??????????? - Media and Information Literacy
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52<br />
1-4 開発プロジェクトとしてのメディア教育:<br />
インドで解放への関心と政治をつなぐ<br />
ヴィスウィット・ダス博士<br />
文化メディア政策研究センター教授・ディレクター<br />
ジャミア・ミラ・イスラマ大学(インド、ニューデリー)<br />
ccmgjmi@gmail.com<br />
要約<br />
この20 年の通信ツールとサービスの爆発的発展は、インドのコミュニケーション教育に、これまでの教<br />
育学の枠組みを越える新しい問いを提示してきた。インド社会は広範囲におけるメディア技術の爆発的増加<br />
の舞台となってきた。しかし、インドではメディア教育に関する研究はほとんど行われていない。この論文<br />
の目的は、国際的な議論をもとに、インドにおいてメディア教育が発展しない理由を分析することである。<br />
そして、西洋のメディア・リテラシーの視点に代わるものを提案する。それはアマルティア・センの「潜在<br />
能力(Capabilities)」と「機能(Functionings)」の概念に基づくものである。これらは解放への関心とメ<br />
ディア政策について明確に言及できるメリットがある。しかし、もしメディア教育によって新しい教育学が<br />
再構築されず, 子どもを越えて社会全体へ広がる深みのある教育改革を行えないのであれば、そのような試<br />
みを、地域を限定して行うことも考えなければならない。<br />
キーワード:メディア・テクノロジー、メディア教育、研究、社会的責任、潜在能力、開発<br />
1.重要視されないメディア・リテラシー<br />
児童生徒と教育者のための探究学習としてのメ<br />
ディア教育は、インド社会では他の教育と比べて<br />
学問的ではないと非難された。また、ユネスコの<br />
ような国際機関によって刊行された著作物や、開<br />
始されたプロジェクトであったとしても、それは<br />
アカデミックな称賛やインド全体としての関心を<br />
得ることはほとんどなかった。この分野は、世界<br />
中でクリティカルな注目とアカデミックな議論が<br />
あったにもかかわらず、教育に関しては「メディ<br />
ア」という言葉がつくだけで、どんなに学問的な<br />
ことであっても受け入れられないようである。教<br />
育のサブフィールドとしてのメディア教育につい<br />
ての考えが認められたときでも、インド人口の大<br />
多数の人はまだ、基本的な教育を受けられる状況<br />
にすらなかったので、メディア教育はあまりにエ<br />
リート主義の提案として受け入れられなかった。<br />
歴史的理由からインド社会では、教育はカースト<br />
制度の全階層で否定されてきた。ただカースト制<br />
度の上層階級だけが、読み書きすることを許され<br />
ていた。インドでは独立以来、さまざまな政権に<br />
よって国民がリテラシーを習得するための多種多<br />
様な政策が立案された。最近では、全国規模の読<br />
み書きリテラシー・キャンペーン「すべての人の<br />
ための教育運動」プログラムもその目的で行われ<br />
ている。読み書きの基礎リテラシーを社会的弱者<br />
が習得するために、政府は多くのエネルギーを費<br />
やしてきた。しかし、西側に追いつき追い越そう<br />
とするテクノロジーの他の領域とは異なり、人々<br />
がメディア・リテラシーを習得する方法について<br />
の政策は行われなかった。<br />
近年のインド社会は、プリント・リテラシーか<br />
らデジタル視聴のモードへと移行した。この移行<br />
は、ひとつのモードから別のモードへの移行では<br />
なく、両者が重なりあうことである。さらに最近<br />
の、コミュニケーション・ツールの爆発的増加は、