「民法（債権関係）の改正に関する中間的な論点整理」に対して ... - 法務省

文 化 することに 賛 成 する。 判 例 の 明 文 化 が 妥 当 と 思 料 する。( 札 幌 弁 )○ 民 法 110 条 の 正 当 事 由 を, 代 理 人 が 代 理 権 の 権 限 外 の 行 為 をした 場 合 に,相 手 方 において, 代 理 権 の 範 囲 内 であると 信 じ,そのように 信 じることに 過失 がないときは, 代 理 人 による 法 律 行 為 の 効 果 は 本 人 に 帰 属 すると 改 めるべきである。 正 当 事 由 あるいは 無 過 失 を 判 断 する 要 素 を 記 載 する 方 法 も 考 えられるが, 事 実 認 定 の 問 題 であり, 裁 判 所 の 自 由 心 証 に 委 ねてよいと 思 われる。( 福 岡 弁 )○ 考 慮 要 素 を 明 文 化 することは 困 難 であり, 網 羅 的 に 規 律 できないことを 理由 に,「 善 意 無 過 失 」とすることで 足 りるとする 意 見 が 多 かった。( 最 高 裁 )○ 明 確 化 した 方 がわかりやすいが, 異 なる 意 見 があるので 慎 重 に 検 討 すべき。( 広 島 弁 )○ 海 外 の 取 引 先 の 代 理 人 とされた 者 が 行 った 行 為 が 権 限 外 かどうかはわからないことがあるため, 正 当 な 理 由 の 有 無 の 考 慮 要 素 を 明 文 化 することは,明 確 性 を 高 め 有 益 であるとの 意 見 があった。( 国 際 取 引 有 志 )○ 「 正 当 な 理 由 」が 善 意 無 過 失 を 意 味 することを 明 確 にして, 民 法 第 109条 , 第 112 条 と 平 仄 を 合 わせるべきである。( 弁 護 士 )○ 総 合 判 断 的 な 理 解 に 立 ちつつ, 判 例 を 踏 まえて 考 慮 要 素 を 明 確 化 する 方 向とすべきである。 明 文 化 する 方 向 としては,「 善 意 無 過 失 」ではなく,「 正 当な 理 由 」の 考 慮 要 素 を 明 確 化 する 方 向 とすべきである。( 東 弁 )○ 「 正 当 な 理 由 」の 内 容 については,「 善 意 無 過 失 」と 明 示 する 考 え 方 と,総 合 判 断 的 な 理 解 に 立 ちつつ, 判 例 を 踏 まえて 考 慮 要 素 を 明 確 化 することに賛 成 である 意 見 に 分 かれているので 慎 重 に 検 討 すべきである。 従 前 の 判 例 ,通 説 的 見 解 であるから 善 意 無 過 失 と 明 示 すべきであるという 考 え 方 がある一 方 で, 民 法 第 110 条 の 成 立 過 程 においては,「 善 意 無 過 失 」に 限 られないものと 考 えられており, 本 人 側 の 事 情 についても 考 慮 すべきであるから,単 に「 善 意 無 過 失 」とすべきではないという 考 え 方 もある。( 日 弁 連 消 費 者委 有 志 )○ 「 正 当 な 理 由 」を 善 意 無 過 失 と 書 き 換 えることは 賛 成 できない。「 正 当 な理 由 」を 判 断 するについての 考 慮 要 素 をできる 限 り 明 確 にすること 自 体 には賛 成 であるが, 規 定 のしかたについては 慎 重 に 検 討 すべきである。「 正 当 な理 由 」は, 相 手 方 の 事 情 だけでなく, 本 人 側 の 事 情 も 含 めて 正 当 な 理 由 の 有無 を 総 合 的 に 判 断 するのが 相 当 である。その 判 断 要 素 をできる 限 り 明 確 にすることには 賛 成 であるが, 具 体 的 な 規 律 の 定 め 方 は 容 易 ではない。どのような 事 柄 を 判 断 要 素 として 取 り 上 げ,どのような 文 言 を 用 いて 規 定 するのかについては, 立 証 責 任 にも 関 係 するところ, 裁 判 例 等 を 考 慮 した 上 での 慎 重 な315