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大気化学組成は、4 つの制御因子グループ(排出、変質、輸送および消滅)間のバランス<br />
により決定される。GAW はこれまで、主に大気組成の観測に重点を置いてきた。現行の戦<br />
略計画をもって、その使命(観測およびモデリングを通じて、大気組成の制御要因を、図<br />
1 および GEOSS の 9 つの社会的テーマにおいて示されている応用ニーズに貢献するプロダ<br />
クトに統合すること)を達成することを目指す。<br />
次世代の GAW プログラム(2008 年~2015 年)は、その使命および長期目標を達成するこ<br />
とを目指し、枠組み戦略、つまり統合地球大気化学観測(IGACO)に関する統合地球観測<br />
戦略(IGOS)のテーマ報告書に基づく内容となっている[IGACO、2004](図 1)。WMO<br />
は、GAW プログラムを通じて、地球大気化学観測についてのより優れた統合を目指す<br />
IGACO の勧告の実施を主導する。図 1 に示すとおり、統合システムは、観測、品質保証お<br />
よび較正/検証(cal/val)、ならびに各国の世界統合データ保管/解析センター(WIDACs)<br />
への(一部は準リアルタイムでの、大部分はより遅い)データ配信等を含む大気全体に関<br />
する測定を取り扱う。WIDACs は、特定の要素ごとのあらゆる観測データを保管し、それ<br />
らを利用者に提供するセンターまたはセンターネットワークである。化学物質の排出およ<br />
び大気中/地上との交換についての定量化を改善することを目的とした逆解モデル法に関<br />
与する研究者は、重要な利用者コミュニティの好例である。古典的な気象要素に対する<br />
WIDAC の主な例は、気象センター(例:欧州中期気象予報センター(ECMWF)、米国国<br />
立環境予報センター(NCEP)および<strong>気象庁</strong>(JMA))の再解析に使用される入力データセ<br />
ットである。現在、特定のネットワークまたは機器からの観測データを保管することに重<br />
点を置いているデータセンターは存在するものの、大気化学要素を対象として十分に調整<br />
された WIDAC はない。気候変動、オゾン層破壊/紫外線の増加、大気質および長距離越<br />
境汚染に関連した社会経済的な取り組みに適合したシステムが必要であり、そうしたシス<br />
テムにより、WMO 加盟国および多様な科学コミュニティにとって必要なプロダクトおよ<br />
びサービスの供給がなされる。<br />
GAW は、IGACO の実施において指導的役割を果たすため、WMO 加盟国からの委任に従<br />
う。また、それは、国家・地域の、および国際的な観測プロジェクト・プログラム・シス<br />
テム・戦略(例:全球気候観測システム(GCOS)、統合地球観測戦略(IGOS)、全球地球<br />
観測(GEO)、統合地球大気化学(IGAC))に明確にリンクしており、そのニーズに応える<br />
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