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レジュメの作り方 - 立教大学

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Master of Writing 9<br />

レジュメの 作 り 方 1/2<br />

レジュメとはフランス 語 で 要 約 という 意 味 のことばです。 英 語 でハンドアウトという 場 合 もあります。<br />

大 学 で 用 いるレジュメとは、1 枚 から 数 枚 程 度 の 紙 にまとめられた 発 表 内 容 の 要 約 のことを 指 します。<br />

演 習 (ゼミ)の 報 告 や 自 分 の 研 究 発 表 の 際 には、レジュメを 出 席 者 全 員 に 配 布 します。<br />

レジュメは 自 分 のための 要 約 ではありません。むしろコミュニケーションのツールだと 考 えましょう。<br />

口 頭 の 説 明 ( 聞 く 情 報 )に 合 わせ、レジュメにより 読 む・ 見 る 情 報 をプラスすることによって、 受 け 取<br />

る 人 の 理 解 はずっと 深 まります。<br />

レジュメを 作 る 際 には、 発 表 の 目 的 によって、いくつかのポイントがあります。<br />

❏ どのような 目 的 のレジュメか<br />

目 的 や 対 象 者 に 応 じて、 適 切 なレジュメを 作 るようにしましょう。<br />

A: 他 の 人 の 著 作 を 講 読 ・ 討 議 するための 報 告 資 料 として → テキスト・ 文 献 報 告<br />

B: 自 分 の 行 った 調 査 ・ 研 究 の 成 果 を 発 表 する 補 助 手 段 として → 調 査 ・ 研 究 発 表 (☞ 2/2 へ)<br />

A テキスト・ 文 献 を 読 んで 報 告 する 場 合<br />

出 席 者 がテキスト・ 文 献 の 内 容 を 確 認 できるよう、テキスト・ 文 献 の 構 成 におおむね 沿 う 形 で、 見 出<br />

し、 各 節 の 主 な 主 張 、 論 拠 、 結 論 などを、 短 い 文 章 表 現 ( 箇 条 書 き、 短 文 )で 示 します。 省 略 した 部 分<br />

