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( 素 案 )

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鎌 倉 市 本 庁 舎 整 備 方 針<br />

( <strong>素</strong> <strong>案</strong> )<br />

平 成 29 年 1 月


■ 鎌 倉 市 本 庁 舎 整 備 方 針 ( <strong>素</strong> <strong>案</strong> ) 目 次<br />

はじめに 本 庁 舎 整 備 方 針 の 目 的 と 策 定 体 制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1<br />

1. 本 庁 舎 整 備 を 進 める 背 景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1<br />

2. 本 庁 舎 整 備 方 針 の 目 的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2<br />

3. 本 庁 舎 整 備 を 係 る 動 向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2<br />

4. 整 備 方 針 策 定 の 検 討 フローと 体 制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4<br />

第 1 章 本 庁 舎 等 の 概 況 と 整 備 面 積 の 算 定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7<br />

1. 本 庁 舎 等 の 概 要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7<br />

2. 本 庁 舎 の 課 題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10<br />

3. 本 庁 舎 整 備 に 必 要 な 面 積 の 算 定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18<br />

4. 現 在 の 本 庁 舎 敷 地 の 諸 条 件 等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20<br />

第 2 章 整 備 パターンの 評 価 について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25<br />

1. 整 備 パターンの 設 定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25<br />

2. 整 備 パターンの 指 標 と 評 価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30<br />

3. 整 備 パターンの 整 理 と 課 題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40<br />

4. 本 庁 舎 の 整 備 候 補 地 の 想 定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46<br />

5. 整 備 パターンの 評 価 のまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52<br />

第 3 章 本 庁 舎 の 整 備 方 針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53<br />

1. 本 庁 舎 整 備 の 基 本 方 針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53<br />

2. 本 庁 舎 整 備 の 進 め 方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57<br />

■ 参 考 資 料 目 次<br />

参 考 資 料<br />

1. 整 備 パターン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参 1


はじめに 本 庁 舎 整 備 方 針 の 目 的 と 策 定 体 制<br />

1. 本 庁 舎 整 備 を 進 める 背 景<br />

本 市 では、「 鎌 倉 の 魅 力 を 継 承 しつつ、 次 世 代 写 真 市 役 所 本 庁 舎<br />

に 過 大 な 負 担 を 残 さない。」ことを 前 提 として、 新<br />

しい 時 代 にあった 価 値 を 提 供 できるよう、 公 共 施<br />

設 のあり 方 を 見 直 すことを 目 的 に、 平 成 18 年 度 か<br />

ら 公 共 施 設 再 編 の 具 体 的 な 検 討 を 進 め、 平 成 24<br />

年 3 月 に 鎌 倉 市 公 共 施 設 白 書 、 平 成 25 年 4 月 に<br />

鎌 倉 市 公 共 施 設 再 編 計 画 基 本 方 針 を 策 定 し、 平 成<br />

27 年 3 月 に「 鎌 倉 市 公 共 施 設 再 編 計 画 ( 以 下 「 再<br />

編 計 画 」という。)」を 策 定 しました。<br />

この 再 編 計 画 において、 昭 和 44 年 に 竣 工 した 本 庁 舎 は、 老 朽 化 が 進 んでいるほか、 平 成 23 年 の 東<br />

日 本 大 震 災 を 受 け、 神 奈 川 県 において 見 直 された 津 波 想 定 浸 水 範 囲 内 に 立 地 していることを 課 題 とし<br />

て 捉 えています。また、 現 在 地 で 建 替 えなどの 整 備 を 行 う 場 合 は、 建 築 物 の 高 さ 制 限 、 周 知 の 埋 蔵 文<br />

化 財 包 蔵 地 等 の 諸 制 限 等 も 考 慮 した 検 討 を 進 めていく 必 要 があることから、 平 成 27 年 度 に「 本 庁 舎 機<br />

能 更 新 に 係 る 基 礎 調 査 (~ 本 庁 舎 整 備 方 針 策 定 に 向 けて~)( 以 下 「 基 礎 調 査 」という。)」を 実 施 し、<br />

抱 える 課 題 、 求 められる 機 能 ・ 性 能 、 必 要 な 庁 舎 面 積 、 配 慮 すべき 条 件 等 の 整 理 を 行 いました。<br />

図 表 0-1 再 編 計 画 の 位 置 付 け<br />

第 3 次 鎌 倉 市 総 合 計 画<br />

・ 第 3 期 基 本 計 画 ( 平 成 26~31 年 度 )<br />

・ 第 4 期 基 本 計 画 ( 平 成 32~37 年 度 )<br />

鎌 倉 市 公 共 施 設 等 総 合 管 理 計 画<br />

・ 鎌 倉 市 公 共 施 設 再 編 計 画<br />

・ 鎌 倉 市 社 会 基 盤 施 設 マネジメント 計 画<br />

鎌 倉 市 都 市 マスタープラン<br />

鎌 倉 市 環 境 基 本 計 画<br />

など<br />

【 第 3 次 鎌 倉 市 総 合 計 画 基 本 構 想 】<br />

第 3 次 鎌 倉 市 総 合 計 画 基 本 構 想 では、『 古 都 としての 風 格 を 保 ちながら、 生 きる 喜 びと 新 しい 魅 力 を<br />

創 造 するまち』を 将 来 都 市 像 として 掲 げています。<br />

【 再 編 計 画 の 位 置 づけ】<br />

再 編 計 画 は、 第 3 次 鎌 倉 市 総 合 計 画 基 本 構 想 に 掲 げる 将 来 都 市 像 の 実 現 に 向 けた 基 本 方 針 の「 持 続<br />

可 能 な 都 市 経 営 」の 考 え 方 に 基 づいており、 公 共 施 設 マネジメントは、 全 ての 施 策 の 分 野 に 関 連 する<br />

ことから、 他 の 個 別 計 画 との 連 携 を 図 りながら、 着 実 な 推 進 に 向 け 取 組 んでいくこととしています。<br />

なお、 再 編 計 画 は 公 共 施 設 の 効 率 的 ・ 効 果 的 な 管 理 と 持 続 可 能 な 運 営 のため、 中 長 期 的 な 視 点 で 考<br />

える 必 要 があることから、40 年 間 の 計 画 期 間 としています。<br />

1


2. 本 庁 舎 整 備 方 針 の 目 的<br />

本 庁 舎 は、 本 市 の 防 災 中 枢 機 能 を 果 たす 施 設 の 1 つであることから、 再 編 計 画 では、 現 庁 舎 の 防<br />

災 的 な 課 題 解 決 に 取 組 みながら、「 現 在 地 建 替 え」、「 現 在 地 長 寿 命 化 」、「その 他 の 用 地 への 移 転 」 等<br />

の 方 策 について 検 討 するものと 位 置 付 けています。<br />

検 討 にあたっては、 平 成 27 年 度 に 基 礎 調 査 を 実 施 し、 抱 える 課 題 等 を 整 理 しました。また、これ<br />

まで 各 種 アンケート 調 査 のほか、 市 民 対 話 を5 回 開 催 するなど、 市 民 の 方 々から 意 見 や 提 <strong>案</strong> をいた<br />

だくとともに、 学 識 経 験 者 や 公 共 的 団 体 からの 代 表 者 で 構 成 する 本 庁 舎 整 備 方 針 策 定 委 員 会 での 議<br />

論 を 経 て 検 討 を 進 めてきました。これにより、「 防 災 ・ 減 災 」、「 機 能 ・ 性 能 」、「まちづくり」 及 び「 時<br />

間 ・コスト」の 観 点 から 客 観 的 な 評 価 を 行 い、 総 合 的 な 検 討 結 果 として、 将 来 の 本 庁 舎 整 備 方 針 ( 以<br />

下 「 整 備 方 針 」という。)として 策 定 したものです。<br />

この 整 備 方 針 は、「 現 在 地 建 替 え」、「 現 在 地 長 寿 命 化 」、「その 他 の 用 地 への 移 転 」 等 の 方 策 の 検 討<br />

結 果 に 基 づいて、 今 後 の 本 庁 舎 の 整 備 に 関 する 方 針 を 示 すものであり、 具 体 的 には、これに 基 づい<br />

て 本 庁 舎 整 備 に 関 する 基 本 構 想 ・ 基 本 計 画 の 策 定 等 を 進 めていきます。<br />

3. 本 庁 舎 整 備 に 係 る 動 向<br />

1) 神 奈 川 県 内 の 本 庁 舎 整 備 の 概 況<br />

近 年 の 神 奈 川 県 内 での 本 庁 舎 整 備 に 係 る 主 な 取 組 は、 築 約 50 年 となる 本 市 の 本 庁 舎 と 同 様 に、 建<br />

築 から 50 年 ほどが 経 過 した 本 庁 舎 について 進 められているケースが 多 く、 施 設 ・ 設 備 の 老 朽 化 や 執<br />

務 室 の 狭 あい 化 、 分 散 化 、 耐 震 性 の 不 足 等 により、 市 民 サービスの 向 上 、 効 率 的 な 行 政 運 営 の 実 現 、<br />

震 災 時 の 防 災 拠 点 機 能 の 確 保 などを 目 的 として、 建 替 えや 耐 震 改 修 工 事 の 実 施 等 を 行 っています。<br />

図 表 0-2 近 年 の 県 内 の 主 な 本 庁 舎 整 備 の 概 況<br />

自 治 体 名 庁 舎 の 状 況 整 備 の 理 由<br />

横 浜 市<br />

移 転 新 築 準 備 中<br />

昭 和 34 年 に 建 設 した 庁 舎 は、 施 設 ・ 設 備 の 老 朽 化 、 事 務 室 の 狭 あい 化 や 分<br />

平 成 32 年 6 月 供 用 開 始 予 定 散 化 のため 市 民 対 応 スペースの 不 足 などにより、 移 転 新 築 整 備 の 準 備 中 。<br />

川 崎 市<br />

建 替 え 準 備 中<br />

昭 和 13 年 に 建 設 した 庁 舎 は、 狭 あい・ 分 散 化 、 耐 震 性 の 不 足 などにより 建 替<br />

平 成 34 年 以 降 供 用 開 始 予 定 え 整 備 の 準 備 中 。<br />

平 塚 市<br />

建 替 え 整 備 中<br />

昭 和 39 年 に 建 設 した 庁 舎 の 老 朽 化 、 狭 あい・ 分 散 化 、 耐 震 性 の 不 足 などによ<br />

平 成 29 年 12 月 完 成 予 定 り 建 替 え 工 事 を 実 施 中 (1 期 工 事 は 平 成 28 年 5 月 に 完 了 )。<br />

藤 沢 市<br />

建 替 え 整 備 中<br />

建 設 後 約 60 年 を 経 過 した 庁 舎 の 老 朽 化 や 耐 震 不 足 、 庁 舎 機 能 の 分 散 などによ<br />

平 成 29 年 12 月 竣 工 予 定 り 建 替 え 工 事 を 実 施 中 。<br />

茅 ヶ 崎 市<br />

建 替 え 整 備 済<br />

昭 和 49 年 に 建 設 した 庁 舎 の 耐 震 性 や 設 備 の 老 朽 化 などにより、 建 替 え 工 事 を<br />

平 成 28 年 2 月 竣 工<br />

実 施 。<br />

開 成 町<br />

建 替 え 準 備 中<br />

昭 和 45 年 に 建 設 した 庁 舎 の 狭 あい 化 、 窓 口 や 組 織 の 分 散 化 による 利 便 性 ・ 効<br />

平 成 28 年 11 月 ~ 基 本 設 計 率 性 の 低 下 、 耐 震 性 の 不 足 により、 建 替 え 整 備 の 準 備 中 。<br />

小 田 原 市<br />

耐 震 改 修 工 事 済<br />

昭 和 51 年 に 建 設 した 庁 舎 の 耐 震 補 強 が 必 要 とされ、 大 地 震 時 の 安 全 確 保 、 行<br />

平 成 28 年 2 月 完 了<br />

政 機 能 の 保 全 、 防 災 拠 点 機 能 の 保 持 のため、 免 震 化 する 耐 震 改 修 工 事 を 実 施 。<br />

秦 野 市<br />

耐 震 改 修 工 事 中<br />

昭 和 44 年 に 建 設 した 庁 舎 の 耐 震 対 策 が 求 められ、 大 地 震 時 の 安 全 確 保 、 行 政<br />

平 成 30 年 7 月 完 了 予 定 機 能 及 び 議 会 機 能 の 維 持 、 庁 舎 機 能 の 保 全 のため、 耐 震 改 修 事 業 を 実 施 中 。<br />

厚 木 市<br />

耐 震 改 修 工 事 済<br />

昭 和 46 年 に 建 設 した 庁 舎 の 免 震 化 する 耐 震 改 修 工 事 を 実 施 。<br />

平 成 17 年 1 月 完 了<br />

大 和 市<br />

耐 震 改 修 工 事 済<br />

平 成 23 年 3 月 完 了<br />

昭 和 49 年 に 建 設 した 庁 舎 の 耐 震 性 の 不 足 などにより、 耐 震 補 強 工 事 、 外 壁 改<br />

修 工 事 を 実 施 。<br />

2


2) 災 害 を 踏 まえた 庁 舎 整 備 の 視 点<br />

近 年 、 大 規 模 な 地 震 や 集 中 豪 雨 などによって 都 市 や 市 街 地 が 甚 大 な 被 害 を 受 けたことにより、 発<br />

災 後 の 本 庁 舎 での 業 務 継 続 や 災 害 応 急 対 策 活 動 拠 点 としての 防 災 機 能 の 確 保 の 重 要 性 が 再 認 識 され<br />

ています。<br />

平 成 27 年 9 月 に 発 生 した 関 東 ・ 東 北 豪 雨 に<br />

よって 激 甚 な 被 害 を 受 けた 茨 城 県 常 総 市 では、<br />

常 総 市 役 所 本 庁 舎 が 浸 水 しました。この 際 、<br />

非 常 用 電 源 設 備 が 屋 外 に 設 置 してあったため、<br />

本 庁 舎 が 使 用 不 能 になるといった 事 態 に 陥 っ<br />

ています。<br />

また、 平 成 28 年 4 月 に 発 生 した 熊 本 地 震 で<br />

は、 新 聞 報 道 などによると 6 つの 自 治 体 の 庁<br />

舎 が 倒 壊 の 恐 れがあるため 立 ち 入 り 禁 止 や 使<br />

用 禁 止 の 状 態 となり、 体 育 館 などの 施 設 に 災<br />

害 対 策 本 部 を 設 置 したとしています。このた<br />

め、 仮 庁 舎 を 建 設 したり、 体 育 館 や 保 健 セン<br />

ターなどの 公 共 施 設 を 使 用 するなど、 行 政 機<br />

りさい<br />

能 が 分 散 し、 罹 災 証 明 書 の 交 付 業 務 などをは<br />

じめとして、 復 旧 ・ 復 興 に 支 障 を 及 ぼす 状 況<br />

が 生 じています。<br />

そうしたなか、 熊 本 地 震 による 被 害 を 受 け、 熊 本 県 知 事 が、 熊 本 地 震 を 検 証 する 記 事 の 中 で、「 災 害<br />

の 本 部 になるところは、 一 番 耐 震 がしっかりしていなければならず、 司 令 塔 が 機 能 しなければ、 住<br />

民 の 心 も 折 れてしまう」といった 旨 のコメントをしています。<br />

このような 具 体 的 な 事 例 を 踏 まえ、 本 庁 舎 整 備 を 考 える 上 では、 通 常 の 行 政 サービスの 提 供 の 視<br />

点 だけではなく、 様 々な 災 害 予 測 や 被 害 想 定 に 対 して、 発 災 からの 時 間 経 過 も 想 像 した 行 政 サービ<br />

スの 提 供 の 視 点 が 必 要 となります。このためにはまず、 災 害 応 急 対 策 等 の 拠 点 機 能 を 確 保 し、 人 命<br />

の 安 全 確 保 ・ 建 物 の 機 能 維 持 し、 必 要 な 通 常 業 務 だけでなく、 災 害 対 応 業 務 を 継 続 するための 耐 震<br />

性 能 の 確 保 、 非 常 用 発 電 機 や 食 料 ・ 防 寒 用 品 、 燃 料 の 備 蓄 などのバックアップ 機 能 の 確 保 が 求 めら<br />

れます。 更 には、このような 備 えと 併 せて、 災 害 応 急 復 旧 のため、 関 係 機 関 をはじめ 他 自 治 体 から<br />

の 応 援 職 員 を 受 け 入 れたかたちで 災 害 応 急 活 動 や 一 時 避 難 等 ができる 空 間 の 確 保 など、 災 害 時 に 即<br />

時 かつ 継 続 的 に 対 応 可 能 な 施 設 や 立 地 場 所 とすることで、 発 災 後 の 司 令 塔 として 十 分 な 機 能 が 発 揮<br />

できるといえます。<br />

このように 本 庁 舎 の 防 災 的 な 課 題 は、その 立 地 場 所 周 辺 のみの 課 題 としてではなく、 発 災 後 の 役<br />

割 を 考 え、 全 市 的 な 課 題 として 捉 える 必 要 があります。<br />

写 真 宇 土 市 役 所 本 庁 舎<br />

熊 本 地 震 により4 階 部 分 が 押 しつぶされ 倒 壊 寸 前 となった<br />

宇 土 市 役 所 本 庁 舎 。 建 築 後 51 年 を 経 過 していた 本 庁 舎<br />

の 耐 震 診 断 では、 震 度 6 強 程 度 の 地 震 で 大 きな 被 害 を 受<br />

けるとの 判 定 を 受 けたことから、 庁 舎 の 建 替 えを 検 討 して<br />

いた。<br />

3


4. 整 備 方 針 策 定 の 検 討 フローと 体 制<br />

1) 整 備 方 針 の 策 定 フロー<br />

本 庁 舎 整 備 方 針 の 策 定 に 当 たっては、まず 本 庁 舎 の 概 要 や 老 朽 化 、 防 災 ・ 構 造 面 、 機 能 面 等 の 課<br />

題 や 必 要 な 本 庁 舎 面 積 を 算 定 し、 本 庁 舎 整 備 に 係 る 諸 条 件 を 整 理 しました。<br />

次 に、これら 整 理 を 行 った 諸 条 件 を 基 に、 風 致 地 区 制 限 や 埋 蔵 文 化 財 等 の 基 本 的 な 考 え 方 を 整 理<br />

した 上 で「 現 在 地 建 替 え」「 現 在 地 長 寿 命 化 」「その 他 の 用 地 への 移 転 」の 3 つの 方 策 をベースに 整<br />

備 パターンを 整 理 するとともに、 客 観 的 な 評 価 として 評 価 指 標 を 定 め、 評 価 をしました。<br />

また、 整 備 パターンの 評 価 の 整 理 と 課 題 の 抽 出 を 行 うとともに、 想 定 される 移 転 候 補 地 も 合 わせ<br />

て 整 理 しました。<br />

以 上 を 踏 まえ、 本 庁 舎 整 備 の 基 本 方 針 をとりまとめています。<br />

なお、 本 庁 舎 整 備 方 針 の 基 本 方 針 策 定 には、 本 庁 舎 整 備 方 針 策 定 委 員 会 及 び 市 民 対 話 などを 通 じ、<br />

様 々なご 意 見 をいただき、 評 価 指 標 などに 取 入 れてとりまとめてきました。<br />

図 表 0-3 整 備 方 針 の 策 定 フロー<br />

はじめに<br />

○ 本 庁 舎 整 備 を 進 める 背 景<br />

〇 本 庁 舎 整 備 方 針 の 目 的<br />

〇 本 庁 舎 整 備 に 係 る 動 向<br />

〇 整 備 方 針 の 策 定 の 検 討 フローと 体 制<br />

第 1 章<br />

本 庁 舎 等 の 概 況 と 整 備 面 積 の 算 定<br />

○ 本 庁 舎 等 の 概 要 と 課 題<br />

〇 本 庁 舎 の 課 題<br />

〇 本 庁 舎 整 備 に 必 要 な 面 積 の 算 定<br />

〇 現 在 の 本 庁 舎 敷 地 の 諸 条 件 等<br />

第 2 章<br />

整 備 パターンの 評 価 について<br />

○ 整 備 パターンの 設 定<br />

〇 整 備 パターンの 指 標 と 評 価<br />

〇 整 備 パターンの 整 理 と 課 題<br />

〇 本 庁 舎 の 整 備 候 補 地 の 想 定<br />

〇 整 備 パターンの 評 価 のまとめ<br />

第 3 章<br />

本 庁 舎 の 整 備 方 針<br />

○ 本 庁 舎 整 備 の 基 本 方 針<br />

〇 本 庁 舎 整 備 の 進 め 方<br />

4


2) 整 備 方 針 の 策 定 体 制<br />

整 備 方 針 策 定 にあたっては、 様 々な 意 見 を 聴 きながら 進 めて 行 くことに 重 点 をおきました。 各 種<br />

アンケート 調 査 ( 郵 送 によるアンケート、 本 庁 舎 と 支 所 の 来 庁 者 へのアンケート、e-モニター 制 度<br />

を 利 用 したアンケート)をはじめとして、 市 民 参 画 による 対 話 の 場 を 設 けるとともに、 庁 外 ・ 庁 内<br />

でも 議 論 を 重 ねながら 進 めてきました。<br />

1 鎌 倉 市 本 庁 舎 整 備 方 針 策 定 委 員 会 の 設 置<br />

再 編 計 画 に 基 づく 鎌 倉 市 役 所 本 庁 舎 の 整 備 方 針 の 策 定 に 関 する 提 言 を 行 うことを 目 的 に、 学 識 経<br />

験 者 と 公 共 的 団 体 からの 代 表 者 で 構 成 する 鎌 倉 市 本 庁 舎 整 備 方 針 策 定 委 員 会 ( 以 下 「 策 定 委 員 会 」<br />

という。)を 設 置 し、 本 庁 舎 整 備 方 針 策 定 に 向 けた 協 議 を 行 いました。<br />

2 庁 内 検 討 体 制<br />

本 庁 舎 整 備 に 関 連 する 各 課 の 課 長 で 構 成 される 策 定 委 員 会 幹 事 を 集 めた 会 議 において、 本 庁 舎 整<br />

備 に 係 る 事 項 について 協 議 を 行 いました。<br />

3 本 庁 舎 整 備 方 針 市 民 対 話<br />

本 庁 舎 の 整 備 方 針 の 検 討 にあたり、 市 民 目 線 や 市 民 感 覚 を 取 入 れ、 本 庁 舎 の 現 状 と 課 題 について<br />

共 有 するとともに、 具 体 的 に 本 庁 舎 に 求 める 機 能 や 性 能 、 本 庁 舎 整 備 とまちづくりなどをどのよう<br />

に 考 えるか、 市 民 が 考 える 多 様 な 意 見 を 取 入 れて、 取 組 を 進 めることを 目 的 として、 本 庁 舎 整 備 方<br />

針 市 民 対 話 ( 以 下 「 市 民 対 話 」という。)を 開 催 しました。なお、この 市 民 対 話 の 全 5 回 のうち、 第<br />

3 回 については、 更 に 広 く 市 民 意 見 等 を 取 入 れるために、 公 募 の 市 民 を 交 えた 協 働 ・ 拡 張 ワークシ<br />

ョップとして 開 催 しました。<br />

4 策 定 委 員 会 と 市 民 対 話 の 連 携 方 法<br />

市 民 対 話 と 協 働 ・ 拡 張 ワークショップを 通 じて、 言 葉 になりづらい 市 民 の 感 覚 や 感 性 を 丁 寧 に 引<br />

き 出 すとともに、それを 紡 ぎながら 策 定 委 員 会 に、 市 民 の 意 見 等 として 取 り 入 れてきました。<br />

また、 市 民 対 話 と 策 定 委 員 会 の 間 の 情 報 共 有 を 密 にすることで、 双 方 の 活 動 を 有 機 的 に 結 びつけ<br />

ながら、 整 備 方 針 の 策 定 に 向 けた 議 論 を 進 めてきました。<br />

市 民 対 話<br />

( 協 働 ・ 拡 張 ワークショップ)<br />

策 定 委 員 会<br />

( 庁 内 検 討 )<br />

鎌 倉 市 本 庁 舎<br />

整 備 方 針<br />

5


【 市 民 対 話 の 参 加 者 ( 全 16 名 )】<br />

・ 無 作 為 抽 出 による 市 民 1,000 人 の 中 から 市 民 対 話 に 参 加 することを 希 望 された 方<br />

・ 市 内 の 高 等 学 校 ( 公 立 及 び 私 立 の 10 校 ) 及 び 市 内 の 大 学 ( 鎌 倉 女 子 大 学 )に 在 学 で 市 民 対<br />

