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プラズマエレクトロニクス分科会会報 No.56 - 応用物理学会

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紹 介 された。グラフェン 量 産 機 としての 難 点 とし<br />

て、Roll-to-Roll 機 構 を 真 空 チャンバ 中 に 格 納 する<br />

などを 挙 げた。CNT と 並 び 大 量 合 成 技 術 が 確 立 さ<br />

れつつあるので、 今 後 は、コスト 低 減 と 品 質 向 上<br />

などが 課 題 となると 思 われる。 堀 教 授 ( 名 大 )か<br />

らは、カーボンナノウォールの 合 成 とその 機 能 化<br />

について 紹 介 された。グラフェンが 基 材 に 対 して<br />

垂 直 に 配 向 しており、 各 々のグラフェンシートの<br />

エッジが 密 集 して 露 出 している 点 から、エッジが<br />

使 用 可 能 な 点 などが 特 長 とした。 同 教 授 らは、ノ<br />

ーベル 賞 受 賞 へと 繋 がるグラフェンシート 作 製 と<br />

電 気 的 特 性 に 関 する 英 国 研 究 者 による 発 表 と 同 時<br />

期 である 2004 年 に、 既 に 触 媒 を 使 用 せずにグラ<br />

フェン 合 成 に 成 功 していたという。カーボンナノ<br />

ウォールの 形 態 (シートの 直 線 性 など)や、 密 集<br />

度 (ウォール 同 士 の 間 隔 )、に 加 え 電 気 的 特 性 など<br />

を 合 成 条 件 に 依 ってある 程 度 自 由 に 制 御 できるこ<br />

とを 示 した。 表 面 積 の 高 さを 利 用 して 燃 料 電 池 へ<br />

の 応 用 が 紹 介 され、 超 臨 界 状 態 を 用 いることで、<br />

作 成 後 のナノウォール 表 面 に TiO2 を 高 い 分 散 性<br />

で 付 着 させることが 可 能 であることが 紹 介 された。<br />

この TiO2 はルチル 型 ではなく、アナターゼ 型 と<br />

して 選 択 的 に 形 成 されているとのことであった。<br />

「 第 2 のノーベル 賞 」に 期 待 したい。 川 原 田 教 授<br />

( 早 大 )からは、 同 教 授 が 20 年 余 かけて 取 り 組<br />

んできた、プラズマ CVD を 用 いたダイヤモンド<br />

合 成 技 術 、 及 び、CNT 合 成 技 術 、また、これらの<br />

電 子 デバイス 応 用 について 紹 介 された。ECR プラ<br />

ズマを 用 いた 合 成 装 置 や、マイクロ 波 を 導 入 する<br />

同 軸 アンテナの 先 端 で 放 電 する( 先 端 放 電 型 ) 合<br />

成 装 置 などの 開 発 を 行 ってきた。また、その 折 の<br />

プラズマ 診 断 について 触 れ、エチレンの 光 吸 収 強<br />

度 が 合 成 速 度 と 良 く 対 応 しているとした。SiC や<br />

Ir 上 のダイヤモンドのヘテロエピタキシャル 成 長<br />

についても 触 れ、やはり 核 生 成 のためにはバイア<br />

スが 必 要 とした。 先 に 述 べた 先 端 放 電 型 合 成 装 置<br />

を 用 いたリモートプラズマにより、CNT の 合 成 も<br />

可 能 とした。 同 位 体 制 御 ガスを 用 いて、CNT の 成<br />

長 は 先 端 ではなく 触 媒 金 属 側 から 持 ち 上 がる 様 に<br />

して 進 行 していること 示 す 結 果 を 示 した。 電 子 デ<br />

バイス 応 用 研 究 例 としては、ダイヤモンドに 関 し<br />

ては 表 面 伝 導 層 を 利 用 した 高 周 波 デバイスやバイ<br />

