パンフレット - 科学技術振興機構
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CREST 領 域 一 覧<br />

研 究 進 行 領 域 36 領 域 488 課 題<br />

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キーワード<br />

EMS<br />

相 界 面<br />

CO2 資 源 化<br />

海 洋 生 物 多 様 性<br />

藻 類 バイオエネルギー<br />

太 陽 光 利 用<br />

水 利 用<br />

CO2 抑 制<br />

恒 常 性<br />

構 造 生 命<br />

エピゲノム<br />

生 命 動 態<br />

慢 性 炎 症<br />

脳 神 経 回 路<br />

iPS 細 胞<br />

免 疫 機 構<br />

精 神 ・ 神 経<br />

生 命 システム<br />

代 謝<br />

分 子 技 術<br />

元 素 戦 略<br />

光 展 開<br />

ナノシステム<br />

ナノ 構 造 体<br />

次 世 代 デバイス<br />

ナノ 界 面<br />

ナノ 製 造<br />

光 科 学<br />

ポストペタスケール<br />

情 報 環 境<br />

数 学<br />

DVLSI<br />

組 込 みOS<br />

センシング<br />

ULP<br />

マルチ<br />

研 究 領 域 名<br />

分 散 協 調 型 エネルギー 管 理 システム 構 築 のための 理 論 及 び 基 盤 技 術 の 創 出 と 融 合 展 開<br />

エネルギー 高 効 率 利 用 のための 相 界 面 科 学<br />

二 酸 化 炭 素 資 源 化 を 目 指 した 植 物 の 物 質 生 産 力 強 化 と 生 産 物 活 用 のための 基 盤 技 術 の 創 出<br />

海 洋 生 物 多 様 性 及 び 生 態 系 の 保 全 ・ 再 生 に 資 する 基 盤 技 術 の 創 出<br />

藻 類 ・ 水 圏 微 生 物 の 機 能 解 明 と 制 御 によるバイオエネルギー 創 成 のための 基 盤 技 術 の 創 出<br />

太 陽 光 を 利 用 した 独 創 的 クリーンエネルギー 生 成 技 術 の 創 出<br />

持 続 可 能 な 水 利 用 を 実 現 する 革 新 的 な 技 術 とシステム<br />

二 酸 化 炭 素 排 出 抑 制 に 資 する 革 新 的 技 術 の 創 出<br />

生 体 恒 常 性 維 持 ・ 変 容 ・ 破 綻 機 構 のネットワーク 的 理 解 に 基 づく 最 適 医 療 実 現 のための 技 術 創 出<br />

ライフサイエンスの 革 新 を 目 指 した 構 造 生 命 科 学 と 先 端 的 基 盤 技 術<br />

エピゲノム 研 究 に 基 づく 診 断 ・ 治 療 へ 向 けた 新 技 術 の 創 出<br />

生 命 動 態 の 理 解 と 制 御 のための 基 盤 技 術 の 創 出<br />

炎 症 の 慢 性 化 機 構 の 解 明 と 制 御 に 向 けた 基 盤 技 術 の 創 出<br />

脳 神 経 回 路 の 形 成 ・ 動 作 原 理 の 解 明 と 制 御 技 術 の 創 出<br />

人 工 多 能 性 幹 細 胞 (iPS 細 胞 ) 作 製 ・ 制 御 等 の 医 療 基 盤 技 術<br />

アレルギー 疾 患 ・ 自 己 免 疫 疾 患 などの 発 症 機 構 と 治 療 技 術<br />

精 神 ・ 神 経 疾 患 の 分 子 病 態 理 解 に 基 づく 診 断 ・ 治 療 へ 向 けた 新 技 術 の 創 出<br />

生 命 システムの 動 作 原 理 と 基 盤 技 術<br />

代 謝 調 節 機 構 解 析 に 基 づく 細 胞 機 能 制 御 基 盤 技 術<br />

新 機 能 創 出 を 目 指 した 分 子 技 術 の 構 築<br />

元 素 戦 略 を 基 軸 とする 物 質 ・ 材 料 の 革 新 的 機 能 の 創 出<br />

先 端 光 源 を 駆 使 した 光 科 学 ・ 光 技 術 の 融 合 展 開<br />

プロセスインテグレーションによる 機 能 発 現 ナノシステムの 創 製<br />

プロセスインテグレーションに 向 けた 高 機 能 ナノ 構 造 体 の 創 出<br />

次 世 代 エレクトロニクスデバイスの 創 出 に 資 する 革 新 材 料 ・プロセス 研 究<br />

ナノ 界 面 技 術 の 基 盤 構 築<br />

ナノ 科 学 を 基 盤 とした 革 新 的 製 造 技 術 の 創 成<br />

新 機 能 創 成 に 向 けた 光 ・ 光 量 子 科 学 技 術<br />

ポストペタスケール 高 性 能 計 算 に 資 するシステムソフトウェア 技 術 の 創 出<br />

共 生 社 会 に 向 けた 人 間 調 和 型 情 報 技 術 の 構 築<br />

数 学 と 諸 分 野 の 協 働 によるブレークスルーの 探 索<br />

ディペンダブルVLSIシステムの 基 盤 技 術<br />

実 用 化 を 目 指 した 組 込 みシステム 用 ディペンダブル・オペレーティングシステム<br />

先 進 的 統 合 センシング 技 術<br />

情 報 システムの 超 低 消 費 電 力 化 を 目 指 した 技 術 革 新 と 統 合 化 技 術<br />

マルチスケール・マルチフィジックス 現 象 の 統 合 シミュレーション<br />

研 究 終 了 領 域 40 領 域 575 課 題 についてはP74 以 降 をご 覧 下 さい。<br />

2

CORE RESEARCH FOR EVOLUTIONARY<br />

SCIENCE AND TECHNOLOGY<br />

研 究 総 括 ・ 副 研 究 総 括 発 足 年 度 平 成 25 年 度 募 集 課 題 数 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 ページ<br />

藤 田 政 之 平 成 24 年 有 16 P2<br />

笠 木 伸 英 ・ 橋 本 和 仁 平 成 23 年 有 9 P4<br />

磯 貝 彰 平 成 23 年 有 9 P6<br />

小 池 勲 夫 平 成 23 年 有 11 P8<br />

松 永 是 平 成 22 年 — 13 P10<br />

山 口 真 史 平 成 21 年 — 15 P12<br />

大 垣 眞 一 郎 ・ 依 田 幹 雄 平 成 21 年 — 17 P14<br />

安 井 至 平 成 20 年 — 15 P16<br />

永 井 良 三 平 成 24 年 有 5 P18<br />

田 中 啓 二 平 成 24 年 有 6 P19<br />

山 本 雅 之 ・ 牛 島 俊 和 平 成 23 年 有 14 P20<br />

山 本 雅 平 成 23 年 有 5 P22<br />

宮 坂 昌 之 平 成 22 年 — 17 P23<br />

小 澤 瀞 司 平 成 21 年 — 19 P25<br />

須 田 年 生 平 成 20 年 — 23 P27<br />

菅 村 和 夫 平 成 20 年 — 15 P30<br />

樋 口 輝 彦 平 成 19 年 — 14 P32<br />

中 西 重 忠 平 成 18 年 — 9 P34<br />

西 島 正 弘 平 成 17 年 — 15 P36<br />

山 本 尚 平 成 24 年 有 4 P38<br />

玉 尾 皓 平 平 成 22 年 — 12 P40<br />

伊 藤 正 平 成 20 年 — 16 P42<br />

曽 根 純 一 平 成 20 年 — 16 P44<br />

入 江 正 浩 平 成 20 年 — 16 P46<br />

渡 辺 久 恒 平 成 19 年 — 18 P48<br />

新 海 征 治 平 成 18 年 — 15 P50<br />

堀 池 靖 浩 平 成 18 年 — 16 P52<br />

伊 澤 達 夫 平 成 17 年 — 16 P54<br />

米 澤 明 憲 平 成 22 年 — 14 P56<br />

東 倉 洋 一 平 成 21 年 — 17 P58<br />

西 浦 廉 政 平 成 20 年 — 13 P60<br />

浅 井 彰 二 郎 平 成 19 年 — 11 P62<br />

所 眞 理 雄 ・ 村 岡 洋 一 平 成 18 年 — 9 P64<br />

板 生 清 平 成 17 年 — 15 P66<br />

南 谷 崇 平 成 17 年 — 12 P68<br />

矢 川 元 基 平 成 17 年 — 21 P70<br />

3

分 散 協 調 型 エネルギー<br />

管 理 システム 構 築 のため<br />

の 理 論 及 び 基 盤 技 術 の<br />

創 出 と 融 合 展 開<br />

戦 略 目 標<br />

再 生 可 能 エネルギーをはじめとした 多 様<br />

なエネルギーの 需 給 の 最 適 化 を 可 能 と<br />

する、 分 散 協 調 型 エネルギー 管 理 システ<br />

ム 構 築 のための 理 論 、 数 理 モデル 及 び<br />

基 盤 技 術 の 創 出<br />

平 成 24 年 度 採 択<br />

電 力 システムにおける 系 統 ・ 制 御 通 信<br />

ネットワークに 対 する 分 散 型 侵 入 検 知<br />

手 法 の 構 築<br />

石 井 秀 明<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院 総 合 理 工 学 研 究 科<br />

准 教 授<br />

将 来 的 な 電 力 システムでは、インター<br />

ネット 等 の 汎 用 通 信 の 導 入 が 避 けら<br />

れないため、セキュリティ 確 保 が 重 要<br />

な 課 題 となります。 本 研 究 では、 電 力<br />

システムへのサイバー 攻 撃 を 検 知 する<br />

分 散 型 の 手 法 を 構 築 します。 特 に、 電 力 系 統 と 制 御 通<br />

信 の2つのネットワークの 挙 動 を 数 理 的 なモデルで 表 現<br />

するアプローチを 取 り、モデルと 実 際 のデータ 間 の 差 異<br />

を 用 いて 攻 撃 箇 所 や 不 正 レベルを 推 定 します。また、 本<br />

手 法 をテストベッド 上 に 実 装 し、 実 験 評 価 を 行 います。<br />

エネルギー 需 給 ネットワークにおける<br />

エージェントの 戦 略 的 行 動 を 公 共 利 益<br />

に 統 合 する 最 適 化 メカニズム<br />

内 田 健 康<br />

早 稲 田 大 学 理 工 学 術 院<br />

教 授<br />

次 世 代 のエネルギー 需 給 システムは、<br />

エネルギー 伝 送 ネットワークと 双 方 向<br />

情 報 通 信 機 能 をインフラとして 備 える<br />

ものとなります。また、これらのインフラ<br />

を 活 用 して 自 由 にエネルギーを 取 り 引<br />

きする 需 要 者 と 供 給 者 、さらには 公 共<br />

の 利 益 を 守 る 事 業 体 から 構 成 されます。 本 研 究 では、 再<br />

生 可 能 エネルギー 導 入 に 伴 う 環 境 変 動 に 対 応 しながら、<br />

ダイナミクスを 持 つ 需 要 者 と 供 給 者 の 戦 略 的 な 意 思 決<br />

定 ・ 制 御 を 束 ね、 公 共 の 利 益 確 保 に 導 くための 最 適 な<br />

統 合 メカニズム( 公 益 事 業 体 の 意 思 決 定 ・ 制 御 )の 理 論<br />

と 設 計 法 の 確 立 を 目 指 します。<br />

研 究 総 括<br />

藤 田 政 之<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院<br />

理 工 学 研 究 科 教 授<br />

本 研 究 領 域 では 再 生 可 能 エネルギーをはじめと<br />

した 多 様 なエネルギー 源 と 様 々な 利 用 者 をつなぐエ<br />

ネルギー 管 理 システムにおいて、エネルギー 需 給 を<br />

最 適 制 御 するための 理 論 、 数 理 モデル 及 び 基 盤<br />

技 術 の 創 出 を 目 的 とします。 具 体 的 には、エネル<br />

ギーと 情 報 を 双 方 向 かつリアルタイムで 処 理 し、 分<br />

散 して 存 在 する 需 要 と 供 給 間 の 状 況 把 握 や 協 調<br />

制 御 を 可 能 とする 理 論 及 び 基 盤 技 術 の 研 究 を 推<br />

進 します。また、 需 要 と 供 給 それぞれの 利 己 的 意 思<br />

決 定 をエネルギーシステム 全 体 の 社 会 的 利 益 につ<br />

なげるために、 人 間 行 動 や 社 会 的 合 理 性 を 組 み 込<br />

んだ 理 論 及 び 基 盤 技 術 の 研 究 を 推 進 します。さら<br />

には、 再 生 可 能 エネルギーの 需 給 を 気 象 や 地 理 的<br />

条 件 、 過 去 の 実 績 等 を 考 慮 して 予 測 する 理 論 及<br />

び 基 盤 技 術 の 研 究 を 推 進 します。これらの 研 究 を<br />

推 進 するにあたり、 分 散 協 調 型 エネルギー 管 理 シ<br />

ステムの 構 築 という 出 口 を 見 据 え、システム、 制 御 、<br />

情 報 、 通 信 、エネルギー、 社 会 科 学 など 様 々な 研 究<br />

分 野 をつないだ 連 携 や 融 合 に 取 り 組 みます。<br />

領 域 アドバイザー<br />

浅 野 浩 ( 財 ) 電 力 中 央 研 究 所 社 会 経 済 研 究 所<br />

副 研 究 参 事<br />

足 立 修 一 慶 応 義 塾 大 学 理 工 学 部 教 授<br />

飯 野 穣 ( 株 ) 東 芝 スマートコミュニティ 事 業 統 括 部 主 幹<br />

岩 野 和 生 三 菱 商 事 株 式 会 社 ビジネスサービス 部 門 顧 問<br />

喜 連 川 優 東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所 教 授<br />

合 田 忠 弘 九 州 大 学 大 学 院 総 合 理 工 学 研 究 院<br />

特 任 教 授<br />

三 平 満 司 東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

杉 江 俊 治 京 都 大 学 大 学 院 情 報 学 研 究 科 教 授<br />

マルタ マルミローリ 三 菱 電 機 株 式 会 社 系 統 変 電 システム 製 作 所<br />

グループマネージャー<br />

山 西 健 司 東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

太 陽 光 発 電 の 予 測 不 確 実 性 を<br />

許 容 する 超 大 規 模 電 力 最 適 配 分 制 御<br />

井 村 順 一<br />

本 研 究 では、 太 陽 光 発 電 が 大 量 導 入<br />

された 超 大 規 模 な 電 力 システムをリア<br />

ルタイムに 最 適 運 用 する 電 力 最 適 配<br />

分 制 御 系 の 基 礎 理 論 を 構 築 すること<br />

を 目 指 します。 具 体 的 には、 不 確 かさを<br />

有 する 太 陽 光 発 電 予 測 と 需 要 予 測 のもとでも、 電 力 予<br />

測 精 度 と 最 適 性 の 関 係 に 着 目 して 調 整 用 電 源 と 蓄 電<br />

池 などを 適 切 に 制 御 することで、 最 小 限 の 調 整 力 ・ 予 備<br />

力 で 太 陽 光 発 電 を 効 率 よく 最 大 限 利 用 するための 制 御<br />

理 論 を 構 築 します。<br />

消 費 者 の 受 容 性 を 考 慮 した<br />

住 宅 エネルギー 管 理 システム<br />

岩 船 由 美 子<br />

東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所<br />

准 教 授<br />

不 安 定 な 発 電 出 力 特 性 を 有 する 再 生<br />

可 能 エネルギーの 大 量 導 入 を 実 現 さ<br />

せるためには、 電 力 システムにおける<br />

エネルギー 需 給 調 整 力 を 確 保 すること<br />

が 必 要 です。そのために、 消 費 者 の 快<br />

適 性 ・ 利 便 性 を 維 持 しつつ 必 要 に 応 じて 電 力 需 要 を 調<br />

整 できる 機 能 を 持 つ 住 宅 エネルギー 管 理 システム<br />

(HEMS)の 開 発 を 目 指 します。また、HEMS 普 及 促 進<br />

のために、 社 会 に 受 け 入 れられる 仕 組 み・ 制 度 に 関 する<br />

検 討 や 付 加 価 値 を 高 めるための 研 究 も 行 います。<br />

洋 上 風 力 発 電 に 必 要 な 洋 上 風<br />

況 把 握 と 予 測 方 法 の 開 発<br />

上 田<br />

博<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

名 古 屋 大 学 地 球 水 循 環 研 究 センター<br />

教 授<br />

雲 解 像 度 非 静 力 学 気 象 モ デ ル<br />

C R e S S ( C l o u d R e s o l v i n g<br />

Storm Simulator)を 用 いて、 日 本<br />

全 域 を 対 象 とした 洋 上 の 日 々の 風 況<br />

予 測 実 験 ( 水 平 解 像 度 2km)を 行 い<br />

ます。また、 輪 島 市 沖 で 実 施 予 定 の「 洋 上 風 況 観 測 シス<br />

テム 実 証 研 究 」におけるウィンドファーム 候 補 地 の 詳 細 な<br />

( 水 平 解 像 度 100m) 風 況 把 握 を 行 い、 洋 上 風 力 発 電<br />

エネルギー 計 算 方 法 の 確 立 を 目 指 します。<br />

事 故 時 運 転 継 続 要 件 を 満 たしつつ<br />

分 散 協 調 された 系 統 連 系 インバータと<br />

蓄 電 池 を 含 む 送 配 電 系 の 構 築<br />

太 田 快 人<br />

系 統 連 系 インバータと 蓄 電 池 を 含 む<br />

送 配 電 系 の 分 散 協 調 制 御 方 法 を 提<br />

案 します。 事 故 があったとしても 運 転 を<br />

継 続 できるように、 応 答 性 の 早 い 制 御<br />

器 を 設 計 するための 理 論 を 構 築 して、<br />

インバータの 制 御 を 行 います。また、 負 荷 や 発 電 量 に 応<br />

じて 周 波 数 や 電 圧 が 生 じますが、 個 々のインバータ・ 蓄<br />

電 池 特 性 の 変 動 に 対 しても 影 響 を 受 けにくい 協 調 制 御<br />

方 法 を 構 築 します。さらに、 模 擬 電 源 を 用 いて 制 御 方 法<br />

が 実 用 可 能 であることを 実 証 します。<br />

電 力 需 要 の 約 75%を 自 然 エネルギー<br />

によって 賄 うことを 可 能 とする<br />

分 散 ロバスト 最 適 制 御<br />

大 森 浩 充<br />

本 研 究 では、 自 然 エネルギーの 大 量 導<br />

入 により、 電 力 需 要 の 大 部 分 ( 約<br />

75%)を 賄 うことを 可 能 とするロバスト<br />

分 散 最 適 制 御 アルゴリズムを 開 発 し、<br />

有 効 性 を 検 証 します。 自 然 エネルギーの<br />

大 量 導 入 実 現 には2つのボトルネック<br />

が 存 在 します。1つは「 最 悪 ケース」を 想 定 できない 確 率 的<br />

な 不 確 定 性 に 起 因 するリスクです。2つめは 分 散 化 した 大<br />

量 の 自 然 エネルギー 発 電 システムの 大 規 模 分 散 最 適 化<br />

問 題 です。1つめには 確 率 モデルに 基 づく 制 約 条 件 つき<br />

最 適 制 御 アプローチを、2つめにはローカル( 各 需 要 家 ) 最<br />

適 とグローバル( 市 場 ) 最 適 の2 段 階 のアプローチを、それ<br />

ぞれ 提 案 します。さらに、アルゴリズムの 有 効 性 を 数 値 シ<br />

ミュレーションと 小 規 模 プラントを 用 いて 実 証 します。<br />

「エネルギーの 情 報 化 」に 基 づく 地 域<br />

ナノグリッドの 構 築 および 実 証<br />

加 藤 丈 和<br />

京 都 大 学 大 学 院 情 報 学 研 究 科<br />

慶 應 義 塾 大 学 理 工 学 部<br />

教 授<br />

京 都 大 学 大 学 院 情 報 学 研 究 科<br />

教 授<br />

特 定 研 究 員<br />

本 研 究 は、 数 年 前 から 提 唱 して 来 た「エネル<br />

ギーの 情 報 化 」の 考 え 方 に 基 づき、 家 庭 や<br />

オフィス、 工 場 などの 電 力 需 要 家 が 自 律 的<br />

に 電 力 消 費 ・ 発 電 ・ 蓄 電 を 管 理 する 需 要 家<br />

内 電 力 管 理 システムおよび 地 域 内 に 分 散<br />

する 需 要 家 内 電 力 管 理 システム 群 の 協 調<br />

連 携 システムの 開 発 により、 地 域 コミュニティ 全 体 に 渡 る 電 力 ネッ<br />

トワークの 安 定 化 ・ 電 力 消 費 の 平 準 化 を 実 現 することを 目 指 しま<br />

す。 具 体 的 には、(1) 需 要 家 内 電 力 管 理 技 術 およびそれらの 協<br />

調 連 携 技 術 、(2)コミュニティ 全 体 の 平 準 化 ・ 安 定 化 のための 需<br />

給 マッチング 技 術 、(3) 電 力 の 双 方 向 フローの 推 定 ・ 制 御 技 術 と<br />

いう3つの 技 術 的 課 題 について 研 究 開 発 を 行 うとともに、 小 中 規<br />

模 コミュニティを 対 象 とした 実 証 実 験 、 大 規 模 コミュニティを 想 定<br />

したシミュレーション 実 験 による 効 果 の 検 証 を 行 います。<br />

2

マルチエネルギーシステムの<br />

動 的 解 析 技 術<br />

薄<br />

良 彦<br />

マルチエネルギー 源 ( 多 様 なエネル<br />

ギー 源 )を 分 散 的 に 含 むエネルギーシ<br />

ステムの 物 理 的 本 質 はマルチスケー<br />

ル 性 です。マルチスケールで 生 起 する<br />

動 的 現 象 を 制 御 する 技 術 の 実 現 はエ<br />

ネルギーの 有 効 利 用 に 必 須 です。 本 研 究 では、マルチエ<br />

ネルギーシステムの 動 的 特 性 に 関 する 汎 用 解 析 技 術 の<br />

開 発 を 力 学 系 、 電 力 ・エネルギー、システム 制 御 、 情 報 処<br />

理 の 融 合 研 究 により 進 めます。<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 講 師<br />

エネルギー 貯 蔵 デバイスの 新 しい 応 用<br />

方 法 および 負 荷 側 機 器 の 制 御 手 法 に<br />

必 要 となる 基 礎 的 な 理 論 ・モデルの 構 築<br />

馬 場 旬 平<br />

東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科<br />

准 教 授<br />

家 庭 用 太 陽 光 発 電 や 風 力 発 電 など、 分<br />

散 型 の 再 生 可 能 エネルギー 電 源 が 大<br />

量 に 導 入 されても 安 定 的 に 電 気 の 供 給<br />

ができることが 喫 緊 の 課 題 となっていま<br />

す。このため、 再 生 可 能 エネルギー 電 源<br />

が 導 入 された 予 測 困 難 な 系 統 運 用 条<br />

件 においても、 安 定 的 かつ 高 信 頼 な 電 力 供 給 システムを<br />

維 持 するために、 電 池 や 揚 水 発 電 などのエネルギー 貯 蔵 デ<br />

バイスの 新 しい 応 用 方 法 、 安 定 化 のために 操 作 されている<br />

ことを 気 付 かせない 負 荷 側 機 器 (ヒートポンプ 機 器 や 電 気<br />

自 動 車 )の 制 御 手 法 を 研 究 します。さらに、 実 際 の 電 力 系 統<br />

で 利 用 されている 制 御 系 が 組 み 込 まれた 全 系 統 デジタルシ<br />

ミュレータを 用 いて 効 果 の 実 証 も 行 います。<br />

藻 EMS 類 バイオエネルギー グリーンイノベーション<br />

車 載 蓄 電 池 を 活 用 したモデル 予 測 型<br />

エネルギー 管 理 システムの 設 計<br />

鈴 木 達 也<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

電 気 自 動 車 やプラグインハイブリッド<br />

車 に 内 蔵 される 車 載 蓄 電 池 をエネル<br />

ギー 管 理 システム(EMS)に 組 み 込 む<br />

ことで、より 柔 軟 でロバストなEMSが<br />

実 現 できます。 車 載 蓄 電 池 はEMSへ<br />

の 接 続 ( 駐 車 時 )とEMSからの 離 脱 ( 走 行 時 )を 繰 り 返<br />

す 特 殊 な 蓄 電 池 とみなせることから、その 有 効 利 用 のた<br />

めに 解 決 すべき 課 題 も 数 多 くあります。 本 研 究 では、 車<br />

載 蓄 電 池 を 活 用 したモデル 予 測 型 の 家 庭 用 E M S<br />

(HEMS)とコミュニティ 用 EMS (CEMS)の 設 計 問<br />

題 に 取 り 組 みます。<br />

協 調 エネルギー 管 理 システム 実 現 手 法<br />

の 創 出 とその 汎 用 的 な 実 証 および 評 価<br />

の 基 盤 体 系 構 築<br />

林<br />

泰 弘<br />

早 稲 田 大 学 理 工 学 術 院 教 授<br />

先 進 グリッド 技 術 研 究 所 所 長<br />

本 研 究 では、 住 宅 のエネルギー 管 理 シ<br />

ステム(HEMS:Home Energy<br />

Management System)と、 系 統<br />

電 力 による 中 央 制 御 型 の 配 電 ネット<br />

ワークのエネルギー 管 理 システム<br />

(GEMS:Grid Energy Management System)<br />

の 双 方 に 着 眼 し、「 予 測 → 運 用 → 制 御 」の 一 貫 型 のエ<br />

ネルギー 管 理 フローに 基 づくHEMSとGEMSが 協 調 す<br />

る 新 しいEMSの 実 現 手 法 を 創 出 します。また、EMSの<br />

実 現 手 法 をシミュレーションと 実 験 で 評 価 可 能 な 汎 用 的<br />

プラットフォームを 構 築 します。<br />

再 生 可 能 エネルギーの 大 量 導 入 を 考 慮 した<br />

電 力 システムの 複 雑 ネットワーク 動 力 学<br />

モデル 構 築 とその 最 適 化 理 論 の 創 成<br />

鈴 木 秀 幸<br />

東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所 准 教 授<br />

再 生 可 能 エネルギーが 大 量 導 入 され<br />

る 様 々な 状 況 のもとで、 電 力 システム<br />

の 挙 動 を 理 解 ・ 解 析 ・ 最 適 化 するため<br />

には、 電 力 システムの 数 理 モデルが 必<br />

要 です。 結 合 振 動 子 系 による 定 性 的<br />

数 理 モデルは 理 論 解 析 が 可 能 ですが、<br />

単 純 すぎて 現 実 とは 大 きな 乖 離 があります。また、 電 力<br />

系 統 の 詳 細 な 特 性 を 考 慮 した 複 雑 な 定 量 的 モデルでは<br />

理 論 解 析 が 困 難 です。そこで 本 研 究 では、これらの 定 性<br />

的 ・ 定 量 的 数 理 モデルの 橋 渡 しが 可 能 な 電 力 システム<br />

の 複 雑 ネットワーク 動 力 学 モデルを 構 成 し、その 分 散 協<br />

調 的 ダイナミクスの 理 論 的 解 明 とネットワーク 最 適 化 の<br />

実 現 を 目 指 します。<br />

地 域 統 合 エネルギーシステム 設 計 に<br />

向 けたシステム 制 御 理 論 の 構 築 :<br />

グローカル 制 御 の 視 点<br />

原<br />

辰 次<br />

東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

自 然 環 境 の 変 動 や 様 々なレベルでの<br />

需 要 変 動 に 対 して 安 定 的 に 稼 動 し、<br />

かつトータルエネルギーという 視 点 で<br />

効 率 的 な「 地 域 統 合 エネルギーシステ<br />

ム」を 構 築 することは 極 めて 重 要 です。<br />

本 研 究 では、グローカル 制 御 (ローカルな 計 測 ・ 制 御 でグ<br />

ローバルな 望 みの 状 態 を 実 現 )の 視 点 から、 異 なる3つ<br />

のエネルギーシステムを 対 象 とした 実 問 題 への 適 用 を 通<br />

して、システム 設 計 に 系 統 的 手 法 を 与 えるためのシステ<br />

ム 制 御 理 論 の 構 築 を 目 指 します。<br />

再 生 可 能 エネルギーの 調 和 的 活 用 に<br />

貢 献 する 地 球 科 学 型 支 援 システムの<br />

構 築<br />

ネットワーク 構 造 をもつ<br />

大 規 模 システムのディペンダブル 制 御<br />

中 島<br />

孝<br />

東 海 大 学 情 報 技 術 センター/ 情 報 デザイン<br />

工 学 部 教 授<br />

藤 崎 泰 正<br />

大 阪 大 学 大 学 院 情 報 科 学 研 究 科 教 授<br />

再 生 可 能 エネルギーを 調 和 的 に 活 用<br />

するためには、エネルギーの 需 要 と 供<br />

給 の 両 方 に 関 係 する 日 射 量 、 風 、 地<br />

上 気 温 などの 地 球 物 理 量 を 精 度 良 く、<br />

かつタイムリーに 把 握 する 必 要 があり<br />

ます。 本 研 究 では、 最 新 の 衛 星 観 測 技 術 と 大 気 モデル<br />

を 用 いることで、 気 象 状 態 によって 短 い 時 間 スケールで<br />

大 きく 変 動 するこれら 地 球 物 理 量 の 実 況 値 / 予 測 値 を<br />

地 球 上 の 任 意 の 場 所 と 時 刻 で 計 算 します。さらに、 地 上<br />

観 測 システムによる 精 度 検 証 をセットにした 研 究 を 実 施<br />

します。<br />

再 生 可 能 エネルギーの 大 量 導 入 に 対<br />

応 した 安 定 性 の 高 い 電 力 システムの<br />

実 現 を 目 指 し、ディペンダブル 制 御 の<br />

基 礎 理 論 構 築 を 行 います。 電 力 シス<br />

テムは 電 力 網 と 情 報 網 から 構 成 され<br />

る 多 層 的 な 大 規 模 ネットワークであるため、 局 所 的 な 変<br />

動 や 故 障 が 各 層 間 の 相 互 干 渉 により 伝 播 し、 大 規 模 な<br />

停 電 を 引 き 起 こす 可 能 性 があります。 本 研 究 では、この<br />

種 の 構 造 的 な 変 動 の 伝 播 をモデル 化 して 解 析 し、 変 動<br />

や 故 障 に 能 動 的 に 対 処 するディペンダブル 制 御 を 実 現<br />

するための 方 法 論 を 構 築 します。<br />

3

エネルギー 高 効 率 利 用 の<br />

ための 相 界 面 科 学<br />

平 成 23 年 度 採 択<br />

実 環 境 計 測 に 基 づく 高 温 電 極 の<br />

界 面 領 域 エンジニアリング<br />

界 面 科 学 に 基 づく 次 世 代 エネルギー<br />

へのナノポーラス 複 合 材 料 開 発<br />

戦 略 目 標<br />

エネルギー 利 用 の 飛 躍 的 な 高 効 率 化 実<br />

現 のための 相 界 面 現 象 の 解 明 や 高 機<br />

能 界 面 創 成 等 の 基 盤 技 術 の 創 出<br />

研 究 総 括<br />

笠 木 伸 英<br />

東 京 大 学 名 誉 教 授 /( 独 ) 科 学 技 術 振 興<br />

機 構 研 究 開 発 戦 略 センター 上 席 フェロー<br />

副 研 究 総 括<br />

橋 本 和 仁<br />

東 京 大 学<br />

大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

本 研 究 領 域 は、 豊 かな 持 続 性 社 会 の 実 現 に 向<br />

けて、エネルギー 利 用 の 飛 躍 的 な 高 効 率 化 を 実 現<br />

するため、エネルギー 変 換 ・ 輸 送 に 関 わる 相 界 面 現<br />

象 の 解 明 や 高 機 能 相 界 面 の 創 成 などの 基 盤 的 科<br />

学 技 術 の 創 出 を 目 的 とします。<br />

具 体 的 には、 様 々な 相 界 面 現 象 の 基 礎 学 理 や<br />

制 御 ・ 最 適 化 技 術 を 深 化 させることによって、エネ<br />

ルギー 損 失 の 大 幅 な 減 少 を 可 能 とする 相 界 面 、あ<br />

るいは、 高 効 率 エネルギー 利 用 のための 新 たな 高<br />

機 能 相 界 面 を 創 造 することに 挑 戦 します。そのため<br />

には、ナノ、メソ、マクロといった 異 なるスケールの<br />

現 象 を 統 合 的 に 解 析 ・ 設 計 するための 技 法 、 相 界<br />

面 構 造 を 制 御 ・ 最 適 化 するための 理 論 的 手 法 など<br />

を 開 拓 することなどが 必 要 です。さらに、これらの 先<br />

端 的 な 基 礎 研 究 の 成 果 を、 実 際 の 機 器 やシステム<br />

の 設 計 に 効 果 的 に 適 用 し、それらの 飛 躍 的 性 能 向<br />

上 、 低 炭 素 化 、 低 コスト 化 に 繋 げることが 重 要 です。<br />

したがって、 本 研 究 領 域 では、エネルギーの 高 効<br />

率 利 用 に 向 けた 相 界 面 におけるエネルギー 変 換 ・<br />

輸 送 機 構 の 解 明 、マルチスケールの 相 界 面 現 象 を<br />

総 合 的 に 解 析 ・ 設 計 するための 計 測 、モデリング、<br />

シミュレーション 技 術 の 開 発 、 相 界 面 構 造 を 制 御 ・<br />

最 適 化 するための 数 理 科 学 的 な 手 法 などの 基 盤<br />

技 術 を 創 出 するとともに、 機 器 やデバイスの 理 論<br />

的 最 高 性 能 を 実 現 するための 高 機 能 相 界 面 を 創<br />

成 することを 最 終 目 標 とします。こうした 目 標 を 達 成<br />

するために、 既 存 の 専 門 分 野 を 越 えた、あるいは 異<br />

なる 分 野 の 科 学 的 知 識 を 融 合 した、 総 合 的 な 取 り<br />

組 みを 奨 励 します。<br />

川 田 達 也<br />

固 体 酸 化 物 形 燃 料 電 池 (SOFC)は<br />

エネルギー 安 定 供 給 と 低 炭 素 化 とを<br />

両 立 させるシステムです。 本 格 的 実 用<br />

化 の 鍵 となるのが 電 極 界 面 の 最 適 化<br />

ですが、 複 雑 な 界 面 現 象 の 素 過 程 を<br />

把 握 することは 困 難 でした。そこで 本 研 究 では、 界 面 領<br />

域 をナノ、ミクロ、マクロのマルチスケールで 捉 え、それぞ<br />

れの 挙 動 を 実 環 境 下 もしくはそれに 近 い 環 境 で 測 定 す<br />

る 計 測 法 を 開 発 ・ 整 備 ・ 統 合 し、 界 面 領 域 設 計 のエンジ<br />

ニアリングを 可 能 にすることを 目 指 します。<br />

古 山 通 久<br />

固 気 液 相 界 面 メタフルイディクス<br />

高 田 保 之<br />

九 州 大 学 大 学 院 工 学 研 究 院<br />

教 授<br />

気 液 相 変 化 や 吸 脱 着 など 固 気 液 相<br />

界 面 における 熱 物 質 移 動 の 素 過 程 は<br />

エネルギーシステムの 性 能 を 大 きく 左<br />

右 します。 本 研 究 では、ナノ 構 造 がも<br />

たらす 機 能 をマクロな 流 体 現 象 へ 積<br />

極 的 に 利 用 することで 既 存 性 能 の 超 越 を 目 指 す 新 しい<br />

学 理 (メタフルイディクス)を 提 起 します。 濡 れ 性 、 表 面 粗<br />

さ、 空 隙 率 など 従 来 のマクロスケールの 指 標 を 超 越 した<br />

複 合 構 造 の 最 適 設 計 によって 飛 躍 的 に 高 効 率 な 熱 物<br />

質 移 動 界 面 を 創 製 します。<br />

陳<br />

明 偉<br />

東 北 大 学 大 学 院 環 境 科 学 研 究 科 教 授 東 北 大 学 原 子 分 子 材 料 科 学 高 等 研 究 機 構<br />

教 授<br />

固 体 酸 化 物 形 燃 料 電 池 電 極 の 材 料 ・<br />

構 造 革 新 のためのマルチスケール<br />

連 成 解 析 基 盤<br />

九 州 大 学 稲 盛 フロンティア 研 究 センター<br />

教 授<br />

固 体 酸 化 物 形 燃 料 電 池 の 高 効 率 化 の<br />

ためには、 電 池 内 の 反 応 ・ 輸 送 現 象 に<br />

伴 って 生 じる 不 可 逆 的 な 損 失 の 低 減 が<br />

重 要 です。 本 研 究 では、 時 間 ・ 空 間 ス<br />

ケールの 異 なる 複 数 のシミュレーション<br />

技 術 を 連 係 するとともに 実 験 計 測 と 協 働 することで、 電 極<br />

の 三 相 界 面 における 現 象 を 解 明 し、その 微 構 造 制 御 に 基<br />

づく 高 活 性 化 に 挑 戦 します。 化 学 系 ・ 機 械 系 ・ 材 料 系 の 多<br />

様 な 知 識 を 集 積 することにより、 材 料 と 構 造 の 両 面 から 固<br />

体 酸 化 物 形 燃 料 電 池 の 電 極 の 設 計 革 新 を 目 指 します。<br />

本 研 究 では、 従 来 のキャパシタの 持 つ<br />

高 い 出 力 密 度 に 匹 敵 し、 且 つ、 既 存 の<br />

リチウム2 次 電 池 を 凌 駕 するエネル<br />

ギー 密 度 をもった、ナノポーラス 複 合 金<br />

属 を 基 軸 にした 次 世 代 エネルギーデバ<br />

イスを 創 出 します。エネルギーデバイスは、ナノ 構 造 やナノ<br />

組 織 の 表 面 ・ 界 面 を 通 じて 機 能 が 発 揮 されるため、 高 性<br />

能 電 子 顕 微 鏡 、その 場 ラマン 分 光 法 、 第 一 原 理 計 算 、 分<br />

子 動 力 学 法 の 視 点 から、 界 面 で 原 子 ・ 分 子 レベルでの 現<br />

象 を 明 らかにし、さらなる 発 見 や 改 良 に 結 びつけます。<br />

平 成 24 年 度 採 択<br />

多 孔 性 電 極 中 のイオン 輸 送 現 象 の<br />

解 明 と 高 出 入 力 電 池 への 展 開<br />

安 部 武 志<br />

リチウムイオン 電 池 に 代 表 される 蓄 電<br />

池 を 高 速 に 充 放 電 反 応 させるために<br />

は、 蓄 電 池 に 用 いられている 電 極 中 で<br />

イオンと 電 子 が 速 やかに 動 く 必 要 があ<br />

ります。 本 研 究 では、これまでよく 知 ら<br />

れていない 電 池 活 物 質 、 導 電 助 剤 、バインダーからなる<br />

複 雑 な 構 造 を 有 する 電 極 内 のイオンの 動 きを 明 らかにし、<br />

高 速 にイオン 移 動 が 生 じる 電 極 の 設 計 指 針 を 与 えます。<br />

これにより 速 やかなイオン 移 動 を 達 成 し、 電 池 の 充 放 電<br />

反 応 の 高 速 化 を 目 指 します。<br />

酸 化 物 半 導 体 プリカーサーを 用 いる 相 互<br />

侵 入 型 無 機 ・ 有 機 ( 無 機 )バルクヘテロナノ<br />

界 面 の 一 括 構 築 と 太 陽 電 池 への 応 用<br />

早 瀬 修 二<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

九 州 工 業 大 学 大 学 院 生 命 体 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

本 研 究 は 低 コスト・ 高 効 率 を 狙 った 新 太<br />

陽 電 池 に 関 するものです。 一 般 に 太 陽<br />

電 池 は 多 くの 層 が 必 要 であり、それらの<br />

層 を 逐 次 作 製 するためセル 作 製 に 時 間<br />

がかかり、 高 コストの 原 因 の 一 つになっ<br />

ていました。 本 研 究 では 太 陽 電 池 の 心 臓 部 である 電 荷 分<br />

離 界 面 を 一 度 の 塗 布 で 作 製 できる 新 プロセス、 新 材 料 、 新<br />

素 子 構 造 を 設 計 します。1 計 算 化 学 研 究 者 、2 化 学 合 成<br />

研 究 者 、3 分 光 研 究 者 、4プロセス 研 究 者 が 結 集 し 最 適<br />

な 電 荷 分 離 界 面 を 設 計 し 実 現 することによって 低 コスト・ 高<br />

効 率 太 陽 電 池 を 目 指 します。<br />

領 域 アドバイザー<br />

江 口 浩 一 京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

岡 崎 健 東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

加 藤 千 幸 東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所<br />

革 新 的 シミュレーション 研 究 センター センター 長 ・ 教 授<br />

栗 原 和 枝 東 北 大 学 原 子 分 子 材 料 科 学 高 等 研 究 機 構<br />

多 元 物 質 科 学 研 究 所 教 授<br />

齋 川 路 之 ( 財 ) 電 力 中 央 研 究 所<br />

エネルギー 技 術 研 究 所 副 研 究 参 事<br />

中 戸 義 禮 大 阪 大 学 産 業 科 学 研 究 所 特 任 教 授<br />

萩 原 剛 ( 株 ) 東 芝 電 力 ・ 社 会 システム 技 術 開 発 センター<br />

機 械 システム 開 発 部 部 長<br />

宮 野 健 次 郎 ( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 フェロー<br />

吉 田 真 京 セラ( 株 ) 経 営 推 進 統 括 部 副 統 括 部 長<br />

渡 辺 政 廣 山 梨 大 学 燃 料 電 池 ナノ 材 料 研 究 センター<br />

センター 長 ・ 教 授<br />

ナノとマクロの 相 界 面 と 物 質 移 動 ナノ<br />

サイクル<br />

高 柳 邦 夫<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科<br />

特 任 教 授<br />

ナノ 構 造 とマクロ 構 造 がコンタクトした<br />

Nano-in-Macro 相 界 面 での 物 質 移<br />

動 を 研 究 します。エネルギーや 環 境 に 重<br />

要 とされているリチウムイオン 電 池 やナ<br />

ノ 粒 子 触 媒 などは、 互 いに 接 合 した 異<br />

相 間 をイオンや 電 荷 が 移 動 しています。ナノとマクロ 間 には<br />

特 殊 な 相 界 面 が 創 られ、イオン・ 電 荷 ・ 組 成 などの 物 質 移 動<br />

ナノサイクルを 制 御 します。 本 研 究 では、エネルギー 高 効 率<br />

利 用 に 資 するため、 世 界 最 高 分 解 能 をもつ0.5Å 分 解 能<br />

収 差 補 正 電 子 顕 微 鏡 法 を 活 用 して、これらの 物 質 移 動 ナ<br />

ノサイクルを 明 らかにします。<br />

革 新 的 アニオン 導 電 性 高 分 子 を 用 い<br />

た 三 相 界 面 の 創 製 とアルカリ 形 燃 料<br />

電 池 への 展 開<br />

宮 武 健 治<br />

山 梨 大 学 クリーンエネルギー 研 究 センター<br />

教 授<br />

アルカリ 形 燃 料 電 池 の 高 性 能 化 ・ 高 耐<br />

久 化 の 最 重 要 課 題 である、1 安 定 なア<br />

ニオン 導 電 性 高 分 子 の 開 発 、2 高 性 能<br />

な 卑 金 属 系 電 極 触 媒 の 開 発 、3 反 応<br />

場 を 制 御 した 三 相 界 面 の 創 製 、に 取 り<br />

組 みます。 共 役 イオン 型 アニオン 導 電<br />

性 高 分 子 とナノカプセル 法 により 調 製 する 卑 金 属 ナノ 粒<br />

子 触 媒 を 組 み 合 わせて 電 極 触 媒 層 を 作 製 し、 燃 料 の 酸 化<br />

反 応 や 酸 素 の 還 元 反 応 が 効 率 よく 進 行 する 電 極 触 媒 構<br />

造 を 明 らかにします。 最 適 化 した 電 極 触 媒 層 とアニオン 導<br />

電 性 高 分 子 薄 膜 を 用 いて、アルカリ 形 燃 料 電 池 の 性 能 と<br />

耐 久 性 の 大 幅 な 向 上 を 目 指 します。<br />

4

エネルギー 変 換 計 算 科 学 による<br />

相 界 面 光 誘 起 素 過 程 の 設 計<br />

山 下 晃 一<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

太 陽 光 エネルギーの 利 用 拡 大 のカギを<br />

握 る 技 術 を“ 相 界 面 光 誘 起 素 過 程 ”の<br />

観 点 からとらえ、 各 技 術 で 求 められる 素<br />

過 程 の 制 御 と 最 適 化 について 理 論 化<br />

学 ・ 計 算 化 学 により 解 析 します。エネル<br />

ギー 変 換 技 術 として 有 機 系 太 陽 電 池 と 光 触 媒 反 応 を 取 り<br />

上 げ、 有 機 高 分 子 、 遷 移 金 属 酸 化 物 、Ⅲ-Ⅴ 族 化 合 物 半<br />

導 体 、カーボンナノチューブ、グラフェンを 基 礎 材 料 として 相<br />

界 面 を 構 築 し、 相 界 面 構 造 、 不 純 物 ドーピング、 構 造 欠 陥<br />

等 の 複 合 的 要 因 を 制 御 、 最 適 化 するためのエネルギー 変<br />

換 計 算 科 学 を 推 進 します。<br />

藻 相 類 界 バイオエネルギー 面 グリーンイノベーション<br />

5

二 酸 化 炭 素 資 源 化 を<br />

目 指 した 植 物 の<br />

物 質 生 産 力 強 化 と<br />

生 産 物 活 用 のための<br />

基 盤 技 術 の 創 出<br />

戦 略 目 標<br />

二 酸 化 炭 素 の 効 率 的 資 源 化 の 実 現 の<br />

ための 植 物 光 合 成 機 能 やバイオマスの<br />

利 活 用 技 術 等 の 基 盤 技 術 の 創 出<br />

平 成 23 年 度 採 択<br />

構 造 と 進 化 の 理 解 に 基 づく<br />

光 合 成 の 環 境 適 応 能 力 の 強 化<br />

鹿 内 利 治<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科<br />

教 授<br />

近 年 、 日 本 の 研 究 者 は、 世 界 の 光 合<br />

成 研 究 の 飛 躍 的 な 進 展 に 大 きく 貢 献<br />

してきました。その 一 つは、 光 合 成 反 応<br />

を 原 子 のレベルで 理 解 することで、も<br />

う 一 つは、 陸 上 の 過 酷 な 光 環 境 に 適<br />

応 するための 光 合 成 調 節 メカニズムの 解 明 です。この<br />

成 果 に 基 づき、 光 合 成 装 置 の 革 新 的 な 改 変 と 植 物 の<br />

環 境 適 応 戦 略 のシナリオの 書 き 換 えを 行 います。 高 い<br />

光 合 成 活 性 を 維 持 しながら 過 酷 な 栽 培 環 境 に 適 応 でき<br />

る、「 強 くてしなやかな 光 合 成 装 置 を 備 えた 植 物 」のデザ<br />

インを 行 います。<br />

平 成 24 年 度 採 択<br />

植 物 ホルモン 間 クロストークと 化 学 ・<br />

生 物 学 的 制 御 技 術 を 利 用 した<br />

バイオマス 高 生 産 性 植 物 の 開 発<br />

浅 見 忠 男<br />

東 京 大 学 大 学 院 農 学 生 命 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

植 物 の 生 活 環 に 関 わる 生 体 内 反 応 の<br />

多 くは、 各 植 物 ホルモンを 介 して 促 進 的<br />

もしくは 抑 制 的 に 制 御 されていますが、<br />

最 近 になり 植 物 ホルモン 間 の 相 互 作 用<br />

(クロストーク)の 存 在 が 分 子 レベルで 明<br />

らかになってきました。そのため、バイオマ<br />

ス 生 産 に 関 わる 生 体 内 反 応 の 多 くも、 各 植 物 ホルモン 間 の<br />

クロストークを 利 用 することで 制 御 が 可 能 です。 本 研 究 では<br />

このクロストークの 橋 渡 しとなっている 各 植 物 ホルモン 共 通<br />

の 情 報 伝 達 因 子 、およびその 伝 達 機 構 の 解 明 、そしてクロ<br />

ストークを 制 御 できる 化 学 薬 剤 の 創 製 を 目 的 とし、 遺 伝 子<br />

制 御 技 術 と 化 学 制 御 技 術 の 融 合 による 総 合 的 な 植 物 バ<br />

イオマス 生 産 性 の 向 上 を 目 指 します。<br />

領 域 アドバイザー<br />

研 究 総 括<br />

磯 貝 彰<br />

奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学<br />

学 長<br />

本 研 究 領 域 では、 植 物 の 光 合 成 能 力 の 増 強 を 図<br />

るとともに、 光 合 成 産 物 としての 各 種 のバイオマスを<br />

活 用 することによって、 二 酸 化 炭 素 を 資 源 として 利<br />

活 用 するための 基 盤 技 術 の 創 出 を 目 的 とします。<br />

具 体 的 には、 植 物 の 物 質 生 産 能 力 の 基 本 であ<br />

る 光 合 成 の 制 御 機 構 を 光 合 成 産 物 の 代 謝 や 転<br />

流 、 及 び 窒 素 同 化 などとの 相 互 作 用 も 含 めて 統<br />

合 的 に 理 解 し、それに 基 づいて 光 合 成 能 力 を 向 上<br />

させる 基 盤 技 術 についての 研 究 を 推 進 します。ま<br />

た、 植 物 の 多 様 な 環 境 への 適 応 機 構 の 解 明 に 基<br />

づいた 光 合 成 能 力 向 上 や 炭 素 貯 留 能 向 上 、 及 び<br />

有 用 バイオマス 産 生 のための 基 盤 技 術 の 創 出 を<br />

目 指 します。さらには、 植 物 の 物 質 生 産 能 力 を 最 大<br />

限 に 活 用 するためのバイオマス 生 合 成 ・ 分 解 機 構<br />

の 理 解 とその 活 用 技 術 の 研 究 を 推 進 します。これ<br />

らの 研 究 を 推 進 するにあたり、 二 酸 化 炭 素 を 資 源<br />

化 する 革 新 的 技 術 の 開 発 までを 見 据 えた、 植 物 科<br />

学 研 究 とバイオマス 利 活 用 研 究 の 連 携 や 融 合 に<br />

も 取 り 組 みます。<br />

坂 志 朗 京 都 大 学 大 学 院 エネルギー 科 学 研 究 科 教 授<br />

佐 々 木 卓 治 東 京 農 業 大 学 総 合 研 究 所 教 授<br />

佐 藤 文 彦 京 都 大 学 大 学 院 生 命 科 学 研 究 科 教 授<br />

篠 崎 一 雄 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 植 物 科 学 研 究 センター<br />