話 に 参 加 することを 希 望 された 市 内 在 住 の 生 徒 ・ 学 生<br />

【 市 民 対 話 ( 第 3 回 ) 協 働 ・ 拡 張 ワークショップの 参 加 者 ( 延 べ 57 名 ※<br />

)】<br />

・ 上 記 の 市 民 対 話 参 加 者 、 公 募 市 民 など ※ 神 奈 川 大 学 の 学 生 含 む<br />

図 表 0-4 整 備 方 針 策 定 に 関 する 主 な 取 組<br />

実 施 日<br />

平 成 27 年 3 月<br />

平 成 27 年 6 月 ~<br />

平 成 28 年 3 月<br />

3~4 月<br />

開 催 事 項 等<br />

公 共 施 設 再 編 計 画 策 定<br />

本 庁 舎 機 能 更 新 に 係 る 基 礎 調 査<br />

(~ 本 庁 舎 整 備 方 針 策 定 に 向 けて~)<br />

各 種 アンケート 調 査 実 施<br />

6 月 11 日 市 民 対 話 ( 第 1 回 ) 開 催<br />

8 月 9 日 第 1 回 策 定 委 員 会 開 催<br />

9 月 3 日 市 民 対 話 ( 第 2 回 ) 開 催<br />

9 月 27 日 第 2 回 策 定 委 員 会 開 催<br />

10 月 10 日 市 民 対 話 ( 第 3 回 ) 協 働 ・ 拡 張 ワークショップ 開 催<br />

10 月 30 日 市 民 対 話 ( 第 4 回 ) 開 催<br />

11 月 22 日 第 3 回 策 定 委 員 会 開 催<br />

12 月 4 日 市 民 対 話 ( 第 5 回 ) 開 催<br />

12 月 27 日 第 4 回 策 定 委 員 会 開 催<br />

平 成 29 年 1~2 月<br />

パブリックコメントの 実 施 ・「 市 民 の 想 い」 冊 子 作 成<br />

3 月 9 日 予 定 : 第 5 回 策 定 委 員 会 開 催<br />

6


第 1 章 本 庁 舎 等 の 概 況 と 整 備 面 積 の 算 定<br />

1. 本 庁 舎 等 の 概 要<br />

1) 本 庁 舎 の 概 要<br />

1 本 庁 舎 の 変 遷 と 現 状<br />

本 市 は、 昭 和 14 年 に 鎌 倉 郡 鎌 倉 町 と 腰 越 町 が 合 併 して 鎌 倉 市 制 が 施 行 され、 旧 本 庁 舎 は 若 宮 大 路<br />

沿 いの 大 巧 寺 の 南 側 隣 接 地 に 立 地 していました。 昭 和 37 年 に 火 災 により 旧 本 庁 舎 が 全 焼 したため、<br />

旧 御 成 中 学 校 の 敷 地 を 活 用 し、 昭 和 44 年 に 現 在 の 本 庁 舎 を 整 備 しました。<br />

昭 和 44 年 の 職 員 数 は 600 人 程 度 でしたが、 新 たな 制 度 創 設 による 業 務 対 応 や、 行 政 需 要 の 増 大 等<br />

に 伴 い、 竣 工 当 時 と 比 べ、 職 員 数 が 400 人 程 度 ( 常 勤 職 員 100 人 、 非 常 勤 職 員 等 300 人 ) 増 加 し、<br />

現 在 、 本 庁 舎 に 勤 務 する 職 員 等 は、 約 1,000 人 となっています。なお、このような 状 況 に 対 応 する<br />

ため、 敷 地 内 においては、 昭 和 55 年 の 分 庁 舎 建 設 をはじめ、 順 次 、 第 2~4 分 庁 舎 を 建 設 するとと<br />

もに、 一 部 執 務 室 を 敷 地 外 に 移 転 してきていることから、 執 務 室 が 分 散 し、 業 務 の 非 効 率 化 がみら<br />

れるようになっています( 分 庁 舎 は 平 成 27 年 に 撤 去 )。<br />

図 表 1-1 本 庁 舎 整 備 の 変 遷<br />

年 度<br />

昭 和 14 年<br />

昭 和 37 年<br />

昭 和 44 年<br />

出 来 事<br />

鎌 倉 町 と 腰 越 町 が 合 併 して 鎌 倉 市 施 行 ※1 ( 旧<br />

本 庁 舎 は 若 宮 大 路 沿 いに 立 地 ※2 )<br />

火 災 により 旧 本 庁 舎 全 焼<br />

現 在 の 本 庁 舎 整 備 ( 御 成 中 学 校 跡 地 ※3 ): 当<br />

時 の 職 員 数 は 600 人 程 度<br />

昭 和 55 年 分 庁 舎 整 備 ( 現 在 の 本 庁 舎 敷 地 内 )<br />

昭 和 61 年 議 員 控 室 増 築 ( 現 在 の 本 庁 舎 敷 地 内 )<br />

平 成 3 年<br />

平 成 8 年<br />

平 成 9 年<br />

平 成 17 年<br />

平 成 26 年<br />

平 成 27 年<br />

第 2 分 庁 舎 整 備 ( 現 在 の 本 庁 舎 敷 地 内 ): 現<br />

在 はNPOセンターが 使 用<br />

第 3 分 庁 舎 整 備 ( 現 在 の 本 庁 舎 敷 地 内 ): 執<br />

務 室 、 講 堂 等<br />

第 4 分 庁 舎 整 備 ( 現 在 の 本 庁 舎 敷 地 内 ): 平<br />

成 22 年 に 建 替 え、 現 在 は 会 議 室 とおなり 子<br />

どもの 家<br />

本 庁 舎 耐 震 改 修 終 了<br />

分 庁 舎 廃 止 ・ 鎌 倉 水 道 営 業 所 庁 舎 等 ( 現 在 の<br />

本 庁 舎 敷 地 外 )に 一 部 機 能 を 移 転<br />

鎌 倉 市 公 共 施 設 再 編 計 画 策 定<br />

※1 その 後 2 度 の 合 併 により 昭 和 23 年 に 現 在 の 市 域 となる。<br />

※2 この 場 所 には 現 在 、 鎌 倉 生 涯 学 習 センター( 旧 中 央 公 民 館 )が 建 っている。<br />

※3 大 正 12 年 の 関 東 大 震 災 でほとんどの 建 築 物 が 倒 壊 したため 廃 止 された 御 用 邸 を、 昭 和 6 年 に 鎌 倉 町 ( 当 時 )が 払 い 下 げを 受 けた。 昭 和 8 年 に 御 成 小 学 校 が<br />

整 備 され、 昭 和 22 年 に 敷 地 内 に 御 成 中 学 校 が 併 設 された。<br />

7


2 現 在 の 本 庁 舎 等 の 概 要<br />

現 在 の 本 庁 舎 は 鎌 倉 駅 西 口 徒 歩 5 分 ほどの 利 便 性 の 高 い<br />

場 所 に 位 置 しており、 敷 地 内 には 本 庁 舎 の 他 に、 第 2 分 庁<br />

舎 、 第 3 分 庁 舎 、 第 4 分 庁 舎 等 の 建 物 が 立 地 しています。<br />

図 表 1-2 本 庁 舎 及 び 各 分 庁 舎 の 建 物 概 要<br />

本 庁 舎 第 2 分 庁 舎 第 3 分 庁 舎 第 4 分 庁 舎<br />

敷 地 面 積<br />

14,361.54 m2<br />

建 築 面 積 3,981.14 m2 59.58 m2 279.29 m2 257.45 m2<br />

延 床 面 積 11,974.87 m2 118.82 m2 542.04 m2 484.92 m2<br />

築 年 昭 和 44 年 平 成 3 年 平 成 8 年 平 成 22 年<br />

構 造 RC 造 、S 造 S 造 S 造 S 造<br />

階 数 地 上 4 階 ・ 地 下 1 階 地 上 2 階 地 上 2 階 地 上 2 階<br />

8


2) 執 務 室 の 分 散 状 況<br />

※1<br />

本 庁 舎 以 外 で 業 務 を 行 っている 部 署 は 教 育 委 員 会 、 監 査 委 員 事 務 局 、 拠 点 整 備 部 、スポーツ 課 、<br />

発 達 支 援 室 、 下 水 道 河 川 課 下 水 道 担 当 ( 一 部 )・ 河 川 担 当 、 作 業 センターがあります。また、 本 庁 舎<br />

の 敷 地 内 ではありますが、 防 災 安 全 部 及 び 災 害 対 策 本 部 が 第 3 分 庁 舎 、 会 議 室 が 第 4 分 庁 舎 に 分 散<br />

しています。<br />

なお、 庁 舎 の 分 散 化 等 により、 右 記 の 経 費 (ラン<br />

ニングコスト)が 必 要 となっています。<br />

再 編 計 画 では、 各 行 政 センター 内 の 支 所 ( 地 域 活<br />

動 への 支 援 機 能 を 除 く)の 支 所 業 務 ( 窓 口 業 務 )に<br />

ついても 見 直 しを 行 い、 本 庁 舎 等 に 業 務 を 集 約 する<br />

ことを 検 討 するとしており、 本 庁 舎 の 整 備 方 針 は、<br />

これらの 分 散 する 執 務 室 等 の 状 況 を 踏 まえる 必 要 が<br />

あります。<br />

※1 学 務 課 学 務 担 当 、 文 化 財 部 を 除 く<br />

■ 分 散 する 執 務 室 に 係 る 賃 借 料 等<br />

( 平 成 28 年 度 予 算 )<br />

○ 第 4 分 庁 舎<br />

※2<br />

賃 借 料 :6,458 千 円 / 年<br />

※2 リース 方 式 による 建 物 の 賃 借 料<br />

( 光 熱 水 費 、 維 持 管 理 費 用 を 含 まず)<br />

○ 鎌 倉 水 道 営 業 所<br />

賃 借 料 :12,190 千 円 / 年<br />

負 担 金 ( 水 道 代 等 ):1,800 千 円 / 年<br />

図 表 1-3 執 務 室 の 分 散 状 況<br />

9


2. 本 庁 舎 の 課 題<br />

1) 老 朽 化 の 課 題<br />

1 建 物 の 耐 久 性<br />

・ 外 部 まわりの 改 修 履 歴 や 外 観 目 視 結 果 では、 建 物 劣 化 の 進 んでいる 状 況 も 認 められるが、 過 去 の<br />

躯 体 調 査 結 果 からは、コンクリート 強 度 は 良 好 で、コンクリートの 中 性 化 ※<br />

の 進 行 は 比 較 的 遅 い<br />

と 推 定 できます。 平 成 28 年 度 、 機 能 維 持 の 検 討 のために 行 った 調 査 でも、コンクリート 強 度 に<br />

特 段 の 問 題 はなく、コンクリートの 中 性 化 の 進 行 状 況 に 関 しても 重 篤 な 問 題 はないと 推 察 できる<br />

とされています。なお、この 調 査 でコンクリートの 中 性 化 の 進 行 が 著 しい 部 位 ( 内 壁 )において<br />

は、 築 65 年 を 迎 える 平 成 46 年 (2034 年 )には、 修 繕 要 否 判 定 が「 要 」となる 箇 所 が 多 数 出 現<br />

する 状 況 という 判 定 となることが 分 かりました。<br />

・ 実 際 に 整 備 方 針 として 長 寿 命 化 について 検 討 を 進 めていく 場 合 などでこの 建 物 を 長 く 活 用 してい<br />

く 際 には、その 検 討 段 階 で、 外 部 を 中 心 としたコンクリートの 中 性 化 速 度 推 定 の 精 度 を 高 めるた<br />

めの 調 査 などにより、どの 程 度 の 長 寿 命 化 が 可 能 か 現 在 の 状 況 を 確 認 して 進 めていき、 定 期 的 な<br />

コンクリートの 劣 化 防 止 対 策 の 実 施 を 検 討 することが 重 要 になります。<br />

※ コンクリートの 中 性 化 : 本 来 高 アルカリ 性 であるコンクリートが 中 性 に 近 づく 現 象 である。その 結 果 、 鉄 筋 コンクリート 内 部 の 鉄 筋 の 発 錆 ・ 腐 食 ・<br />

膨 張 が 発 生 し、コンクリートのひび 割 れ・ 剥 離 等 につながり、 鉄 筋 コンクリートが 劣 化 する。<br />

2 建 物 の 老 朽 化<br />

・ 屋 上 の 手 すり、 外 壁 等 の 目 地 部 分 の 劣 化 、 壁 のひび 割 れや 雨 漏 りの 発 生 など、 建 物 の 老 朽 化 が 進<br />

んでいます。 設 備 についても 大 規 模 改 修 が 計 画 的 に 行 われていないなどにより、 計 画 的 な 改 修 が<br />

必 要 な 状 態 となっています。<br />

10


3 不 十 分 な 環 境 対 策<br />

・ 現 在 の 本 庁 舎 を 最 低 限 の 耐 震 性 で 利 用 しているなどの 状 況 から、 太 陽 光 発 電 の 導 入 などの 再 生 可<br />

能 エネルギーの 活 用 、 屋 上 ・ 壁 面 緑 化 、 省 エネルギー 機 器 の 導 入 などの 環 境 対 策 が 十 分 にできて<br />

いません。<br />

■ 参 考 : 官 庁 施 設 の 新 築 及 び 改 修 時 の 環 境 対 策 の 実 施 例 ( 国 土 交 通 省 )<br />

・ 官 庁 施 設 を 新 築 する 際 には、「 官 庁 施 設 の 環 境 保 全 性 基 準 」に 基 づいた 環 境 保 全 性 の 水 準 を 有 する 施<br />

設 を 整 備 しています。また、 設 備 機 器 等 の 老 朽 更 新 時 には、 設 備 機 器 等 のエネルギー 消 費 の 高 効 率<br />

化 を 推 進 しています。<br />

・「 官 庁 施 設 の 環 境 保 全 性 基 準 」では、 長 寿 命 、 適 正 使 用 ・ 適 正 処 理 、エコマテリアル、 省 エネルギー・<br />

省 資 源 、 地 域 生 態 系 保 全 及 び 周 辺 環 境 配 慮 等 に 係 る 技 術 的 事 項 を 定 めており、これらの 技 術 の 有 効<br />

な 活 用 により 環 境 保 全 性 を 確 保 しています。<br />

引 用 : 官 庁 営 繕 環 境 報 告 書 2016( 国 土 交 通 省 ホームページ)<br />

http://www.mlit.go.jp/gobuild/sesaku_green_green_tyousya.htm<br />

11


2) 防 災 ・ 構 造 面 の 課 題<br />

1 津 波 に 対 する 脆 弱 性<br />

・ 大 規 模 地 震 発 生 時 においては、 迅 速 な 救 助 活 動 とこれを 支 える 司 令 塔 機 能 が、 人 命 確 保 の 上 で 重<br />

要 であり、 国 土 交 通 省 が 定 めた 官 庁 施 設 の 総 合 耐 震 ・ 対 津 波 計 画 基 準 ( 平 成 25 年 3 月 改 定 )では、<br />

官 庁 施 設 の 位 置 について、「 官 庁 施 設 の 位 置 は、 地 震 災 害 時 においても、 人 命 ・ 財 産 の 安 全 が 十 分<br />

に 確 保 されるように 選 定 するものとする。」、「 災 害 応 急 対 策 活 動 に 必 要 な 官 庁 施 設 の 位 置 は、ライ<br />

フライン 及 び 前 面 道 路 の 機 能 障 害 が 発 生 せず、 又 は、 早 期 復 旧 が 可 能 なよう 選 定 するものとする。」<br />

とされています。<br />

・また、 同 基 準 において、 災 害 応 急 対 策 活 動 を 行 う 官 庁 施 設 は、レベル1の 津 波 ( 最 大 クラスの 津<br />

波 に 比 べて 発 生 頻 度 が 高 く 津 波 高 は 低 いものの 大 きな 被 害 をもたらす 津 波 )だけでなくレベル2<br />

の 津 波 ( 発 生 頻 度 は 極 めて 低 いものの 発 生 すれば 甚 大 な 被 害 をもたらす 最 大 クラスの 津 波 )に 対<br />

しても、 津 波 発 生 時 の 災 害 応 急 対 策 活 動 が 可 能 になることが 目 標 となっています。<br />

・ 現 在 の 本 庁 舎 敷 地 の 大 半 は、 神 奈 川 県<br />

想 定 明 応 型 地 震 による 浸 水 予 測 ( 最 大<br />

クラスの 津 波 )において 0.5m 未 満 ( 一<br />

部 0.5~1.2m)の 浸 水 が 想 定 される 区<br />

域 となっており、 庁 舎 1 階 部 分 及 び 地<br />

下 への 浸 水 が 想 定 されます。なお、 受<br />

変 電 設 備 及 び 各 庁 内 への 配 電 設 備 が 地<br />

下 にあるため、 津 波 によって 電 気 室 が<br />

水 没 した 場 合 は 送 電 が 不 可 能 となり、<br />

ライフラインが 停 止 する 事 態 に 陥 りま<br />

す。<br />

・ 現 在 の 本 庁 舎 に 至 る 緊 急 輸 送 道 路 ※<br />

は、 現 在 の 本 庁 舎 よりも 津 波 による 浸 水 の 深 さが 高 いエリア、<br />

液 状 化 危 険 度 が 高 いエリアが 経 路 となっています。このため、 津 波 による 浸 水 や 液 状 化 が 発 生 し<br />

た 場 合 の 緊 急 輸 送 道 路 の 状 況 によっては、 災 害 対 応 の 拠 点 となる 現 在 の 本 庁 舎 への 物 資 等 の 輸 送<br />

に 支 障 をきたす 可 能 性 があり、 周 囲 を 山 に 囲 まれた 地 形 であるため、 周 囲 から 孤 立 する 懸 念 があ<br />

ります。<br />

※ 地 震 等 の 大 規 模 災 害 発 生 直 後 から 救 助 活 動 人 員 や 物 資 等 の 緊 急 輸 送 を 円 滑 かつ 確 実 に 行 うための 路 線 。<br />

12


2 耐 震 性 の 課 題<br />

・ 現 在 の 庁 舎 は 昭 和 44 年 に 建 設 されています<br />

が、 平 成 17 年 までに Is 値 0.6 ※1 で 耐 震 改<br />

修 工 事 を 完 了 しており、 震 度 6クラスの 地<br />

震 に 際 して 倒 壊 又 は 崩 壊 する 危 険 性 は 低 く<br />

なっています。<br />

・ 災 害 時 に 災 害 対 策 本 部 の 設 置 が「 鎌 倉 市 地<br />

域 防 災 計 画 」に 位 置 づけられている 本 庁 舎<br />

は、「 鎌 倉 市 耐 震 改 修 促 進 計 画 」( 平 成 27<br />

年 9 月 改 定 )により、 構 造 体 について、「 大<br />

地 震 動 後 、 構 造 体 の 補 修 をすることなく 建<br />

築 物 を 使 用 できることを 目 標 とし、 人 命 の<br />

図 表 1-4 官 庁 施 設 の 総 合 耐 震 計 画 基 準<br />

※1 Is 値 : 建 物 の 強 度 や 粘 りに 加 え、その 形 状 や 経 年 状 況 を 考 慮 した ※ 耐 震<br />

指 標 。Is 値 が 大 きいほど 耐 震 性 が 高 い。<br />

※2 重 要 度 係 数 : 建 物 の 設 計 時 に 地 震 力 を 割 増 す 係 数 。 重 要 度 係 数 が 大 き<br />

いほど 耐 震 性 が 高 い。<br />

安 全 確 保 に 加 えて 十 分 な 機 能 確 保 が 図 られるものとする」(Ⅰ) 類 に 位 置 づけられ、 耐 震 安 全 性 能<br />

の 分 類 における 重 要 度 係 数<br />

※2<br />

は 1.5 となるため、Is 値 0.9 が 求 められます。<br />

・Is 値 0.9 を 確 保 するため 耐 震 補 強 を 実 現 するためには、 耐 震 ブレースなどによる 補 強 箇 所 が 非 常<br />

に 多 くなり、 執 務 室 等 の 更 なる 狭 あい 化 やレイアウトが 不 自 由 となることが 想 定 されます。<br />

・ 現 在 の 本 庁 舎 2 階 にある 議 場 の 天 井 は、 平 成 25 年 の 建 築 基 準 法 の 改 定 において 地 震 等 に 対 する 脱<br />

落 対 策 の 規 制 が 強 化 された 特 定 天 井<br />

※3<br />

に 該 当 し、 既 存 不 適 格<br />

※4<br />

の 状 況 です。<br />

※3 特 定 天 井 : 脱 落 によって 重 大 な 危 害 を 生 ずるおそれがあるとされた 天 井 (6m 超 の 高 さにある、 面 積 200 m2 超 、 質 量 2kg/m2 超 の 吊 り 天 井 で、 人<br />

が 日 常 利 用 する 場 所 に 設 置 されているもの)<br />

※4 既 存 不 適 格 : 建 築 時 には 適 法 に 建 てられたが、その 後 、 法 令 の 改 正 や 都 市 計 画 変 更 等 によって 現 行 法 に 対 して 不 適 格 な 部 分 が 生 じた 建 築 物<br />

< 東 日 本 大 震 災 の 教 訓 を 踏 まえた 課 題 ><br />

本 市 では、 東 日 本 大 震 災 を 踏 まえ、 庁 内 で 業 務 継 続 上 の 課 題 を 洗 い 出 すとともに、 被 災 地 ( 岩<br />

手 県 釜 石 市 、 下 閉 伊 郡 山 田 町 )も 視 察 し、 課 題 の 整 理 を 行 った。 主 な 課 題 としては、3.11 当 日 、<br />

本 庁 舎 を 一 時 避 難 場 所 として 帰 宅 困 難 者 等 の 受 け 入 れを 行 った 結 果 、 翌 日 12 日 ( 土 )の 1:00<br />

現 在 で 約 630 人 が 滞 在 していたものの、 十 分 な 受 け 入 れ 態 勢 を 整 えることができなかったこと<br />

から、この 対 策 としての 多 目 的 スペースの 確 保 、 一 時 避 難 に 対 応 したセキュリティー 確 保 や、<br />

災 害 対 策 車 両 用 の 燃 料 確 保 などが 挙 げられた。また、 本 市 と 同 様 に、 地 下 に 機 械 ・ 設 備 類 を 設<br />

置 していたため、 津 波 による 浸 水 被 害 を 受 けた 被 災 自 治 体 からは、 津 波 の 影 響 を 受 けない 場 所<br />

へ 機 械 ・ 設 備 類 を 設 置 することや、 非 常 用 発 電 機 などのための 燃 料 保 管 庫 の 設 置 等 も 課 題 とし<br />

て 挙 げられた。<br />

13


3) 現 在 の 本 庁 舎 機 能 としての 課 題<br />

1 市 民 サービス 機 能 が 不 十 分<br />

・ 庁 舎 の 分 散 化 については、 業 務 の 非 効 率 化 とともに、 全 ての 利 用 者 にとって、 手 続 きや 相 談 等 の<br />

市 民 サービスが 利 用 しづらい 状 況 となっています。<br />

・ロビーが 狭 あい、 狭 い 廊 下 に 面 して 窓 口 があるなど、プライバシー 保 護 に 配 慮 した 窓 口 スペース<br />

や 待 合 スペースとなっていないため、 施 設 面 では、 利 用 者 が 満 足 できるサービスレベルとなって<br />

いません。また、 市 民 ニーズに 対 応 する 市 民 交 流 スペースや、 休 憩 ・ 昼 食 スペースを 十 分 に 確 保<br />

できない 状 況 となっています。<br />

14


2ユニバーサルデザイン・バリアフリー 対 応 が 不 十 分<br />

・ 誰 もが 利 用 しやすい 施 設 づくりを 目 指 し、ユニバーサルデザイン・バリアフリーの 実 現 を 図 る「バ<br />

リアフリー 法 」 及 び「 神 奈 川 県 みんなのバリアフリー 街 づくり 条 例 」に 適 合 する 施 設 が 求 められ<br />

るため、 施 設 改 修 の 際 などにバリアフリー 化 を 進 めていますが、 改 修 が 困 難 な 箇 所 もあり、 車 椅<br />

子 用 エレベーターの 設 置 、 車 椅 子 用 スロープの 設 置 、 手 すりの 設 置 や、 多 様 な 情 報 手 段 による <strong>案</strong><br />

