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ブランクページ(表 2 対向)
序文本報告書は IEA/ECBCS/Annex40(省エネルギー化のためのビル空調設備のコミッショニング)の研究のために参加された日本国内関連団体向けの最終報告書である。ここには Annex40 国際研究チームの最終報告書(Final Report)の和訳を含むほか、本研究の研究経過、本研究の内部或いは参加団体ないし参加研究者本人及びその周辺で研究開発された成果物で公表可能なものを纏めたもので、単純に Annex40 の報告ではない。かかる大部の報告書を、幹事委員の絶大なご苦労を敢えてお願いまでして纏めた理由は以下の通りである。先ず、不況の真最中にも拘らず、筆者らの呼びかけに応じて研究費を投入して名を連ねてくださった各団体への謝礼の意を込めるとともに、役に立つ成果物をお返しすること、そして参加することによる社会貢献満足感を享受していただくためである。この種の国際研究委員会への参加が敬遠されることが多いのは、時には和文で活用できる役に立つ成果物のフィードバックの乏しさ、また時には資金と労力の両方の投入を要求されることへの不満足感があるからである。後者に関しては今回募集時に参加種類として 2 ランク設けて、参加費用と作業貢献度を選択できるようにしたのであったが、実際には参加費も上のランクを選び、且つ実務作業にも参加していただいた団体が多かったことには大いに感謝したい。若しそれが強制された結果との認識をもたれる委員が居られたらその責はいつに委員長である筆者に有り、お許し頂きたい。次に、地球温暖化防止における京都プロトコルの批准に当たって、わが国はかなり危機的な状況にあり、約束された数値をを達成するには全分野的取り組みが要請されているが、その中でこれまで見過ごされてきた業務用ビル並びに住宅への対策が強化されることは必須であり、そのためにはコミッショニング過程の適用が大きな効果を生むはずであると言う認識である。このアプローチには ESCO を含めて幾つかの方法があるが、何れにしてもシステムの不具合診断、性能評価が必要であり、そのためには効果的且つ汎用的な性能検証並びにシステム運転最適化ツールの利用が必須である。そして中･長期的には、新築ビル･住宅に対する当初性能検証過程~継続性能検証過程の適用が日本を救う一つの有力なプロシージャであるとの確信からである。既に国土交通省や経済産業省もコミッショニングプロセスのコンセプトには注目していると報じられている。本研究チームの作業がいかにそのための役割を担える研究を行ってきたかを提示することもまた必要と考えた。米国では約 15 年前から国の省エネルギー政策として、また連邦ビルの発注プロセスにおける位置づけとして大々的な取り組みがなされ、然るべき補助金、委託研究等のインセンティブも投入されてきた。また CA(コミッショニングオーソリティー、性能検証責任者)が新しいビジネス、職能として確立し、グリーンビル評価システムの立ち上がりとともに、またトータルビルコミッショニングの合言葉の下にシェアを伸ばしている。全世界的には今回の Annex40 の国際研究成果が大きな起爆剤となって先進諸国での適用、そして開発途上国への技術移転が加速化されるであろう。ここにおいて、わが国が公私のプロジェクトにおいてこのコミッショニングコンセプトを効果的に活用する社会システムを構築することが極めて必要であり、そのためには社会各方面における認識の展開が重要、その先駆者としての役割を、本 Annex40 参加各団体に背負っていただけることを願っての本報告書である、と言うのが第三点である。 i
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