Untitled - 九州大学演習林

2.森林生産制御学研究室
樹木の生長プロセスに関する研究
樹木フェノロジーの観測
北海道演習林庁舎構内において,落葉樹の葉フェノロジーの観測を樹冠の写真撮影と合わせて
行った.観測した主な樹木の開葉日と落葉日は次の通りであった.シラカンバ:5月10日~10月
31日,ヤエガワカンバ:5月18日~10月24日,カツラ:5月1日~10月17日,ハルニレ:5月22
日~10月31日,ヤチダモ:5月28日~10月11日,イタヤカエデ:5月18日~10月17日,ミズナラ:
5月18日~11月3日.
人工林の二酸化炭素吸収に関する研究
北海道演習林18林班において,アカエゾマツ針葉の加齢に伴う生化学特性の変化を調べた.
木材資源利用に関する研究
①.スギの材質と遺伝的・環境的要因との係わり
九州大学,鹿児島大学,宮崎大学,愛媛大学,日田林工高校の各演習林に設定されている旧六
演習林共同スギ品種試験地(第Ⅳ試験地)のスギ精英樹25クローンを対象に,1998年から成長と
材質に関する調査を行っている.昨年度に引き続き得られたデータを解析した.また,昨年度に
引き続き大分県湯布院町に設定されている九州産スギ品種試験地および大分県九重町に設定され
ているスギ品種試験地から得られたスギ在来品種の基礎材質について計測と解析を行った.
②.カラマツ材の高度利用に関する研究
産学連携による共同研究として,カラマツ丸太木口面の画像情報による高付加価値製材技術の
開発研究を始めた.今年度は,カラマツ丸太の木口面から得られた画像情報と製材品のねじれと
の関係について検討した.
③.立木材質の非破壊的評価技術の開発
携帯型X線発生装置による材内部の評価手法の開発に向け,予備試験および関連する企業との
共同研究の可能性について検討した.また応力波伝搬速度によりカラマツ樹幹における腐朽進行
度の評価について検討した.
④.檜皮採取が成長と材質に及ぼす影響
昨年度に引き続き,剥皮処理木の剥皮後の成長,材色,ヤング率,木部組織構造の変化,師部
や木部における傷害組織の形成の有無,剥皮部位の特定等を行った.なお,本研究は,東京大学,
北海道大学,京都大学,文化庁との共同研究として実施されている.
森林の構造と動態制御に関する研究
九州のブナ天然林の生態に関する研究
九州南部の鹿児島県高隈山系に存在する分布南限天然林の林分構造と種組成等を現地調査し,九
州中央山地の表日本ブナ林との関連性とそれぞれの植生的な特性について比較検討を行った.
野生シカが植生に及ぼす影響に関する研究
宮崎演習林におけるシカがスズタケを摂食することにより,林床植生に与える環境及び種変化等
について調査,取り纏めを行った.
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