内 表 示 などについて、 十 分 に 対 応 できていない 状 況 となっています。<br />

・ 執 務 スペース 等 についても、 分 散 化 、 狭 あい 化 などにより、ユニバーサルデザイン・バリアフリ<br />

ー 化 への 対 応 が 不 十 分 であり、 誰 もが 働 きやすい 環 境 となっていません。<br />

15


3 庁 舎 の 狭 あい、 分 散 による 業 務 の 非 効 率<br />

・ 現 在 の 本 庁 舎 は、 新 たに 必 要 となる 執 務 室 等 について、 各 分 庁 舎 の 整 備 や、 出 先 機 関 にスペース<br />

を 求 めるなどして、 執 務 室 の 確 保 に 対 応 してきました。このため、 耐 震 性 の 問 題 による 分 庁 舎 の<br />

廃 止 に 伴 って 敷 地 外 の 鎌 倉 水 道 営 業 所 庁 舎 等 に 一 部 機 能 を 移 転 しているほか、 敷 地 内 でも 本 庁 舎 、<br />

第 3 分 庁 舎 、 第 4 分 庁 舎 に 分 散 しているなど、 分 散 によって 業 務 が 非 効 率 となっています。<br />

・ 狭 あいな 状 況 は、 本 市 の 職 員 一 人 当 たり 庁 舎 面 積 が 13.3 m2/ 人 と、 下 記 の 平 成 22(2010) 年 以<br />

降 に 整 備 ( 整 備 中 含 む)されている 他 自 治 体 の 本 庁 舎 の 整 備 事 例 の 平 均 28.2 m2/ 人 と 比 較 して 半<br />

分 程 度 となっており、 執 務 スペースだけでなく、 会 議 室 や 書 庫 ・ 保 管 庫 等 も 十 分 に 確 保 できてい<br />

ない 状 況 です。 単 純 に 執 務 スペースだけを 民 間 のオフィスビルと 比 べても、 半 分 程 度 しか 確 保 で<br />

きていません。<br />

図 表 1-4 他 自 治 体 の 職 員 数 と 庁 舎 面 積<br />

建 設 年 ( 予 定 含 む) 庁 舎 職 員 数 庁 舎 面 積 職 員 当 たり 庁 舎 面 積<br />

埼 玉 県 北 本 市 2014 308 人 9,708 m2 31.5 m2/ 人<br />

愛 知 県 半 田 市 2015 448 人 14,871 m2 33.2 m2/ 人<br />

徳 島 県 阿 南 市 2016 535 人 17,594 m2 32.9 m2/ 人<br />

栃 木 県 佐 野 市 2015 550 人 17,459 m2 31.7 m2/ 人<br />

東 京 都 立 川 市 2010 590 人 20,016 m2 33.9 m2/ 人<br />

東 京 都 青 梅 市 2010 600 人 19,818 m2 33.0 m2/ 人<br />

滋 賀 県 長 浜 市 2014 600 人 18,694 m2 31.2 m2/ 人<br />

福 岡 県 飯 塚 市 2017 601 人 17,958 m2 29.9 m2/ 人<br />

長 野 県 安 曇 野 市 2015 604 人 16,325 m2 27.0 m2/ 人<br />

宮 崎 県 延 岡 市 2017 640 人 18,295 m2 28.6 m2/ 人 平 均<br />

神 奈 川 県 茅 ヶ 崎 市 2015 683 人 17,926 m2 26.2 m2/ 人 28.2 m2/ 人<br />

山 口 県 周 南 市 2018 739 人 20,100 m2 27.2 m2/ 人<br />

山 梨 県 甲 府 市 2013 820 人 22,238 m2 27.1 m2/ 人<br />

茨 城 県 日 立 市 2017 853 人 25,465 m2 29.9 m2/ 人<br />

広 島 県 呉 市 2015 1,000 人 29,273 m2 29.3 m2/ 人<br />

神 奈 川 県 平 塚 市 2016 1,017 人 26,606 m2 26.2 m2/ 人<br />

愛 知 県 一 宮 市 2014 1,150 人 31,140 m2 27.1 m2/ 人<br />

神 奈 川 県 藤 沢 市 2018 1,220 人 33,477 m2 27.4 m2/ 人<br />

秋 田 県 秋 田 市 2016 1,250 人 31,446 m2 25.2 m2/ 人<br />

東 京 都 町 田 市 2012 1,314 人 37,316 m2 28.4 m2/ 人<br />

( 参 考 ) 鎌 倉 市 ( 本 庁 舎 敷 地 のみ) 947 人 12,561 m2 13.3 m2/ 人<br />

16


4 不 十 分 なセキュリティー<br />

・ 通 常 の 開 庁 時 間 中 、その 前 後 や 土 曜 日 の 一 部 開 庁 時 等 に 開 庁 エリアがグリルシャッター 等 で 物 理<br />

的 に 区 画 されていないなど、 個 人 や 行 政 情 報 の 保 護 ・ 管 理 のためのセキュリティーが 脆 弱 です。<br />

また、 立 入 禁 止 エリアの 管 理 、 職 員 や 職 員 以 外 の 入 退 館 の 管 理 にも 課 題 があります。<br />

5 情 報 化 への 対 応 の 限 界<br />

・ 床 を 二 重 化 することにより、パソコンやプリンターといった IT 機 器 の 床 下 配 線 を 可 能 とした OA<br />

フロア 化 している 執 務 空 間 が 一 部 に 見 られるものの 部 分 的 な 導 入 であり、 廊 下 との 段 差 があるな<br />

ど 安 全 性 の 問 題 があります。<br />

・OA フロア 化 されていない 箇 所 は、 床 上 にケーブル 配 線 されているなど 安 全 性 の 問 題 があり、 狭 あ<br />

いな 執 務 室 も 含 めて、 今 後 の 情 報 通 信 機 器 の 整 備 ・ 拡 張 ・ 配 置 変 更 に 対 する 十 分 な 対 応 ができな<br />

い 状 況 です。なお、IT 機 器 の 増 加 等 に 対 応 して 電 源 ケーブルの 後 付 け 壁 配 線 なども 目 立 ちます。<br />

・ 建 物 の 耐 震 化 、 個 別 システム 化 に 伴 うサーバー 室 の 確 保 及 びサーバー 等 の 什 器 備 品 類 の 耐 震 化 (サ<br />

ーバー 等 の 中 層 階 以 上 に 配 置 )、 災 害 時 等 における 停 電 時 の 電 源 確 保 等 、セキュリティー 確 保 も 含<br />

めた 対 応 が 必 要 な 状 況 です。<br />

17


3. 本 庁 舎 整 備 に 必 要 な 面 積 の 算 定<br />

庁 舎 の 面 積 については、 基 礎 調 査 にて、 庁 舎 の 分 散 化 を 解 消 し、 集 約 化 を 図 ることを 目 標 とした 検<br />

討 を 前 提 とし、 他 自 治 体 でも 一 般 的 に 算 定 基 準 として 用 いられている 基 準 などを 参 考 に、 次 のとおり<br />

算 出 しました。<br />

図 表 1-5<br />

総 務 省 基 準 等 に 基 づき 算 定 した 庁 舎 面 積<br />

算 定 方 法 ・ 根 拠<br />

算 定 された 庁 舎 面 積<br />

平 成 22 年 度 地 方 債 同 意 等 基 準 運 用 要 綱 の 算 定 式 総 務 省 基 準 30,618 m2 ※1<br />

新 営 一 般 庁 舎 面 積 算 定 基 準 の 算 定 式 国 土 交 通 省 基 準 27,262 m2 ※1<br />

本 市 職 員 数 を 基 にした 算 出 他 自 治 体 事 例 32,471 m2<br />

本 市 将 来 人 口 を 基 にした 算 出 他 自 治 体 事 例 22,926 m2<br />

※1 総 務 省 及 び 国 土 交 通 省 の 基 準 には 防 災 機 能 や 市 民 交 流 スペースを 考 慮 していないため、 近 年 整 備 された 他 都 市 の 庁 舎 面 積 と 同 基 準<br />

を 比 較 した 結 果 、 総 務 省 基 準 の1.1406 倍 、 国 土 交 通 省 基 準 の1.4419 倍 であることから、これら 数 値 を 乗 じて 補 正 している。<br />

相 関 性 の 高 い 総 務 省 基 準 から 算 出 したものを 必 要 面 積 の 上 限 として、 国 土 交 通 省 基 準 や 他 自 治 体 事<br />

例 の 人 口 より 算 出 した 面 積 を 踏 まえて 下 限 を 設 定 し、 必 要 な 庁 舎 面 積 を 次 の 範 囲 と 考 えます。<br />

■ 必 要 な 庁 舎 面 積 の 範 囲 : 約 25,000~30,000 m2<br />

なお、 上 記 の 総 務 省 基 準 及 び 国 土 交 通 省 基 準 においては、 総 務 省 基 準 に 規 定 のある 議 事 堂 ( 議 場 、<br />

委 員 会 室 及 び 議 員 控 室 ( 議 員 定 数 26 名 として 算 出 ))の 基 準 を 採 用 又 は 準 用 して、 庁 舎 面 積 を 算 出 し<br />

ています。また、 他 自 治 体 の 事 例 においては、 議 場 等 の 面 積 を 含 んだ 他 自 治 体 の 庁 舎 面 積 を 比 較 する<br />

ことで、 本 市 に 必 要 な 庁 舎 面 積 を 算 出 しています。<br />

この 算 出 における 職 員 数 は、 上 述 の 前 提 とともに、 再 編 計 画 による 各 支 所 の 証 明 書 発 行 業 務 の 縮 小 、<br />

窓 口 業 務 の 本 庁 舎 などへの 集 約 により、 下 図 表 のとおり 想 定 しています。<br />

図 表 1-6 職 員 数 の 設 定 ( 座 席 数 で 換 算 )<br />

職 員 数<br />

( 人 )<br />

参 考<br />

( 現 状 の 床 面 積 (m2))<br />

本 庁 舎 ( 第 三 分 庁 舎 等 含 む) 947 12,560.63<br />

本 庁 舎 11,776.13 917<br />

第 三 分 庁 舎 542.04 30<br />

第 四 分 庁 舎 242.46 0<br />

集 約 化 検 討 部 署 ※2 ( 所 在 施 設 名 ) 205 2,859.93<br />

スポーツ 課 ( 鎌 倉 武 道 館 ) 62.50 13<br />

腰 越 支 所 ※3 ( 腰 越 行 政 センター) 660.80 19<br />

深 沢 支 所 ※3 ( 深 沢 行 政 センター) 477.25 18<br />

大 船 支 所 ※3 ( 大 船 行 政 センター) 389.76 22<br />

玉 縄 支 所 ※3 ( 玉 縄 行 政 センター) 444.56 6<br />

発 達 支 援 室 ( 福 祉 センター) 77.50 15<br />

下 水 道 河 川 課 下 水 道 担 当 ( 一 部 )・ 河 川 担 当 ( 浄 化 センター) 153.75 16<br />

拠 点 整 備 部 ( 大 船 駅 周 辺 整 備 事 務 所 ) 364.44 19<br />

教 育 委 員 会 ※4 ・ 監 査 委 員 会 ( 鎌 倉 水 道 営 業 所 ) 229.37 77<br />

合 計 1,152 15,420.56<br />

※2 集 約 化 を 行 なう 際 に 必 要 となる 庁 舎 の 面 積 を 試 算 するためにリストアップしたものであり、 集 約 化 が 確 定 したものではない。ただし、 再 編 計 画 にて<br />

各 支 所 業 務 については 見 直 しを 行 い、 市 役 所 本 庁 舎 等 に 業 務 を 集 約 することを 検 討 するとしている。<br />

※3 地 域 活 動 支 援 機 能 は、 今 後 整 備 する 地 域 拠 点 校 に 配 置 予 定 。<br />

※4 学 務 課 学 務 担 当 、 文 化 財 部 は 現 在 も 本 庁 舎 に 配 置 。<br />

18


図 表 1-7 再 編 計 画 における 本 庁 舎 ・ 支 所 の 機 能 について<br />

必 要 な 庁 舎 面 積 として 示 した 範 囲 は、 検 討 に 必 要 な 目 安 を 算 出 したものであり、 今 後 の 行 財 政 改 革<br />

により、 更 なる 組 織 ・ 業 務 の 縮 小 の 可 能 性 もあるため、 今 後 、 本 庁 舎 整 備 に 向 けた 設 計 段 階 でさらに<br />

詳 細 な 検 討 を 行 う 際 には、 今 回 整 理 した 数 値 を 基 本 とし、その 時 点 の 状 況 を 踏 まえて、 必 要 に 応 じて<br />

増 減 を 行 っていくものです。<br />

本 庁 舎 整 備 内 容 が 固 まった 後 の 将 来 の 人 口 動 向 、 行 政 需 要 や 権 限 移 譲 による 業 務 ・ 組 織 が 置 かれる<br />

状 況 による 必 要 な 庁 舎 面 積 の 変 動 への 対 応 について、 現 時 点 では「レイアウトに 自 由 度 を 持 たせる」<br />

「 他 の 機 能 を 入 れていく」など、 柔 軟 に 対 応 できる 計 画 としていくなど、 本 庁 舎 整 備 に 向 けた 今 後 の<br />

取 組 の 中 で 検 討 していきます。<br />

19


4. 現 在 の 本 庁 舎 敷 地 の 諸 条 件 等<br />

1) 地 域 地 区<br />

現 在 の 本 庁 舎 敷 地 の 用 途 地 域 は、 第 二 種 住 居 地 域 ( 建 ぺい 率 60%、 容 積 率 200%)となっています。<br />

日 影 規 制 は 図 表 1-8 の 通 りとなっています。<br />

図 表 1-8 現 在 の 本 庁 舎 敷 地 周 辺 の 用 途 地 域 図<br />

図 表 1-9 現 在 の 本 庁 舎 敷 地 周 辺 の 日 影 規 制<br />

用 途 地 域<br />

平 均 地 盤 面<br />

からの 高 さ<br />

敷 地 境 界 線 からの 水 平<br />

距 離 が 10m 以 内 の 範 囲<br />

日 影 時 間<br />

敷 地 境 界 線 からの 水 平 距<br />

離 が 10mを 超 える 範 囲<br />

第 1 種 低 層 住 居 専 用 地 域 - 3 時 間 2 時 間<br />

第 1 種 中 高 層 住 居 専 用 地 域 4m 4 時 間 2.5 時 間<br />

第 2 種 住 居 地 域 4m 5 時 間 3 時 間<br />

20


2) 高 さなどの 制 限<br />

本 庁 舎 敷 地 には 風 致 地 区 が 指 定 されています。また、 北 側 に 隣 接 して 景 観 地 区 は 指 定 されています。<br />

1 風 致 地 区<br />

・ 本 庁 舎 敷 地 は 第 3 種 風 致 地 区 に 指 定 されており、 建 築 について 以 下 の 基 準 が 定 められています。<br />

図 表 1-10 現 在 の 本 庁 舎 敷 地 周 辺 の 風 致 地 区 指 定 の 制 限<br />

建 築 物<br />

の 高 さ<br />

建 ぺい 率<br />

道 路 に 面 する 部 分<br />

壁 面 後 退 距 離<br />

道 路 に 面 する 部 分 以 外 の 部 分<br />

緑 化 率<br />

10m 10 分 の 4 1.5m 1.0m 10 分 の 2<br />

2 景 観 地 区<br />

・ 本 市 においては、 鎌 倉 駅 ・ 若 宮 大 路 を 中 心 とする 市 街 地 において 鎌 倉 景 観 地 区 が 指 定 されていま<br />

す。 景 観 地 区 の 高 さの 最 高 限 度 は 15m( 第 一 種 低 層 住 居 地 域 に 指 定 されている 区 域 は 10m)と<br />

なっており、 本 庁 舎 敷 地 に 隣 接 した 区 域 の 高 さ 制 限 は 15mです。<br />

図 表 1-11 現 在 の 本 庁 舎 敷 地 周 辺 の 風 致 地 区 及 び 景 観 地 区 の 指 定 範 囲<br />

21


3 斜 線 制 限<br />

・ 北 側 道 路 に 面 して 道 路 斜 線 制 限 、その 他 の 隣 地 に 面 している 部 分 は 隣 地 斜 線 制 限 がかかっていま<br />

す。<br />

図 表 1-12 現 在 の 本 庁 舎 敷 地 周 辺 の 斜 線 制 限<br />

4 本 庁 舎<br />

・ 現 在 の 本 庁 舎 の 建 物 は 4 階 建 、 建 築 基 準 法 上 の 高 さ 約 20mであり、 風 致 地 区 の 高 さ 制 限 10mを<br />

超 過 しています ※ 。<br />

図 表 1-13 本 庁 舎 の 立 面 及 び 高 さ 制 限<br />

※ 参 考 : 隣 接 する 周 辺 にかかる 景 観 地 区 の 高 さ 制 限 は15m<br />

5 風 致 地 区 における 制 限 の 超 過 について<br />

・ 現 在 地 で 建 替 える 場 合 は、 風 致 地 区 の 高 さ 制 限 ( 場 合 によって 建 ぺい 率 制 限 )を 超 えることを 前<br />

提 としなければ、 前 述 の 本 庁 舎 整 備 に 必 要 な 面 積 を 確 保 できません。<br />

22


3) 周 知 の 埋 蔵 文 化 財 包 蔵 地<br />

現 在 の 本 庁 舎 敷 地 は 周 知 の 埋 蔵 文 化 財 包 蔵 地 ( 今 小 路 西 遺 跡 )に 該 当 しています。<br />

鎌 倉 市 においては、 昭 和 46 年 度 から 地 権 者 の 協 力 のもと 埋 蔵 文 化 財 の 本 格 的 な 発 掘 調 査 を 行 って<br />

いますが、それ 以 前 の 昭 和 44 年 に 整 備 された 本 庁 舎 については、 発 掘 調 査 をしないままに、 本 庁 舎<br />

のうち 議 会 棟 を 除 く 部 分 及 び 地 下 駐 車 場 等 では、 掘 割 して 地 下 を 利 用 しています。その 後 、 議 員 控 室<br />

の 増 築 、 分 庁 舎 ( 現 在 は 解 体 済 )、 第 2 分 庁 舎 、 第 3 分 庁 舎 、 第 4 分 庁 舎 の 建 設 に 当 たっては、 埋 蔵 文<br />

化 財 に 影 響 を 与 えずに 整 備 しています。<br />

一 方 で、 南 側 に 隣 接 する 御 成 小 学 校 ( 平 成 10 年 改 築 終 了 )において、 昭 和 59 年 から 平 成 4 年 にか<br />

けての 発 掘 調 査 で 中 世 の 都 市 遺 構 ( 武 家 屋 敷 及 び 居 住 地 域 など) 及 びその 下 の 古 代 の 郡 衙 と 推 定 され<br />

る 官 衙 施 設 遺 構 群 が 発 見 されており、その 後 の 継 続 的 な 発 掘 調 査 を 踏 まえて、 最 終 的 に 埋 め 戻 して 保<br />

存 する 形 で 改 築 工 事 が 行 われています。 未 発 掘 部 分 、 発 掘 後 埋 め 戻 された 部 分 を 含 めて、 基 礎 形 式 に<br />

は、 厚 さ 50cm のマットスラブを 採 用 し、 遺 構 面 直 上 の 地 盤 に 建 物 を 直 接 支 持 させる 直 接 基 礎 (ベタ<br />

基 礎 )で 計 画 されています。 地 盤 の 弾 性 係 数 を 踏 まえると 即 時 沈 下 量 は 約 2.5cm 程 度 にとどまり、マ<br />

ットスラブ 打 設 時 にほとんど 進 行 して 落 ち 着 くと 思 われ、 地 下 遺 構 面 の 破 壊 は 考 えられないことから、<br />

本 工 法 は 採 用 されました。<br />

現 在 地 建 替 えを 行 う 際 には、すでに 地 下 を 利 用 している 部 分 は 未 掘 削 部 分 を 掘 削 せずに3 階 建 以 上<br />

の 建 物 の 整 備 が 可 能 と 思 われるが、それ 以 外 の 部 分 において 整 備 する 場 合 は、 今 小 路 西 遺 跡 内 の 敷 地<br />

であることを 考 えると、 埋 蔵 文 化 財 包 蔵 地 であることを 踏 まえた 確 認 調 査 ・ 事 前 発 掘 調 査 ・ 遺 跡 保 存<br />

等 が 必 要 となる 可 能 性 が 高 く、これを 回 避 して 遺 構 に 影 響 を 与 えないためには、 御 成 小 学 校 と 同 様 に、<br />

マットスラブ 上 で 最 大 でも2 階 建 の 高 さの 軽 量 の 建 築 物 とする 必 要 があると 思 われます。<br />

図 表 1-14 本 庁 舎 敷 地 の 埋 蔵 文 化 財 の 可 能 性<br />

※<br />

※ 鎌 倉 市 教 育 委 員 会 に 確 認 して 作 成<br />

23


第 2 章 整 備 パターンの 評 価 について<br />

1. 整 備 パターンの 設 定<br />

1) 整 備 パターンの 設 定 の 基 本 的 な 考 え 方<br />

必 要 な 庁 舎 面 積 として 算 出 した 約 25,000~30,000 m2に 対 して、どのような 本 庁 舎 整 備 のパターン<br />

が 考 えられるか、 再 編 計 画 に 基 づき「 現 在 地 建 替 え」、「 現 在 地 長 寿 命 化 」、「その 他 の 用 地 への 移 転 」<br />

( 移 転 建 替 え)の 方 策 をベースに 整 理 します。<br />

その 際 、「 現 在 地 建 替 え」、「 現 在 地 長 寿 命 化 」については、 関 係 法 令 等 の 諸 制 限 を 条 件 として 設 定<br />

し、 <strong>案</strong> 1( 現 在 地 建 替 え)、 <strong>案</strong> 2( 現 在 地 長 寿 命 化 )は 諸 制 限 の 遵 守 をベースとし、 参 考 シミュレー<br />

ト( 参 考 A~C)は 制 限 の 一 部 緩 和 などを 仮 定 し、 整 備 パターンを 整 理 します。<br />

図 表 2-1 整 備 パターンの 設 定 の 基 本 的 な 考 え 方<br />

整 備 パターン<br />

<strong>案</strong> 1~3<br />

参 考 シミュレート( 参 考 A~C)<br />

考 え 方<br />

埋 蔵<br />

文 化 財<br />

風 致<br />

地 区<br />

制 限<br />

用 途<br />

地 域<br />

制 限<br />

下 記 の 条 件 への 配 慮 や<br />

関 係 法 令 等 の 遵 守 をベースにした 検 討<br />

○ 想 定 される 埋 蔵 文 化 財 への 影 響 を 最 小 限 とする<br />

・ 現 庁 舎 整 備 の 際 に 地 下 を 活 用 している 部 分 のみ3<br />

階 建 以 上 を 可 能 とする<br />

・ 上 記 部 分 以 外 は 最 大 2 階 建 とする( 埋 蔵 文 化 財<br />

への 影 響 の 少 ないマットスラブ 等 を 想 定 ※ )<br />

※ 遺 構 面 直 上 の 地 盤 上 に 基 礎 を 設 けて 建 物 を 直<br />

接 支 持 する。<br />

・ 高 さ 制 限 10m 及 び 建 ぺい 率 制 限 40%の 制 限 を<br />

遵 守 する<br />

左 記 によらないものとして、<br />

関 係 法 令 等 の 一 部 緩 和 などを 仮 定 した 検 討<br />

-<br />

・ただし 書 き 適 用 などで 制 限 超 過 を 許 容 する( 高 さ<br />

制 限 は 建 築 基 準 法 に 従 い、 建 ぺい 率 も 建 築 基 準 法<br />

の 用 途 地 域 に 基 づく 60%までとするなど)<br />

・ 現 行 用 途 地 域 ( 第 二 種 住 居 地 域 200%) ・ 北 側 周 辺 エリアなども 含 めた 用 途 地 域 の 変 更 ( 商<br />