オセンサへの 応 用 、CNT については、 微 細 配 線 へ<br />

の 応 用 などが 紹 介 された。 酒 井 氏 ( 東 芝 、LEAP)<br />

からは、 次 世 代 超 低 消 費 電 力 デバイスを 達 成 する<br />

ための、CNT を 用 いた 3 次 元 配 線 技 術 の 確 立 を<br />

目 指 した 研 究 開 発 の 現 状 について 紹 介 された。こ<br />

れは 2010 年 から METI プロジェクトとして 開 始<br />

され、 昨 年 より NEDO プロジェクト(100 億 円 /<br />

年 規 模 )として 継 続 実 施 されており、 早 期 の 実 用<br />

化 を 目 指 している。TIA-nano(つくば)にあるΦ<br />

300 mm ラインを 用 いて 実 施 されている。 次 々 世<br />

代 の 不 揮 発 性 メモリの 高 集 積 化 において、 線 幅 の<br />

縮 小 に 伴 う 高 抵 抗 化 を 抑 制 するため、Cu と 比 較<br />

すると、 微 細 化 に 伴 う 抵 抗 の 上 昇 が 少 ない CNT/<br />

グラフェンに 期 待 し、その 制 御 されたプロセスに<br />

取 り 組 んでいるという。サブミクロン 径 のトレン<br />

チ 内 に CNT を 成 長 させる 技 術 や、 段 差 を 起 点 と<br />

してグラフェンシートを 選 択 的 に 成 長 する 技 術 な<br />

どが 紹 介 された。 加 藤 助 教 ( 東 北 大 )は、 合 成 時<br />

間 や 触 媒 金 属 組 成 の 選 択 から、カイラリティ 制 御<br />

を 試 みた 結 果 が 紹 介 された。 上 記 した 手 法 により、<br />

熱 力 学 的 に 安 定 な(6,5)のカイラリティを 持 った<br />

CNT を 選 択 的 に 成 長 させられることを 示 した。し<br />

かしながら、 成 長 時 間 が 限 定 されることから、<br />

CNT 長 さの 制 御 が 難 点 で、 今 後 の 課 題 とした。 更<br />

に、 合 成 条 件 の 最 適 化 による、SiO2 上 への 高 品 質<br />

グラフェンシートへ 直 接 合 成 した 例 が 紹 介 された。<br />

SiO2 上 へ Ni 薄 膜 を 塗 布 し、プラズマ 相 で 生 成 さ<br />

れたカーボン 源 がこの 薄 膜 内 を 拡 散 した 後 に<br />

SiO2 上 へグラフェンシートとして 析 出 するとい<br />

う“マイルド”な 合 成 条 件 が 重 要 とした。 作 製 し<br />

たリボン 状 のグラフェンシートのエッジのみへ、<br />

室 温 下 で 選 択 的 に 化 学 修 飾 することに 成 功 した 様<br />

子 を 示 した。これにより、 電 気 的 特 性 の 制 御 にも<br />

成 功 したとした。<br />

追 記 : 本 シンポジウムは、 金 子 先 生 ( 東 北 大 )<br />

を 中 心 に、 栗 原 先 生 ( 東 芝 )、 佐 藤 先 生 ( 東 北 大 )、<br />

安 部 先 生 ( 新 潟 大 )、 坪 井 先 生 (アルバック)、 比<br />

村 先 生 ( 京 都 工 繊 大 )、 平 松 先 生 ( 名 城 大 )、 及 び、<br />

小 職 を 含 む 担 当 幹 事 間 での 議 論 を 元 に 企 画 ・ 実 施<br />

されたことを 付 記 致 します。また、 開 催 に 当 り、<br />

金 子 先 生 と 共 に 司 会 のご 協 力 頂 いた 須 田 先 生 ( 豊<br />

橋 技 科 大 )と、ご 参 加 頂 いた 皆 様 に 御 礼 申 し 上 げ<br />

ます。<br />

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