??????????? - Media and Information Literacy
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3<br />
序文<br />
マーク・ショイアー<br />
国連文明の同盟ディレクター<br />
世界中の教育関係者は 20 年以上にわたって、メ<br />
ディア教育とメディア・リテラシーの重要性を主<br />
張してきた。しかし、ほとんどの国では教育政策<br />
に携わる人々がメディア・リテラシーの重要性に<br />
気づき始めたのはごく最近のことである。文明の<br />
同盟は、世界中の学校のカリキュラムにメディア<br />
教育とメディア・リテラシーを導入しようとする<br />
活動を活性化させたいという思いから、ユネスコ<br />
やグルポ・コミニカル、そのほか多くの協力を得<br />
て、本書を公開した。<br />
本序文は、私たちがなぜこれが重要であり、か<br />
つ緊急性を持っていると考えるか、その理由を詳<br />
しく説明する場ではない。しかし、本書にはグロ<br />
ーバルな視点からこの問題に取り組んで書かれた<br />
論文が収録されている。読者の皆さんにはぜひ読<br />
んでいただきたいと思う。簡単に言えば、私は次<br />
のような考え方を推し進めたいと考えている。メ<br />
ディア飽和社会とも言うべき私たちの社会では、<br />
とりわけ若い人々やより広く社会全体にとっても<br />
メディア・リテラシーは批判的<br />
クリティカル<br />
思考力<br />
シンキング<br />
を身につけ<br />
るための欠くことのできない道具だということで<br />
ある。さらに、メディア教育およびメディア・リ<br />
テラシーをすべての普遍的人権と関連づけるとこ<br />
ろまで論じているものもある。政治的、経済的、<br />
イデオロギー的な利害がぶつかり合う、時に挑戦<br />
的であったり、混迷したり、あるいは対立するこ<br />
ともあるメディア状況の中で、すべての年代の市<br />
民は、積極的な市民参加だけではなく、よりよく<br />
生きることを可能にし、それを確かなものにする<br />
ための新しい道具が必要なのである。<br />
真に民主的な政治制度は市民の積極的な参加に<br />
よる。積極的であるだけではなく、もっとも重要<br />
なのは、情報を持った市民であることである。メ<br />
ディア・リテラシーは、時にあふれんばかりとな<br />
る日常メディアの情報の渦や、とりわけ新しいメ<br />
ディアやコミュニケーション技術によって広めら<br />
れる情報を理解するスキルを市民が身につけるた<br />
めの新しい道具の一つである。こうしたメディア<br />
の力は、伝統的な価値を生活や社会、文化の理解<br />
のしかたを現代的なものへと変えつつ、それら自<br />
身を再形成している。<br />
私たちは、制度化されたメディアが社会生活の<br />
中に記号を流通させる中心的発生装置であるなら<br />
ば、日常生活の複雑性に意味を与えるための記号<br />
の源と道具をもたらすことのできる力は、メディ<br />
アのある種の重要な特性であるという考え方を支<br />
持する。今日の世界では、市民、あらゆる世代に<br />
属する多様な個人は、新しいメディアによって生<br />
み出される記号世界をより知的でより感情的に理<br />
解できる分析スキルを身につける必要がある。<br />
基本的な『伝統的リテラシー』(読み書き計算)<br />
がなければ、人は社会の発展に参加したり、自分<br />
たちの社会に市民として関わることができないと<br />
いう問題に直面するだろう。新しい電子メディア<br />
の到来とともに、今や新しいスキルと新しい教育<br />
的な考え方を基礎教育に導入しなければならない。<br />
つまりメディア・リテラシーである。<br />
この考え方によれば、メディア・リテラシーは<br />
単なる一つの考え方ではなく、必要性なものであ<br />
る。それは、人間が今日の世界で洞察力を持った<br />
市民として十分に生きることができる存在になる<br />
ための踏み石なのである。国の政策に関わる人々<br />
にとって、この新しいパラダイムに気がつき、私<br />
たちの情報社会から生じつつある新しい挑戦を自<br />
覚することは、実際のところ何にもまして必要な<br />
ことである。今日、人類のたった6分の1の人数<br />
しかインターネットにアクセスできないのは事実<br />
であるが、一方、携帯電話や無線 LAN、衛星電話