納 入 されることとなっているが、そのうち 7 基 がすでに 掘 削 を 始 めており、4 基 はブラジルに 到 着 している。しかし、これらのリグも 当 初 計 画 より 83 日 から 864 日 遅 れての 引 き 渡 しとなっており、 掘 削 が 遅 れた 大 きな 原 因 となっている。これらのリグが 全 て 引 き 渡 されれば、Petrobrasは 水 深 2,000m 以 深 で 掘 削 ができるリグを40 基 以 上 保 有 することとなり、計 画 通 りに 掘 削 が 行 える 見 通 しだ。2016~2020 年 にはローカルコンテンツ 55~65%のブラジル 国 産 リグ 33 基 が 完 成 する 予 定 となっており、2016 年 までに 19、2020 年 までに 38 の 生 産 ユニットが 新 たに 生 産を 開 始 するとしている。2012 年 に 納 入 予 定 の 水 深 2,000m 以 深 で 掘 削 ができるリグ( 出 所 :Petrobras ホームページ)- 5 -Global Disclaimer( 免 責 事 項 )本 資 料 は 石 油 天 然 ガス・ 金 属 鉱 物 資 源 機 構 ( 以 下 「 機 構 」) 調 査 部 が 信 頼 できると 判 断 した 各 種 資 料 に 基 づいて 作 成 されていますが、 機 構 は 本 資 料 に 含 まれるデータおよび 情 報 の 正 確 性 又 は 完 全 性 を 保 証 するものではありません。また、 本 資 料 は 読 者 への 一 般 的 な 情 報 提 供 を 目 的 としたものであり、 何 らかの投 資 等 に 関 する 特 定 のアドバイスの 提 供 を 目 的 としたものではありません。したがって、 機 構 は 本 資 料 に 依 拠 して 行 われた 投 資 等 の 結 果 については 一 切 責任 を 負 いません。なお、 本 資 料 の 図 表 類 等 を 引 用 等 する 場 合 には、 機 構 資 料 からの 引 用 である 旨 を 明 示 してくださいますようお 願 い 申 し 上 げます。

2012~14 年 に 生 産 を 開 始 する 主 なプロジェクト油 田 、 鉱 区 、プロジェクト 生 産 能 力 「ビジネスプラン 2012-2016」の 生 産 開 始 予 定「ビジネスプラン 2011-2015」の 生 産 開 始 予 定Baleia Azul* 10 万 b/d 2012 年 8 月 2012 年Baúna(Tiro) 、Piracaba(Sídon) 8 万 b/d 2012 年 10 月 2012 年Roncador Module III 18 万 b/d 2013 年 9 月 2012 年Sapinhoá(Guara)* 12 万 b/d 2013 年 1 月 2012 年Lula NE* 12 万 b/d 2013 年 5 月 2013 年Papa-Terra P-63 14 万 b/d 2013 年 7 月 2013 年Papa-Terra P-61 14 万 b/d 2013 年 10 月 2013 年Parque das Baleias* 18 万 b/d 2014 年 1 月 2013 年Roncador Module IV 18 万 b/d 2014 年 3 月 2013 年Sapinhoá(Guara) Norte* 15 万 b/d 2014 年 9 月 2014 年Lula - Iracema Sul* 15 万 b/d 2014 年 11 月 ―(*はプレソルト、Petrobras ホームページより 作 成 )プレソルトの 生 産 量 は、2011 年 は 同 社 のブラジル 国 内 の 石 油 生 産 量 202.2 万 b/d の 5%、10 万 b/dにすぎなかったが、2016 年 には 31%(77.5 万 b/d)、2020 年 には 47%(197.4 万 b/d)と 増 加 する 見 通 しである。2020 年 のプレソルトの 生 産 量 は 前 5 カ 年 計 画 では 199.3 万 b/d とされており、プレソルトの 生 産 量については、 大 きな 変 更 は 行 われていない。