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「民法(債権関係)の改正に関する中間的な論点整理」に対して ... - 法務省

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実 の 社 会 では, 例 えば 元 請 け- 下 請 けの 関 係 のように, 経 済 的 従 属 関 係 により 交渉 力 が 奪 われていたり, 小 企 業 - 大 企 業 のように, 情 報 の 収 集 ・ 分 析 能 力 に 歴 然とした 格 差 が 存 する 場 合 が 多 い。 交 渉 力 格 差 がある 場 合 の 個 別 交 渉 は, 不 当 条 項規 制 の 排 除 を 正 当 化 しない。したがって, 個 別 交 渉 を 経 た 契 約 条 項 について, 不当 条 項 規 制 の 適 用 除 外 を 認 めることには 慎 重 であるべきである。契 約 の 中 心 部 分 に 関 する 契 約 条 項 を 約 款 規 制 の 対 象 外 とする 考 え 方 には 反 対である。 契 約 の 主 たる 給 付 内 容 を 定 める 条 項 ( 中 心 部 分 に 関 する 契 約 条 項 )について, 不 当 条 項 規 制 を 受 けないと 考 えた 場 合 であっても, 不 当 条 項 規 制 を 受 けない 中 心 部 分 に 関 する 条 項 に 該 当 するのは, 真 に 給 付 の 中 心 部 分 を 規 定 しており,この 規 定 がなければ, 本 質 的 な 契 約 内 容 の 確 定 性 ないしは 確 定 可 能 性 が 欠 如 するため,もはや 有 効 な 契 約 が 成 立 し 得 なくなるような 条 項 に 限 定 され, 主 たる 給 付約 束 を 制 限 ・ 変 更 ・ 修 正 するに 留 まる 条 項 は, 免 責 条 項 としてなお 内 容 規 制 の 対象 となると 考 えられる。しかし, 中 心 部 分 に 関 する 条 項 であるのか 単 なる 免 責 条項 であるのかの 区 別 は, 現 実 には 容 易 ではないと 考 えられる。また, 契 約 の 中 心部 分 に 関 する 契 約 条 項 が 市 場 における 私 的 自 治 にゆだねられる 前 提 としては, 市場 が 適 切 に 機 能 していることが 必 要 であり, 権 利 義 務 の 明 瞭 性 と 価 格 ・ 給 付 の 関係 についての 見 通 しが 確 保 されれば, 顧 客 は, 市 場 において, 有 利 な 契 約 条 件 を提 示 する 相 手 方 を 選 択 することができることになるが, 逆 にこれらが 隠 蔽 されると 顧 客 は 交 渉 可 能 性 を 奪 われ, 市 場 での 機 会 を 行 使 できなくなる 不 利 益 を 受 けると 指 摘 されている。したがって, 中 心 部 分 に 関 する 条 項 を 不 当 条 項 規 制 の 対 象 外とするためには, 透 明 性 の 原 則 ( 約 款 は, 顧 客 が 自 己 の 権 利 義 務 を 確 実 に 認 識 し,見 通 すことができるよう, 正 確 に, 確 定 的 に, 平 易 に,できるかぎり 明 瞭 に 記 述されなければならないという 原 則 )の 徹 底 が 必 要 となると 考 えられるが, 現 状 では, 透 明 性 の 原 則 が 確 保 されているとは 言 いがたい。したがって,1 約 款 規 制 を受 けない「 中 心 部 分 に 関 する 条 項 」であるのか, 規 制 を 受 ける「 免 責 条 項 」であるのかの 区 別 が 困 難 であること,2 透 明 性 の 原 則 の 確 保 が 困 難 であること,の2点 から,「 契 約 の 中 心 部 分 に 関 する 契 約 条 項 」を 規 制 の 対 象 外 とする 考 え 方 には反 対 である。( 兵 庫 県 弁 )○ 個 別 に 交 渉 された 条 項 又 は 個 別 に 合 意 された 条 項 についても, 不 当 条 項 規 制 の対 象 から 除 外 すべきではない。 当 事 者 間 に 情 報 量 や 交 渉 力 の 格 差 がある 場 面 では,個 別 に 合 意 された 条 項 又 は 個 別 に 合 意 された 条 項 についても, 劣 位 にある 当 事 者は 当 該 条 項 の 効 果 を 十 分 理 解 できず, 理 解 できたとしても 適 切 に 契 約 交 渉 を 進 めることができないおそれがある。すると,これらの 条 項 を 不 当 条 項 規 制 の 対 象 から 除 外 してしまうと, 形 式 的 な 交 渉 によって 容 易 に 規 制 の 潜 脱 が 可 能 となってしまう。また, 交 渉 がなされたか 否 かをめぐる 事 実 関 係 に 争 いが 生 じる 可 能 性 があ172

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