センター 長<br />

田 中 良 和 サントリービジネスエキスパート( 株 )<br />

技 術 開 発 本 部 価 値 フロンティアセンター<br />

植 物 科 学 研 究 所 所 長<br />

土 肥 義 治 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 社 会 知 創 成 事 業 本 部 長<br />

西 澤 直 子 石 川 県 立 大 学 生 物 資 源 工 学 研 究 所 所 長 ・ 教 授<br />

長 谷 俊 治 大 阪 大 学 蛋 白 質 研 究 所 所 長 ・ 教 授<br />

東 山 哲 也 名 古 屋 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

福 田 裕 穂 東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授<br />

山 谷 知 行 東 北 大 学 大 学 院 農 学 研 究 科 教 授<br />

葉 緑 体 機 能 改 変 による<br />

ステイグリーン 植 物 の 創 出<br />

田 中<br />

歩<br />

ステイグリーンは、 葉 の 緑 色 が 長 く 維<br />

持 される 現 象 で、その 機 構 解 明 と 制 御<br />

により 光 合 成 能 力 向 上 への 貢 献 が 期<br />

待 できます。 光 合 成 や 葉 緑 体 機 能 に<br />

関 する 研 究 の 発 展 により、 新 しい 手 法<br />

によるステイグリーンの 誘 導 の 可 能 性 が 生 まれてきまし<br />

た。 本 研 究 では、 光 合 成 の 改 変 や 葉 緑 体 の 品 質 管 理 ・<br />

機 能 強 化 、およびステイグリーン 関 連 遺 伝 子 の 単 離 を 通<br />

じて、 光 合 成 能 力 を 長 く 維 持 する 植 物 の 作 製 を 目 指 すと<br />

ともに、 葉 緑 体 の 形 成 ・ 機 能 維 持 ・ 分 解 の 基 本 的 過 程<br />

の 解 明 を 目 的 とします。<br />

将 来 の 地 球 環 境 において 最 適 な<br />

光 合 成 ・ 物 質 生 産 システムをもった<br />

強 化 植 物 の 創 出<br />

彦 坂 幸 毅<br />

東 北 大 学 大 学 院 生 命 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

大 気 中 の 二 酸 化 炭 素 濃 度 の 増 加 や<br />

温 暖 化 など、 地 球 環 境 は 急 速 かつ 大<br />

きく 変 化 しています。 本 研 究 は、 将 来<br />

の 地 球 環 境 において 最 適 な 光 合 成 ・<br />

物 質 生 産 システムをもつ 植 物 の 創 出<br />

を 目 的 とします。 野 生 植 物 のもつ 環 境 適 応 能 力 を 利 用<br />

するアプローチと、 誘 発 突 然 変 異 体 を 高 効 率 でスクリー<br />

ニングするアプローチにより、 将 来 の 地 球 環 境 での 生 産<br />

向 上 に 関 連 する 遺 伝 子 を 探 索 します。さらに、 遺 伝 子 組<br />

換 えの 手 法 に 頼 らず、 自 然 変 異 ・ 突 然 変 異 の 掛 け 合 わ<br />

せから 高 効 率 系 統 の 選 抜 を 行 う 手 法 を 開 発 します。<br />

電 磁 波 応 答 性 触 媒 反 応 を 介 した<br />

植 物 からのリグニン 系 機 能 性 ポリマー<br />

の 創 成<br />

渡 辺 隆 司<br />

本 研 究 では、 植 物 細 胞 壁 を 固 めるリグ<br />

ニンへの 親 和 性 と 電 磁 波 吸 収 能 を 賦<br />

与 した 新 規 触 媒 を 合 成 するとともに、<br />

周 波 数 を 連 続 的 に 変 化 させることがで<br />

きる 電 磁 波 化 学 反 応 装 置 を 開 発 し、<br />

電 磁 波 の 特 性 を 活 かした 高 効 率 リグニン 分 離 ・ 分 解 反<br />

応 系 を 構 築 します。また、リグニンを 含 む 植 物 の 包 括 精<br />

密 構 造 解 析 と 電 磁 波 反 応 を 組 み 合 わせて、リニア 型 リ<br />

グニンの 分 離 法 やモノマーへの 分 解 法 、 精 製 法 を 開 発<br />

し、 強 度 、 耐 溶 媒 性 、 分 散 性 、 耐 衝 撃 性 、 紫 外 線 吸 収 特<br />

性 などに 優 れる 芳 香 族 ポリマーに 変 換 します。<br />

DNA 倍 加 誘 導 系 の 確 立 による<br />

高 バイオマス 植 物 の 創 出<br />

梅 田 正 明<br />

北 海 道 大 学 低 温 科 学 研 究 所 教 授 奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 バイオサイエ<br />

ンス 研 究 科 教 授<br />

京 都 大 学 生 存 圏 研 究 所<br />

教 授<br />

多 くの 植 物 種 ではDNA 倍 加 により 細<br />

胞 の 肥 大 化 と 器 官 の 成 長 が 促 進 され<br />

ますが、バイオマス 増 産 が 望 まれてい<br />

るポプラ・イネなどでは、DNA 倍 加 はほ<br />

とんど 起 きません。そこで、 本 研 究 では<br />

非 DNA 倍 加 植 物 でDNA 倍 加 を 誘 発 する 技 術 開 発 を<br />

行 い、シンク 器 官 の 巨 大 化 を 実 現 します。DNA 倍 加 は<br />

細 胞 の 肥 大 化 とともに 代 謝 産 物 の 高 蓄 積 をもたらすの<br />

で、 物 質 生 産 性 を 飛 躍 的 に 向 上 させることにより、 二 酸<br />

化 炭 素 の 資 源 化 に 貢 献 します。<br />

シンク/ソース 同 時 改 良 による<br />

植 物 生 産 性 強 化 の 基 盤 開 発<br />

重 岡<br />

成<br />

近 畿 大 学 農 学 部<br />

教 授<br />

単 位 面 積 当 たりの 収 穫 量 が 大 きいサ<br />

ツマイモやジャガイモに、 二 酸 化 炭 素<br />

固 定 および 根 の 発 達 に 関 与 する 遺 伝<br />

子 を 導 入 し、 生 産 性 の 強 化 を 行 います。<br />

さらに、 植 物 生 産 機 能 強 化 の 技 術 基<br />

盤 を 開 発 するため、 個 々の 遺 伝 子 の 生 産 機 能 強 化 機 構<br />

を 分 子 レベルで 解 明 するとともに、ソースとシンク 間 の 代<br />

謝 連 携 の 解 析 にも 取 り 組 みます。 高 生 産 植 物 のデザイ<br />

ンと、それらの 生 産 機 能 の 圃 場 での 評 価 を 通 して、 植 物<br />

による 二 酸 化 炭 素 資 源 化 への 貢 献 を 目 指 します。<br />

植 物 バイオマス 原 料 を 利 活 用 した<br />

微 生 物 工 場 による 新 規 バイオポリマー<br />

の 創 製 および 高 機 能 部 材 化<br />

北 海 道 大 学 大 学 院 工 学 研 究 院 教 授<br />

田 口 精 一<br />

植 物 バイオマス 由 来 のグルコースなど<br />

の 糖 類 や 脂 肪 酸 を 原 料 として、 新 しい<br />

タイプのバイオポリマーを 生 合 成 する<br />

微 生 物 工 場 の 開 発 を 行 います。 酵 素<br />

進 化 工 学 と 代 謝 工 学 によって 最 適 化<br />

される 微 生 物 工 場 によって 生 産 される 高 光 学 純 度 ポリ<br />

マーは、 共 重 合 化 の 制 御 により 多 様 な 物 性 の 発 現 が 期<br />

待 されます。また、 新 たに 創 出 するバイオマス 結 晶 核 剤<br />

により 成 形 性 を 向 上 させ、 高 機 能 な 繊 維 、ナノファイ<br />

バー、フィルムなどへの 部 材 化 を 行 います。<br />

6

高 速 ジェノタイピングを 利 用 した<br />

エネルギー 作 物 の<br />

テーラーメード 育 種 技 術 の 開 発<br />

堤<br />

伸 浩<br />

東 京 大 学 大 学 院 農 学 生 命 科 学 研 究 科 教 授<br />

飼 料 用 作 物 として 栽 培 されているソルガ<br />

ムは、バイオエネルギー 原 料 としても 高<br />

い 潜 在 能 力 を 持 っています。バイオエネ<br />

ルギー 作 物 として 実 用 化 するためには、<br />

旺 盛 な 生 育 を 示 すとともに、エタノール<br />

に 容 易 に 変 換 可 能 な 成 分 を 多 量 に 含 む 品 種 の 育 成 が 必<br />

要 不 可 欠 です。 本 研 究 では、 最 新 のゲノム 解 析 の 手 法 を<br />

駆 使 して 高 速 で 品 種 育 成 するための 新 たな 手 法 を 確 立 し、<br />

エタノール 生 産 が 実 際 に 計 画 されている 栽 培 地 域 を 対 象 と<br />

して、それぞれの 地 域 環 境 ごとに 最 適 化 した 品 種 を 作 出 す<br />

るための 技 術 の 開 発 を 行 います。<br />

藻 CO2 類 資 バイオエネルギー 源 化 グリーンイノベーション<br />

7

海 洋 生 物 多 様 性 及 び<br />

生 態 系 の 保 全 ・ 再 生 に<br />

資 する 基 盤 技 術 の 創 出<br />

戦 略 目 標<br />

海 洋 資 源 等 の 持 続 可 能 な 利 用 に 必 要<br />

な 海 洋 生 物 多 様 性 の 保 全 ・ 再 生 のため<br />

の 高 効 率 な 海 洋 生 態 系 の 把 握 やモデル<br />

を 用 いた 海 洋 生 物 の 変 動 予 測 等 に 向 け<br />

た 基 盤 技 術 の 創 出<br />

平 成 23 年 度 採 択<br />

海 洋 生 物 の 遠 隔 的 種 判 別 技 術 の<br />

開 発<br />

赤 松 友 成<br />

( 独 ) 水 産 総 合 研 究 センター 水 産 工 学 研 究 所<br />

主 幹 研 究 員<br />

海 の 生 き 物 の 種 類 ごとの 分 布 や 動 きが<br />

天 気 図 のようにインターネットで 配 信 され<br />

れば、 多 様 な 生 物 相 がひと 目 でわかり、<br />

海 洋 生 物 資 源 の 持 続 的 な 利 用 と 環 境<br />

保 全 の 双 方 に 資 する 基 盤 技 術 となるこ<br />

とが 期 待 されます。 本 研 究 では、 見 たり<br />

触 ったりせずに 海 洋 生 物 の 種 類 と 数 を 測 る 技 術 を 開 発 しま<br />

す。 生 き 物 が 海 中 で 発 する 声 や、 生 き 物 から 反 射 してくる 音<br />

を 使 って、 種 を 同 定 し 個 体 を 数 えます。 世 界 最 先 端 の 音 響<br />

観 測 システムを 駆 使 し、プランクトンからクジラまで 海 洋 生<br />

態 系 を 構 成 するあらゆる 生 物 と、それをとりまく 海 洋 開 発 や<br />

地 震 などの 環 境 要 因 を 遠 隔 的 に 判 別 できる 技 術 を 創 ること<br />

が、 本 研 究 のゴールです。<br />

植 物 プランクトン 群 集 の 多 様 性 に<br />

注 目 したナウキャスト 技 術 開 発<br />

山 中 康 裕<br />

北 海 道 大 学 大 学 院 地 球 環 境 科 学 研 究 院<br />

教 授<br />

本 研 究 は、 西 部 北 太 平 洋 域 における 海<br />

洋 生 態 系 の 根 幹 である 植 物 プランクト<br />

ン 群 集 を 研 究 対 象 として、その 多 様 性<br />

の 現 況 を 把 握 するために(1) 数 値 モデリ<br />

ング、(2) 人 工 衛 星 を 用 いた 地 球 観 測 、<br />

(3) 海 洋 での 現 場 観 測 を 用 いて、 植 物 プランクトン 群 集 の<br />

多 様 性 の 形 成 ・ 維 持 ・ 消 滅 機 構 を 解 明 します。そして、 人 工<br />

衛 星 から 得 られる 物 理 環 境 や 植 物 プランクトン 群 集 を 海 洋<br />

生 態 系 モデルに 同 化 させることでナウキャスト( 現 況 予 測 )<br />

の 基 盤 技 術 を 開 発 し、 生 物 多 様 性 保 全 や 水 産 資 源 変 動<br />

予 測 等 に 貢 献 することを 目 指 します。<br />

研 究 総 括<br />

小 池 勲 夫<br />

本 研 究 領 域 では、 海 洋 の 生 物 多 様 性 および 生<br />

態 系 を 把 握 するための 先 進 的 な 計 測 技 術 と 将 来<br />

予 測 に 資 するモデルの 研 究 開 発 を 行 い、これらを<br />

保 全 ・ 再 生 するために 必 要 な 基 盤 技 術 を 創 出 する<br />

ことを 目 的 とします。<br />

具 体 的 には、 海 洋 の 生 物 多 様 性 および 生 態 系<br />

の 研 究 で 現 在 ボトルネックとなっている、 環 境 を 含<br />

む 生 物 データの 取 得 技 術 とその 将 来 予 測 に 注 目 し、<br />

(1) 海 洋 生 物 やその 周 辺 環 境 の 広 域 ・ 連 続 的 なセ<br />

ンシング・モニタリング 技 術 、 生 物 種 の 定 量 把 握 や<br />

同 定 の 効 率 化 、および 生 態 系 ネットワークの 解 明<br />

等 による 基 盤 的 な 生 物 ・ 環 境 データの 集 積 に 資 す<br />

る 先 進 的 な 技 術 等 の 開 発 、(2) 生 態 系 や 生 物 多<br />

様 性 の 変 動 を 把 握 し、 生 態 系 の 将 来 予 測 に 貢 献<br />

する 新 規 モデルの 開 発 、 研 究 を 対 象 とします。(1)、<br />

(2)いずれの 研 究 においても 対 象 とする 生 物 群 集<br />

や 現 象 等 を 明 確 にする 必 要 があります。また 開 発<br />

ターゲットに 即 した 海 洋 現 場 での 調 査 ・モニタリング<br />

による 実 証 が 要 求 されるため、その 分 野 の 研 究 者<br />

との 共 同 研 究 を 行 うことも 必 要 です。ただし、 調 査<br />

観 測 やモニタリングのみの 研 究 は 対 象 としません。<br />

従 来 の 海 洋 研 究 の 壁 を 乗 り 越 えるため、 工 学 や<br />

ライフサイエンス 等 を 専 門 とする 幅 広 い 分 野 の 研<br />

究 者 と 海 洋 生 物 ・ 生 態 研 究 者 との 共 同 研 究 を 重<br />

視 します。<br />

このような 研 究 を 通 して、 生 物 への 影 響 を 考 慮 し<br />

た 海 洋 資 源 の 持 続 的 な 利 用 や 海 洋 保 護 区 の 設<br />

定 などの 海 洋 環 境 保 全 策 の 提 示 に 貢 献 すること<br />

が 期 待 されます。<br />

領 域 アドバイザー<br />

琉 球 大 学 監 事<br />

青 木 一 郎 東 京 大 学 名 誉 教 授<br />

岸 道 郎 北 海 道 大 学 大 学 院 水 産 科 学 研 究 院 教 授<br />

中 田 薫 ( 独 ) 水 産 総 合 研 究 センター 研 究 推 進 部<br />

研 究 主 幹<br />

西 田 睦 東 京 大 学 名 誉 教 授<br />

藤 井 輝 夫 東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所 教 授<br />

松 田 裕 之 横 浜 国 立 大 学 環 境 情 報 研 究 院 教 授<br />

安 岡 善 文 情 報 ・システム 研 究 機 構 監 事<br />

矢 原 徹 一 九 州 大 学 大 学 院 理 学 研 究 院 教 授<br />

和 田 英 太 郎 京 都 大 学 名 誉 教 授<br />

センチメートル 海 底 地 形 図 と 海 底 モザイク<br />

画 像 を 基 礎 として 生 物 サンプリングを<br />

おこなう 自 律 型 海 中 ロボット 部 隊 の 創 出<br />

浦<br />

環<br />

東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所<br />

教 授<br />

本 研 究 では、 海 底 や 海 底 近 くに 棲 息 する 水 産 資 源 、 熱 水<br />

地 帯 やガスハイドレート 地 帯 など 深 海 のオアシスと 呼 ばれ<br />

る 場 所 の 特 殊 な 生 態 系 を 観 測 し、 生 物 多 様 性 を 把 握 し、<br />

その 変 動 の 予 測 を 可 能 にすることを 目 的 として、100mx<br />

100m 以 上 の 広 い 海 底 面 をcm 以 下 の 精 度 と 数 cmの<br />

水 平 分 解 能 でマッピングする、さらにmmオーダーの 分 解<br />

能 を 持 つスチル 写 真 をそれに 重 ねて、 三 次 元 的 な 広 がりを 四 次 元 的 に 明 らかにする、<br />

熱 水 地 帯 のプランクトンの 採 取 や 海 底 の 特 定 の 生 物 あるいは 周 辺 環 境 をなす 海 底<br />

土 等 のサンプリングを 行 う、などの 多 彩 なミッションを 分 担 して 行 う 高 機 能 の 自 律 型 海<br />

中 ロボット(AUV)を 各 種 開 発 します。そして、AUV 観 測 部 隊 を 編 成 して 鳩 間 海 丘 や<br />

鹿 児 島 湾 などに 展 開 し、 熱 水 地 帯 などの 特 殊 な 環 境 を 時 間 変 動 を 含 め 多 面 的 に 捕<br />

らえる 新 たな 観 測 手 法 を 実 現 します。ここでの 観 測 結 果 をフィードバックすることで<br />

AUV 機 能 をさらに 向 上 させて、 生 物 および 生 態 観 測 の 新 たな 世 界 を 構 築 します。<br />

超 高 速 遺 伝 子 解 析 時 代 の<br />

海 洋 生 態 系 評 価 手 法 の 創 出<br />

木 暮 一 啓<br />

近 年 の 遺 伝 子 解 析 技 術 の 爆 発 的 な<br />

進 歩 により、 短 時 間 に 多 量 の 遺 伝 子<br />

情 報 を 得 るとともに、バイオインフォマ<br />

ティクス 技 術 を 駆 使 してその 情 報 解 析<br />

を 行 うことが 可 能 になってきました。 本<br />

研 究 では、 海 洋 から 得 た 遺 伝 子 およびその 発 現 遺 伝 子<br />

を 対 象 にした 新 たな 解 析 技 術 を 確 立 し、どのような 環 境<br />

下 にどのような 生 物 がいて 何 をしているのかを 明 らかに<br />

するとともに、そうした 情 報 を 統 合 した 新 たな 生 態 系 の 診<br />

断 技 術 の 開 発 を 目 指 します。<br />

Digital DNA chipによる<br />

生 物 多 様 性 評 価 と 環 境 予 測 法 の 開 発<br />

五 條 堀 孝<br />

東 京 大 学 大 気 海 洋 研 究 所<br />

教 授<br />

情 報 システム 研 究 機 構 ・ 国 立 遺 伝 学 研 究 所 生 命 情 報<br />

・DDBJ 研 究 センター・ 遺 伝 情 報 分 析 研 究 室 副 所 長 ・ 教 授<br />

本 研 究 では、 東 北 地 方 を 襲 った 大 地 震 及<br />

び 津 波 の 沿 岸 域 における 海 洋 生 物 の 多<br />

様 性 や 海 洋 生 態 系 への 影 響 を 把 握 する<br />

ことを 目 的 に、 微 生 物 叢 DNAの 網 羅 的 解<br />

析 法 と 環 境 モニタリング 法 の 開 発 を 行 いま<br />

す。 被 害 のあった 東 北 沿 岸 と 被 害 の 無 かった 海 域 に 定 点 を 定<br />

め、これらの 技 術 を 用 いて、 物 理 環 境 と 海 洋 生 態 系 の 基 礎 とな<br />

る 微 生 物 DNA 叢 のモニタリングを 行 い、それらを 比 較 検 討 する<br />

ことによって、 微 生 物 叢 の 変 化 や 環 境 回 復 の 程 度 等 を 生 物<br />

多 様 性 の 観 点 から 評 価 します。 本 研 究 の 成 果 は、 海 洋 微 生 物<br />

生 態 系 のより 深 い 理 解 に 貢 献 することが 期 待 されています。<br />

平 成 24 年 度 採 択<br />

海 洋 生 態 学 と 機 械 学 習 法 の<br />

融 合 によるデータ 不 足 下 の 生 態 系 評 価<br />

手 法 の 開 発<br />

岡 村<br />

寛<br />

海 洋 資 源 を 持 続 的 に 利 用 していくた<br />

めには、 環 境 や 漁 業 などの 人 間 活 動<br />

が 海 洋 の 生 物 多 様 性 にどれだけ 影 響<br />

を 与 えるのかを 知 る 必 要 があります。し<br />

かし、 海 洋 生 態 系 の 評 価 に 利 用 できる<br />

データは 限 られており、また 大 きな 不 確 実 性 を 持 っていま<br />

す。 本 研 究 では、 新 しい 統 計 学 的 手 法 や 機 械 学 習 手 法<br />

と 呼 ばれる 柔 軟 な 方 法 を 用 いることにより、 不 確 実 で 限 ら<br />

れたデータの 下 でも 生 態 系 の 評 価 ・ 予 測 を 行 えるような<br />

生 態 系 モデルの 開 発 を 目 指 します。それにより、 生 態 系<br />

の 保 全 ・ 再 生 に 大 きな 貢 献 ができることが 期 待 されます。<br />

ハイパー・マルチスペクトル 空 海 リモー<br />

トセンシングによる 藻 場 3 次 元 マッピン<br />

グシステムの 開 発<br />

小 松 輝 久<br />

( 独 ) 水 産 総 合 研 究 センター 中 央 水 産 研 究 所 資 源<br />

管 理 研 究 センター 資 源 管 理 グループ グループ 長<br />

東 京 大 学 大 気 海 洋 研 究 所 准 教 授<br />

藻 場 は、 水 産 資 源 の 供 給 、 栄 養 塩 のリ<br />

サイクルなど 多 くの 生 態 系 サービスを 提<br />

供 しています。 持 続 的 な 沿 岸 域 の 発 展<br />

には 藻 場 が 減 少 しないように 適 切 に 管<br />

理 する 必 要 があります。そのためには、 藻<br />

場 の 種 類 、 分 布 、バイオマスを 正 確 に 計 測 できる 装 置 の 開<br />

発 が 望 まれています。 本 研 究 では、これらのデータを、 様 々な<br />

波 長 の 光 で 検 出 できる 光 ハイパースペクトルセンサーと 超<br />

音 波 で 検 出 できる 超 音 波 マルチビームセンサーとともに、そ<br />

れらの 装 置 を 搭 載 して 自 動 取 得 でき、 陸 上 でモニターできる<br />

水 陸 離 発 着 可 能 な 小 型 無 人 機 と 無 人 小 型 艇 を 開 発 します。<br />

北 太 平 洋 域 における 低 次 生 態 系 の<br />

動 的 環 境 適 応 に 基 づいた<br />

新 しい 生 態 系 モデルの 開 発<br />

Sherwood Lan Smith<br />

( 独 ) 海 洋 研 究 開 発<br />

機 構 地 球 環 境 変 動<br />

領 域 研 究 員<br />

海 洋 生 態 系 モデルの 現 状 の 課 題 は、 多<br />

様 で 複 雑 な 生 態 系 をいかに 現 実 的 に<br />

表 現 するかにあります。しかし、そのため<br />

にモデル 構 造 を 複 雑 にすれば、 結 果 の<br />

不 確 実 性 が 増 すだけでなく、 大 きな 計 算<br />

機 資 源 を 要 することから 地 球 規 模 でモデルを 動 かすことは<br />

困 難 です。この 研 究 では、プランクトンの 適 応 戦 略 を 考 慮 す<br />

ることにより、 単 純 な 構 造 でありながら 地 域 から 全 球 規 模 の<br />

生 態 系 変 動 をより 現 実 的 に 再 現 できる、 画 期 的 で 新 しい 生<br />

態 系 モデルの 開 発 を 目 指 します。<br />

8

シングルセルゲノム 情 報 に 基 づいた<br />

海 洋 難 培 養 微 生 物 メタオミックス 解 析<br />

による 環 境 リスク 数 理 モデルの 構 築<br />

竹 山 春 子<br />

早 稲 田 大 学 先 進 理 工 学 部 ・ 生 命 医 科 学 科<br />

教 授<br />

海 洋 生 態 系 を 健 全 に 維 持 するためには、<br />

生 物 ・ 化 学 ・ 物 理 因 子 の 大 規 模 な 情 報<br />

を 基 にした 海 洋 生 態 系 の 正 確 な 把 握 と<br />

ともにリスク 予 測 を 可 能 とするモデル 構<br />

築 が 必 要 です。そのために、 本 研 究 では、<br />

多 様 な 環 境 を 有 する 沖 縄 浅 海 領 域 生 態 系 を 対 象 に、 高<br />

解 像 度 な 海 洋 微 生 物 情 報 として 難 培 養 微 生 物 のシング<br />

ルセルゲノムを 取 得 して、そのデータを 基 にした 次 世 代 型<br />

のメタオミックス 解 析 を 行 います。これらのデータと 他 の 環<br />

境 因 子 を 総 合 して 環 境 リスク 数 理 モデルを 構 築 します。<br />

藻 海 類 洋 バイオエネルギー 生 物 多 様 性 グリーンイノベーション<br />

海 洋 生 物 群 集 の 非 線 形 応 答 解 明 の<br />

ためのリアルタイム 野 外 実 験 システム<br />

の 開 発<br />

仲 岡 雅 裕<br />

北 海 道 大 学 北 方 生 物 圏 フィールド 科 学 セン<br />

ター 教 授<br />

現 在 の 海 洋 では、 乱 獲 、 水 質 悪 化 、 水<br />

温 上 昇 、 海 洋 酸 性 化 などの 多 数 の 要<br />

因 による 環 境 変 動 が 同 時 に 進 行 して<br />

いるため、 海 洋 生 物 の 多 様 性 の 変 化<br />

を 正 確 に 予 測 することが 非 常 に 困 難<br />

な 状 況 です。これを 解 決 するためには、 野 外 で 実 際 に 複<br />

数 の 環 境 要 因 を 同 時 に 操 作 して、 生 物 群 集 の 応 答 を 連<br />

続 的 に 観 察 する 方 法 を 開 発 することが 有 効 です。 私 た<br />

ちは、アマモ 場 を 対 象 に、このようなリアルタイム 野 外 実<br />

験 システムFORTESを 開 発 します。<br />

黒 潮 と 内 部 波 が 影 響 する 沿 岸 域 における<br />

生 物 多 様 性 および 生 物 群 集 のマルチス<br />

ケール 変 動 に 関 する 評 価 ・ 予 測 技 術 の 創 出<br />

山 崎 秀 勝<br />

東 京 海 洋 大 学 大 学 院 海 洋 科 学 技 術 研 究 科<br />

教 授<br />

さまざまなスケールの 物 理 現 象 が 沿 岸<br />

域 の 生 態 系 にどのような 影 響 を 及 ぼし<br />

ているか 定 量 的 に 評 価 するため、 生<br />

物 多 様 性 を 予 測 するモデルを 構 築 し<br />

ます。 対 象 とする 生 物 は、 主 に 植 物 プ<br />

ランクトンや 動 物 プランクトンです。 本 研 究 課 題 は 生 物<br />

多 様 性 統 計 モデル、 新 たなプランクトン 生 態 モデルおよ<br />

び 高 精 度 の3 次 元 水 理 モデルの 開 発 と、これらのモデ<br />

ル 開 発 に 必 要 なデータを 収 集 するためのモニタリングシ<br />

ステムを 構 築 します。さらに、これらを 融 合 させて、 生 物 多<br />

様 性 の 予 測 と 検 証 を 行 います。<br />

9

藻 類 ・ 水 圏 微 生 物 の<br />

機 能 解 明 と 制 御 による<br />

バイオエネルギー 創 成 の<br />

ための 基 盤 技 術 の 創 出<br />

戦 略 目 標<br />

水 生 ・ 海 洋 藻 類 等 による 石 油 代 替 等 の<br />

バイオエネルギー 創 成 及 びエネルギー<br />

生 産 効 率 向 上 のためのゲノム 解 析 技<br />

術 ・ 機 能 改 変 技 術 等 を 用 いた 成 長 速 度<br />

制 御 や 代 謝 経 路 構 築 等 の 基 盤 技 術 の<br />

創 出<br />

平 成 22 年 度 採 択<br />

海 洋 性 アーキアの 代 謝 特 性 の<br />

強 化 と 融 合 によるエネルギー 生 産<br />

跡 見 晴 幸<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

本 研 究 では 真 核 生 物 や 細 菌 とは 異 なる<br />

第 3の 生 物 界 アーキア( 古 細 菌 )を 構 成<br />

する 微 生 物 に 着 目 します。まず、アーキア<br />

が 水 素 ・メタン・イソプレノイドなどのバイ<br />

オ 燃 料 関 連 化 合 物 を 合 成 する 機 構 およ<br />

びキチン・キシランなどの 余 剰 バイオマスを 分 解 する 機 構 の<br />

解 明 と 強 化 を 目 指 します。さらに、 個 々に 強 化 したバイオ 燃<br />

料 合 成 やバイオマス 分 解 に 関 わる 機 能 および 新 たに 同 定<br />

した 機 能 を、ゲノム 同 士 の 大 規 模 組 換 えなどにより 融 合 し、<br />

新 しいバイオエネルギー 生 産 能 力 を 示 す 微 生 物 の 創 製 を<br />

目 指 します。<br />

シアノファクトリの 開 発<br />

早 出 広 司<br />

東 京 農 工 大 学 大 学 院 工 学 研 究 院<br />

教 授<br />

本 研 究 は 海 洋 シアノバクテリアが 持 つ 優<br />

れたバイオ 燃 料 関 連 化 合 物 生 産 能 力 に<br />

注 目 し、その 生 合 成 を 合 成 生 物 学 的 アプ<br />

ローチにより 設 計 ・ 制 御 し、さらに、 藻 体 か<br />

らの 当 該 化 合 物 の 回 収 プロセスまで 一 貫<br />

して 設 計 した「シアノファクトリ」を 開 発 することを 目 的 とします。<br />

シアノファクトリは1) 増 殖 ・ 生 産 ・ 凝 集 ・ 溶 解 が 光 刺 激 によって<br />

制 御 できる 海 洋 合 成 シアノバクテリアホスト、2)バイオ 燃 料 関<br />

連 化 合 物 を 生 産 するための 遺 伝 子 群 、3) 海 洋 合 成 シアノバ<br />

クテリアホスト 藻 体 からバイオ 燃 料 関 連 化 合 物 を 回 収 するた<br />

めのイオン 液 体 を 用 いて 抽 出 するプロセスから 構 成 されます。<br />

研 究 総 括<br />

松 永 是<br />

本 研 究 領 域 は、 藻 類 ・ 水 圏 微 生 物 を 利 用 したバ<br />

イオエネルギー 生 産 のための 基 盤 技 術 創 出 を 目 的<br />

とします。 藻 類 ・ 水 圏 微 生 物 には、 高 い 脂 質 ・ 糖 類<br />

蓄 積 能 力 や 多 様 な 炭 化 水 素 の 産 生 能 力 、 高 い 増<br />

殖 能 力 を 持 つものがあることに 着 目 し、これらのポ<br />

テンシャルを 活 かした、バイオエネルギー 創 成 のた<br />

めの 革 新 的 な 基 盤 技 術 の 創 出 を 目 指 します。<br />

具 体 的 には、 近 年 急 速 に 発 展 したゲノミクス・プ<br />

ロテオミクス・メタボロミクス・ 細 胞 解 析 技 術 等 を 含<br />

む 先 端 科 学 も 活 用 し、 藻 類 ・ 水 圏 微 生 物 の 持 つバ<br />

イオエネルギーの 生 産 等 に 有 効 な 生 理 機 能 や 代<br />

謝 機 構 の 解 明 を 進 めるとともに、それらを 制 御 する<br />

ことによりエネルギー 生 産 効 率 を 向 上 させるための<br />

研 究 を 対 象 とします。さらに、バイオエネルギー 生 産<br />

に 付 随 する 有 用 物 質 生 産 や 水 質 浄 化 等 に 資 する<br />

多 様 な 技 術 の 創 出 に 関 する 研 究 も 含 みます。<br />

将 来 のバイオエネルギー 創 成 につながる 革 新<br />

的 技 術 の 実 現 に 向 けて、 生 物 系 、 化 学 系 、 工 学 系<br />

などの 幅 広 い 分 野 から 新 たな 発 想 で 挑 戦 する 研 究<br />

を 対 象 とします。<br />

領 域 アドバイザー<br />

東 京 農 工 大 学 学 長<br />

微 細 緑 藻 B o t r y o c o c c u s<br />

brauniiの 炭 化 水 素 生 産 ・ 分 泌 機 構<br />

の 解 明 と 制 御<br />

岡 田<br />

茂<br />

微 細 緑 藻 Botryococcus braunii(ボ<br />

トリオコッカス ブラウニー)は 光 エネル<br />

ギーと 二 酸 化 炭 素 を 利 用 して、 他 の 生 物<br />

に 例 を 見 ないほど 大 量 の 液 状 炭 化 水 素<br />

を 生 産 し、 細 胞 外 へ 放 出 します。この 炭<br />

化 水 素 は 代 替 石 油 としての 利 用 が 期 待 できます。この 生 物<br />

が「なぜ」、「どのように」 炭 化 水 素 を 生 産 し、 細 胞 外 へ 放 出<br />

するのかを、 細 胞 および 分 子 レベルで 明 らかにし、さらにその<br />

メカニズムをより 効 率 の 良 いものに 改 変 することにより、 微<br />

細 藻 類 によるバイオ 燃 料 生 産 技 術 の 確 立 を 目 指 します。<br />

微 細 藻 類 の 倍 数 化 と<br />

重 イオンビーム 照 射 によるバイオ 燃 料<br />

増 産 株 作 出 に 関 する 新 技 術 開 発<br />

河 野 重 行<br />

東 京 大 学 大 学 院 農 学 生 命 科 学 研 究 科<br />

准 教 授<br />

東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

微 細 藻 類 を 用 いたバイオ 燃 料 生 産 を 実<br />

用 化 するためには、 自 然 の 微 細 藻 類 を<br />

そのまま 使 うのではなく、 穀 類 や 園 芸 作<br />

物 と 同 じように 大 量 生 産 が 可 能 な 株 を<br />

育 種 する 必 要 があります。これまで、 微<br />

細 藻 類 には 育 種 という 発 想 はなく、ゲノムもほとんど 解 読 さ<br />

れていませんでした。 本 研 究 では、 園 芸 作 物 の 品 種 改 良 で<br />

実 績 のある 重 イオンビームを 微 細 藻 類 に 照 射 して、 形 態 に<br />

関 する 定 量 的 データをもとにそれを 選 抜 育 種 する、 微 細 藻<br />

類 に 特 化 した 革 新 的 で 先 端 的 な、 全 ゲノム 情 報 を 基 盤 とし<br />

た 育 種 法 の 確 立 を 目 指 します。<br />

平 成 23 年 度 採 択<br />

藻 類 完 全 利 用 のための<br />

生 物 工 学 技 術 の 集 約<br />

植 田 充 美<br />

京 都 大 学 大 学 院 農 学 研 究 科<br />

教 授<br />

豊 富 な 大 型 藻 類 を 原 料 とした「ものづく<br />

り」に 向 け、メタゲノムやセルロース 利 用<br />

微 生 物 のゲノム 情 報 から 大 型 藻 類 の 細<br />

胞 壁 多 糖 類 などの 化 合 物 を 分 解 する 各<br />

種 酵 素 等 を 探 索 し、それらの 機 能 を 細 胞<br />

表 層 工 学 の 手 法 により 酵 母 等 に 集 積 し、 高 機 能 エキスパー<br />

ト 細 胞 触 媒 を 創 製 します。この 技 術 を 中 心 として、 大 型 藻 類<br />

からバイオ 燃 料 だけでなく、 燃 料 電 池 発 電 や 有 用 化 合 物 生<br />

産 をも 含 む「 大 型 藻 類 バイオリファイナリー」の 実 現 のため<br />

の 生 物 工 学 技 術 を 集 約 した 基 盤 技 術 の 創 製 を 目 指 します。<br />

植 物 栄 養 細 胞 をモデルとした<br />

藻 類 脂 質 生 産 系 の 戦 略 的 構 築<br />

太 田 啓 之<br />

東 京 工 業 大 学 バイオ 研 究 基 盤 支 援 総 合 セン<br />

ター 教 授<br />

多 くの 藻 類 は、 植 物 のような 貯 蔵 器 官 を 持 た<br />

ず、 光 合 成 を 行 う 細 胞 で 貯 蔵 脂 質 の 合 成 ・ 蓄<br />

積 を 行 います。そのため 栄 養 飢 餓 などの 限 られ<br />

た 条 件 で 脂 質 の 高 生 産 が 起 こります。 研 究 代<br />

表 者 らは 最 近 、 植 物 でも 葉 のような 栄 養 細 胞<br />

では、 種 子 と 異 なり、 必 須 元 素 であるリンの 飢<br />

餓 時 に 顕 著 な 脂 質 蓄 積 が 起 こることを 見 出 しました。 本 研 究 では、こ<br />

のような 植 物 葉 と 藻 類 の 脂 質 蓄 積 の 共 通 性 を 基 に、 藻 類 脂 質 の 高<br />

生 産 系 を 戦 略 的 に 構 築 することを 目 的 とします。そのため、 有 用 藻 類<br />

のゲノムや 栄 養 飢 餓 応 答 遺 伝 子 の 情 報 などを 網 羅 した 基 盤 情 報<br />

の 集 積 とデータベース 化 を 行 い、それらを 駆 使 してDHAなど 種 々の<br />

有 用 脂 肪 酸 類 の 高 生 産 系 を 創 製 し、バイオ 燃 料 や 有 用 物 質 を 藻<br />

類 で 高 効 率 で 生 産 するための 基 盤 技 術 の 創 出 を 目 指 します。<br />

石 倉 正 治 王 子 ホールディングス 株 式 会 社 研 究 開 発 本 部<br />

開 発 研 究 所 上 級 研 究 員<br />

井 上 勲 筑 波 大 学 生 命 環 境 系 教 授<br />

大 倉 一 郎 東 京 工 業 大 学 名 誉 教 授<br />

大 竹 久 夫 大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

大 森 正 之 中 央 大 学 理 工 学 部 教 授<br />

嵯 峨 直 恆 北 海 道 大 学 大 学 院 水 産 科 学 研 究 院 院 長<br />

竹 山 春 子 早 稲 田 大 学 理 工 学 術 院 教 授<br />

田 畑 哲 之 ( 公 財 )かずさDNA 研 究 所 副 所 長<br />

民 谷 栄 一 大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

横 田 明 穂 奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学<br />

バイオサイエンス 研 究 科 教 授<br />

横 山 伸 也 鳥 取 環 境 大 学 環 境 学 部 教 授<br />

海 洋 ハプト 藻 類 のアルケノン<br />

合 成 経 路 の 解 明 と 基 盤 技 術 の 開 発<br />

白 岩 善 博<br />

筑 波 大 学 生 命 環 境 系<br />

教 授<br />

ハプト 藻 類 に 属 する 円 石 藻 は 石 灰 岩<br />

や 原 油 ・ 天 然 ガスの 起 源 生 物 の1つと<br />

考 えられており、 現 在 の 海 洋 でも 膨 大<br />

な 二 酸 化 炭 素 を 固 定 する 働 きをもつ、<br />

光 合 成 を 行 う 植 物 プランクトンです。<br />

本 研 究 では、 円 石 藻 によるアルケノン<br />

という 脂 質 の 合 成 能 を 強 化 するため、 遺 伝 子 や 代 謝 経<br />

路 の 解 析 ・ 改 変 技 術 を 駆 使 してその 合 成 経 路 を 解 明 し、<br />

多 種 類 の 中 間 代 謝 産 物 の 生 産 を 可 能 とする 技 術 の 開<br />

発 を 行 います。そして、 海 水 や 海 洋 を 利 用 するバイオ 燃<br />

料 や 原 油 の 代 替 となる 工 業 原 料 の 生 産 を 強 化 するため<br />

の 基 盤 技 術 の 確 立 を 目 指 します。<br />

ラン 藻 の 硝 酸 同 化 系 変 異 株 を<br />

利 用 した 遊 離 脂 肪 酸 の<br />

高 効 率 生 産 系 の 構 築<br />

小 俣 達 男<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 生 命 農 学 研 究 科<br />

