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いますが,これまでの Annex で,シミュレーションは FDD システムの開発支援や,そのシステム自<br />
体に組み込むツールとしても有用であるということが示されました.この研究に参加した日本の研究<br />
者達もこの方向性には大いに共感を覚えることができました.また,リアルタイムのシステムシミュ<br />
レーションを行い,これを擬似的な実システムの代用として用いるエミュレーション技術は,今後日<br />
本でも導入すべき有用な手法と思われます.<br />
Annex で行われる研究は,国際共同研究であることから自ずと公表される研究が幅広く一般的にな<br />
りがちですが,その底流にはこのように確実に未来に向かう方向性があります.今回の Annex は,現<br />
在,欧米や日本で注目されているコミッションニングの支援ツールの開発という具体的な目的があり<br />
ますが,これは,前述のように今までの Annex で 10 年以上連綿と蓄積されてきた研究の素地があっ<br />
てこそ可能になるものです.その意味では,Annex に参画し日本独特の技術力の高さとティームワー<br />
クで国際的に貢献することも必要ですが,欧米の,特に欧州に見られる長期展望をもった地道な歩み<br />
と,それを基盤にして堅実な製品を創るという技術文化の違いに触れ,国際化するエンジニアリング<br />
の世界の動向を見極めることも非常に大切なことと思います.新 Annex には、これまでも Annex25,34<br />
に参加してきた中国が非常に積極的に参加意志を表明し,欧米とのコンタクトを強く望んでいます.<br />
大袈裟に考えると,もし日本が不参加となれば,いずれアジアにおけるリーダーシップは、政治の世<br />
界だけでなく我々の技術分野でも中国が持つことになるのではと懸念されるほどです.<br />
コミッションニングのワークショップ概要<br />
第一回コミッショニングデー<br />
日時:2000 年 4 月 10 日<br />
場所:リエージュ(ベルギー)<br />
参加国:スウェーデン,フランス,中国+香港,英国,ドイツ,米国,ベルギー,カナダ,オランダ,<br />
スイス,フィンランド,日本<br />
第二回コミッショニングデー<br />
日時:2000 年 9 月 28 日<br />
場所:ストットガルト(ドイツ)<br />
参加国:スウェーデン,フランス,中国,英国,ドイツ,米国,ベルギー,カナダ,オランダ,スイ<br />
ス,フィンランド,日本、ポーランド、<br />
第一回ワークショップは参加国から、フランス、中国、ドイツ、米国、ベルギー、カナダ、オランダの<br />
各国から各種局面におけるコミッショニング・品質保証に対する取り組み状況の紹介があり、新 Annex<br />
議長予定国のフランスの Visier 氏から新 Annex の企画書原案が紹介され議論され、これをもとに企画<br />
案を再修正し第二回のワークショップを行うこととなった.このとき日本は吉田治典が Annex34 会議<br />
に合わせてオブザーバーの形で参加し、その結果を国内に持ち帰り事務局及び中原に伝えた.中原は空<br />
気調和・衛生工学会でコミッショニング委員会を主宰しこのテーマの日本における啓蒙普及を目指し<br />
ていたので、第二回のワークショップに廣岡正(山武ビルシステム)、相楽典泰(鹿島)とともに発表論文<br />
を携えて参加することとした.その間に Annex 企画は第一回ワークショップの結果を受けて修正され、<br />
意見が求められた.<br />
第二回ワークショップではその国のコミッショニングプロセスについての紹介が、日本、米国、ドイ<br />
ツ、フランス、オランダからあり、後日その内容を勘案して最終的な企画案が練られた.次いで企画第三<br />
案に載せられたサブタスクである自動コミッショニングツール、デザインモデルに対する考え方の紹<br />
介がカナダ、ドイツ、スウェーデン、英国からあり、これらを踏まえて Visier 氏が取りまとめを行い、後<br />
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