(4) 精 製 能 力 の 拡 張 は 当 面 40 万 b/d のみ- 6 -( 出 所 :Petrobras ホームページ)「ビジネスプラン 2011-2015」では、 下 流 部 門 への 投 資 額 は 前 5 カ 年 計 画 の 736 億 ドルから 706 億 ドルに 5% 削 減 されたものの、 急 増 する 国 内 石 油 需 要 にこたえるため、4 つの 製 油 所 が 建 設 され、 精 製 能力 は 2011~2015 年 に 39.5 万 b/d、2016~2020 年 に 106.5 万 b/d、 合 計 146 万 b/d 増 加 する 計 画 となっていた。「ビジネスプラン 2012-2016」では、 下 流 部 門 への 投 資 額 はさらに 7% 削 減 され 655 億 ドルとなった。そして、 前 5 カ 年 計 画 で 建 設 が 計 画 されていた 4 製 油 所 のうち、 建 設 が 進 んでいる Nordeste 製 油 所 とGlobal Disclaimer( 免 責 事 項 )本 資 料 は 石 油 天 然 ガス・ 金 属 鉱 物 資 源 機 構 ( 以 下 「 機 構 」) 調 査 部 が 信 頼 できると 判 断 した 各 種 資 料 に 基 づいて 作 成 されていますが、 機 構 は 本 資 料 に 含 まれるデータおよび 情 報 の 正 確 性 又 は 完 全 性 を 保 証 するものではありません。また、 本 資 料 は 読 者 への 一 般 的 な 情 報 提 供 を 目 的 としたものであり、 何 らかの投 資 等 に 関 する 特 定 のアドバイスの 提 供 を 目 的 としたものではありません。したがって、 機 構 は 本 資 料 に 依 拠 して 行 われた 投 資 等 の 結 果 については 一 切 責任 を 負 いません。なお、 本 資 料 の 図 表 類 等 を 引 用 等 する 場 合 には、 機 構 資 料 からの 引 用 である 旨 を 明 示 してくださいますようお 願 い 申 し 上 げます。

Comperj 製 油 所 のフェーズ1については 時 期 の 遅 れはあるものの 完 成 を 目 指 すが、PremiumⅠ 製 油 所 、PremiumⅡ 製 油 所 、Comperj 製 油 所 のフェーズ 2 についてはプロジェクトを 実 施 するか 否 かの 評 価 を 行っており、 評 価 は 2017 年 以 降 に 終 了 する 予 定 とされている。したがって、Petrobras の 精 製 能 力 は、 現 在稼 働 中 の 12 製 油 所 の 200 万 b/d から、40 万 b/d 増 加 するものの、それ 以 上 の 増 強 については 未 定 とされている。新 規 製 油 所 建 設 計 画(5) 資 金 調 達Petrobrasは 必 要 な 投 資 額 の55%にあたる1,360 億 ドルを 自 らのキャッシュフローで 賄 い、 不 足 分 については、 負 債 (800 億 ドル) や 資 産 売 却 (148 億 ドル) 等 でカバーするとしている。 資 産 売 却 はブラジル 国 外の 資 産 を 中 心 に 行 われる 計 画 である。 新 株 発 行 の 予 定 はなく、 石 油 製 品 価 格 を 輸 入 価 格 と 同 程 度 とするとしている。原 油 価 格 の 上 昇 にもかかわらず、 政 府 はインフレ 抑 制 政 策 の 一 環 として 長 期 間 にわたり Petrobras のガソリンやディーゼル 等 の 卸 売 価 格 を 据 え 置 いていたが、「ビジネスプラン 2012-2016」の 投 資 額 を 確 保するため、6 月 25 日 よりガソリン 価 格 を 7.83%、ディーゼル 価 格 を 3.94% 引 き 上 げることとした。なお、 卸売 価 格 の 引 き 上 げが 消 費 者 に 及 ばないようにするため、ガソリンとディーゼルの 小 売 価 格 にかかる 連 邦税 の 税 率 はゼロとされている。