教 授<br />

本 研 究 では、ラン 藻 による 脂 肪 酸 の<br />

大 量 生 産 系 の 構 築 を 目 指 します。 特<br />

色 の 第 一 は、 細 胞 の 増 殖 を 抑 制 した<br />

状 態 でCO2から 脂 肪 酸 を 合 成 させて<br />

細 胞 外 に 放 出 させることにより、 肥 料<br />

コストを 大 幅 削 減 する 点 、 第 二 は 光 エネルギーを 最 大 限<br />

に 脂 肪 酸 の 生 産 に 活 用 させることで 安 定 な 大 量 生 産 を<br />

可 能 にする 点 です。これにより、 単 位 肥 料 量 あたりの 生<br />

産 量 を 従 来 の10 倍 相 当 とし、 細 胞 乾 燥 重 量 の4 倍 以<br />

上 の 脂 肪 酸 生 産 を 実 現 します。<br />

10

ハイパーシアノバクテリアの<br />

光 合 成 を 利 用 した 含 窒 素 化 合 物 生 産<br />

技 術 の 開 発<br />

久 堀<br />

徹<br />

東 京 工 業 大 学 資 源 化 学 研 究 所 教 授<br />

窒 素 固 定 型 シアノバクテリアは、 大 気 中<br />

の 窒 素 を 直 接 同 化 し、 細 胞 内 でアミノ 酸 な<br />

どの 含 窒 素 化 合 物 を 生 合 成 します。この<br />

過 程 では、 窒 素 からアンモニアを 生 成 し、こ<br />

れをアミノ 酸 などの 合 成 に 用 いています。<br />

本 研 究 では、 遺 伝 子 組 み 換 えにより 高 効 率 でエネルギー 同 化<br />

する 窒 素 固 定 型 シアノバクテリアを 開 発 し、その 窒 素 代 謝 系 を<br />

改 変 した 変 異 株 を 作 成 して、 高 収 率 に 含 窒 素 化 合 物 を 生 産 す<br />

る 技 術 開 発 を 行 います。さらに、このシアノバクテリアを 安 定 に<br />

大 規 模 培 養 する 技 術 を 構 築 し、 光 合 成 による 含 窒 素 化 合 物<br />

の 工 業 生 産 を 実 現 するための 基 盤 技 術 の 開 発 を 行 います。<br />

合 成 代 謝 経 路 構 築 による<br />

シアノバクテリアのバイオアルコール<br />

生 産<br />

花 井 泰 三<br />

九 州 大 学 大 学 院 農 学 研 究 院 准 教 授<br />

本 研 究 は、シアノバクテリア(ラン 藻 )に<br />

大 規 模 な 遺 伝 子 組 み 換 え 技 術 を 利 用 し<br />

て 外 来 遺 伝 子 群 を 導 入 し、 合 成 代 謝 経<br />

路 ( 連 鎖 的 な 酵 素 反 応 )を 構 築 すること<br />

で、シアノバクテリアが 本 来 生 産 しない<br />

化 学 物 質 (イソプロパノール 等 のバイオアルコール)を 連 続<br />

生 産 させるための 基 盤 技 術 を 構 築 することを 目 的 としていま<br />

す。 本 研 究 により、 火 力 発 電 所 等 の 燃 焼 排 ガスに 含 まれる<br />

二 酸 化 炭 素 を 原 料 として、 石 油 代 替 燃 料 および 化 成 品 原<br />

料 として 活 用 できるバイオアルコール 生 産 が 可 能 となり、 低<br />

炭 素 循 環 型 社 会 の 実 現 に 貢 献 することが 期 待 されます。<br />

藻 類 バイオエネルギー グリーンイノベーション<br />

高 バイオマス 生 産 に 向 けた<br />

高 温 ・ 酸 性 耐 性 藻 類 の 創 出<br />

宮 城 島 進 也<br />

情 報 ・システム 研 究 機 構 国 立 遺 伝 学 研<br />

究 所 新 分 野 創 造 センター 特 任 准 教 授<br />

紅 藻 は 藻 類 の 大 分 類 群 の 一 つであり、<br />

海 洋 バイオマスの 基 盤 をなしています。<br />

研 究 代 表 者 らは 極 限 環 境 ( 高 温 ・ 酸<br />

性 等 )に 棲 む 紅 藻 “シゾン”の100%ゲ<br />

ノム 解 読 に 成 功 し、 更 に 遺 伝 子 破 壊 ・<br />

操 作 系 を 確 立 して、 独 自 のモデル 藻 類 解 析 系 を 構 築 しま<br />

した。 本 研 究 ではこれら 藻 類 と 技 術 を 用 い、バイオマス<br />

生 産 に 必 須 なCO2 同 化 や 糖 質 ・ 油 脂 合 成 の 仕 組 みを<br />

明 らかにして、 有 用 な 遺 伝 子 の 同 定 ・ 導 入 を 行 い 環 境 変<br />

動 下 でも 高 い 生 産 性 を 持 つ 藻 類 の 作 出 を 目 指 します。<br />

平 成 24 年 度 採 択<br />

形 質 転 換 ユーグレナによる<br />

バイオ 燃 料 生 産 基 盤 技 術 の 開 発<br />

石 川 孝 博<br />

島 根 大 学 生 物 資 源 科 学 部 教 授<br />

微 細 藻 類 ユーグレナは、 光 合 成 により<br />

得 た 貯 蔵 多 糖 パラミロン(β-1,3-グル<br />

カン)から、バイオディーゼル 燃 料 として<br />

の 利 用 が 期 待 されるワックスエステル<br />

( 主 成 分 は、ミリスチン 酸 C14とミリスチ<br />

ルアルコールC14)を 大 量 に 生 産 します。 本 研 究 では、ワッ<br />

クスエステル 発 酵 経 路 とその 調 節 機 構 の 解 明 および 関 連<br />

有 用 遺 伝 子 による 形 質 転 換 技 術 を 用 いて、より 高 い 光 合<br />

成 活 性 を 持 ちワックスエステル 高 生 産 可 能 な‘スーパー<br />

ユーグレナ’ 作 出 のための 基 盤 技 術 の 確 立 を 目 指 します。<br />

海 洋 微 生 物 発 酵 制 御 を 基 盤 とした<br />

大 型 藻 類 の 完 全 資 源 化 基 盤 技 術 の<br />

開 発<br />

中 島 田 豊<br />

脱 化 石 ・ 原 子 力 資 源 の 世 界 的 要 請 を<br />

背 景 に、 海 洋 藻 類 の 高 効 率 エネル<br />

ギー・ 資 源 化 技 術 が 求 められています。<br />

そこで 本 研 究 では、 海 洋 微 生 物 が 持<br />

つ 耐 塩 性 および 海 藻 糖 質 代 謝 機 能<br />

に 着 目 し、 海 洋 複 合 メタン 生 成 菌 群 を 活 用 した 高 効 率 メ<br />

タン 発 酵 技 術 を 中 心 として、 高 塩 条 件 下 での 前 処 理 技<br />

術 、 高 付 加 価 値 物 質 や 金 属 の 回 収 技 術 等 を 含 む、 海<br />

洋 藻 類 のエネルギー・ 資 源 化 システム 実 用 化 に 必 要 な<br />

要 素 技 術 の 確 立 を 目 指 します。<br />

広 島 大 学 大 学 院 先 端 物 質 科 学 研 究 科<br />

准 教 授<br />

11

太 陽 光 を 利 用 した 独 創 的<br />

クリーンエネルギー 生 成<br />

技 術 の 創 出<br />

戦 略 目 標<br />

異 分 野 融 合 による 自 然 光 エネルギー 変<br />

換 材 料 及 び 利 用 基 盤 技 術 の 創 出<br />

本 研 究 領 域 は、 太 陽 光 エネルギーを 電 気 エネル<br />

ギーに 直 接 変 換 する 太 陽 光 発 電 技 術 を 対 象 とし、<br />

さらには 太 陽 光 エネルギーにより 水 素 等 を 生 成 す<br />

る 化 学 燃 料 生 成 技 術 、 電 気 エネルギーと 化 学 燃<br />

料 を 同 時 に 生 成 する 技 術 等 も 含 め、 将 来 の 独 創<br />

的 クリーンエネルギー 生 成 に 資 する 研 究 開 発 を 行<br />

います。<br />

具 体 的 には、 太 陽 光 発 電 技 術 として、シリコン<br />

系 、 化 合 物 薄 膜 型 、 色 素 増 感 型 、 有 機 薄 膜 型 、 新<br />

型 超 高 効 率 系 の 太 陽 電 池 開 発 、 太 陽 光 利 用 によ<br />

る 有 用 物 質 ・エネルギー 生 成 技 術 として、 水 素 など<br />

の 有 用 物 質 生 成 、 有 用 物 質 とエネルギーの 同 時<br />

生 成 等 に 関 する 研 究 開 発 を 対 象 とします。<br />

また、 本 研 究 領 域 は、 従 来 技 術 の 延 長 線 上 の<br />

単 なる 高 効 率 化 、 長 寿 命 化 を 追 うのではなく、 材<br />

料 探 索 、 基 礎 物 性 解 析 等 、 光 吸 収 、 電 荷 分 離 、 材<br />

料 劣 化 等 の 基 本 に 立 ち 返 り、 場 合 によっては 全 く<br />

新 しい 原 理 により 動 作 する 材 料 、デバイスを 目 指<br />

す 等 、 独 創 的 かつ 将 来 的 な 波 及 効 果 が 大 きな 研<br />

究 開 発 を 目 指 すものです。そのため、 対 象 となる 研<br />

究 分 野 は、 物 質 科 学 とデバイス 物 理 が 融 合 した 分<br />

野 であり、この 領 域 でのブレークスルー 技 術 を 創 出<br />

するため、 物 理 学 、 化 学 、 電 子 工 学 等 の 異 分 野 の<br />

研 究 者 の 英 知 を 結 集 し、 最 先 端 のナノテクノロ<br />

ジーも 駆 使 しつつ、 異 分 野 融 合 による 研 究 開 発 を<br />

促 進 します。<br />

領 域 アドバイザー<br />

研 究 総 括<br />

山 口 真 史<br />

豊 田 工 業 大 学 大 学 院 工 学 研<br />

究 科 特 任 教 授<br />

平 成 21 年 度 採 択<br />

高 感 度 な<br />

可 視 光 水 分 解 光 触 媒 の 創 製<br />

入 江<br />

界 面 局 所 制 御 による<br />

光 ・キャリアの 完 全 利 用<br />

佐 藤 真 一<br />

太 陽 電 池 が 持 つ 潜 在 能 力 を 極 限 まで 引 き 出 すためには、<br />

入 射 する「 光 」と、 光 により 発 生 する「キャリア」の 完 全<br />

利 用 を 目 指 す 必 要 があります。 本 研 究 では「 光 」と「キャ<br />

リア」の 損 失 が 起 こる 太 陽 電 池 と 表 面 膜 との 界 面 に 着<br />

目 し、「 界 面 特 性 の 物 理 モデル」を 構 築 します。さらにコ<br />

ンビナトリアル 手 法 を 駆 使 して「 新 しい 表 面 膜 材 料 」を<br />

探 索 し、モデルと 組 み 合 わせて 太 陽 電 池 の 高 効 率 化 を<br />

推 進 します。<br />

寛<br />

本 研 究 は、 太 陽 光 に 多 く 含 まれる 可 視 光 照 射 のもと、 水 を<br />

完 全 分 解 できる 光 触 媒 材 料 を 設 計 ・ 創 製 し、 水 素 を 獲 得 す<br />

ることを 通 じて 独 創 的 クリーンエネルギー 生 成 技 術 の 創 出<br />

に 貢 献 するものです。 既 存 の 材 料 設 計 ・ 探 索 指 針 の 延 長<br />

ではなく、 新 規 戦 略 に 基 づく 材 料 設 計 および 新 規 機 構 に<br />

基 づく 水 分 解 方 法 を 提 案 し、 可 視 光 応 答 型 水 分 解 材 料 を<br />

創 製 します。さらに、 高 効 率 化 のため、 材 料 の 形 態 (ナノ<br />

チューブ、ナノ 中 空 体 など)をナノレベルで 制 御 することに<br />

よって 反 応 サイトを 空 間 的 に 分 離 する 方 法 やヘテロ 接 続<br />

構 造 の 最 適 化 によって 電 荷 分 離 効 率 を 向 上 する 方 法 など<br />

の 検 討 を 行 います。<br />

岡 本 博 明<br />

山 梨 大 学 クリーンエネルギー 研 究 センター<br />

教 授<br />

アモルファスシリコンの<br />

光 劣 化 抑 止 プロセスの 開 発<br />

大 阪 大 学 大 学 院 基 礎 工 学 研 究 科<br />

本 研 究 は、 光 劣 化 の 無 いアモルファスシリコンを 創 成 し、<br />

高 効 率 ・ 高 安 定 な 実 用 化 薄 膜 系 太 陽 電 池 を 実 現 する<br />

ための 科 学 技 術 を 構 築 することを 目 的 として、 異 なる 分<br />

野 で 培 われてきた 叡 知 と 経 験 を 集 結 した 総 括 的 な 研 究<br />

開 発 を 推 進 します。これは、 次 世 代 太 陽 光 発 電 技 術 の<br />

発 展 に 寄 与 するのみならず、 薄 膜 シリコン 系 材 料 の 物<br />

性 ・プロセス 技 術 やデバイス 物 理 などの 基 礎 科 学 分 野<br />

の 革 新 的 進 展 に 貢 献 するものと 期 待 されます。<br />

兵 庫 県 立 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

教 授<br />

有 機 太 陽 電 池 のための<br />

バンドギャップサイエンス<br />

平 本 昌 宏<br />

本 研 究 は、 有 機 半 導 体 のバンドギャップサイエンスを 確<br />

立 、すなわち、イレブンナイン 超 高 純 度 化 、ドーピングによ<br />

るpn 制 御 、 内 蔵 電 界 形 成 、オーミック 接 合 形 成 、 半 導<br />

体 パラメータ 精 密 評 価 、などのサイエンスをシリコン 無 機<br />

半 導 体 のレベルまで 引 き 上 げ、さらに、 励 起 子 、 無 機 /<br />

有 機 ヘテロ 界 面 のサイエンスを 確 立 して、シングルセル<br />

で 効 率 15%の 有 機 太 陽 電 池 を 目 指 すものです。<br />

励 起 子 吸 収 による 増 感 を 利 用 した<br />

高 効 率 太 陽 電 池 の 研 究<br />

堀 越 佳 治<br />

自 然 科 学 研 究 機 構 分 子 科 学 研 究 所 分 子 ス<br />

ケールナノサイエンスセンター 教 授<br />

早 稲 田 大 学 先 進 理 工 学 部<br />

教 授<br />

低 コスト 高 効 率 の 太 陽 電 池 を 実 現 するためには 薄 膜 化<br />

と 吸 収 係 数 の 増 大 が 不 可 欠 です。これを 同 時 に 実 現 す<br />

るため、 通 常 のバンド 端 吸 収 に 加 え、 励 起 子 の 励 起 に 伴<br />

う 光 吸 収 も 利 用 します。 室 温 における 十 分 な 励 起 子 吸<br />

収 は、 励 起 子 束 縛 エネルギーの 高 いZnOやGaNを 含<br />

む 半 導 体 材 料 を 用 いること、および 半 導 体 超 格 子 や 量<br />

子 井 戸 を 利 用 することによって 実 現 します。 欠 陥 の 少 な<br />

い 大 面 積 ヘテロ 接 合 薄 膜 の 製 作 技 術 、および 太 陽 電<br />

池 としての 最 適 なドーピング 技 術 を 確 立 し 高 効 率 化 を 達<br />

成 します。<br />

大 気 圧 プラズマ 科 学 に 基 づく<br />

新 たなSi 材 料 創 成 プロセスの 開 発<br />

安 武<br />

潔<br />

大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

本 研 究 は、 大 気 圧 近 傍 の 高 圧 力 プラズマを 用 いて、 廉<br />

価 な 低 純 度 シリコン(Si) 原 料 から 太 陽 電 池 用 Siを 製 造<br />

するプロセスを 開 発 するものです。プラズマ 内 部 や 材 料<br />

表 面 で 生 じる 現 象 を 原 子 レベルで 解 明 し、 高 度 に 制 御<br />

する 手 法 を 確 立 することにより、 低 純 度 Si 原 料 からのシ<br />

ラン 生 成 反 応 を 超 高 速 化 します。これにより 新 しい 高 純<br />

度 Si 材 料 創 成 プロセスを 開 発 し、 太 陽 電 池 用 Si 材 料 不<br />

足 の 解 消 と 太 陽 電 池 製 造 コストの 大 幅 な 低 減 に 貢 献 し<br />

ます。<br />

勝 本 信 吾 東 京 大 学<br />

物 性 研 究 所 ナノスケール 物 性 研 究 部 門 教 授<br />

田 中 誠 パナソニック( 株 ) 次 世 代 エナジーデバイス 開 発<br />

センター 所 長<br />

錦 谷 禎 範 JX 日 鉱 日 石 エネルギー( 株 ) 研 究 開 発 本 部<br />

中 央 技 術 研 究 所 エグゼクティブリサーチャー<br />

長 谷 川 美 貴 青 山 学 院 大 学 理 工 学 部 教 授<br />

林 豊 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所<br />

ナノシステム 研 究 部 門 テクニカルスタッフ<br />

元 廣 友 美 ( 株 ) 豊 田 中 央 研 究 所 シニアフェロー<br />

色 素 増 感 太 陽 電 池 における<br />

デバイス 物 性 に 関 する 研 究<br />

韓<br />

礼 元<br />

( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 太 陽 光 発 電 材 料 ユニット<br />

ユ ニット 長<br />

低 炭 素 化 社 会 に 貢 献 する 低 コストの 色 素 増 感 太 陽 電<br />

池 の 高 変 換 効 率 化 研 究 を 行 います。 色 素 増 感 太 陽 電<br />

池 のセル 構 造 や 色 素 、 酸 化 物 半 導 体 、 電 解 質 などの 構<br />

成 材 料 を 変 えながら、 半 導 体 物 理 、 電 子 工 学 の 分 野 を<br />

基 盤 にして、 表 面 科 学 、 分 子 化 学 や 計 算 科 学 的 アプ<br />

ローチを 加 えた 異 分 野 融 合 研 究 により、「 分 子 の 電 子<br />

状 態 ・ 配 列 」から「 半 導 体 物 性 などのデバイス 物 理 」まで<br />

の 動 作 原 理 を 解 明 し、 新 たな 高 効 率 化 アプローチを 明 ら<br />

かにします。<br />

平 成 22 年 度 採 択<br />

Next 次 世 代 を 目 指 す<br />

化 合 物 薄 膜 太 陽 電 池 の 高 性 能 化<br />

片 桐 裕 則<br />

長 岡 工 業 高 等 専 門 学 校 電 気 電 子 システム<br />

工 学 科 教 授<br />

次 世 代 の 先 を 見 据 えて、 脱 希 少 金 属 系 薄 膜 太 陽 電 池<br />

の 高 性 能 化 を 行 います。 地 球 温 暖 化 を 止 め、 低 炭 素 社<br />

会 に 向 け 太 陽 電 池 を 普 及 させるには、 変 換 効 率 と 共 に、<br />

使 用 する 原 材 料 の 安 定 供 給 を 考 慮 する 必 要 があります。<br />

本 研 究 では、 希 少 金 属 であるインジウムを 使 用 しない<br />

CZTS 系 光 吸 収 層 の 高 品 質 化 、 新 規 太 陽 電 池 材 料 、<br />

新 規 界 面 層 の 探 索 および 新 しいナノ 構 造 を 太 陽 電 池<br />

に 取 り 込 むことで、 産 業 として 持 続 可 能 な 新 規 太 陽 電 池<br />

を 開 発 します。<br />

12

シリコン 基 板 上 窒 化 物 等<br />

異 種 材 料 タンデム 太 陽 電 池 の<br />

研 究 開 発<br />

重 川 直 輝<br />

本 研 究 では、 低 発 電 コスト、 高 効 率 、 省 資 源 の 太 陽 電 池<br />

の 実 現 に 向 けて、 集 光 型 太 陽 光 発 電 システムと 親 和 性<br />

が 高 い、シリコン/ 窒 化 物 半 導 体 ハイブリッド 多 接 合 タ<br />

ンデム 太 陽 電 池 を 実 現 します。そのために、 可 視 ~ 赤 外<br />

光 バンドギャップ 窒 化 物 半 導 体 のシリコン 基 板 上 作 成<br />

技 術 、 太 陽 電 池 設 計 ・ 作 成 技 術 、ハイブリッド 化 技 術 を<br />

開 発 するとともに、InN 系 窒 化 物 半 導 体 の 結 晶 成 長 、<br />

材 料 物 性 及 びデバイス 化 に 係 る 学 問 ・ 技 術 の 進 展 を 図<br />

ります。<br />

大 阪 市 立 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

平 成 23 年 度 採 択<br />

集 光 型 ヘテロ 構 造 太 陽 電 池 における<br />

非 輻 射 再 結 合 損 失 の 評 価 と 制 御<br />

金 光 義 彦<br />

京 都 大 学 化 学 研 究 所 教 授<br />

時 空 間 分 解 レーザー 分 光 を 駆 使 して、<br />

多 接 合 ・ヘテロ 構 造 ・ナノ 構 造 を 有 す<br />

る 集 光 型 太 陽 電 池 のバルク 再 結 合 、<br />

界 面 ・ 表 面 再 結 合 、オージェ 再 結 合 な<br />

ど 非 輻 射 再 結 合 損 失 の 評 価 と 制 御 を<br />

行 い、 光 エネルギー 変 換 の 高 効 率 化 の 道 筋 をつけます。<br />

さらに、ナノ 構 造 太 陽 電 池 内 で 競 合 するマルチエキシト<br />

ン 生 成 速 度 、オージェ 再 結 合 速 度 、 取 り 出 し 効 率 を 評 価<br />

し、1 光 子 多 電 子 変 換 過 程 が 有 効 に 利 用 できるかという<br />

長 年 の 課 題 を 実 験 的 に 検 証 します。<br />

藻 太 類 陽 バイオエネルギー 光 利 用 グリーンイノベーション<br />

シリサイド 半 導 体 pn 接 合 による<br />

Siベース 薄 膜 結 晶 太 陽 電 池<br />

フォトニック・ナノ 構 造 を 活 用 した<br />

新 しい 光 マネジメント 技 術 の 開 発<br />

末 益<br />

崇<br />

筑 波 大 学 数 理 物 質 系 教 授<br />

野 田<br />

進<br />

京 都 大 学 工 学 研 究 科 教 授<br />

本 研 究 では、 資 源 の 豊 富 なSiとBaで 構 成 されるBaSi2<br />

という 新 しい 材 料 を 用 いて、pn 接 合 型 の 薄 膜 結 晶 太 陽<br />

電 池 を 開 発 します。この 材 料 を 用 いると、1μm 程 度 の 厚<br />

さでエネルギー 変 換 効 率 が25%を 超 える 太 陽 電 池 の 形<br />

成 が 原 理 的 に 可 能 になります。 太 陽 電 池 の 性 能 を 左 右<br />

するpn 接 合 について、 高 品 質 なpn 接 合 形 成 のための 製<br />

膜 技 術 の 開 発 に 注 力 し、この 新 しい 材 料 の 薄 膜 太 陽 電<br />

池 用 材 料 としてのポテンシャルを 示 すことを 目 標 とします。<br />

本 研 究 は、 太 陽 光 発 電 効 率 の 飛 躍 的<br />

な 向 上 を 目 指 し、フォトニック 結 晶 を 核 と<br />

するフォトニック・ナノ 構 造 の 活 用 により、<br />

新 しい 光 マネジメント 技 術 の 開 発 を 目<br />

指 すものです。 具 体 的 には、フォトニッ<br />

ク 結 晶 のバンド 端 効 果 に 基 づく 大 面 積 共 振 作 用 を 用 い<br />

て、 薄 膜 シリコン(マイクロクリスタルシリコン・アモルファス<br />

シリコン 等 )の 光 吸 収 の 減 少 が 顕 著 となる 波 長 域 (600-<br />

1000nm)において、 効 果 的 な 光 閉 じ 込 めを 可 能 とする<br />

新 しい 光 マネジメント 技 術 の 開 発 を 行 っていきます。<br />

Cat-CVDなど 新 手 法 による<br />

太 陽 電 池 高 効 率 化<br />

固 液 界 面 反 応 設 計 による<br />

新 規 高 純 度 シリコン 材 料<br />

創 製 プロセスの 構 築<br />

松 村 英 樹<br />

北 陸 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 マテリア<br />

ルサイエンス 研 究 科 教 授<br />

本 間 敬 之<br />

早 稲 田 大 学 先 進 理 工 学 部 教 授<br />

本 研 究 では、Cat-CVD( 触 媒 化 学 気 相 堆 積 ) 法 による<br />

高 性 能 界 面 を 持 つ 薄 膜 形 成 、 触 媒 生 成 されたラジカル<br />

を 用 いた200℃ 以 下 での 低 温 不 純 物 拡 散 とpn 接 合<br />

形 成 など、われわれが 開 発 した 新 手 法 を 全 て 駆 使 するこ<br />

とで、 従 来 法 の 問 題 点 を 克 服 、エネルギー 変 換 効 率<br />

25% 以 上 の 結 晶 シリコン 太 陽 電 池 の 実 現 につながる<br />

基 盤 技 術 の 確 立 を 目 指 します。<br />

高 純 度 Siの 製 造 には 長 時 間 にわたる<br />

超 高 温 反 応 を 必 要 とし、 生 産 面 ・コス<br />

ト 面 の 大 きな 課 題 となっています。 本<br />

研 究 は、 固 相 や 液 相 などの 界 面 で 起<br />

こる 電 解 反 応 系 に 着 目 し、その 原 子 レ<br />

ベルからの 解 明 と 精 密 な 反 応 設 計 を 実 現 し、 低 エネル<br />

ギーかつ 高 速 に 高 純 度 Siを 生 成 するクリーンなプロセス<br />

を 開 発 します。また 国 内 にも 豊 富 に 存 在 する 珪 藻 土 を 原<br />

料 とする 新 しい 製 造 プロセスを 開 発 し、 高 純 度 Siの 安 定<br />

供 給 という 資 源 確 保 戦 略 にも 貢 献 します。<br />

革 新 的 塗 布 型 材 料 による<br />

有 機 薄 膜 太 陽 電 池 の 構 築<br />

山 田 容 子<br />

奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 物 質 創 成 科 学<br />

研 究 科 教 授<br />

本 研 究 では、 光 変 換 型 前 駆 体 法 や 超 分 子 ナノ 構 造 など<br />

の 手 法 による 塗 布 型 低 分 子 有 機 半 導 体 材 料 を 駆 使 し、<br />

有 機 薄 膜 太 陽 電 池 のp/n 接 合 ナノ 構 造 を 制 御 します。<br />

これにより、これまで 不 可 能 であった「 電 荷 分 離 界 面 の<br />

増 大 」と「キャリア 取 り 出 し 経 路 の 確 保 」の 両 立 を 実 現 し<br />

たデバイス 作 製 技 術 を 確 立 し、 次 世 代 太 陽 電 池 の 発 展<br />

を 目 指 します。<br />

13

持 続 可 能 な 水 利 用 を 実 現<br />

する 革 新 的 な 技 術 と<br />

システム<br />

平 成 21 年 度 採 択<br />

水 循 環 の 基 盤 となる<br />

革 新 的 水 処 理 システムの 創 出<br />

岡 部<br />

聡<br />

北 海 道 大 学 大 学 院 工 学 研 究 院<br />

教 授<br />

地 域 水 資 源 利 用 システムを 構 築 する<br />

ためのIntegrated Intelligent<br />

Satellite System(IISS)の 適 用<br />

工 学 院 大 学 工 学 部 教 授<br />

中 尾 真 一<br />

戦 略 目 標<br />

気 候 変 動 等 により 深 刻 化 する 水 問 題 を<br />

緩 和 し 持 続 可 能 な 水 利 用 を 実 現 する 革<br />

新 的 技 術 の 創 出<br />

安 全 安 心 な 水 供 給 の 持 続 性 を 向 上 さ<br />

せるためには、 多 様 な 水 資 源 の 有 効<br />

活 用 を 前 提 とした 水 循 環 システムの<br />

構 築 が 重 要 です。 本 研 究 では、 膜 分<br />

離 技 術 を 核 とした 革 新 的 な 上 水 、 下 ・<br />

廃 水 処 理 システムの 開 発 、および、 微 量 汚 染 有 害 化 学<br />

物 質 と 病 原 微 生 物 を 対 象 とした 水 の 安 全 性 評 価 ・ 管 理<br />

手 法 の 開 発 を 行 います。 加 えて、 実 証 プラントを 運 転 し、<br />

新 規 水 循 環 システムとしての 妥 当 性 を 総 合 的 かつ 多 角<br />

的 に 検 討 し 社 会 への 適 用 を 目 指 します。<br />

本 研 究 では、 複 数 の 膜 技 術 を 統 合 し<br />

た 革 新 的 な 水 処 理 システムを 開 発 し<br />

て 地 域 内 に 分 散 配 置 し、これに 成 熟<br />

度 の 高 い 自 然 エネルギー 活 用 技 術 や<br />

個 々の 施 設 を 有 機 的 につなぐ 情 報 管<br />

理 技 術 を 融 合 し、まったく 新 しい 独 創<br />

的 な 地 域 水 資 源 利 用 システ ム「 I n t e g r a t e d<br />

Intelligent Satellite System(IISS)」の 構 築 を 目<br />

指 します。 中 核 となる 膜 技 術 の 研 究 では、 膜 表 面 の 水<br />

構 造 という 分 子 レベルのミクロな 視 点 から、 新 たな 低 ファ<br />

ウリングNF/RO 膜 を 開 発 します。また、ファウリングを 抑<br />

制 するMBRシステムを 開 発 します。<br />

研 究 総 括<br />

大 垣 眞 一 郎<br />

( 独 ) 国 立 環 境 研 究 所 理 事 長<br />

荒 廃 人 工 林 の 管 理 により 流 量 増 加 と<br />

河 川 環 境 の 改 善 を 図 る<br />

革 新 的 な 技 術 の 開 発<br />

気 候 変 動 を 考 慮 した 農 業 地 域 の<br />

面 的 水 管 理 ・カスケード 型 資 源 循 環<br />

システムの 構 築<br />

恩 田 裕 一<br />

筑 波 大 学 生 命 環 境 系<br />

教 授<br />

藤 原<br />

拓<br />

高 知 大 学 教 育 研 究 部<br />

教 授<br />

本 研 究 領 域 は、 現 在 抱 えている、あるいは 気 候<br />

変 動 などによって 将 来 さらに 深 刻 化 すると 予 想 され<br />

る 国 内 外 の 様 々な 水 問 題 への 適 応 策 となる、 物<br />

理 的 ・ 社 会 的 な 水 利 用 システムの 創 出 を 目 指 しま<br />

す。 革 新 的 な 水 処 理 技 術 や 水 資 源 管 理 システム<br />

によって、 水 供 給 、 排 出 、 再 利 用 、 資 源 回 収 におけ<br />

る、 水 の 質 と 量 の 統 合 的 な 最 適 化 を 行 い、エネル<br />

ギー、コスト、 環 境 負 荷 、 健 康 ・ 環 境 への 安 全 性 、<br />

地 域 社 会 の 状 況 などの 観 点 からもっとも 合 理 的 で<br />

持 続 可 能 な 水 資 源 の 利 用 システムを 提 起 する 研<br />

究 で、かつ、 実 社 会 への 適 用 性 を 十 分 に 配 慮 した<br />

研 究 を 対 象 とします。<br />

具 体 的 には、 膜 、オゾン、セラミックスなどによる<br />

高 度 処 理 および 海 水 淡 水 化 に 関 する 基 盤 要 素<br />

技 術 開 発 とそれらの 利 用 システム 技 術 、 水 質 評 価<br />

手 法 、 成 熟 度 の 高 い 技 術 と 革 新 的 技 術 との 統 合<br />

化 による 上 水 、 下 水 、 工 業 用 水 、 農 業 用 水 、 工 場<br />

排 水 などの 造 水 ・ 処 理 ・ 循 環 ・ 資 源 回 収 システム、<br />

地 下 水 の 利 用 も 含 めた 水 圏 の 総 合 的 水 資 源 ・ 水<br />

環 境 管 理 、 水 質 管 理 システム、また、 新 しい 原 理 に<br />

よる 革 新 的 な 浄 水 ・ 造 水 ・ 水 利 用 技 術 の 開 発 など<br />

に 関 する 研 究 が 含 まれます。<br />

副 研 究 総 括<br />

依 田 幹 雄<br />

( 株 ) 日 立 製 作 所<br />

インフラシステム 社 技 術 主 管<br />

今 後 、 気 候 変 動 により 激 化 する 水 問<br />

題 を 解 決 するため、 本 研 究 では、 荒 廃<br />

した 人 工 林 を 管 理 することにより、 渇<br />

水 流 量 増 加 による 水 供 給 量 の 平 準<br />

化 と 最 大 化 を 図 るとともに 水 質 の 改 善<br />

をもたらす 革 新 的 な 水 資 源 管 理 技 術 を 開 発 します。 具<br />

体 的 には、 荒 廃 した 人 工 林 において 強 度 な 間 伐 を 行 い、<br />

流 量 増 加 や 水 質 改 善 の 状 況 について、 包 括 的 な 調 査<br />

を 行 います。それらのデータをもとに、 人 工 林 の 管 理 が 流<br />

域 からの 水 供 給 量 に 及 ぼす 影 響 を 定 量 化 するための 水<br />

資 源 管 理 モデルを 構 築 します。<br />

世 界 の 持 続 可 能 な 水 利 用 の<br />

長 期 ビジョン 作 成<br />

鼎 信 次 郎<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 研 究 科<br />

准 教 授<br />

CO2 削 減 目 標 の 設 定 の 際 には、 気 候<br />

変 化 についての 長 期 見 通 しとCritical<br />

Level( 許 容 上 限 )が 決 定 されました。<br />

同 様 に、 地 球 規 模 での 水 危 機 の 緩 和<br />

と 回 避 のためには、さまざまな 将 来 シナ<br />

リオ 下 での 水 需 給 の 長 期 見 通 しを 作 成 し、 持 続 的 な 水 利<br />

用 のCritical Levelを 決 定 し、 危 機 回 避 のビジョンを 作<br />

成 する 必 要 があります。 本 研 究 では、 最 先 端 の 世 界 水 資<br />

源 モデルを 活 用 し、この 一 連 の 情 報 創 出 を 成 し 遂 げ、 水<br />

の 安 全 保 障 に 貢 献 することを 目 指 します。<br />

水 および 食 料 の 安 全 保 障 の 観 点 から、<br />

食 料 生 産 の 場 である 農 業 地 域 の 持<br />

続 可 能 な 水 管 理 システムの 構 築 が 不<br />

可 欠 です。 本 研 究 では、 農 業 地 域 の<br />

分 散 した 汚 濁 物 質 排 出 源 に 対 応 した<br />

「 面 的 」な 水 再 生 技 術 、ならびに 面 的 に 存 在 するバイオ<br />

マス 資 源 の 質 と 分 布 状 況 に 応 じた「カスケード 型 資 源<br />

循 環 システム」から 構 成 される 新 規 水 管 理 システムの 構<br />

築 を 目 指 します。また、このシステムが 気 候 変 動 への 適<br />

応 策 ・ 緩 和 策 と 両 立 できるための 適 用 条 件 を 明 らかにし<br />

ます。<br />

気 候 変 動 に 適 応 した 調 和 型<br />

都 市 圏 水 利 用 システムの 開 発<br />

古 米 弘 明<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科<br />

水 資 源 の 局 在 性 に 対 応 するため、ユ<br />

ビキタス 型 水 資 源 となりうる 雨 水 、 地<br />

下 水 、 再 生 水 の 利 用 を 見 直 し、 新 たな<br />

水 質 リスクや 水 質 安 定 性 の 評 価 手 法 、<br />

環 境 コスト 評 価 や 利 用 者 選 好 を 考 慮<br />

した 水 利 用 デザイン 手 法 を 開 発 します。さらに、 気 候 変 動<br />

を 想 定 した 都 市 圏 の 水 資 源 の 利 用 戦 略 を 創 出 すること<br />

を 目 指 し、 流 域 圏 の 気 象 ・ 水 文 変 動 や 水 量 ・ 水 質 変 動 の<br />

予 測 を 行 い、 需 要 と 供 給 のバランスのとれた 調 和 型 の<br />

都 市 圏 水 利 用 システムを 提 案 します。<br />

教 授<br />

領 域 アドバイザー<br />

浅 野 孝 カリフォルニア 大 学 デービス 校 工 学 部<br />

名 誉 教 授<br />

国 包 章 一 静 岡 県 立 大 学 環 境 科 学 研 究 所 教 授<br />

清 水 慧 ( 株 ) 日 水 コン 相 談 役<br />

砂 田 憲 吾 山 梨 大 学 特 命 教 授<br />

津 野 洋 大 阪 産 業 大 学 人 間 環 境 学 部 教 授<br />

宮 晶 子 水 ing( 株 ) 人 事 ・ 法 務 ・ 内 部 統 制 総 括<br />

法 務 ・ 審 査 室 室 長<br />

宮 崎 毅 一 般 財 団 法 人 日 本 水 土 総 合 研 究 所 理 事 長<br />

渡 邉 正 孝 慶 應 義 塾 大 学 大 学 院 政 策 ・メディア 研 究 科<br />

特 別 研 究 教 授<br />

渡 辺 義 公 北 海 道 大 学 環 境 ナノ・バイオ 工 学 研 究 センター<br />

特 任 教 授<br />

21 世 紀 型 都 市 水 循 環 系 の 構 築 の<br />

ための 水 再 生 技 術 の 開 発 と 評 価<br />

田 中 宏 明<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 附 属 流 域 圏 総<br />

合 環 境 質 研 究 センター 教 授<br />

21 世 紀 型 の 都 市 水 循 環 利 用 システ<br />

ムの 構 築 を 目 指 し、 水 の 輸 送 とカス<br />

ケード 利 用 を 考 慮 したエネルギー 消 費<br />

量 の 改 善 と、 河 川 水 、 湖 沼 水 、 下 水 、<br />

下 水 処 理 水 に 含 まれるリスク 要 因 を<br />

制 御 する 新 しい 水 処 理 システムを 開 発 し、 利 用 用 途 と<br />

安 全 性 、エネルギー、 環 境 負 荷 の 特 徴 を 明 らかにします。<br />

また、 新 しいシステムと 従 来 型 の 都 市 水 利 用 システムを<br />

安 全 性 、エネルギー、 環 境 面 で 比 較 、 評 価 し、 地 域 に 適<br />

したカスタムメイドなシステムを 提 案 します。<br />

平 成 22 年 度 採 択<br />

ナノテクノロジーとバイオテクノロジー<br />

の 融 合 による 革 新 的 な 水 処 理 微 生 物<br />

制 御 技 術 の 開 発<br />

池 田<br />

宰<br />

ナノテクノロジーとバイオテクノロジー<br />

の 融 合 による 革 新 的 な 水 処 理 技 術 を<br />

開 発 します。 新 たに 開 発 するナノ 素 材<br />

を 用 いて 微 生 物 のコミュニケーション<br />

機 能 を 制 御 することにより、まったく 新<br />

しい 微 生 物 制 御 技 術 を 確 立 します。この 技 術 を 下 水 処<br />

理 や 膜 処 理 で 問 題 となるバイオファウリング 対 策 やバイ<br />

オフィルムの 制 御 などに 応 用 し、 高 効 率 な 水 処 理 の 実<br />

現 を 目 指 します。<br />

宇 都 宮 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

14

都 市 地 下 帯 水 層 を 利 用 した<br />

高 度 リスク 管 理 型 水 再 利 用 システム<br />

の 構 築<br />

伊 藤 禎 彦<br />

京 都 大 学 大 学 院 地 球 環 境 学 堂 教 授<br />

将 来 到 来 する 気 候 変 動 にともなう 水 量 ・<br />

水 質 変 動 の 激 化 に 対 し 適 応 するために、<br />

地 下 での 水 質 変 換 過 程 を 取 り 込 んだ 都<br />

市 内 水 循 環 利 用 システムを 研 究 します。<br />

すなわち、 都 市 下 水 を、 地 下 浸 透 に 適 し<br />

た 水 へ 変 換 し、 地 下 水 涵 養 と 地 下 環 境<br />

中 での 水 質 浄 化 を 目 的 として 地 下 浸 透 を 行 い、さらに 水 道<br />

原 水 として 利 用 するシステムを 構 築 します。 本 研 究 では、 特<br />

に 地 下 浸 透 プロセスに 着 目 し、 受 入 可 能 な 水 質 条 件 、 地 下<br />

での 水 質 変 換 過 程 、 水 循 環 システムとしての 持 続 可 能 性<br />

の 検 討 などを 行 います。 定 量 的 微 生 物 リスク 評 価 と 微 量 汚<br />

染 物 質 の 高 感 度 モニタリングにより 水 質 を 管 理 する 管 理<br />

型 地 下 浸 透 プロセスの 技 術 的 成 立 要 件 も 提 示 します。<br />

モデルベースによる 水 循 環 系 スマート<br />

水 質 モニタリング 網 構 築 技 術 の 開 発<br />

三 宅<br />

亮<br />

広 島 大 学 ナノデバイス・バイオ 融 合 科 学 研 究 所<br />

教 授<br />

安 全 安 心 な 水 供 給 のためには、 水 循<br />

環 系 での 水 質 を 多 点 できめ 細 かくモニ<br />

タ・ 管 理 する、IT 利 用 スマートモニタリ<br />

ング 網 構 築 が 望 まれます。そのために、<br />

水 質 モニタ 内 部 のマイクロ 流 体 要 素<br />

(μ-fluidics)レベルから、モニタを 多 点 配 置 したシステ<br />

ムに 至 るまで、 動 作 予 測 ・ 評 価 が 可 能 な、ミクロからマク<br />

ロまで 統 合 したHILS(Hardware In the Loop<br />

Simulator)によるモデルベース 型 の 開 発 環 境 基 盤 を<br />

構 築 します。またこれを 用 いて 各 種 のオンサイト 設 置 型<br />

水 質 モニタを 開 発 します。<br />

多 様 な 水 源 に 対 応 できるロ バスト<br />

RO/NF 膜 の 開 発<br />

都 留 稔 了<br />

広 島 大 学 大 学 院 工 学 研 究 院<br />

教 授<br />

膜 分 離 法 は、 健 全 で 持 続 可 能 な 水 再<br />

生 ・ 再 利 用 のために 必 要 不 可 欠 な 技<br />

術 となっています。 日 本 は 世 界 トップの<br />

膜 製 造 技 術 とシェアを 誇 りますが、 現<br />

状 では 膜 汚 染 や 膜 洗 浄 の 困 難 さなど<br />

多 くの 課 題 があります。 本 研 究 では、 塩<br />

素 存 在 下 で、 広 範 囲 のpHおよび 熱 水 などの 過 酷 な 条 件<br />

でも 使 用 可 能 なロバスト 性 を 有 する 逆 浸 透 /ナノろ 過<br />

(RO/NF) 膜 を 開 発 するとともに、 多 様 な 原 水 への 対 応<br />

可 能 性 を 明 らかにし、その 実 用 化 のための 実 証 試 験 を 行<br />

います。この 技 術 開 発 によって 日 本 の 膜 技 術 と 膜 処 理 シ<br />

ステムが 世 界 を 引 き 続 きリードすることが 期 待 できます。<br />

藻 水 類 利 バイオエネルギー 用 グリーンイノベーション<br />

平 成 23 年 度 採 択<br />

地 圏 熱 エネルギー 利 用 を 考 慮 した<br />

地 下 水 管 理 手 法 の 開 発<br />

迅 速 ・ 高 精 度 ・ 網 羅 的 な 病 原 微 生 物<br />

検 出 による 水 監 視 システムの 開 発<br />

小 松 登 志 子<br />

埼 玉 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

大 村 達 夫<br />

東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

地 球 温 暖 化 やヒートアイランド 現 象 の<br />

影 響 による 浅 層 地 下 水 の 温 度 上 昇 、<br />

さらにはヒートポンプシステムの 実 用<br />

化 などに 伴 う 地 圏 の 熱 環 境 撹 乱 は、<br />

地 下 水 保 全 や 地 圏 生 態 系 に 影 響 を<br />

与 える 恐 れがあります。 本 研 究 では、 地 圏 の 熱 環 境 の 変<br />

化 が 物 質 循 環 や 微 生 物 生 態 系 に 及 ぼす 影 響 を 考 慮 し<br />

た 環 境 アセスメントツールを 構 築 するとともに、 持 続 的 で<br />

高 度 な 地 下 水 利 用 ・ 管 理 手 法 を 開 発 します。<br />

水 循 環 系 を 媒 介 とする 感 染 症 リスク<br />

の 拡 大 防 止 策 は 脆 弱 であり、 安 全 で<br />

安 心 な 水 利 用 を 期 待 する 人 々に 社 会<br />

的 不 安 をもたらしています。 本 研 究 で<br />

は、 毎 年 560 万 人 にのぼる 感 染 性 胃<br />

腸 炎 患 者 数 を 低 減 する 新 しい 水 監 視<br />

システムの 構 築 を 目 指 します。 下 水 中 の 病 原 微 生 物 を<br />

迅 速 ・ 高 精 度 ・ 網 羅 的 に 検 出 する 技 術 を 新 たに 開 発 し、<br />

その 技 術 を 用 いて 都 市 下 水 を 継 続 的 に 監 視 することで、<br />

感 染 症 発 生 後 速 やかに 社 会 に 情 報 を 発 信 することが<br />

可 能 となります。これにより、 感 染 が 拡 大 する 前 に 感 染<br />

拡 大 防 止 策 をとれるため、 感 染 拡 大 を 大 幅 に 抑 制 するこ<br />

とが 期 待 されます。<br />

超 節 水 精 密 農 業 技 術 の 開 発<br />

澁 澤 栄<br />

東 京 農 工 大 学 大 学 院 農 学 研 究 科 教 授<br />

農 業 用 水 の 利 用 効 率 を 格 段 に 高 める<br />

ため、 作 物 吸 水 により 発 生 するわずか<br />

な 根 圏 域 水 圧 差 を 利 用 した 作 物 吸 水<br />

ニーズ 適 応 型 の 超 節 水 精 密 農 業 技<br />

術 を 開 発 します。 具 体 的 には、 根 域 の<br />

精 密 水 分 観 測 技 術 、オンラインリアルタイム 負 圧 差 潅<br />

漑 技 術 、 使 用 水 の 再 生 ・ 循 環 システム、 作 物 吸 水 ニー<br />

ズ 評 価 方 法 を 開 発 し、 省 エネルギー・ 超 節 水 型 の 植 物<br />

工 場 モデルの 確 立 を 目 指 します。 本 技 術 は 乾 燥 地 等 で<br />

の 節 水 農 業 への 応 用 が 期 待 できます。<br />

安 全 で 持 続 可 能 な 水 利 用 のための<br />

放 射 性 物 質 移 流 拡 散 シミュレータの<br />

開 発<br />

東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所 教 授<br />

沖 大 幹<br />

持 続 可 能 な 水 利 用 のためには、 人 類<br />

が 利 用 しようとする 水 源 の 水 が 利 用 に<br />

適 しているかどうかを 的 確 に 診 断 予 測<br />

する 技 術 が 不 可 欠 です。 本 研 究 では、<br />

ヨウ 素 131 やセシウム137 等 の 放 射<br />

性 物 質 が 大 気 の 流 れによって 移 動 し、<br />

雨 などに 伴 って 地 表 面 に 降 下 し、 土 砂 等 とともに 水 の 流<br />

れに 沿 って 川 を 流 下 して、どういうタイミングでどの 程 度 の<br />

濃 度 で 水 道 取 水 源 に 到 達 するかを 推 計 できるシミュレー<br />

タを 構 築 します。これにより、 一 時 的 な 取 水 停 止 や 積 極 的<br />

な 水 処 理 の 実 施 など 臨 機 応 変 な 対 応 によって 安 全 な 水<br />

質 が 確 保 されるようになり、 安 全 で 安 心 な 水 利 用 の 実 現<br />

に 貢 献 することが 期 待 できます。<br />

地 域 水 循 環 機 構 を 踏 まえた 地 下 水<br />

持 続 利 用 システムの 構 築<br />

嶋 田<br />

純<br />

熊 本 大 学 大 学 院 自 然 科 学 研 究 科 教 授<br />

地 球 温 暖 化 や 人 口 増 加 により 地 球<br />

規 模 での 水 資 源 は 不 足 しており、その<br />

安 定 供 給 のために 持 続 可 能 な 地 下<br />

水 利 用 システムを 早 急 に 構 築 する 必<br />

要 があります。 本 研 究 では、 地 下 水 管<br />

理 の 先 進 地 域 である 熊 本 地 域 を 研 究 フィールドとして、<br />

帯 水 層 構 造 とその 循 環 機 構 に 基 づく 流 域 地 下 水 の 水<br />

量 管 理 手 法 、 硝 酸 性 窒 素 汚 染 による 水 質 負 荷 の 軽 減<br />

や 原 位 置 浄 化 技 術 、 生 物 モニタリング 手 法 など、 水 量 ・<br />

水 質 両 面 からの 管 理 を 踏 まえた 持 続 的 地 下 水 利 用 シス<br />

テムの 開 発 を 行 います。<br />

良 質 で 安 全 な 水 の 持 続 的 な 供 給 を<br />

実 現 するための 山 体 地 下 水 資 源 開 発<br />

技 術 の 構 築<br />

京 都 大 学 大 学 院 農 学 研 究 科 准 教 授<br />

小 杉 賢 一 朗<br />

気 候 変 動 等 によるリスクが 高 まる 中 、 良<br />

質 で 安 全 な 水 の 持 続 的 な 供 給 を 実 現 す<br />

るためには、 本 来 の 自 然 の 力 を 活 かした、<br />

汚 染 や 災 害 に 強 い 水 資 源 開 発 を 行 うこ<br />

とが 重 要 です。 本 研 究 では、 山 地 河 川<br />

流 出 水 の 観 測 とリモートセンシング・ 物<br />

理 探 査 手 法 とを 効 率 良 く 組 合 わせることにより、 河 川 源 流<br />

域 において 優 良 な 山 体 地 下 水 帯 を 効 率 よく 探 査 し 水 資 源<br />

開 発 を 可 能 とする 革 新 的 な 技 術 を 構 築 します。この 技 術 に<br />

よって、 国 土 の73%を 占 める 山 地 の 山 体 を 天 然 のダムとし<br />

て 活 用 し、 水 資 源 の 多 様 性 を 確 保 することで 良 質 ・ 安 全 な<br />

水 の 持 続 的 供 給 を 実 現 すると 同 時 に、 洪 水 ・ 土 砂 災 害 の<br />

軽 減 を 図 ることが 期 待 できます。<br />

15

二 酸 化 炭 素 排 出 抑 制 に<br />

資 する 革 新 的 技 術 の<br />

創 出<br />

平 成 20 年 度 採 択<br />

低 炭 素 社 会 のための<br />

s-ブロック 金 属 電 池<br />

内 本 喜 晴<br />

京 都 大 学 大 学 院 人 間 ・ 環 境 学 研 究 科<br />

教 授<br />

有 機 薄 膜 太 陽 電 池 の 高 効 率 化 に<br />

関 する 研 究<br />

吉 川<br />

暹<br />

京 都 大 学 エネルギー 理 工 学 研 究 所<br />

教 授<br />

特 任<br />

戦 略 目 標<br />

持 続 可 能 な 社 会 に 向 けた 温 暖 化 抑 制<br />

に 関 する 革 新 的 技 術 の 創 出<br />

風 力 発 電 ・ 太 陽 電 池 など 自 然 エネルギーの 安 定 供 給 を<br />

はかるために、ポストリチウムイオン 電 池 を 指 向 した 長 寿<br />

命 かつエネルギー 密 度 の 高 い 新 しい 電 池 を 創 出 します。<br />

特 にs-ブロック 金 属 を 負 極 とした 電 池 を 構 築 します。 電<br />

極 材 料 のナノサイズ 化 を 行 い、これらデバイスの 中 核 を<br />

なす“イオン”と“ 電 子 ”の 反 応 場 であるヘテロ 界 面 場 をナ<br />

ノレベルで 制 御 し、 高 速 にs-ブロック 金 属 イオン 移 動<br />

反 応 が 可 能 な 電 極 / 電 解 質 ヘテロ 接 合 を 構 築 します。<br />

二 酸 化 炭 素 排 出 削 減 に 直 結 する 軽 量 ・ 安 価 なプラス<br />

チック 太 陽 電 池 を 開 発 します。そのため、セルの 構 成 要<br />

素 であるフラーレン 誘 導 体 、 導 電 性 高 分 子 、 色 素 超 分 子<br />

を 新 たに 調 製 し、 吸 収 波 長 領 域 を 広 げたタンデムセルを<br />

開 発 することにより、10%の 効 率 を 実 現 すると 共 に、 分<br />

子 構 造 と 膜 構 造 に 関 する 光 電 変 換 の 学 理 を 究 明 します。<br />

研 究 総 括<br />

安 井 至<br />

( 独 ) 製 品 評 価 技 術 基 盤 機 構 理 事 長 /<br />

国 際 連 合 大 学 名 誉 副 学 長<br />

本 研 究 領 域 は、 我 が 国 がハイリゲンダムサミットに<br />

おいて 提 案 した2050 年 までに 世 界 の 温 室 効 果 ガス<br />

の 排 出 を 半 減 させるという 目 標 に 向 け、 主 に 二 酸 化<br />

炭 素 の 排 出 削 減 について、 既 存 の 抑 制 技 術 の2 倍<br />

程 度 の 効 率 を 有 する 革 新 的 技 術 の 開 発 を 目 標 として<br />

います。 例 えば、 再 生 可 能 エネルギーにおける 画 期 的<br />

な 性 能 向 上 を 実 現 しうる 技 術 、さらには、 大 気 中 の 二<br />

酸 化 炭 素 の 革 新 的 な 処 理 を 可 能 とする 技 術 、 等 の<br />

直 接 的 、 間 接 的 二 酸 化 炭 素 排 出 抑 制 技 術 を、 新 概<br />

念 、 新 原 理 に 立 脚 して 創 出 することで 低 炭 素 社 会 の<br />

実 現 を 目 指 す 研 究 を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、 原 子 力 を 除 く 非 化 石 資 源 の 新 エネ<br />

