「民法（債権関係）の改正に関する中間的な論点整理」に対して ... - 法務省

沈 黙 が 欺 罔 行 為 となり 得 るとされているものの, 当 該 判 例 の 事 実 は 極 めて 例 外的 な 場 面 であって, 一 般 化 して 法 律 に 規 定 することは( 本 来 保 護 されるべきとまではいえないような 者 による 取 消 主 張 等 を 誘 発 し,)かえって 無 用 な 紛 争 を生 じさせかねず, 取 引 の 安 全 の 観 点 から 妥 当 ではない。 従 って, 沈 黙 による 詐欺 を 新 たに 規 定 すべきではない。( 長 島 ・ 大 野 ・ 常 松 有 志 )○ 不 実 表 示 取 消 権 を 新 設 する 場 合 , 同 取 消 権 に 沈 黙 の 詐 欺 は 包 含 されるものと考 えられること, 沈 黙 の 詐 欺 については,「 本 来 告 げるべきであるにも 関 わらず,あえて 告 げなかった」ということであり, 上 記 不 実 表 示 取 消 権 と 比 べ,その 要 件 が 厳 格 にならざるを 得 ないことからすれば,あえて, 同 規 定 を 置 く 必 要性 は 乏 しいものと 考 える。なお, 不 実 表 示 取 消 しの 規 定 を 置 かないのであれば, 沈 黙 による 詐 欺 の 規 定に 関 する 規 定 を 置 くことを 積 極 的 に 検 討 すべきであると 考 える。( 日 司 連 )○ 役 務 提 供 型 契 約 には,1 消 費 者 契 約 のように, 役 務 受 領 者 が 弱 い 立 場 にありその 保 護 に 配 慮 すべき 場 合 ,2 労 働 契 約 のように, 役 務 提 供 者 が 弱 い 立 場 にありその 保 護 に 配 慮 すべき 場 合 ,3 企 業 間 契 約 のように 役 務 提 供 者 と 役 務 受 領 者がある 程 度 対 等 な 場 合 があり,それぞれの 類 型 毎 に 規 律 を 検 討 する 必 要 があるところ, 消 費 者 保 護 の 視 点 のみを 強 調 して 規 律 を 行 うことは, 役 務 受 領 者 の 立場 を 片 面 的 に 強 化 し, 労 働 者 や 零 細 事 業 者 その 他 の 立 場 の 弱 い 役 務 提 供 者 の 契約 上 の 地 位 と 役 務 提 供 先 に 対 する 報 酬 請 求 権 を 弱 める 結 果 を 招 くものである。沈 黙 による 詐 欺 , 不 実 告 知 ・ 不 利 益 事 実 の 不 告 知 を 理 由 とする 契 約 解 除 については, 採 用 時 に 不 利 益 事 実 について 沈 黙 していたことを 理 由 とする 解 雇 を 誘 発するなど, 労 働 者 への 影 響 が 危 惧 される。 今 後 の 検 討 過 程 で,これらの 危 惧 が具 体 化 した 場 合 においては,このような 方 向 での 法 改 正 には 賛 成 できない。( 連合 )○ 「 沈 黙 による 詐 欺 」が 詐 欺 の 一 つの 類 型 であるということに 異 論 はないという 指 摘 がある。そのうえで,「 不 作 為 」が「 行 為 」に 含 まれる 場 合 は, 詐 欺 だけでなく 一 般 的 にもあり, 特 に 沈 黙 による 詐 欺 を 取 り 出 して 規 定 する 必 要 性 はなく, 現 行 の 詐 欺 の 規 定 があれば 足 りるという 指 摘 がある。 以 上 の 点 に 留 意 すべきである。上 記 のとおり, 沈 黙 による 詐 欺 を 明 文 化 する 必 要 性 はないと 考 える。( 全 銀協 )○ 沈 黙 による 詐 欺 の 規 定 を 明 文 化 することについては 反 対 する。 現 行 法 下 においても, 取 消 しを 認 めるべき 場 合 については 現 在 の 民 法 第 96 条 の 詐 欺 の 規 定で 対 処 可 能 と 考 えられるので,「 沈 黙 による 詐 欺 」の 規 定 を 追 加 して 設 ける 必要 はないと 考 える。さらに,どのような 場 合 に「 沈 黙 による 詐 欺 」に 該 当 する99