業 地 域 400%: 日 影 規 制 の 対 象 外 )<br />

※ 整 備 パターンのイメージについては、<br />

参 考 資 料 参 照<br />

関 係 法 令 等 との 関 係 性<br />

風 致 地 区 等 の 制 限 の<br />

遵 守 が 前 提<br />

風 致 地 区 等 の 制 限 の<br />

超 過 が 前 提<br />

( 参 考 シミュレート)<br />

必 要 な 庁 舎 面 積 から<br />

想 定 される 整 備 パターン<br />

風 致 地 区<br />

用 途 地 域<br />

<strong>案</strong> 1 現 在 地 建 替 え 遵 守<br />

遵 守<br />

<strong>案</strong> 2 現 在 地 長 寿 命 化 (+ 増 築 ) 遵 守 ( 増 築 部 のみ)<br />

<strong>案</strong> 3<br />

移 転 建 替 え<br />

風 致 地 区 制 限 の 本 庁 舎 を 建 設 可 能 な<br />

対 象 外 の 用 地 用 途 地 域<br />

参 考 A<br />

現 在 地 建 替 え<br />

遵 守<br />

参 考 B 現 在 地 長 寿 命 化 ( 一 部 除 却 + 増 築 ) 超 過<br />

参 考 C 現 在 地 建 替 え 変 更<br />

25


2) 機 能 面 から 考 える 整 備 パターン<br />

現 在 の 行 政 機 能 は、 敷 地 内 に 別 棟 の 庁 舎 が 整 備 されるだけでなく、 敷 地 外 にも 分 散 しています。<br />

これらの 行 政 機 能 や 公 共 施 設 を 集 約 ・ 複 合 化 することでコストの 削 減 を 図 ることが 期 待 できますが、<br />

現 在 地 の 関 係 法 令 等 の 制 限 下 では 建 てられる 規 模 を 器 に 入 る 容 量 で 例 えると 下 図 で 示 したようなイ<br />

メージとなり、 行 政 機 能 を 集 約 した 本 庁 舎 の 整 備 は 困 難 な 状 況 にあります。そのため、 特 に 現 在 地<br />

建 替 えや 現 在 地 長 寿 命 化 の 場 合 は、 現 在 地 には 配 置 できない 機 能 が 生 じてしまうことを 考 慮 する 必<br />

要 があります。<br />

また、 学 習 センターをはじめとする 鎌 倉 地 域 の 公 共 施 設 も 再 編 が 必 要 なこと、 公 共 施 設 の 更 新 や<br />

維 持 管 理 に 民 間 活 力 や 民 間 のノウハウの 活 用 の 機 運 が 高 まっていることもあり、 現 在 地 については<br />

鎌 倉 駅 周 辺 というポテンシャルの 高 さを 活 かし、 活 用 方 法 を 考 慮 する 必 要 もあるといえます。<br />

例 えば 長 岡 市 では、 駅 前 に 中 心 市 街 地 活 性 化 事 業 として 整 備 した 市 民 協 働 型 シティホールとなる<br />

市 役 所 (アオーレ 長 岡 )の 機 能 と、 別 の 施 設 や 市 民 センターに 配 置 した 行 政 機 能 を 整 理 して 配 置 し<br />

ています。 本 市 の 本 庁 舎 整 備 の 検 討 にあたって、 鎌 倉 地 域 での 必 要 な 市 民 サービス 機 能 などの 行 政<br />

機 能 を 確 保 する 必 要 があることも 踏 まえ、 現 在 地 にあるべき 機 能 や 公 共 施 設 再 編 等 を 実 現 するため<br />

の 機 能 、 別 敷 地 に 移 転 する 機 能 を 想 定 した 上 で、 整 備 パターンの 検 討 を 進 めます。<br />

図 表 2-2 本 庁 舎 整 備 における 機 能 配 置 の 基 本 的 な 考 え 方<br />

26


3) 機 能 面 を 考 慮 した 整 備 パターンの 設 定<br />

「 現 在 地 建 替 え」、「 現 在 地 長 寿 命 化 」、「その 他 の 用 地 への 移 転 」の3つの 方 策 をベースにした 整<br />

備 パターンの 分 類 に、 策 定 委 員 会 や 市 民 対 話 の 議 論 などを 受 け、 機 能 の 配 置 を 考 慮 した 上 で 整 備 パ<br />

ターンを 更 に 細 かく 考 えていきます。<br />

<strong>案</strong> 1~3の 整 備 パターンは、いずれも 現 在 地 以 外 に 別 敷 地 ( 移 転 先 )を 必 要 とします。このこと<br />

から、 現 在 地 及 び 別 敷 地 ( 移 転 先 )に 対 して 本 庁 舎 の 行 政 機 能 若 しくは 本 庁 舎 に 関 連 する 行 政 機 能<br />

を 別 敷 地 ( 移 転 先 )にどのように 配 置 するか 着 目 し、 再 編 計 画 に 基 づいて 検 討 すべき 鎌 倉 生 涯 学 習<br />

センター、 中 央 図 書 館 、 福 祉 センター( 以 下 、「 学 習 C 等 」という。)の 機 能 集 約 化 の 可 能 性 などを<br />

コスト 縮 減 の 観 点 からも 組 合 せて 検 討 するものです。<br />

それぞれ 行 政 機 能 のボリューム・ 配 置 バランスや 他 の 機 能 の 複 合 化 などを 考 慮 し、 <strong>案</strong> 1~3につ<br />

いて <strong>案</strong> 1-1~3-2の 6 つに 細 分 化 し、これらの 整 備 パターンのイメージを 設 定 します。なお、<br />

参 考 シミュレートとして、 法 令 等 の 制 限 の 変 更 等 が 必 要 となる 参 考 A~Cの3つについてのイメー<br />

ジも 併 記 しました。( 図 2-3)<br />

このイメージから 分 かるように、いずれにしても 行 政 機 能 が 現 在 地 に 多 少 なりとも 残 ることや 必<br />

要 に 応 じて 配 置 することとなれば、 行 政 機 能 の 配 置 バランスにより 現 在 地 のあり 方 が 変 わってくる<br />

ことが 分 かります。つまり、 現 在 地 と 別 敷 地 ( 移 転 先 )の2 箇 所 にそもそも 行 政 機 能 を 配 置 する <strong>案</strong><br />

1( 現 在 地 建 替 え)の 整 備 パターンと、 <strong>案</strong> 3において 現 在 地 にもの 行 政 機 能 を 配 置 する 整 備 パター<br />

ンは、 現 在 地 と 別 敷 地 ( 移 転 先 )の2 箇 所 の 行 政 機 能 の 配 置 バランス 次 第 で 似 通 ったものともいえ<br />

ます。<br />

27


-<br />

-<br />

-<br />

-<br />

図 表 2-3 機 能 面 を 考 慮 した 整 備 パターンの 設 定<br />

整 備 パターン 現 在 地 別 敷 地 ( 移 転 先 )<br />

現 在 地 で 本 庁 舎 を 建 替 えて<br />

新 たに 庁 舎 を 建 設 し、 行 政 機 能 ( 一<br />

部 )を 配 置<br />

行 政 機 能<br />

( 建 替 え)<br />

行 政 機 能<br />

( 新 設 )<br />

<strong>案</strong><br />

1<br />

<strong>案</strong><br />

2<br />

<strong>案</strong><br />

1<br />

1<br />

<strong>案</strong><br />

1<br />

2<br />

<strong>案</strong><br />

2<br />

1<br />

<strong>案</strong><br />

2<br />

2<br />

現 在 地<br />

建 替 え<br />

( 一 部 は 別 敷 地 で<br />

確 保 )<br />

現 在 地<br />

建 替 え<br />

( 一 部 は 別 敷 地 で<br />

確 保 )<br />

+ 鎌 倉 地 域 の<br />

再 編<br />

現 在 地<br />

長 寿 命 化<br />

( 一 部 は 別 敷 地 で<br />

確 保 )<br />

現 在 地<br />

長 寿 命 化<br />

( 一 部 は 別 敷 地 で<br />

確 保 )<br />

+ 鎌 倉 地 域 の<br />

再 編<br />

・ 現 在 地 だけで 行 政 機 能 を 集 約 した 本 庁 舎 の 整 備 はできない。<br />

( 現 在 地 だけで 行 政 機 能 を 集 約 した 本 庁 舎 を 整 備 するためには、 現 行 法 令 によ<br />

る 規 制 の 変 更 等 を 要 する 参 考 C の 整 備 パターンを 選 ぶほかない( <strong>案</strong> 1-2、<br />

<strong>案</strong> 2も 同 様 )。)<br />

・ 現 在 地 と 別 敷 地 の2 極 化 となり、 複 合 化 ・ 集 約 化 等 を 取 組 方 針 に 掲 げる 再 編 計<br />

画 の 主 旨 と 一 致 しない<br />

現 在 地 での 本 庁 舎 を 建 替 えに 併 せて 学<br />

習 C 等 を 移 転 複 合 化 ( 別 敷 地 での 整 備 面 積<br />

を 調 整 )<br />

中 央 図 書 館<br />

鎌 倉 生 涯 学 習 C ⇒<br />

福 祉 C<br />

( 鎌 倉 地 域 の<br />

公 共 施 設 )<br />

新 たに 庁 舎 を 建 設 し、 行 政 機 能 ( 一<br />

部 )を 配 置<br />

・ 現 在 地 だけで 行 政 機 能 を 集 約 した 本 庁 舎 は 整 備 できないものの、 学 習 C 等 を<br />

複 合 化 することで、 現 在 地 をより 市 民 が 利 用 できる 場 所 としていくとともに、 鎌<br />

倉 地 域 の 公 共 施 設 の 再 編 による 公 共 施 設 にかかるコストの 削 減 が 図 れる。<br />

・ 集 約 化 できないため、 現 在 地 と 別 敷 地 の 機 能 ( 面 積 )の 配 分 について、 別 敷 地<br />

を 大 きくしていくと <strong>案</strong> 3( 移 転 )と 近 似 していく。( <strong>案</strong> 2-2も 同 様 )。)<br />

本 庁 舎 建 物 を 長 寿 命 化<br />

・ 建 物 を 長 寿 命 化 する 以 外 は、 <strong>案</strong> 1-1とほぼ 同 様 。<br />

本 庁 舎 建 物 の 長 寿 命 化 に 併 せて 学 習 C<br />

等 を 移 転 複 合 化 ( 別 敷 地 での 整 備 面 積 を 調<br />

整 )<br />

中 央 図 書 館<br />

鎌 倉 生 涯 学 習 C ⇒<br />

福 祉 C<br />

( 鎌 倉 地 域 の<br />

公 共 施 設 )<br />

学 習 C<br />

等<br />

学 習 C<br />

等<br />

行 政 機 能<br />

( 建 替 え)<br />

行 政 機 能<br />

( 長 寿 命 化 )<br />

既 存<br />

建 物<br />

既 存<br />

建 物<br />

行 政 機 能<br />

( 長 寿 命 化 )<br />

・ 建 物 を 長 寿 命 化 する 以 外 は、 <strong>案</strong> 1-2とほぼ 同 様 。<br />

行 政 機 能<br />

( 新 設 )<br />

新 たに 庁 舎 を 建 設 し、 行 政 機 能 ( 一<br />

部 )を 配 置<br />

行 政 機 能<br />

( 新 設 )<br />

新 たに 庁 舎 を 建 設 し、 行 政 機 能 ( 一<br />

部 )を 配 置<br />

行 政 機 能<br />

( 新 設 )<br />

28


-<br />

-<br />

-<br />

<strong>案</strong><br />

3<br />

参 考<br />

A<br />

整 備 パターン 現 在 地 別 敷 地 ( 移 転 先 )<br />

<strong>案</strong><br />

3<br />

1<br />

<strong>案</strong><br />

3<br />

2<br />

<strong>案</strong><br />

3<br />

1<br />

・2<br />

共<br />

通<br />

移 転<br />

( 別 敷 地 へ 全 部 ま<br />

たは 大 部 分 を 移 転 )<br />

現 在 地<br />

建 替 え<br />

( 風 致 地 区 制 限 を<br />

超 過 )<br />

現 庁 舎 を 解 体 し、 学 習 C 等 、 民 間 施 設 、<br />

行 政 機 能 を 複 合 化 ( 跡 地 利 用 )<br />

中 央 図 書 館<br />

鎌 倉 生 涯 学 習 C ⇒<br />

福 祉 C<br />

( 鎌 倉 地 域 の<br />

公 共 施 設 )<br />

既 存 本 庁 舎 を 活 用 し、 学 習 C 等 、 民 間 施<br />

設 、 行 政 機 能 を 複 合 化 ( 跡 地 利 用 )<br />

中 央 図 書 館<br />

鎌 倉 生 涯 学 習 C ⇒<br />

福 祉 C<br />

( 鎌 倉 地 域 の<br />

公 共 施 設 )<br />

学 習 C<br />

等<br />

学 習 C<br />

等<br />

新 たに 本 庁 舎 を 建 設 し、 行 政 機 能 を<br />

全 部 または 大 部 分 を 配 置<br />

・いずれにしても 行 政 機 能 が 現 在 地 に 多 少 なりとも 必 要 となれば、 現 在 地 にも<br />

別 敷 地 ( 移 転 先 )にも 行 政 機 能 が 配 置 されることとなり、 現 在 地 と 別 敷 地 の2 箇<br />

所 に 行 政 機 能 を 配 置 する <strong>案</strong> 1( 現 在 地 建 替 え)のパターンの2 箇 所 のバラン<br />

スを 極 端 にした 例 に 近 似 するものともいえる。<br />

・ 行 政 機 能 の 全 部 又 は 大 部 分 を 移 転 させるため、 現 在 地 の 建 物 ・ 跡 地 利 用 を 別<br />

途 考 える 必 要 がある。<br />

・ 跡 地 を 更 地 にするかどうかで 大 きく2つのパターンが 考 えられる。<br />

・ 現 在 地 に、 学 習 C 等 や 民 間 施 設 を 複 合 化 することで、 現 在 地 をより 市 民 が 利<br />

用 できる 場 所 としていくとともに、 鎌 倉 地 域 の 公 共 施 設 の 再 編 による 公 共 施 設<br />

にかかるコストの 削 減 が 図 れる。<br />

現 在 地 で 本 庁 舎 を 建 替 え<br />

( 別 敷 地 での 整 備 面 積 を 調 整 することで、 学 習 C<br />

等 の 配 置 も 検 討 できる)<br />

行 政 機 能<br />

( 建 替 え)<br />

民 間<br />

民 間<br />

行<br />

政<br />

既 存<br />

建 物<br />

行<br />

政<br />

新 たに 庁 舎 を 建 設 し、 行 政 機 能 ( 一<br />

部 )を 配 置<br />

行 政<br />

機 能<br />

( 新 設 )<br />

行 政 機 能<br />

( 新 設 )<br />

参 考<br />

B<br />

現 在 地<br />

長 寿 命 化<br />

( 風 致 地 区 制 限 を<br />

超 過 )<br />

本 庁 舎 建 物 の 長 寿 命 化 に 併 せて 増 築<br />

( 別 敷 地 での 整 備 面 積 を 調 整 することで、 学 習 C<br />

等 の 配 置 も 検 討 できる)<br />

行 政 機 能 ( 増 築 )<br />

行 政 機 能<br />

( 長 寿 命 化 )<br />

既 存<br />

建 物<br />

新 たに 庁 舎 を 建 設 し、 行 政 機 能 ( 一<br />

部 )を 配 置<br />

行 政 機 能<br />

( 新 設 )<br />

参 考<br />

C<br />

現 在 地<br />

建 替 え<br />

( 風 致 地 区 制 限 を<br />

超 過 、 用 途 地 域 の 変<br />

現 在 地 で 本 庁 舎 を 建 替 え<br />

( 整 備 可 能 な 面 積 の 範 囲 で、<br />

学 習 C 等 の 配 置 も 検 討 できる)<br />

行 政 機 能<br />

( 建 替 え)<br />

なし<br />

更 )<br />

29


2. 整 備 パターンの 指 標 と 評 価<br />

はじめにや 第 1 章 で 整 理 した 本 庁 舎 整 備 を 進 める 背 景 、 本 庁 舎 の 抱 える 課 題 、 庁 舎 に 必 要 な 面 積<br />

に 加 え、 策 定 委 員 会 や 市 民 対 話 での 議 論 などの 結 果 を 踏 まえ、 本 庁 舎 整 備 の 評 価 指 標 を 次 のとおり<br />

に 設 定 し、 評 価 しました。<br />

1) 防 災 ・ 減 災 に 関 する 評 価 指 標<br />

大 規 模 災 害 に 対 する 安 全 性 や、 災 害 時 の 拠 点 機 能 としての 適 性 を 次 の 評 価 軸 で 評 価 します。<br />

評 価 軸 1: 災 害 等 へのリスクに 対 する 本 庁 舎 立 地<br />

【 評 価 軸 の 要 旨 】<br />

● 本 庁 舎 を 整 備 する 敷 地 において、 液 状 化 や 土 砂 災 害 、 大 雨 による 浸 水 への 評 価 や 対 策 も 必 要 である。<br />

● 災 害 時 応 急 活 動 拠 点 として、 周 辺 がどのような 状 況 となっているか、 発 災 後 も 安 全 に 活 動 できるエ<br />

リアか、 人 的 ・ 物 的 支 援 先 としてどうかを 考 える 必 要 がある。<br />

評 価 軸 2: 災 害 時 にも 強 い 本 庁 舎 構 造<br />

【 評 価 軸 の 要 旨 】<br />

● 大 地 震 動 に 対 しても 機 能 することを 想 定 した 耐 震 性 を 確 保 する。<br />

● 免 震 構 造 とするなど、 事 業 継 続 について 考 える 必 要 がある。<br />

評 価 軸 3: 災 害 時 の 対 応 力 ・ 受 援 力<br />

【 要 旨 】<br />

● 必 要 な 庁 舎 規 模 をまとめて 確 保 することで、 災 害 時 の 対 応 力 や 受 援 力 ※ を 発 揮 することができる 形<br />

態 とすることが 可 能 になる。<br />

● 必 要 な 庁 舎 規 模 をまとめて 確 保 することで、 災 害 時 に 備 えた 機 能 の 継 続 性 を 確 保 した 上 で 更 新 がで<br />

きる 形 態 とすることが 可 能 になる。<br />

※ この 整 備 方 針 では、 災 害 時 にボランティアを 受 入 れるだけでなく、 国 や 県 、 他 の 自 治 体 からの 応 援 職 員 などや 支 援 物 資 を 受 入 れ、 災 害 応 急 対 策 活 動<br />

を 円 滑 に 行 える 能 力 をいう。<br />

図 表 2-4 免 震 構 造 を 採 用 した 庁 舎 事 例<br />

茅 ヶ 崎 市 ( 新 築 、2016 年 竣 工 ) 横 浜 市 ( 耐 震 ( 免 震 ) 補 強 、2007 年 から 実 施 )<br />

・ 茅 ケ 崎 市 の 新 庁 舎 は 免 震 構 造 を 採 用 している。 ・ 横 浜 市 は、1959 年 に 竣 工 した 市 庁 舎 を 2007 年 か<br />

ら 2 か 年 かけて、 免 震 化 工 事 を 実 施 している。<br />

■ 地 下 1 階 : 免 震 装 置<br />

既 存 柱<br />

・ 免 震 装 置 を51 基 設 置<br />

し、 建 物 荷 重 を 負 担<br />

しています。<br />

弾 性 すべり 支 承<br />

ベースプレート+すべり 板<br />

引 用 : 茅 ケ 崎 市 作 成 パンフレット<br />

引 用 : 横 浜 市 作 成 資 料<br />

30


図 表 2-5 防 災 ・ 減 災 の 評 価 指 標<br />

評 価 軸 項 目 考 え 方 着 目 内 容<br />

1 災 害 等 への<br />

リスクに 対 する<br />

本 庁 舎 立 地<br />

1-1 立 地 特 性 ・ 立 地 場 所 やアクセス 経 路 の<br />

災 害 時 における 特 性<br />

・ 災 害 応 急 対 策 活 動 の 拠 点 ( 人<br />

的 ・ 物 的 支 援 先 として)の<br />

適 性<br />

・ 津 波 浸 水 想 定 の 有 無<br />

・ 洪 水 ・ 内 水 により 予 想 され<br />

る 浸 水 区 域 かどうか<br />

・ 土 砂 災 害 警 戒 区 域 かどうか<br />

・ 液 状 化 の 危 険 度<br />

・ 活 断 層 の 有 無<br />

・ 災 害 時 の 輸 送 経 路 の 安 全 性<br />

・ 災 害 応 急 対 策 活 動 の 拠 点 の<br />

適 正<br />

2 災 害 時 にも 強 い<br />

2-1 建 物 特 性<br />

・ 災 害 後 も 機 能 することを 想<br />

・ 耐 震 性 の 確 保<br />

本 庁 舎 構 造<br />

定 した 耐 震 性 の 確 保<br />

・ 免 震 構 造 の 採 用<br />

・ 免 震 構 造 の 可 否 ( 災 害 時 の<br />

業 務 継 続 の 可 能 性 )<br />

・ 耐 浪 性 ( 耐 津 波 性 能 )の 確<br />

保<br />

3 災 害 時 の 対 応 力 ・<br />

3-1 災 害 応 急 対 策<br />

・ 災 害 対 策 本 部 機 能 と 災 害 応<br />

・ 災 害 時 の 対 応 力<br />

受 援 力<br />

活 動 の 拠 点<br />

急 対 策 活 動 との 連 携 の 可 否<br />

・ 災 害 時 の 受 援 力<br />

・ 本 庁 舎 内 での 災 害 応 急 対 策<br />

活 動 の 拠 点 としての 人 的 ・<br />

・ 災 害 への 備 え<br />

物 的 な 支 援 を 受 入 れるため<br />

のスペースの 確 保<br />

31


【 防 災 ・ 減 災 の 評 価 まとめ】<br />

現 在 地 は、 津 波 浸 水 が 想 定 されていること、 災 害 時 の 輸 送 経 路 の 断 絶 の 可 能 性 が 有 ることから、<br />

防 災 ・ 減 災 の 評 価 は△~×となります。 特 に、 <strong>案</strong> 2 及 び 参 考 Bの 長 寿 命 化 は、 津 波 浸 水 により 地 下<br />

の 建 築 設 備 が 被 害 を 受 ける 可 能 性 があることから、 <strong>案</strong> 1や3 等 と 比 較 しても 評 価 が 低 くなります。<br />

なお、 <strong>案</strong> 3は 移 転 先 によるため、ここでは 評 価 はしていません。<br />

図 表 2-6 防 災 ・ 減 災 の 評 価 まとめ<br />

評 価 軸<br />

<strong>案</strong> 1<br />

( 現 在 地<br />

建 替 え)<br />

<strong>案</strong> 2<br />

( 現 在 地<br />

長 寿 命 化 )<br />

<strong>案</strong> 3<br />

( 移 転 )<br />

参 考 シミュレート<br />

( 法 令 等 の 制 限 の 変 更 等 が 必 要 )<br />

参 考 A<br />

( 現 在 地<br />

建 替 え)<br />

参 考 B<br />

( 現 在 地<br />

長 寿 命 化 )<br />

参 考 C<br />

( 現 在 地<br />

建 替 え)<br />

1 災 害 等 への<br />

リスクに 対 する<br />

本 庁 舎 立 地<br />

2 災 害 時 にも 強 い<br />

本 庁 舎 構 造<br />

3 災 害 時 の 対 応 力 ・<br />

受 援 力<br />

△ × ― △ × △<br />

浸 水 浅 い<br />

地 下 の 浸 水<br />

( 地 下 の 設<br />

備 機 器 )<br />

移 転 先 に<br />

よる<br />

(p46 参 照 )<br />

浸 水 浅 い 地 下 の 浸 水 浸 水 浅 い<br />

○ ― ○ ○ ― ○<br />

耐 震 性 あり<br />

( 免 震 は 困<br />

難 )<br />

耐 震 改 修<br />

次 第 ( 免 震<br />

化 は 困 難 )<br />

耐 震 性 あり<br />

耐 震 性 あり<br />

( 免 震 は 困<br />

難 )<br />

耐 震 改 修<br />

次 第 ( 免 震<br />

化 は 困 難 )<br />

耐 震 性 あり<br />

× × ― × × ×<br />

避 難 場 所 に<br />

は 適 さない<br />

避 難 場 所 に<br />

は 適 さない<br />

移 転 先 に<br />

よる<br />

(p46 参 照 )<br />

避 難 場 所 に<br />

は 適 さない<br />

避 難 場 所 に<br />

は 適 さない<br />

避 難 場 所 に<br />

は 適 さない<br />

評 価 まとめ △ △~× ― △ △~× △<br />

備 考<br />

本 庁 舎 の 建<br />

替 えにより 防<br />

災 ・ 減 災 へ<br />

の 対 応 は 一<br />

定 程 度 可 能<br />

であるが、 災<br />

害 時 の 輸 送<br />

経 路 の 断 絶<br />

の 可 能 性 が<br />

ある<br />

基 本 的 には<br />

防 災 ・ 減 災<br />

に 適 さ な い<br />

が 、 耐 震 改<br />

修 や 地 下 の<br />

利 用 方 法 の<br />

見 直 しが 可<br />

能 であれば<br />

評 価 は△に<br />

なる<br />

本 庁 舎 の 建<br />

替 えにより 防<br />

災 ・ 減 災 へ<br />

の 対 応 は 一<br />

定 程 度 可 能<br />

であるが、 災<br />

害 時 の 輸 送<br />

経 路 の 断 絶<br />

の 可 能 性 が<br />

ある<br />

基 本 的 には<br />

防 災 ・ 減 災<br />

に 適 さ な い<br />

が 、 耐 震 改<br />

修 や 地 下 の<br />

利 用 方 法 の<br />

見 直 しが 可<br />

能 であれば<br />

評 価 は△に<br />

なる<br />

本 庁 舎 の 建<br />

替 えにより 防<br />

災 ・ 減 災 へ<br />

の 対 応 は 一<br />

定 程 度 可 能<br />

であるが、 災<br />

害 時 の 輸 送<br />

経 路 の 断 絶<br />

の 可 能 性 が<br />

ある<br />

32


2) 本 庁 舎 の 性 能 ・ 機 能 に 関 する 指 標<br />

市 民 への 行 政 サービスの 水 準 向 上 のポテンシャルについて 次 の 評 価 軸 で 評 価 します。<br />

評 価 軸 4: 職 員 の 就 業 環 境<br />

【 評 価 軸 の 要 旨 】<br />

● 執 務 スペースが 狭 あいであり、 建 替 え 等 で 一 定 水 準 を 確 保 する 必 要 がある。<br />

評 価 軸 5: 市 民 活 動<br />

【 評 価 軸 の 要 旨 】<br />

● 市 民 活 動 のスペース・ 機 能 ともに 十 分 ではなく、 建 替 えや 公 共 施 設 再 編 と 一 体 的 に 検 討 する 必 要 が<br />

