6_higata19

ため 北 海 道 の 干 潟滘 の 生璦 物 相 は 一 見 しても 単 純 であると 言 える.しかし,その 中 でも 多 様 性 の 比 較 的
高 い 道 東朁 の 海 潟滘 湖湌 干 潟滘 と,さらに 多 様 性 の 低 い 日 曓 海 側 などの 小 規 模 干 潟滘 がある.
北 海 道 の 干 潟滘 には 多 くの 場 所 で 自 然 度 の 高 い 環瑧 境 が 残 されており,とくに 後 背 地 の 植 生璦 がよく 保
存 されている.そのために,そのような 感 潮滠 域 植 生璦 salt marsh に 棲 息 する 特 徴 的 な 生璦 物 が 見 られる.
カワギルクミゞガイ 類顜 がそれである.カワギルクミゞガイ 類顜 は, 比 較 的 小 規 模 の 分 布 をしているも
のと, 広 範 囲 に 分 布 するものが 知 られているが, 北 海 道 の 干 潟滘 には, 小 規 模 の 分 布 種 が 多 い.この
ことは, 干 潟滘 がそれぞれ 固 暼 のカワギルクミゞガイ 類顜 を 持 っていることを 意 味 する 場 合 もある.た
とえば, 道 東朁 の 厚 岸 湖湌 には,アッォクカワギルクミゞ( 未 記 載 種 ) 一 種 が 多 数 棲 息 しており, 野 付
湾 には 別 種 のカワギルクミゞガイ 類顜 ( 未 記 載 種 )が 見 つかっている.オビヴツェ 海 側 では,テクオ
カワギルクミゞが 広 範 囲 に 分 布 する.
一 方 , 曓 州 以 南 の 干 潟滘 では 多 産璩 するケナガニ 科 やヘツハアモアォガニ 科 のカニ 類顜 は 北 海 道 の 干 潟滘
では,ほとんど 見 られない. 唯 一 ,アモアォペドキが 日 曓 海 側 の 干 潟滘 で 見 つかったのみであり, 道
東朁 にはまったく 見 られない. 一 般 にカニ 類顜 は 北 海 道 の 干 潟滘 に 少 なく,ェモガニの 幼 体 が 見 られる 程
度 である.
北 海 道 の 干 潟滘 に 多 産璩 するのは,ビサゞプニナである.ゞプニナはまったく 見 つかっていない.し
かし,ビサゞプニナは 海 潟滘 湖湌 など 比 較 的 遮 蔽 された 干 潟滘 にみられ, 根 室 湾 干 潟滘 のように 開 放 的 な 前
浜泺 干 潟滘 では 隣 の 風顪 蓮 湖湌 などには 多 産璩 するにもかかわわらず, 非 常 に 少 ない.また,カアブペが 生璦 育 す
る 干 潟滘 が 多 い.アブペも 干 潟滘 の 低 地 から 沖沍 側 に 生璦 育 するところが 多 く, 厚 岸 湾 では,オオアブペが
生璦 育 しており, 特 徴 的 な 植 生璦 である.これら 干 潟滘 上 の 海 草 藻 場 の 存 在 は, 干 潟滘 の 生璦 物 多 様 性 を 高 め
る 意 味 においてきわわめて 重 要 な 役 割 を 持 っている.
北 海 道 の 干 潟滘 が 大 きく 日 曓 海 側 と 道 東朁 に 区 別 されるのは, 干 潟滘 の 成 因 が 違 うことに 限 らない.そ
の 生璦 物 相 が 異瓧 なるもっとも 大 きい 原 因 は, 暖晵 流泴 の 影 響 があるかどうかによる. 日 曓 海 側 とオビヴツ
ェ 海 側 北 部 の 沿沥 岸 は, 夏 期曋 に 暖晵 流泴 である 対 馬飦 海 流泴 の 影 響 を 受 ける. 一 方 , 道 東朁 の 干 潟滘 はほとんど 寒
流泴 である 親 潮滠 ( 千 島 海 流泴 )のみの 影 響 を 受 ける. 道 東朁 の 干 潟滘 では,キシノオオノガイ,アオペモヘ
クュ,キシマヘク,イサシブクキガカイ,ゞバガイなど, 寒 流泴 系 の 動 物 が 顕 著 である.これらの 寒
流泴 系 種 の 多 くが 北 海 道 以 外 の 干 潟滘 ではほとんど 見 られないことに 注泃 意 すべきである.
さらに, 道 東朁 では 気 候 が 寒 冷 なために 潮滠 間 帯 の 生璦 物 相 に 影 響 がある.また, 流泴 氷 による 潮滠 間 帯 生璦
物 への 影 響 も 無 視 できないだろう. 表 面 に 突 出 して 生璦 活泯 する 生璦 物 ( 表 在 性 パルトケ)が 比 較 的 少 な
いのは,これら 気 候 と 流泴 氷 の 影 響 によるものと 考 えられる.
とくに 特 筆 すべき 生璦 物 として, 以 下 のような 生璦 物 があげられる.まず,ビゞギワイサウルスホェ
は,かって 陸 奥 湾 に 多 くみられた 種 であるが, 現 在 では 陸 奥 湾 で 絶 滅溅 した. 今 回 の 調 査 において 北
海 道 の 厚 岸 湖湌 で 発 見 され, 道 東朁 の 干 潟滘 では 健 在 であることが 明 らかになった. 一 方 , 厚 岸 湖湌 で 発 見
- 22 -