戦略的研究拠点育成 - 科学技術振興機構

益 によって TIIMS を 維 持 するという 方 法 は 採 られていない。これに 代 わり、TIIMS では、 競 争 的
研 究 資 金 と 企 業 からの 資 金 導 入 を 定 常 的 な 収 入 源 とすることを 計 画 している。
4)のアについては 目 標 1の3)に 対 する 達 成 度 において 示 した 内 容 と 同 様 である。イ 及 びウ
については、 企 業 等 との 共 同 研 究 の 実 施 、これを 支 援 する 事 務 部 門 の 新 設 、CIMI の 実 用 化 等 、 高
度 な 医 療 技 術 の 開 発 を 企 業 と 協 働 で 推 進 するシステムを 構 築 するとともに、 研 究 成 果 を 協 働 参 加
企 業 が 利 用 するビジネスモデルを 構 築 した。
目 標 2については、4,000 株 の 疾 患 細 胞 株 の 遺 伝 子 解 析 (プロジェクト1)、 磁 気 共 鳴 分 光 法 を
用 いた 非 侵 襲 化 学 的 腫 瘍 診 断 法 による 実 用 化 (プロジェクト2)、 重 症 心 筋 症 に 対 する 再 生 医 療 法
の 臨 床 応 用 (プロジェクト3)、 遺 伝 子 検 査 に 利 用 可 能 な DNA チップを 用 いた 簡 便 かつ 信 頼 性 の
高 いリシークエンシングのシステムの 構 築 (プロジェクト4)、 特 定 保 健 用 食 品 及 び 栄 養 機 能 食 品
に 対 するアンケート 方 式 による 評 価 法 の 有 効 性 の 実 証 (プロジェクト5)、また 論 文 発 表 379 件 、
学 会 発 表 451 件 、 特 許 出 願 10 件 を 達 成 した。
目 標 3の1)についてはチーム 制 統 合 医 科 学 育 成 コースを 修 了 した6 名 がコーディネータとし
て 健 康 増 進 指 導 を 実 践 した。またコーディネーターの 他 機 関 への 派 遣 は 実 践 されなかったが、 他
大 学 のコース 修 了 者 が 統 合 医 科 学 の 理 念 ・ 実 践 の 普 及 に 貢 献 した。
2)については 企 業 等 との 共 同 研 究 及 び IREIIMS 公 開 セミナーの 実 施 により、オープンな 体 制
の 下 に 統 合 医 科 学 研 究 を 推 進 するとともに、 食 品 開 発 メーカーとの 協 同 による 慢 性 疾 患 患 者 等 向
けの 食 品 開 発 を 通 して 商 品 開 発 に 携 わる 人 材 育 成 を 行 った。
3)については、 公 開 シンポジウム、IREIIMS セミナー 等 の 実 施 により、 統 合 医 科 学 のアウト
リーチ 活 動 を 行 った。
以 上 により、ミッションステートメントは 概 ね 達 成 されたものと 評 価 できる。
2 組 織 改 革 の 妥 当 性
IREIIMS は 教 授 会 等 既 存 の 大 学 組 織 から 独 立 した 大 学 法 人 理 事 会 直 属 の 組 織 として 設 置 された。
また、この IREIIMS に 経 営 戦 略 室 を 設 置 し、 総 括 責 任 者 である 学 長 のリーダーシップが 発 揮 しや
すい 体 制 を 確 立 した。この 体 制 の 下 、 大 学 院 医 学 系 研 究 科 先 端 生 命 医 科 学 系 専 攻 統 合 医 科 学 分 野
の 開 設 、 研 究 支 援 部 の 設 置 、 知 財 管 理 体 制 整 備 の 着 手 、 研 究 者 の 国 際 公 募 等 研 究 及 び 教 育 システ
ムを 改 革 した。これにより、 専 門 分 野 のみで 滞 留 していた 知 見 の 共 有 化 が 進 み、 専 門 性 の 垣 根 を
越 えた 自 由 闊 達 な 議 論 が 行 われることにより 研 究 におけるブレークスルーが 起 こるとともに、 異
分 野 融 合 型 の 週 1 回 、6ヶ 月 のチーム 制 統 合 医 科 学 人 材 育 成 コースを 設 置 し e-ラーニングとラウ
ンドテーブル・ディスカッションを 組 み 合 わせて 東 京 女 子 医 科 大 学 内 外 の 多 様 な 受 講 者 を 育 成 す
るとともに、 当 初 目 標 には 掲 げられていなかった 短 期 コースを 開 設 したことは 評 価 できる。
さらに、 中 間 評 価 における「 大 学 医 学 部 との 融 合 は 必 然 」との 指 摘 に 基 づいて、 育 成 期 間 終 了
直 後 に 設 立 した 統 合 医 科 学 研 究 所 :TIIMS を 本 機 関 の 研 究 施 設 の 一 環 として 位 置 づけたことは 高
く 評 価 できる。
また IREIIMS において 行 われた 研 究 の 中 で、 先 天 性 疾 患 の 原 因 遺 伝 子 が 高 い 割 合 で 成 人 におけ
る 腫 瘍 形 成 の 原 因 でもあることの 提 示 、 超 早 期 診 断 に 資 する 高 性 能 スクリーニング 法 の 開 発 及 び
病 気 に 対 する 統 合 的 アプローチを 教 授 する「 症 例 ベース」 法 の 開 発 は、 国 際 的 に 見 ても 医 学 生 物
学 界 に 対 する 統 合 医 科 学 研 究 の 貢 献 であるものと 評 価 できる。
さらに、 本 育 成 期 間 において 実 践 した 改 革 手 法 は、 他 の 私 立 医 科 系 大 学 を 初 め、 多 くの 分 野 の
活 動 においても 波 及 しうるモデルであるものと 評 価 できる。
なお、こうした 取 組 が 新 聞 記 事 として 取 り 上 げられる 等 広 く 社 会 に 発 信 されている。
以 上 により、 組 織 改 革 は 所 期 の 計 画 と 同 等 であったと 評 価 できる。
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