ルギー 技 術 全 般 を 対 象 とするものであり、 既 存 製 品<br />

の 効 率 を 抜 本 的 に 向 上 できるエネルギー 生 産 ・ 貯<br />

蔵 技 術 や 革 新 的 低 コスト・ 低 エネルギー 化 を 実 現 し<br />

うる 技 術 、 例 えば、 新 概 念 の 太 陽 電 池 、 二 酸 化 炭<br />

素 処 理 技 術 、 海 洋 エネルギーやバイオエネルギー 等<br />

を 利 用 した 技 術 などを 対 象 とします。また、これらの<br />

技 術 に 加 え、 化 石 資 源 エネルギーの 利 用 を 前 提 と<br />

しつつも、 二 酸 化 炭 素 放 出 量 を 激 減 しうる 対 策 技<br />

術 が 含 まれます。このように、 主 にエネルギー 供 給<br />

側 の 技 術 全 般 を 対 象 としていますが、 省 エネルギー<br />

を 意 図 した 需 要 側 技 術 も、ある 種 のエネルギー 創 生<br />

技 術 であるという 立 場 から、 革 新 的 であり、かつ 社 会<br />

へのインパクトの 高 いものであれば 対 象 とします。<br />

現 在 の 産 業 構 造 やエネルギーインフラ 構 造 の 枠 組<br />

みにイノベーションをもたらす 目 的 基 礎 研 究 の 提 案 を<br />

期 待 しますが、その 提 案 にあたっては、その 技 術 が<br />

2020~30 年 程 度 までに 実 用 化 された 際 、どの 程 度<br />

の 排 出 抑 制 が 期 待 できるか、 何 億 トンの 削 減 が 可 能<br />

といった 定 量 的 なシナリオが 描 けることを 要 件 とします。<br />

高 効 率 熱 電 変 換 材 料 ・システムの<br />

開 発<br />

河 本 邦 仁<br />

未 利 用 エネルギーである 廃 熱 を 直 接 電 気 に 変 換 するこ<br />

とによりエネルギー 利 用 効 率 を 飛 躍 的 に 高 め、 化 石 燃<br />

料 への 依 存 度 を 低 減 することによって 二 酸 化 炭 素 の 排<br />

出 削 減 に 貢 献 するために 無 害 ・ 無 毒 ・ 資 源 豊 富 で 安 価<br />

な 高 効 率 熱 電 変 換 材 料 の 開 発 を 行 い、これをデバイス<br />

化 ・システム 化 して 廃 熱 回 収 ・ 電 力 変 換 へ 応 用 する 道 筋<br />

をつけます。<br />

熱 帯 泥 炭 の 保 全 と 造 林 による<br />

木 質 バイオマス 生 産<br />

小 島 克 己<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

東 京 大 学 アジア 生 物 資 源 環 境 研 究 センター<br />

教 授<br />

不 適 切 な 開 発 によって 二 酸 化 炭 素 放 出 源 となっている<br />

熱 帯 泥 炭 土 壌 について、 湛 水 化 による 泥 炭 の 保 全 と 湛<br />

水 耐 性 種 の 造 林 によって、 再 び 吸 収 源 に 戻 す 現 地 実<br />

証 試 験 を 行 います。さらに、 生 産 された 木 質 バイオマスの<br />

エネルギー 用 資 源 としての 適 合 性 、 他 の 資 源 用 としての<br />

応 用 の 可 能 性 などを 検 討 します。 最 終 目 標 は、 泥 炭 保<br />

全 、 造 林 からバイオマスの 最 適 利 用 までのトータルシス<br />

テムを 提 示 し、 排 出 削 減 ポテンシャルを 確 認 するととも<br />

に、その 実 行 可 能 性 を 明 らかにすることにあります。<br />

オイル 産 生 緑 藻 類 Botryococcus<br />

(ボトリオコッカス) 高 アルカリ 株 の<br />

高 度 利 用 技 術<br />

渡 邉<br />

信<br />

筑 波 大 学 生 命 環 境 系<br />

教 授<br />

光 合 成 により、 利 用 価 値 の 高 い 軽 質 油 とほぼ 同 じオイル 成<br />

分 を 純 度 高 く、 大 量 に 産 生 する 緑 藻 Botryococcus<br />

braunii (ボトリオコッカス)の 高 アルカリ 性 環 境 下 生 育 株 を<br />

研 究 開 発 対 象 とし、そのオイル 生 産 効 率 を 向 上 させるために<br />

不 可 欠 な 基 礎 的 知 見 と 技 術 基 盤 を 開 発 しました。 基 礎 、 応<br />

用 、 工 業 化 の 各 研 究 グループに 培 養 試 料 を 提 供 する 培 養 セ<br />

ンター 並 びに 培 養 株 の 特 性 や 新 たな 知 見 を 統 合 する 情 報 セ<br />

ンターを 構 築 して、オイル 生 産 の 最 適 培 養 条 件 を 把 握 し、 除<br />

草 剤 耐 性 の 培 養 株 を 開 発 しました。 加 圧 だけでオイル 生 成 物<br />

を 効 率 的 に 抽 出 する 技 術 を 開 発 し、2トンスケールでの 屋 外<br />

バイオリアクターにおけるボトリオコッカスの 生 産 技 術 を 開 発<br />

しました。これらは 今 後 のデモプラントにより 検 証 され、 将 来 の<br />

大 規 模 プラント 製 作 への 道 筋 を 作 ることとなります。<br />

( 研 究 期 間 は 平 成 20 年 10 月 1 日 ~ 平 成 24 年 3 月 31 日 )<br />

平 成 21 年 度 採 択<br />

CO2 固 定 の 新 規 促 進 機 構 を 活 用 した<br />

バイオマテリアルの 増 産 技 術 開 発<br />

小 川 健 一<br />

本 研 究 では、CO2 固 定 量 や 同 化 産 物 の 転 流 量 などを<br />

飛 躍 的 に 向 上 させることで、カーボンニュートラルなバイ<br />

オマテリアル(ダイズとユーカリを 中 心 に)の 飛 躍 的 な 増<br />

産 技 術 を 開 発 し、 化 石 原 料 由 来 のCO2 排 出 を 大 幅 に<br />

抑 制 する 技 術 の 開 発 を 目 指 します。 我 々の 技 術 は 日 本<br />

国 CO2 総 排 出 量 の 約 5%( 世 界 の 主 要 生 産 地 に 本 技<br />

術 を 適 用 した 場 合 )に 相 当 するCO2 排 出 を 抑 制 できる<br />

水 準 ですが、 本 研 究 課 題 では、さらに10% 以 上 の 抑 制<br />

技 術 を 狙 います。<br />

岡 山 県 農 林 水 産 総 合 センター 生 物 科 学 研 究 所<br />

植 物 レドックス 制 御 研 究 グループ グループ 長<br />

領 域 アドバイザー<br />

五 十 嵐 泰 夫 東 京 大 学 大 学 院 農 学 生 命 科 学 研 究 科 教 授<br />

岡 島 博 司 トヨタ 自 動 車 ( 株 ) 技 術 統 括 部 主 査<br />

小 久 見 善 八 京 都 大 学 産 官 学 連 携 本 部<br />

京 都 大 学 名 誉 教 授 ・ 特 任 教 授<br />

桑 野 幸 徳 太 陽 光 発 電 技 術 研 究 組 合 理 事 長<br />

小 長 井 誠 東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

竹 山 春 子 早 稲 田 大 学 理 工 学 術 院 教 授<br />

辰 巳 敬 東 京 工 業 大 学 理 事 ・ 副 学 長<br />

藤 岡 祐 一 福 岡 女 子 大 学 国 際 文 理 学 部 教 授<br />

藤 野 純 一 ( 独 ) 国 立 環 境 研 究 所<br />

社 会 環 境 システム 研 究 センター 主 任 研 究 員<br />

松 村 幸 彦 広 島 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

山 地 憲 治 財 団 法 人 地 球 環 境 産 業 技 術 研 究 機 構<br />

理 事 ・ 研 究 所 長<br />

湯 原 哲 夫 一 般 財 団 法 人 キヤノングローバル 戦 略 研 究 所<br />

理 事 ・ 研 究 主 幹<br />

触 媒 技 術 を 活 用 する 木 質 系 バイオマス<br />

間 接 液 化<br />

冨 重 圭 一<br />

東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

バイオマスを 環 境 に 優 しい 液 体 燃 料 などへ 変 換 するプ<br />

ロセスは、バイオマスの 付 加 価 値 向 上 を 兼 ね 備 えた 再<br />

生 可 能 資 源 の 高 度 利 用 技 術 です。バイオマスの 合 成 ガ<br />

ス( 一 酸 化 炭 素 と 水 素 の 混 合 ガス)への 変 換 効 率 を 向<br />

上 し、タールやコークが 副 生 しにくい 高 性 能 金 属 触 媒 を<br />

開 発 しました。 合 成 ガス 変 換 においては、 通 常 多 段 階 で<br />

製 造 するガソリン 基 材 を 合 成 ガスから 一 段 で 与 える 触 媒<br />

を 開 発 し、また、 通 常 反 応 ガス 循 環 を 必 要 とするメタノー<br />

ル 合 成 で、 低 温 でも 高 活 性 を 示 す 触 媒 を 開 発 することで<br />

ワンパス 転 化 を 可 能 にしました。これらは、プロセスのコ<br />

ンパクト 化 や 効 率 化 につながるものです。<br />

( 研 究 期 間 は 平 成 20 年 10 月 1 日 ~ 平 成 23 年 3 月 31 日 )<br />

海 洋 性 藻 類 からのバイオエタノール<br />

生 産 技 術 の 開 発<br />

近 藤 昭 彦<br />

カーボンニュートラルな 再 生 可 能 資 源 で、 耕 作 地 や 水 資<br />

源 の 限 界 を 克 服 できる 海 洋 バイオマスからのバイオ 燃<br />

料 生 産 を 目 指 します。 塩 水 環 境 で 生 育 でき、 増 殖 性 の<br />

高 いスピルリナ 微 細 藻 類 などの 光 合 成 機 能 と 代 謝 能 力<br />

を 強 化 するとともに、 海 水 での 高 密 度 大 量 培 養 システム<br />

を 確 立 することにより、デンプン 生 産 性 を2 倍 以 上 に 向<br />

上 させ、コア 技 術 として 確 立 した 細 胞 表 層 工 学 を 用 いて<br />

藻 類 デンプンからの 高 効 率 なエタノール 生 産 プロセスを<br />

開 発 します。<br />

神 戸 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

16

海 洋 微 細 藻 類 の 高 層 化 培 養 による<br />

バイオディーゼル 生 産<br />

田 中<br />

剛<br />

海 洋 微 細 藻 類 カルチャーコレクションより 選 抜 された 海<br />

洋 珪 藻 ナビクラ 属 をバイオマス 資 源 として 活 用 し、CO2<br />

排 出 削 減 可 能 で、 食 料 と 競 合 しない 新 規 バイオディーゼ<br />

ル 生 産 技 術 の 確 立 を 図 ります。 生 産 には 高 層 化 可 能 な<br />

培 養 システムを 利 用 し、 地 域 のエネルギー 供 給 やバイオ<br />

マス 原 料 の 流 通 、 原 料 コストに 依 存 しない、 均 質 かつ 安<br />

定 供 給 可 能 なバイオディーゼル 生 産 システムの 構 築 を<br />

目 指 します。<br />

東 京 農 工 大 学 大 学 院 工 学 研 究 院 准 教 授<br />

高 選 択 的 触 媒 反 応 によるカーボン<br />

ニュートラルなエネルギー 変 換<br />

サイクルの 開 発<br />

山 内 美 穂<br />

九 州 大 学 カーボンニュートラル・エネルギー<br />

国 際 研 究 所 准 教 授<br />

本 研 究 では、アルコール、アンモニアを 媒 体 として 大 気<br />

中 の 二 酸 化 炭 素 濃 度 上 昇 のないカーボンニュートラルな<br />

エネルギー 変 換 システムを 提 案 し、それを 実 現 するための<br />

新 触 媒 の 開 発 を 行 います。 提 案 サイクルにおいて 使 用 す<br />

る 燃 料 は 液 体 であるため 輸 送 が 容 易 であり、かつ、アルカ<br />

リ 形 燃 料 電 池 の 適 用 により、サイクル 中 の 貴 金 属 使 用<br />

量 の 低 減 が 可 能 となります。さらに 廃 棄 物 の 再 生 には、<br />

廃 熱 あるいは 光 エネルギーにより 製 造 される 水 素 を 利 用<br />

するため、 環 境 負 荷 の 少 ないシステムとなります。<br />

藻 CO2 類 抑 バイオエネルギー 制 グリーンイノベーション<br />

異 種 接 合 GaN 横 型 トランジスタの<br />

インバータ 展 開<br />

革 新 的 全 固 体 型 アルカリ 燃 料 電 池 開 発<br />

のための 高 性 能 OH-イオン 伝 導 膜 の 創<br />

生 と 燃 料 電 池 システム 設 計 基 盤 の 構 築<br />

橋 詰<br />

保<br />

北 海 道 大 学 量 子 集 積 エレクトロニクス 研 究 セン<br />

ター 教 授<br />

山 口 猛 央<br />

東 京 工 業 大 学 資 源 化 学 研 究 所 教 授<br />

省 エネルギーの 核 となる「 窒 化 ガリウム(GaN)インバー<br />

タ」の 基 盤 技 術 を 確 立 します。そのため、 結 晶 欠 陥 起 因<br />

の 電 子 準 位 とトランジスタ 動 作 信 頼 性 との 相 関 を 明 らか<br />

にし、 異 種 (ヘテロ) 接 合 制 御 と 新 チャネル 構 造 により、<br />

シリコン 素 子 とは 異 なる 新 しい 横 型 トランジスタを 開 発 し<br />

ます。さらに、インバータの 設 計 /シミュレーションと 実 験<br />

的 評 価 によりGaNインバータとその 集 積 化 の 切 り 口 を<br />

探 求 します。<br />

本 研 究 では、 全 固 体 型 アルカリ 燃 料 電 池 の 開 発 基 盤<br />

の 構 築 を 行 います。 全 固 体 型 アルカリ 燃 料 電 池 はほと<br />

んどの 金 属 触 媒 を 使 える 反 面 、 実 用 的 な 電 解 質 膜 が 存<br />

在 しません。 本 研 究 では、 従 来 のイオン 伝 導 機 構 から 考<br />

え 直 し、 新 しい 高 耐 性 OH–イオン 伝 導 膜 を 開 発 します。<br />

白 金 触 媒 に 縛 られない 自 由 な 金 属 触 媒 による 低 コスト・<br />

高 変 換 効 率 ・ 多 様 な 燃 料 への 適 用 が 可 能 な 革 新 的 全<br />

固 体 型 アルカリ 燃 料 電 池 の 開 発 を 世 界 的 に 加 速 させる<br />

基 盤 構 築 を 目 標 とします。<br />

プロトン 型 大 容 量 電 気 化 学<br />

キャパシタの 研 究<br />

超 低 損 失 パワーデバイス 実 現 の<br />

ための 基 盤 構 築<br />

宮 山<br />

勝<br />

東 京 大 学 先 端 科 学 技 術 研 究 センター 教 授<br />

山 崎<br />

聡<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 エネルギー 技 術 研<br />

究 部 門 主 幹 研 究 員<br />

水 溶 液 を 電 解 液 として 用 いながらリチウムイオン 二 次 電<br />

池 に 匹 敵 する 性 能 を 持 つ、プロトン 型 電 気 化 学 キャパシ<br />

タの 研 究 開 発 を 行 います。プロトンの 表 面 吸 着 ・ 反 応 を<br />

有 効 に 利 用 できる 単 原 子 層 シートを 活 物 質 として 用 いた<br />

電 極 を 開 発 することにより、 安 全 性 の 高 い 新 たな 機 構 の<br />

大 容 量 蓄 電 デバイスを 構 築 し、CO2 排 出 抑 制 のための<br />

基 盤 技 術 と 基 礎 科 学 を 創 出 します。<br />

本 研 究 では、 二 酸 化 炭 素 排 出 抑 制 に 大 きな 効 果 を 持 つ<br />

新 概 念 の 省 エネルギー 超 低 損 失 パワーデバイス 実 現 の<br />

ための 基 盤 構 築 を 行 います。その 候 補 として、 特 異 な 物<br />

性 を 持 つダイヤモンド 半 導 体 を 取 り 上 げます。 超 低 損 失<br />

パワーデバイス 実 現 に 必 要 なダイヤモンド 特 有 の 物 性<br />

の 物 理 的 理 解 、その 物 性 を 利 用 した 新 しいデバイス 物<br />

理 の 構 築 、 材 料 プロセス・デバイス 作 製 プロセスの 問 題<br />

点 の 抽 出 とその 解 決 策 の 検 討 を 総 合 的 に 行 い、 超 低 損<br />

失 パワーデバイスを 提 案 ・ 試 作 し、 実 用 化 への 道 筋 をつ<br />

けます。<br />

平 成 22 年 度 採 択<br />

固 体 界 面 を 制 御 した<br />

全 固 体 二 次 電 池 の 創 製<br />

辰 巳 砂 昌 弘<br />

大 阪 府 立 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

低 炭 素 社 会 にむけて、 高 性 能 で 低 コストの 革 新 的 蓄 電<br />

池 の 開 発 が 求 められています。 本 研 究 では、 究 極 の 電<br />

池 形 態 である 全 固 体 電 池 の 実 現 を 目 的 として、 固 体 電<br />

解 質 として 現 在 最 も 有 望 なガラス 系 硫 化 物 材 料 を 用 い<br />

て、 高 出 力 と 高 エネルギー 密 度 を 兼 ね 備 えた 全 固 体 リチ<br />

ウム 二 次 電 池 の 開 発 を 行 います。この 革 新 的 電 池 実 現<br />

のために、 電 極 / 電 解 質 界 面 の 構 造 と 反 応 を 解 明 し、 良<br />

好 な 電 極 / 電 解 質 固 体 界 面 を 創 るプロセスを 開 発 します。<br />

17

生 体 恒 常 性 維 持 ・ 変 容 ・<br />

破 綻 機 構 のネットワーク<br />

的 理 解 に 基 づく 最 適<br />

医 療 実 現 のための 技 術<br />

創 出<br />

戦 略 目 標<br />

先 制 医 療 や 個 々 人 にとって 最 適 な 診<br />

断 ・ 治 療 法 の 実 現 に 向 けた 生 体 におけ<br />

る 動 的 恒 常 性 の 維 持 ・ 変 容 機 構 の 統 合<br />

的 解 明 と 複 雑 な 生 体 反 応 を 理 解 ・ 制 御<br />

するための 技 術 の 創 出<br />

平 成 24 年 度 採 択<br />

代 謝 疾 患 克 服 のための 臓 器 間 ネット<br />

ワーク 機 構 の 統 合 的 機 能 解 明<br />

片 桐 秀 樹<br />

東 北 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

私 たちは、ヒトをはじめとする 多 臓 器 生<br />

物 において、 代 謝 状 態 の 恒 常 性 を 維<br />

持 する 全 身 の 臓 器 間 ネットワーク 機 構<br />

を 見 いだしました。 本 研 究 では、この<br />

ネットワーク 機 構 の 管 制 塔 である 脳 の<br />

仕 組 みを 解 明 するとともに、 糖 尿 病 ・メタボリックシンド<br />

ロームなどの 病 態 進 展 や 老 化 ・ 加 齢 に 応 じた 臓 器 間 ネッ<br />

トワークの 変 化 を 明 らかにします。さらに、 動 物 モデルで<br />

得 られた 知 見 をヒトの 患 者 から 採 取 された 検 体 で 検 証 し、<br />

臓 器 間 ネットワーク 機 構 の 制 御 という 新 しい 観 点 での 代<br />

謝 疾 患 の 予 防 治 療 法 開 発 を 目 指 します。<br />

細 胞 老 化 が 引 き 起 こす 恒 常 性 破 綻 の<br />

病 態 解 明 とその 制 御<br />

恒 常 性 維 持 機 構 オートファジーに 着 目<br />

した 栄 養 素 過 剰 摂 取 に 起 因 する 疾 患 の<br />

原 因 解 明 と 治 療 法 確 立<br />

吉 森<br />

保<br />

大 阪 大 学 大 学 院 生 命 機 能 研 究 科<br />

教 授<br />

栄 養 のとりすぎは、 内 分 泌 ・ 代 謝 ・ 免<br />

疫 系 が 織 りなすネットワークにより 維<br />

持 される 生 体 の 恒 常 性 を 損 ない、 糖<br />

尿 病 などの 肥 満 関 連 疾 患 の 発 症 や<br />

感 染 症 併 発 リスクの 上 昇 につながり<br />

ます。そこで 私 たちは、 栄 養 素 過 多 の<br />

環 境 でかかる 過 度 のストレスにより「オートファジー」とい<br />

う 細 胞 内 浄 化 機 構 の 活 性 が 低 下 ・ 不 足 し、 臓 器 間 ネット<br />

ワークが 障 害 されることに 着 目 します。 本 研 究 ではそのメ<br />

カニズムを 解 明 し、オートファジー 活 性 制 御 に 基 づく 疾<br />

患 症 状 緩 和 手 法 の 開 発 など、 生 活 習 慣 病 の 新 規 治 療<br />

法 確 立 を 目 指 します。<br />

研 究 総 括<br />

永 井 良 三<br />

自 治 医 科 大 学 学 長<br />

本 研 究 領 域 の 目 的 は、 個 体 の 生 から 死 に 至 る 過 程 を、 神 経 、<br />

免 疫 、 内 分 泌 、 循 環 等 の 高 次 ネットワークによる 動 的 な 恒 常 性<br />

維 持 機 構 からとらえ、 内 的 ・ 外 的 ストレスに 対 する 生 体 の 適 応 と<br />

変 容 のメカニズムを 時 空 間 横 断 的 に 解 明 すること、さらに 生 活<br />

習 慣 病 をはじめとする 多 くの 疾 患 を「 動 的 恒 常 性 からの 逸 脱 ある<br />

いは 破 綻 」として 理 解 し、これを 未 然 に 察 知 し 予 測 的 に 制 御 する<br />

技 術 の 開 発 を 追 求 することにあります。<br />

とくに 近 年 、 細 胞 特 異 的 な 遺 伝 子 改 変 動 物 の 作 出 や 細 胞 分<br />

離 技 術 などが 大 きく 進 歩 したため、 生 命 科 学 や 医 学 のあり 方 が<br />

大 きく 変 わろうとしています。そこで、これまで 知 られていなかった<br />

異 なる 細 胞 間 、システム 間 、 臓 器 間 の 連 携 による 恒 常 性 維 持 や<br />

負 荷 適 応 の 機 構 を 明 らかにし、これを 制 御 する 生 命 科 学 と 臨 床<br />

医 学 の 展 開 が 求 められています。<br />

具 体 的 には、<br />

(1) 内 的 ・ 外 的 負 荷 に 対 する 個 体 の 恒 常 性 維 持 のために、 実<br />

質 ・ 間 質 細 胞 間 、 臓 器 間 、さらに 神 経 、 免 疫 、 内 分 泌 、 循 環 等 の<br />

多 岐 にわたるシステム 間 で、 相 互 依 存 的 に 作 用 する 複 雑 系 機<br />

能 ネットワークの 動 作 様 式 を 明 らかにします。とくに 恒 常 性 の 維 持<br />

と 破 綻 に 関 わる 液 性 因 子 、 神 経 伝 達 、 免 疫 細 胞 、 間 質 細 胞 など<br />

を 同 定 し、これによって 恒 常 性 維 持 を 制 御 する 技 術 を 開 発 します。<br />

(2) 誕 生 から 発 達 、 成 長 、 老 化 というライフステージに 応 じた 個 体<br />

の 恒 常 性 変 容 機 構 の 時 系 列 的 動 的 変 化 の 様 相 を 解 明 し、その<br />

微 細 な 徴 候 を 早 期 に 検 出 し、これらを 制 御 する 技 術 を 創 出 します。<br />

(3) 内 的 ・ 外 的 因 子 によって 生 ずる 臓 器 障 害 の 発 症 ・ 進 展 機 構 、<br />

ストレスや 傷 害 に 対 する 生 体 防 御 機 構 や 治 癒 機 構 を 解 明 し、ヒ<br />

ト 疾 患 の 診 断 や 治 療 に 結 びつく 技 術 を 創 出 します。 基 礎 研 究 の<br />

成 果 はできるだけ 臨 床 例 でも 検 討 し、 新 たな 病 態 概 念 のもとに<br />

多 科 連 携 医 療 の 可 能 性 を 探 索 します。<br />

(4)これらの 複 雑 系 ネットワークの 相 互 作 用 の 動 作 様 式 を 多 面<br />

的 に 理 解 し、これを 制 御 する 信 頼 性 の 高 い 手 法 の 確 立 をめざし<br />

ます。そのためにシミュレーション 技 術 やこれを 実 現 する 計 算 科<br />

学 的 な 論 理 的 研 究 も 推 進 します。<br />

こうした 研 究 を 通 じて、 生 体 の 恒 常 性 機 構 を 制 御 する 未 知 の<br />

分 子 ・ 細 胞 ・ネットワーク 機 構 を 解 明 し、その 知 見 に 基 づいて 新 し<br />

い 医 療 技 術 の 開 発 を 行 います。<br />

原<br />

英 二<br />

私 たちの 身 体 を 構 成 する 細 胞 は、 異<br />

常 を 感 知 すると 増 殖 を 停 止 します。 細<br />

胞 老 化 はこの 仕 組 みの1つであり、が<br />

んを 抑 制 する 機 構 として 生 体 の 恒 常<br />

性 維 持 に 寄 与 していると 考 えられてい<br />

ます。しかし 最 近 になって、 細 胞 老 化<br />

は 有 害 因 子 の 分 泌 という 副 作 用 を 伴 うことが 分 かってき<br />

ました。そこで 本 研 究 では、がんを 含 む 様 々な 加 齢 性 疾<br />

患 をこの 副 作 用 による 全 身 性 の 反 応 ととらえ、 疾 患 の 発<br />

症 機 構 の 解 明 とその 制 御 、そして 分 子 標 的 の 発 見 を 基<br />

盤 とした 新 しい 診 断 マーカーや 治 療 法 ・ 予 防 法 の 開 発 を<br />

目 指 します。<br />

腸 内 常 在 細 菌 特 性 理 解 に 基 づく<br />

難 治 性 疾 患 新 規 治 療 法 の 開 発<br />

本 田 賢 也<br />

( 公 財 )がん 研 究 会 がん 研 究 所 がん 生 物 部<br />

部 長<br />

東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科<br />

准 教 授<br />

ヒトの 腸 に 住 み 着 く 約 1、000 種 類 の<br />

細 菌 ( 腸 内 細 菌 )は、 宿 主 であるヒトと<br />

一 生 涯 共 存 して 全 身 の 恒 常 性 維 持<br />

に 大 きな 影 響 を 与 えます。 本 研 究 では、<br />

これら 腸 内 細 菌 と 免 疫 細 胞 との 関 わ<br />

りに 着 目 し、マウスとヒトを 対 象 として、<br />

免 疫 細 胞 と 深 く 関 わる 未 知 の 腸 内 細 菌 を 発 見 します。そ<br />

して、これら 未 知 の 腸 内 細 菌 が 機 能 を 果 たす 仕 組 みや<br />

鍵 となる 物 質 を 見 つけることで、 腸 内 細 菌 の 構 成 異 常 か<br />

ら 生 じる 種 々の 病 態 を 制 御 する 方 法 を 確 立 し、 炎 症 性<br />

腸 疾 患 ・ 自 己 免 疫 疾 患 ・アレルギーなどの 難 治 性 疾 患<br />

の 治 療 に 応 用 します。<br />

領 域 アドバイザー<br />

入 來 篤 史 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 脳 科 学 総 合 研 究 センター<br />

シニア・チームリーダー<br />

大 島 悦 男 協 和 発 酵 キリン 株 式 会 社<br />

執 行 役 員 ・ 研 究 本 部 長<br />

寒 川 賢 治 国 立 循 環 器 病 研 究 センター 研 究 所 長<br />

小 島 至 群 馬 大 学 生 体 調 節 研 究 所 教 授<br />

小 室 一 成 大 阪 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

小 安 重 夫 慶 應 義 塾 大 学 医 学 部 教 授<br />

坂 口 志 文 大 阪 大 学 免 疫 学 フロンティア 研 究 センター 教 授<br />

坂 田 恒 昭 塩 野 義 製 薬 株 式 会 社 Global Development<br />

Office イノベーションデザイン 部 門 長<br />

砂 川 賢 二 九 州 大 学 大 学 院 医 学 研 究 院 教 授<br />

高 橋 淑 子 京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

中 尾 一 和 京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授<br />

鍋 島 陽 一 ( 公 財 ) 先 端 医 療 振 興 財 団 先 端 医 療 センター 長<br />

望 月 敦 史 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 基 幹 研 究 所 主 任 研 究 員<br />

個 体 における 組 織 細 胞 定 足 数 制 御 に<br />

よる 恒 常 性 維 持 機 構 の 解 明<br />

三 浦 正 幸<br />

東 京 大 学 大 学 院 薬 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

生 体 における 細 胞 の 数 は、 組 織 内 の<br />

みならず 全 身 でもカウントされて、 個 体<br />

全 体 としての 恒 常 性 が 保 たれる 定 足<br />

数 への 調 節 がなされています。この 背<br />

後 には、 細 胞 死 あるいは 増 殖 によって<br />

細 胞 数 の 変 動 を 相 殺 する 機 構 があります。 本 研 究 では<br />

こうした 組 織 細 胞 定 足 数 調 節 機 構 を 制 御 する 全 身 性 の<br />

仕 組 みを 明 らかにすることで、がん( 過 剰 増 加 )や 変 性<br />

疾 患 ( 過 剰 減 少 )などの 組 織 細 胞 数 が 変 化 する 疾 患 に<br />

共 通 の 生 体 応 答 を 解 明 し、 定 足 数 制 御 因 子 に 注 目 した<br />

新 たな 疾 患 の 診 断 法 、 治 療 法 の 開 発 を 目 標 とします。<br />

18

ライフサイエンスの 革 新 を<br />

目 指 した 構 造 生 命 科 学 と<br />

平 成 24 年 度 採 択<br />

ミトコンドリアをハブとする 構 造 機 能<br />

ネットワークの 解 明<br />

シナプス 形 成 を 誘 導 する 膜 受 容 体 複<br />

合 体 と 下 流 シグナルの 構 造 生 命 科 学<br />

先 端 的 基 盤 技 術<br />

遠 藤 斗 志 也<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

深 井 周 也<br />

東 京 大 学 放 射 光 連 携 研 究 機 構<br />

准 教 授<br />

戦 略 目 標<br />

多 様 な 疾 病 の 新 治 療 ・ 予 防 法 開 発 、 食<br />

品 安 全 性 向 上 、 環 境 改 善 等 の 産 業 利<br />

用 に 資 する 次 世 代 構 造 生 命 科 学 による<br />

生 命 反 応 ・ 相 互 作 用 分 子 機 構 の 解 明 と<br />

予 測 をする 技 術 の 創 出<br />

細 胞 内 のエネルギーを 産 生 する 小 器<br />

官 であるミトコンドリアは、その 構 成 タ<br />

ンパク 質 をサイトゾルから 取 り 込 み、そ<br />

の 構 造 と 機 能 を 維 持 します。 近 年 、ミト<br />

コンドリアの 内 部 構 造 が 従 来 考 えられ<br />

ていた 以 上 に 複 雑 に 制 御 されていること、 分 泌 経 路 の<br />

入 り 口 として 働 く 小 器 官 の 小 胞 体 とも 物 理 的 に 結 合 し<br />

て 連 携 するなど、 新 しい 発 見 が 相 次 いでいます。 本 研 究<br />

では、 構 造 生 物 学 の 様 々な 手 法 を 用 いて、ダイナミック<br />

に 働 くミトコンドリアの 構 造 と 機 能 ネットワークの 全 貌 と<br />

その 制 御 機 構 の 解 明 をめざします。<br />

脳 を 構 成 する 無 数 の 神 経 細 胞 は、シ<br />

ナプスと 呼 ばれる 細 胞 構 造 を 介 して<br />

接 続 され、 複 雑 で 多 様 な 神 経 ネット<br />

ワークを 形 成 しています。 本 研 究 では、<br />

シナプス 形 成 を 誘 導 するタンパク 質<br />

複 合 体 を 解 析 することでシナプス 形<br />

成 のメカニズムを 原 子 レベルの 解 像 度 で 明 らかにし、そ<br />

の 情 報 に 基 づいてシナプス 形 成 を 制 御 する 方 法 を 開 発<br />

します。シナプス 形 成 の 異 常 は 神 経 発 達 障 害 と 深 く 関 係<br />

しますが、 本 研 究 の 成 果 は、 有 効 な 治 療 法 がほとんど 無<br />

い 神 経 発 達 障 害 の 治 療 法 の 開 発 に 革 新 をもたらすこと<br />

が 期 待 されます。<br />

研 究 総 括<br />

田 中 啓 二<br />

( 公 財 ) 東 京 都 医 学 総 合 研 究 所<br />

所 長<br />

本 研 究 領 域 は、 先 端 的 ライフサイエンス 領 域 と<br />

構 造 生 物 学 との 融 合 によりライフサイエンスの 革<br />

新 に 繋 がる「 構 造 生 命 科 学 」と 先 端 基 盤 技 術 の<br />

創 出 を 目 指 します。すなわち 最 先 端 の 構 造 解 析 手<br />

法 をシームレスに 繋 げ、 原 子 レベルから 細 胞 ・ 組 織<br />

レベルまでの 階 層 構 造 ダイナミクスの 解 明 と 予 測<br />

をするための 普 遍 的 原 理 を 導 出 し、それらを 駆 使 し<br />

ながら 生 命 科 学 上 重 要 な 課 題 に 取 り 組 みます。<br />

近 年 わが 国 では 大 規 模 なタンパク 質 の 構 造 決<br />

定 研 究 が 進 められ 大 きな 成 果 を 収 めてきましたが、<br />

今 後 はその 資 源 を 礎 に、 生 命 現 象 の 重 要 な 担 い<br />

手 でありながら 単 独 では 機 能 しないタンパク 質 を 動<br />

的 に 捉 え、これが 多 くの 生 体 高 分 子 との 相 互 作 用<br />

で 機 能 を 発 揮 するメカニズムを 追 求 することが 大<br />

切 です。たとえば 多 くの 動 植 物 の 病 気 はタンパク<br />

質 の 異 常 に 由 来 しますが、その 原 因 を 解 明 し、 新<br />

規 治 療 法 や 予 防 法 を 開 発 するためには、 構 造 生<br />

命 科 学 を 基 軸 にした 生 命 現 象 の 理 解 が 不 可 欠 で<br />

す。また、 健 康 な 長 寿 社 会 の 実 現 、 安 全 な 食 糧 生<br />

産 、 環 境 問 題 の 克 服 でも 構 造 生 物 学 的 研 究 が 求<br />

められます。こうした 局 面 において 構 造 生 命 科 学<br />

は、 生 命 現 象 を 原 子 ・ 分 子 レベルで 時 間 的 ・ 空 間<br />

的 に 解 明 して 普 遍 的 原 理 を 導 出 し、さらには 構 造<br />

から 生 命 現 象 を 予 測 することで、こうした 課 題 に 応<br />

えるものとなります。<br />

そこで 本 研 究 領 域 では、この 構 造 生 命 科 学 を 駆<br />

使 して 生 命 現 象 を 支 える 重 要 な 機 能 性 素 子 であ<br />

る 巨 大 複 合 体 やオルガネラの 動 態 解 析 、 疾 患 の<br />

原 因 分 子 の 特 定 とその 構 造 の 解 明 、 構 造 的 相 互<br />

作 用 に 基 づいた 創 薬 のためのリード 化 合 物 の 分<br />

離 などのほか、こうした 研 究 を 実 現 するに 必 要 な 先<br />

導 的 技 術 の 創 出 を 目 指 します。<br />

ピロリ 菌 の 感 染 と 発 がん 機 構 の<br />

構 造 学 的 解 明<br />

千 田 俊 哉<br />

ヘリコバクター・ピロリは、 胃 粘 膜 上 皮<br />

細 胞 に 感 染 する 細 菌 で、 胃 がんを 始 め<br />

とする 胃 疾 患 の 最 大 のリスク 因 子 です。<br />

このような 胃 疾 患 の 原 因 は、ピロリ 菌<br />

がCagAとよばれるタンパク 質 を 胃 粘<br />

膜 上 皮 細 胞 に 打 ちこみ、 細 胞 内 の 正 常 なシグナル 伝 達<br />

をかく 乱 するからと 考 えられています。<br />

本 研 究 では、ピロリ 菌 病 原 因 子 であるCagAならびに<br />

CagAと 複 合 体 を 形 成 するタンパク 質 の 立 体 構 造 に 基<br />

づき、ピロリ 菌 感 染 が 胃 の 病 気 を 引 き 起 こすメカニズム<br />

を 明 らかにすることを 目 的 としています。<br />

ミトコンドリア 呼 吸 鎖 の 構 造 生 命 科 学<br />

― 構 造 がもたらす 正 確 さ<br />

月 原 冨 武<br />

高 エネルギー 加 速 器 研 究 機 構 物 質 構 造 科 学<br />

研 究 所 教 授<br />

兵 庫 県 立 大 学 大 学 院 生 命 理 学 研 究 科<br />

特 任 教 授<br />

細 胞 の 中 にあるミトコンドリアでは、 呼<br />

吸 で 獲 得 した 酸 素 を 還 元 することに<br />

よって、 生 きるために 必 要 なエネルギー<br />

を 獲 得 しています。このエネルギー 獲<br />

得 には 複 数 のタンパク 質 複 合 体 ( 呼<br />

吸 鎖 複 合 体 )が 関 わっています。これらの 呼 吸 鎖 複 合 体<br />

の 構 造 や 働 いている 時 に 時 々 刻 々 変 化 する 構 造 を 正 確<br />

に 決 定 すると 共 に、 呼 吸 鎖 複 合 体 群 が 集 合 して 働 く 構<br />

造 を 決 定 します。これらのことによって 正 確 で 無 駄 のない<br />

タンパク 質 の 働 きの 仕 組 みを 明 らかにします。<br />

異 物 排 出 輸 送 の 構 造 的 基 盤 解 明 と<br />

阻 害 剤 の 開 発<br />

山 口 明 人<br />

大 阪 大 学 産 業 科 学 研 究 所<br />

教 授<br />

異 物 ( 多 剤 ) 排 出 タンパク 質 が 原 因 と<br />

なる 多 剤 耐 性 菌 感 染 症 の 克 服 は 喫<br />

緊 の 課 題 です。<br />

本 研 究 は、 世 界 で 初 めて 異 物 排 出 タ<br />

ンパク 質 の 構 造 を 決 定 するなど、この<br />

分 野 の 研 究 で 世 界 をリードしてきた 実 績 を 元 に、タンパ<br />

ク 質 複 合 体 である 排 出 マシナリー 全 体 像 の 完 全 構 造 解<br />

析 を 目 的 とするとともに、 異 分 野 研 究 グループとの 連 携<br />

により、 異 物 認 識 ・ 排 出 機 構 の 動 態 解 析 や 異 物 排 出 タ<br />

ンパク 質 群 に 対 するユニバーサル 阻 害 剤 の 開 発 を 目 指<br />

しています。<br />

恒 常 性 ライフイノベーション<br />

構 造 生 命 ライフイノベーション<br />

生 物 酵 素 による 水 素 エネルギー 利 用<br />

システムの 構 造 基 盤 解 明<br />

領 域 アドバイザー<br />

大 隅 良 典<br />

五 條 堀 孝<br />

東 京 工 業 大 学 フロンティア 研 究 機 構 特 任 教 授<br />

情 報 ・システム 研 究 機 構 国 立 遺 伝 学 研 究 所<br />

副 所 長 教 授<br />

嶋 田 一 夫 東 京 大 学 大 学 院 薬 学 系 研 究 科 教 授<br />

中 島 元 夫 SBIファーマ 株 式 会 社 取 締 役 執 行 役 員<br />

CSO<br />

箱 嶋 敏 雄<br />

奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学<br />

バイオサイエンス 研 究 科 教 授<br />

藤 吉 好 則 名 古 屋 大 学 大 学 院 創 薬 科 学 研 究 科 教 授<br />

古 谷 利 夫 株 式 会 社 ファルマデザイン 代 表 取 締 役 社 長<br />

山 縣 ゆり 子 熊 本 大 学 大 学 院 生 命 科 学 研 究 部 教 授<br />

吉 田 賢 右 京 都 産 業 大 学 総 合 生 命 科 学 部 教 授<br />

樋 口 芳 樹<br />

兵 庫 県 立 大 学 大 学 院 生 命 理 学 研 究 科 教 授<br />

水 素 は、エネルギー 源 として 利 用 して<br />

も 有 害 物 質 を 一 切 出 さないため、 次 世<br />

代 のクリーンエネルギー 源 としてその<br />

有 効 利 用 法 が 模 索 されてきました。<br />

微 生 物 がもつヒドロゲナーゼとよばれ<br />

る 酵 素 は、 水 素 から 電 子 を 取 り 出 した<br />

り、 水 素 を 合 成 する 能 力 をもちます。<br />

本 研 究 では、3 種 類 のヒドロゲナーゼの 立 体 構 造 研 究 を<br />

通 して、その 卓 越 した 能 力 の 本 質 を 解 明 します。<br />

そして、 得 られた 原 理 を 応 用 して、 新 しいバイオ 電 池 や 燃<br />

料 電 池 、さらには 水 素 製 造 装 置 の 開 発 につなげることを<br />

最 終 の 目 標 としています。<br />

19

エピゲノム 研 究 に 基 づく<br />

診 断 ・ 治 療 へ 向 けた<br />

新 技 術 の 創 出<br />

平 成 23 年 度 採 択<br />

定 量 的 エピゲノム 解 析 法 の 開 発 と<br />

細 胞 分 化 機 構 の 解 明<br />

エピゲノム 解 析 の 国 際 標 準 化 に<br />

向 けた 新 技 術 の 創 出<br />

五 十 嵐 和 彦<br />

東 北 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

白 髭 克 彦<br />

東 京 大 学 分 子 細 胞 生 物 学 研 究 所<br />

教 授<br />

戦 略 目 標<br />

疾 患 の 予 防 ・ 診 断 ・ 治 療 や 再 生 医 療 の<br />

実 現 等 に 向 けたエピゲノム 比 較 による<br />

疾 患 解 析 や 幹 細 胞 の 分 化 機 構 の 解 明<br />

等 の 基 盤 技 術 の 創 出<br />

細 胞 は、 遺 伝 子 セットの 発 現 ( 利 用 )<br />

の 組 合 せを 変 えることにより 特 有 の 機<br />

能 を 有 するように 分 化 します。この 過<br />

程 では、DNAを 収 納 するクロマチンの<br />

構 造 が 変 化 することにより、 遺 伝 子 の<br />

発 現 パターンが 調 節 されます。 本 研 究 では、 免 疫 系 の 抗<br />

体 を 産 生 する 形 質 細 胞 の 分 化 過 程 に 着 目 し、 新 たに 開<br />

発 する 技 術 を 用 いてクロマチン 構 造 の 変 化 を 定 量 的 に<br />

調 べ、その 変 化 をつくり 出 す 仕 組 みを 解 明 し、 免 疫 制 御<br />

機 構 とその 病 態 ( 骨 髄 腫 など)への 関 与 を 理 解 します。<br />

人 間 の 体 は250 種 を 超 える 細 胞 によ<br />

り 成 り 立 っています。それぞれの 細 胞<br />

は 同 じ 配 列 のDNAを 持 ちますが、DN<br />

Aの 修 飾 や 結 合 するたんぱくの 修 飾<br />

(エピゲノム 標 識 )の 違 いが 細 胞 種 の<br />

特 異 性 を 規 定 しています。このエピゲ<br />

ノム 情 報 の 全 体 像 に 迫 るべく、 本 研 究 ではエピゲノム 解<br />

析 技 術 の 開 発 を 行 うとともに、 血 管 内 皮 細 胞 の 大 規 模<br />

エピゲノム 解 析 を 展 開 して、データと 技 術 の 両 面 で 国 際<br />

ヒトエピゲノムコンソーシアム(IHEC)へ 貢 献 します。こ<br />

れらのデータは、 基 礎 研 究 のみならず 創 薬 研 究 に 貢 献<br />

することが 期 待 できます。<br />

研 究 総 括<br />

山 本 雅 之<br />

東 北 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

精 神 疾 患 のエピゲノム 病 態 の 解 明 に<br />

向 けた 新 技 術 創 出<br />

肝 細 胞 誘 導 における<br />

ダイレクトリプログラミング 機 構 の 解 明<br />

とその 応 用<br />

加 藤 忠 史<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 脳 科 学 総 合 研 究 センター<br />

チームリーダー<br />

鈴 木 淳 史<br />

九 州 大 学 生 体 防 御 医 学 研 究 所<br />

准 教 授<br />

副 研 究 総 括<br />

牛 島 俊 和<br />

本 研 究 領 域 は、 細 胞 のエピゲノム 状 態 を 解 析 し、<br />

これと 生 命 現 象 との 関 連 性 を 明 らかにすることによ<br />

り、 健 康 状 態 の 維 持 ・ 向 上 や 疾 患 の 予 防 ・ 診 断 ・<br />

治 療 法 に 資 する、エピゲノム 解 析 に 基 づく 新 原 理<br />

の 発 見 と 医 療 基 盤 技 術 の 構 築 を 目 指 します。<br />

具 体 的 には、がんや 慢 性 疾 患 ( 例 えば、 動 脈 硬<br />

化 、 糖 尿 病 、 神 経 疾 患 、 自 己 免 疫 疾 患 など)におい<br />

て 適 切 な 細 胞 のエピゲノム 解 析 を 行 い、 病 因 また<br />

は 病 態 進 行 の 要 因 となるエピゲノム 異 常 を 見 いだ<br />

すことで、エピゲノムの 変 動 と 維 持 に 関 する 新 原<br />

理 の 発 見 や 画 期 的 な 予 防 ・ 診 断 ・ 治 療 法 に 資 する<br />

基 盤 技 術 の 創 出 を 目 指 す 研 究 を 対 象 とします。ま<br />

た、 幹 細 胞 の 分 化 過 程 の 各 段 階 におけるエピゲノ<br />

ムプロファイルの 比 較 を 行 うことにより 細 胞 分 化 の<br />

メカニズム 解 明 に 挑 む 研 究 や、それを 通 して 組 織<br />

指 向 的 に 細 胞 を 分 化 誘 導 するための 基 盤 技 術 も<br />

対 象 とします。さらに、メチロームやヒストン 修 飾 プ<br />

ロファイルなどのエピゲノムの 効 率 的 な 解 析 ・ 解<br />

読 法 等 の 要 素 技 術 、エピゲノム 制 御 のための 要<br />

素 技 術 の 開 発 を 目 指 す 研 究 なども 含 みます。<br />

本 研 究 領 域 では、 一 部 の 課 題 において 国 際 ヒト<br />

エピゲノムコンソーシアム(International Human<br />

Epigenome Consortium、IHEC)との 連 携 を 進<br />

めます。<br />

領 域 アドバイザー<br />

( 独 ) 国 立 がん 研 究 センター<br />

研 究 所 上 席 副 所 長 ・ 分 野 長<br />

久 保 田 健 夫 山 梨 大 学 大 学 院 医 学 工 学 総 合 研 究 部 教 授<br />

高 木 利 久 東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科 教 授<br />

高 橋 政 代 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 発 生 ・<br />

再 生 科 学 総 合 研 究 センター チームリーダー<br />

田 嶋 正 二 大 阪 大 学 蛋 白 質 研 究 所 教 授<br />

千 葉 勉 京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授<br />

西 島 和 三 持 田 製 薬 ( 株 ) 医 薬 開 発 本 部 専 任 主 事<br />

深 水 昭 吉 筑 波 大 学 生 命 領 域 学 際 研 究 センター 教 授<br />

本 橋 ほづみ 東 北 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 准 教 授<br />

諸 橋 憲 一 郎 九 州 大 学 大 学 院 医 学 研 究 院 教 授<br />

吉 田 稔 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 基 幹 研 究 所<br />

グループディレクター<br />

遺 伝 情 報 を 担 うDNAが、 環 境 の 影 響<br />

でメチル 化 などの 変 化 を 受 けると、 遺<br />

伝 子 の 働 きが 変 化 します。これが 精 神<br />

疾 患 の 原 因 の1つになる 可 能 性 が 考<br />

えられますが、 脳 はさまざまな 細 胞 を 含<br />

むため、 分 析 が 難 しく、はっきりしたことはわかっていませ<br />

ん。 本 研 究 では、 脳 から 神 経 細 胞 のDNAを 取 り 出 して<br />

分 析 する 最 先 端 技 術 を 開 発 し、これを 用 いて 脳 における<br />

メチル 化 などのDNAの 変 化 を 詳 しく 調 べ、 動 物 実 験 の<br />

結 果 と 比 較 することにより、 脳 のエピゲノムと 精 神 疾 患<br />

の 関 係 の 解 明 を 目 指 します。<br />

ヒト 消 化 器 上 皮 細 胞 の 標 準 エピゲノム<br />

解 析 と 解 析 技 術 開 発<br />

金 井 弥 栄<br />

本 研 究 は、ヒトの 体 を 構 成 するさまざま<br />

な 細 胞 における 正 常 のエピゲノム<br />

( 遺 伝 子 発 現 のオン・オフを 制 御 する<br />

DNAメチル 化 ・ヒストン 修 飾 などの 仕<br />

組 みの 全 体 像 )を 明 らかにする、 国 際<br />

ヒトエピゲノムコンソーシアム(IHEC)<br />

に 貢 献 します。 胃 ・ 大 腸 ・ 肝 臓 といった 消 化 器 の 細 胞 の<br />

エピゲノムを 明 らかにし、 解 析 技 術 開 発 を 行 うことにより、<br />

国 際 貢 献 を 果 たします。 研 究 成 果 はデータベースとして<br />

公 開 し、 世 界 の 研 究 者 に 参 照 されることで、がんなどの<br />

病 気 に 関 わるエピゲノム 異 常 の 同 定 を 効 率 化 し、 診 断 ・<br />

治 療 法 の 革 新 に 結 びつくと 期 待 されます。<br />

白 川 昌 宏<br />

( 独 ) 国 立 がん 研 究 センター 研 究 所 分 子 病 理<br />

分 野 副 所 長 ・ 分 野 長<br />

幹 細 胞 における 多 分 化 能 性 維 持 の<br />

分 子 機 構 とエピゲノム 構 造 の 三 次 元 的<br />

解 析<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

多 分 化 能 性 を 有 するES 細 胞 ・iPS 細<br />

胞 などは、 特 有 のエピゲノム 構 造 を 持<br />

ち、それは 分 化 に 伴 い 大 きく 変 換 しま<br />

す。これは、ゲノム 上 の 特 定 領 域 のD<br />

NAメチル 化 ・ 脱 メチル 化 部 位 の 核 内<br />

における 空 間 的 位 置 の 変 化 によって<br />

規 定 されます。 本 研 究 では、DNA 脱 メチル 化 の 分 子 機<br />

構 、および 核 内 空 間 におけるメチル 化 ・ 脱 メチル 化 部 位<br />

の 分 布 を 解 析 することで、 多 分 化 能 性 を 規 定 するエピゲ<br />

ノム 構 造 を 解 明 することを 目 的 とします。また、エピゲノム<br />

状 態 の 発 現 型 として 細 胞 骨 格 の 成 熟 化 ・ 秩 序 化 に 注 目<br />

し、その 新 規 な 計 測 手 法 を 提 案 します。<br />

本 研 究 では、 最 近 明 らかになった 皮 膚<br />

細 胞 から 肝 細 胞 への 直 接 的 な 運 命<br />

転 換 (ダイレクトリプログラミング)をエ<br />

ピゲノム 情 報 の 再 構 成 として 捉 え、 細<br />

胞 のエピゲノム 情 報 に 立 脚 した 細 胞<br />

運 命 転 換 の 制 御 メカニズムを 明 らかに<br />

します。そして、 得 られる 結 果 から、 細 胞 運 命 を 規 定 する<br />

特 定 因 子 の 働 きとエピゲノム 情 報 の 再 構 成 をつなぐ 新<br />

原 理 の 発 見 や、ヒト 皮 膚 細 胞 からの 肝 細 胞 誘 導 とエピ<br />

ゲノム 情 報 の 人 為 的 操 作 に 基 づく 革 新 的 な 治 療 ・ 検 査<br />

技 術 の 開 発 を 目 指 します。<br />

高 次 エピゲノム 機 構 の 作 動 原 理 と<br />

医 学 的 意 義 の 解 明<br />

中 尾 光 善<br />

熊 本 大 学 発 生 医 学 研 究 所<br />

教 授<br />

エピゲノムの 制 御 機 構 には、DNAメチ<br />

ル 化 、ヒストン 修 飾 、クロマチン・ルー<br />

プの 形 成 、 核 内 ドメインの 構 築 があり、<br />

これらの 各 階 層 が 協 調 して 遺 伝 子 制<br />

御 を 可 能 にしています。 本 研 究 では、<br />

クロマチン・ループ 形 成 と 核 内 ドメイン<br />

で 構 成 される 高 次 エピゲノム 機 構 の 時 空 間 的 な 作 動 原<br />

理 を 明 らかにし、 細 胞 状 態 を 客 観 的 に 理 解 する 計 測 モ<br />

デルを 提 示 します。さらに、 疾 患 遺 伝 子 座 の 高 次 制 御 と<br />

その 計 測 モデルに 基 づいて、 先 進 医 療 応 用 を 目 指 した<br />

細 胞 同 定 法 や、 疾 患 の 予 防 ・ 診 断 ・ 治 療 につながる 新 た<br />

な 技 術 基 盤 を 創 出 します。<br />

エピゲノム 創 薬 による<br />

広 汎 性 発 達 障 害 の 克 服<br />

萩 原 正 敏<br />

京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科<br />

教 授<br />

自 閉 症 をはじめとする 広 汎 性 発 達 障<br />

害 はコミュニケーション 能 力 の 欠 如 な<br />

ど 多 様 な 神 経 症 状 を 呈 します。 患 者 数<br />

も 多 く、また、その 社 会 適 応 の 困 難 さか<br />

ら 社 会 的 対 応 が 必 要 ですが、 診 断 が<br />

困 難 で 治 療 法 も 確 立 していません。 本 研 究 では、 広 汎<br />

性 発 達 障 害 はエピゲノム 制 御 異 常 に 起 因 するトランスク<br />

リプトーム 異 常 によって 引 き 起 こされるのではないかとの<br />

独 自 の 仮 説 をもとに、 疾 患 モデルマウスやiPS 細 胞 を 作<br />

成 し、 新 たな 診 断 技 術 や 治 療 薬 の 開 発 を 目 指 します。<br />

20

生 活 習 慣 病 による 進 行 性 腎 障 害 に<br />

関 わるエピジェネティック 異 常 の 解 明 と<br />

診 断 ・ 治 療 への 応 用<br />

エピゲノム 成 立 の 分 子 メカニズム 解 明<br />

と 制 御<br />

藤 田 敏 郎<br />

東 京 大 学 先 端 科 学 技 術 研 究 センター<br />

特 任 教 授<br />

仲 野<br />

徹<br />

大 阪 大 学 大 学 院 生 命 機 能 研 究 科 教 授<br />

糖 尿 病 、 高 血 圧 による 透 析 導 入 患 者<br />

数 は 増 加 しており、 腎 機 能 の 低 下 が<br />

心 臓 や 血 管 の 病 気 のリスクとなること<br />

からも 早 期 に 腎 機 能 低 下 を 防 ぐため<br />

の 医 療 が 急 務 です。 本 研 究 では、 糖<br />

尿 病 腎 症 をモデルにエピゲノム 制 御 機 構 の 異 常 が 生 じ<br />

るメカニズムを 明 らかにします。さらにエピゲノム 制 御 を<br />

ターゲットにした 生 活 習 慣 病 の 新 規 診 断 法 の 開 発 、 治<br />

療 創 薬 の 基 盤 形 成 を 目 指 します。<br />

細 胞 の 発 生 ・ 分 化 や 疾 患 の 発 症 には<br />

エピゲノムの 状 態 が 大 きく 関 与 してい<br />

ます。この 研 究 では、エピゲノム 状 態<br />

が 最 もダイナミックに 変 化 する、 初 期<br />

胚 と 生 殖 細 胞 について、エピゲノムが<br />

緻 密 に 作 られることに 関 係 しているタンパク 質 の 役 割 や<br />

新 しいRNAを 明 らかにします。また、その 成 果 に 基 づい<br />

て、エピゲノムの 形 成 を 制 御 する 新 しい 方 法 の 開 発 を 行<br />

います。マウスを 用 いて、ヒトでも 共 通 であると 考 えられる<br />

根 本 的 な 原 理 を 解 明 します。<br />

平 成 24 年 度 採 択<br />

エピゲノム 変 異 誘 導 に 対 する<br />

調 整 因 子 ・ 抵 抗 因 子 の 同 定<br />

金 田 篤 志<br />

東 京 大 学 先 端 科 学 技 術 研 究 センター<br />

特 任 准 教 授<br />

エピゲノムは 生 命 の 様 々な 振 る 舞 いを<br />

コントロールします。 例 えば、 細 胞 は 異 常<br />

なストレスを 受 けると、 予 めプログラムさ<br />

れた" 正 常 な"エピゲノム 変 化 を 起 こしま<br />

す。 一 方 、 異 常 なエピゲノム 変 化 を 重 ね<br />

るとがんの 原 因 になりますので、そのようなエピゲノム 変 化<br />

は 防 ぐ 必 要 があります。この 研 究 では、 正 常 なエピゲノム<br />

変 化 の 調 整 因 子 と 異 常 なエピゲノム 変 化 に 対 する 抵 抗<br />

因 子 を 解 明 し、エピゲノムによる 生 命 制 御 の 仕 組 みや、 調<br />

整 ・ 抵 抗 因 子 の 異 常 による 疾 患 リスクを 明 らかにします。<br />

ダウン 症 に 合 併 するTAMをモデルと<br />

したがんの 発 症 と 退 縮 に 関 わる<br />

エピジェネティクスの 解 析<br />

京 都 大 学 iPS 細 胞 研 究 所 特 定 拠 点 教 授<br />

中 畑 龍 俊<br />

一 過 性 骨 髄 異 常 増 殖 症 (TAM)は、<br />

染 色 体 異 常 症 であるダウン 症 の 方 に、<br />

出 生 後 10~20%の 割 合 で 見 られる<br />

一 時 的 な 病 態 です。 白 血 病 に 似 てい<br />

ますが、 自 然 に 消 褪 するという 特 徴 が<br />

あります。 本 研 究 ではTAMをモデルとして、1)がんの 退<br />

縮 に 関 わるエピジェネティックな 変 化 を、2)TAMから 真<br />

の 白 血 病 発 症 に 至 るエピジェネティックな 変 化 を、そして、<br />

3)ダウン 症 における 胎 児 期 のゲノム 不 安 定 性 をもたら<br />

すメカニズムを、 明 らかにすることを 目 標 とします。<br />

エピゲノム ライフイノベーション<br />

生 殖 発 生 にかかわる 細 胞 のエピゲノム<br />

解 析 基 盤 研 究<br />

佐 々 木 裕 之<br />

九 州 大 学 生 体 防 御 医 学 研 究 所 教 授<br />

JSTは 国 際 ヒトエピゲノムコンソーシアム<br />

(IHEC)に 参 加 し、 多 くの 疾 患 の 克 服 や<br />

再 生 医 療 の 基 盤 となる 標 準 エピゲノム<br />

の 解 明 に 貢 献 しています。 本 研 究 では、<br />

生 殖 発 生 に 関 与 する 胎 盤 の4 種 類 の 細<br />

胞 、および 子 宮 内 膜 の3 種 類 の 細 胞 について 標 準 エピゲノ<br />

ムを 明 らかにし、 国 際 的 に 活 用 されるようにします。また、その<br />

ためのエピゲノム 解 析 技 術 を 確 立 し、 新 たな 技 術 開 発 にも<br />

挑 みます。さらに、 明 らかにした 標 準 エピゲノムを 利 用 して、 妊<br />

娠 高 血 圧 症 候 群 ・ 全 胞 状 奇 胎 ・ 子 宮 内 膜 症 の 病 態 解 明 を<br />

行 い、 乏 精 子 症 でのメチローム 解 析 を 通 して 生 殖 補 助 医 療<br />

の 改 善 にも 貢 献 します。<br />

ヒストンリジンメチル 化 制 御 系 に 基 づく<br />

脳 機 能 の 理 解 と 治 療 戦 略 への 展 開<br />

眞 貝 洋 一<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 基 幹 研 究 所 主 任 研 究 員<br />