- 7 -Global Disclaimer( 免 責 事 項 )本 資 料 は 石 油 天 然 ガス・ 金 属 鉱 物 資 源 機 構 ( 以 下 「 機 構 」) 調 査 部 が 信 頼 できると 判 断 した 各 種 資 料 に 基 づいて 作 成 されていますが、 機 構 は 本 資 料 に 含 まれるデータおよび 情 報 の 正 確 性 又 は 完 全 性 を 保 証 するものではありません。また、 本 資 料 は 読 者 への 一 般 的 な 情 報 提 供 を 目 的 としたものであり、 何 らかの投 資 等 に 関 する 特 定 のアドバイスの 提 供 を 目 的 としたものではありません。したがって、 機 構 は 本 資 料 に 依 拠 して 行 われた 投 資 等 の 結 果 については 一 切 責任 を 負 いません。なお、 本 資 料 の 図 表 類 等 を 引 用 等 する 場 合 には、 機 構 資 料 からの 引 用 である 旨 を 明 示 してくださいますようお 願 い 申 し 上 げます。

「ビジネスプラン 2012-2016」 資 金 計 画 ( 単 位 :10 億 ドル)(Petrobras ホームページより 作 成 )(6)「ビジネスプラン」の 変 化 と Petrobras CEO の 交 代プレソルトで 油 田 が 相 次 いで 発 見 されるようになってから 2010 年 までの 間 の「ビジネスプラン」は、Petrobras がプレソルト 等 の 探 鉱 ・ 開 発 を 進 めることで、ブラジル 全 体 として 発 展 を 遂 げようという 政 府 の 思惑 が 感 じられるものとなっていた。そして、 前 回 の 5 カ 年 計 画 「ビジネスプラン 2011-2015」では、インフレ加 速 や 経 済 過 熱 を 抑 制 するため、 政 府 から Petrobras に 投 資 額 を 削 減 するようにとの 圧 力 がかかったとされる。そのため、「ビジネスプラン 2011-2015」はプレソルトの 開 発 と 増 加 する 国 内 石 油 需 要 への 対 応 が最 重 要 課 題 とされ、 精 製 部 門 については 必 要 最 小 限 の 投 資 が 行 われるという 内 容 となった。このような 状況 から、 政 府 は Petrobras を 経 済 政 策 運 営 の 道 具 として 見 る 傾 向 が 強 まり、その 結 果 、Petrobras は 高 い生 産 目 標 を 定 めざるをえない 状 況 となっているとみられていたが、 今 回 の「ビジネスプラン 2012-2016」では、 調 達 できる 資 機 材 や 人 材 、 資 金 面 から 実 現 可 能 と 考 えられる 現 実 的 な 生 産 目 標 が 設 定 された。「ビジネスプラン」にこのように 変 化 が 生 じたのには、2012 年 2 月 に Petrobras の CEO が 交 代 したことが影 響 を 与 えているとされている。José Sergio Gabrielli 氏 に 代 わって 新 CEO に 就 任 した Maria das Gracas Silva Foster 氏 は、1955 年 にリオデジャネイロで 生 まれ、フルミネンセ 連 邦 大 学 ( 化 学 専 攻 )を 卒 業 、リオデジャネイロ 連 邦 大 学 大 学 院 ( 原子 力 機 械 エンジニアリング)を 修 了 し、リオジェツリオバルガス 経 済 研 究 所 で MBA を 取 得 している。1978年 に Petrobras に 入 社 し、Rousseff 大 統 領 が 鉱 山 動 力 大 臣 に 在 職 中 の 2003 年 ~2005 年 には 鉱 山 動 力省 の 局 長 を 務 め、2007 年 に Petrobras のガス・エネルギー 担 当 役 員 に 就 任 している。1999 年 に Rousseff大 統 領 が Rio Grande do Sur 州 エネルギー 長 官 を 務 めていた 時 には、ボリビアからの 天 然 ガスパイプライン 敷 設 に 関 与 し、Rousseff 大 統 領 の 信 望 を 得 、 個 人 的 にも Rousseff 大 統 領 と 親 しい 間 柄 とされている。 