??????????? - Media and Information Literacy
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5<br />
取り入れるために教職員研修が必要であることか<br />
ら、ユネスコは 2008 年に教職員研修強化プロジ<br />
ェクトを立ち上げた。このプロジェクトには、メ<br />
ディア・リテラシーと情報リテラシーという知識<br />
社会の二つのコンセプトを一つの教科に統合した<br />
初めてのモデルカリキュラム開発が含まれており、<br />
教職員研修カリキュラムにおけるメディア情報リ<br />
テラシーの統合を推し進めようとするものであっ<br />
た。<br />
ICT の急速な発展と新旧のメディアが一つに結<br />
びついていった結果、メディア情報リテラシーは<br />
一つのものであり、メディアの性質や利用されて<br />
いる技術にかかわらず、あらゆるメディアの形態<br />
に対応させる必要がある。<br />
さらにいえば、いかなるメディア教育プログラ<br />
ムでも、その導入を成功させるためには、自由で<br />
多元的で独立したメディアを育成する環境を適切<br />
に実現することが前提となる。メディアの多元性<br />
と独立性は、社会の中や社会を超えて、さまざま<br />
な言語でなされ、さまざまな集団を代表した多様<br />
な意見や思想の表現を可能にする。人間の発達や<br />
平和、民主主義に対して、メディアが影響を持つ<br />
ようになれば、多様性や寛容性、透明性、平等、<br />
対話を認める社会の運営がメディア教育を通して<br />
ますます促進されていくことだろう。また、メデ<br />
ィア教育を政府や地域レベル、さらには世界的な<br />
開発計画に組み入れていくためには、慎重かつ目<br />
的のある政策形態が求められる。<br />
本書は世界人権宣言第 19 条にはっきりと立ち<br />
返らせるものである。「すべて人は、意見及び表現<br />
の自由を享有する権利を有する。この権利は、干<br />
渉を受けることなく自己の意見をもつ自由並びに<br />
あらゆる手段により、また、国境を越えると否と<br />
にかかわりなく、情報及び思想を求め、受け、及<br />
び伝える自由を含む。」ユネスコと国連文明の同盟<br />
は、メディア教育は世界中の人々がこの基本的人<br />
権のすべての恩恵を享受する力を持つために欠か<br />
せないものだと考える。<br />
メディア教育は、発展した経済もしくは発展し<br />
始めたばかりの経済や発展途上にある経済におけ<br />
る開発政策テーマを考える際の重要な要素の一つ<br />
として次第に認識されるようになった。『世界のメ<br />
ディア教育政策』は、この重要な時に公表される<br />
こととなったのである。<br />
メディア教育を制度として導入する必要性が指<br />
摘されるとともに、それを支援する政策や規制の<br />
枠組みに関心が集まりつつある。このような良い<br />
方向に向かっていることを示すめざましい展開が<br />
数多く見られる。ヨーロッパのような地域全体は<br />
もちろんのこと、ますます多くの国でメディア教<br />
育はいかなる社会にとっても重要であり、「義務教<br />
育の構成要素としてのメディア教育」はあらゆる<br />
学校段階の教職員研修に取り入れられるべきだと<br />
考えられている。それでもなお、多くの国では遅<br />
れたままである。<br />
本書は、メディアやコミュニケーションの専門<br />
家、教職員、研究者、政策に関わる政治家や行政<br />
担当者に一つの答えを提供するものである。本書<br />
では、メディア教育を3つの相互に関係のある観<br />
点から検討している。第一に、国、地域、世界の<br />
観点からのメディア教育、第二に、市民と市民参<br />
加に対するメディア教育の価値とこの価値を測定<br />
する方法、そしてメディア教育の実践過程におけ<br />
る政府や市民社会、民間セクター間の協働が果た<br />
す重要な役割である。<br />
ユネスコは、読者が本書で提示されている情報<br />
や知識を知り、これらの知識を専門家によって広<br />
く普及させるよう行動を起こすことを期待してい<br />
る。読者は、変化を起こす触媒となることができ<br />
る。そしてはっきりとした目的を持ったメディア<br />
教育プログラムはこの変化の一助となりうる。<br />
私は、文明の同盟が最初の一歩として本書を出<br />
版したことを喜びたい。そしてこの知的な冒険を<br />
成し遂げた著者の皆さんにお礼を申し上げたい。<br />
ユネスコは喜んで国連文明の同盟やメディア教育<br />
の普及活動に大きく貢献しているパートナーと手<br />
を携えたい。