は、 発 表 の 際 に 口 頭 で 補 足 しながら 説 明 していきます。レジュメの 決 まったスタイルはありませんが、<br />

そのゼミナールや 専 門 分 野 によって、 適 切 なスタイルがある 場 合 がありますので、 調 べてみましょう。<br />

テキスト・ 文 献 報 告 の 場 合 にも、 報 告 者 自 身 のコメント( 疑 問 や 意 見 、 参 考 情 報 )を 求 められること<br />

があります。コメントは、 必 ずテキスト・ 文 献 の 要 約 とは 分 けて 書 きましょう。そうでないと、 著 者 の<br />

言 っていることと、 報 告 者 の 意 見 の 区 別 がつかなくなります。<br />

演 習 などの 科 目 名 、<br />

日 付 、 報 告 者 名 、<br />

担 当 テキストとその<br />

箇 所 をまず 明 記<br />

テキストのどの 箇 所 で<br />

あるかわかるように、 見<br />

出 し・ 章 ・ 節 ・ 頁 などを<br />

明 記<br />

文 献 の 概 略 を 箇 条 書 き<br />

にする<br />

テキストの 要 約 と 自 分<br />

のコメントは、はっきり<br />

分 ける<br />

参 考 文 献 を 使 用 した 際<br />

には 明 記 する( 表 記 方 法<br />

は Master of Writing7「 文<br />

献 表 の 書 き 方 」を 参 照 の<br />

こと)<br />

< 例 ><br />

基 礎 文 献 講 読 ゼミ( 教 員 名 ) 2011 年 7 月 22 日 ( 金 )<br />

担 当 : 法 学 部 政 治 学 科 1 年 11EC999X<br />

立 教 花 子<br />

雨 宮 処 凛 、2007、「ロストジェネレーションの 仕 組 まれた 生 きづらさ-「 九 五 年 ショッ<br />

ク」と 強 要 される「 自 分 探 し」」、『 世 界 』、771 号 、130-136。<br />

〔まえがき〕<br />

・ 「ロストジェネレーション( 失 われた 世 代 )」とは、 何 を 失 ったのか<br />

・ 筆 者 「 生 き 方 」そのものを 失 った<br />

〔1~2 節 〕なぜこんなに 生 きづらい?<br />

・ 筆 者 になかったもの 「 生 きる 意 味 」<br />

・ テレビの 中 の 大 人 たちが 言 う 戦 後 日 本 の 価 値 観 = 理 想 的 な 人 生 は、 多 くの 人 が 獲<br />

得 できるもの 「 平 凡 な 人 生 」という 神 話<br />

→「 頑 張 ってもまったく 報 われない」 時 代 が 到 来<br />

要 点 やポイントは、 太 字 にし<br />

たり 下 線 を 引 いたりして 分<br />

かりやすいように 工 夫 する<br />

〔3~4 節 〕 戦 後 50 年 、 右 翼 活 動 へ<br />

・ この 世 代 に 課 せられた「 誰 も 知 らないやり 方 で 幸 せになる」こと<br />

・ 右 翼 団 体 、 行 き 場 のない 若 者 の 受 け 皿 になっていた<br />

・ 日 本 経 済 が 力 を 失 い、タブーとされてきた 政 治 と 宗 教 がにわかに 輝 きはじめる<br />

〔5 節 〕 生 きることすらできない「 自 分 探 し」<br />

・ 「 新 時 代 の 日 本 的 経 営 」 ワーキングプアの 続 出 強 要 された「 自 分 探 し」<br />

・ ロストジェネレーションにとって、 生 き 方 のモデルはいまだ 確 立 されていない<br />

→「 生 きさせろ」 若 者 たちが「 生 存 権 」を 訴 える 運 動<br />

コメント<br />

・これから 先 、 失 われた「 生 き 方 」を 見 つけることはできるのか<br />

・ワーキングプアを 減 らす 積 極 的 方 法 はないのか<br />

( 参 考 : 湯 浅 誠 、2008、『 反 貧 困 ―「すべり 台 社 会 」からの 脱 出 』、 岩 波 新 書 。)<br />

©2011.07.22 立 教 大 学 大 学 教 育 開 発 ・ 支 援 センター


Master of Writing 9<br />

レジュメの 作 り 方 2/2<br />

B 自 分 で 調 査 ・ 研 究 した 成 果 を 発 表 する 場 合 ( 卒 論 、ゼミ 論 など)<br />

卒 論 、ゼミ 論 、 授 業 で 与 えられた 課 題 の 発 表 などは、 自 分 自 身 で 行 った 調 査 や 研 究 を 紹 介 するもので<br />

す。その 場 合 、テーマ、 問 題 の 所 在 ( 立 てた 問 い)、 先 行 研 究 との 関 係 、 独 自 の 調 査 ・ 研 究 方 法 、 得 られ<br />

た 結 論 などを、 明 確 に 示 す 必 要 があります。<br />

テキスト・ 文 献 報 告 の 場 合 、 同 じテキスト・ 文 献 を 全 員 が 読 んでおり、 発 表 者 と 聞 き 手 が 情 報 を 共 有<br />

している 場 合 がほとんどです。しかし、 調 査 ・ 研 究 発 表 の 場 合 は、 聞 き 手 にとっては 初 めて 見 聞 きする<br />

ものですので、 発 表 する 内 容 が 聞 き 手 によく 伝 わるように、 資 料 ・データ、 文 献 目 録 などをレジュメの<br />

中 にわかりやすく 示 すように 工 夫 しましょう。<br />

以 下 にレジュメの 一 例 を 示 します。すべてがこの 例 と 同 じ 構 成 になるわけではありません。 発 表 内 容<br />

に 合 わせてレジュメの 項 目 を 考 えるようにしましょう。<br />

< 例 ><br />

専 門 演 習 ( 教 員 名 ) 2011 年 7 月 22 日 ( 金 )<br />

福 祉 国 家 の 発 展 と 人 口 問 題 ―スウェーデン、フランス、イギリスの 比 較 ―<br />

法 学 部 政 治 学 科 4 年 08EC999<br />

立 教 太 郎<br />

本 報 告 の 構 成<br />

本 報 告 の 目 的 ― 先 行 研 究 とその 問 題 点 ― 本 報 告 において 取 り 扱 う 事 例 :スウ<br />

ェーデン、フランス、イギリス ― 比 較 と 結 論 ― 今 後 の 課 題<br />

1. 本 報 告 の 目 的<br />

戦 前 の 人 口 問 題 に 対 応 した 家 族 政 策 の 違 いが、ヨーロッパ 各 国 の 福 祉 国 家 の<br />

あり 方 の 違 いにどのような 影 響 を 及 ぼしているかを 明 らかにする<br />

発 表 タイトルを<br />

明 記 する<br />

最 初 に 発 表 の 構<br />

成 を 示 すと 全 体<br />

の 流 れが 分 かり<br />

やすくなる<br />

説 明 する 順 番 を<br />

意 識 して 項 目 を<br />

並 べる<br />

2. 先 行 研 究 とその 問 題 点<br />

( 略 )<br />

3. 事 例 1スウェーデン 2フランス 3イギリス<br />

( 略 )<br />

4. 比 較 と 結 論<br />

( 略 )<br />

参 考 文 献 や 使 用 した 資<br />

料 の 出 典 を 列 挙 する<br />

5. 今 後 の 課 題<br />

文 献 ・ 資 料 一 覧<br />

( 略 )<br />

資 料 1 各 国 の 出 生 率 の 変 遷 (1850 年 ~1950 年 )<br />

40<br />

30<br />

20<br />

10<br />

0<br />

スウェーデン フランス イングランド・ウェールズ<br />

ミッチェル、ブライアン R.、2001、『マクミラン 新 編 世 界 歴 史 統 計 1 ヨーロッパ 歴 史 統 計 :<br />

1750~1993』( 中 村 宏 ・ 中 村 牧 子 訳 )、 東 洋 書 林 。より 作 成<br />

図 や 表 を 用 いて 視 覚<br />

的 な 情 報 を 追 加 する<br />

のも 効 果 的<br />

図 表 を 使 用 する 際 に<br />

は 資 料 の 出 典 を 明 記<br />

する<br />

❏ 注 意 事 項<br />

・ レジュメを 発 表 の 時 間 より 前 に、 必 要 な 人 数 分 用 意 し、 配 布 できるようにしておくのも、 大 切 なマナ<br />

ー、スキルです。<br />

・ レジュメの 紙 数 が 多 すぎると、 限 られた 時 間 の 中 で 説 明 することも、 聞 いて 理 解 することもかえって<br />

困 難 になります。あくまで 口 頭 の 説 明 と 並 行 して 読 んでもらえる 程 度 に、 簡 潔 な 内 容 に 絞 りましょう。<br />

・ パワーポイントなどを 用 いて、スクリーンでプレゼンテーションする 場 合 も、レジュメを 配 布 するこ<br />

とで、 出 席 者 が 内 容 をよりよく 確 認 することができます。<br />

©2011.07.22 立 教 大 学 大 学 教 育 開 発 ・ 支 援 センター

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