ある。<br />

図 表 2-7 本 庁 舎 の 性 能 ・ 機 能 の 評 価 指 標<br />

評 価 軸 項 目 考 え 方 着 目 内 容<br />

4 職 員 の 就 業 環 境 4 職 員 の 職 務 環 境 ・ 効 率 的 な 行 政 サービスを 提<br />

供 するための 就 業 環 境<br />

・ 職 員 ( 執 務 スペース)の 集<br />

約<br />

・ 同 左<br />

5 市 民 活 動 5 市 民 活 動 ・ 市 民 活 動 ができるスペース<br />

と 機 能 の 配 置<br />

・ 同 左<br />

33


【 本 庁 舎 の 性 能 ・ 機 能 の 評 価 まとめ】<br />

就 業 環 境 の 確 保 や 市 民 活 動 の 促 進 は、 公 共 施 設 の 再 編 と 一 体 的 に 検 討 できる 整 備 パターンを 高 く<br />

評 価 しています。 具 体 的 には、 <strong>案</strong> 3が 最 も 評 価 が 高 く、 次 いで <strong>案</strong> 1や 参 考 Cの 順 となります。<br />

図 表 2-8 本 庁 舎 の 性 能 ・ 機 能 の 評 価 まとめ<br />

評 価 軸<br />

4 就 業 環 境<br />

<strong>案</strong> 1<br />

( 現 在 地<br />

建 替 え)<br />

<strong>案</strong> 2<br />

( 現 在 地<br />

長 寿 命 化 )<br />

<strong>案</strong> 3<br />

( 移 転 )<br />

参 考 シミュレート<br />

( 法 令 等 の 制 限 の 変 更 等 が 必 要 )<br />

参 考 A<br />

( 現 在 地<br />

建 替 え)<br />

参 考 B<br />

( 現 在 地<br />

長 寿 命 化 )<br />

参 考 C<br />

( 現 在 地<br />

建 替 え)<br />

△ △ ○ △ △ ○<br />

就 業 環 境 の<br />

確 保 が 可 能<br />

職 員 は 分 散<br />

就 業 環 境 の<br />

確 保 に 既 存<br />

の 構 造 体 の<br />

制 約<br />

職 員 は 分 散<br />

就 業 環 境 の<br />

確 保 が 可 能<br />

就 業 環 境 の<br />

確 保 が 可 能<br />

職 員 は 分 散<br />

就 業 環 境 の<br />

確 保 に 既 存<br />

の 構 造 体 の<br />

制 約<br />

職 員 は 分 散<br />

就 業 環 境 の<br />

確 保 が 可 能<br />

△ △ ○ × × △<br />

5 市 民 活 動<br />

公 共 施 設 の<br />

再 編 を 実 施<br />

すれば 市 民<br />

活 動 機 能 の<br />

確 保 が 可 能<br />

公 共 施 設 の<br />

再 編 を 実 施<br />

すれば 市 民<br />

活 動 機 能 の<br />

確 保 が 可 能<br />

現 在 地 で 市<br />

民 活 動 機 能<br />

の 確 保 が 可<br />

能<br />

市 民 活 動 機<br />

能 は 想 定 し<br />

ていない<br />

市 民 活 動 機<br />

能 は 想 定 し<br />

ていない<br />

公 共 施 設 の<br />

再 編 を 実 施<br />

すれば 市 民<br />

活 動 機 能 の<br />

確 保 が 可 能<br />

評 価 まとめ △~○ △ ○ △ △~× △~○<br />

公 共 施 設 の<br />

公 共 施 設 の<br />

公 共 施 設 の<br />

就 業 環 境 の<br />

就 業 環 境 の<br />

就 業 環 境 の<br />

再 編 を 実 施<br />

再 編 を 実 施<br />

再 編 を 実 施<br />

向 上 は 期 待<br />

向 上 、 市 民 活<br />

向 上 は 期 待<br />

することで<br />

することで<br />

することで<br />

できるが、 市<br />

動 の 促 進 は<br />

できるが、 市<br />

備 考<br />

現 在 地 の 市<br />

民 利 用 、 市 民<br />

現 在 地 の 市<br />

民 利 用 、 市 民<br />

現 在 地 の 市<br />

民 利 用 、 市 民<br />

民 活 動 の 促<br />

進 は 難 しい<br />

いずれも 難<br />

しい<br />

民 活 動 の 促<br />

進 は 難 しい<br />

活 動 の 促 進<br />

活 動 の 促 進<br />

活 動 の 促 進<br />

が 期 待 でき<br />

が 期 待 でき<br />

が 期 待 でき<br />

る<br />

る<br />

る<br />

34


3)まちづくりに 関 する 指 標<br />

都 市 計 画 制 度 との 関 係 性 や 利 便 性 の 観 点 からの 立 地 状 況 、 周 囲 のまちづくりへの 効 果 について 次<br />

の 評 価 軸 で 評 価 します。<br />

評 価 軸 6: 鎌 倉 らしさの 維 持 ・ 形 成<br />

【 評 価 軸 の 要 旨 】<br />

● 本 市 が 長 らく 取 組 んできたまちづくりの 経 緯 と 成 果 を 踏 まえた、 鎌 倉 らしさの 維 持 ・ 形 成 への 配 慮<br />

が 求 められる。<br />

● 周 辺 の 環 境 や 景 観 と 調 和 した 建 築 物 の 高 さや 形 態 ・ 意 匠 、 空 地 の 確 保 等<br />

評 価 軸 7: 本 庁 舎 立 地 の 場 所 性<br />

【 評 価 軸 の 要 旨 】<br />

● 現 在 地 は 約 50 年 間 にわたり 市 民 に 親 しまれた 場 所 であり、 鎌 倉 の 象 徴 的 な 場 所 として 認 識 されて<br />

いる 面 がある。<br />

図 表 2-9 まちづくりの 評 価 指 標<br />

評 価 軸 項 目 考 え 方 着 目 内 容<br />

6 鎌 倉 らしさの<br />

維 持 ・ 形 成<br />

6-1 周 辺 環 境 への<br />

影 響 ( 高 さ)<br />

6-2 空 地 の 確 保<br />

・ 現 在 地 での 整 備 の 場 合 の 風<br />

致 地 区 規 制 等 の 遵 守 の 優<br />

先 度<br />

・ 緑 化 や 圧 迫 感 の 低 減 、 災 害<br />

対 策 が 可 能 な 空 地 等 の 確<br />

保<br />

・ 周 辺 環 境 や 景 観 と 調 和 した<br />

土 地 利 用<br />

・ 敷 地 内 空 地 の 確 保<br />

7 本 庁 舎 立 地 の<br />

7-1 意 義 ・ 精 神 性<br />

・ 本 庁 舎 が 現 在 地 ( 御 成 )に<br />

・ 本 庁 舎 立 地 場 所 の 意 義 ・ 精<br />

場 所 性<br />

7-2 交 通 アクセス<br />

あることの 意 義<br />

神 性<br />

・ 地 域 にとってのシンボル 性<br />

・ 本 庁 舎 とまちの 関 係<br />

・ 鎌 倉 駅 前 や 現 在 地 において<br />

・ 交 通 アクセスの 適 正<br />

将 来 的 に 求 められる 機<br />

能 ・サービス<br />

・ 本 庁 舎 がまちに 与 える( 与<br />

える) 影 響<br />

・ 市 民 の 利 便 性<br />

35


【まちづくりの 評 価 まとめ】<br />

上 記 の 結 果 を 踏 まえると、 <strong>案</strong> 1 及 び <strong>案</strong> 2については、 鎌 倉 らしさの 維 持 ・ 形 成 に 寄 与 できるとい<br />

えます。また、 参 考 A 及 びBは、 周 辺 景 観 との 調 和 に 工 夫 が 必 要 ですが、 一 定 程 度 の 評 価 はできま<br />

す。さらに、 参 考 Cは 鎌 倉 らしさの 維 持 ・ 形 成 に 寄 与 することは 困 難 であると 考 えられます。なお、<br />

<strong>案</strong> 3は 移 転 先 によるため、ここでは 評 価 はしていません。<br />

図 表 2-10 まちづくりの 評 価 まとめ<br />

評 価 軸<br />

<strong>案</strong> 1<br />

( 現 在 地<br />

建 替 え)<br />

<strong>案</strong> 2<br />

( 現 在 地<br />

長 寿 命 化 )<br />

<strong>案</strong> 3<br />

( 移 転 )<br />

参 考 (シミュレート)<br />

( 法 令 等 の 制 限 の 変 更 等 が 必 要 )<br />

参 考 A<br />

( 現 在 地<br />

建 替 え)<br />

参 考 B<br />

( 現 在 地<br />

長 寿 命 化 )<br />

参 考 C<br />

( 現 在 地<br />

建 替 え)<br />

6 鎌 倉 らしさの<br />

維 持 ・ 形 成<br />

6-1 周 辺 環 境 へ<br />

の 影 響 ( 高 さ)<br />

6-2 空 地 の 確 保<br />

7 本 庁 舎 立 地 の<br />

場 所 性<br />

△~○ △~○ ― △~× △~× ×<br />

移 転 先 に 周 辺 環 境 と 周 辺 環 境 と<br />

周 辺 環 境 と 周 辺 環 境 と<br />

周 辺 環 境 と<br />

よる 調 和 に 工 夫 調 和 に 工 夫<br />

調 和 が 可 能 調 和 が 可 能<br />

調 和 は 困 難<br />

(p46 参 照 ) が 必 要 が 必 要<br />

移 転 先 に<br />

空 地 はやや 空 地 はやや<br />

よる 空 地 なし 空 地 なし 空 地 あり<br />

確 保 可 能 確 保 可 能<br />

(p46 参 照 )<br />

○ ○ ― ○ ○ ○<br />

7-1 意 義 ・ 精<br />

神 性<br />

あり<br />

都 市 拠 点 の<br />

形 成 に 寄 与<br />

あり<br />

都 市 拠 点 の<br />

形 成 に 寄 与<br />

移 転 先 に<br />

よる<br />

(p46 参 照 )<br />

あり<br />

都 市 拠 点 の<br />

形 成 に 寄 与<br />

あり<br />

都 市 拠 点 の<br />

形 成 に 寄 与<br />

あり<br />

都 市 拠 点 の<br />

形 成 に 寄 与<br />

7-2 交 通 アク<br />

セス<br />

鎌 倉 駅 から<br />

近 いが、 歩<br />

行 者 空 間 な<br />

どが 脆 弱<br />

鎌 倉 駅 から<br />

近 いが、 歩<br />

行 者 空 間 な<br />

どが 脆 弱<br />

移 転 先 に<br />

よる<br />

(p46 参 照 )<br />

鎌 倉 駅 から<br />

近 いが、 歩<br />

行 者 空 間 な<br />

どが 脆 弱<br />

鎌 倉 駅 から<br />

近 いが、 歩<br />

行 者 空 間 な<br />

どが 脆 弱<br />

鎌 倉 駅 から<br />

近 いが、 歩<br />

行 者 空 間 な<br />

どが 脆 弱<br />

評 価 まとめ ○ ○ ― △ △ △~×<br />

鎌 倉 らしさ<br />

鎌 倉 らしさ<br />

移 転 先 に<br />

鎌 倉 らしさ<br />

鎌 倉 らしさ<br />

鎌 倉 らしさ<br />

の 維 持 ・ 形<br />

の 維 持 ・ 形<br />

よる<br />

の 維 持 ・ 形<br />

の 維 持 ・ 形<br />

の 維 持 ・ 形<br />

備 考<br />

成 に 寄 与 で<br />

成 に 寄 与 で<br />

(p46 参 照 )<br />

成 に、 一 定<br />

成 に、 一 定<br />

成 に 寄 与 す<br />

きる<br />

きる<br />

程 度 は 寄 与<br />

程 度 は 寄 与<br />

ることはや<br />

できる<br />

できる<br />

や 困 難<br />

36


4) 時 間 ・コストに 関 する 指 標<br />

整 備 に 要 する 期 間 や、 整 備 における 建 設 費 等 の 費 用 負 担 等 について 次 の 評 価 軸 で 評 価 します。<br />

評 価 軸 8: 整 備 に 要 する 期 間<br />

【 評 価 軸 の 要 旨 】<br />

● 標 準 的 には、おおよそ7 年 間 の 整 備 期 間 が 必 要 である。<br />

● 移 転 の 場 合 は、1 年 程 度 の 短 縮 が 可 能 であり、おおよそ6 年 間 の 整 備 期 間 が 必 要 である。<br />

● 都 市 計 画 の 変 更 ( 風 致 地 区 の 解 除 ) 等 には、 別 途 数 年 から10 年 程 度 の 時 間 を 要 する 可 能 性 がある。<br />

● 埋 蔵 文 化 財 の 調 査 に 要 する 期 間 は、 実 際 に 発 掘 調 査 を 実 施 しないと 期 間 が 見 通 せない。<br />

評 価 軸 9: 仮 庁 舎 の 整 備<br />

【 評 価 軸 の 要 旨 】<br />

● 現 在 地 に 本 庁 舎 を 整 備 ( 建 替 え・ 長 寿 命 化 )する 場 合 、 仮 庁 舎 が 必 要 である。<br />

● 仮 庁 舎 の 大 部 分 を 現 在 地 に 確 保 する 場 合 、 市 民 サービスの 低 下 につながる 可 能 性 がある。<br />

● 移 転 とする 場 合 、 仮 庁 舎 を 不 要 として 検 討 できる。<br />

評 価 軸 10: 財 政 負 担 の 軽 減 及 び 公 共 施 設 再 編 との 連 携<br />

【 要 旨 】<br />

● 財 政 負 担 低 減 の 手 法 を 検 討 する 必 要 がある。<br />

● 現 在 地 による 整 備 においては、 必 要 庁 舎 面 積 の 確 保 のみではなく、 鎌 倉 地 域 の 公 共 施 設 も 併 せて 検<br />

討 することで、 財 政 負 担 の 軽 減 や 効 果 的 な 公 共 施 設 再 編 につながる 検 討 ができる。<br />

● 移 転 建 替 えの 場 合 は、 公 共 施 設 の 再 編 の 用 地 としてだけでなく、 鎌 倉 駅 に 近 く 不 動 産 価 値 の 高 い 既<br />

存 本 庁 舎 敷 地 の 活 用 を 検 討 することができる。<br />

37


図 表 2-11 時 間 ・コストの 評 価 指 標<br />

評 価 軸 項 目 考 え 方 着 目 すべき 項 目<br />

8 整 備 に 要 する 期 間 8-1<br />

都 市 計 画 変 更<br />

8-2<br />

・ 合 意 形 成 に 要 する 時 間 ( 必<br />

要 最 小 限 での 時 間 のみで<br />

はなく、 合 意 形 成 等 の 不 確<br />

・ 整 備 に 要 する 時 間 的 課 題<br />

( 都 市 計 画 の 変 更 等 )<br />

( 埋 蔵 文 化 財 調 査 )<br />

埋 蔵 文 化 財 調 査 定 要 <strong>素</strong> の 考 慮 も 必 要 )<br />

・ 埋 蔵 文 化 財 調 査 に 要 する 時<br />

間 ( 必 要 最 小 限 での 時 間 の<br />

みではなく、 文 化 財 が 発 見<br />

された 際 の 整 備 に 要 する<br />

期 間 への 影 響 等 の 不 確 定<br />

要 <strong>素</strong> の 考 慮 も 必 要 )<br />

9 仮 庁 舎 の 整 備 9-1<br />

仮 庁 舎 敷 地 の 必 要 性<br />

・ 仮 庁 舎 敷 地 の 確 保 に 関 する<br />

課 題<br />

・ 仮 庁 舎 の 必 要 性<br />

・ 仮 庁 舎 の 規 模<br />

9-2<br />

仮 庁 舎 整 備 の 費 用<br />

・ 仮 庁 舎 整 備 に 必 要 なコスト<br />

10 財 政 負 担 の 軽 減 及<br />

び 公 共 施 設 再 編 と<br />

の 連 携<br />

10-1<br />

本 庁 舎 そのものの 財 政<br />

負 担 軽 減 方 策 採 用 の 可<br />

能 性<br />

・ 建 設 費 、 仮 設 庁 舎 費 用 、 引<br />

越 し 費 用 、 解 体 費 用 の 縮 減<br />

の 度 合 い<br />

・ 公 共 施 設 再 編 の 推 進<br />

・ 財 政 負 担 の 軽 減<br />

・ 公 共 施 設 再 編 との 連 携<br />

10-2<br />

・ 公 的 不 動 産 の 有 効 活 用<br />

公 共 施 設 再 編 との 連 携<br />

(PRE)の 可 能 性<br />

と 現 在 地 の 活 用 ・ 他 施<br />

設 の 削 減 等 の 効 果<br />

図 表 2-12 鎌 倉 地 域 の 他 の 公 共 施 設 の 現 状 と 再 編 の 考 え 方<br />

施 設 名 敷 地 面 積 現 延 床 面 積 うち 再 編 対 象 面 積 備 考 ( 再 編 の 考 え 方 など)<br />

鎌 倉 生 涯 学 習<br />

・ホール、ギャラリー 機 能 のみ、 残 りの 機 能 は 地 域<br />

センター<br />

(きらら 鎌 倉 )<br />

1,661 m2 5,075 m2 約 700 m2 拠 点 校 に 複 合 化 するとしている<br />

・ 借 地 料 ( 約 3,000 万 円 / 年 )を 支 出 している<br />

中 央 図 書 館 1,354 m2 2,576 m2 約 2,600 m2<br />

・ 大 規 模 修 繕 又 は 建 替 えなどにより、 拠 点 図 書 館<br />

としての 機 能 の 充 実 を 図 るとしている<br />

福 祉 センター 3,429 m2 3,100 m2 -<br />

・ 福 祉 センター 内 の 機 能 を 見 直 し、 福 祉 関 連 機 能<br />

以 外 との 複 合 化 を 検 討 するとしている<br />

38


【 時 間 ・コストの 評 価 まとめ】<br />

上 記 の 結 果 を 踏 まえると、 <strong>案</strong> 2 及 び 参 考 A~C については、 整 備 に 要 する 時 間 とコストともに 効<br />

率 的 ではなく、メリットがないといえます。 一 方 、 <strong>案</strong> 3は、 最 も 効 率 的 であり、 <strong>案</strong> 1は 比 較 的 効 率<br />

的 ・メリットがあるという 評 価 ができます。<br />

図 表 2-13 時 間 ・コストの 評 価 のまとめ<br />

評 価 軸<br />

<strong>案</strong> 1<br />

( 現 在 地<br />

建 替 え)<br />

<strong>案</strong> 2<br />

( 現 在 地<br />

長 寿 命 化 )<br />

<strong>案</strong> 3<br />

( 移 転 )<br />

参 考 (シミュレート)<br />

( 法 令 等 の 制 限 の 変 更 等 が 必 要 )<br />

参 考 A<br />

( 現 在 地<br />

建 替 え)<br />

参 考 B<br />

( 現 在 地<br />

長 寿 命 化 )<br />

参 考 C<br />

( 現 在 地<br />

建 替 え)<br />

8 整 備 に 要 する 期 間 △ △ ○ △ △ △~×<br />

8-1 現 行 都 市 計 画<br />

の 変 更 等<br />

8-2 埋 蔵 文 化 財 調<br />

査 の 実 施 期 間 必 要 必 要<br />

不 要 不 要 不 要 必 要 必 要 必 要<br />

不 要<br />

( 敷 地 利 用<br />

により 必 要 )<br />

必 要 必 要 不 要<br />

9 仮 庁 舎 の 整 備 △ △ ○ △ △ △<br />

9-1 仮 庁 舎 敷 地 の<br />

△<br />

△<br />

○<br />

△<br />

△<br />

△<br />

確 保<br />

必 要<br />

必 要<br />

不 要<br />

必 要<br />

必 要<br />

必 要<br />

9-2 仮 庁 舎 整 備 の<br />

費 用<br />

△<br />

約 30 億 円<br />

△<br />

約 30 億 円<br />

○<br />

不 要<br />

△<br />

約 30 億 円<br />

△<br />

約 30 億 円<br />

△<br />

約 30 億 円<br />

10 財 政 負 担 の 軽 減 及 び<br />

公 共 施 設 再 編 との 連<br />

携<br />

10-1 財 政 負 担<br />

※<br />

の 軽 減<br />

△ △~× ○ △~× × △<br />

工 事 費 :<br />

約 194 億 円<br />

建 物 解 体 費 :<br />

約 4 億 円<br />

引 越 し 2 回<br />

工 事 費 :<br />

約 207 億 円<br />

建 物 解 体 費 :<br />

不 要<br />

引 越 し 2 回<br />

工 事 費 :<br />

約 180 億 円<br />

建 物 解 体 費 :<br />

不 要<br />

引 越 し 1 回<br />

工 事 費 :<br />

約 181 億 円<br />

建 物 解 体 費 :<br />

約 4 億 円<br />

引 越 し 2 回<br />

工 事 費 : 工 事 費 :<br />

約 196 億 円 約 195 億 円<br />

建 物 解 体 費 : 建 物 解 体 費 :<br />

約 1 億 円 不 要<br />

引 越 し 2 回 引 越 し 2 回<br />

10-2 公 共 施 設<br />

再 編 との 連 携<br />

庁 舎 面 積 に<br />

応 じて 可 能<br />

庁 舎 面 積 に<br />

応 じて 可 能<br />

可 能<br />

民 間 活 力 が<br />

期 待<br />

不 可 能 不 可 能 可 能<br />

評 価 まとめ △~○ △ ○ △ × △~×<br />

備 考<br />

整 備 に 要 す<br />

る 時 間 と コ<br />

ストともに 比<br />

較 的 効 率 的<br />

コストのメリ<br />

ッ ト が 少 な<br />

い<br />

整 備 に 要 す<br />

る 時 間 と コ<br />

ス ト が 最 も<br />

効 率 的<br />

整 備 に 要 す<br />

る 時 間 と コ<br />

ストともにあ<br />

まり 効 率 的<br />

ではない<br />

コストのメリ<br />

ットがない<br />

都 市 計 画 の<br />

変 更 等 の 時<br />

間 が 膨 大 に<br />

かかる<br />

※ 工 事 費 及 び 建 物 解 体 費 のコスト 試 算 については、 各 整 備 パターンを 単 純 比 較 するために、 現 時 点 での 1 m2 当 たりの 建 設 単 価 をもとに 必 要 な 庁 舎 面 積 で 想 定 され<br />

る 金 額 を 算 出 したものである。<br />

39


3. 整 備 パターンの 整 理 と 課 題<br />

1) 整 備 パターンの 評 価 の 整 理<br />

図 表 2-15 にまとめたとおり、 <strong>案</strong> 1~3、 参 考 A~Cのそれぞれの 整 備 パターンを 評 価 した 結 果 、<br />