エピゲノムの 調 節 異 常 が 様 々な 疾 患 に<br />

関 わっていることが 明 らかになってきてい<br />

ます。この 研 究 では、モデル 動 物 を 用 い<br />

てヒストンメチル 化 調 節 異 常 がどのよう<br />

に 精 神 神 経 活 動 やその 発 達 に 関 係 して<br />

いるのか、また、その 調 節 異 常 を 補 うことで 症 状 の 改 善 (ある<br />

いは 完 治 )が 可 能 かどうかを 明 らかにします。さらに、ヒトの 先<br />

天 異 常 症 、 小 児 期 および 成 人 期 の 精 神 疾 患 でも 類 似 の 異<br />

常 があるかを 調 べます。エピゲノム 調 節 異 常 の 視 点 から、こ<br />

れらの 疾 患 の 病 態 の 解 明 と 治 療 法 の 樹 立 に 近 づきます。<br />

21

生 命 動 態 の 理 解 と<br />

制 御 のための<br />

基 盤 技 術 の 創 出<br />

戦 略 目 標<br />

生 命 現 象 の 統 合 的 理 解 や 安 全 で 有 効<br />

性 の 高 い 治 療 の 実 現 等 に 向 けたin<br />

silico/in vitroでの 細 胞 動 態 の 再 現<br />

化 による 細 胞 と 細 胞 集 団 を 自 在 に 操 る<br />

技 術 体 系 の 創 出<br />

平 成 24 年 度 採 択<br />

神 経 系 まるごとの 観 測 データに 基 づく<br />

神 経 回 路 の 動 作 特 性 の 解 明<br />

飯 野 雄 一<br />

東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

ヒトや 他 の 動 物 の 脳 は 無 数 の 神 経 が<br />

網 目 状 に 結 びついて 情 報 を 処 理 して<br />

いますが、 実 際 の 神 経 回 路 がどのよう<br />

に 演 算 し、 情 報 処 理 しているのかはよ<br />

くわかっていません。 本 研 究 では、 神<br />

経 の 数 が 少 なく 各 神 経 のつながり 方 がすべてわかって<br />

いる 線 虫 を、 生 きたまま 独 自 に 開 発 した 共 焦 点 顕 微 鏡 シ<br />

ステムで 立 体 的 に 並 んだ 多 数 の 神 経 の 活 動 を 連 続 的<br />

に 観 測 すると 共 に、シミュレーションにより 感 覚 系 から 行<br />

動 制 御 系 への 情 報 伝 達 を 担 う 神 経 回 路 の 情 報 処 理 原<br />

理 を 明 らかにします。<br />

動 物 の 形 態 形 成 の 分 子 メカニズムの<br />

探 求 と 形 を 操 る 技 術 の 創 出<br />

近 藤<br />

滋<br />

大 阪 大 学 大 学 院 生 命 機 能 研 究 科<br />

教 授<br />

Turingの 反 応 拡 散 モデルは、 生 物 の 自 律 的 なパ<br />

ターン 形 成 を 説 明 できる 理 論 の 代 表 的 なもので<br />

す。 研 究 代 表 者 は、ゼブラフィッシュの 皮 膚 模 様<br />

を 用 いてTuring 波 形 成 原 理 の 研 究 を 進 めてきま<br />

したが、 最 近 詳 細 な 分 子 細 胞 レベルの 原 理 を 明<br />

らかにし、 皮 膚 模 様 を 自 在 に 改 変 する 事 にも 成 功<br />

しました。 本 研 究 においては、これまでに 皮 膚 模 様 形 成 で 得 られた 知 見 が<br />

他 の 形 態 形 成 現 象 に 応 用 できるという 想 定 の 下 に、 脊 椎 動 物 の 骨 を 含<br />

む 様 々な 臓 器 ・ 器 官 の 形 成 において、 数 理 モデル 構 築 および 実 験 的 な<br />

証 明 を 行 います。その 際 、 従 来 の 発 生 学 で 重 要 視 されていた、リガンドの<br />

拡 散 によるシグナル 伝 達 だけでなく、 力 学 的 な 刺 激 や 細 胞 の 突 起 による<br />

直 接 刺 激 等 も 考 慮 することで、より 普 遍 的 な 原 理 の 発 見 と 共 に、 将 来 的<br />

に 臓 器 ・ 器 官 の 形 態 を 制 御 する 技 術 の 創 出 につなげることを 目 指 します。<br />

研 究 総 括<br />

山 本 雅<br />

生 命 体 は 環 境 刺 激 に 応 答 する 機 構 とホメオスタ<br />

シス 維 持 機 構 の 動 的 バランスにたっています。 本<br />

研 究 領 域 では、ゲノムやたんぱく 質 ・ 脂 質 をはじめ<br />

とする 生 体 高 分 子 が 織 り 成 す 生 命 現 象 を 無 細 胞<br />

系 、 細 胞 、 細 胞 集 団 のレベルで 観 察 ・ 実 験 ・ 計 測 し、<br />

この 生 命 体 の 動 的 システムを 時 空 間 の 視 点 で 統<br />

合 的 に 理 解 することを 目 指 します。 同 時 に、これら<br />

の 研 究 を 基 盤 として、 生 命 現 象 を 自 在 に 操 る 技 術<br />

の 創 出 を 追 求 します。<br />

具 体 的 には、 近 年 急 速 に 発 展 した 高 速 ・ 高 分 解<br />

能 の 計 測 ・ 分 析 技 術 や 数 学 、 物 理 学 、 工 学 、 情<br />

報 ・ 計 算 科 学 などを 含 む 先 端 科 学 を 生 命 科 学 と 融<br />

合 し、 従 来 のアプローチでは 踏 み 込 めなかった 動<br />

的 かつ 複 雑 な 生 命 現 象 の 作 動 原 理 を 解 明 しよう<br />

とする 研 究 を 対 象 とします。 生 命 体 の 動 的 システム<br />

を 数 理 科 学 に 基 づくモデリングやシミュレーション<br />

を 活 用 して 理 解 するなど、 新 しい 方 法 論 の 確 立 に<br />

つながる 学 際 的 視 点 を 持 つ 先 導 的 な 研 究 を 推 奨<br />

します。<br />

領 域 アドバイザー<br />

沖 縄 科 学 技 術 大 学 院 大 学<br />

細 胞 シグナルユニット 教 授<br />

秋 山 徹 東 京 大 学 分 子 細 胞 生 物 学 研 究 所 所 長 / 教 授<br />

浅 井 潔 東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科 教 授 /<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 生 命 情 報 工 学<br />

研 究 センター 研 究 センター 長<br />

巖 佐 庸 九 州 大 学 大 学 院 理 学 研 究 院 教 授<br />

加 藤 毅 京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

鈴 木 貴 大 阪 大 学 大 学 院 基 礎 工 学 研 究 科 教 授<br />

高 田 彰 二 京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 准 教 授<br />

竹 縄 忠 臣 神 戸 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 特 命 教 授<br />

豊 柴 博 義 武 田 薬 品 工 業 株 式 会 社 医 薬 研 究 本 部<br />

生 物 分 子 研 究 所 主 席 研 究 員<br />

中 野 明 彦 東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授 /<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 基 幹 研 究 所 主 任 研 究 員<br />

西 川 伸 一 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 発 生 ・ 再 生 科 学 総 合 研 究<br />

