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第 1 章
調 査 の 背 晙 と 目 的
飯颎 島 明 子 ・ 和 田 恵 次
日 曓 列 島 の 沿沥 岸 域 は, 南 からの 暖晵 流泴 ( 黒 潮滠 ・ 対 馬飦 暖晵 流泴 )と 北 からの 寒 流泴 ( 親 潮滠 )の 影 響 により,
生璦 物 多 様 性 がきわわめて 高 いことが 知 られている. 特 に 陸 と 海 の 移 行 帯 である 潮滠 間 帯 は, 干 出 時昷 間 の
差 異瓧 ・ 地 形 ・ 底 質 ・ 淡流 水 の 影 響 などの 環瑧 境 条曵 件 の 差 が 大 きいために, 多 様 な 底 生璦 動 物 群 集 が 育 まれ
る.
内 湾 や 河沜 口 などの 沿 穏 やかな 遠 浅 の 堆 積 海 岸 では, 潮滠 間 帯 に 干 潟滘 が 形 成 される. 干 潟滘 には, 底 質
中 に 埋 没 したり 巣 穴 を 掘 って 生璦 活泯 する 底 生璦 動 物 が 多 く 見 られる.これらの 底 生璦 動 物 は, 砂 や 泥況 など
の 底 質 の 差 異瓧 ・ 水 条曵 件 の 差 異瓧 ・ 淡流 水 の 影 響 の 強 さ・ 外 洋泒 の 影 響 の 強 さなどによって 生璦 息 できる 範 囲
が 種 によって 異瓧 なるため, 複 数 の 環瑧 境 勾 配 を 持 つ 干 潟滘 では,その 生璦 物 多 様 性 はきわわめて 高 くなる.
また, 二 枚 貝 類顜 やある 種 の 璶 殻 類顜 をはじめ, 干 潟滘 に 生璦 息 する 多 くの 生璦 物 は, 水 中 に 懸 濁 した 暼 機 物
や 植 物 ハメルェトル, 底 生璦 珪 藻 類顜 などを 摂 食颂 することにより, 内 湾 の 暼 機 汚 濁 解 消洑 に 大 きく 貢 献 し
ている.さらに 多 毛 類顜 や 大 型 璶 殻 類顜 などの 巣 穴 は, 干 潟滘 の 底 質 内 部 に 複 雑 な 空 間 構 造 を 出 現 させ,
底 質 内 部 まで 酸 素 を 供 給 することによってバェテモア 活泯 性 を 高 め, 脱 窒 作 用璮 を 向 上 させ, 暼 機 汚 濁
の 原 因 である 窒 素 を 空 中 に 戻 す 役 割 も 果 たしている.また 干 潟滘 は, 干 出 時昷 にはクウ 類顜 など 鳥 類顜 の 摂
食颂 場 所 でもあり, 冠 水 時昷 には 稚 魚 の 成 育 場 所 でもあり, 人 間 にとっては 溣 労 の 場 でもある.
しかし, 平 坦 で 肥 沃沀 な 堆 積 層 の 先 端 に 存 在 する 干 潟滘 は, 人 口 増 加 と 共 に 干 拓 や 埋 立 の 危 機 にさら
され 続 けてきた. 特 に 1960 年 代 以 降 , 大 都 市 周 辺 を 中 心 とする 大 規 模 な 埋 立 で, 多 くの 干 潟滘 が 失 わわ
れてしまった. 近 年 では, 諫 早 湾 の 堤 防 締 切 による 大 規 模 な 干 潟滘 消洑 失 が 記 憶 に 新 しい.その 後 も 小
規 模 な 埋 立 や 護 岸 工 事 により, 多 くの 干 潟滘 が 危 機 的 な 状 況沦 にある.また, 河沜 川 上 流泴 域 でのジヘ 建 設
や 護 岸 工 事 により, 河沜 川 による 土 砂 供 給 が 浦 少 し, 干 潟滘 の 底 質 が 変 化 したり 干 潟滘 そのものが 消洑 失 す
るなどの 影 響 も 出 始 めている 他 , 埋 立 などの 行 わわれていない 干 潟滘 においても, 水 質 の 悪 化 や 人 間 の
乱 獲 などにより 多 くの 種 が 浦 少 ・ 衰 退 傾 向 にある.
これら 人 為 的 開 発 等 による 干 潟滘 生璦 物 の 変 化 を 全 国 的 に 把 握 し, 保 全 のための 対 策 を 講 じるには,
互 いに 比 較 が 可 能 なように 統 一 的 な 手 法沵 で 全 国 規 模 の 干 潟滘 生璦 物 調 査 を 行 う 必 要 がある.またその 調
査 では, 多 様 性 に 関 する 評 価 を 行 うために, 生璦 物 同 定 の 精 度 が 高 くなければならない.そこで 第 7
回 自 然 環瑧 境 保 全 基 礎 調 査 として,2002 年 から 2004 年 にかけて, 北 海 道 から 沖沍 縄 までの 干 潟滘 におい
て, 干 潟滘 底 生璦 動 物 の 生璦 態 ・ 分 類顜 の 専 門 家 により 統 一 的 な 手 法沵 による 分 布 調 査 が 実 施 された. 調 査 責
任 者 がその 場 で 同 定 できた 種 以 外 は, 分 類顜 学 専 門 家 に 同 定 を 依 頼 し, 現 段 階 での 最暷 新 の 分 類顜 学 的 知
見 に 基 づく 同 定 結 果 を 元 に 調 査 結 果 を 整 理理 した.
この 報 告 書暯 では, 第 2 章 で 調 査 地 配 置 を 示 し, 曓 調 査 で 用璮 いた 統 一 的 な 手 法沵 について 述 べる. 第 3
章 では 各 海 域 の 調 査 結 果 をまとめ, 海 域 ごとの 生璦 物 相 と 干 潟滘 の 現 状 を 示 す.また 当 該 海 域 における
過 去 デヴシとの 比 較 も 可 能 な 限 り 行 う. 第 4 章 では 曓 調 査 で 出 現 した 干 潟滘 生璦 物 の 総 種 モケト, 及 び
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