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はじめに<br />
<strong>世界気象機関</strong>(WMO)の加盟国は、長年にわたり、気象、気候および大気質に関する計画<br />
と活動における大気化学の重要性を認識してきました。その結果、1989 年の WMO 第 41<br />
回執行理事会において、全球大気監視(GAW)プログラムが策定されました。本プログラ<br />
ムにより、1970 年代以前の 2 つの長期監視プログラム(全球オゾン観測システム(GO3OS)<br />
および大気バックグランド汚染観測網(BAPMoN))が統合されることになりました。<br />
大気科学委員会は(CAS)、第 10 回委員会(1990 年、オッフェンバハ)の報告の中で、こ<br />
の決定に賛同するとともに、「GAW の基本概念は、大気組成の監視に対して、温度、風お<br />
よび降水等の古典的気象パラメータに対するのと同等の重要性を見い出さなければならな<br />
いということにある」と強調しています。GAW は、第 11 回世界気象会議(1991 年)にお<br />
いて承認され、第 44 回執行理事会(1992 年)では GAW 技術規則が承認されました。<br />
GAW はそれ以降、統合地球大気化学観測(IGACO)戦略の実施や、オゾン、エーロゾル<br />
および温室効果ガス等の必須気候要素に対する監視の必要性に関して、WMO が主導的役<br />
割を果たす上での主要なプログラムへと発展しています。<br />
WMO 戦略計画(2008 年~2011 年)に整合する第三次 GAW 戦略計画(2008 年~2015 年)<br />
を紹介できて嬉しく思います。環境汚染および大気化学に関する大気科学委員会作業部会<br />
(CAS OPAG-EPAC)に貢献したすべての専門家に対し、本プログラムの策定に果たした<br />
役割に感謝します。その作業には、科学諮問部会ならびに品質保証科学センター、中央較<br />
正施設、世界・地域較正センターおよび世界データセンターの指導者を含む国際的な GAW<br />
コミュニティ内の一連の協議が含まれました。本計画は、2007 年 4 月に CAS OPAG-EPAC<br />
の合同科学運営委員会によるレビューおよび承認が行われました。<br />
GAW 戦略実施計画(2008 年~2015 年)は、従来の計画の成功側面を取り入れると同時に<br />
将来の必要性に対処するために、いくつかの前向きな変更を行うものです。GAW は今後<br />
10 年間で、IGACO 戦略の実施を通じて、大気化学に関連した挑戦に取り組みます。GAW<br />
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