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電力分配システム (PDS) のデザイン : バイパスキャパシタおよび ... - Xilinx

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R<br />

<strong>電力分配システム</strong> (<strong>PDS</strong>) <strong>のデザイン</strong> : バイパス キャパシタおよびデカップリング キャパシタの使用<br />

接続トレースを短くすると、このループの面積が小さくなり、インダクタンスが小さくなります。<br />

より多くのデバイスを小さいエリアに詰め込むため、1 つのスルーホールに複数のキャパシタを接続す<br />

ることも考えられます。しかし、いかなる場合でも、このような方法を使用するべきではありません。<br />

一般に、キャパシタのマウンティング (ランド、トレース、スルーホール) には、キャパシタ自体の寄生<br />

インダクタンスと同じ程度のインダクタンスがあります。すでにキャパシタが接続されているスルー<br />

ホールに別のキャパシタを接続しても、<strong>PDS</strong> の特性はほとんど改善されません。キャパシタの総数を減<br />

らして、ランドとスルーホールの関係を 1 対 1 に保つ方が、良い結果が得られます。<br />

プレーンのインダクタンス<br />

PCB の電源プレーンとグランド プレーンには、インダクタンスがあります。このインダクタンスの値<br />

は、プレーンの形状によって決定されます。<br />

電源プレーンとグランド プレーンは平面的な構造なので、電流は複数の方向に流れます。電流がある点<br />

から別の点に流れるときは、表皮効果と同じような特性に従って広がろうとします。このため、プレー<br />

ンのインダクタンスは「拡散インダクタンス」として表され、単位は面積当たりのヘンリー数になりま<br />

す。プレーンのサイズではなく形状によってインダクタンスが決定されるので、この面積に寸法はあり<br />

ません。<br />

拡散インダクタンスは、他のインダクタンスと同じように機能します。つまり、導体内の電流の量の変<br />

化に抵抗を与えます。この場合の導体は、電源プレーンまたはグランド プレーンです。プレーンの数が<br />

多くなるとデバイス内の過渡電流に対するキャパシタの応答速度が遅くなるので、可能な限りプレーン<br />

の数を減らす必要があります。通常、プレーンの XY 方向の形状はほとんど調整できないので、拡散イ<br />

ンダクタンス値を調整することになります。<br />

このアプリケーション ノートで検討しているような高周波の<strong>電力分配システム</strong>では、電源プレーンとグ<br />

ランド プレーンがペアで動作します。これらには、それぞれの独立したインダクタンスというものはあ<br />

りません。このペアの拡散インダクタンスは、電源プレーンとグランド プレーンの間隔によって決定さ<br />

れます (材質の誘電率も多少は関係します)。間隔が近いほど、拡散インダクタンスは小さくなります。<br />

表 1 に、さまざまな厚さの FR4 誘電体の拡散インダクタンスの概算値を示します。<br />

表 1: さまざまな厚さの FR4 電源/グランド ペア サンドイッチの容量と<br />

拡散インダクタンスの値 (参考文献 1)<br />

誘電体の厚さ<br />

(ミル、ミクロン)<br />

インダクタンス<br />

(pH/面積)<br />

容量<br />

(pF/インチ 2 、pF/cm 2 )<br />

4, 102 130 225, 35<br />

2, 51 65 450, 70<br />

1, 25 32 900, 140<br />

間隔が近いと拡散インダクタンスが小さくなるので、スタックアップ内の VCC プレーンと GND プレー<br />

ンは可能な限り隣接させるべきです。隣接した VCC プレーンと GND プレーンは、「サンドイッチ」と<br />

呼ばれることがあります。VCC と GND のサンドイッチは、従来の技術では使用する必要はありません<br />

でしたが、高速な大規模 IC で必要な速度と電力を実現するために必要となっています。<br />

電源とグランドのサンドイッチは、低インダクタンスの電流パスを提供するだけでなく、高周波デカッ<br />

プル容量も提供します。プレーンの面積が大きくなり電源プレーンとグランド プレーンの間隔が近づく<br />

と、この容量の値が大きくなります。同時に、この容量の寄生インダクタンスが小さくなるので、有効<br />

な周波数帯域も大きくなります。表 1 には、平方インチ当たりの容量も示されています。<br />

通常、この容量だけでは、電源とグランドのサンドイッチを採用するための利点として十分ではありま<br />

せん。しかし、拡散インダクタンスが小さくなることに加えて容量も得られると考えれば、多くの設計<br />

者が喜んで採用するでしょう。<br />

6 www.xilinx.co.jp XAPP623 (v1.0) 2002 年 8 月 8 日

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