時 間 ・コストの 面 でのメリットが 見 込 め、 機 能 ・ 性 能 の 面 でも 優 位 性 が 高 いのは 移 転 という 方 策 を<br />

ベースとした 整 備 パターンである <strong>案</strong> 3の 場 合 となっています。 一 方 で、 長 寿 命 化 という 方 策 をベー<br />

スとした 整 備 パターンである <strong>案</strong> 2ではコストメリットが 見 込 めず、 参 考 シミュレート( 参 考 A~C)<br />

では 時 間 ・コストの 面 に 課 題 が 残 ることから、 優 位 性 は 低 いといえます。<br />

しかし、 <strong>案</strong> 3の 場 合 は、 防 災 ・ 減 災 の 面 やまちづくりの 面 については 移 転 先 によるほか、そもそ<br />

も 移 転 先 として 想 定 できる 候 補 地 が 必 要 になります。このため、 整 備 候 補 地 の 想 定 が 可 能 であって、<br />

大 きな 課 題 が 生 じない 場 合 は <strong>案</strong> 3を 最 有 力 と 考 えられますが、 併 せて 本 庁 舎 の 立 地 の 場 所 性 でメリ<br />

ットがあり、 <strong>案</strong> 3に 次 ぐ 評 価 となった 現 在 地 建 替 えという 方 策 をベースとした 整 備 パターンである<br />

<strong>案</strong> 1の2つを 比 較 します。<br />

<strong>案</strong> 1と <strong>案</strong> 3の 比 較 のためには、 整 備 候 補 地 を 想 定 した 評 価 を 踏 まえることを 考 えねばならず、 次<br />

の 項 目 によって 整 備 パターンの 評 価 が 大 きく 分 かれることになると 考 えられます。<br />

1 防 災 ・ 減 災<br />

・ 東 日 本 大 震 災 の 経 験 などを 踏 まえ、 発 災 時 の 被 害 が 可 能 な 限 り 少 ないこと、 早 急 な 対 応 が 可 能 な<br />

ことが 重 要 となります。 特 に 被 災 を 最 小 限 に 留 め、 全 市 的 な 復 旧 ・ 復 興 をスムーズに 行 うことが<br />

できる 本 庁 舎 となることが 期 待 されています。<br />

2まちづくり<br />

・ 市 民 対 話 での 意 見 として、 現 在 地 に 本 庁 舎 のすべての 機 能 を 残 すことまでは 求 められていません<br />

が、 鎌 倉 地 域 で 本 庁 舎 が 担 ってきた 行 政 サービス 機 能 全 てが 移 転 により 無 くなってしまうことに<br />

危 惧 があるという 意 見 もありました。<br />

・ 現 在 地 では、より 市 民 利 用 できる 場 の 確 保 が 求 められており、その 場 を 設 ける 余 地 のある 整 備 パ<br />

ターンを 評 価 する 必 要 性 があります。 特 に 市 民 や 観 光 客 が 多 く 集 まる 現 在 地 では、 機 能 の 複 合 化 ・<br />

集 約 化 を 図 ることにより 効 果 的 なエリアの 形 成 が 期 待 されています。<br />

3 時 間 ・コスト<br />

・ 現 庁 舎 の 老 朽 化 や 鎌 倉 地 域 の 公 共 施 設 再 編 の 早 期 での 着 実 な 実 現 の 必 要 性 を 考 慮 し、 円 滑 な 事 業<br />

推 進 やコストを 縮 減 させる 事 業 推 進 が 必 要 となります。<br />

・ 将 来 的 な 財 政 負 担 を 最 小 限 に 留 めるためにも、より 財 政 負 担 を 抑 えることができる 整 備 方 針 を 検<br />

討 する 必 要 があります。このためには、 民 間 活 力 の 導 入 により 財 政 負 担 を 軽 減 していく 可 能 性 が<br />

あることが 望 ましいといえます。<br />

・ 財 政 負 担 の 面 では、 仮 庁 舎 の 整 備 が 必 要 かどうかも 重 要 です。 仮 庁 舎 は 工 事 を 行 うために 一 時 的<br />

に 使 用 するものであって 財 産 として 残 るものではなく、その 整 備 に 要 する 費 用 は 二 重 投 資 となり、<br />

財 政 負 担 の 軽 減 につながりません。 現 在 地 建 替 えや 現 在 地 長 寿 命 化 では、 工 事 中 の 仮 庁 舎 とはい<br />

え、その 間 の 利 用 者 の 利 便 性 も 考 慮 した 仮 庁 舎 の 整 備 が 必 要 となる 上 、 現 在 地 は 埋 蔵 文 化 財 包 蔵<br />

地 であるほか、 工 事 を 安 全 に 行 うためにも 仮 庁 舎 の 整 備 場 所 を 敷 地 外 に 求 める 必 要 もあると 考 え<br />

40


-<br />

-<br />

-<br />

ています。<br />

以 上 の 整 理 を 踏 まえ、 公 共 施 設 の 再 編 を 一 体 的 な 実 施 も 検 討 できる <strong>案</strong> 1-2、 <strong>案</strong> 3-1、 <strong>案</strong> 3-<br />

2の 優 位 性 が 比 較 的 高 いと 考 えることができます。これらの <strong>案</strong> を 防 災 ・ 減 災 、まちづくり、 時 間 ・<br />

コスト 面 に 関 する 評 価 の 概 要 を 添 えて 再 掲 すると 次 のとおりです。これ 以 降 は、 <strong>案</strong> 3-1と <strong>案</strong> 3-<br />

2を <strong>案</strong> 3としてまとめて 扱 い、 <strong>案</strong> 1-2と <strong>案</strong> 3の2パターンを 中 心 に 整 備 パターンの 整 理 を 進 め、<br />

その 後 に 整 備 候 補 地 について 整 理 していきます。<br />

図 表 2-14 優 位 性 の 高 い 整 備 パターンの 抽 出<br />

<strong>案</strong><br />

3<br />

<strong>案</strong><br />

1<br />

2<br />

整 備 パターン 現 在 地 別 敷 地 ( 移 転 先 )<br />

<strong>案</strong><br />

3<br />

1<br />

<strong>案</strong><br />

3<br />

2<br />

現 在 地<br />

建 替 え<br />

( 一 部 は 別 敷 地 で<br />

確 保 )<br />

+ 鎌 倉 地 域 の<br />

再 編<br />

現 在 地 での 本 庁 舎 を 建 替 えに 併 せて 学<br />

習 C 等 を 移 転 複 合 化 ( 別 敷 地 での 整 備 面 積<br />

を 調 整 )<br />

新 たに 庁 舎 を 建 設 し、 行 政 機 能 ( 一<br />

部 )を 配 置<br />

1 防 災 ・ 減 災 に 関 する 評 価 の 概 要<br />

建 替 えにより 災 害 時 にも 強 い 本 庁 舎 は 確 保 できるものの、 津 波 想 定 浸 水 範 囲 内 で 立 地 し<br />

つづけるほか、 現 在 地 と 別 敷 地 で 庁 舎 が 分 散 することからも 災 害 時 の 対 応 力 ・ 受 援 力 の 面<br />

で 評 価 は 低 い。<br />

2まちづくりに 関 する 評 価 の 概 要<br />

本 庁 舎 の 位 置 が 変 わらないため、 現 状 と 大 きく 変 わらない。<br />

3 時 間 ・コスト 面 に 関 する 評 価 の 概 要<br />

仮 庁 舎 の 整 備 と 仮 庁 舎 への 引 っ 越 しが 必 要 となり、これらに 時 間 ・コストを 要 する 面 で<br />

評 価 は 低 い。 仮 庁 舎 の 整 備 場 所 の 確 保 も 課 題 となる。<br />

移 転<br />

( 別 敷 地 へ 全 部 ま<br />

たは 大 部 分 を 移 転 )<br />

中 央 図 書 館<br />

鎌 倉 生 涯 学 習 C ⇒<br />

福 祉 C<br />

( 鎌 倉 地 域 の<br />

公 共 施 設 )<br />

学 習 C<br />

等<br />

行 政 機 能<br />

( 建 替 え)<br />

現 庁 舎 を 解 体 し、 学 習 C 等 、 民 間 施 設 、<br />

行 政 機 能 を 複 合 化 ( 跡 地 利 用 )<br />

中 央 図 書 館<br />

鎌 倉 生 涯 学 習 C ⇒<br />

福 祉 C<br />

( 鎌 倉 地 域 の<br />

公 共 施 設 )<br />

学 習 C<br />

等<br />

既 存 本 庁 舎 を 活 用 し、 学 習 C 等 、 民 間 施<br />

設 、 行 政 機 能 を 複 合 化 ( 跡 地 利 用 )<br />

中 央 図 書 館<br />

鎌 倉 生 涯 学 習 C ⇒<br />

福 祉 C<br />

( 鎌 倉 地 域 の<br />

公 共 施 設 )<br />

学 習 C<br />

等<br />

民 間<br />

民 間<br />

行 政 機 能<br />

( 新 設 )<br />

新 たに 庁 舎 を 建 設 し、 行 政 機 能 を 全<br />

部 または 大 部 分 を 配 置<br />

行 政 機 能<br />

( 新 設 )<br />

1 防 災 ・ 減 災 に 関 する 評 価 の 概 要<br />

※<br />

2まちづくりに 関 する 評 価 の 概 要<br />

※<br />

3 時 間 ・コスト 面 に 関 する 評 価 の 概 要<br />

仮 庁 舎 の 整 備 と 仮 庁 舎 への 引 っ 越 しが 不 要 であることから、 現 在 地 での 整 備 に 比 べ、こ<br />

の 点 において 評 価 が 高 い。<br />

行<br />

政<br />

既 存<br />

建 物<br />

行<br />

政<br />

※ 整 備 候 補 地 によるため、この 後 の 整 備 候 補 地 の 整 理 の 中 で、 評 価 を 確 認 していきます。<br />

41


図 表 2-15 整 備 パターンの 評 価 のまとめ<br />

42


43


2) 機 能 面 から 考 える 整 備 パターンの 課 題<br />

ここまでの 整 理 により 残 っていた <strong>案</strong> 1-2、 <strong>案</strong> 3は、 公 共 施 設 再 編 と 絡 めることで、コストの 縮<br />

減 とともに、 市 民 活 動 の 促 進 などが 期 待 できます。しかし、 <strong>案</strong> 1-2であっても 敷 地 外 への 行 政 機<br />

能 の 分 散 化 が 必 要 となります。また、 <strong>案</strong> 3における 極 端 な 例 として 本 庁 舎 の 移 転 により、 現 在 地 の<br />

行 政 機 能 を 全 て 無 くしてしまうと 鎌 倉 地 域 での 市 民 サービス 機 能 の 不 足 などのデメリットがあると<br />

いえます。<br />

このため、 <strong>案</strong> 1-2と <strong>案</strong> 3のメリット・デメリットを 示 した 上 で、その 改 善 <strong>案</strong> を 整 理 すると 次 の<br />

とおりとなります。なお、 現 在 地 と 移 転 先 に、 具 体 的 にどのような 機 能 を 配 置 するかについては、<br />

移 転 候 補 地 を 想 定 した 上 で、それぞれの 立 地 特 性 等 を 踏 まえて 整 理 する 必 要 があります。<br />

44


図 表 2-16 整 備 パターン <strong>案</strong> 1-2と <strong>案</strong> 3の 機 能 配 置 イメージとその 特 徴 等<br />

機 能 配 置 のイメージ<br />

機 能 配 置 の 特 徴 等<br />

<strong>案</strong> 1-2<br />

<strong>案</strong> 3<br />

<strong>案</strong> 1-2と<br />

<strong>案</strong> 3の<br />

改 善 <strong>案</strong><br />

【メリット】<br />

・ 鎌 倉 地 域 での 市 民 サービス 機<br />

能 が 確 保 できる。<br />

・ 学 習 C 等 の 機 能 を 配 置 するこ<br />

とで、 市 民 活 動 の 促 進 が 期 待<br />

できる。<br />

【デメリット】<br />

・ 行 政 機 能 が 分 散 することで、<br />

効 率 的 な 事 務 運 営 ができな<br />

い。<br />

・ 仮 庁 舎 での 行 政 サービスの 提<br />

供 期 間 においても、 市 民 や 利<br />

用 者 が 不 便 となるなどの 影 響<br />

が 生 じる。<br />

【メリット】<br />

・ 現 在 地 に 学 習 C 等 の 機 能 と 民<br />

間 機 能 を 配 置 することで、 市<br />

民 活 動 の 促 進 が 期 待 できると<br />

ともに、 行 財 政 の 負 担 が 軽 減<br />

される。<br />

・ 行 政 機 能 が 集 約 でき、 効 率 的<br />

な 事 務 運 営 が 可 能 である。<br />

・ 仮 庁 舎 を 経 ないで、 新 たな 庁<br />

舎 での 行 政 サービスの 提 供 に<br />

移 行 が 可 能 である。<br />

【デメリット】<br />

・ 現 在 地 の 行 政 機 能 を 全 て 無 く<br />

してしまうと 鎌 倉 地 域 の 市 民<br />

サービス 機 能 が 確 保 できな<br />

い。<br />

● 適 切 な 機 能 分 担 <strong>案</strong><br />

・ 鎌 倉 地 域 での 市 民 サービス 機<br />

能 が 確 保 できる。<br />

・ 学 習 C 等 の 機 能 を 配 置 するこ<br />

とで、 市 民 活 動 の 促 進 が 期 待<br />

できる。<br />

・ 行 政 機 能 が 集 約 でき、 効 率 的<br />

な 事 務 運 営 が 可 能 である。<br />

現 在 地 に 必 要 な 行 政 機 能 など<br />

( 例 : 市 民 サービスコーナー(ルミネウィング 6F)や 市 民 利 用 と 連 携 する 機 能 など)<br />

現 在 地 での 行 政 機 能 を 必 要 最 小 限 とすることで、 市 民 が 利 用 していく 場 所 としての 整 備 が 検 討 で<br />

き、 公 共 施 設 再 編 との 連 動 や 民 間 機 能 の 導 入 によるコスト 縮 減 を 図 ることができる<br />

45


4. 本 庁 舎 の 整 備 候 補 地 の 想 定<br />

ここまでの 整 理 のとおり、いずれにしても 本 庁 舎 整 備 に 向 けては 現 在 地 以 外 に 別 敷 地 ( 移 転 先 )<br />

を 必 要 とします。このため、 本 庁 舎 を 移 転 するにあたって 想 定 される 整 備 候 補 地 を 整 理 します。<br />

1) 上 位 ・ 関 連 計 画 での 位 置 付 け<br />

本 庁 舎 の 整 備 候 補 地 の 検 討 にあたり、まず 本 市 の 都 市 づくりに 関 する 方 向 性 や 位 置 付 けを 整 理 す<br />

ると、 次 のとおりとなります。<br />

図 表 2-17 行 政 計 画 による 都 市 基 盤 ・ 都 市 拠 点 や 資 産 に 対 する 考 え 方<br />

鎌 倉 駅 周 辺<br />

( 現 在 地 周 辺 )<br />

大 船 駅 周 辺<br />

深 沢 地 域 国 鉄 跡 地<br />

周 辺 拠 点<br />

資 産 の<br />

有 効 活 用<br />

総 合 計 画<br />

地 域 の 特 性 を 生 かした<br />

都 市 拠 点 として 整 備<br />

地 域 の 特 性 を 生 かした<br />

都 市 拠 点 として 整 備<br />

新 しい 都 市 拠 点 として 整 備<br />

適 正 な 公 共 建 築 物<br />

の 再 編 の 推 進 ( 第 3<br />

期 基 本 計 画 )<br />

都 市<br />

マスター<br />

プラン<br />

鎌 倉 地 域 の 中 心 及 び 生<br />

活 拠 点 として、 歴 史 的<br />

遺 産 、 商 業 ・ 観 光 、 公<br />

共 公 益 ・ 文 化 等 の 資 源<br />

をいかしながら、さら<br />

に 機 能 を 充 実 し、 景 観<br />

の 整 備 を 図 ります。<br />

本 市 の 広 域 拠 点 及 び 東<br />

海 道 本 線 沿 いの 生 活 拠<br />

点 として 位 置 づけ、 横 浜<br />

市 と 連 携 し、 広 域 的 な 商<br />

業 ・ 業 務 、 産 業 、 文 化 な<br />

どの 機 能 の 充 実 と 基 盤<br />

整 備 を 図 ります。<br />

東 海 道 本 線 新 駅 構 想 を 視 野 に<br />

入 れ、 大 船 駅 周 辺 との 役 割 分<br />

担 ・ 機 能 分 担 に 留 意 し、 公 共 公<br />

益 施 設 、 都 市 型 住 宅 、 商 業 、 業<br />

務 、 産 業 などの 機 能 の 充 実 及 び<br />

基 盤 整 備 を 進 め、 鎌 倉 の 新 しい<br />

拠 点 として 整 備 を 図 ります。<br />

-<br />

消 防 施 設 の 再 編 先 ( 大 船 消 防<br />

公 共 施 設<br />

再 編 計 画<br />

-<br />

-<br />

署 ・ 深 沢 出 張 所 )<br />

スポーツ 施 設 の 再 編 先 ( 鎌 倉 体<br />

育 館 ・ 大 船 体 育 館 ・ 鎌 倉 海 浜 公<br />

園 水 泳 プール)<br />

再 編 により 生 まれ<br />

る 用 地 などの 有 効<br />

活 用<br />

図 表 2-18 将 来 都 市 構 造 と3つの 都 市 拠 点<br />

46


2) 想 定 される 整 備 候 補 地 の 抽 出<br />

現 在 地 に 加 え、 本 庁 舎 の 整 備 が 想 定 できる 候 補 地 として 現 在 の 市 有 地 を 対 象 とし( 新 たな 土 地 取<br />

得 は 想 定 しない)、 次 の 視 点 により 抽 出 します。<br />

【 候 補 地 ( 想 定 )の 抽 出 方 法 】<br />

1 3つの 都 市 拠 点 における、 公 共 施 設 の 再 編 に 伴 い 生 じる 市 有 地 、まとまった 市 有 地 を<br />

抽 出 します<br />

2 資 産 の 有 効 活 用 の 面 から3つの 都 市 拠 点 以 外 からもまとまった 市 有 地 を 抽 出 します<br />

3 上 記 の1、2のうち、 本 庁 舎 整 備 が 可 能 な 条 件 ※ を 持 つ 市 有 地 を 抽 出 すします<br />

(※ 本 庁 舎 が 整 備 できる 敷 地 規 模 ( 約 15,000 m2 以 上 )や 周 辺 の 市 街 地 の 状 況 )<br />

4 1~3 以 外 に、 庁 舎 必 要 面 積 の 確 保 が 可 能 な 条 件 を 持 つ 敷 地 ・ 建 築 物 を 抽 出 します<br />

5 本 庁 舎 の 整 備 候 補 地 ( 想 定 )を 抽 出 します<br />

13つの 都 市 拠 点 における、 公 共 施 設 の 再 編 に 伴 い 生 じる 市 有 地 、まとまった 市 有 地 の 抽 出<br />

・3つの 都 市 拠 点 において、 本 庁 舎 整 備 が 想 定 できる 候 補 地 を 抽 出 するため、 今 後 、 公 共 施 設 の 再<br />

編 が 予 定 されている 施 設 のうち、 比 較 的 敷 地 規 模 が 大 きい、 行 政 センター、 消 防 署 、 体 育 館 を 対<br />

象 として、 再 編 方 法 等 を 踏 まえ、 対 象 敷 地 への 本 庁 舎 整 備 の 可 能 性 について 整 理 するほか、その<br />

他 のまとまった 市 有 地 ( 約 15,000 m2 以 上 )についても、 同 様 に 整 理 します。<br />

・ 鎌 倉 地 域 の 鎌 倉 駅 周 辺 拠 点 では、 現 在 地 があるほか、 鎌 倉 体 育 館 の 用 地 ( 市 有 地 )が 抽 出 対 象 と<br />

なりますが、 鎌 倉 体 育 館 用 地 については、 本 庁 舎 整 備 に 必 要 な 面 積 を 有 していないことから、 現<br />

在 地 以 外 に 見 当 たりません。なお、 鎌 倉 海 浜 公 園 水 泳 プールは 鎌 倉 駅 周 辺 から 離 れた 沿 岸 部 に 位<br />

置 し、10m 以 上 の 津 波 が 想 定 されているため、 抽 出 から 除 外 します。<br />

・ 深 沢 地 域 の 深 沢 地 域 国 鉄 跡 地 周 辺 拠 点 では、 深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地 内 に 行 政 用 地 ( 以 下 、 深 沢 地<br />

域 整 備 事 業 用 地 ( 行 政 用 地 ))が 計 画 されているほか、 深 沢 行 政 センターや 深 沢 出 張 所 の 合 計 2<br />

施 設 の 用 地 ( 市 有 地 )が 抽 出 対 象 となります。このうち、 本 庁 舎 整 備 に 必 要 な 面 積 を 有 する 市 有<br />

地 としては、 現 状 、 深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地 内 の 行 政 用 地 以 外 に 見 当 たりません。<br />

・ 大 船 地 域 の 大 船 駅 周 辺 拠 点 では、 大 船 行 政 センターや 大 船 消 防 署 、 大 船 体 育 館 の 合 計 3 施 設 が 抽<br />

出 対 象 となります。また、 大 船 消 防 署 については、 隣 接 する 旧 大 船 第 二 子 ども 会 館 ・ 子 どもの 家<br />

( 老 朽 化 にて、 機 能 移 転 ・ 建 物 使 用 中 止 中 )の 敷 地 を 加 えて 検 討 していますが、 本 庁 舎 整 備 に 必<br />

要 な 面 積 を 有 する 市 有 地 は、 見 当 たりません。<br />

なお、 大 船 駅 の 東 側 では 大 船 駅 東 口 市 街 地 再 開 発 事 業 に 取 組 んでおり、そこで 整 備 される 建 物<br />

の 床 を 確 保 することも 考 えられますが、 本 市 は 再 開 発 の 事 業 区 域 内 に 土 地 をわずかに 保 有 するの<br />

みで、 再 開 発 事 業 で 整 備 される 建 物 の 床 ( 本 庁 舎 の 整 備 に 必 要 な 面 積 分 )を、コストをかけずに<br />

取 得 できるものではないため、この 再 開 発 事 業 で 整 備 される 建 物 を 本 庁 舎 整 備 の 候 補 地 とするこ<br />

とは 難 しいと 考 えられます。<br />

・ 再 編 計 画 における「 将 来 の 児 童 ・ 生 徒 数 の 見 込 に 合 わせ、 統 廃 合 についての 検 討 を 行 う」という<br />

長 期 的 な 再 編 方 針 からみれば、 統 廃 合 により 生 ずる 学 校 用 地 も 対 象 と 考 えることができます。<br />

・3つの 都 市 拠 点 において、 市 有 地 にこだわらずに 空 きビルを 取 得 することやオフィスビルを 賃 貸<br />

借 することで 本 庁 舎 を 整 備 することも 考 えられますが、 新 たな 用 地 を 取 得 して 整 備 するような 場<br />

47


合 と 同 様 に、いずれもコストがかかるため 再 編 計 画 の 主 旨 と 一 致 しません。また、 本 庁 舎 整 備 の<br />

対 象 となりそうなビルも 見 当 たりません。( 参 考 : 賃 料 を 30,000 円 / 坪 ・ 月 ( 大 船 駅 東 口 第 2 地 区<br />

第 一 種 市 街 地 再 開 発 事 業 事 業 化 原 <strong>案</strong> ( 平 成 25 年 3 月 )の 賃 料 の 考 え 方 より)と 仮 定 して、 賃<br />

貸 で 30,000 m2の 本 庁 舎 の 機 能 を 入 居 させる 場 合 にかかる 年 間 賃 料 を 試 算 すると30 億 円 以 上 とな<br />

ります。この 他 に 諸 経 費 等 が 必 要 となる 事 なども 想 定 されます。)<br />

図 表 2-19 公 共 施 設 の 施 設 分 類 別 の 再 編 方 針 と 対 象 施 設<br />

区 分 施 設 分 類 別 の 再 編 方 針 都 市 拠 点 にある 対 象 施 設<br />

・ 老 朽 化 に 伴 う 機 能 更 新 の 検 討 を 進 める<br />

市 役 所 本 庁 舎<br />

市 役 所 本 庁 舎<br />

・ 行 政 センター 機 能 を 市 役 所 本 庁 舎 等 に 集 約 化 する<br />

行 政 センター<br />

・ 本 庁 舎 及 び 地 域 拠 点 校 等 へ 機 能 を 移 転 、 複 合 化 し、<br />

長 期 的 には 行 政 センターは 廃 止 する<br />

大 船 行 政 センター<br />

深 沢 行 政 センター<br />

消 防 署<br />

・ 大 船 消 防 署 は、 設 備 更 新 の 時 期 に 合 わせ、 深 沢 出 張<br />

所 を 統 合 し、 深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地 ( 行 政 用 地 )に<br />