一方 、José Sergio Gabrielli 前 CEO は、2003 年 に Petrobras の CFO、2005 年 に CEO に 就 任 した。 地 方 政界 入 りを 目 指 して 辞 任 したとされており、 政 治 の 世 界 では 実 力 者 とされるが、Petrobras の 経 営 について- 8 -Global Disclaimer( 免 責 事 項 )本 資 料 は 石 油 天 然 ガス・ 金 属 鉱 物 資 源 機 構 ( 以 下 「 機 構 」) 調 査 部 が 信 頼 できると 判 断 した 各 種 資 料 に 基 づいて 作 成 されていますが、 機 構 は 本 資 料 に 含 まれるデータおよび 情 報 の 正 確 性 又 は 完 全 性 を 保 証 するものではありません。また、 本 資 料 は 読 者 への 一 般 的 な 情 報 提 供 を 目 的 としたものであり、 何 らかの投 資 等 に 関 する 特 定 のアドバイスの 提 供 を 目 的 としたものではありません。したがって、 機 構 は 本 資 料 に 依 拠 して 行 われた 投 資 等 の 結 果 については 一 切 責任 を 負 いません。なお、 本 資 料 の 図 表 類 等 を 引 用 等 する 場 合 には、 機 構 資 料 からの 引 用 である 旨 を 明 示 してくださいますようお 願 い 申 し 上 げます。

は、Petrobrasの 生 え 抜 きで 豊 富 な 経 験 を 有 するFoster 新 CEOに 分 があるとの 見 方 が 一 般 的 だ。 今 回 の「ビジネスプラン」についても、 技 術 者 としての 長 年 の 経 験 を 背 景 に 現 実 的 な 計 画 が 策 定 されたと 評 価 されている。(7) 終 わりに最 近 のブラジル 上 流 に 関 しては 明 るい 話 題 が 少 ない。プレソルトのロイヤルティ 配 分 に 関 する 法 案 の成 立 は 10 月 以 降 となる 模 様 で、そのため、 法 案 成 立 後 に 実 施 するとされている 第 11 次 ライセンスラウンドは 2013 年 、プレソルトのライセンスラウンド 2013~2014 年 にと 実 施 時 期 がさらに 遅 れる 見 通 しとされている。また、OGXが2012 年 1 月 末 に 生 産 を 開 始 したカンポス 盆 地 BM-C-41 鉱 区 のWaimea(OGX-26HP、Tubarão Azul) 油 田 の 生 産 量 が 予 定 していた 生 産 量 の 1/4 にあたる 5,000b/d と 発 表 した。これらは、プレソルトでの 大 規 模 油 田 発 見 でブラジルでの 探 鉱 ・ 開 発 に 対 する 期 待 が 高 まりすぎていたことの 反 動 とも考 えられる。「ビジネスプラン 2012-2016」は 生 産 目 標 が 現 実 的 なものとなったと 好 感 をもって 受 け 止 める向 きが 多 く、Petrobras が 設 定 した 現 実 的 な 生 産 目 標 達 成 を 目 指 して 着 実 に 探 鉱 ・ 開 発 を 進 めていくことが 期 待 される。- 9 -Global Disclaimer( 免 責 事 項 )本 資 料 は 石 油 天 然 ガス・ 金 属 鉱 物 資 源 機 構 ( 以 下 「 機 構 」) 調 査 部 が 信 頼 できると 判 断 した 各 種 資 料 に 基 づいて 作 成 されていますが、 機 構 は 本 資 料 に 含 まれるデータおよび 情 報 の 正 確 性 又 は 完 全 性 を 保 証 するものではありません。また、 本 資 料 は 読 者 への 一 般 的 な 情 報 提 供 を 目 的 としたものであり、 何 らかの投 資 等 に 関 する 特 定 のアドバイスの 提 供 を 目 的 としたものではありません。したがって、 機 構 は 本 資 料 に 依 拠 して 行 われた 投 資 等 の 結 果 については 一 切 責任 を 負 いません。なお、 本 資 料 の 図 表 類 等 を 引 用 等 する 場 合 には、 機 構 資 料 からの 引 用 である 旨 を 明 示 してくださいますようお 願 い 申 し 上 げます。