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1 本 事 故 シーケンスグループの 特 徴 :LOCA の 発 生 後 、ECCS 再 循 環 機 能 の<br />
喪 失 に 伴 い 1 次 冷 却 系 の 保 有 水 量 の 減 少 が 継 続 し、 炉 心 損 傷 に 至 る。<br />
2 対 策 の 考 え 方 : 炉 心 損 傷 を 防 止 するためには、ECCS 再 循 環 機 能 の 代 替 策<br />
により 継 続 して 炉 心 注 水 を 行 い、 炉 心 を 冷 却 する 必 要 がある。<br />
3 初 期 の 対 策 : 格 納 容 器 スプレイポンプを 用 いた 代 替 再 循 環 により、 炉 心<br />
冷 却 を 実 施 する。このため、 代 替 再 循 環 配 管 を 重 大 事 故 等 対 処 設 備 として<br />
新 たに 整 備 するとともに、 格 納 容 器 スプレイA 系 統 、 格 納 容 器 再 循 環 サン<br />
プ 等 を 重 大 事 故 等 対 処 設 備 として 位 置 付 ける。<br />
4 安 定 停 止 状 態 に 向 けた 対 策 : 代 替 再 循 環 を 継 続 する。<br />
(2) 解 析 手 法 及 び 結 果 、 不 確 かさの 影 響 評 価<br />
1 解 析 手 法<br />
申 請 者 は、 本 事 故 シーケンスグループにおける 炉 心 損 傷 防 止 対 策 の 有 効<br />
性 を 確 認 するために、 重 要 事 故 シーケンス 及 び 解 析 コードの 選 定 、 解 析 条<br />
件 の 設 定 を 以 下 のとおりとしている。<br />
a. 重 要 事 故 シーケンス:「 大 破 断 LOCA 時 に 低 圧 再 循 環 機 能 が 喪 失 す<br />
る 事 故 」を 選 定 する。これは、 対 策 に 必 要 な 設 備 容 量 及 び 対 策 の 実 施<br />
に 対 する 余 裕 時 間 の 観 点 では、1 次 冷 却 材 の 流 出 流 量 が 多 いことから、<br />
より 厳 しい 事 故 シーケンスとして 選 定 する。<br />
本 事 故 シーケンスグループのうち、 中 小 破 断 LOCA 等 の 発 生 時 に 高<br />
圧 再 循 環 機 能 が 喪 失 する 事 故 シーケンスでは、 破 断 口 径 が 小 さいこと<br />
から、 大 破 断 LOCA が 発 生 する 場 合 と 比 べて 1 次 冷 却 系 圧 力 の 低 下 が<br />
緩 やかなため、2 次 系 強 制 冷 却 による 1 次 冷 却 系 の 減 圧 が 必 要 である。<br />
このため、 本 重 要 事 故 シーケンスと 対 策 が 異 なるが、この 対 策 は「ECCS<br />
注 水 機 能 喪 失 」における 対 策 と 同 一 であり、そこでこの 対 策 の 有 効 性<br />
を 確 認 する。<br />
b. 解 析 コード: 炉 心 における 1 次 冷 却 材 の 沸 騰 やボイド 率 の 変 化 、 気<br />
液 分 離 や 対 向 流 、1 次 冷 却 系 における 気 液 分 離 や 対 向 流 などを 取 り 扱<br />
うことができる MAAP を 用 いる。<br />
なお、MAAP については、 大 破 断 LOCA 時 の 事 象 初 期 の 原 子 炉 容 器 内<br />
水 位 、 燃 料 被 覆 管 温 度 及 び 原 子 炉 格 納 容 器 温 度 に 対 する 適 用 性 が 低 い。<br />
このため、これらの 事 象 初 期 の 結 果 については、 設 計 基 準 事 故 ( 原 子<br />
炉 冷 却 材 喪 失 事 故 )における 大 破 断 LOCA を 想 定 した 解 析 結 果 を 参 照<br />
する。<br />
c. 事 故 条 件 : 破 断 口 径 は、1 次 冷 却 系 配 管 の 完 全 両 端 破 断 とする。<br />
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