大 船 消 防 署 ・ 消 防 本 部<br />

深 沢 出 張 所<br />

移 転 する<br />

体 育 館<br />

・ 鎌 倉 体 育 館 、 大 船 体 育 館 、 鎌 倉 海 浜 公 園 水 泳 プール<br />

を 集 約 化 し、 深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地 ( 行 政 用 地 )に<br />

総 合 体 育 館 を 新 設 する<br />

鎌 倉 体 育 館<br />

大 船 体 育 館<br />

23つの 都 市 拠 点 以 外 にあるまとまった 市 有 地<br />

・ 資 産 の 有 効 活 用 の 面 から、3つの 都 市 拠 点 以 外 からまとまった 敷 地 規 模 を 持 つ 市 有 地 を 抽 出 する<br />

と、 梶 原 四 丁 目 ( 深 沢 地 域 )にある 野 村 総 合 研 究 所 跡 地 が 挙 げられます。<br />

3 本 庁 舎 整 備 が 可 能 な 条 件 の 市 有 地 の 抽 出<br />

・ 公 共 施 設 の 再 編 に 伴 い 生 じる 用 地 は、いずれも 3,000 m2 未 満 と 敷 地 面 積 が 小 さいです。また、 周<br />

辺 の 市 街 地 は、 住 宅 や 小 規 模 な 商 業 ・ 業 務 施 設 等 が 広 がっているため、 本 庁 舎 の 整 備 候 補 地 とし<br />

ては 想 定 しにくいと 考 えられます。<br />

・ 深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地 ( 行 政 用 地 )は、 再 編 計 画 において 消 防 署 ・ 消 防 本 部 、 総 合 体 育 館 の 整 備<br />

が 計 画 されていますが、 本 庁 舎 を 整 備 する 敷 地 についても 確 保 が 可 能 であることから、 本 庁 舎 の<br />

整 備 候 補 地 として 想 定 可 能 と 考 えられます。<br />

・ 野 村 総 合 研 究 所 跡 地 は、まとまった 敷 地 規 模 を 有 する 上 に、 周 辺 の 市 街 地 から 一 定 の 距 離 があり、<br />

住 宅 地 への 影 響 が 小 さいと 考 えられます。 敷 地 の 大 半 が 市 街 化 調 整 区 域 であるなどの 課 題 があり<br />

ますが、 敷 地 規 模 等 からは 本 庁 舎 の 整 備 候 補 地 として 想 定 可 能 と 考 えられます。<br />

48


図 表 2-20 公 共 施 設 の 再 編 対 象 施 設 等 の 概 要<br />

地 域 区 分 等 施 設 名 称 住 所<br />

公<br />

共<br />

施<br />

設<br />

の<br />

再<br />

編<br />

に<br />

伴<br />

い<br />

生<br />

じ<br />

る<br />

用<br />

地<br />

資 産<br />

有 効<br />

活 用<br />

鎌 倉<br />

地 域<br />

深 沢<br />

地 域<br />

大 船<br />

地 域<br />

深 沢<br />

地 域<br />

代 表<br />

建 築 年 度<br />

敷 地 面 積<br />

(m2)<br />

延 床 面 積<br />

(m2)<br />

整 備 可 能 規 模<br />

※<br />

(m2)<br />

市 役 所 本 庁 舎 御 成 町 18-10 昭 和 44 年 14,362 14,234 11,488<br />

鎌 倉 体 育 館 由 比 ガ 浜 2-9-9 昭 和 45 年 2,997 2,864 5,994<br />

深 沢 行 政 センター 常 盤 111-3 昭 和 55 年 2,956 3,093 5,912<br />

深 沢 出 張 所 手 広 1-16-12 昭 和 57 年 1,503 954 3,006<br />

大 船 行 政 センター 大 船 2-1-26 昭 和 40 年 1,988 1,723 3,976<br />

大 船 消 防 署 大 船 3-5-10 昭 和 55 年 2,141 2,180 4,282<br />

隣 接 : 旧 大 船 第 二 子 ど<br />

も 会 館 ・ 子 どもの 家<br />

大 船 3-5-1 昭 和 53 年 256 512<br />

大 船 体 育 館 台 3-2-5 昭 和 58 年 2,630 1,573 5,260<br />

深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地<br />

( 行 政 用 地 )<br />

- - 約 26,000 - 52,000<br />

野 村 総 合 研 究 所 跡 地 梶 原 4-7-1 昭 和 41 年 160,784 15,402 160,784<br />

※ 敷 地 面 積 と 容 積 率 による 単 純 試 算<br />

4 現 時 点 での 本 庁 舎 の 必 要 面 積 の 確 保 が 可 能 な 条 件 を 持 つ 敷 地 ・ 建 築 物 の 抽 出<br />

・これまでに 挙 げたもの 以 外 に、 本 庁 舎 の 必 要 面 積 の 確 保 が 可 能 な 条 件 に 合 致 する 適 当 な 敷 地 、あ<br />

るいは 建 築 物 はありません。<br />

5 現 時 点 での 本 庁 舎 の 整 備 候 補 地 ( 想 定 )の 抽 出<br />

・ 鎌 倉 地 域 の 公 共 施 設 の 再 編 に 伴 い 生 じる 用 地 の 中 には、 本 庁 舎 整 備 を 検 討 できる 候 補 地 はなく、<br />

現 在 地 のみが 候 補 地 として 挙 げられます。<br />

・ 深 沢 地 域 の 公 共 施 設 の 再 編 に 伴 い 生 じる 用 地 の 中 には、 本 庁 舎 整 備 を 検 討 できる 候 補 地 はありま<br />

せんが、 深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地 ( 行 政 用 地 )、 野 村 総 合 研 究 所 跡 地 が 候 補 地 として 挙 げられます。<br />

・ 大 船 地 域 の 公 共 施 設 の 再 編 に 伴 い 生 じる 用 地 の 中 には、 本 庁 舎 整 備 を 検 討 できる 候 補 地 はなく、<br />

ほかにも 整 備 候 補 地 として 想 定 される 適 地 はありません。<br />

図 表 2-21 想 定 される 整 備 候 補 地 の 位 置<br />

現 時 点 で 想 定 できる<br />

整 備 候 補 地 の 抽 出<br />

1: 現 在 地<br />

2: 深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地<br />

( 行 政 用 地 )<br />

3: 野 村 総 合 研 究 所 跡 地<br />

49


3) 想 定 される 整 備 候 補 地 の 評 価 の 整 理<br />

現 在 地 、 深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地 ( 行 政 用 地 )、 野 村 総 合 研 究 所 跡 地 のうちから、 想 定 される 整 備 候<br />

補 地 を 整 理 するにあたり、 整 備 パターンの 評 価 が 大 きく 分 けると 考 えられる 評 価 軸 を 用 いて、それ<br />

ぞれの 整 備 候 補 地 を 評 価 します。<br />

・ 現 在 地 は、 現 行 法 令 等 を 遵 守 する 場 合 、 法 令 等 の 関 係 から 別 敷 地 への 分 散 が 必 要 となります。ま<br />

た、 本 庁 舎 立 地 における 意 義 や 精 神 性 は 高 いものの、 交 通 アクセスや 防 災 ・ 減 災 、 整 備 に 要 する<br />

期 間 の 面 で 課 題 があります。さらに、 深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地 ( 行 政 用 地 )や 野 村 総 合 研 究 所 跡 地<br />

への 移 転 と 比 べ、 現 在 地 で 確 保 できる 公 共 施 設 再 編 や 市 民 活 動 のための 空 間 が 限 られてしまいま<br />

す。<br />

・ 深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地 ( 行 政 用 地 )は 全 体 的 に 評 価 が 高 く、 本 庁 舎 立 地 における 意 義 や 精 神 性 は<br />

現 在 地 よりも 評 価 が 低 くなりますが、まちづくりに 関 するほかの 評 価 は 高 くなっています。 災 害<br />

時 の 対 応 力 ・ 受 援 力 は 現 在 地 や 野 村 総 合 研 究 所 跡 地 と 比 べても 評 価 が 高 く、 時 間 ・コスト 面 でも<br />

大 きな 課 題 は 見 られません。 何 より、 消 防 署 ・ 消 防 本 部 と 本 庁 舎 と 併 せた 複 合 化 による 防 災 拠 点<br />

の 形 成 や 整 備 コストの 削 減 などが 期 待 できます。<br />

・ 野 村 総 合 研 究 所 跡 地 は、 上 位 計 画 での 拠 点 の 位 置 付 けがなく、 市 街 化 調 整 区 域 であるため、 地 区<br />

計 画 等 の 都 市 計 画 法 上 の 対 応 が 必 要 となります。また、 敷 地 内 においての 唯 一 の 車 両 用 のアクセ<br />

ス 動 線 にある 道 路 橋 は 老 朽 化 が 進 んでいるため 改 修 が 必 要 となっています。さらに、 敷 地 内 の 造<br />

成 や 既 存 施 設 の 解 体 ・ 建 替 え 等 も 検 討 しなければなりません。<br />

図 表 2-22 想 定 される 整 備 候 補 地 の 評 価 のまとめ ※<br />

評 価 軸<br />

現 在 地<br />

深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地<br />

( 行 政 用 地 )<br />

野 村 総 合 研 究 所 跡 地<br />

敷 地 面 積 14,361 m2 26,000 m2 160,784 m2<br />

防<br />

災<br />

・<br />

減<br />

災<br />

1 災 害 等 へのリスクに 対 する<br />

本 庁 舎 立 地<br />

津 波 浸 水 想 定<br />

洪 水 ・ 内 水 の<br />

浸 水 予 想<br />

土 砂 災 害 の<br />

危 険 性<br />

液 状 化 の 可 能 性<br />

3 災 害 時<br />

3 災 害 応 急 対 策<br />

の 対 応<br />

活 動 の 拠 点<br />

力 ・ 受 援 力<br />

△ △ △<br />

敷 地 内 の 一 部 が 0.01m 以<br />

上 2.0m 未 満 の 浸 水<br />

浸 水 の 想 定 なし 浸 水 の 想 定 なし<br />

行 政 用 地 は<br />

敷 地 にアクセスする 接 道<br />

浸 水 想 定 なし<br />

道 路 ( 敷 地 北 側 )は「 市 民<br />

浸 水 想 定 なし ( 事 業 用 地 全 体 では 一 からの 意 見 による 道 路 冠<br />

部 区 域 で、 柏 尾 川 の 氾 濫 水 箇 所 」に 該 当<br />

による 0.5mの 浸 水 )<br />

敷 地 西 側 ( 議 場 側 )が 土 砂<br />

敷 地 北 側 ( 接 道 部 付 近 )が<br />

被 災 の 想 定 なし<br />

災 害 警 戒 区 域<br />

土 砂 災 害 警 戒 区 域<br />

敷 地 東 側 : 高 い/ 敷 地 西<br />

側 : 低 い<br />

やや 高 い( 一 部 、 高 い)<br />

低 い<br />

× △ ×<br />

50


評 価 軸<br />

6-1<br />

周 辺 環 境 への 影<br />

響 ( 用 途 地 域 ・<br />

建 物 高 さ・ 容 積<br />

率 等 )<br />

6-2<br />

現 在 地<br />

△<br />

現 行 法 規 制 に 則 る 場 合 、 現<br />

在 地 以 外 にも 敷 地 が 必 要<br />

となる。<br />

深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地<br />

( 行 政 用 地 )<br />

野 村 総 合 研 究 所 跡 地<br />

ま<br />

ちづくり<br />

6 鎌 倉 らしさの 維 持 ・ 形 成 △ 〇 △<br />

空 地 の 確 保<br />

( 建 ぺい 率 )<br />

〇<br />

用 途 地 域 、 指 定 建 ぺい 率<br />

及 び 指 定 容 積 率 につい<br />

ては、 深 沢 地 域 整 備 事 業<br />

の 中 で 決 定 。<br />

×~△<br />

大 半 が 市 街 化 調 整 区 域 で<br />

あるため、 地 区 計 画 等 によ<br />

る 対 応 が 必 要 となる。<br />

空 地 少 △ 〇 〇<br />

7 本 庁 舎 立 地 の 場 所 性 △~ 〇 △~ 〇 ×<br />

7-1<br />

意 義 ・ 精 神 性<br />

7-2<br />

交 通 アクセス<br />

8-1<br />

〇<br />

公 共 施 設 ( 隣 接 する「 旧 市<br />

街 地 の 住 宅 地 」も 参 照 して<br />

いる)<br />

△<br />

鎌 倉 駅 から 近 いが、 歩 行 者<br />

空 間 などが 脆 弱<br />

△~ 〇<br />

深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地<br />

全 体 が 新 都 市 機 能 導 入<br />

地 に 該 当<br />

〇<br />

湘 南 モノレール 湘 南 深<br />

沢 駅 から 徒 歩 すぐ<br />

×~△<br />

緑 地 景 観<br />

新 都 市 機 能 導 入 地 に 該 当<br />

×<br />

自 動 車 ・バスでの 移 動 が 必<br />

要 となる<br />

8 整 備 に 要 する 期 間 △ 〇 ×<br />

時<br />

間<br />

・<br />

都 市 計 画 変 更 等<br />

8-2<br />

埋 蔵 文 化 財 調 査<br />

10-2 財 政 負 担 の 軽 減 及 び 公<br />

共 施 設 再 編 との 連 携<br />

△~ 〇<br />

風 致 地 区 ・ 用 途 地 域<br />

△<br />

敷 地 全 体 が 該 当<br />

〇<br />

△<br />

行 政 用 地 全 体 が 該 当<br />

×<br />

市 街 化 調 整 区 域 地 区 計 画<br />

△<br />

敷 地 全 体 が 該 当<br />

△ 〇 〇<br />

総 合 評 価 △~ 〇 〇 ×~△<br />

鎌 倉 地 域 での 公 共 施 設 再<br />

編 との 連 動 が 可 能 となる<br />

現 在 地 以 外 にも 敷 地 が 必<br />

が、 都 市 計 画 対 応 が 必 要 と<br />

要 となるが、 現 行 法 規 制 に 再 編 計 画 に 基 づく 大 船<br />

なる。<br />

則 った 整 備 は 可 能 である。 消 防 署 ・ 消 防 本 部 と 深 沢<br />

アクセス 性 の 改 善 や 造 成 、<br />

現 在 地 のみで 整 備 する 場 出 張 所 の 統 合 と 本 庁 舎<br />

既 存 施 設 の 解 体 等 のコス<br />

合 は 都 市 計 画 変 更 手 続 き と 併 せた 複 合 化 による<br />

トが 必 要 となる。<br />

備 考<br />

が 必 要 となる。なお、 既 存 防 災 面 での 連 携 や 整 備<br />

また、 敷 地 全 体 が 埋 蔵 文 化<br />

施 設 の 解 体 等 のコストが コストの 削 減 が 検 討 で<br />

財 包 蔵 地 に 該 当 しており、<br />

必 要 となる。<br />

きる。また、 鎌 倉 地 域 で<br />

調 査 が 必 要 となる。<br />

また、 敷 地 全 体 が 埋 蔵 文 化 の 公 共 施 設 再 編 も 連 動<br />

なお、 一 部 歴 史 的 風 土 特 別<br />

財 包 蔵 地 に 該 当 しており、 できる。<br />

保 存 地 区 、 一 部 史 跡 北 条 氏<br />

調 査 が 必 要 となる。<br />

常 盤 亭 跡 の 法 規 制 への 検<br />

討 も 必 要 となる。<br />

※ 評 価 軸 2 建 物 特 性 、4 就 業 環 境 、5 市 民 活 動 、9-1 仮 庁 舎 敷 地 の 必 要 性 、9-2 仮 庁 舎 整 備 の 費 用 、10-1 本 庁 舎 そのもの 財 政 負 担 軽 減 策 の 可 能 性 については、<br />

移 転 先 によって 評 価 が 変 わるものではないため、 本 表 では 評 価 を 省 略 する。<br />

51


5. 整 備 パターンの 評 価 のまとめ<br />

整 備 パターンや 想 定 される 整 備 候 補 地 の 評 価 を 踏 まえ、 次 の 通 りとりまとめることができます。<br />

整 備 パターンとして 検 討 を 進 めた <strong>案</strong> 1~3 及 び 参 考 A~Cの 評 価 を 踏 まえ、 本 庁 舎 を 移 転 先 に 建<br />

設 し、 現 在 地 は 主 に 市 民 利 用 に 資 する 機 能 を 配 置 する <strong>案</strong> 1と <strong>案</strong> 3の 改 善 <strong>案</strong> が 最 も 整 備 効 果 が 高 い 整<br />

備 パターンであると 考 えられます。<br />

なお、 具 体 的 に 想 定 できる 移 転 先 の 有 無 についても、 深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地 ( 行 政 用 地 )などを<br />

想 定 できることを 確 認 しました。<br />

表 2-23 整 備 パターンの 機 能 配 置 イメージ<br />

機 能 配 置 のイメージ<br />

機 能 配 置 の 特 徴 等<br />

● 適 切 な 機 能 分 担 <strong>案</strong><br />

・ 鎌 倉 地 域 での 市 民 サービス<br />

機 能 が 確 保 できる。<br />

・ 学 習 C 等 の 機 能 を 配 置 する<br />

ことで、 市 民 活 動 の 促 進 が<br />

<strong>案</strong> 1と <strong>案</strong> 3<br />

の 改 善 <strong>案</strong><br />

期 待 できる。<br />

・ 行 政 機 能 が 集 約 でき、 効 率<br />

的 な 事 務 運 営 が 可 能 であ<br />

る。<br />

・ 仮 庁 舎 を 経 ないで、 新 たな<br />

庁 舎 での 行 政 サービスの 提<br />

供 に 移 行 が 可 能 である。<br />

52


第 3 章 本 庁 舎 の 整 備 方 針<br />

1. 本 庁 舎 整 備 の 基 本 方 針<br />

1) 本 庁 舎 の 整 備 について<br />

本 庁 舎 は、 移 転 して 整 備 する 方 針 とします。<br />

本 庁 舎 を 移 転 とする 中 で、 現 在 地 はポテンシャルが 高 く 本 庁 舎 以 外 の 多 様 な 用 途 での 活 用 による<br />

新 たな 価 値 の 創 出 も 期 待 できます。 移 転 することによって 現 在 地 の 跡 地 の 利 活 用 を 検 討 できること<br />

から、 現 在 地 については、 防 災 的 機 能 、 市 民 利 用 機 能 などを 出 来 る 限 り 配 置 することに 併 せて、コ<br />

スト 削 減 目 標 の 実 現 に 向 けた 公 共 施 設 の 再 編 とともに、 公 的 不 動 産 の 活 用 などの 事 業 手 法 等 も 取 入<br />

れながら 整 備 を 進 めていくなどの 観 点 から 検 討 を 進 めていきます。<br />

なお、 移 転 先 については、 深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地 などのほか、 他 の 公 有 地 や 低 未 利 用 地 の 活 用 な<br />

ども 含 めて、 全 市 的 な 視 点 から 適 地 を 定 めていきます。<br />

2) 機 能 配 置 の 基 本 的 な 考 え 方<br />

次 の 時 代 を 担 う 本 庁 舎 の 整 備 にあたっては、 時 代 に 応 じた 新 しいニーズを 取 り 入 れるなど、 柔 軟<br />

に 考 えていく 必 要 があります。 移 転 という 整 備 方 針 とする 中 で、これまでの 検 討 経 過 を 踏 まえ、 今<br />

後 の 本 庁 舎 整 備 に 向 けて、 現 在 地 及 び 移 転 先 にどのような 機 能 を 配 置 すべきかについて、 今 後 の 本<br />

庁 舎 整 備 に 重 要 なテーマである「 災 害 への 対 応 」と「まちづくり」の 観 点 から、 望 ましい 機 能 配 置<br />

を 整 理 します。<br />

1 災 害 への 対 応<br />

・ 地 震 災 害 等 の 影 響 によって 市 役 所 機 能 が 低 下 する 場 合 であっても 優 先 して 実 施 すべき 業 務 の 継 続<br />

と 早 期 の 復 旧 を 実 現 し、 市 民 ・ 事 業 者 の 生 命 ・ 生 活 ・ 財 産 を 守 り、 都 市 機 能 を 維 持 ・ 復 旧 するこ<br />

とができることが、 本 庁 舎 のあるべき 姿 の1つです。<br />

・ 災 害 時 の 対 応 力 、 受 援 力 の 観 点 、 緊 急 輸 送 路 の 安 全 性 の 確 保 、 津 波 浸 水 想 定 を 踏 まえた 防 災 拠 点<br />

の 配 置 等 、 必 要 な 本 庁 舎 機 能 をまとめて 確 保 し、 通 常 業 務 と 災 害 対 応 がともに、 総 合 的 に 機 能 す<br />

るよう 検 討 する 必 要 があります。この 視 点 について、 国 土 交 通 省 が 定 めた 官 庁 施 設 の 総 合 耐 震 ・<br />

対 津 波 計 画 基 準 ( 平 成 25 年 3 月 改 定 )では「 官 庁 施 設 の 位 置 は、 地 震 災 害 時 においても、 人 命 ・<br />

財 産 の 安 全 が 十 分 に 確 保 されるように 選 定 するものとする。」、「 災 害 応 急 対 策 活 動 に 必 要 な 官 庁 施<br />

設 の 位 置 は、ライフライン 及 び 前 面 道 路 の 機 能 障 害 が 発 生 せず、 又 は、 早 期 復 旧 が 可 能 なよう 選<br />

定 するものとする。」という 基 準 を 設 けています。<br />

・ 災 害 発 生 時 の 被 災 自 治 体 では、 救 助 ・ 捜 索 ・ 救 援 物 資 ・ 避 難 所 運 営 等 の 膨 大 な 業 務 が 発 生 し、こ<br />

れらの 災 害 応 急 対 応 を 早 期 に 行 うため、 国 をはじめ、 他 自 治 体 、 行 政 機 関 、 関 連 企 業 等 からの 支<br />

援 を 受 けながら 復 旧 に 取 組 んでいくこととなります。このため、 受 援 力 を 活 かすために 敷 地 や 庁<br />

舎 内 に、 平 時 だけなく 災 害 時 にも 活 用 できる 有 効 なスペースを 設 けておく 必 要 があります。また、<br />

移 転 先 については、 近 隣 にグラウンド、ヘリポートなど 防 災 面 で 連 携 を 図 れる 機 能 などが 所 在 し<br />

ていること、これらへのアクセスが 容 易 なことで、 更 に 災 害 への 備 えを 万 全 にできると 考 えます。<br />

53


・ 本 庁 舎 は、 他 の 防 災 機 能 等 との 連 携 や 災 害 時 の 対 応 力 、 受 援 力 を 予 め 高 めることを 考 慮 して 防 災<br />

拠 点 を 形 成 することにより、 災 害 時 にも 全 市 に 対 して 早 急 で 効 率 的 なフォローが 可 能 となります。<br />

そのため、 新 たな 防 災 対 策 への 投 資 を 必 要 最 小 限 にとどめることができ、 総 合 的 な 観 点 からのコ<br />

スト 縮 減 につながるなど、 本 市 において 新 たな 価 値 を 生 み 出 すものと 考 えます。<br />

・ 移 転 先 が 防 災 拠 点 となり、 市 長 が 災 害 対 策 本 部 で 指 揮 を 執 ることから、 主 要 な 行 政 機 能 や 職 員 も<br />

あわせて 移 転 先 に 配 置 することで、より 効 果 的 ・ 効 率 的 に 機 能 することとになります。<br />

・ただし、 鎌 倉 地 域 には、 通 年 、 多 くの 観 光 客 が 訪 問 していることを 鑑 みれば、 南 海 トラフを 震 源<br />

とする 巨 大 地 震 や 首 都 直 下 地 震 を 想 定 すると、 避 難 上 有 効 な 公 園 や 空 地 、 津 波 避 難 ビルなどの 確<br />