センター 副 センター 長 /グループディレクター<br />

深 見 希 代 子 東 京 薬 科 大 学 生 命 科 学 部 学 部 長 / 教 授<br />

本 多 久 夫 兵 庫 大 学 健 康 科 学 部 教 授<br />

三 品 昌 美 立 命 館 大 学 総 合 理 工 学 研 究 機 構 客 員 教 授<br />

吉 田 佳 一 ( 株 ) 島 津 製 作 所 常 務 執 行 役 員 /<br />

技 術 研 究 副 担 当 / 基 盤 技 術 研 究 所 長<br />

細 胞 増 殖 と 分 化 における 遺 伝 子 発 現<br />

振 動 の 動 態 解 明 と 制 御<br />

影 山 龍 一 郎<br />

細 胞 増 殖 や 分 化 過 程 では、 多 くの 遺<br />

伝 子 発 現 が 振 動 しています。この 発<br />

現 振 動 を 阻 害 すると 細 胞 増 殖 や 分 化<br />

が 抑 制 されますが、その 分 子 機 序 はよ<br />

くわかっていません。また、 細 胞 間 で 発<br />

現 振 動 が 同 位 相 化 すると 均 一 な、 位 相 がずれると 多 様<br />

な 細 胞 集 団 になると 考 えられますが、この 位 相 制 御 機 構<br />

もわかっていません。 本 研 究 では、 数 理 モデルをもとに 予<br />

測 と 検 証 実 験 を 行 い、 発 現 振 動 と 位 相 制 御 の 意 義 ・ 原<br />

理 を 解 明 し、 細 胞 の 増 殖 と 分 化 の 制 御 を 目 指 します。<br />

時 間 情 報 コードによる 細 胞 制 御 システム<br />

の 解 明<br />

黒 田 真 也<br />

生 命 現 象 を 制 御 するシグナル 伝 達 経<br />

路 は、 同 一 の 経 路 でも 一 過 性 や 持 続<br />

性 、 周 期 性 などの 時 間 パターンにより<br />

異 なる 生 理 機 能 を 選 択 的 に 制 御 でき<br />

ます。これはシグナル 分 子 は 情 報 を<br />

コードするための 媒 体 であり、シグナル<br />

分 子 の 活 性 化 の 時 間 パターンこそが 情 報 の 実 体 である<br />

ことを 意 味 しています。 本 研 究 では、 生 体 内 においてイン<br />

スリンの 一 過 性 、 持 続 性 、 周 期 性 の 時 間 パターンにより<br />

代 謝 を 選 択 的 に 制 御 するインスリンシグナリングに 着 目<br />

して、 時 間 情 報 コードのメカニズムと 生 理 的 意 義 を 実 験<br />

と 数 理 解 析 の 融 合 研 究 で 解 明 します。<br />

洪<br />

実<br />

京 都 大 学 ウイルス 研 究 所<br />

東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科<br />

慶 應 義 塾 大 学 医 学 部<br />

教 授<br />

教 授<br />

教 授<br />

動 的 遺 伝 子 ネットワークの 多 次 元 構 造<br />

解 析 による 高 精 度 な 細 胞 分 化 制 御 技 術<br />

の 開 発<br />

本 研 究 では、ヒト 幹 細 胞 の 形 態 と 機 能<br />

を 調 節 する 転 写 因 子 全 てを、ひとつず<br />

つ 操 作 することによって、 全 遺 伝 子 の<br />

発 現 パターンが 時 間 とともに、どのよう<br />

に 変 化 していくかを 詳 細 に 調 べます。<br />

この 前 例 のない 大 規 模 かつ 高 精 度 の<br />

データを 最 新 のコンピュータで 解 析 することによって、 今<br />

まで 不 可 能 とされてきた、 多 様 で 複 雑 な 転 写 因 子 ネット<br />

ワークの 構 造 とその 動 態 解 明 に 挑 みます。ネットワークを<br />

人 為 的 に 精 密 制 御 できる 方 法 を 開 発 することで、 生 命<br />

の 数 理 的 理 解 をめざすのみならず、 再 生 医 療 、 医 療 工<br />

学 で 必 要 とされる 様 々な 細 胞 種 を 自 由 自 在 に 創 り 出 す<br />

基 盤 技 術 も 創 出 します。<br />

22

炎 症 の 慢 性 化 機 構 の<br />

解 明 と 制 御 に 向 けた<br />

基 盤 技 術 の 創 出<br />

平 成 22 年 度 採 択<br />

RNA 階 層 における 炎 症 の 時 間 軸 制<br />

御 機 構 の 解 明<br />

淺 原 弘 嗣<br />

東 京 医 科 歯 科 大 学 大 学 院 医 歯 学 総 合 研 究 科<br />

教 授<br />

炎 症 の 慢 性 化 における 造 血 幹 細 胞 ・<br />

前 駆 細 胞 ニッチの 役 割 とその 制 御<br />

長 澤 丘 司<br />

京 都 大 学 再 生 医 科 学 研 究 所<br />

教 授<br />

戦 略 目 標<br />

炎 症 の 慢 性 化 機 構 の 解 明 に 基 づく、が<br />

ん・ 動 脈 硬 化 性 疾 患 ・ 自 己 免 疫 疾 患 等<br />

の 予 防 ・ 診 断 ・ 治 療 等 の 医 療 基 盤 技 術<br />

の 創 出<br />

慢 性 炎 症 は、 私 たちの 健 康 を 脅 かす<br />

多 くの 病 気 に 関 わりますが、そのメカニ<br />

ズムは 未 だよくわかっていません。 本<br />

研 究 では、 代 表 的 な 慢 性 炎 症 の 一 つ<br />

である 関 節 リウマチをモデルに、マイク<br />

ロRNAというタンパクにならずに 役 割 を 果 たす 新 しい 分<br />

子 群 に 注 目 し、 新 規 の 高 速 RNA 解 析 装 置 の 開 発 や 次<br />

世 代 シークエンサーの 導 入 を 通 して、 今 まで 不 明 であっ<br />

たRNAレベルでの 炎 症 の 終 息 もしくは 遷 延 化 機 構 を 明<br />

らかにします。これによって、 関 節 リウマチをはじめとした<br />

炎 症 疾 患 治 療 および 診 断 に 貢 献 することを 目 指 します。<br />

従 来 の 慢 性 炎 症 の 研 究 では、 炎 症 局<br />

所 での 病 変 が 注 目 されてきましたが、<br />

慢 性 炎 症 の 主 役 となる 免 疫 担 当 細<br />

胞 の 産 生 と 動 員 を 調 節 する 造 血 ニッ<br />

チと 呼 ばれる 司 令 塔 の 役 割 を 理 解 す<br />

ることも 大 変 重 要 です。 造 血 ニッチの<br />

実 体 は 長 年 不 明 でしたが 、 私 たちは ケ モカイン<br />

CXCL12を 高 発 現 する 突 起 を 持 ったCAR 細 胞 が 造 血<br />

ニッチであることを 発 見 しました。そこで、 慢 性 炎 症 にお<br />

けるCAR 細 胞 の 働 きを 解 明 することにより、 新 しい 視 点<br />

からその 病 態 の 理 解 を 大 きく 進 め、ニッチを 標 的 とした 新<br />

しい 治 療 法 の 樹 立 につなげる 研 究 を 提 案 します。<br />

研 究 総 括<br />

宮 坂 昌 之<br />

大 阪 大 学 未 来 戦 略 機 構<br />

特 任 教 授<br />

本 研 究 領 域 では、 炎 症 が 慢 性 化 する 機 構 を 明 ら<br />

かにし、 慢 性 炎 症 を 早 期 に 検 出 し、 制 御 し、 消 退 さ<br />

せ、 修 復 する 基 盤 技 術 の 創 出 を 目 的 とします。<br />

具 体 的 には、(1) 炎 症 制 御 の 破 綻 機 構 を 明 らか<br />

にすることにより、 炎 症 の 慢 性 化 を 誘 導 、 維 持 する<br />

因 子 を 同 定 する、(2) 炎 症 の 慢 性 化 によりどのよう<br />

にして 特 定 の 疾 患 (がん、 神 経 変 性 疾 患 、 動 脈 硬<br />

化 性 疾 患 などを 含 む)が 発 症 するのか、その 機 序 を<br />

明 らかにし、 制 御 する 基 盤 技 術 を 創 出 する、(3) 炎<br />

症 の 慢 性 化 の 早 期 発 見 お よび 定 量 的 な 評 価 を<br />

可 能 にする 基 盤 技 術 を 創 出 する、などを 目 指 した 研<br />

究 を 対 象 とします。なかでも、 従 来 の 基 礎 のみ、ある<br />

いは 臨 床 のみの 研 究 ではなく、 十 分 なエビデンスに<br />

基 づいた 知 見 を 高 次 炎 症 調 節 機 構 の 理 解 にまで<br />

昇 華 させ、 新 たな 先 制 医 療 基 盤 技 術 の 開 発 につな<br />

げられるような 視 点 をもつ 研 究 を 重 視 します。<br />

次 世 代 の 生 体 イメージングによる 慢 性<br />

炎 症 マクロファージの 機 能 的 解 明<br />

石 井<br />

優<br />

大 阪 大 学 免 疫 学 フロンティア 研 究 センター<br />

特 任 教 授<br />

メタボリック 症 候 群 やがんなどの 成 人<br />

病 は、 慢 性 的 な 炎 症 によって 引 き 起 こ<br />

されることが 最 近 明 らかになっていま<br />

す。 本 研 究 では 近 年 の 科 学 技 術 の 進<br />

歩 により 可 能 となった、 体 の 中 を 生 き<br />

たままで 観 察 する「 生 体 イメージング」<br />

の 技 術 をさらに 発 展 させて、 細 胞 の 質 的 変 化 を 追 跡 した<br />

り、 光 を 使 って 単 一 の 細 胞 機 能 を 操 作 する「 次 世 代 の<br />

生 体 イメージング 法 」を 開 発 します。さらにこれを 用 いて、<br />

炎 症 で 重 要 な 役 割 を 果 たすマクロファージがどのように<br />

病 気 の 発 症 に 関 与 するのかを 統 合 的 かつ 実 体 的 に 解<br />

明 し、 成 人 病 に 対 する 画 期 的 な 治 療 法 の 開 発 を 目 指 し<br />

ます。<br />

脳 内 免 疫 担 当 細 胞 ミクログリアを 主<br />

軸 とする 慢 性 難 治 性 疼 痛 発 症 メカニ<br />

ズムの 解 明<br />

プロスタグランジンを 引 き 金 とする 炎<br />

症 慢 性 化 機 構 の 解 明<br />

成 宮<br />

周<br />

京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科<br />

教 授<br />

プロスタグランジンは、 急 性 炎 症 の 痛<br />

みや 腫 れ、 発 熱 などを 起 こす 物 質 です。<br />

最 近 の 私 たちの 研 究 により、この 物 質<br />

が、 免 疫 病 やアレルギー、 肺 線 維 症 、<br />

脳 動 脈 瘤 など 慢 性 炎 症 関 連 疾 患 に<br />

も 関 わっていることが 明 らかになってき<br />

ました。 本 研 究 では、プロスタグランジンによる 遺 伝 子 発<br />

現 制 御 を 介 した 炎 症 慢 性 化 機 構 を 明 らかにし、 炎 症 によ<br />

り 促 進 されるがん、 代 謝 病 、 精 神 疾 患 への 関 与 を 検 討 し<br />

ます。また、この 過 程 に 関 わる 分 子 群 の 構 造 解 析 を 行 い、<br />

炎 症 の 慢 性 化 を 制 御 する 薬 物 の 開 発 基 盤 の 構 築 を 目<br />

指 します。<br />

慢 性 炎 症 に 伴 う 臓 器 線 維 化 の 分 子 ・<br />

細 胞 基 盤<br />

生 命 動 態 ライフイノベーション<br />

慢 性 炎 症 ライフイノベーション<br />

井 上 和 秀<br />

九 州 大 学 大 学 院 薬 学 研 究 院 教 授<br />

松 島 綱 治<br />

東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

領 域 アドバイザー<br />

稲 垣 暢 也 京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授<br />

今 村 健 志 愛 媛 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

植 松 智 東 京 大 学 医 科 学 研 究 所 特 任 教 授<br />

大 杉 義 征 前 中 外 製 薬 ( 株 )プライマリー 学 術 情 報 部<br />

部 長 ・サイエンスディレクター<br />

高 昌 星 信 州 大 学 医 学 部 教 授<br />

高 柳 広 東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

瀧 原 圭 子 大 阪 大 学 保 健 センター/<br />

大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

世 の 中 には 痛 みの 原 因 や 炎 症 が 消 失<br />

しても 持 続 慢 性 化 する 難 治 性 疼 痛 が<br />

あります。 神 経 障 害 、 糖 尿 病 、 抗 がん<br />

剤 、がん 細 胞 の 浸 潤 などにより 生 じ、<br />

既 存 の 鎮 痛 薬 が 効 きにくく、 苦 しむ 患<br />

者 が 世 界 で2、000 万 人 以 上 もいます。 私 たちはこれま<br />

でに、 脳 内 免 疫 担 当 細 胞 ミクログリアがその 発 症 に 極 め<br />

て 重 要 な 役 割 を 担 うことを 発 見 していました。 本 研 究 で<br />

は、 難 治 性 疼 痛 の 発 症 ・ 維 持 ・ 慢 性 化 メカニズムを、ミク<br />

ログリアと 免 疫 ・ 炎 症 との 関 係 から 解 明 し、 優 れた 治 療<br />

薬 の 創 製 に 寄 与 することを 目 指 します。<br />

慢 性 炎 症 に 伴 う 臓 器 の 線 維 化 は、 重<br />

篤 な 機 能 障 害 をもたらします。 本 研 究<br />

では、 線 維 化 の 中 心 細 胞 である 筋 線<br />

維 芽 細 胞 の 起 源 を 検 証 し、その 分 化 ・<br />

動 員 経 路 をケモカインやその 他 の 液<br />

性 因 子 などを 中 心 に 解 析 します。また、 臓 器 線 維 化 に 伴<br />

うエピゲノム 変 化 に 基 づく 遺 伝 子 発 現 制 御 を 明 らかにし<br />

ます。さらに、これらの 情 報 に 基 づき、マウス 線 維 症 モデ<br />

ルでの 治 療 実 験 ならびに 臨 床 での 検 証 を 行 い、ヒト 線<br />

維 化 疾 患 の 予 防 ・ 治 療 への 応 用 を 目 指 します。<br />

村 上 正 晃 大 阪 大 学 大 学 院 生 命 機 能 研 究 科 /<br />

医 学 系 研 究 科 / 免 疫 学 フロンティア 研 究<br />

センター 准 教 授<br />

横 溝 岳 彦 順 天 堂 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授<br />

吉 村 昭 彦 慶 應 義 塾 大 学 医 学 部 教 授<br />

炎 症 性 腸 疾 患 の 慢 性 化 制 御 機 構 の<br />

解 明 と 治 療 戦 略 の 基 盤 構 築<br />

平 成 23 年 度 採 択<br />

老 化 関 連 疾 患 における 慢 性 炎 症 の 病<br />

態 生 理 学 的 意 義 の 解 明<br />

清 野<br />

宏<br />

東 京 大 学 医 科 学 研 究 所 教 授<br />

小 室 一 成<br />

大 阪 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

健 常 人 の 腸 管 では、 腸 内 共 生 細 菌 と<br />

粘 膜 免 疫 担 当 細 胞 群 が 巧 妙 かつ 洗<br />

練 された 恒 常 性 維 持 機 構 を 構 築 して<br />

います。 一 方 、このシステムが 破 綻 す<br />

ると、クローン 病 や 潰 瘍 性 大 腸 炎 と<br />

いった 難 治 性 の 慢 性 炎 症 性 腸 疾 患 の 発 症 に 繋 がりま<br />

す。 本 研 究 では、 腸 管 組 織 内 共 生 細 菌 、 上 皮 細 胞 糖 鎖 、<br />

腸 管 粘 膜 自 然 免 疫 細 胞 をターゲットとし、 腸 管 の 恒 常 性<br />

維 持 および 破 綻 のメカニズムを 解 明 する 事 により、 慢 性<br />

炎 症 性 腸 疾 患 の 新 規 治 療 ・ 予 防 ・ 診 断 法 の 開 発 を 目 指<br />

します。<br />

老 化 に 伴 っておこる 慢 性 炎 症 が、 心 不<br />

全 ・ 糖 尿 病 ・ 動 脈 硬 化 など、 加 齢 により<br />

増 加 する 疾 患 の 発 症 と 関 連 することが<br />

わかってきましたが、その 機 序 については<br />

よくわかっていません。 私 たちは、 炎 症 分<br />

子 である 補 体 (C1q)が 加 齢 により 増 加 し、 心 不 全 や 糖 尿<br />

病 の 発 症 に 関 与 することを 発 見 しました。そこで 本 研 究 に<br />

おいて、C1qが 増 加 する 機 序 とその 増 加 が 疾 患 を 発 症 させ<br />

る 機 序 を 明 らかにすることによって、 慢 性 炎 症 による 老 化<br />

関 連 疾 患 の 新 しい 治 療 法 の 開 発 を 目 指 します。<br />

23

気 道 炎 症 の 慢 性 化 機 構 の 解 明 と<br />

病 態 制 御 治 療 戦 略 の 基 盤 構 築<br />

環 境 応 答 破 綻 がもたらす 炎 症 の<br />

慢 性 化 機 構 と 治 療 戦 略<br />

自 然 免 疫 における 転 写 後 調 節 を 介 した<br />

慢 性 炎 症 抑 制 メカニズムの 解 析<br />

中 山 俊 憲<br />

千 葉 大 学 大 学 院 医 学 研 究 院<br />

教 授<br />

山 本 雅 之<br />

東 北 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

竹 内<br />

理<br />

京 都 大 学 ウイルス 研 究 所 教 授<br />

成 人 の 気 管 支 喘 息 や 慢 性 アレルギー<br />

性 鼻 炎 は 難 治 性 で、 現 在 のところ 有<br />

効 な 治 療 法 はありません。これらの 慢<br />

性 炎 症 疾 患 ではアレルゲンなどに 対<br />

する 免 疫 記 憶 が 成 立 し、 異 なったサイ<br />

トカインを 産 生 するヘルパーT(Th) 細 胞 分 画 (Th1/<br />

Th2/Th17 等 )が 記 憶 Th 細 胞 となり 病 態 形 成 に 関 与<br />

すると 考 えられています。そこで、これらの 記 憶 Th 細 胞<br />

分 画 のサイトカイン 産 生 制 御 機 構 に 着 目 した 解 析 を 行 う<br />

ことで 気 道 炎 症 の 慢 性 化 のメカニズムを 解 明 し 治 療 戦<br />

略 の 基 盤 構 築 を 目 指 します。<br />

私 たちの 生 活 環 境 には、 化 学 物 質 、<br />

紫 外 線 、 病 原 微 生 物 、 食 餌 性 毒 物 な<br />

ど 様 々なストレス 要 因 が 存 在 します。こ<br />

れら 環 境 ストレスに 対 する 防 御 の 破 綻<br />

が 種 々の 病 態 を 誘 発 することも 明 らか<br />

になってきました。 本 研 究 では、 環 境<br />

応 答 機 構 の 破 綻 が 慢 性 炎 症 病 態 を 誘 発 するメカニズ<br />

ムの 解 明 に 挑 みます。また、 炎 症 の 治 療 戦 略 として、スト<br />

レス 応 答 系 の 修 復 ・ 正 常 化 の 有 用 性 を 検 討 します。 本<br />

研 究 の 成 果 は、 環 境 要 因 と 慢 性 炎 症 病 態 との 関 係 の<br />

理 解 を 進 め、 難 治 性 慢 性 疾 患 の 効 率 的 な 治 療 技 術 の<br />

確 立 をもたらすものと 期 待 されます。<br />

マクロファージや 樹 状 細 胞 などにより<br />

担 われる 自 然 免 疫 は、 感 染 に 対 する<br />

初 期 応 答 に 重 要 であり、その 活 性 化<br />

と 抑 制 機 構 がバランス 良 く 調 節 されて<br />

います。しかし、 自 然 免 疫 活 性 化 が 長<br />

引 くと、 慢 性 炎 症 性 疾 患 の 発 症 につながります。 本 研 究<br />

では、 自 然 免 疫 細 胞 の 活 性 化 調 節 メカニズムを、 転 写<br />

の 観 点 だけでなく、 私 たちの 同 定 したRNA 分 解 酵 素 を<br />

足 がかりに 転 写 後 制 御 の 観 点 から 再 定 義 して、 新 規 炎<br />

症 制 御 法 開 発 につなげていくことを 目 指 します。<br />

慢 性 炎 症 による 疾 患 発 症 機 構 の 構 造<br />

基 盤<br />

平 成 24 年 度 採 択<br />

消 化 器 がんの 発 生 ・ 進 展 過 程 に<br />

おける 慢 性 炎 症 の 誘 導 と 役 割 の 解 明<br />

濡 木<br />

理<br />

東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

大 島 正 伸<br />

金 沢 大 学 がん 進 展 制 御 研 究 所<br />

教 授<br />

本 来 個 体 の 生 命 維 持 に 必 須 な 生 理 反 応 が<br />

過 剰 に 起 こる、あるいはウイルスや 細 菌 など<br />

によりこの 生 理 反 応 が 撹 乱 されることで、 慢<br />

性 的 に 炎 症 が 惹 起 され、 最 終 的 に 癌 や 糖 尿<br />

病 、 動 脈 硬 化 など 様 々な 生 活 習 慣 病 が 引 き<br />

起 こされると 考 えられています。 本 研 究 では、<br />

1GPCRを 介 して 慢 性 炎 症 を 惹 起 する 脂 質 メディエーター 産 生<br />

酵 素 、2Toll 様 受 容 体 と、 細 胞 内 で 本 受 容 体 の 下 流 で 自 然 免 疫<br />

に 働 くシグナル 伝 達 タンパク 質 、3 核 内 において 細 胞 内 シグナル<br />

を 末 梢 で 制 御 する 転 写 調 節 因 子 タンパク 質 、を 中 心 に、タンパク 質<br />

( 複 合 体 )の 立 体 構 造 をX 線 結 晶 構 造 解 析 により 解 明 し、 立 体 構<br />

造 から 提 唱 される 作 業 仮 説 を 検 証 するため 機 能 解 析 を 行 うことで、<br />

慢 性 炎 症 のメカニズムを 原 子 分 解 能 レベルで 解 明 します。<br />

多 くのがん 組 織 は 炎 症 反 応 を 伴 って<br />

いますが、その 誘 導 機 序 や 役 割 につ<br />

いては 明 らかになっていません。 本 研<br />

究 では、 炎 症 をともなうがんを 発 生 する<br />

マウスモデルおよび 臨 床 検 体 を 用 い<br />

た 研 究 により、 発 がんの 初 期 および 悪 性 化 進 展 過 程 で、<br />

炎 症 反 応 が 誘 導 されて 遷 延 化 するメカニズムを 明 らかに<br />

し、 炎 症 反 応 ががん 細 胞 の 増 殖 や 浸 潤 を 促 進 する 分 子<br />

機 序 を 解 明 することを 目 指 しています。 研 究 の 成 果 は、<br />

慢 性 炎 症 の 制 御 による 発 がん・ 悪 性 化 の 制 御 につなが<br />

ることが 期 待 されます。<br />

臓 器 特 異 的 自 己 免 疫 疾 患 の 病 態 解 明<br />

による 慢 性 炎 症 制 御 法 の 開 発<br />

慢 性 炎 症 におけるガイダンス 因 子 の<br />

病 的 意 義 の 解 明 とその 制 御<br />

松 本<br />

満<br />

徳 島 大 学 疾 患 酵 素 学 研 究 センター<br />

教 授<br />

熊 ノ 郷 淳<br />

大 阪 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

私 たちの 身 体 には、 外 敵 ( 非 自 己 )の<br />

侵 入 から 身 ( 自 己 )を 守 る 手 段 として 免<br />

疫 システムが 備 わっています。ところ<br />

が、 何 らかの 原 因 により 免 疫 システム<br />

が 自 分 自 身 の 身 体 に 攻 撃 をしかけるよ<br />

うになり、 自 己 免 疫 疾 患 と 呼 ばれる 難<br />

治 性 の 慢 性 炎 症 が 発 生 します。 本 研 究 では、 免 疫 シス<br />

テムが「 自 己 」と「 非 自 己 」を 見 分 ける 能 力 を 獲 得 する 際<br />

にはたらくAIRE 遺 伝 子 を 研 究 対 象 に 選 び、 自 己 免 疫 疾<br />

患 において、 持 続 的 かつ 過 大 な 炎 症 が 発 生 するメカニ<br />

ズムを 探 ります。それによって、 原 因 に 基 づく 新 たな 治 療<br />

法 の 開 発 を 目 指 します。<br />

セマフォリンは 当 初 神 経 ガイダンス 因<br />

子 として 発 見 された 分 子 群 ですが、 現<br />

在 では 神 経 変 性 疾 患 、 骨 代 謝 疾 患 、<br />

免 疫 疾 患 、 網 膜 色 素 変 成 症 、がんな<br />

どの「 病 気 の 鍵 分 子 」であることが 示<br />

されています。 私 たちは、これまで 免 疫 反 応 に 関 わるセマ<br />

フォリンの 存 在 を 世 界 に 先 駆 け 明 らかにしてきました。 本<br />

研 究 では、 慢 性 炎 症 におけるセマフォリンの 関 与 を 解 明<br />

し、「ガイダンス 因 子 による 慢 性 炎 症 制 御 」という 新 たな<br />

治 療 戦 略 に 基 づいた 疾 患 制 御 の 開 発 につながる 成 果<br />

を 目 指 します。<br />

稀 少 遺 伝 性 炎 症 疾 患 の 原 因 遺 伝 子<br />

同 定 に 基 づく 炎 症 制 御 法 の 開 発<br />

制 御 性 T 細 胞 による 慢 性 炎 症 制 御<br />

技 術 の 開 発<br />

安 友 康 二<br />

徳 島 大 学 大 学 院 ヘルスバイオサイエンス<br />

研 究 部 教 授<br />

坂 口 志 文<br />

大 阪 大 学 免 疫 学 フロンティア 研 究 センター<br />

教 授<br />

本 研 究 では、 慢 性 炎 症 疾 患 の 家 系 例<br />

のゲノム 解 析 から、 炎 症 応 答 の 進 展<br />

に 決 定 的 な 役 割 を 持 つ 遺 伝 子 変 異 を<br />

同 定 し、その 遺 伝 子 機 能 を 明 らかにす<br />

ることを 目 的 としています。 本 研 究 の<br />

成 功 は、これまで 知 られていなかった 炎 症 応 答 の 進 展 機<br />

構 を 明 らかにできる 可 能 性 があると 同 時 に、 慢 性 炎 症 性<br />

疾 患 に 対 する 画 期 的 な 分 子 標 的 治 療 法 の 開 発 に 大 き<br />

く 貢 献 できると 考 えられます。<br />

制 御 性 T 細 胞 は、ほとんどの 免 疫 応 答<br />

の 抑 制 的 制 御 に 関 与 するリンパ 球 で<br />

す。 制 御 性 T 細 胞 を 標 的 として、 自 己<br />

免 疫 病 などの 慢 性 炎 症 、 臓 器 移 植 に<br />

おける 慢 性 拒 絶 をいかに 抑 制 するか、<br />

あるいは 腫 瘍 免 疫 のようにがん 抗 原 に 対 する 免 疫 応 答<br />

をいかに 引 き 起 こすかについて 研 究 します。 本 研 究 の 成<br />

果 は、 新 しい 免 疫 応 答 制 御 法 の 開 発 、さらには 次 世 代<br />

の 免 疫 抑 制 剤 、 免 疫 賦 活 剤 の 開 発 につながるものと 期<br />

待 されます。<br />

24

脳 神 経 回 路 の 形 成 ・<br />

動 作 原 理 の 解 明 と<br />

制 御 技 術 の 創 出<br />

平 成 21 年 度 採 択<br />

手 綱 核 による 行 動 ・ 学 習 の 選 択 機 構<br />

の 解 明<br />

岡 本<br />

仁<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 脳 科 学 総 合 研 究 センター<br />

副 センター 長 /シニアチームリーダー<br />

網 膜 神 経 回 路 のシナプス 形 成 と 生 理<br />

機 能 発 現 の 解 析<br />

古 川 貴 久<br />

大 阪 大 学 蛋 白 質 研 究 所<br />

教 授<br />

戦 略 目 標<br />

神 経 細 胞 ネットワークの 形 成 ・ 動 作 の<br />

制 御 機 構 の 解 明<br />

研 究 総 括<br />

小 澤 瀞 司<br />

手 綱 核 は、 間 脳 の 最 背 側 部 に 両 側 性<br />

に 存 在 し、 終 脳 辺 縁 系 と 中 脳 ・ 後 脳 の<br />

モノアミン 神 経 細 胞 群 との 結 合 を 中 継<br />

します。 本 研 究 では、 手 綱 核 が 魚 から<br />

哺 乳 類 まで 保 存 されていることを 利 用<br />

し、ゼブラフィッシュ、ラット、マウスを 用 いて、 情 動 的 価 値<br />

判 断 を 伴 う 行 動 の 選 択 のスイッチボードとしての 手 綱 核<br />

の 役 割 を 明 らかにします。 本 研 究 は、 心 的 外 傷 後 ストレ<br />

ス 障 害 (PTSD)や、 価 値 と 無 関 係 に 物 事 を 覚 えるサ<br />

ヴァン 症 候 群 などの 発 症 メカニズムの 解 明 にもつながり<br />

ます。<br />

本 研 究 は、 中 枢 神 経 系 のモデルとし<br />

て 網 膜 に 注 目 し、「シナプスの 特 異 的<br />

結 合 の 分 子 メカニズム」および「 網 膜<br />

神 経 回 路 の 生 理 機 能 と 動 作 メカニズ<br />

ム」を 解 明 することを 目 的 とします。 網<br />

膜 神 経 回 路 構 築 の 分 子 レベルでの 理 解 を 進 めると 同<br />

時 に、 選 択 的 網 膜 ニューロン 破 壊 マウスを 用 いて 電 気<br />

生 理 学 的 解 析 や 視 覚 行 動 解 析 を 行 い、 網 膜 神 経 回 路<br />

がどのようなメカニズムと 機 能 原 理 に 基 づき 視 覚 情 報<br />

処 理 を 行 っているかを 明 らかにします。<br />

本 研 究 領 域 は、 脳 神 経 回 路 の 発 生 ・ 発 達 ・ 再 生<br />

の 分 子 ・ 細 胞 メカニズムを 解 明 し、さらに 個 々の 脳<br />

領 域 で 多 様 な 構 成 要 素 により 組 み 立 てられた 神<br />

経 回 路 がどのように 動 作 してそれぞれに 特 有 な 機<br />

能 を 発 現 するのか、それらの 局 所 神 経 回 路 の 活 動<br />

の 統 合 により、 脳 が 極 めて 全 体 性 の 高 いシステム<br />

をどのようにして 実 現 するのかを 追 求 します。また<br />

同 時 に、これらの 研 究 を 基 盤 として、 脳 神 経 回 路<br />

の 形 成 過 程 と 動 作 を 制 御 する 技 術 の 創 出 を 目 指<br />

します。<br />

具 体 的 には、 神 経 回 路 の 構 成 素 子 である 神 経<br />

細 胞 及 び 神 経 回 路 の 形 成 ・ 動 作 に 大 きな 影 響 を<br />

与 えるグリア 細 胞 の 発 生 ・ 分 化 ・ 再 生 ・ 標 的 認 識 ・<br />

移 動 に 関 する 分 子 機 構 の 解 明 、 特 異 的 発 現 分 子<br />

や 蛍 光 タンパク 質 を 用 いた 特 定 神 経 細 胞 の 可 視<br />

化 / 多 数 の 神 経 細 胞 の 活 動 の 同 時 記 録 /ケージ<br />

ド 化 合 物 による 局 所 刺 激 法 等 の 新 技 術 の 結 集 に<br />

よる 神 経 回 路 の 動 作 様 式 の 解 明 、モデル 動 物 を<br />

用 いたネットワークレベル/システムレベルの 研 究<br />

と 分 子 ・ 細 胞 レベルでのシナプス 伝 達 の 調 節 機 構<br />

との 研 究 の 組 み 合 わせにより 脳 の 高 次 機 能 とシナ<br />

プスの 機 能 変 化 との 関 連 を 明 確 にする 研 究 、 臨<br />

界 期 や 障 害 後 の 神 経 回 路 再 編 成 のメカニズムの<br />

解 明 とそれらの 制 御 法 に 関 する 研 究 、などが 含 ま<br />

れます。<br />

領 域 アドバイザー<br />

高 崎 健 康 福 祉 大 学<br />

健 康 福 祉 学 部 教 授<br />

大 脳 領 域 間 結 合 と 局 所 回 路 網 の 統<br />

合 的 解 析<br />

川 口 泰 雄<br />

大 脳 新 皮 質 は 幅 0.1mmほどの 微 小<br />

領 域 から 多 様 な 脳 部 位 に 投 射 し、こ<br />

の 出 力 多 様 性 に 対 応 するために 多 様<br />

なニューロンを 備 えていると 考 えられま<br />

す。 本 研 究 では、 他 の 脳 構 造 に 投 射<br />

する 神 経 細 胞 サブタイプ 間 の 結 合 特 異 性 を 明 らかにし、<br />

選 択 的 に 相 互 結 合 する 出 力 単 位 を 同 定 します。その 上<br />

で、 多 様 な 抑 制 性 ・ 興 奮 性 ニューロンサブタイプからなる<br />

新 皮 質 局 所 回 路 網 の 大 脳 領 域 間 結 合 に 依 存 した 結 合<br />

特 性 を 明 らかにします。<br />

神 経 幹 細 胞 の 分 化 ポテンシャル 制 御<br />

による 神 経 回 路 構 成 素 子 の 形 成 メカ<br />

ニズム<br />

後 藤 由 季 子<br />

自 然 科 学 研 究 機 構 生 理 学 研 究 所 教 授<br />

東 京 大 学 分 子 細 胞 生 物 学 研 究 所 教 授<br />

神 経 回 路 の 構 成 素 子 であるニューロ<br />

ンとそれを 支 えるグリア 細 胞 は、 共 通<br />

の 前 駆 細 胞 である 神 経 幹 細 胞 から 発<br />

生 過 程 に 従 い、 決 まった 順 序 で 生 み<br />

出 されます。 必 要 な 場 所 に 必 要 な 数<br />

のニューロンを 正 しく 生 み 出 す 仕 組 み<br />

を 理 解 する 上 で、 神 経 幹 細 胞 の 運 命 転 換 のメカニズム<br />

を 知 ることが 重 要 です。 本 研 究 では、エピジェネティック<br />

なクロマチン 制 御 に 注 目 し、この 分 子 メカニズムを 明 らか<br />

にします。また、 成 体 神 経 幹 細 胞 の 起 源 を 明 らかにし、こ<br />

れらがニューロンに 分 化 し、さらに 神 経 回 路 に 組 み 込 ま<br />

れるための 条 件 を 探 索 します。<br />

最 先 鋭 技 術 で 探 る 運 動 皮 質 回 路 の<br />

時 空 間 表 現 と 光 制 御<br />

松 崎 政 紀<br />

随 意 運 動 が 脳 皮 質 内 の 神 経 回 路 に<br />

どのように 情 報 表 現 されているのかを<br />

解 明 することを 目 指 します。そのために、<br />

階 層 横 断 的 方 法 論 を 結 集 ・ 融 合 させ、<br />

運 動 に 関 わる 皮 質 細 胞 の 活 動 ・ 分 布<br />

を 単 一 細 胞 レベルで 明 らかにし、それらの 活 動 を 光 制 御<br />

することで 情 報 の 流 れと 情 報 量 を 明 らかにします。これに<br />

より、 神 経 回 路 動 作 の 一 般 原 理 の 解 明 が 進 むとともに、<br />

脳 損 傷 からの 回 復 過 程 の 細 胞 基 盤 が 与 えられることが<br />

期 待 されます。<br />

中 枢 神 経 系 局 所 回 路 の 状 態 遷 移 とし<br />

ての 動 的 情 報 変 換 の 解 明<br />

虫 明<br />

元<br />

自 然 科 学 研 究 機 構 基 礎 生 物 学 研 究 所<br />

東 北 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

教 授<br />

脳 の 情 報 表 現 は、さまざまな 認 知 的 行<br />

動 の 際 に 動 的 に 変 化 します。 特 に 直<br />

感 的 認 知 行 動 に 関 しては、 前 頭 前 野<br />

と、 皮 質 下 の 海 馬 、 扁 桃 体 、 基 底 核 な<br />

どの 階 層 的 な 機 能 連 関 が 大 切 です。<br />

本 研 究 では、 脳 回 路 の 活 動 特 性 を 決 める 状 態 維 持 や<br />

遷 移 には 興 奮 性 と 抑 制 性 の 系 のバランスが 重 要 である<br />

との 仮 説 に 基 づき、 多 細 胞 活 動 記 録 と 光 遺 伝 学 ツール<br />

を 組 み 合 わせた 実 験 系 を 開 発 することで、システム 的 な<br />

立 場 から 脳 の 動 的 状 態 遷 移 のメカニズムを 解 明 します。<br />

脳 神 経 回 路 ライフイノベーション<br />

伊 佐 正 自 然 科 学 研 究 機 構 生 理 学 研 究 所 教 授<br />

大 森 治 紀 京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授<br />

岡 部 繁 男 東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

木 村 實 玉 川 大 学 脳 科 学 研 究 所 所 長<br />

工 藤 佳 久 東 京 薬 科 大 学 名 誉 教 授 / 東 京 医 科 大 学<br />

八 王 子 医 療 センター 客 員 教 授<br />

久 場 健 司 名 古 屋 大 学 名 誉 教 授<br />

西 澤 正 豊 新 潟 大 学 脳 研 究 所 教 授<br />

藤 澤 肇 名 古 屋 大 学 名 誉 教 授<br />

本 間 さと 北 海 道 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 特 任 教 授<br />

和 田 圭 司 ( 独 ) 国 立 精 神 ・ 神 経 医 療 研 究 センター<br />

神 経 研 究 所 部 長<br />

シナプス 前 性 神 経 回 路 制 御 メカニズ<br />

ムの 生 後 発 達<br />

匂 いで 誘 起 される 意 欲 ・ 情 動 行 動 の<br />

神 経 回 路 機 構<br />

高 橋 智 幸<br />

同 志 社 大 学 生 命 医 科 学 部 教 授<br />

巨 大 シナプス 前 末 端 とグリアをスライ<br />

スおよび 細 胞 培 養 によって 可 視 化 し、<br />

神 経 活 動 に 伴 うCa 信 号 、 電 気 信 号 、<br />

細 胞 内 小 器 官 の 動 態 を 実 時 間 記 録<br />

解 析 することや、 分 子 操 作 を 行 って 伝<br />

達 物 質 の 放 出 制 御 機 構 における 分 子 の 役 割 を 同 定 す<br />

ることで、 放 出 制 御 機 構 の 生 後 発 達 および 活 動 依 存 的<br />

変 化 を 明 らかにします。 本 研 究 によりシナプス 伝 達 の 分<br />

子 メカニズムに 新 しい 知 見 を 提 供 し、その 成 果 を 臨 床 研<br />

究 に 波 及 させて、 新 たな 脳 疾 患 治 療 法 の 開 発 に 貢 献 す<br />

ることを 目 指 します。<br />

森<br />

憲 作<br />

東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

本 研 究 では、 哺 乳 動 物 の 脳 の 嗅 覚 中<br />

枢 における、「 食 べ 物 の 匂 いによって<br />

引 き 起 こされる 食 欲 や 快 情 動 を 担 う 神<br />

経 回 路 」および「 捕 食 動 物 (キツネや<br />

ネコ)の 匂 いによって 引 き 起 こされる<br />

恐 怖 ・ 忌 避 反 応 や 不 快 情 動 を 担 う 神 経 回 路 」を 解 明 し、<br />

感 覚 情 報 を 意 欲 ・ 情 動 行 動 に 結 びつける 神 経 回 路 ロ<br />

ジックを 解 き 明 かします。また、 睡 眠 ・ 休 息 時 など 感 覚 入<br />

力 がほとんどないoff-line 時 の 嗅 覚 中 枢 神 経 回 路 の 機<br />

構 を 解 明 し、off-line 時 における 脳 の 機 能 の 一 端 を 明 ら<br />

かにします。<br />

25

成 熟 脳 におけるシナプス 形 成 機 構 の<br />

解 明 と 制 御<br />

海 馬 神 経 回 路 形 成 における 細 胞 接 着<br />

分 子 と 関 連 分 子 の 機 能 と 作 用 機 構<br />

霊 長 類 の 大 脳 ― 小 脳 ― 基 底 核 ネット<br />

ワークにおける 運 動 情 報 処 理 の 分 散<br />

と 統 合<br />

柚 﨑 通 介<br />

慶 應 義 塾 大 学 医 学 部<br />

教 授<br />

高 井 義 美<br />

神 戸 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科<br />

教 授<br />

星<br />

英 司<br />

( 公 財 ) 東 京 都 医 学 総 合 研 究 所 認 知 症 ・<br />

高 次 脳 機 能 研 究 分 野 副 参 事 研 究 員<br />

成 熟 脳 においても、 神 経 活 動 に 応 じて<br />

シナプスが 形 態 的 改 変 を 受 け 続 けま<br />

す。この 過 程 は 長 期 記 憶 の 基 盤 と 考<br />

えられています。 本 研 究 では、 新 しく 発<br />

見 されたc1q ファミリー 分 子 によるシ<br />

ナプス 形 成 ・ 維 持 機 構 を 解 明 します。さらに、c1qファミ<br />

リー 分 子 を 介 したシグナル 伝 達 経 路 を 操 作 することに<br />

よって、 神 経 回 路 の 形 成 と 個 体 行 動 を 制 御 する 方 法 を<br />

探 ります。 本 研 究 の 成 果 は、 加 齢 によるシナプス 減 少 な<br />

どの 病 態 を 視 野 に 入 れた 臨 床 応 用 につながることが 期<br />

待 されます。<br />

海 馬 は 記 憶 と 学 習 の 鍵 となる 脳 部 位<br />

であり、そこでは 興 奮 性 と 抑 制 性 の 神<br />

経 細 胞 がシナプスを 介 して 局 所 的 な<br />

神 経 回 路 を 形 成 し、その 出 力 を 制 御 し<br />

ています。しかし、 海 馬 神 経 回 路 の 形<br />

成 機 構 や 機 能 の 発 現 機 構 の 多 くは 不 明 のままです。 本<br />

研 究 では(1) 神 経 回 路 形 成 における 標 的 細 胞 認 識 、<br />

(2)シナプスの 形 態 形 成 と 機 能 制 御 、(3)シナプス 可<br />

塑 性 発 現 のそれぞれの 過 程 において、 細 胞 間 接 着 分 子<br />

ネクチンとその 結 合 タンパク 質 アファディン 及 びそれらの<br />

関 連 分 子 が 果 たす 役 割 を 解 明 します。<br />

大 脳 の 運 動 野 、 小 脳 、 基 底 核 が 協 調<br />

的 に 機 能 することによって、さまざまな<br />

動 作 の 表 出 が 可 能 になります。 本 研<br />

究 では、サルを 用 いて、これらの 脳 領<br />

域 をつなぐ 神 経 ネットワークの 構 築 を<br />

細 胞 レベルで 同 定 し、 動 作 を 発 現 する 神 経 機 構 をミリ 秒<br />

の 精 度 で 解 明 します。さらに、 特 定 の 領 域 や 神 経 回 路 の<br />

障 害 が 引 き 起 こす 個 体 行 動 と 神 経 ネットワーク 活 動 の<br />

変 化 を 解 析 します。 本 研 究 によって、 複 数 の 脳 領 域 の<br />

機 能 連 関 によって 実 現 される 運 動 情 報 処 理 のメカニズ<br />

ムと 病 態 生 理 の 解 明 を 目 指 します。<br />

平 成 22 年 度 採 択<br />

感 覚 情 報 を 統 合 する 高 次 神 経 の 回 路<br />

構 造 と 機 能 のシステム 解 析<br />

可 塑 的 神 経 回 路 を 支 えるシグナル 伝 達<br />

の 分 子 基 盤 解 明 と 制 御<br />

サル 大 脳 認 知 記 憶 神 経 回 路 の 電 気<br />

生 理 学 的 研 究<br />

伊 藤<br />

啓<br />

東 京 大 学 分 子 細 胞 生 物 学 研 究 所<br />

准 教 授<br />

尾 藤 晴 彦<br />

東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科<br />

准 教 授<br />

宮 下 保 司<br />

東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

脳 は 光 ・ 匂 い・ 味 ・ 音 ・ 触 覚 などの 五 感<br />

の 情 報 を 総 合 して 行 動 を 制 御 しますが、<br />

異 なる 感 覚 器 官 からの 情 報 がどのよう<br />

にして 脳 で 比 較 ・ 統 合 されるかはほとん<br />

ど 分 かっていません。 本 研 究 では 神 経<br />

を 単 一 細 胞 レベルで 効 率 よく 解 析 できるショウジョウバエ<br />

脳 をモデルとして、 各 感 覚 の 低 次 中 枢 からの 情 報 を 統 合<br />

して 行 動 制 御 に 結 びつける 脳 領 域 を 体 系 的 に 解 析 し、イ<br />

メージングや 特 定 神 経 の 機 能 制 御 実 験 など 多 彩 な 研 究<br />

を 組 み 合 わせて、 情 報 統 合 の 過 程 を 明 らかにします。<br />

神 経 回 路 には、 遺 伝 子 プログラムに<br />

よって 決 定 される 回 路 (hardwired<br />

circuit)に 加 え、 経 験 に 依 存 して 連<br />

結 性 が 強 化 され る 可 塑 的 回 路<br />

(plastic circuit)の 存 在 が 想 定 され<br />

ています。 本 研 究 では、 新 規 のイメージング 技 術 により、<br />

この 可 塑 的 回 路 を 支 えるシグナル 伝 達 の 分 子 基 盤 をシ<br />

ナプスレベルならびにシステムレベルで 明 らかにします。<br />

さらに、 可 塑 的 神 経 回 路 の 脱 構 築 ・ 再 構 築 を 制 御 するた<br />

めの 新 技 術 を 開 発 します。<br />

霊 長 類 の 認 知 記 憶 は 思 考 をはじめと<br />

するさまざまな 高 次 精 神 機 能 の 基 礎 と<br />

なります。 本 研 究 では、この 認 知 記 憶<br />

システ ム の 構 成 要 素 である 記 憶<br />

ニューロン 群 ( 記 憶 形 成 に 関 わる 記 銘<br />

ニューロンや 記 憶 の 引 き 出 しに 関 わる<br />

想 起 ニューロン)を 生 みだす 大 脳 側 頭 葉 ・ 前 頭 葉 皮 質 の<br />

微 小 神 経 回 路 のはたらきを 調 べ、これらがどのように 協<br />

調 的 に 組 織 化 されて 記 銘 や 想 起 という 現 象 が 可 能 にな<br />

るかを 明 らかにします。 多 点 電 極 で 同 時 記 録 される 神 経<br />

信 号 間 の 因 果 的 依 存 関 係 を、 近 年 開 発 されたノンパラメ<br />

トリック 型 の 信 号 解 析 法 によって 解 きほぐしていく 方 法 を<br />

中 心 として、 集 学 的 アプローチにより 研 究 を 進 めます。<br />

大 脳 皮 質 の 機 能 的 神 経 回 路 の 構 築<br />

原 理 の 解 明<br />

中 枢 神 経 障 害 後 の 神 経 回 路 再 編 成<br />

と 機 能 回 復 のメカニズムの 解 明<br />

神 経 細 胞 の 個 性 がつくる 神 経 回 路 と<br />

セルアセンブリ<br />

大 木 研 一<br />

九 州 大 学 大 学 院 医 学 研 究 院<br />

教 授<br />

山 下 俊 英<br />

大 阪 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

八 木<br />

健<br />

大 阪 大 学 大 学 院 生 命 機 能 研 究 科 教 授<br />

大 脳 皮 質 には 数 百 億 の 神 経 細 胞 が<br />

存 在 しますが、 機 能 によって 何 十 もの<br />

領 野 に 分 かれています。 各 領 野 も、さ<br />

らに 細 かいモジュールに 分 割 されてい<br />

ます。 本 研 究 では、 機 能 的 な 神 経 回<br />

路 の 最 小 単 位 の 構 造 と 機 能 を、 単 一 細 胞 レベルの 解<br />

像 度 をもつ 独 自 のin vivo 二 光 子 イメージング 技 術 を 用<br />

いて 解 明 し、 単 位 回 路 の 動 作 ・ 形 成 原 理 の 解 明 を 通 し<br />

て、 大 脳 皮 質 視 覚 野 の 神 経 回 路 が 情 報 処 理 を 行 う 上<br />

での 基 本 構 造 ・ 原 理 とその 発 生 メカニズムを 明 らかにし<br />

ます。<br />

中 枢 神 経 回 路 が 障 害 を 受 けると、ある<br />

程 度 の 機 能 回 復 が 自 然 にもたらされ<br />

ることがあります。 我 々は、 脳 損 傷 後<br />

に、 運 動 機 能 を 制 御 する 皮 質 脊 髄 路<br />

が 新 たな 代 償 性 神 経 回 路 を 形 成 する<br />

ことを 明 らかにしました。 本 研 究 では、げっ 歯 類 、サルおよ<br />

びヒトにおいて、 脳 の 障 害 後 に 代 償 性 神 経 回 路 が 形 成<br />

される 分 子 メカニズムを 解 明 するとともに、 神 経 回 路 の<br />

再 編 成 を 促 進 することによって、 失 われた 神 経 機 能 の 回<br />

復 を 図 る 分 子 標 的 治 療 法 の 開 発 を 行 います。<br />

脳 を 構 成 する 神 経 細 胞 は 個 性 をもち<br />

ながら 複 雑 な 神 経 回 路 をつくり、 集 団<br />

として 活 動 しています。 本 研 究 では、こ<br />

の 神 経 細 胞 の 個 性 ができる 仕 組 みに<br />

着 目 し、 神 経 回 路 の 構 築 と 機 能 形 成<br />

の 原 理 を 明 らかにします。また、この 仕<br />

組 みを 操 作 する 技 術 を 開 発 することにより、これまで 謎 で<br />

あった 脳 における 並 列 分 散 的 な 情 報 処 理 の 生 物 学 的<br />

基 盤 の 解 明 にアプローチします。 本 研 究 によって、ここ<br />

ろの 発 達 や 精 神 神 経 疾 患 の 分 子 的 基 盤 の 解 明 、さらに<br />

は、 感 覚 ・ 運 動 ・ 心 を 捉 える 新 しいニューラルネットワーク<br />

モデルの 開 発 に 貢 献 することが 期 待 できます。<br />

言 語 の 脳 機 能 に 基 づく 神 経 回 路 の 動 作<br />

原 理 の 解 明<br />

平 成 23 年 度 採 択<br />

生 体 内 シナプス 長 期 再 編 における<br />

グリア-シナプス 機 能 連 関<br />

酒 井 邦 嘉<br />

東 京 大 学 大 学 院 総 合 文 化 研 究 科<br />

教 授<br />

鍋 倉 淳 一<br />

自 然 科 学 研 究 機 構 生 理 学 研 究 所<br />

教 授<br />

本 研 究 は、システム 神 経 科 学 に 臨 床<br />

的 言 語 障 害 研 究 と 言 語 理 論 研 究 を<br />

融 合 させた 相 乗 効 果 をねらいとします。<br />

研 究 目 標 として、 人 間 の 脳 における 言<br />

語 の 機 能 分 化 と 機 能 局 在 から 機 能 モ<br />

ジュール( 具 体 的 には 文 法 や 意 味 処 理 等 )の 計 算 原 理<br />

を 明 らかにして、モジュール 間 相 互 の 神 経 結 合 から 神 経<br />

回 路 の 動 作 原 理 の 解 明 を 中 核 に 据 えます。さらに、 言 語<br />

獲 得 の 感 受 性 期 および 言 語 障 害 後 の 神 経 回 路 再 編 メ<br />

カニズムを 解 明 することを 目 指 します。<br />

内 外 環 境 の 長 期 変 化 に 応 じて 脳 機<br />

能 はダイナミックに 変 化 しますが、その<br />

背 景 には 神 経 回 路 の 再 編 成 過 程 が<br />

存 在 します。しかし、これまでは 技 術 的<br />

な 制 約 のため、 生 きた 個 体 で 神 経 回<br />

路 の 変 化 を 経 時 的 に 観 察 することは<br />

困 難 でした。 本 研 究 では、 二 光 子 励 起 顕 微 鏡 による 観<br />

察 法 を 生 きた 動 物 に 適 用 し、 生 体 内 で 神 経 回 路 の 要 と<br />

なるシナプスの 形 態 を 長 期 間 観 察 して、その 変 化 を 明 ら<br />

かにします。また、シナプス 再 編 に 対 するミクログリアおよ<br />

びアストロサイトの 関 与 について 検 討 し、グリア-シナプ<br />

ス 機 能 連 関 という 視 点 から 脳 の 環 境 適 応 の 仕 組 みを 明<br />

らかにします。<br />

26

人 工 多 能 性 幹 細 胞<br />

(iPS 細 胞 ) 作 製 ・ 制 御<br />

平 成 20 年 度 採 択<br />

胚 細 胞 ヒストンによるリプログラミング<br />

機 構<br />

ヒトiPS 細 胞 の 分 化 能 と 腫 瘍 化 傾 向<br />

を 反 映 するマーカー 遺 伝 子 群 の 探 索<br />

等 の 医 療 基 盤 技 術<br />

石 井 俊 輔<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 基 幹 研 究 所 上 席 研 究 員<br />

古 関 明 彦<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 免 疫 ・アレルギー 科 学 総 合<br />

研 究 センター グループディレクター<br />

戦 略 目 標<br />

細 胞 リプログラミングに 立 脚 した 幹 細 胞<br />

作 製 ・ 制 御 による 革 新 的 医 療 基 盤 技 術<br />

の 創 出<br />

発 生 過 程 での 遺 伝 子 発 現 制 御 には、ヒストン 修 飾 が 大 き<br />

な 役 割 を 果 たしています。 研 究 代 表 者 らは、 卵 子 や 精 子<br />

に 存 在 するヒストンバリアントが 初 期 発 生 過 程 においても<br />

存 在 し、これらのヒストンを 体 細 胞 で 発 現 させると 体 細 胞<br />

の 初 期 化 が 誘 導 されることを 見 出 しました。 本 研 究 では、<br />

胚 細 胞 ヒストンによるリプログラミングの 機 構 を 解 析 し、 体<br />

細 胞 の 初 期 化 の 基 盤 技 術 の 構 築 に 貢 献 することを 目 指<br />

します。<br />

iPS 細 胞 の 臨 床 応 用 に 向 けて、それを 用 いた 細 胞 療 法<br />

の 有 効 性 と 安 全 性 を 予 め 示 す 必 要 があります。 本 研 究<br />

ではそのために、 第 1に、さまざまなヒトiPS 細 胞 から 誘 導<br />

した 造 血 ・ 免 疫 細 胞 を 用 いたヒト 化 マウスによる 疾 患 治<br />

療 モデルの 樹 立 を 試 みます。 第 2に、 同 じヒトiPS 細 胞 の<br />

系 列 細 胞 を 用 いて 遺 伝 子 発 現 およびエピゲノム 状 況 を<br />

グローバルに 明 らかにします。これらのデータを 相 関 付 け<br />

ることにより、iPS 細 胞 の 有 効 性 と 安 全 性 を 反 映 するよ<br />

うなマーカー 遺 伝 子 群 の 抽 出 を 目 指 します。<br />

本 研 究 領 域 は、 近 年 著 しい 進 歩 の 見 られる、<br />

iPS 細 胞 を 基 軸 とした 細 胞 リプログラミング 技 術 の<br />

開 発 に 基 づき、 当 該 技 術 の 高 度 化 ・ 簡 便 化 を 始 め<br />

として、モデル 細 胞 の 構 築 による 疾 患 発 症 機 構 の<br />

解 明 、 新 規 治 療 戦 略 、 疾 患 の 早 期 発 見 などの 革<br />

新 的 医 療 に 資 する 基 盤 技 術 の 構 築 を 目 指 す 研 究<br />

を 対 象 とするものです。<br />

研 究 総 括<br />

須 田 年 生<br />

慶 應 義 塾 大 学 医 学 部 教 授<br />

具 体 的 には、ゲノミクス・ 染 色 体 構 造 ・エピジェネ<br />

ティクス 解 析 を 通 じたリプログラムおよび 細 胞 分 化<br />

機 構 の 研 究 、 遺 伝 子 導 入 の 制 御 などの 研 究 、リプ<br />

ログラムを 誘 導 する 化 合 物 のハイスループットスク<br />

造 血 幹 細 胞 のエピジェネティクスと<br />

その 制 御 法 の 創 出<br />

岩 間 厚 志<br />

千 葉 大 学 大 学 院 医 学 研 究 院 教 授<br />

本 研 究 では、 組 織 幹 細 胞 の 自 己 複 製 能 ・ 多 能 性 を 規 定<br />

するエピジェネティクスの 理 解 を 通 して、iPS 細 胞 から 組<br />

織 幹 細 胞 を 誘 導 するエピジェネティクス 制 御 法 の 分 子<br />

基 盤 を 確 立 し、iPS 細 胞 を 用 いた 再 生 医 療 を 推 進 します。<br />

具 体 的 には、 造 血 幹 細 胞 を 規 定 する 遺 伝 子 発 現 の 制<br />

御 機 構 、 特 にクロマチン 修 飾 を 介 した 制 御 機 構 を 解 明 し、<br />

iPS 細 胞 のエピジェネティックプログラムを 造 血 幹 細 胞<br />

型 へと 効 率 良 く 書 き 換 える 基 盤 技 術 の 開 発 を 行 います。<br />

人 工 癌 幹 細 胞 を 用 いた 分 化 制 御<br />

異 常 解 析 と 癌 創 薬 研 究<br />

佐 谷 秀 行<br />

慶 應 義 塾 大 学 医 学 部 教 授<br />

マウス 正 常 体 細 胞 に 特 定 の 遺 伝 子 操 作 を 行 うことで、<br />

自 己 複 製 能 と 分 化 能 、 腫 瘍 形 成 能 を 有 する 癌 幹 細 胞<br />

(induced cancer stem cell: iCSC)が 誘 導 でき、<br />

分 化 度 および 細 胞 外 マトリクス 相 互 作 用 を 変 えることで<br />

腫 瘍 形 成 能 が 抑 制 できました。そこで 本 研 究 では、 各 種 i<br />

CSCを 用 いて 分 化 度 とニッチ 機 能 を 定 量 化 できるアッ<br />

セイ 系 を 構 築 し、それを 制 御 できる 化 合 物 や 抗 体 などを<br />

取 得 することを 目 的 とします。また、 癌 治 療 創 薬 の 標 的 と<br />

して 用 いるべく、ヒト 正 常 体 細 胞 からのiCSC 作 製 を 目 指<br />

します。<br />

iPS 細 胞 ライフイノベーション<br />

リーニングを 行 う 研 究 、 先 天 性 疾 患 の 患 者 細 胞 か<br />

ら 作 製 された 多 能 性 幹 細 胞 を 用 い 疾 患 発 症 機 構<br />

の 解 明 を 目 指 す 研 究 などが 含 まれます。<br />

さらには、こうした 幹 細 胞 研 究 と 病 態 研 究 等 の<br />

統 合 による、これまでにない 新 規 治 療 法 や 予 防 医<br />

療 の 開 発 に 繋 がる 研 究 も 対 象 とします。<br />

iPS 細 胞 誘 導 の 為 の 分 子 基 盤 の<br />

解 明 による 安 全 性 の 確 保<br />

精 子 幹 細 胞 のリプログラミング 機 構 の<br />

解 明 と 医 学 応 用 の 可 能 性 の 検 討<br />

奥 田 晶 彦<br />

埼 玉 医 科 大 学 ゲノム 医 学 研 究 センター 教 授<br />

篠 原 隆 司<br />

京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科<br />

教 授<br />

領 域 アドバイザー<br />

佐 々 木 裕 之 九 州 大 学 生 体 防 御 医 学 研 究 所 所 長 ・ 教 授<br />

塩 見 美 喜 子 東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授<br />

高 井 義 美 神 戸 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科<br />

研 究 科 長 ・ 教 授<br />

竹 市 雅 俊 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 発 生 ・ 再 生 科 学 総 合<br />

研 究 センター センター 長<br />

仲 野 徹 大 阪 大 学 大 学 院 生 命 機 能 研 究 科 / 医 学 系<br />

研 究 科 教 授<br />

林 崎 良 英 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 オミックス 基 盤<br />

研 究 領 域 領 域 長<br />

宮 園 浩 平 東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

iPS 細 胞 の 樹 立 は、 再 生 医 療 および 創 薬 開 発 にとって<br />

革 命 的 な 出 来 事 でした。ただし、その 樹 立 において、 染<br />

色 体 にウイルスを 組 み 込 んでいるなどの 理 由 で、 現 状 で<br />

は、 腫 瘍 発 生 の 危 険 性 をもつ 細 胞 であるといえます。 本<br />

研 究 では、 染 色 体 非 組 込 み 型 ウイルスを 用 いたiPS 細<br />

胞 樹 立 の 試 みといった 研 究 などから、ES 細 胞 と 同 等 の<br />

安 全 性 を 確 保 することでiPS 細 胞 を 用 いた 再 生 医 療 の<br />

実 現 化 への 貢 献 を 目 指 します。<br />

ヒト 人 工 染 色 体 を 用 いたiPS 細 胞 の<br />

作 製 と 遺 伝 子 ・ 再 生 医 療<br />

精 子 幹 細 胞 は 遺 伝 子 導 入 せずとも 胚 性 幹 細 胞 に 匹 敵<br />

する 分 化 能 力 をもつ 多 能 性 幹 細 胞 へと 変 化 することが<br />

できる 細 胞 です。この 精 巣 由 来 の 多 能 性 幹 細 胞 の 医 療<br />

応 用 が 可 能 かという 点 を 明 らかにするため、 我 々は、1)<br />

多 能 性 精 子 幹 細 胞 とES 細 胞 との 生 物 学 的 な 違 いを<br />

評 価 し、2)リプログラミンング 機 構 を 解 析 し、その 知 識 を<br />

応 用 し、3) 安 定 的 に 高 い 頻 度 でさまざまな 動 物 から 多<br />

能 性 精 子 幹 細 胞 を 樹 立 する 方 法 を 確 立 することを 目 的<br />

としています。<br />

i P S 細 胞 由 来 の 樹 状 細 胞 とマクロ<br />

ファージを 用 いた 医 療 技 術 の 開 発<br />

押 村 光 雄<br />

鳥 取 大 学 染 色 体 工 学 研 究 センター 教 授<br />

千 住<br />

覚<br />

熊 本 大 学 大 学 院 生 命 科 学 研 究 部<br />

准 教 授<br />

本 研 究 は、1) 遺 伝 子 搭 載 サイズに 制 限 がなく、 自 立 複<br />

製 するミニ 染 色 体 であるヒト 人 工 染 色 体 (HAC)ベク<br />

ターを 用 いて、 効 率 よくがん 化 の 危 険 性 がない 安 全 な 患<br />

者 由 来 iPS 細 胞 を 作 製 し、2)そのiPS 細 胞 に、さらに 治<br />

療 用 遺 伝 子 、 分 化 誘 導 用 遺 伝 子 、 分 化 細 胞 分 取 用<br />

遺 伝 子 を 搭 載 したHACベクターを 導 入 し、 筋 ジストロ<br />

フィーおよび 糖 尿 病 の 遺 伝 子 治 療 ・ 再 生 医 療 に 役 立 て<br />

ることを 目 標 としています。<br />

本 研 究 では、マウスおよびヒトのES 細 胞 を 用 いたこれま<br />

での 研 究 の 成 果 に 基 づき、ヒトiPS 細 胞 から 樹 状 細 胞 と<br />

マクロファージへの 分 化 誘 導 技 術 を 開 発 します。さらに、<br />

これらの 免 疫 細 胞 の 医 療 応 用 を 目 指 した 基 礎 研 究 を 行<br />

います。<br />

27

分 化 細 胞 に 多 能 性 を 誘 導 する 転 写 因<br />

子 ネットワークの 構 造 解 析<br />

生 殖 系 列 におけるゲノムリプログラミ<br />

ング 機 構 の 統 合 的 解 明 とその 応 用<br />

細 胞 リプログラミングと 分 化 における<br />

転 写 調 節 機 構<br />

丹 羽 仁 史<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 発 生 ・ 再 生 科 学 総 合 研<br />

