戦略的研究拠点育成 - 科学技術振興機構

目 標 7については、 参 加 5 大 学 のうち、 東 京 大 学 と 茨 城 大 学 との 間 及 び 京 都 大 学 と 大 阪 大 学 と
の 間 で、 単 位 互 換 制 度 が 実 施 されている。また、 各 大 学 で 行 われているサステイナビリティ 学 に
関 する 共 同 教 育 プログラムを 設 置 し、 修 了 者 30 名 に 共 同 修 了 認 定 証 を 発 行 している。
目 標 8については、 東 京 大 学 において 海 外 の 学 生 も 集 めた 教 育 プログラム:Intensive Program on
Sustainability(IPoS)を 開 催 したことをはじめとして、 参 加 大 学 においても 同 様 の 教 育 プログラムを
開 設 している。
目 標 9については、 東 京 大 学 が 中 国 及 びインドと、 京 都 大 学 が 中 国 及 びタイと 連 携 し 研 究 拠 点
を 設 置 する 等 関 係 強 化 を 図 った。
目 標 10 については、 国 際 会 議 やシンポジウムを 開 催 することにより、 世 界 的 な 認 知 度 を 高 めた。
特 に International Conference on Sustainability Science(ICSS) 及 びそのアジア 版 (ICSS-Asia)については、
多 くの 国 内 外 の 研 究 者 、 企 業 等 が 参 加 し 同 会 議 の 認 知 を 広 めた。また、ICSS は 育 成 期 間 終 了 後 の
2011 年 の 開 催 機 関 等 が 決 定 されており、 継 続 的 な 開 催 を 図 っている。
目 標 11 については、 無 料 の 季 刊 広 報 誌 :サステナを 育 成 期 間 中 に 16 回 (20,000 部 / 回 ) 発 行
するとともに、 英 語 版 のテキストや 全 5 巻 の 書 籍 等 の 刊 行 (UNU Press 及 び 東 京 大 学 出 版 会 )、 公
開 講 座 の 開 催 により、 市 民 レベルにおけるサステイナビリティ 学 の 啓 蒙 ・ 広 報 活 動 を 実 施 した。
目 標 12 については、コンソーシアム 運 営 を 基 盤 とした 外 部 資 金 の 獲 得 は 順 調 ではないが、 参 加
大 学 を 受 け 皿 にした 外 部 資 金 獲 得 額 は、 年 間 平 均 1 億 円 を 超 えている。
目 標 13 については、 民 間 企 業 との 共 同 研 究 により 持 続 可 能 エネルギー 戦 略 を 策 定 する 等 、 産 官
学 連 携 により 国 際 的 研 究 基 盤 の 確 立 を 推 進 している。
以 上 により、ミッションステートメントは 概 ね 達 成 されたものと 評 価 できる。
2 組 織 改 革 の 妥 当 性
ネットワーク 型 研 究 拠 点 である IR3S のプロジェクトを 推 進 するために、 東 京 大 学 においては 総
長 直 轄 の 組 織 が 設 置 され、その 後 の 東 京 大 学 における 関 連 分 野 の 組 織 改 革 の 先 鞭 となるなど、 組
織 改 革 モデルの 有 効 性 が 認 められる。また 他 の 参 加 大 学 においても 総 長 ・ 学 長 のリーダーシップ
の 下 、 関 連 分 野 の 部 局 横 断 型 の 組 織 が 設 置 され、それぞれの 大 学 が 有 する 特 性 を 活 かした 関 連 分
野 を 対 象 とした 組 織 改 革 が 行 われており、 参 加 大 学 間 等 で 一 定 の 連 携 が 図 られ、シナジー 効 果 も
見 られる。さらに、 国 際 学 術 誌 の 発 行 や 国 際 シンポジウムの 開 催 等 を 通 じサステイナビリティ 学
におけるコミュニティが 形 成 されつつあり、 国 際 的 にサステイナビリティ 学 におけるネットワー
クのハブとして IR3S の 認 知 が 高 まってきており、サステイナビリティ 学 の 構 築 における 主 要 な 推
進 力 の 一 つになっていると 判 断 できる。
今 後 は、サステイナビリティ 学 の 体 系 化 ・ 構 造 化 の 取 組 により、 目 的 の 絞 込 みと 必 要 な 機 能 の
明 確 化 を 行 い、 東 京 大 学 のみならず 他 の 参 加 大 学 における 更 なる 組 織 改 革 を 推 進 する 必 要 がある。
また、サステイナビリティ 学 全 体 に 寄 与 するべく、ネットワーク 型 研 究 拠 点 の 在 り 方 の 継 続 的 検
証 と 拠 点 の 発 展 、 国 内 外 の 他 機 関 への 成 果 の 還 元 を 期 待 する。
以 上 により、 組 織 改 革 は 所 期 の 計 画 と 同 等 であったと 評 価 できる。
3 運 営 改 革 の 妥 当 性
東 京 大 学 の 強 力 なイニシアティブと 相 まって、 各 大 学 の 総 長 ・ 学 長 のリーダーシップが 発 揮 さ
れ、これまでの 大 学 全 体 及 び 部 局 内 における 硬 直 した 制 度 の 革 新 に 向 けた 動 きが 始 まっている。
しかし、 東 京 大 学 と 他 の 参 加 4 大 学 の 運 営 改 革 の 進 展 には 遅 速 が 見 られ、 連 携 の 基 盤 となるサ
ステイナビリティ 学 の 定 義 を 踏 まえた 更 なる 深 化 とアプローチ 手 法 の 検 証 により、 参 加 大 学 各 々
のより 主 体 的 な 運 営 改 革 を 期 待 する。 特 に 今 後 、より 多 くの 機 関 との 連 携 を 図 り 相 乗 効 果 を 期 待
するに 当 たっては、 機 関 の 選 定 方 法 を 見 直 し、サステイナビリティ 学 の 定 義 に 照 らして 整 備 が 遅
12