保 は 十 分 とはいえません。 本 庁 舎 が 移 転 することによる 現 在 地 の 跡 地 の 利 活 用 の 中 において、 平<br />

時 だけに 関 わらず、 災 害 対 策 も 考 慮 した 新 たな 防 災 機 能 の 確 保 について 検 討 していく 必 要 がある<br />

と 考 えます。<br />

図 表 3-1 現 在 地 と 移 転 先 における 災 害 への 対 応 イメージ<br />

現 状<br />

( 現 在 地 からの 災 害 対 応 のイメージ)<br />

移 転 先 を 防 災 拠 点<br />

とした 場 合<br />

( 現 在 地 からの 災 害 対 応 のイメージ)<br />

※1 緊 急 輸 送 路 による 市 外 からの 支 援 のイメージ<br />

※2 移 転 先 のイメージであり、 深 沢 地 域 整 備 事 業 用 地 を 移 転 先 と 確 定 しているものではありません。<br />

54


2まちづくり<br />

・ 現 在 地 は、 鎌 倉 地 域 の 中 心 に 位 置 し、 市 庁 舎 が 整 備 されて 以 降 、 市 民 に 親 しまれている 場 所 です。<br />

また、 緑 が 多 く、 落 ち 着 きや 潤 いが 感 じられるという 市 民 意 向 も 見 られます。<br />

・ 現 在 地 がある 鎌 倉 地 域 において、 若 宮 大 路 や 駅 周 辺 のエリアは、 圏 域 の 変 遷 はあるものの、 鎌 倉<br />

時 代 から 継 続 的 に 中 心 的 な 行 政 機 能 を 有 する 場 所 であり、 現 在 地 も 約 50 年 間 本 庁 舎 が 立 地 して<br />

おり、 市 民 の 精 神 的 なよりどころとなっている 場 であるともいえます。<br />

・このような 場 においては、 窓 口 はあるもののオフィス 的 機 能 が 主 な 行 政 機 能 である 本 庁 舎 などの<br />

市 民 との 接 点 が 弱 い 機 能 を 配 置 するより、 移 転 による 現 在 地 の 跡 地 の 利 活 用 の 中 で、 鎌 倉 地 域 の<br />

公 共 施 設 の 再 編 と 連 動 し、 市 民 の 活 動 や 文 化 ・ 交 流 を 育 む 機 能 を 配 置 することが、 鎌 倉 市 のまち<br />

づくりを 進 める 上 で、 特 に 重 要 であると 考 えられます。<br />

・ 現 在 地 及 び 移 転 先 には、それぞれの 敷 地 や 周 囲 のまちとの 関 係 性 を 考 慮 した 適 材 適 所 の 機 能 ( 鎌<br />

倉 地 域 での 市 民 や 観 光 客 を 含 めた 様 々な 人 々の 活 動 の 場 の 実 現 など)を 配 置 することにより、ど<br />

ちらの 地 域 にもまちづくりにおける 新 たな 価 値 を 生 み 出 すよう 考 えていきます。<br />

以 上 の 防 災 とまちづくりの 観 点 から、 次 に 示 す 機 能 を 配 置 することが 望 ましいといえます。<br />

図 表 3-2 現 在 地 と 移 転 先 における 機 能 配 置 の 考 え 方<br />

現 在 地<br />

・ 災 害 時 における 市 民 や 観 光 客 の 一 時 避 難 機 能 、<br />

備 蓄 などのバックアップ 機 能 、 災 害 時 に 災 害 対<br />

策 の 拠 点 となる 新 たな 本 庁 舎 との 連 携 した 災 害<br />

対 策 機 能<br />

・ 市 民 の 活 動 や 文 化 ・ 交 流 を 育 む 機 能<br />

・ 行 政 機 能 ( 市 民 サービス 機 能 等 に 特 化 )<br />

移 転 先<br />

・ 防 災 拠 点 機 能 を 配 置 し、 災 害 時 の 対 応 力 、 受 援<br />

力 の 確 保 、 備 蓄 などのバックアップ 機 能<br />

・ 集 約 した 行 政 機 能<br />

・ 市 民 活 動 をサポートする 機 能<br />

・ 移 転 先 のまちづくりと 連 携 する 機 能<br />

機 能 配 置 の 考 え 方 として、 移 転 先 に 行 政 機 能 を 集 約 化 するとともに、 現 在 地 では 学 習 C 等 の 機 能 、<br />

民 間 機 能 に 加 え、 現 在 地 に 必 要 な 行 政 機 能 ( 例 : 市 民 サービスコーナー(ルミネウイング6 階 )や<br />

市 民 利 用 と 連 携 する 機 能 など) 等 を 配 置 することで、 適 切 な 機 能 分 担 となることが 期 待 できます。<br />

55


3) 各 種 機 能 の 配 置 と 規 模<br />

移 転 先 に 本 庁 舎 の 行 政 機 能 を 集 約 し、 現 在 地 には、 一 時 避 難 場 所 、 地 域 や 市 民 活 動 等 のために 現<br />

在 地 に 置 くべき 行 政 機 能 を 配 置 することを 跡 地 活 用 の 中 で 検 討 していくことで、 効 果 的 ・ 効 率 的 な<br />

機 能 の 配 置 や 規 模 を 目 指 します。 併 せて、 図 書 館 や 学 習 センター、 福 祉 センターなどの 市 民 利 用 施<br />

設 、 民 間 施 設 などの 機 能 を 複 合 することで、 市 民 や 観 光 客 が 情 報 ( 知 識 や 経 験 )を 共 有 し、 交 流 を<br />

生 み 出 し、 鎌 倉 地 域 にあったまちづくりを 促 進 するエリアの 形 成 を 検 討 します。<br />

図 表 3-3 現 在 地 と 移 転 先 の 機 能 配 分 のイメージ<br />

現 在 地 のイメージ<br />

移 転 先 のイメージ<br />

一 時 避 難 場 所 等 の 機 能<br />

市 民 サービス 機 能 等<br />

学 習 センター 等 機 能<br />

内 容 ・ 規 模 を 調 整<br />

行 政 機 能<br />

25,000~30,000 m2 程 度<br />

民 間 機 能<br />

合 計 最 大 14,000 m2 程 度 合 計 25,000~30,000 m2 程 度<br />

図 表 3-4 機 能 配 置 のイメージ<br />

56


2. 本 庁 舎 整 備 の 進 め 方<br />

1) 財 源 確 保 と 公 的 不 動 産 の 有 効 活 用<br />

1 補 助 金 等 の 活 用<br />

・ 現 行 補 助 金 等 の 制 度 において、 本 庁 舎 整 備 に 係 る 直 接 的 な 補 助 制 度 は 見 当 たらないところですが、<br />

補 助 金 等 を 活 用 する 手 法 などがないか、 引 き 続 き 検 討 していきます。<br />

・ 財 政 上 有 利 な 地 方 債 ( 防 災 対 策 事 業 を 対 象 とした 地 方 債 など)の 活 用 を 検 討 します。<br />

2 民 間 活 用 の 可 能 性<br />

・PFI 事 業 は、 性 能 発 注 に 基 づく 設 計 ・ 整 備 ・ 管 理 運 営 を 民 間 事 業 者 が 一 体 的 に 行 うものであり、<br />

効 率 性 の 観 点 から 一 定 の 効 果 は 期 待 できるものの、PFI 事 業 の 大 半 が 税 財 源 から 延 べ 払 いで 支 払<br />

うサービス 購 入 型 であり、 税 財 源 以 外 の 収 入 ( 利 用 料 金 等 )により 整 備 ・ 管 理 にかかる 費 用 を 回<br />

収 する 事 業 は 少 ないのが 実 態 です。しかし、 必 要 な 社 会 資 本 の 整 備 ・ 維 持 更 新 と 財 政 健 全 化 を 両<br />

立 させるためには、 民 間 活 力 を 積 極 的 に 受 け 入 れ、 資 金 やノウハウを 最 大 限 に 活 用 することが 有<br />

効 です。<br />

・ 特 に 現 在 地 は“ 古 都 ・ 鎌 倉 ”の 観 光 エリアに 近 く、 交 通 結 節 点 である 鎌 倉 駅 にも 近 いことから、<br />

学 習 センター 機 能 等 と 合 わせて 民 間 機 能 を 導 入 することで、より 経 済 的 で 効 果 的 な 官 民 連 携 によ<br />

る 市 民 サービスの 提 供 が 期 待 できます。<br />

・ 本 庁 舎 の 機 能 のうち、 防 災 拠 点 機 能 、 事 業 者 サービス 機 能 、 内 部 管 理 機 能 等 を 移 転 先 への 移 転 し、<br />

集 約 する 想 定 とすると、 現 在 地 では 多 様 な 民 間 活 用 の 展 開 が 可 能 となります。そのため、 本 庁 舎<br />

整 備 と 並 行 して 現 在 地 の 跡 地 の 利 活 用 も 検 討 する 必 要 があります。<br />

・こういった PFI・PPP 活 用 した 事 業 手 法 による 整 備 を 目 指 し、 財 政 負 担 の 平 準 化 、 工 事 費 などに<br />

かかるイニシャルコスト、 運 営 などにかかるランニングコストの 縮 減 による 財 政 負 担 の 軽 減 のほ<br />

か、 財 源 の 確 保 に 取 組 んでいきます。<br />

57


4 公 的 不 動 産 の 活 用<br />

・ 民 間 活 用 の 具 体 的 な 取 組 として 地 方 公 共 団 体 が 所 有 する 公 的 不 動 産 の 有 効 活 用 があります。<br />

・ 本 庁 舎 整 備 と 併 せて 鎌 倉 地 域 の 公 共 施 設 再 編 を 進 めることによる、 中 央 図 書 館 等 の 敷 地 の 売 却 や<br />

定 期 借 地 権 の 設 定 などによる 財 源 確 保 が 可 能 となります。<br />

・ 本 市 は、 現 時 点 では 本 庁 舎 整 備 のための 基 金 の 積 み 立 てを 行 っていないため、 公 的 不 動 産 の 有 効<br />

活 用 も 含 め、 様 々な 財 政 負 担 の 軽 減 策 を 検 討 する 必 要 があります。<br />

図 表 3-5 PFI・PPP 事 業 等 のタイプ 別 の 考 え 方 と 効 果<br />

引 用 :PPP/PFIの 抜 本 改 革 に 向 けたアクションプラン<br />

■ 参 考 :PFI 手 法 を 活 用 した 庁 舎 整 備 の 事 例 ( 横 浜 市 瀬 谷 区 総 合 庁 舎 及 び 二 ツ 橋 公 園 )<br />

・ 新 耐 震 基 準 への 適 合 や 狭 あい 化 への 対 応 のための 区 総 合 庁 舎 の 建 替 えと、 老 朽 化 やバリアフリーへの<br />

対 応 のための 二 ツ 橋 公 園 の 整 備 を 目 的 として 民 間 事 業 者 (グリーンファシリティーズ 瀬 谷 株 式 会 社 )<br />

と 契 約 を 締 結 し、PFI 手 法 によって 整 備 ・ 維 持 管 理 ・ 運 営 を 実 施 しています。<br />

施 設 概 要 庁 舎 延 べ 床 面 積 約 15,000 m2<br />

公 園 敷 地 面 積 6,026 m2<br />

契 約 金 額 約 109 億 円<br />

事 業 期 間 平 成 20 年 12 月 ~ 平 成 38 年 3 月<br />

事 業 内 容 庁 舎 施 設 、 公 園 の 設 計 、 建 築<br />

維 持 管 理<br />

( 建 築 物 保 守 管 理 、 建 築 設 備 保 守 管 理 等 )<br />

運 営 ( 公 会 堂 、 食 堂 及 び 売 店 等 )<br />

事 業 者 グリーンファシリティーズ 瀬 谷 ( 株 )<br />

引 用 : 横 浜 市 瀬 谷 区 総 合 庁 舎 及 び 二 ツ 橋 公 園 整 備 事 業 事 業 概 要<br />

横 浜 市 PFI 事 業 の 概 要 について<br />

58


■ 参 考 :PPP 手 法 を 活 用 した 庁 舎 の 移 転 建 替 えと 跡 地 活 用 の 事 例 ( 豊 島 区 新 庁 舎 ・ 旧 庁 舎 跡 地 )<br />

・ 小 学 校 等 跡 地 での 再 開 発 事 業 として 新 庁 舎 を 移 転 建 替 えしています。 民 間 事 業 者 と 共 同 して 豊 島 区 新<br />

庁 舎 、 商 業 施 設 、 分 譲 マンションからなる 地 上 48 階 建 ての 建 物 を 建 設 し、 地 権 者 住 戸 を 除 いた 分 譲 部<br />

分 は 民 間 事 業 者 等 が 販 売 しています。<br />

・ 旧 豊 島 区 庁 舎 敷 地 及 び 旧 公 会 堂 敷 地 は、 民 間 事 業 者 ( 東 京 建 物 、サンケイビル、 鹿 島 建 設 で 構 成 さ<br />

れるグループ)が 民 間 オフィスビル、 文 化 施 設 等 として 整 備 し、 豊 島 区 の 新 ホールも 整 備 されます。<br />

・ 小 学 校 等 跡 地 の 権 利 変 換 での 権 利 床 と、 旧 豊 島 区 庁 舎 敷 地 及 び 旧 公 会 堂 敷 地 の 定 期 借 地 料 をもとに<br />

取 得 した 保 留 床 で 延 べ 床 面 積 約 25,500 m2の 新 庁 舎 を 整 備 しています。なお、 旧 豊 島 区 庁 舎 敷 地 及 び<br />

旧 公 会 堂 敷 地 の 70 年 間 の 定 期 借 地 料 として 191 億 円 を 区 が 受 け 取 ることとなりますが、 新 庁 舎 の 保<br />

留 床 購 入 費 が 約 140 億 円 、 旧 公 会 堂 敷 地 内 の 新 ホール 整 備 費 が 約 50 億 円 かかることとなります。<br />

引 用 : 豊 島 区 ホームページ<br />

公 共 施 設 ・インフラの 改 修 、 維 持 保 全 へのPPP 導 入 に 向 けた 共 同 研 究 横 浜 市 、みずほ 証 券 株 式 会 社<br />

59


2) 本 庁 舎 整 備 と 公 共 施 設 再 編 の 事 業 展 開 の 例<br />

本 庁 舎 の 整 備 にあたり、 段 階 的 な 検 討 により 現 在 地 と 移 転 先 での 整 備 を 推 進 するとともに、 合 わ<br />

せて 再 編 を 行 う 鎌 倉 地 域 の 公 共 施 設 の 活 用 についても 随 時 検 討 を 進 めます。<br />

本 庁 舎 整 備 、 公 共 施 設 再 編 に 関 する 事 業 を 段 階 的 に 推 進 することで、より 効 果 的 な 移 転 先 と 現 在<br />

地 の 整 備 の 実 現 を 目 指 します。<br />

図 表 3-6 本 庁 舎 整 備 に 連 動 した 公 共 施 設 再 編 と 事 業 の 展 開 イメージ<br />

移 転 先 現 在 地 鎌 倉 地 域 の 公 共 施 設 再 編<br />

本 庁 舎 整 備 方 針<br />

移 転 先 の 適 地 を 選 定<br />

整 備 構 想 の 検 討<br />

現 在 地 活 用<br />

方 針 の 検 討<br />

現 在 地 活 用<br />

の 市 場 調 査<br />

整 備 計 画 の 検 討<br />

現 在 地 活 用 構 想 の 検 討<br />

設 計 ・ 着 工<br />

( 解 体 )<br />

活 用 計 画 の 検 討<br />

設 計<br />

公 的 不 動 産 の 市 場 調 査<br />

本 庁 舎 移 転 ・ 供 用 開 始<br />

着 工<br />

公 的 不 動 産 の<br />

活 用 方 法 の 検 討<br />

学 習 C 等 移 転 ・ 供 用 開 始<br />

公 的 不 動 産 の 活 用<br />

60


■ 参 考 資 料


1. 整 備 パターン<br />

整 備 パターンは 以 下 の 観 点 で 設 定 しています。<br />

● 必 要 な 庁 舎 面 積 を(30,000 m2と 想 定 )を 敷 地 内 で 確 保 できない 分 は、 敷 地 外 での 確 保 を 想 定 する。<br />

●「 現 在 地 建 替 え」、「 現 在 地 長 寿 命 化 」については、 現 在 地 下 を 利 用 している 部 分 以 外 は、 遺 構 に 影<br />

響 を 及 ぼさないために、 建 物 の 基 礎 も 含 めて 地 下 を 使 わない2 階 建 までの 計 画 とする。<br />

●「 現 在 地 建 替 え」、「 現 在 地 長 寿 命 化 」については、 風 致 地 区 の 制 限 ( 高 さ 10m・ 建 ぺい 率 40%)<br />

等 の 諸 制 限 を 遵 守 する <strong>案</strong> ( <strong>案</strong> 1、 <strong>案</strong> 2)のほか、 参 考 シミュレートとして 制 限 の 緩 和 を 仮 定 した <strong>案</strong><br />

( 参 考 A~C)も 設 定 する。<br />

整 備<br />

パターン<br />

<strong>案</strong> 1: 現 在 地 建 替 え<br />

( 風 致 地 区 等 制 限 を 守 る)<br />

<strong>案</strong> 2: 現 在 地 長 寿 命 化 + 増 築<br />

( 風 致 地 区 等 制 限 を 守 る)<br />

<strong>案</strong> 3: 移 転 建 替 え<br />

整 備<br />

イメージ<br />

庁 舎<br />

面 積<br />

利 点<br />

及 び<br />

課 題<br />

コスト<br />

の 課 題 等<br />

延 床 面 積 :1.41 万 m2<br />

→ 現 敷 地 外 で 確 保 1.59 万 m2<br />

・ 現 在 地 で 市 民 対 応 機 能 を 中<br />

心 とした 機 能 を 配 置 できる<br />

が、 庁 舎 機 能 を 一 つの 建 物<br />

に 集 約 できない。<br />

・ 敷 地 に 余 裕 がなく、 駐 車 場<br />

の 確 保 等 が 困 難 である。<br />

・ 解 体 に 要 する 期 間 とその 費<br />

用 がかかる。<br />

・ 仮 庁 舎 が 必 要 であり、 現 在<br />

地 は 埋 蔵 文 化 財 包 蔵 地 であ<br />

るほか、 工 事 を 安 全 に 行 う<br />

ためにも 仮 庁 舎 の 整 備 場 所<br />

を 敷 地 外 に 求 めなければな<br />

らない 可 能 性 がある。<br />

延 床 面 積 :1.54 万 m2<br />

→ 現 敷 地 外 で 確 保 1.46 万 m2<br />

・ 現 在 地 で 市 民 対 応 機 能 を 中<br />

心 とした 機 能 を 配 置 できる<br />

が、 庁 舎 機 能 を 一 つの 建 物<br />

に 集 約 できない。<br />

・ 耐 震 改 修 や 設 備 の 地 下 から<br />

の 移 設 を 含 めると、 新 築 以<br />

上 の 費 用 が 見 込 まれるが、<br />

耐 用 年 数 は 半 分 の 50 年 と<br />

想 定 される。<br />

・ 敷 地 に 余 裕 がなく、 駐 車 場<br />

の 確 保 等 が 困 難 である。<br />

・ 仮 庁 舎 が 必 要 であり、 現 在<br />

地 は 埋 蔵 文 化 財 包 蔵 地 であ<br />

るほか、 工 事 を 安 全 に 行 う<br />

ためにも 仮 庁 舎 の 整 備 場 所<br />

を 敷 地 外 に 求 めなければな<br />

らない 可 能 性 がある。<br />

延 床 面 積 :3.0 万 m2<br />

→ 現 敷 地 の 跡 地 活 用 可 能<br />

・ 庁 舎 機 能 を 一 つの 建 物 に 集<br />

約 できる。<br />

・ 対 津 波 など、 現 在 地 におけ<br />

る 防 災 的 な 課 題 が 解 決 を 目<br />

指 せる。<br />

・ 現 庁 舎 の 有 効 活 用 を 検 討 で<br />

きるが、 移 転 先 が 必 要 であ<br />

る。<br />

・ 解 体 工 事 や 仮 庁 舎 が 不 要 な<br />

ため、 整 備 に 要 する 期 間 が<br />

他 の <strong>案</strong> に 比 べて 短 い。<br />

・ 他 の <strong>案</strong> と 異 なり、 引 越 しが<br />

1 回 で 済 み、 仮 庁 舎 も 不 要<br />

である。<br />

※ 整 備 パターンやコストは、 昨 年 度 実 施 した 基 礎 調 査 を 引 用 し、 作 成 したもの。<br />

参 1


参 考<br />

シミュ<br />

レート<br />

参 考 A: 現 在 地 建 替 え<br />

( 風 致 地 区 制 限 超 過 )<br />

参 考 B: 現 在 地 長 寿 命 化 ( 一 部 除 却 + 増 築 )<br />

( 風 致 地 区 制 限 超 過 )<br />

参 考 C: 現 在 地 建 替 え<br />

( 風 致 地 区 制 限 超 過 、 用 途 地 域 変 更 )<br />

整 備<br />

イメージ<br />

庁 舎<br />

面 積<br />

利 点<br />

及 び<br />

課 題<br />

コスト<br />

の 課 題 等<br />

延 床 面 積 :2.87 万 m2<br />

→ 現 敷 地 外 で 確 保 0.13 万 m2<br />

・ 現 在 地 で 庁 舎 機 能 をほぼ 整<br />

備 できる。<br />

・ 風 致 地 区 制 限 超 過 の 適 用 に<br />

ついて 大 きな 検 討 が 必 要 と<br />

なる。<br />

・ 敷 地 にほとんど 余 裕 がな<br />

く、 駐 車 場 の 確 保 等 が 極 め<br />

て 困 難 である。<br />

・ 解 体 に 要 する 期 間 とその 費<br />

用 がかかる。<br />

・ 仮 庁 舎 が 必 要 であり、 現 在<br />

地 は 埋 蔵 文 化 財 包 蔵 地 であ<br />

るほか、 工 事 を 安 全 に 行 う<br />

ためにも 仮 庁 舎 の 整 備 場 所<br />

を 敷 地 外 に 求 めなければな<br />

らない 可 能 性 がある。<br />

延 床 面 積 :2.51 万 m2<br />

→ 現 敷 地 外 で 確 保 0.49 万 m2<br />

・ 現 在 地 で 庁 舎 機 能 のかなり<br />

の 部 分 を 整 備 できる。<br />

・ 耐 震 改 修 や 設 備 の 地 下 から<br />

の 移 設 を 含 めると、 新 築 以<br />

上 の 費 用 が 見 込 まれるが、<br />

耐 用 年 数 は 半 分 の 50 年 と<br />

想 定 される。<br />

・ 風 致 地 区 制 限 超 過 の 適 用 に<br />

ついて 大 きな 検 討 が 必 要 と<br />

なる。<br />

・ 敷 地 にほとんど 余 裕 がな<br />

く、 駐 車 場 の 確 保 等 が 極 め<br />

て 困 難 である。<br />

・ 部 分 的 な 解 体 に 要 する 期 間<br />

とその 費 用 がかかる。<br />

・ 仮 庁 舎 が 必 要 であり、 現 在<br />

地 は 埋 蔵 文 化 財 包 蔵 地 であ<br />

るほか、 工 事 を 安 全 に 行 う<br />

ためにも 仮 庁 舎 の 整 備 場 所<br />

を 敷 地 外 に 求 めなければな<br />

らない 可 能 性 がある。<br />

延 床 面 積 :3.0 万 m2<br />

・ 現 在 地 で 庁 舎 機 能 を 整 備 で<br />

きる。<br />

・ 追 加 で 整 備 可 能 な 部 分 を 活<br />

用 して 鎌 倉 地 域 周 辺 の 他 の<br />

公 共 施 設 の 集 約 ・ 複 合 化 も<br />

可 能 である。<br />

・ 風 致 地 区 制 限 超 過 の 適 用 、<br />

都 市 計 画 変 更 の 理 由 づけ、<br />

景 観 行 政 等 の 取 組 みや 都 市<br />

計 画 マスタープラン 等 の 上<br />

位 計 画 との 不 整 合 等 につい<br />

て 大 きな 検 討 が 必 要 とな<br />

る。 日 影 等 の 周 辺 への 影 響<br />

も 大 きい。<br />

・ 解 体 に 要 する 期 間 とその 費<br />

用 がかかる。<br />

・ 仮 庁 舎 が 必 要 であり、 現 在<br />

地 は 埋 蔵 文 化 財 包 蔵 地 であ<br />

るほか、 工 事 を 安 全 に 行 う<br />

ためにも 仮 庁 舎 の 整 備 場 所<br />

を 敷 地 外 に 求 めなければな<br />

らない 可 能 性 がある。<br />

※ 整 備 パターンやコストは、 昨 年 度 実 施 した 基 礎 調 査 を 引 用 し、 作 成 したもの。<br />

参 2

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