究 センター プ ロジェクトリーダー<br />

斎 藤 通 紀<br />

京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科<br />

教 授<br />

西 田 栄 介<br />

京 都 大 学 大 学 院 生 命 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

なぜ、わずかな 数 の 転 写 因 子 を 強 制 的 に 発 現 させるだけ<br />

で 体 細 胞 に 多 能 性 が 賦 与 されるのかは、 大 きな 謎 となっ<br />

ています。 本 研 究 は、 導 入 された 転 写 因 子 が 活 性 化 す<br />

る 内 在 性 転 写 因 子 遺 伝 子 のネットワークの 構 造 を、 多<br />

能 性 幹 細 胞 におけるさまざまな 機 能 解 析 手 法 を 組 み 合<br />

わせることにより 解 き 明 かすことを 目 指 します。<br />

生 体 における 秩 序 だったゲノムリプログラミング 過 程 を 内 包<br />

する 生 殖 系 列 発 生 機 構 の 研 究 は、iPS 細 胞 誘 導 機 構 の<br />

研 究 を 相 補 し、 両 機 構 の 解 明 は、 細 胞 の 運 命 決 定 ・ 機 能<br />

維 持 機 構 解 明 において 高 い 相 乗 効 果 を 生 み 出 し、 再 生 医<br />

療 の 実 現 に 貢 献 すると 考 えられます。 本 研 究 課 題 では、マ<br />

ウスES 細 胞 及 びiPS 細 胞 から、 始 原 生 殖 細 胞 様 細 胞 を 誘<br />

導 し、その 細 胞 を 精 巣 に 移 植 することにより、 健 常 な 精 子 、<br />

さらには 子 孫 を 作 成 することに 成 功 しました。 本 研 究 により、<br />

多 量 の 始 原 生 殖 細 胞 様 細 胞 を 培 養 ディッシュ 上 で 作 成 出<br />

来 ることになりました。これはゲノムリプログラミング 機 構 解<br />

明 の 重 要 な 基 盤 となります。<br />

( 研 究 期 間 は 平 成 21 年 10 月 1 日 ~ 平 成 24 年 3 月 31 日 )<br />

本 研 究 は、Ⅰ. 細 胞 リプログラミング 過 程 における 転 写 プ<br />

ログラム 変 換 の 分 子 機 構 の 解 明 、Ⅱ. 細 胞 分 化 の 諸 過 程<br />

における 遺 伝 子 発 現 変 換 プログラムの 解 明 、Ⅲ. 転 写 カ<br />

スケードを 用 いて 分 化 細 胞 から 別 の 分 化 細 胞 へ 転 換 さ<br />

せる 自 動 プログラムの 樹 立 とその 機 構 解 明 、Ⅳ. 転 写 因<br />

子 の 作 用 機 構 およびエピジェネティック 制 御 の 調 節 機 構<br />

の 解 明 、を 目 標 とし、iPS 細 胞 から 特 定 の 組 織 、 器 官 を 作<br />

製 する 技 術 の 分 子 的 基 盤 を 与 えることを 目 指 します。<br />

人 工 染 色 体 を 用 いた 新 たな 細 胞 リプ<br />

ログラミング 技 術 開 発<br />

生 理 的 細 胞 リプログラミング 機 構 の 解<br />

明 とその 応 用<br />

平 成 22 年 度 採 択<br />

直 接 リプログラミングによる 心 筋 細 胞<br />

誘 導 の 確 立 と 臨 床 への 応 用<br />

米 田 悦 啓<br />

大 阪 大 学 大 学 院 生 命 機 能 研 究 科<br />

教 授<br />

高 倉 伸 幸<br />

大 阪 大 学 微 生 物 病 研 究 所<br />

教 授<br />

家 田 真 樹<br />

慶 應 義 塾 大 学 医 学 部<br />

特 任 講 師<br />

本 研 究 では、 現 行 のレトロウイルスベクターを 用 いたiPS<br />

細 胞 樹 立 法 の 問 題 点 を、 任 意 に 脱 落 可 能 な 次 世 代 人<br />

工 染 色 体 を 開 発 ・ 利 用 することにより 克 服 し、さらに 細 胞<br />

の 未 分 化 ・ 分 化 の 運 命 決 定 に 重 要 な 役 割 を 果 たす 転<br />

写 因 子 とその 核 輸 送 因 子 のインタープレイに 関 する 研<br />

究 を 融 合 させることにより、 細 胞 リプログラミング 技 術 開<br />

発 に 新 しい 視 点 で 挑 戦 することを 通 して、 安 全 で 高 効 率<br />

なiPS 細 胞 樹 立 法 の 確 立 を 目 指 します。<br />

体 細 胞 のリプログラミングは 個 体 内 でも 生 理 的 および<br />

内 因 性 に 生 じうることが 徐 々に 明 らかになってきました。<br />

本 研 究 では、 造 血 幹 細 胞 が 体 細 胞 に 遺 伝 子 /たんぱく<br />

質 を 供 給 して 幹 細 胞 化 を 誘 導 し、 障 害 を 受 けた 組 織 の<br />

再 生 に 貢 献 しているとの 予 備 的 実 験 成 果 に 立 脚 して、<br />

この 分 子 機 序 を 明 らかにします。また、 体 内 でこのような<br />

幹 細 胞 化 を 受 け 入 れる 特 殊 な 細 胞 を 定 義 し、 単 離 する<br />

ことにより、 造 血 幹 細 胞 による 組 織 再 生 の 画 期 的 治 療<br />

法 の 開 発 を 目 指 します。<br />

心 臓 病 は 死 亡 原 因 の 上 位 を 占 め 再 生 医 療 など 新 しい<br />

治 療 法 の 開 発 が 望 まれています。 心 筋 細 胞 は 再 生 能 力<br />

がなく、 心 臓 再 生 医 療 では 幹 細 胞 が 期 待 されています<br />

が、 分 化 誘 導 効 率 、 腫 瘍 形 成 、 細 胞 生 着 などの 点 に 問<br />

題 があります。もし、 心 臓 内 の 線 維 芽 細 胞 を 直 接 心 筋 細<br />

胞 に 転 換 できれば、これらの 問 題 を 解 決 し 得 ます。 本 研<br />

究 チームはマウスの 予 備 実 験 で3 遺 伝 子 導 入 により 心<br />

線 維 芽 細 胞 から 心 筋 細 胞 への 直 接 分 化 転 換 を 確 認 し<br />

ており、 本 研 究 ではさらに 検 討 を 進 め、 最 終 的 には 臨 床<br />

応 用 を 目 指 します。<br />

平 成 21 年 度 採 択<br />

iPS 細 胞 を 駆 使 した 神 経 変 性 疾 患 病 因<br />

機 構 の 解 明 と 個 別 化 予 防 医 療 開 発<br />

神 経 堤 細 胞 をモデルとした 生 体 内 での<br />

細 胞 リプログラミング 法 の 開 発<br />

iPS 細 胞 を 用 いた 造 血 器 腫 瘍 の<br />

病 態 解 明 と 治 療 法 の 探 索<br />

井 上 治 久<br />

京 都 大 学 iPS 細 胞 研 究 所<br />

准 教 授<br />

高 橋 淑 子<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科<br />

教 授<br />

黒 川 峰 夫<br />

東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

本 研 究 では、アルツハイマー 病 、 筋 萎 縮 性 側 策 硬 化 症<br />

患 者 iPS 細 胞 から 神 経 系 細 胞 を 分 化 誘 導 し、 神 経 変 性<br />

を 生 じる 微 小 環 境 (ニッチ)を 再 現 します。また、ニッチの<br />

ミスフォールドたんぱく 質 モニタリングによる 疾 患 予 防 法<br />

の 確 立 、 遺 伝 学 的 解 析 によるニッチ 制 御 分 子 同 定 と 該<br />

分 子 機 能 のモデル 動 物 での 評 価 を 行 います。この 研 究<br />

により、 現 在 これらの 神 経 変 性 疾 患 制 圧 のために 最 も<br />

重 要 とされる『 早 期 診 断 ・ 早 期 治 療 』をより 発 展 させた 個<br />

別 化 医 療 開 発 が 可 能 になることが 期 待 されます。<br />

iPS 細 胞 の 発 見 は、 一 旦 分 化 を 遂 げた 細 胞 を 他 の 細 胞<br />

タイプへと 転 換 させる 技 術 に 道 を 開 きました。 分 化 転 換<br />

を 直 接 生 体 内 で 行 うことが 出 来 れば、 試 験 管 内 でのiP<br />

S 化 やその 後 の 移 植 手 術 など 複 雑 な 過 程 を 回 避 できる<br />

ものと 想 定 されます。 本 研 究 では、 生 体 内 での 分 化 転 換<br />

法 を、 神 経 堤 細 胞 とよばれる 神 経 の 幹 細 胞 をモデルとし<br />

て 確 立 することを 目 指 します。この 方 法 は 神 経 以 外 の 組<br />

織 にも 応 用 可 能 であり、 次 世 代 型 の 再 生 医 療 のモデル<br />

として 期 待 されます。<br />

本 研 究 では、 従 来 十 分 な 数 を 得 ることが 難 しかった 患 者<br />

由 来 の 白 血 病 細 胞 をiPS 細 胞 化 し、 必 要 に 応 じて 増 幅 ・<br />

利 用 可 能 で、がん 研 究 に 広 く 活 用 できる 生 きた 疾 患 細<br />

胞 バンクの 実 現 を 目 指 します。これらの 白 血 病 iPS 細 胞<br />

を 血 液 細 胞 へ 分 化 誘 導 し、 今 まで 困 難 であったゲノム・<br />

エピゲノム・プロテオーム 解 析 や 薬 剤 感 受 性 試 験 などを<br />

行 い、 新 たな 治 療 標 的 分 子 を 同 定 します。これをもとに<br />

分 子 標 的 薬 の 探 索 を 行 い、 革 新 的 治 療 法 の 開 発 を 目<br />

指 します。<br />

iPS 細 胞 を 用 いた 組 織 幹 細 胞 誘 導 の 確<br />

立 と 分 子 基 盤 の 解 明<br />

組 織 幹 細 胞 / 前 駆 細 胞 を 誘 導 するディ<br />

レクテッドリプログラミング 技 術 の 開 発<br />

ヒトiPS 細 胞 の 高 品 質 化 と<br />

その 検 証 ・ 応 用<br />

江 良 択 実<br />

熊 本 大 学 発 生 医 学 研 究 所<br />

教 授<br />

妻 木 範 行<br />

京 都 大 学 iPS 細 胞 研 究 所<br />

教 授<br />

花 園<br />

豊<br />

自 治 医 科 大 学 分 子 病 態 治 療 研 究 センター<br />

教 授<br />

間 葉 系 幹 細 胞 、 造 血 幹 細 胞 、 腎 前 駆 細 胞 は、 難 治 性 疾<br />

患 を 根 治 することができる 有 用 な 幹 細 胞 です。 本 研 究 で<br />

は、iPS 細 胞 からこれらの 幹 細 胞 を、 中 間 段 階 の 細 胞 を<br />

明 らかにしながら 誘 導 する 方 法 を 確 立 し、 幹 細 胞 の 発<br />

生 ・ 分 化 の 分 子 メカニズムを 明 らかにすることを 目 指 しま<br />

す。 本 研 究 の 成 果 により、 幹 細 胞 を 用 いた 従 来 の 研 究<br />

と 治 療 をより 促 進 させると 同 時 に、 新 しい 治 療 方 法 の 開<br />

発 を 加 速 させる 基 盤 が 生 み 出 されることが 期 待 されます。<br />

皮 膚 細 胞 を 一 旦 iPS 細 胞 にフルリプログラミングした 後<br />

に 臓 器 細 胞 へ 再 分 化 させ、 疾 患 臓 器 を 再 生 させること<br />

が 可 能 になりつつあります。 一 方 、 本 研 究 では 細 胞 リプ<br />

ログラミング 技 術 を 応 用 し、マウス 皮 膚 細 胞 から 直 接 、 軟<br />

骨 前 駆 細 胞 を 作 り 出 すことを 目 指 します。この 細 胞 は 生<br />

体 で 均 一 な 軟 骨 組 織 を 作 り、 関 節 疾 患 に 対 する 再 生 医<br />

療 の 材 料 を 供 給 しうるものです。 本 手 法 では 多 能 性 の<br />

段 階 を 経 ずに 目 的 の 細 胞 を 得 るため、 腫 瘍 化 の 可 能 性<br />

が 低 減 し、 均 一 な 臓 器 組 織 を 作 りうると 考 えられます。<br />

ヒトとマウスのiPS 細 胞 では、その 状 態 が 大 きく 異 なるこ<br />

とがわかってきました。マウスiPS 細 胞 の 方 がヒトiPS 細<br />

胞 より 初 期 状 態 に 近 いのです。マウス 以 外 の 動 物 (サ<br />

ル・ブタ 等 )のiPS 細 胞 もヒトのものに 近 い 状 態 とされま<br />

す。そこで、ヒトやサルやブタのiPS 細 胞 を 初 期 状 態 にも<br />

ちこみ、 高 品 質 化 を 図 るのが 本 研 究 の 目 的 です。 高 品<br />

質 化 すれば 何 が 可 能 となるのか、 応 用 例 ( 分 散 培 養 や<br />

相 同 組 換 えや 動 物 発 生 工 学 等 )も 示 す 予 定 です。<br />

28

肝 分 化 指 向 性 iPS 細 胞 からの<br />

高 機 能 性 肝 組 織 の 構 築<br />

宮 島<br />

篤<br />

東 京 大 学 分 子 細 胞 生 物 学 研 究 所 教 授<br />

成 体 肝 臓 の 機 能 を 備 えた 肝 細 胞 は 再 生 医 療 、 創 薬 研<br />

究 、 肝 疾 患 メカニズム 解 明 などへの 広 範 な 用 途 が 期 待<br />

されます。 本 研 究 では、 肝 実 質 細 胞 と 肝 非 実 質 細 胞 とを<br />

適 切 に 三 次 元 的 に 配 置 した 高 機 能 肝 組 織 構 築 法 の 開<br />

発 を 行 います。さらに、 内 胚 葉 組 織 から 肝 細 胞 への 分 化<br />

指 向 性 が 高 いヒトiPS 細 胞 を 樹 立 して 肝 細 胞 へ 分 化 誘<br />

導 し、 肝 非 実 質 細 胞 とともにこの 三 次 元 肝 組 織 構 築 系<br />

に 適 用 することで、iPS 細 胞 由 来 の 高 機 能 肝 組 織 の 構<br />

築 を 目 指 します。<br />

iPS 細 胞 による<br />

肝 臓 ヒト 化 モデルの 構 築 と 治 療 実 験<br />

山 村 研 一<br />

ヒトiPS 細 胞 から 誘 導 したヒト 肝 細 胞 の 有 用 性 と 安 全 性<br />

をin vivoで 検 証 するため、1)ヒト 肝 細 胞 移 植 に 最 適 な<br />

「ヒト 化 最 適 マウス」の 樹 立 、2)ヒト 肝 細 胞 移 植 による<br />

「 肝 臓 ヒト 化 マウス」の 樹 立 、3)ヒト 遺 伝 性 疾 患 の 患 者<br />

より 樹 立 したiPS 細 胞 からのヒト 変 異 肝 細 胞 の 誘 導 とそ<br />

の 移 植 による「 変 異 肝 臓 ヒト 化 マウス」の 樹 立 、4) 病 態<br />

解 析 による 検 証 と 治 療 法 開 発 のための「 病 態 モデル」<br />

の 開 発 を 行 います。<br />

熊 本 大 学 生 命 資 源 研 究 ・ 支 援 センター 教 授<br />

iPS 細 胞 グリーンイノベーション<br />

核 エピゲノムとミトコンドリアゲノムの<br />

化 学 的 制 御 とその 応 用<br />

吉 田<br />

稔<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 基 幹 研 究 所<br />

グループディレクター<br />

細 胞 の 初 期 化 と 分 化 のプロセスにおいてヒストン 修 飾 を<br />

中 心 とする 核 ゲノムのエピジェネティクスが 重 要 です。ま<br />

た、ミトコンドリアゲノムでは 高 頻 度 で 変 異 が 蓄 積 し、それ<br />

らは 老 化 や 疾 患 に 関 わっています。iPS 細 胞 を 用 いた 再<br />

生 医 療 を 目 指 すとき、 核 とミトコンドリアゲノムの 双 方 がリ<br />

プログラミングされることが 理 想 的 です。 本 研 究 チームは<br />

これらを 制 御 する 活 性 化 合 物 によって 細 胞 の 初 期 化 や<br />

分 化 の 効 率 を 高 める 技 術 の 開 発 を 目 指 します。<br />

29

アレルギー 疾 患 ・<br />

自 己 免 疫 疾 患 などの<br />

発 症 機 構 と 治 療 技 術<br />

戦 略 目 標<br />

花 粉 症 をはじめとするアレルギー 性 疾<br />

患 ・ 自 己 免 疫 疾 患 等 を 克 服 する 免 疫 制<br />

御 療 法 の 開 発<br />

平 成 20 年 度 採 択<br />

IL-17ファミリー 分 子 、C 型 レクチンを<br />

標 的 とした 自 己 免 疫 ・アレルギー 疾 患<br />

の 発 症 機 構 の 解 明 と 治 療 薬 の 開 発<br />

岩 倉 洋 一 郎<br />

東 京 理 科 大 学 生 命 医 科 学 研 究 所<br />

教 授<br />

感 染 によりTLRやC 型 レクチンなどの 病 原 体 認 識 機 構<br />

が 活 性 化 されると、 種 々のサイトカインが 産 生 され、 免 疫<br />

系 を 活 性 化 して 病 原 体 を 排 除 します。しかし、この 機 構<br />

の 過 剰 な 活 性 化 は、アレルギーや 自 己 免 疫 も 引 き 起 こし<br />

ます。 本 研 究 では、 関 節 リウマチなどの 自 己 免 疫 疾 患 や<br />

アレルギー 、 感 染 症 などに 関 与 すると 考 えられる<br />

Dectin-1/2やDCIRなどのC 型 レクチン、IL-17A/F<br />

などのサイトカインの 機 能 を 解 析 し、これらの 疾 病 に 対 す<br />

る 治 療 法 の 手 がかりを 得 ることを 目 指 します。<br />

臓 器 特 異 的 自 己 免 疫 疾 患 ・ 炎 症 疾 患<br />

の 制 御 機 構 の 理 解 とその 人 為 的 制 御<br />

平 野 俊 夫<br />

大 阪 大 学<br />

自 己 免 疫 疾 患 や 慢 性 炎 症 性 疾 患 の 発 症 機 序 として、<br />

我 々は、 非 免 疫 系 細 胞 がサイトカイン 依 存 的 に 免 疫 系<br />

細 胞 の 活 性 化 を 増 幅 させて 悪 循 環 を 誘 導 している 機 構<br />

が 存 在 する 事 を 見 いだしました。 本 研 究 では、1. 本 悪 循<br />

環 に 関 与 する、 更 なる 因 子 の 同 定 、2. 悪 循 環 の 標 的 分<br />

子 の 同 定 、3. 臓 器 特 異 的 に 悪 循 環 を 抑 制 する 方 法 の<br />

開 発 を 行 います。 本 研 究 により、 自 己 免 疫 疾 患 、アレル<br />

ギーの 治 療 、さらに、 癌 治 療 、 効 率 的 なワクチン 開 発 の<br />

基 盤 技 術 確 立 を 目 指 します。<br />

総 長<br />

本 研 究 領 域 は、アレルギー 疾 患 や 自 己 免 疫 疾 患<br />

を 中 心 とするヒトの 免 疫 疾 患 を 予 防 ・ 診 断 ・ 治 療 す<br />

ることを 目 的 に、 免 疫 システムを 適 正 に 機 能 させる<br />

基 盤 技 術 の 構 築 を 目 指 す 研 究 を 対 象 としています。<br />

アレルギー 疾 患 や 自 己 免 疫 疾 患 を 中 心 とする<br />

疾 患 には 国 民 のQOLを 低 下 させるとされるものか<br />

ら 重 篤 な 場 合 は 死 に 至 るものまであります。このよ<br />

うな 疾 患 についてこれまでに 深 められてきた 分 子 、<br />

細 胞 、 器 官 ・ 組 織 といったレベルにおける 免 疫 機<br />

構 や 制 御 に 関 する 理 解 を 個 体 レベルの 高 次 調 節<br />

免 疫 ネットワークシステムの 理 解 へと 発 展 させ、 臨<br />

床 応 用 へとつないでいきます。<br />

具 体 的 な 研 究 課 題 としては、 制 御 性 細 胞 による<br />

免 疫 調 節 機 構 、 粘 膜 免 疫 系 ・ 自 己 免 疫 系 ・ 獲 得 免<br />

疫 系 ・ 自 然 免 疫 系 の 構 築 機 構 とその 制 御 、 自 己 免<br />

疫 疾 患 ・アレルギー 疾 患 の 発 症 機 構 、 免 疫 と 感 染<br />

制 御 機 構 、 疾 患 に 対 する 薬 剤 ・ワクチンなどの 開<br />

発 と 効 果 測 定 、 疾 患 の 診 断 ・ 治 療 法 の 確 立 、など<br />

が 含 まれます。<br />

領 域 アドバイザー<br />

研 究 総 括<br />

菅 村 和 夫<br />

宮 城 県 立 病 院 機 構 理 事 長<br />

斉 藤 隆 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 免 疫 ・アレルギー 科 学<br />

総 合 研 究 センター グループディレクター<br />

坂 口 志 文 大 阪 大 学 免 疫 学 フロンティア 研 究 センター<br />

主 任 研 究 者 ・ 教 授<br />

佐 々 木 毅 NTT 東 日 本 東 北 病 院 病 院 長<br />

渋 谷 和 子 筑 波 大 学 医 学 医 療 系 准 教 授<br />

高 津 聖 志 富 山 県 薬 事 研 究 所 所 長 /<br />

富 山 大 学 医 学 薬 学 研 究 部 客 員 教 授<br />

徳 久 剛 史 千 葉 大 学 理 事<br />

能 勢 眞 人 愛 媛 大 学 名 誉 教 授<br />

花 井 陳 雄 協 和 発 酵 キリン( 株 ) 代 表 取 締 役 社 長<br />

宮 坂 信 之 東 京 医 科 歯 科 大 学<br />

大 学 院 医 歯 学 総 合 研 究 科 教 授<br />

樹 状 細 胞 制 御 に 基 づく 粘 膜 免 疫 疾 患<br />

の 克 服<br />

樗 木 俊 聡<br />

粘 膜 組 織 は 抗 原 の 主 たる 侵 入 の 場 であり、 固 有 の 樹 状<br />

細 胞 (DC) 群 によって 構 成 されるDCシステムによるユ<br />

ニークな 免 疫 応 答 ・ 免 疫 寛 容 誘 導 機 構 が 存 在 します。<br />

本 研 究 課 題 では、 粘 膜 DCシステムによる 恒 常 性 の 維<br />

持 機 構 を 明 らかにし、 同 機 構 の 破 綻 による 粘 膜 免 疫 疾<br />

患 発 症 メカニズムの 解 明 へ 繋 げます。これらの 成 果 に<br />

基 づき、DCシステムを 介 した 免 疫 疾 患 の 予 防 ・ 治 療 技<br />

術 の 開 発 を 目 指 します。<br />

受 容 体 制 御 による 新 しい 免 疫 療 法 の 構<br />

築<br />

高 井 俊 行<br />

I g G および M H CクラスI の 抑 制 性 受 容 体 である<br />

FcgRIIBとLILRBなど 免 疫 制 御 性 受 容 体 を 標 的 とし<br />

たアレルギー、 自 己 免 疫 疾 患 の 新 たな 治 療 法 を 構 築 しま<br />

す。γグロブリン 大 量 静 注 療 法 のポリッシュアップ、アゴ<br />

ニスティックリガンド 等 の 開 発 を 通 じて 自 己 寛 容 力 をエン<br />

ハンスし、さらに 免 疫 系 ヒト 化 マウスNOGにおいてこれ<br />

ら 前 臨 床 研 究 を 成 熟 させ、ヒト 免 疫 系 の 制 御 に 活 用 でき<br />

るレベルにまで 展 開 します。<br />

長 田 重 一<br />

東 京 医 科 歯 科 大 学 難 治 疾 患 研 究 所<br />

東 北 大 学 加 齢 医 学 研 究 所<br />

京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科<br />

教 授<br />

アポトーシス 細 胞 の 貪 食 ・ 分 解 とその 異<br />

常<br />

教 授<br />

生 体 内 では 毎 日 、 数 十 億 の 細 胞 がアポトーシスにより 死<br />

滅 し、マクロファージによって 貪 食 ・ 分 解 されます。また、<br />

毎 日 100 億 近 く 産 生 される 赤 血 球 の 分 化 段 階 で 核 は<br />

放 出 されマクロファージに 貪 食 されます。この 過 程 の 欠<br />

陥 は、 自 己 免 疫 疾 患 や 貧 血 ・リウマチ 性 関 節 炎 をひき 起<br />

こすと 考 えられます。 本 研 究 は、 死 細 胞 の 貪 食 やDNA<br />

の 分 解 異 常 がどのようにして 自 己 免 疫 疾 患 や 関 節 リウ<br />

マチを 発 症 させるかを 明 らかにしようとするものです。<br />

教 授<br />

細 胞 骨 格 制 御 シグナルを 標 的 とした<br />

免 疫 難 病 治 療 の 新 戦 略<br />

福 井 宣 規<br />

免 疫 応 答 の 根 幹 を 為 す 種 々の 細 胞 高 次 機 能 は、いずれ<br />

も 細 胞 骨 格 の 再 構 築 により 巧 妙 に 制 御 されています。<br />

本 研 究 では、 細 胞 骨 格 制 御 に 重 要 な 役 割 を 演 じる<br />

CDMファミリー 分 子 群 の 機 能 ・ 構 造 ・シグナル 伝 達 機 構<br />

を 包 括 的 に 解 析 し、その 成 果 に 立 脚 して 免 疫 応 答 を 効<br />

果 的 に 抑 制 し 得 る 低 分 子 化 合 物 を 同 定 します。この 成<br />

果 は、 自 己 免 疫 疾 患 や 移 植 片 拒 絶 といった 免 疫 難 病 の<br />

画 期 的 な 治 療 法 の 開 発 につながるものと 期 待 されます。<br />

細 胞 内 シグナル 制 御 による 免 疫 リプ<br />

ログラミング<br />

吉 村 昭 彦<br />

ヘルパーT 細 胞 は 免 疫 の 司 令 塔 と 言 われ、 正 のエフェク<br />

ターT 細 胞 と 負 の 抑 制 性 T 細 胞 に 分 化 し、 免 疫 応 答 の<br />

バランスを 決 定 します。その 制 御 破 綻 がアレルギーや 自<br />

己 免 疫 疾 患 に 直 結 します。 我 々はT 細 胞 分 化 の 方 向 性<br />

を 決 定 するSOCS 遺 伝 子 群 を 発 見 しました。 本 研 究 に<br />

おいてさらにT 細 胞 分 化 を 維 持 する 分 子 機 構 を 解 明 し、<br />

エフェクターを 抑 制 型 T 細 胞 へ 転 換 する、すなわち 正 を<br />

負 にリプログラムする 方 法 論 の 開 発 と 免 疫 疾 患 治 療 へ<br />

の 応 用 を 目 指 します。<br />

平 成 21 年 度 採 択<br />

荒 瀬<br />

尚<br />

九 州 大 学 生 体 防 御 医 学 研 究 所<br />

慶 應 義 塾 大 学 医 学 部<br />

教 授<br />

教 授<br />

ペア 型 レセプターを 標 的 とした 免 疫 ・<br />

感 染 制 御 技 術 の 開 発<br />

大 阪 大 学 微 生 物 病 研 究 所<br />

教 授<br />

抑 制 化 と 活 性 化 レセプターから 成 る 一 連 のペア 型 レセ<br />

プター 群 は、 免 疫 細 胞 の 自 己 応 答 性 を 制 御 する 一 方 、<br />

病 原 体 などに 対 する 生 体 防 御 を 担 っており、 免 疫 制 御<br />

において 重 要 な 機 能 を 担 っています。 本 研 究 では、 一 連<br />

のペア 型 レセプター 群 の 認 識 機 構 および 免 疫 病 や 感<br />

染 症 などにおける 機 能 を 解 明 すると 共 に、ペア 型 レセプ<br />

ターを 制 御 することによる 自 己 免 疫 疾 患 やアレルギー 疾<br />

患 の 新 たな 治 療 法 および 病 原 体 や 腫 瘍 に 対 する 免 疫<br />

誘 導 法 の 開 発 を 目 指 します。<br />

30

自 己 免 疫 疾 患 制 御 分 子 の 同 定 による<br />

新 規 治 療 法 の 開 発<br />

核 酸 を 主 体 とした 免 疫 応 答 制 御 機 構<br />

の 解 明 とその 制 御 法 の 開 発<br />

岡 崎<br />

拓<br />

徳 島 大 学 疾 患 プロテオゲノム 研 究 センター<br />

教 授<br />

谷 口 維 紹<br />

東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所 特 任 教 授<br />

自 己 免 疫 疾 患 の 効 果 的 な 診 断 法 、および 根 治 療 法 の<br />

開 発 には、 疾 患 の 成 立 機 序 を 詳 細 に 解 明 することが 不<br />

可 欠 ですが、 自 己 免 疫 疾 患 は 多 遺 伝 子 疾 患 であるため<br />

原 因 遺 伝 子 を 解 明 することは 極 めて 困 難 であり、 思 うよ<br />

うに 進 んでいませんでした。そこで 本 研 究 では、 病 態 成<br />

立 の 遺 伝 要 因 がより 単 純 であるモデル 動 物 を 利 用 する<br />

ことにより、その 原 因 遺 伝 子 を 全 て 同 定 して 病 態 成 立 機<br />

序 の 全 貌 を 解 明 し、 新 規 治 療 法 の 開 発 につなげること<br />

を 目 的 としています。<br />

核 酸 に 対 する 自 然 免 疫 応 答 は 感 染 防 御 や 自 己 免 疫 疾<br />

患 に 深 く 関 与 します。 各 種 核 酸 に 特 異 的 な 受 容 体 が 同<br />

定 される 一 方 、 全 ての 核 酸 に 対 する 普 遍 的 な 認 識 機 構<br />

は 全 く 知 られていません。 本 研 究 では 最 近 我 々が 同 定 し<br />

た、あらゆる 核 酸 が 免 疫 原 性 を 獲 得 するために 必 須 であ<br />

る 結 合 たんぱく 質 を 中 心 に、その 下 流 で 機 能 する 新 規<br />

分 子 群 や 適 応 免 疫 との 連 携 機 構 を 解 析 します。さらに、<br />

当 該 結 合 たんぱく 質 に 対 する 拮 抗 物 質 などを 用 いて 免<br />

疫 応 答 の 制 御 法 の 確 立 を 目 指 します。<br />

新 たなアレルギー 発 症 機 構 の 解 明 と<br />

その 制 御<br />

烏 山<br />

一<br />

東 京 医 科 歯 科 大 学 大 学 院 医 歯 学 総 合 研 究 科<br />

教 授<br />

近 年 、 日 本 を 含 む 先 進 諸 国 においてアレルギー 疾 患 に<br />

苦 しむ 患 者 数 が 増 加 し、 大 きな 社 会 問 題 となっています。<br />

本 研 究 では、 私 たちが 独 自 に 道 を 開 いた「 好 塩 基 球 」な<br />

らびに「 高 IgE 症 候 群 」に 関 するアレルギー 研 究 の 成 果<br />

を 基 盤 として、 従 来 とは 異 なるアプローチで、 新 たなアレ<br />

ルギー 発 症 機 構 ならびにその 制 御 機 構 を 分 子 レベル、<br />

細 胞 レベル、 個 体 レベルで 解 明 し、 新 規 アレルギー 治 療<br />

法 開 発 の 基 盤 技 術 の 確 立 を 目 指 します。<br />

平 成 22 年 度 採 択<br />

ヒト 肥 満 細 胞 活 性 化 制 御 技 術 の 開 発<br />

によるアレルギー 疾 患 の 克 服<br />

渋 谷<br />

彰<br />

アレルギーの 多 くは 肥 満 細 胞 から 放 出 される 化 学 物 質<br />

によって 引 き 起 こされます。 我 々はこれまでに、これらの<br />

化 学 物 質 の 放 出 を 抑 制 する 免 疫 系 受 容 体 、アラジン-1<br />

およびメア-Iを 同 定 しました。 本 研 究 ではヒト 肥 満 細 胞<br />

に 発 現 する 新 たな 抑 制 性 免 疫 系 受 容 体 を 探 索 し、アレ<br />

ルギー 疾 患 発 症 機 構 におけるこれら 受 容 体 の 役 割 を 解<br />

明 します。さらに、 抑 制 性 免 疫 系 受 容 体 を 分 子 標 的 とし<br />

た、 花 粉 症 や 喘 息 などに 対 する 革 新 的 医 薬 品 の 開 発 を<br />

目 指 します。<br />

筑 波 大 学 医 学 医 療 系 教 授<br />

免 疫 機 構 ライフイノベーション<br />

接 着 制 御 シグナルの 破 綻 と 自 己 免 疫<br />

疾 患<br />

自 然 免 疫 系 を 標 的 とした 腸 管 免 疫 疾<br />

患 の 制 御 技 術 の 開 発<br />

木 梨 達 雄<br />

関 西 医 科 大 学 附 属 生 命 医 学 研 究 所 教 授<br />

竹 田<br />

潔<br />

大 阪 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

免 疫 細 胞 の 全 身 性 の 移 動 制 御 は、 異 物 侵 入 を 監 視 す<br />

る 免 疫 機 能 に 重 要 な 働 きをしています。 私 たちは、 免 疫<br />

細 胞 の 動 態 を 制 御 するRap1シグナル 伝 達 機 構 を 発 見<br />

し、そのメカニズムを 明 らかにしてきましたが、その 破 綻 が、<br />

多 臓 器 の 自 己 免 疫 病 につながることを 見 出 しました。 本<br />

研 究 は、 自 己 寛 容 における 免 疫 動 態 制 御 シグナルが 果<br />

たす 機 能 と 制 御 を 明 らかにして、 新 たな 自 己 免 疫 発 症 機<br />

構 を 提 示 し、 難 治 性 自 己 免 疫 疾 患 との 関 連 を 明 らかにし<br />

ます。<br />

炎 症 性 腸 疾 患 をはじめとした 免 疫 疾 患 の 多 くが、 自 然 免<br />

疫 系 の 異 常 により 発 症 することが 明 らかになってきてい<br />

ます。 腸 管 の 免 疫 系 は、 他 の 組 織 にはない 特 有 のシス<br />

テムを 構 築 しており、 自 然 免 疫 担 当 細 胞 も 特 有 の 細 胞<br />

サブセットが 存 在 し、 腸 管 粘 膜 免 疫 系 を 制 御 しています。<br />

本 研 究 では、 自 然 免 疫 系 による 腸 管 粘 膜 免 疫 制 御 機<br />

構 を 明 らかにして、その 異 常 により 発 症 する 腸 管 免 疫 疾<br />

患 の 治 療 技 術 の 開 発 を 目 指 します。<br />

液 性 免 疫 制 御 による 新 しい 治 療 法 の<br />

開 発<br />

黒 崎 知 博<br />

大 阪 大 学 免 疫 学 フロンティア 研 究 センター<br />

特 任 教 授<br />

慢 性 関 節 リウマチを 始 めとする 自 己 免 疫 疾 患 においては、<br />

プラズマ 細 胞 から 自 己 抗 体 が 産 生 され、この 自 己 抗 体 が、<br />

疾 患 の 引 き 金 ・ 増 悪 に 関 与 している 重 要 な 要 因 と 考 えら<br />

れています。 本 研 究 では、 自 己 抗 体 産 生 プラズマ 細 胞 、<br />

およびその 前 駆 細 胞 であるメモリーB 細 胞 を 標 的 にし、こ<br />

れらの 細 胞 に 特 異 的 な 活 性 化 ・ 抑 制 化 ・ 生 存 必 須 ファク<br />

ターを 同 定 します。さらに、それを 用 いて 末 梢 自 己 寛 容 力<br />

を 亢 進 させる 新 しい 治 療 法 の 開 発 を 目 指 します。<br />

31

精 神 ・ 神 経 疾 患 の<br />

分 子 病 態 理 解 に 基 づく<br />

診 断 ・ 治 療 へ 向 けた<br />

新 技 術 の 創 出<br />

戦 略 目 標<br />

精 神 ・ 神 経 疾 患 の 診 断 ・ 治 療 法 開 発 に<br />

向 けた 高 次 脳 機 能 解 明 によるイノベー<br />

ション 創 出<br />

平 成 19 年 度 採 択<br />

恐 怖 記 憶 制 御 の 分 子 機 構 の 理 解 に<br />

基 づいたPTSDの 根 本 的 予 防 法 ・ 治<br />

療 法 の 創 出<br />

井 ノ 口 馨<br />

本 研 究 は、トラウマ 記 憶 そのものを 減<br />

弱 ・ 消 去 させることにより、 外 傷 後 スト<br />

レス 障 害 (PTSD)の 根 本 的 な 予 防 ・<br />

治 療 法 の 開 発 のための 基 盤 構 築 をは<br />

かるものです。 動 物 モデルを 用 いて 恐<br />

怖 記 憶 の 制 御 の 分 子 機 構 を 明 らかにし、その 知 見 から<br />

得 られる 動 物 モデル・トラウマ 体 験 者 ・PTSD 患 者 まで<br />

一 貫 した 理 論 的 根 拠 を 基 にしたPTSDの 新 規 かつ 根<br />

本 的 な 予 防 法 と 治 療 法 の 創 出 を 目 指 します。<br />

マウスを 活 用 した 精 神 疾 患 の<br />

中 間 表 現 型 の 解 明<br />

宮 川<br />

富 山 大 学 大 学 院 医 学 薬 学 研 究 部 教 授 藤 田 保 健 衛 生 大 学 総 合 医 科 学 研 究 所 教 授<br />

剛<br />

私 たちはこれまでに「マウスの 精 神 疾<br />

患 」と 呼 んでも 過 言 ではないほどの 顕<br />

著 な 行 動 異 常 を 示 す 系 統 のマウスを<br />

複 数 同 定 することに 成 功 してきました。<br />

本 研 究 では、このような 精 神 疾 患 モデ<br />

ルマウスの 脳 について、 各 種 先 端 技 術 を 活 用 した 網 羅<br />

的 ・ 多 角 的 な 解 析 を 行 い、 生 理 学 的 、 生 化 学 的 、 形 態 学<br />

的 特 徴 の 抽 出 を 進 めます。さらに、これらのデータをヒト<br />

の 解 析 に 応 用 することによって、 精 神 疾 患 における 本<br />

質 的 な 脳 内 中 間 表 現 型 の 解 明 を 目 指 します。<br />

研 究 総 括<br />

樋 口 輝 彦<br />

本 研 究 領 域 は、 少 子 化 ・ 高 齢 化 ・ストレス 社 会 を<br />

迎 えたわが 国 において 社 会 的 要 請 の 強 い 認 知 ・<br />

情 動 などをはじめとする 高 次 脳 機 能 の 障 害 による<br />

精 神 ・ 神 経 疾 患 に 対 して、 脳 科 学 の 基 礎 的 な 知 見<br />

を 活 用 し 予 防 ・ 診 断 ・ 治 療 法 等 における 新 技 術 の<br />

創 出 を 目 指 すものです。<br />

具 体 的 には、 高 次 脳 機 能 障 害 を 呈 する 精 神 ・ 神<br />

経 疾 患 の 分 子 病 態 理 解 を 基 盤 として、その 知 見 に<br />

基 づく 客 観 的 な 診 断 及 び 根 本 治 療 に 向 けた 研 究<br />

を 対 象 とします。 例 えば、 生 化 学 的 もしくは 分 子 遺<br />

伝 学 的 観 点 から 客 観 的 な 指 標 として 利 用 可 能 な<br />

分 子 マーカーあるいは 非 侵 襲 的 イメージング 技 術<br />

など 機 能 マーカーを 用 いた 診 断 法 の 開 発 、 遺 伝 子<br />

変 異 や 環 境 変 化 などを 再 現 した 疾 患 モデル 動 物<br />

の 解 析 、 根 本 治 療 を 実 現 するための 創 薬 に 向 けた<br />

標 的 分 子 の 探 索 ・ 同 定 などが 研 究 対 象 となります。<br />

なおこれらの 研 究 を 進 めていく 上 では、 疾 患 を 対<br />

象 とした 臨 床 研 究 と 脳 科 学 などの 基 礎 研 究 、 精 神<br />

疾 患 研 究 と 神 経 疾 患 研 究 、 脳 画 像 などの 中 間 表<br />

現 型 解 析 研 究 と 遺 伝 子 解 析 研 究 など、 異 なる 研<br />

究 分 野 や 研 究 手 法 の 有 機 的 な 融 合 をはかる 研 究<br />

を 重 視 するものです。<br />

領 域 アドバイザー<br />

( 独 ) 国 立 精 神 ・ 神 経 医 療 研 究<br />

センター 理 事 長<br />

有 波 忠 雄 筑 波 大 学 医 学 医 療 系 教 授<br />

市 川 宏 伸 東 京 都 立 小 児 総 合 医 療 センター 顧 問<br />

糸 山 泰 人 ( 独 ) 国 立 精 神 ・ 神 経 医 療 研 究 センター 病 院<br />

院 長<br />

岡 崎 祐 士 東 京 都 立 松 沢 病 院 名 誉 院 長 /<br />

厚 生 会 道 ノ 尾 病 院 特 別 顧 問<br />

梶 井 靖 アッヴィGK 医 学 統 括 本 部 部 長<br />

吉 川 潮 神 戸 大 学 自 然 科 学 系 先 端 融 合 研 究 環<br />

バイオシグナル 研 究 センター 教 授<br />

桐 野 高 明 ( 独 ) 国 立 病 院 機 構 理 事 長<br />

服 巻 保 幸 九 州 大 学 生 体 防 御 医 学 研 究 所<br />

遺 伝 情 報 実 験 センター 教 授<br />

御 子 柴 克 彦 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 脳 科 学 総 合 研 究 センター<br />

シニアチームリーダー<br />

米 倉 義 晴 ( 独 ) 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 理 事 長<br />

アルツハイマー 病 根 本 治 療 薬 創 出 の<br />

ための 統 合 的 研 究<br />

岩 坪<br />

威<br />

本 研 究 は、アルツハイマー 病 (AD)の<br />

分 子 病 態 を、 病 因 タンパク 質 βアミロイ<br />

ド(Aβ)の 産 生 、 凝 集 、クリアランスの<br />

分 子 機 構 に 着 目 して 解 明 し、 各 段 階<br />

を 改 善 する 新 機 軸 の 治 療 方 策 を 創 出<br />

するものです。Aβ 産 生 についてはγセクレターゼ、Aβの<br />

毒 性 機 構 についてはシナプスや 樹 状 突 起 などの 障 害 を<br />

標 的 として、Aβ 排 出 促 進 療 法 にも 着 目 します。さらに<br />

ADの 初 期 病 態 を 反 映 するバイオマーカーについて、 実<br />

験 動 物 とAD 患 者 を 対 比 ・ 検 証 し、 新 規 治 療 法 の 実 現<br />

につなげます。<br />

神 経 発 達 関 連 因 子 を 標 的 とした<br />

統 合 失 調 症 の 分 子 病 態 解 明<br />

貝 淵 弘 三<br />

統 合 失 調 症 の 発 症 には、 遺 伝 因 子 と<br />

環 境 因 子 が 関 与 すると 考 えられていま<br />

す。 発 症 脆 弱 性 遺 伝 子 が 複 数 報 告 さ<br />

れていますが、 発 症 機 構 は 今 なお 不<br />

明 です。 本 研 究 では 統 合 失 調 症 の 分<br />

子 病 態 を 理 解 するため、 発 症 脆 弱 性 因 子 に 結 合 する 分<br />

子 を 同 定 し、その 生 理 機 能 や 遺 伝 学 的 な 関 与 を 明 らか<br />

にします。さらに、 発 症 脆 弱 性 遺 伝 子 の 変 異 マウスを 作<br />

成 し、 病 態 生 理 学 的 、 行 動 学 的 な 解 析 を 行 い、 新 たな<br />

予 防 法 ・ 治 療 法 へと 繋 げることを 目 標 とします。<br />

パーキンソン 病 遺 伝 子 ネットワーク<br />

解 明 と 新 規 治 療 戦 略<br />

高 橋 良 輔<br />

ドーパミン 神 経 の 選 択 的 変 性 を 特 徴<br />

とするパーキンソン 病 (PD)は、わが 国<br />

で10 万 人 以 上 の 患 者 数 を 数 える 重<br />

篤 な 神 経 変 性 疾 患 であり、 治 療 に 向<br />

けた 病 因 解 明 は 急 務 です。 本 研 究 は、<br />

単 一 および 多 重 遺 伝 子 変 異 をもつPDモデル 系 ( 細 胞<br />

株 ・メダカ・マウス)を 樹 立 し、 小 胞 体 、ミトコンドリア、タン<br />

パク 質 分 解 系 の 複 合 病 態 を 解 明 するもので、モデル 系<br />

を 治 療 の 標 的 分 子 や 神 経 保 護 性 低 分 子 化 合 物 の 探<br />

索 に 利 用 して、 新 規 治 療 法 の 開 発 を 目 指 します。<br />

平 成 20 年 度 採 択<br />

脊 髄 外 傷 および 障 害 脳 における 神 経 回 路<br />

構 築 による 治 療 法 の 開 発 ~インテリジェント・<br />

ナノ 構 造 物 と 高 磁 場 による 神 経 機 能 再 生 ~<br />

小 野 寺 宏<br />

東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授 ( 独 ) 国 立 病 院 機 構 仙 台 医 療 センター<br />

特 任 上 席 研 究 員<br />

急 速 に 発 展 する 幹 細 胞 ・iPS 細 胞 技<br />

術 を 用 いた 脳 脊 髄 疾 患 の 移 植 医 療<br />

に 期 待 が 集 まっていますが、 現 行 技 術<br />

では 阻 害 因 子 に 邪 魔 されて 移 植 細 胞<br />

が 神 経 線 維 を 伸 ばせず、 病 気 で 損 な<br />

われた 機 能 を 回 復 できません。そこで 本 研 究 では、 脊 髄<br />

外 傷 、パーキンソン 病 、 脳 卒 中 などの 疾 患 を 対 象 として、<br />

神 経 接 着 分 子 や 栄 養 因 子 を 結 合 したインテリジェント・<br />

ナノ 磁 性 体 を 脳 脊 髄 の 目 的 部 位 に 正 確 に 配 置 し、それ<br />

を 足 場 に 神 経 回 路 を 再 構 築 するという 新 しい 治 療 技 術<br />

の 開 発 を 目 指 します。<br />

社 会 行 動 関 連 分 子 機 構 の 解 明 に<br />

基 づく 自 閉 症 の 根 本 的 治 療 法 創 出<br />

加 藤 進 昌<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授 昭 和 大 学 医 学 部 教 授<br />

自 閉 症 の 社 会 相 互 性 の 障 害 は、 当 事<br />

者 の 社 会 適 応 を 妨 げる 最 大 要 因 とい<br />

えるものですが、 現 在 のところこの 障<br />

害 に 直 接 有 効 な 薬 物 療 法 はありませ<br />

ん。 本 計 画 では、 自 閉 症 をできるだけ<br />

早 期 に 診 断 し、オキシトシンもしくは 関 連 物 質 の 早 期 投<br />

与 による、この 社 会 相 互 性 障 害 の 根 本 的 治 療 方 法 の<br />

創 出 を 目 指 します。そのために、 末 梢 血 および 臍 帯 血 中<br />

のオキシトシン 関 連 物 質 の 濃 度 や 遺 伝 子 の 解 析 、 動 物<br />

実 験 、 成 人 および 幼 児 での 臨 床 試 験 と 脳 画 像 解 析 を<br />

連 携 して 行 います。<br />

BDNF 機 能 障 害 仮 説 に 基 づいた<br />

難 治 性 うつ 病 の 診 断 ・ 治 療 法 の 創 出<br />

小 島 正 己<br />

京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 研 究 グループ 長<br />

抗 うつ 薬 は 脳 由 来 神 経 栄 養 因 子 (B<br />

DNF) 機 能 亢 進 作 用 により 治 療 効 果<br />

を 示 すと 考 えられていますが、 抗 うつ 薬<br />

抵 抗 性 を 示 す 難 治 性 うつ 病 の 病 態 は<br />

不 明 です。 本 研 究 では、BDNFの 前<br />

駆 体 から 成 熟 体 へのプロセッシング 障 害 および 分 泌 障<br />

害 がうつ 病 の 難 治 化 を 引 き 起 こすと 想 定 し、その 仮 説 に<br />

基 づいたうつ 病 の 分 子 病 態 の 解 明 、 血 中 バイオマー<br />

カー 検 索 と 脳 画 像 診 断 法 などを 用 いた 難 治 性 うつ 病 の<br />

診 断 ・ 治 療 法 の 創 出 を 目 指 します。<br />

32

孤 発 性 ALSのモデル 動 物 作 成 を<br />

通 じた 分 子 標 的 治 療 開 発<br />

ポリグルタミン 病 の 包 括 的 治 療 法 の<br />

開 発<br />

祖 父 江 元<br />

貫 名 信 行<br />

名 古 屋 大 学 医 学 系 研 究 科 教 授 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 構 造 神 経 病 理 研 究 チーム チームリーダー<br />

順 天 堂 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授<br />

筋 萎 縮 性 側 索 硬 化 症 (ALS)はその<br />

90% 以 上 が 孤 発 例 ですが、 病 態 の 大<br />

部 分 は 解 明 されておらず、 根 本 治 療 は<br />

見 出 されていません。 本 研 究 では、こ<br />

れまでに 孤 発 性 ALS 患 者 の 病 変 組 織<br />

で 見 出 されてきた 分 子 イベントを 再 現 する 動 物 モデルを<br />

開 発 し、 運 動 ニューロン 変 性 をもたらす 分 子 病 態 および<br />

それを 担 う 標 的 分 子 を 明 らかにします。そして、これらの<br />

病 態 関 連 分 子 を 標 的 とする 病 態 抑 止 治 療 法 を 開 発 し<br />

て、その 臨 床 応 用 を 目 指 します。<br />

本 質 的 な 治 療 法 のない 遺 伝 性 神 経<br />

変 性 疾 患 のポリグルタミン 病 について、<br />

異 常 たんぱく 質 凝 集 の 抑 制 ・ 分 解 過<br />

程 の 制 御 、 転 写 異 常 などの 病 態 過 程<br />

の 制 御 の 観 点 からの 治 療 法 の 開 発 を<br />

目 指 します。 天 然 物 スクリーニングや 化 合 物 ライブラリー<br />

スクリーニングを、モデル 細 胞 、モデル 動 物 を 効 率 よく 利<br />

用 して 行 うとともに、 効 果 のある 化 合 物 をもとにケミカル<br />

ジェネティクスによりその 標 的 分 子 を 同 定 し、さらにこれ<br />

を 制 御 する 薬 物 ・ 遺 伝 子 治 療 法 の 開 発 を 進 めます。<br />

平 成 21 年 度 採 択<br />

分 子 的 理 解 に 基 づく 抗 アミロイド<br />

および 抗 タウ 療 法 の 開 発<br />

井 原 康 夫<br />

本 研 究 は、アミロイド 仮 説 にそってア<br />

ルツハイマー 病 の 分 子 的 理 解 を 進 め<br />

るとともに、それに 基 づく 治 療 法 開 発<br />

に 取 り 組 みます。Aβたんぱく 質 産 生<br />

の 抑 止 に 関 しては、 基 質 特 異 的 な 阻<br />

害 による、 副 作 用 の 少 ない 阻 害 剤 の<br />

開 発 を 目 指 します。また、わが 国 で 新 たに 発 見 されたAβ<br />

変 異 を 詳 細 に 研 究 することで、Aβオリゴマーに 関 連 する<br />

病 理 カスケードの 分 析 を 可 能 とします。さらに、 線 虫 モデ<br />

ルを 用 いてチューブリンとタウのアンバランスが 神 経 変<br />

性 を 引 き 起 こすという 仮 説 を 検 証 し、 抗 タウ 療 法 開 発 の<br />

基 盤 とすることを 目 指 します。<br />

プルキンエ 細 胞 変 性 の 分 子 病 態 に<br />

基 づく 診 断 ・ 治 療 の 開 発<br />

水 澤 英 洋<br />

同 志 社 大 学 生 命 医 科 学 部 教 授 東 京 医 科 歯 科 大 学 大 学 院<br />

医 歯 学 総 合 研 究 科 教 授<br />

小 脳 プルキンエ 細 胞 (PC)の 障 害 は<br />

小 脳 性 運 動 失 調 症 (SCA)を 惹 起 し<br />

ますが、いまだその 治 療 法 は 確 立 して<br />

いません。 本 研 究 では、ほぼ 純 粋 にP<br />

Cの 変 性 をきたす 遺 伝 性 SCAを 対 象<br />

として 疾 患 モデルを 開 発 し、オミックス・ケミカルバイオロ<br />

ジーの 手 法 を 駆 使 して、RNA 分 子 発 現 の 異 常 から 個 体<br />

での 発 症 に 至 る 病 態 経 路 を 解 明 し、 治 療 戦 略 を 確 立 し<br />

ます。そして、PC 障 害 や 小 脳 失 調 全 般 に 適 用 しうる 治<br />

療 法 ・ 診 断 マーカーの 創 出 を 目 指 します。<br />

精 神 ・ 神 経 ライフイノベーション<br />

精 神 の 表 出 系 としての 行 動 異 常 の<br />

統 合 的 研 究<br />

内 匠<br />

透<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 脳 科 学 総 合 研 究 センター<br />

チームリーダー<br />

こころの 問 題 はしばしば 行 動 の 異 常 と<br />

して 現 れます。 私 たちが 最 新 の 染 色 体<br />

工 学 的 手 法 を 用 いて 開 発 した 自 閉 症<br />

ヒト 型 モデルマウスは、 従 来 のモデル<br />

とは 一 線 を 画 すユニークな 世 界 初 の<br />

モデルです。 本 研 究 では、 本 モデルをはじめとする 発 達<br />

障 害 モデルやリズム 障 害 モデルを 通 して 病 態 解 明 を 行<br />

うとともに、 数 理 モデル 解 析 に 基 づく 非 侵 襲 診 断 法 の<br />

開 発 、 環 境 要 因 を 含 めた 治 療 法 の 基 盤 開 発 など、 精 神<br />

行 動 異 常 疾 患 の 統 合 研 究 を 目 指 します。<br />

統 合 失 調 症 のシナプスーグリア 系<br />

病 態 の 評 価 ・ 修 復 法 創 出<br />

西 川<br />

徹<br />

東 京 医 科 歯 科 大 学 大 学 院<br />

医 歯 学 総 合 研 究 科 教 授<br />

高 い 発 症 率 と 難 治 性 を 示 す 統 合 失<br />

調 症 では、グルタミン 酸 シナプスの 機<br />

能 異 常 の 関 与 が 推 測 されています。<br />

本 研 究 は、 従 来 のニューロン 中 心 の<br />

視 点 に 加 え、グリアーシナプス 相 互 作<br />

用 にも 注 目 し、グルタミン 酸 シナプス 修 飾 因 子 のD-セリ<br />

ンがグリアーニューロン 間 で 機 能 する 分 子 細 胞 メカニズ<br />

ムと 統 合 失 調 症 における 病 態 を 解 明 します。さらに、その<br />

評 価 法 と 修 復 法 を 創 出 することにより、 新 たな 診 断 ・ 治<br />

療 法 への 展 開 を 目 指 します。<br />

33

生 命 システムの<br />

動 作 原 理 と 基 盤 技 術<br />

平 成 18 年 度 採 択 ( 研 究 終 了 )<br />

器 官 のグローバルな 非 対 称 性 と<br />

一 細 胞 の 極 性 をつなぐ 機 構 の 解 明<br />

行 動 を 規 定 する<br />

神 経 回 路 システム 動 態 の 研 究<br />

戦 略 目 標<br />

生 命 システムの 動 作 原 理 の 解 明 と 活 用<br />

のための 基 盤 技 術 の 創 出<br />

研 究 総 括<br />

中 西 重 忠<br />

( 財 ) 大 阪 バイオサイエンス 研 究 所<br />

所 長<br />

本 研 究 領 域 は、 生 命 システムの 動 作 原 理 の 解<br />

明 を 目 指 して、 新 しい 視 点 に 立 った 解 析 基 盤 技 術<br />

を 創 出 し、 生 体 の 多 様 な 機 能 分 子 の 相 互 作 用 と<br />

作 用 機 序 を 統 合 的 に 解 析 して、 動 的 な 生 体 情 報<br />

の 発 現 における 基 本 原 理 の 理 解 を 目 指 す 研 究 を<br />

対 象 とします。<br />

具 体 的 には、 近 年 の 飛 躍 的 に 解 析 が 進 んだ 遺<br />

伝 情 報 や 機 能 分 子 の 集 合 体 の 理 解 をもとに、 細<br />

胞 内 、 細 胞 間 、 個 体 レベルの 情 報 ネットワークの<br />

機 能 発 現 の 機 構 、 例 えば 生 体 情 報 に 特 徴 的 な 非<br />

線 形 で 動 的 な 反 応 機 構 などを、 新 しい 視 点 に 立 っ<br />

て 解 析 を 進 めることによって 生 命 システムの 統 合<br />

的 な 理 解 をはかる 研 究 を 対 象 とします。<br />

さらには、 生 体 情 報 の 発 現 の 数 理 モデル 化 や 新<br />

しい 解 析 技 術 の 開 発 など 基 盤 技 術 の 創 成 を 目 指<br />

した 研 究 も 対 象 としますが、 生 命 現 象 の 実 験 的 解<br />

析 と 融 合 した 研 究 を 重 視 するものです。<br />

上 村<br />

匡<br />

生 体 内 の 細 胞 に 含 まれる1 分 子 ・1 粒 子 レベルの 挙 動 を、<br />

定 量 的 かつ 統 計 的 に 調 べる 手 法 を 開 発 し、 器 官 の 空 間<br />

軸 に 沿 った 微 小 管 極 性 の 差 、 小 胞 の 極 性 輸 送 、そして<br />

平 面 内 細 胞 極 性 の 獲 得 へとつながるシステムの 全 体 像<br />

を 提 唱 しました。また、 細 胞 極 性 を 調 節 する7 回 膜 貫 通<br />

型 カドヘリンが、 器 官 の3 次 元 構 築 にも、そして 神 経 細<br />

胞 においては 同 一 細 胞 由 来 の 突 起 間 での 反 発 に 重 要<br />

な 役 割 を 果 たすことを 発 見 しました。<br />

短 周 期 遺 伝 子 発 現 リズムの 動 作 原 理<br />

影 山 龍 一 郎<br />

本 研 究 では、 数 理 モデルからの 予 測 を 検 証 することによ<br />

り、 分 節 時 計 においてネガティブフィードバックがHes7<br />

の 発 現 振 動 を 引 き 起 こす 動 作 原 理 を 解 明 しました。また、<br />

分 節 時 計 を 構 成 する 振 動 遺 伝 子 ネットワークの 全 体 像<br />

と 役 割 を 明 らかにするとともに、 神 経 幹 細 胞 、 胎 生 幹 細<br />

胞 、 線 維 芽 細 胞 におけるHes1の 発 現 振 動 の 意 義 を 示<br />

しました。これらの 結 果 から、 多 くの 生 命 現 象 における 短<br />

周 期 遺 伝 子 発 現 リズムの 動 作 原 理 および 意 義 の 解 明<br />

に 成 功 しました。<br />

シグナル 伝 達 機 構 の 情 報 コーディング<br />

森<br />

郁 恵<br />

京 都 大 学 大 学 院 生 命 科 学 研 究 科 教 授 名 古 屋 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

線 虫 の 温 度 学 習 行 動 を 規 定 する 神 経 回 路 の 動 作 原 理<br />

を 明 らかにするために、 多 点 同 時 カルシウムイメージング<br />

法 、 線 虫 行 動 の 自 動 追 尾 システム、 光 遺 伝 学 (オプト<br />

ジェネティクス)の 技 術 を 開 発 しました。これらの 技 術 を<br />

活 用 し、 単 一 ニューロンの 活 動 変 化 が、シナプス 結 合 を<br />

介 して 別 の 単 一 ニューロンの 活 動 を、ダイナミックに 制 御<br />

していることを 明 らかにしました。シナプス 結 合 だけでなく、<br />

ホルモンなどの 放 出 が 神 経 回 路 動 態 を 変 化 させることも<br />

発 見 しました。<br />

平 成 19 年 度 採 択<br />

細 胞 における 確 率 的 分 子 情 報 処 理 の<br />

ゆらぎ 解 析<br />

上 田 昌 宏<br />

京 都 大 学 ウイルス 研 究 所 教 授 大 阪 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

近 年 の 細 胞 内 1 分 子 計 測 法 の 進 展 により、 細 胞 内 部 の<br />

分 子 情 報 処 理 システムは、 分 子 運 動 の 無 秩 序 さや 反 応<br />

の 確 率 性 に 起 因 する「ノイズ」を 内 包 し、それを 機 能 発<br />

現 へとむすびつけることによって 柔 軟 でダイナミックなシ<br />

ステムを 作 り 上 げている 姿 が 見 えてきました。 本 研 究 で<br />

は、「ノイズ」の 生 成 ・ 処 理 ・ 伝 搬 に 着 目 した1 分 子 レベル<br />

の 精 密 計 測 と 数 理 モデルの 構 築 を 通 して、 分 子 情 報 処<br />

理 システムの 確 率 的 演 算 原 理 の 解 明 を 目 指 します。<br />

シアノバクテリアの 概 日 システム<br />

領 域 アドバイザー<br />

岡 田 清 孝 自 然 科 学 研 究 機 構 基 礎 生 物 学 研 究 所 所 長<br />

後 藤 由 季 子 東 京 大 学 分 子 細 胞 生 物 学 研 究 所 教 授<br />

近 藤 滋 大 阪 大 学 大 学 院 生 命 機 能 研 究 科 教 授<br />

榊 佳 之 豊 橋 技 術 科 学 大 学 学 長<br />

桜 田 一 洋 ( 株 )ソニーコンピュータサイエンス 研 究 所<br />

シニアリサーチャー<br />

笹 井 芳 樹 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 発 生 ・ 再 生 科 学 総 合<br />

研 究 センター グループディレクター<br />

武 藤 誠 京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授<br />

垣 生 園 子 順 天 堂 大 学 医 学 部 客 員 教 授<br />

平 野 俊 夫 大 阪 大 学 総 長<br />

黒 田 真 也<br />

生 命 現 象 の 本 質 は、 多 種 多 様 な 刺 激 を 限 られた 種 類 の<br />

細 胞 内 分 子 の 活 性 にコードして 適 切 に 応 答 することに<br />

あります。このコーディングには、 入 力 の 違 いを 活 性 化 す<br />

る 分 子 の 組 み 合 わせにコードするだけでなく、 分 子 活 性<br />

の 時 間 波 形 に 情 報 をコードする 時 間 情 報 コーディングが<br />

あります。 本 研 究 では、 同 じ 刺 激 の 時 間 波 形 に 依 存 して<br />

様 々な 応 答 を 示 す 生 命 現 象 に 着 目 して、シグナル 伝 達<br />

の 情 報 コーディングの 基 本 原 理 を 抽 出 しました。<br />

近 藤 孝 男<br />

東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授 名 古 屋 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

生 物 時 計 は 生 命 が 地 球 上 で 効 率 良 く 生 活 するための<br />

基 本 的 メカニズムです。 今 までに、シアノバクテリアの3<br />

つのKai 蛋 白 質 とATPを 試 験 管 内 で 混 ぜるだけで 安 定<br />

した24 時 間 のリズムを 発 生 させることに 成 功 しています。<br />

本 研 究 では、 蛋 白 質 が 正 確 な 時 を 刻 むメカニズムを 解 明<br />

します。 次 に、この 振 子 が 細 胞 の 中 でどのようにシステム<br />

を 構 成 し、 生 物 時 計 としての 機 能 を 果 たしているかを 解<br />

明 します。<br />

生 物 の 極 性 が 生 じる 機 構<br />

RNAサイレンシングが 司 る<br />

遺 伝 子 情 報 制 御<br />

濱 田 博 司<br />

塩 見 美 喜 子<br />

大 阪 大 学 大 学 院 生 命 機 能 研 究 科 教 授 東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授<br />

一 様 な 細 胞 集 団 の 中 に 極 性 を 生 み 出 すことは、 初 期 発<br />

生 において 極 めて 重 要 な 現 象 です。 本 研 究 では、 左 右<br />

と 頭 尾 という2つの 極 性 を 題 材 にして、 対 称 性 が 破 られ<br />

る 機 構 、さらには、 体 の 極 性 の 起 源 を 調 べました。その 結<br />

果 、 繊 毛 によって 左 右 対 称 性 が 破 られる 仕 組 みや、 頭<br />

尾 の 極 性 が 従 来 よりも 早 い 時 期 に 決 まることが、 明 らか<br />

になりました。<br />

小 さなRNAが 引 き 起 こす 遺 伝 子 発 現 抑 制 現 象 をRNA<br />

サイレンシングと 称 します。RNAサイレンシングは、 発 生 、<br />

器 官 形 成 、 代 謝 などに 必 須 な 遺 伝 子 の 発 現 を 制 御 する<br />

ことによって、あるいはトランスポゾンやウイルスの 侵 入<br />

からゲノムを 守 ることによって、 生 命 維 持 や 種 の 保 存 を<br />

確 固 とします。 本 研 究 では、 小 さなRNAによる、 生 命 活<br />

動 の 基 盤 となる 遺 伝 子 制 御 プログラムを 理 解 することで、<br />

生 命 の 分 子 設 計 図 の 解 明 に 寄 与 することを 目 指 します。<br />

34

ユビキチンシステムの<br />

網 羅 的 解 析 基 盤 の 創 出<br />

中 山 敬 一<br />

九 州 大 学 生 体 防 御 医 学 研 究 所 教 授<br />

ユビキチンシステムは 多 くの 重 要 な 生 命 現 象 を 調 節 して<br />

おり、1000 種 類 以 上 の 酵 素 が 関 わっています。しかし、<br />

その 酵 素 と 標 的 タンパク 質 との 対 応 関 係 はあまり 解 明 さ<br />

れておらず、ユビキチンシステムを 網 羅 的 に 解 析 する 技<br />

術 の 開 発 が 求 められています。 本 研 究 は、 遺 伝 学 とプロ<br />

テオミクスを 組 み 合 わせた 新 しい 方 法 論 を 開 発 すること<br />

によって、システムとしてのユビキチン 化 を 理 解 し、 多 くの<br />

生 命 現 象 を 分 子 論 的 に 解 明 することを 目 指 します。<br />

生 命 システム ライフイノベーション<br />

35

代 謝 調 節 機 構 解 析 に<br />

基 づく 細 胞 機 能 制 御<br />

基 盤 技 術<br />

戦 略 目 標<br />

代 謝 調 節 機 構 解 析 に 基 づく 細 胞 機 能<br />

制 御 に 関 する 基 盤 技 術 の 創 出<br />

平 成 17 年 度 採 択 ( 研 究 終 了 )<br />

定 量 的 メタボロミクスとプロテオミクス<br />

の 融 合<br />

小 田 吉 哉<br />

エーザイ( 株 )バイオマーカー&パーソナライズ<br />

ドメディスン 機 能 ユニット プレジデント<br />

メタボローム 解 析 において 精 度 の 高 い 網 羅 的 定 量 法 を<br />

開 発 するとともに、 測 定 システムのナノ 化 や 特 定 代 謝 物<br />

群 の 特 異 的 精 製 によって 微 量 代 謝 物 成 分 の 測 定 を 可<br />

能 にしました。そして 質 量 分 析 装 置 に 依 存 しない 普 遍 的<br />

な 解 析 ソフトを 開 発 し 無 料 で 提 供 しました。さらにMass<br />

Bank (JST-BIRD)と 連 携 してメタボローム・データ<br />

ベースの 充 実 に 貢 献 しました。またアルツハイマー 病 診<br />

断 マーカーの 特 許 申 請 を 行 いました。その 一 部 について<br />

はプロテオーム 情 報 と 融 合 させることができました。<br />

染 色 体 分 配 メタボリズムを 支 える<br />

分 子 ネットワークの 解 析<br />

柳 田 充 弘<br />

京 都 大 学 大 学 院 生 命 科 学 研 究 科<br />

特 任 教 授<br />

染 色 体 の 数 (ヒトでは46 本 )がいかにして 一 定 性 を 保 つ<br />

のか、 染 色 体 数 恒 常 性 維 持 の 分 子 ネットワークの 細 胞<br />

機 能 を 解 明 しました。 染 色 体 の 継 承 に、 進 化 的 に 保 存 さ<br />

れたタンパク 質 と 低 分 子 から 成 るメタボリックな 制 御 ネッ<br />

トワークが 必 須 であり、これを 多 彩 な 統 合 技 術 で 解 明 しま<br />

した。 得 られた 情 報 、 解 析 基 盤 技 術 は、どの 生 物 にも 応<br />

用 可 能 で、 知 的 資 産 として 価 値 が 高 く、また 染 色 体 病 や<br />

細 胞 癌 化 の 原 因 解 明 にむけて 有 効 な 情 報 を 生 み 出 す<br />

事 が 期 待 されます。<br />

研 究 総 括<br />

西 島 正 弘<br />

本 研 究 領 域 は、 細 胞 内 の 代 謝 変 化 を 統 合 的 あ<br />

るいは 網 羅 的 に 解 析 し、 細 胞 の 恒 常 性 維 持 のメカ<br />

ニズムを 解 明 することにより、 細 胞 機 能 の 向 上 ・ 改<br />

変 ・ 付 与 や 恒 常 性 の 乱 れを 回 復 するための、 細 胞<br />

を 制 御 する 基 盤 的 な 新 技 術 の 創 出 を 目 指 す 研 究<br />

を 対 象 とします。<br />

具 体 的 には、 代 謝 産 物 群 のパターンによる 外 部<br />

刺 激 に 応 じた 正 常 細 胞 の 細 胞 内 状 態 の 変 化 や<br />

病 態 、 発 生 過 程 等 における 細 胞 状 態 の 評 価 ・ 分<br />

類 、 既 存 あるいは 個 別 測 定 データに 基 づく 細 胞 モ<br />

デリングと 機 能 変 化 予 測 、それらの 研 究 に 基 づく<br />

代 謝 経 路 を 特 異 的 に 制 御 する 化 合 物 の 予 測 と 制<br />

御 物 質 設 計 に 関 する 研 究 、およびこれらの 研 究 に<br />

基 づいた 新 機 能 を 付 与 した 細 胞 の 作 製 技 術 など<br />

が 含 まれます。<br />

領 域 アドバイザー<br />

昭 和 薬 科 大 学 学 長<br />

阿 部 啓 子 東 京 大 学 大 学 院 農 学 生 命 科 学 研 究 科<br />

特 任 教 授<br />

大 隅 良 典 東 京 工 業 大 学 総 合 研 究 院 フロンティア<br />

研 究 機 構 特 任 教 授<br />

大 野 茂 男 横 浜 市 立 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

春 日 雅 人 ( 独 ) 国 立 国 際 医 療 研 究 センター 総 長<br />

篠 崎 一 雄 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 植 物 科 学 研 究 センター<br />

センター 長<br />

高 井 義 美 神 戸 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

竹 縄 忠 臣 神 戸 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

田 中 啓 二 ( 財 ) 東 京 都 医 学 総 合 研 究 所 所 長<br />

谷 澤 克 行 大 阪 大 学 産 業 科 学 研 究 所 教 授<br />

中 村 春 木 大 阪 大 学 蛋 白 質 研 究 所 教 授 ・ 副 所 長<br />

西 村 紀 神 戸 大 学 医 学 部 質 量 分 析 総 合 センター<br />

客 員 教 授 ・ 副 所 長<br />

村 松 喬 愛 知 学 院 大 学 心 身 科 学 部 客 員 教 授<br />

脂 質 メタボロームのための 基 盤 技 術<br />

の 構 築 とその 適 用<br />

田 口<br />

良<br />

本 研 究 プロジェクトで、 脂 質 関 連 代 謝 分 子 の 生 体 内 変<br />

化 について、 網 羅 的 ・ 包 括 的 に 質 量 分 析 データを 取 得 し<br />

て 解 析 する 基 盤 技 術 を 構 築 することが 出 来 ました。また、<br />

解 析 手 法 の 活 用 により、 未 知 の 酸 化 脂 質 代 謝 産 物 等<br />

を 発 見 し、これらの 脂 質 酸 化 が 各 種 生 活 慣 習 病 と 深 く<br />

関 わる 事 を 明 らかにしました。 脂 質 メタボローム 解 析 は、<br />

脂 質 の 生 理 機 能 の 解 明 ばかりでなく、 創 薬 や 機 能 性 食<br />

品 等 の 開 発 に 重 要 な 研 究 手 法 であることを 証 明 するこ<br />

とが 出 来 ました。<br />

代 謝 解 析 による 幹 細 胞 制 御 機 構 の<br />

解 明<br />

平 尾<br />

敦<br />

生 体 の 幹 細 胞 は、それぞれの 組 織 のもとになる 細 胞 で<br />

す。 個 体 の 一 生 に 渡 って 細 胞 を 供 給 し 続 ける 能 力 を 持<br />

つ 幹 細 胞 の 機 能 制 御 は、 組 織 再 生 、 老 化 およびがん 化<br />

と 密 接 に 関 係 しています。 本 研 究 では、 細 胞 内 の 代 謝<br />

機 構 を 網 羅 的 に 解 析 することにより 幹 細 胞 の 動 態 を 理<br />

解 し、 幹 細 胞 の 破 綻 が 引 き 起 こす 病 態 の 解 明 に 取 り 組<br />

みました。その 結 果 、がん 治 療 における 重 要 な 標 的 であ<br />

るがん 幹 細 胞 の 動 態 解 明 に 成 功 し、 疾 病 の 予 防 ・ 治 療<br />

に 貢 献 できる 成 果 を 上 げました。<br />

栄 養 シグナルによる 植 物 代 謝 制 御 の<br />

分 子 基 盤<br />

タンパク 質 修 飾 の 動 態 とネットワーク<br />

の 網 羅 的 解 析<br />

吉 田<br />

中 部 大 学 生 命 健 康 科 学 部 教 授 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 基 幹 研 究 所<br />

主 任 研 究 員<br />

稔<br />

生 体 内 のタンパク 質 はさまざまな 翻 訳 後 修 飾 を 受 け、そ<br />

れらが 動 的 なネットワークを 形 成 し、 環 境 適 応 と 恒 常 性<br />

維 持 に 関 与 します。 特 にアセチル 化 やメチル 化 は 代 謝<br />

活 性 と 連 動 しますが、その 全 体 像 は 不 明 です。 本 研 究 で<br />

はクローン 化 した 分 裂 酵 母 全 遺 伝 子 産 物 の 翻 訳 後 修<br />

飾 を 網 羅 的 に 解 析 し、その 中 で 明 らかになった 重 要 な 代<br />

謝 関 連 因 子 のヒトホモログについて 修 飾 と 機 能 の 制 御<br />

機 構 の 解 明 を 目 指 しました。その 結 果 、 代 謝 酵 素 や 翻 訳<br />

因 子 など 多 くのタンパク 質 がアセチル 化 によって 制 御 さ<br />

れていることが 明 らかになりました。また、 代 謝 を 制 御 す<br />

る 阻 害 剤 の 探 索 法 を 確 立 しました。<br />

平 成 18 年 度 採 択 ( 研 究 終 了 )<br />

生 体 膜 リン 脂 質 多 様 性 の 構 築 機 構 の<br />

解 明 と 高 度 不 飽 和 脂 肪 酸 要 求 性 蛋<br />

白 質 の 同 定<br />

新 井 洋 由<br />

金 沢 大 学 がん 研 究 所 教 授 東 京 大 学 大 学 院 薬 学 系 研 究 科 教 授<br />

本 研 究 では、 主 に 線 虫 を 材 料 として 用 い、 遺 伝 学 、 生 化<br />

学 、およびマススペクトロメーターを 駆 使 しながら、 生 体 膜<br />

リン 脂 質 脂 肪 酸 鎖 の 意 義 という 生 体 膜 機 能 の 本 質 的<br />

問 題 の 解 決 を 目 指 しました。その 結 果 、リン 脂 質 分 子 種<br />

多 様 性 形 成 に 関 わる 分 子 群 の 同 定 、 高 度 不 飽 和 脂 肪<br />

酸 を 含 むリン 脂 質 を 要 求 する 分 子 群 の 同 定 に 成 功 しまし<br />

た。また 同 定 した 分 子 群 を 利 用 したリン 脂 質 脂 肪 酸 鎖 の<br />

機 能 を 解 明 するための 新 たな 方 法 論 を 確 立 しました。<br />

RNA 代 謝 解 析 のための<br />

質 量 分 析 プラットフォームの 開 発<br />

柳 澤 修 一<br />

東 京 大 学 大 学 院 農 学 生 命 科 学 研 究 科<br />

准 教 授<br />

礒 辺 俊 明<br />

首 都 大 学 東 京 大 学 院 理 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

植 物 栄 養 は 物 質 生 合 成 のための 基 質 であるだけでなく<br />

情 報 伝 達 物 質 として 遺 伝 子 発 現 や 代 謝 制 御 に 深 く 関<br />

わっています。 生 体 外 から 取 り 込 まれた 植 物 栄 養 とその<br />

代 謝 物 は 植 物 生 長 や 物 質 生 産 制 御 のための 複 雑 な 制<br />

御 ネットワークと 密 接 に 結 びついています。 栄 養 情 報 伝<br />

達 システムと 栄 養 シグナルによる 代 謝 調 節 を 包 括 的 に<br />

解 析 することにより、 植 物 が 持 つ 物 質 生 産 の 制 御 のた<br />

めの 巧 妙 な 仕 組 みが 明 らかとなり、 物 質 生 産 制 御 の 新<br />

たな 方 法 論 が 開 発 されました。<br />

近 年 、 低 分 子 のRNA 代 謝 物 とタンパク 質 の 複 合 体 が<br />

生 体 内 で 重 要 な 働 きをしている 事 が 明 らかにされていま<br />

す。 本 研 究 では、 最 新 の 質 量 分 析 法 を 駆 使 した 包 括 的<br />

なRNA 解 析 のプラットフォームを 開 発 し、 生 体 内 に 存 在<br />

する 低 分 子 RNAの 実 態 や、RNA/ たんぱく 質 複 合 体<br />

の 構 成 や 動 態 を 直 接 解 析 できる 技 術 を 確 立 しました。こ<br />

の 成 果 は、 今 後 プロテオミクスと 低 分 子 RNA 研 究 が 融<br />

合 した 細 胞 機 能 ネットワーク 解 析 の 基 盤 技 術 として 期 待<br />

されます。<br />

36

代 謝 応 答 を 統 御 する 新 たな 分 子 機 構<br />

の 研 究<br />

糖 代 謝 恒 常 性 を 維 持 する 細 胞 機 能 の<br />

制 御 機 構<br />

鍋 島 陽 一<br />

先 端 医 療 振 興 財 団 先 端 医 療 センター<br />

センター 長<br />

清 野<br />

進<br />

神 戸 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

脂 質 、 糖 質 、アミノ 酸 などの 摂 取 、 体 内 での 代 謝 、 代 謝<br />

物 質 による 特 異 的 シグナル 分 子 の 制 御 などを 統 合 する<br />

ことによって 動 物 個 体 のエネルギー 代 謝 が 制 御 されてい<br />

ます。 我 々が 同 定 したβ-Klothoはこのエネルギー 代 謝<br />

を 制 御 する 重 要 な 制 御 因 子 であると 推 定 され、 本 プロ<br />

ジェクトではβ-Klothoの 機 能 とその 作 用 機 能 の 解 明 を<br />

基 盤 としてエネルギー 代 謝 の 全 体 像 の 理 解 を 目 指 して<br />

解 析 を 進 めました。 同 時 にエネルギー 代 謝 は 肥 満 、 加 齢 、<br />

メタボリックシンドロームなどと 深 く 関 わっており、 得 られ<br />

た 成 果 はこれらの 疾 患 を 対 象 とする 医 学 的 応 用 の 発 展<br />

に 貢 献 すると 期 待 されます。<br />

糖 代 謝 は 生 命 維 持 に 不 可 欠 な 生 体 反 応 であり、 膵 臓 ラ<br />

ンゲルハンス 島 ( 膵 島 )は 糖 代 謝 の 恒 常 性 を 維 持 する 最<br />

も 重 要 な 器 官 ですが、その 働 きが 低 下 すると 糖 尿 病 が 引<br />

き 起 こされます。 本 研 究 では、 糖 尿 病 などの 糖 代 謝 異 常<br />

の 原 因 究 明 だけでなく 新 たな 診 断 法 や 治 療 法 の 開 発 に<br />

貢 献 することを 目 指 し、 膵 島 の 包 括 的 なメタボローム 解<br />

析 から、 膵 島 機 能 がどのように 制 御 されているかを 明 ら<br />

かにします。<br />

オルガネラ-ホメオスタシスと<br />

代 謝 調 節 ・ 高 次 細 胞 機 能 制 御<br />

藤 木 幸 夫<br />

「 代 謝 が 調 節 するオルガネラ-ホメオスタシスと 高 次 細 胞<br />

機 能 制 御 」の 基 本 原 理 を 明 らかにすべく、ペルオキシ<br />

ソームを 対 象 に 種 々 検 討 を 展 開 した。その 中 で、ツェル<br />

ヴェーガー 症 候 群 などペルオキシソーム 形 成 障 害 細 胞<br />

のリピドーム 解 析 法 を 確 立 、ペルオキシソームの 形 成 障<br />

害 細 胞 では 細 胞 質 が 極 度 に 還 元 的 状 態 であること、ペ<br />

ルオキシソームの 代 謝 産 物 DHAがこのオルガネラの 伸<br />

長 ・ 分 裂 に 必 須 であること、プラスマローゲンの 生 合 成<br />

調 節 と 輸 送 経 路 の 解 明 、ペルオキシソームの 形 成 調 節<br />

と 分 解 機 構 、ペルオキシソームホメオスタシスの 微 生 物<br />

高 次 機 能 での 重 要 性 の 発 見 など 多 くの 成 果 をあげるこ<br />

とができた。<br />

植 物 アミノ 酸 代 謝 のオミクス 統 合 解 析<br />

による 解 明<br />

平 井 優 美<br />

九 州 大 学 大 学 院 理 学 研 究 院 教 授 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 植 物 科 学 研 究 センター<br />

ユ ニットリーダ ー<br />

近 年 の 急 速 な 技 術 進 歩 により 可 能 となりつつある 網 羅<br />

的 メタボローム 解 析 は、 代 謝 制 御 機 構 の 解 明 に 必 須 と<br />

なる 膨 大 な 情 報 が 得 られますが、そのデータから 体 系 的<br />

な 生 物 学 的 知 見 を 獲 得 するための 方 法 論 は 未 確 立 で<br />

す。 本 研 究 では、シロイヌナズナ 遺 伝 子 破 壊 株 ライブラ<br />

リーについて 包 括 的 にメタボローム 解 析 を 行 い、 同 時 に<br />

取 得 する 転 写 産 物 プロファイルなどのデータをパラメー<br />

タに 用 いた 新 規 数 理 モデルを 構 築 し、 植 物 のアミノ 酸 代<br />

謝 制 御 を 予 測 ・ 検 証 します。<br />

代 謝 ライフイノベーション<br />

液 胞 膜 エンジニアリングによる<br />

植 物 代 謝 システム 制 御<br />

個 体 における 細 胞 ストレス 応 答 代 謝<br />

産 物 の 遺 伝 生 化 学 的 解 明<br />

三 村 徹 郎<br />

三 浦 正 幸<br />

神 戸 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授 東 京 大 学 大 学 院 薬 学 系 研 究 科 教 授<br />

液 胞 は、 植 物 細 胞 の 大 半 を 占 めるオルガネラであり、 細<br />

胞 内 環 境 のホメオスタシス、 代 謝 活 性 の 維 持 に 必 須 で<br />

ある。 液 胞 膜 に 存 在 する 機 能 未 知 タンパク 質 の 形 質 転<br />

換 細 胞 について、 液 胞 と 細 胞 質 に 含 まれる 代 謝 産 物 や<br />

タンパク 質 の 網 羅 的 解 析 を 行 うことで、 液 胞 に 新 機 能 が<br />

存 在 する 可 能 性 を 見 出 しました。また、 液 胞 膜 輸 送 機 能<br />

を 変 換 することで、 輸 送 基 質 候 補 を 見 出 すとともに、 細<br />

胞 質 の 代 謝 機 能 を 司 る 酵 素 遺 伝 子 の 発 現 変 動 を 明 ら<br />

かにしました。 液 胞 膜 輸 送 機 能 の 改 変 は、 植 物 液 胞 に<br />

貯 まることが 知 られている 有 用 物 質 の 生 産 制 御 に 大 き<br />

な 新 しい 可 能 性 を 開 くものと 期 待 できます。<br />

人 間 の 体 は 個 体 発 生 から 成 長 ・ 老 化 過 程 まで 栄 養 飢 餓 、<br />

感 染 や 傷 害 といった 様 々なストレスにさらされています。<br />

本 研 究 は、カスパーゼの 活 性 化 をストレス 応 答 の 中 心 に<br />

据 え、その 生 体 反 応 を 指 標 にすることによって、 細 胞 がス<br />

トレスによって 放 出 する 代 謝 産 物 の 実 態 と、カスパーゼ<br />

活 性 化 細 胞 が 産 生 する 代 謝 産 物 を 遺 伝 生 化 学 的 に 解<br />

明 し、 生 体 における 細 胞 ストレス 応 答 ・ 恒 常 性 の 維 持 機<br />

構 をこれまでにない 視 点 から 解 明 します。<br />

平 成 19 年 度 採 択<br />

鉄 および 鉄 補 欠 分 子 族 の 動 態 調 節 と<br />

その 破 綻 による 病 態 の 解 明<br />

岩 井 一 宏<br />

京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科<br />

教 授<br />

鉄 は 必 須 の 栄 養 素 であると 同 時 に 毒 性 を 持 っているた<br />

め、その 動 態 異 常 は 種 々の 病 態 と 関 わっています。 鉄 は<br />

多 くの 場 合 ヘムなどの 鉄 補 欠 分 子 族 の 形 で 働 きます。<br />

これまで、 細 胞 が 鉄 補 欠 分 子 族 を 介 して 鉄 代 謝 を 調 節<br />

することや 鉄 と 病 態 に 関 する 新 しい 知 見 が 見 出 されてき<br />

ましたが、 本 研 究 ではメタボローム 解 析 などの 手 法 を 用<br />

いて、 鉄 代 謝 異 常 が 関 与 する 疾 患 の 新 規 治 療 法 の 基<br />

礎 や 疲 労 の 科 学 的 評 価 法 を 開 発 します。<br />

37

新 機 能 創 出 を 目 指 した<br />

分 子 技 術 の 構 築<br />

戦 略 目 標<br />

環 境 ・エネルギー 材 料 や 電 子 材 料 、 健<br />

康 ・ 医 療 用 材 料 に 革 新 をもたらす 分 子<br />

の 自 在 設 計 『 分 子 技 術 』の 構 築<br />

研 究 総 括<br />

山 本 尚<br />

「 分 子 技 術 」とは 目 的 を 持 って 分 子 を 設 計 ・ 合 成 し、 分<br />

子 レベルで 物 質 の 物 理 的 ・ 化 学 的 ・ 生 物 学 的 機 能 を 創<br />

出 することによって、 従 前 の 科 学 技 術 を 質 的 に 一 変 させ<br />

る 一 連 の 技 術 である。 分 子 レベルでの 物 性 創 出 とは、<br />

無 限 に 存 在 する 分 子 から 最 善 ・ 最 適 の 分 子 を 精 密 合 成<br />

技 術 と 理 論 ・ 計 算 科 学 との 協 働 によ り 自 在 に 設 計 ・ 合<br />

成 するという 究 極 の 物 質 合 成 で、 分 子 の 形 状 ・ 構 造 、 電<br />

子 状 態 、 集 合 体 ・ 複 合 体 、 輸 送 ・ 移 動 を 制 御 し、これに<br />

よって 真 に 産 業 競 争 力 のある 諸 外 国 には 真 似 できない<br />

物 質 ・ 材 料 の 創 出 が 期 待 できます。<br />

本 研 究 領 域 では、 解 決 すべき 多 様 な 応 用 課 題 に 潜<br />

む 本 質 的 な 問 題 点 を 分 子 レベルまで 掘 り 下 げ、 所 望 の<br />

機 能 を 持 つ 分 子 を 設 計 ・ 合 成 ・ 操 作 ・ 制 御 ・ 集 積 すること<br />

で、 常 識 的 な 分 子 ライブラリーに 止 まっていた 従 来 の 科<br />

学 技 術 の 延 長 線 上 では 考 えることの 出 来 ない、 革 新 的<br />

かつ 精 密 でオンリー・ワンの 新 物 質 ・ 新 材 料 ・ 新 デバイ<br />

ス・ 新 プロセスの 創 出 につながる 分 子 技 術 を 構 築 し、 将<br />

来 を 見 据 えた 社 会 ニーズと 分 子 技 術 との 間 をシームレス<br />

に 結 びつけることを 最 終 目 標 とします。<br />

こうした 分 子 技 術 の 研 究 開 発 に 普 遍 性 をもたせるた<br />

めに、 従 来 の 化 学 、 物 理 学 、 生 物 学 等 の 分 野 単 独 の 知<br />

見 では 解 決 が 困 難 であった 応 用 課 題 上 のボトルネック<br />

を 共 通 ・ 共 有 課 題 として 捉 え、 分 野 融 合 的 に 克 服 する 独<br />

自 の 技 術 体 系 の 構 築 に 取 り 組 みます。<br />

多 岐 にわたる 応 用 分 野 、 専 門 分 野 で 各 々 活 躍 してい<br />

る 接 点 の 少 ない 研 究 者 が「 分 子 技 術 」という 共 通 の 土<br />

台 に 立 って 互 いの 研 究 ・ 技 術 を 見 つめ 直 し、 新 たな 展 開<br />

を 生 み 出 し、 幅 広 い 社 会 ニーズに 応 える 物 質 ・ 材 料 開 発<br />

へのブレークスルーを 起 こすことを 強 く 意 識 した 分 野 横<br />

断 型 チームによる 意 欲 的 かつ 挑 戦 的 な 研 究 課 題 を 対<br />

象 とします。<br />

領 域 アドバイザー<br />

シカゴ 大 学 名 誉 教 授 /<br />

中 部 大 学 教 授 ・<br />

分 子 性 触 媒 研 究 センター 長<br />

相 田 卓 三 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

伊 関 克 彦 東 レ 株 式 会 社 研 究 本 部 理 事 医 薬 研 究 所 長<br />

浦 田 尚 男 三 菱 化 学 株 式 会 社 執 行 役 員<br />

経 営 戦 略 部 門 長<br />

江 崎 研 司 トヨタ 自 動 車 株 式 会 社 材 料 技 術 統 括 部 部 長<br />

大 西 敏 博 住 友 化 学 株 式 会 社 フェロー<br />

笠 原 二 郎 北 海 道 大 学 触 媒 化 学 研 究 センター<br />

研 究 推 進 支 援 教 授<br />

加 藤 隆 史 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

袖 岡 幹 子 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 袖 岡 有 機 合 成 化 学 研 究 室<br />

主 任 研 究 員<br />

中 江 清 彦 住 友 化 学 株 式 会 社 顧 問<br />

平 尾 公 彦 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 計 算 科 学 研 究 機 構 機 構 長<br />

平 岡 哲 夫 元 三 共 株 式 会 社 代 表 取 締 役 副 社 長<br />

藤 田 照 典 三 井 化 学 株 式 会 社 執 行 役 員 ・ 三 井 化 学<br />

シンガポールR&Dセンター 株 式 会 社 社 長<br />

前 田 浩 平 三 洋 化 成 工 業 株 式 会 社 執 行 役 員<br />

事 業 研 究 本 部 本 部 長<br />

村 井 眞 二 奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 理 事 / 副 学 長<br />

森 澤 義 富 旭 硝 子 株 式 会 社 中 央 研 究 所 特 別 研 究 室<br />

特 別 研 究 員<br />

平 成 24 年 度 採 択<br />

ソリューションプラズマ 精 密 合 成 場 の<br />

深 化 とカーボン 系 触 媒 の 進 化<br />

齋 藤 永 宏<br />

擬 天 然 物 の 新 機 能 創 出 分 子 技 術<br />

菅<br />

裕 明<br />

微 生 物 の 産 生 する 天 然 物 が 人 の 疾<br />

患 発 現 機 構 に 効 用 を 発 揮 することが<br />

わかり、 新 薬 開 発 の 手 がかりとなるこ<br />

とがあります。しかし、それは 単 に「 偶<br />

然 の 賜 物 」に 過 ぎません。 本 研 究 では、<br />

天 然 物 に 似 た 化 合 物 、すなわち「 擬 天 然 物 」 群 を 人 工<br />

的 に 合 成 し、システマティックかつ 迅 速 に 活 性 種 を 見 つ<br />

け 出 す 新 分 子 技 術 を 創 出 することで、 偶 然 から「 確 実 」<br />

な 発 見 へとパラダイムシフトを 起 こしうる「 新 薬 発 見 の 新<br />

潮 流 」を 生 み 出 します。それにより、 人 類 の 健 康 に 資 する<br />

技 術 イノベーションを 日 本 から 起 こすことを 目 指 します。<br />

分 子 技 術 による 単 分 子 量 子 磁 石 を<br />

用 いた 量 子 分 子 スピントロニクスの 創 成<br />

山 下 正 廣<br />

現 在 のエレクトロニクスやスピントロニ<br />

クスにおいては、 磁 石 として 磁 性 金 属<br />

や 遷 移 金 属 酸 化 物 のような 古 典 磁 石<br />

が 用 いられていますが、 本 研 究 の 特 徴<br />

は、21 世 紀 の 新 しいナノ 磁 石 ( 次 世<br />

代 型 磁 石 )と 呼 ばれている 単 分 子 量<br />

子 磁 石 を 用 いることです。この 単 分 子 量 子 磁 石 分 子 は、<br />

分 子 技 術 を 最 大 限 活 用 することで 古 典 磁 石 とは 全 く 異<br />

なる 磁 気 特 性 や 機 能 性 を 創 製 することが 可 能 です。<br />

我 々は、 分 子 技 術 による 単 分 子 量 子 磁 石 を 用 いた「 量<br />

子 分 子 スピントロニクス」という 全 く 新 しい 分 野 の 創 成 を<br />

目 指 します。<br />

画 期 的 な 新 規 核 酸 医 薬 の 分 子 技 術<br />

の 創 出<br />

横 田 隆 徳<br />

名 古 屋 大 学 グリーンモビリティ 連 携 研 究 セン<br />

ター 教 授<br />

ソリューションプラズマ 精 密 合 成 場 を 確 立<br />

するために、 新 たな 分 光 分 析 手 法 を 構 築 し、<br />

反 応 場 において 生 成 する 励 起 種 や 活 性<br />

種 を 明 かにします。この 合 成 場 を 用 い、 窒<br />

素 やボロン、リンなどのヘテロ 元 素 を 含 む<br />

芳 香 族 系 化 合 物 から 新 規 カーボン 系 材 料<br />

の 合 成 を 目 指 します。 合 成 場 を 自 由 に 操 り、 得 られる 材 料 の 電<br />

子 構 造 をチューニングし、 酸 素 還 元 反 応 に 対 する 触 媒 性 を 発<br />

現 させます。2030 年 の 実 用 化 に 向 け 開 発 が 進 んでいる 金 属<br />

空 気 電 池 の 非 貴 金 属 触 媒 ・ 電 極 材 料 の 実 現 を 目 指 します。ソ<br />

リューションプラズマ 精 密 合 成 場 の 深 化 によるカーボン 系 触 媒<br />

の 合 成 のみならず、 分 子 技 術 の 一 つの 柱 となるようなソリュー<br />

ションプラズマの 学 理 を 構 築 し、 一 学 術 領 域 へと 深 化 させます。<br />

東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科<br />

東 北 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科<br />

教 授<br />

教 授<br />

東 京 医 科 歯 科 大 学 脳 神 経 病 態 学 分 野<br />

教 授<br />

急 速 な 高 齢 化 の 下 「 元 気 な 老 い」を<br />

実 現 すべく、 分 子 メカニズムが 明 らか<br />

になりつつあるアルツハイマー 病 、が<br />

んなどによる 難 治 性 疼 痛 から 解 放 する<br />

ために、 医 薬 工 の 分 野 横 断 的 な 本 研<br />

究 により 私 たちが 独 自 に 開 発 した 新 規 の 核 酸 医 薬 を 発<br />

展 させ、 既 存 薬 では 成 し 得 なかった 難 病 の 原 因 分 子 の<br />

制 御 を 達 成 します。これによりさまざまな 難 病 に 対 して、<br />

副 作 用 が 少 なくかつ 内 服 が 可 能 な 根 本 的 治 療 薬 を 開<br />

発 し、 日 本 発 の 基 幹 的 な 分 子 技 術 として 新 たな 創 薬 産<br />

業 分 野 を 創 成 し、 国 際 貢 献 を 目 指 します。<br />

38

39<br />

分 子 技 術 ナノテクノロジー・ 材 料

元 素 戦 略 を 基 軸 とする<br />

物 質 ・ 材 料 の<br />

革 新 的 機 能 の 創 出<br />

平 成 22 年 度 採 択<br />

革 新 的 環 境 改 善 材 料 としての 導 電 性<br />

ダイヤモンドの 機 能 開 発<br />

栄 長 泰 明<br />

有 機 材 料 を 用 いた<br />

次 世 代 強 誘 電 物 質 科 学 の 創 成<br />

堀 内 佐 智 雄<br />

慶 應 義 塾 大 学 理 工 学 部 教 授 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 フレキシブルエ<br />

レクトロニクス 研 究 センター チーム 長<br />

戦 略 目 標<br />

レアメタルフリー 材 料 の 実 用 化 及 び 超<br />

高 保 磁 力 ・ 超 高 靱 性 等 の 新 規 目 的 機 能<br />

を 目 指 した 原 子 配 列 制 御 等 のナノス<br />

ケール 物 質 構 造 制 御 技 術 による 物 質 ・<br />

材 料 の 革 新 的 機 能 の 創 出<br />

本 研 究 では、レアメタルフリーである 炭<br />

素 材 料 「 導 電 性 ダイヤモンド」に 着 目<br />

し、 環 境 問 題 を 解 決 する 次 世 代 の 革<br />

新 的 環 境 改 善 材 料 としての 機 能 開 発 、<br />

機 能 解 明 からデバイス 創 製 までを 目 指<br />

します。 材 料 の 界 面 物 性 を 含 む 基 礎 物 性 ・ 極 限 性 能 を<br />

明 らかにするとともに「 環 境 汚 染 物 質 センシング」「 高 効<br />

率 水 処 理 ・ 汚 水 浄 化 」「 高 効 率 CO2 還 元 」などの 環 境<br />

改 善 デバイス 創 製 を 行 い、 次 世 代 グリーンイノベーショ<br />

ン 推 進 に 広 く 貢 献 できる 技 術 を 確 立 します。<br />

有 毒 な 鉛 や 希 少 金 属 を 含 まない 強 誘<br />

電 体 の 開 発 は、 元 素 戦 略 上 の 最 重<br />

点 課 題 でありながら、 解 決 の 見 通 しは<br />

いまだ 得 られていません。 本 研 究 では、<br />

有 機 材 料 による 強 誘 電 体 のパラダイ<br />

ムシフト 実 現 を 目 指 し、 研 究 代 表 者 らが 近 年 見 出 したC、<br />

H、O、N 元 素 からなる 有 機 強 誘 電 体 を 基 盤 に、 分 子 系<br />

特 有 の 強 誘 電 性 発 現 機 構 の 微 視 的 解 明 と、 耐 久 性 ・<br />

動 作 性 向 上 ・ 薄 膜 化 ・ 印 刷 化 を 目 指 した 新 物 質 ・プロセ<br />

ス 開 発 を 推 進 し、 次 世 代 強 誘 電 物 質 科 学 の 創 成 を 図 り<br />

ます。<br />

研 究 総 括<br />

玉 尾 皓 平<br />

本 研 究 領 域 は、 持 続 可 能 な 社 会 の 構 築 のため<br />

に 解 決 すべき 資 源 ・エネルギー・ 環 境 問 題 に 元 素<br />

戦 略 を 共 通 概 念 とする 物 質 科 学 ・ 物 性 科 学 の 観<br />

点 から 取 り 組 み、 既 存 の 延 長 線 上 にない 物 質 ・ 材<br />

料 の 革 新 的 機 能 の 創 出 を 目 指 します。<br />

具 体 的 には、「 物 質 の 特 性 ・ 機 能 を 決 める 特 定<br />

元 素 の 役 割 を 理 解 し 有 効 活 用 する」という 元 素 戦<br />

略 コンセプトの 下 、 物 質 構 造 、 界 面 、 電 子 相 関 など<br />

の 様 々な 機 能 発 現 に 共 通 する 問 題 点 を 多 角 的 ・<br />

系 統 的 に 解 明 ・ 理 解 し、それらを 制 御 することによ<br />

り、 物 質 ・ 材 料 の 革 新 的 な 特 性 や 機 能 の 創 出 に 向<br />

けた 研 究 開 発 に 取 り 組 みます。 多 様 な 元 素 の 特<br />

性 に 着 目 して「 電 子 状 態 」「 原 子 配 列 」「 分 子 構<br />

造 」 等 の 微 視 的 な 観 点 から 目 的 機 能 を 如 何 に 発<br />

現 させるかを 検 討 すると 共 に、 計 測 技 術 や 計 算 科<br />

学 も 活 用 しつつ 構 造 ・ 機 能 ・ 反 応 をデザインし、 多<br />

様 な 課 題 解 決 に 向 けた 物 質 ・ 材 料 の 革 新 的 機 能<br />

の 創 出 を 目 指 します。 物 理 、 化 学 、 工 学 、 材 料 科 学<br />

といった 分 野 の 垣 根 にとらわれない 異 分 野 融 合 を<br />

強 く 意 識 した 大 胆 かつチャレンジングな 研 究 を 推 進<br />

します。<br />

領 域 アドバイザー<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 基 幹 研 究 所<br />

所 長 /グリーン 未 来 物 質 創 成<br />

研 究 領 域 領 域 長<br />

島 川 祐 一<br />

射 場 英 紀 トヨタ 自 動 車 ( 株 ) 電 池 研 究 部 部 長<br />

潮 田 浩 作 新 日 鐵 住 金 ( 株 ) 技 術 開 発 本 部 フェロー<br />

岡 田 益 男 八 戸 工 業 高 等 専 門 学 校 校 長<br />

高 尾 正 敏 大 阪 大 学 大 型 教 育 研 究 プロジェクト 支 援 室<br />

特 任 教 授 /シニア・リサーチ・アドミニストレーター<br />

田 島 節 子 大 阪 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

徳 永 雅 亮 明 治 大 学 理 工 学 部 兼 任 講 師<br />

中 村 栄 一 東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授<br />

(~H23.9まで)<br />

中 山 智 弘 文 部 科 学 省 ナノテクノロジー・ 材 料 を 中 心 とした<br />

融 合 新 興 分 野 研 究 開 発 プログラム<br />

プログラムオフィサー/( 独 ) 科 学 技 術 振 興 機 構<br />

研 究 開 発 戦 略 センター エキスパート<br />

細 野 秀 雄 東 京 工 業 大 学 フロンティア 研 究 センター/<br />

応 用 セラミックス 研 究 所 教 授<br />

前 川 禎 通 ( 独 ) 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構<br />

先 端 基 礎 研 究 センター センター 長<br />

三 澤 弘 明 北 海 道 大 学 電 子 科 学 研 究 所 所 長 ・ 教 授<br />

村 井 眞 二 奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 理 事 ・ 副 学 長<br />

村 上 正 紀 立 命 館 大 学 グローバルイノベーション 機 構<br />

副 総 長<br />

森 初 果 東 京 大 学 物 性 研 究 所 教 授<br />

異 常 原 子 価 および 特 異 配 位 構 造 を<br />

有 する 新 物 質 の 探 索 と 新 機 能 の 探 求<br />

本 研 究 では、 高 度 情 報 化 社 会 を 支 え、<br />

未 来 へ 向 けた 持 続 可 能 な 社 会 の 構<br />

築 に 向 けて、 電 子 デバイス 材 料 のみな<br />

らず、 資 源 ・エネルギー・ 環 境 問 題 の 解<br />

決 に 寄 与 する 新 しい 機 能 特 性 を 示 す<br />

材 料 の 開 発 を 中 心 とした 物 質 創 製 研 究 を 推 進 します。<br />

特 に、ユニークな 物 質 合 成 手 法 を 駆 使 することにより、あ<br />

りふれた3d 遷 移 金 属 元 素 を 中 心 に、 異 常 原 子 価 状 態<br />

と 特 異 な 配 位 構 造 をもつ 新 物 質 の「ものづくり」による<br />

革 新 的 機 能 の 開 拓 を 目 指 した「 元 素 戦 略 」 研 究 を 展 開<br />

します。<br />

結 晶 構 造 制 御 によるFe 基 新 規 磁 性<br />

化 合 物 の 探 索<br />

杉 本<br />

諭<br />

本 研 究 では、Fe、Coなどの 遷 移 金 属<br />

基 材 料 を 中 心 に、 高 い 結 晶 磁 気 異 方<br />

性 を 有 した 新 規 磁 性 材 料 の 探 索 を 行<br />

い、 永 久 磁 石 材 料 へ 応 用 することによ<br />

り、レアアース 使 用 量 削 減 を 目 指 しま<br />

す。その 目 的 達 成 のために、「 基 板 制 御 などによる 薄 膜<br />

技 術 」「 元 素 置 換 または 侵 入 型 原 子 の 導 入 または 複 合<br />

化 などの 微 粒 子 ・ 粉 末 技 術 」「 超 高 圧 技 術 」などの 材 料<br />

科 学 的 手 法 、および 計 算 科 学 を 連 携 させた 研 究 を 推 進<br />

します。<br />

軽 元 素 戦 略 に 基 づく 鉄 鋼 材 料 の<br />

マルチスケール 設 計 原 理 の 創 出<br />

古 原<br />

忠<br />

軽 元 素 は 微 量 添 加 でも 鉄 鋼 材 料 の 著<br />

しい 機 能 向 上 あるいは 機 能 劣 化 をも<br />

たらすことが 知 られています。 本 研 究<br />

では、 最 先 端 実 験 解 析 と 計 算 材 料 科<br />

学 を 駆 使 して、 社 会 を 支 える 最 重 要 金<br />

属 材 料 である 鉄 のナノ 構 造 と 軽 元 素 との 相 互 作 用 を 解<br />

明 します。 軽 元 素 や 他 の 合 金 元 素 の 機 能 の 本 質 的 理<br />

解 に 基 づいて、 力 学 特 性 制 御 のブレークスルーにつな<br />

がるナノ-メゾ-ミクロにわたるマルチスケールでの 材<br />

料 設 計 原 理 を 体 系 化 し、 限 りなくレアメタルフリーで 優 れ<br />

た 機 能 をもつ 鉄 鋼 材 料 の 創 製 を 目 指 します。<br />

平 成 23 年 度 採 択<br />

元 素 間 融 合 を 基 軸 とする<br />

新 機 能 性 物 質 ・ 材 料 の 開 発<br />

北 川<br />

京 都 大 学 化 学 研 究 所 教 授 京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

宏<br />

本 研 究 では、バルク 状 態 では 相 分 離<br />

する 多 数 の 金 属 元 素 の 組 み 合 わせを<br />

原 子 レベルで 固 溶 化 させること ( 元<br />

素 間 融 合 )で、 多 くの 新 しい 物 質 を 創<br />

成 すると 共 に、 元 素 間 融 合 による 革<br />

新 的 な 材 料 の 開 発 を 行 います。この 元 素 間 融 合 を 戦 略<br />

基 軸 として、 非 平 衡 合 成 、ナノサイズ 化 、 水 素 プロセスな<br />

どの 手 法 により、 天 然 では 固 溶 しない 金 属 元 素 同 士 を<br />

混 和 させ、 新 型 触 媒 、 新 物 質 、 新 材 料 の 探 索 を 徹 底 的<br />

に 行 います。<br />

有 機 合 成 用 鉄 触 媒 の 高 機 能 化<br />

永 島 英 夫<br />

東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授 九 州 大 学 先 導 物 質 化 学 研 究 所 教 授<br />

医 農 薬 や 機 能 性 樹 脂 のような 化 学 製<br />

品 の 合 成 ・ 製 造 プロセスでは、 触 媒 と<br />

してレアメタルが 多 用 されていますが、<br />

今 後 は、 鉄 に 代 表 される、 環 境 に 優 し<br />

く、 資 源 量 が 豊 富 で 安 価 な 金 属 で 代<br />

替 し、さらには、それらを 完 全 回 収 再 利<br />

用 するプロセスが 求 められます。 本 研 究 は、「 配 位 子 場<br />

制 御 」や「 媒 体 反 応 駆 動 」という 触 媒 開 発 、プロセス 開<br />

発 に 係 わる 新 しい 二 つの 考 え 方 に 基 づいた 触 媒 系 基<br />

礎 科 学 を 確 立 することを 目 指 します。さらに、 活 性 、 選 択<br />

性 、 分 離 回 収 再 利 用 性 に 優 れた 鉄 触 媒 完 全 回 収 系 を<br />

元 素 科 学 とプロセス 化 学 の 融 合 により 実 現 します。<br />

軽 元 素 を 活 用 した 機 能 性 電 子 材 料 の<br />

創 出<br />

長 谷 川 哲 也<br />

東 北 大 学 金 属 材 料 研 究 所 教 授 東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授<br />

本 研 究 では、B、C、N、Fといった 軽 元<br />

素 を 有 効 に 用 いることで、 酸 化 物 材 料<br />

の 結 晶 構 造 やバンド 構 造 を 制 御 し、 希<br />

少 元 素 や 毒 性 元 素 を 使 わない 革 新<br />

的 電 子 材 料 の 創 出 を 目 指 します。ここ<br />

では、 単 なる 元 素 代 替 にとどまらず、 従 来 材 料 にはない<br />

新 機 能 を 付 け 加 えることで、 戦 略 的 な 元 素 代 替 を 促 しま<br />

す。 具 体 的 には、 仕 事 関 数 や 屈 折 率 を 制 御 した 脱 In 系<br />

透 明 導 電 体 、Pbや 希 土 類 元 素 を 使 わない 可 視 光 応 答<br />

強 誘 電 体 ( 光 電 変 換 材 料 ) 等 の 開 発 を 行 います。<br />

40

ネオジム 磁 石 の 高 保 磁 力 化<br />

宝 野 和 博<br />

( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 磁 性 材 料 ユニット<br />

フェロー<br />

ネオジム 磁 石 のミクロから 原 子 レベル<br />

までのマルチスケール 構 造 解 析 を 行<br />

い、 微 細 構 造 と 保 磁 力 の 関 係 を 実 験<br />

的 に 解 明 します。 同 時 に、 第 一 原 理<br />

計 算 とマイクロ 磁 気 シミュレーションに<br />

よるマルチスケール 計 算 を 行 い、 保 磁 力 が 理 論 限 界 の<br />

50% 以 上 に 到 達 し 得 る 微 細 構 造 を 予 測 します。その 知<br />

見 から、ネオジム 磁 石 の 界 面 構 造 ・ 組 成 を 最 適 化 し、 資<br />

源 確 保 が 困 難 になっているジスプロシウムを 使 わずにハ<br />

イブリッド・ 電 気 自 動 車 に 使 える 高 保 磁 力 ネオジム 磁 石<br />

の 実 証 を 目 指 します。<br />

平 成 24 年 度 採 択<br />

微 生 物 由 来 のナノ 構 造 制 御<br />

鉄 酸 化 物 の 革 新 的 機 能 創 出<br />

高 田<br />

潤<br />

岡 山 大 学 大 学 院 自 然 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

自 然 界 に 生 息 する 鉄 酸 化 細 菌 は、 地<br />

下 水 が 湧 き 出 る 場 所 で 細 胞 外 に 鞘 状<br />

やリボン 状 の 特 異 な 形 をした 酸 化 鉄<br />

構 造 体 を 作 ります。 研 究 代 表 者 らは、<br />

これまで 不 要 廃 棄 物 とされてきたこの<br />

微 生 物 由 来 の 酸 化 鉄 が 鉄 やケイ 素 を<br />

主 成 分 とする 非 晶 質 ナノ 粒 子 から 構 成 されており、 優 れ<br />

た 機 能 ( 例 えば、Liイオン 電 池 負 極 特 性 やヒト 細 胞 への<br />

親 和 性 等 )を 持 つことを 発 見 しました。 本 研 究 では、 材 料<br />

科 学 、 微 生 物 学 、 電 気 化 学 、バイオテクノロジー、 触 媒<br />

化 学 、 計 算 科 学 といった 異 分 野 融 合 体 制 のもと、 人 工<br />

的 に 化 学 組 成 やナノ 構 造 を 制 御 したエコ 材 料 を 創 り 出<br />

し、 革 新 的 機 能 を 創 出 することを 目 指 します。<br />

相 対 論 的 電 子 論 が 拓 く 革 新 的 機 能<br />

材 料 設 計<br />

中 井 浩 巳<br />

早 稲 田 大 学 先 進 理 工 学 部<br />

教 授<br />

希 少 元 素 や 規 制 元 素 の 多 くは 重 元<br />

素 であり、 相 対 論 的 効 果 が 無 視 できま<br />

せん。そこで 本 研 究 では、 理 論 的 基 盤<br />

として 相 対 論 的 量 子 化 学 理 論 の 確 立<br />

を 目 指 します。そして、 触 媒 活 性 ・ 電 磁<br />

気 特 性 ・ 電 子 機 能 材 料 ・ 生 体 光 機 能 ・<br />

機 能 性 高 分 子 に 対 して、 理 論 的 手 法 を 用 いて 元 素 の 特<br />

性 を 理 解 し、 革 新 的 な 機 能 を 持 つ 物 質 ・ 材 料 を 設 計 する<br />

ことを 目 的 とします。 特 に、 異 種 元 素 間 の 化 学 結 合 、<br />

種 々のスピン 状 態 が 関 与 するスピンクロスオーバー 現 象 、<br />

同 一 組 成 であっても 機 能 に 大 きな 違 いをもたらすナノサ<br />

イズ 効 果 に 着 目 し、 研 究 を 推 進 します。<br />

元 素 戦 略 ナノテクノロジー・ 材 料<br />

安 定 な 有 機 ラジカルの 蓄 電 および<br />

光 電 変 換 材 料 への 応 用<br />

森 田<br />

靖<br />

大 阪 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科<br />

准 教 授<br />

本 研 究 では、 研 究 代 表 者 らが 独 自 に<br />

開 発 した 空 気 中 でも 安 定 な 有 機 ラジ<br />

カルであるトリオキソトリアンギュレンT<br />

OTを 基 盤 とした 新 たな 分 子 を 設 計 ・<br />

合 成 し、 基 礎 的 な 電 子 物 性 を 解 明 しま<br />

す。そして、これらの 分 子 を 活 用 した<br />

「 非 レアメタル 系 次 世 代 型 有 機 二 次 電 池 」の 開 発 と、こ<br />

れらの 分 子 を 用 いた「 近 赤 外 光 に 応 答 する 光 電 変 換 薄<br />

膜 」の 調 製 とそれを 活 用 した「 全 波 長 領 域 応 答 ハイブ<br />

リッド 型 太 陽 電 池 」の 開 発 を 行 います。これらの 研 究 を<br />

基 に、 次 世 代 有 機 電 子 デバイスの 開 発 に 向 けた 新 しい<br />

学 術 的 基 礎 の 構 築 と、 資 源 ・ 環 境 問 題 の 解 決 に 向 けた<br />

元 素 戦 略 アプローチを 推 進 します。<br />

41

先 端 光 源 を 駆 使 した<br />

光 科 学 ・ 光 技 術 の<br />

融 合 展 開<br />

平 成 20 年 度 採 択<br />

先 端 超 短 パルス 光 源 による 光 誘 起 相<br />

転 移 現 象 の 素 過 程 の 解 明<br />

岩 井 伸 一 郎<br />

超 狭 線 幅 光 源 を 駆 使 した 量 子 操 作 ・<br />

計 測 技 術 の 開 発<br />

高 橋 義 朗<br />

東 北 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授 京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

戦 略 目 標<br />

最 先 端 レーザー 等 の 新 しい 光 を 用 いた<br />

物 質 材 料 科 学 、 生 命 科 学 など 先 端 科 学<br />

のイノベーションへの 展 開<br />

光 電 場 の 振 動 を 数 周 期 分 しか 含 まない 極 短 パルス 光<br />

( 可 視 ~ 中 赤 外 、テラヘルツ)を 用 いて、 光 と 物 質 の 相<br />

互 作 用 の 中 でも、 最 も 劇 的 で 複 雑 な 現 象 “ 光 誘 起 相 転<br />

移 現 象 ”の 解 明 に 挑 みます。 光 が 直 接 あるいは、 相 互 作<br />

用 を 介 してドライブする 電 荷 、スピン、 格 子 の 素 過 程 を 明<br />

らかにし、さらに、 強 相 関 電 子 系 物 質 の 電 子 的 性 質 を 光<br />

で 自 由 自 在 に 変 化 させる 方 法 への 道 を 拓 き、 光 でのみ<br />

可 能 な 物 質 相 の 創 成 や 光 源 開 発 の 方 向 性 を 与 える 成<br />

果 を 目 指 します。<br />

ヘルツおよびサブヘルツという 極 めて 線 幅 の 狭 い 超 高<br />

安 定 な 光 源 を 開 発 し、 光 格 子 中 のレーザー 冷 却 された2<br />

電 子 系 原 子 に 適 用 します。これにより 光 磁 気 共 鳴 イメー<br />

ジングを 駆 使 した 単 一 光 格 子 点 の 量 子 操 作 ・ 検 出 技 術<br />

やスピンスクイジング 等 を 駆 使 した 新 量 子 計 測 技 術 を 開<br />

発 して、 光 格 子 量 子 コンピュータのプロトタイプの 実 現<br />

や 飛 躍 的 な 光 格 子 時 計 の 精 度 向 上 へ 応 用 展 開 するこ<br />

とを 目 指 します。<br />

研 究 総 括<br />

伊 藤 正<br />

本 研 究 領 域 は、 物 質 ・ 材 料 、 加 工 ・ 計 測 、 情 報 ・<br />

通 信 、 環 境 ・エネルギー、ライフサイエンスなどの 異<br />

なる 分 野 で 個 別 に 行 われている 光 利 用 研 究 開 発<br />

ポテンシャルの 連 携 、 融 合 を 加 速 し、「 物 質 と 光 の<br />

係 わり」に 関 する 光 科 学 ・ 光 技 術 におけるイノベー<br />

ション 創 出 基 盤 の 形 成 を 目 指 します。<br />

具 体 的 には、 高 度 な 性 能 をもつ 最 先 端 レーザー<br />

に 代 表 される 各 種 の 先 端 光 源 をブラックボックス<br />

化 することなく、 光 源 の 特 徴 を 徹 底 的 に 駆 使 した<br />

特 色 ある「 物 質 と 光 の 係 わり」に 関 する 研 究 を 推 進<br />

します。<br />

光 利 用 科 学 技 術 のブレークスルーを 生 み 出 す<br />

先 導 研 究 や、ライフサイエンス、 環 境 ・エネルギーな<br />

どの 幅 広 い 分 野 における 目 的 基 礎 研 究 を 対 象 とし<br />

ますが、 事 象 の 解 析 や 原 理 の 解 明 だけに 終 わるこ<br />

となく、 実 用 化 も 念 頭 においた、 波 及 効 果 の 大 き<br />

い 技 術 シーズ 創 出 に 資 する 研 究 を 対 象 とします。<br />

光 源 開 発 そのものは 対 象 としませんが、 研 究 の 過<br />

程 で 要 求 される 光 源 に 対 する 的 確 で 高 度 なニーズ<br />

を 光 源 開 発 にフィードバックし、 光 利 用 科 学 技 術 を<br />

より 実 効 的 に 発 展 させる 研 究 も 含 みます。<br />

領 域 アドバイザー<br />

大 阪 大 学 ナノサイエンスデザイ<br />

ン 教 育 研 究 センター 特 任 教 授<br />

潮 田 資 勝 ( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 理 事 長<br />

江 馬 一 弘 上 智 大 学 理 工 学 部 教 授<br />

太 田 俊 明 立 命 館 大 学 立 命 館 グローバル・イノベーション<br />

研 究 機 構 教 授<br />

岡 田 龍 雄 九 州 大 学 大 学 院 システム 情 報 科 学 研 究 院<br />

教 授<br />

菊 地 眞 ( 財 ) 医 療 機 器 センター 理 事 長<br />

小 舘 香 椎 子 日 本 女 子 大 学 名 誉 教 授<br />

笹 木 敬 司 北 海 道 大 学 電 子 科 学 研 究 所 教 授<br />

菅 原 充 ( 株 )QDレーザ 代 表 取 締 役 社 長<br />

瀬 川 勇 三 郎 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 基 幹 研 究 所<br />

客 員 主 管 研 究 員<br />

橋 本 秀 樹 大 阪 市 立 大 学 複 合 先 端 研 究 機 構 /<br />

大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

山 内 薫 東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授<br />

ベクトルビームの 光 科 学 と<br />

ナノイメージング<br />

佐 藤 俊 一<br />

ベクトルビームは、 偏 光 、 位 相 および 強 度 分 布 を 同 時 に、<br />

かつ 精 密 に 制 御 することで 初 めて 形 成 される、 全 く 新 し<br />

い 最 先 端 レーザービームです。ベクトルビームの 斬 新 で<br />

機 能 的 な 特 徴 が 顕 著 に 現 れる、 焦 点 付 近 での 光 の 振<br />

舞 いを 系 統 的 に 探 り、 新 しい 光 科 学 領 域 の 開 拓 を 目 指<br />

します。さらに、 材 料 科 学 ・ 生 命 科 学 との 融 合 研 究 を 推 進<br />

し、 遠 視 野 でのナノイメージングを 可 能 とする、 未 踏 の 超<br />

解 像 光 学 顕 微 鏡 法 の 開 発 を 進 めます。<br />

高 繰 り 返 しコヒーレント 軟 X 線 光 源 の<br />

開 発 と 光 電 子 科 学 への 新 しい 応 用<br />

辛<br />

埴<br />

ファイバーレーザーの 出 現 に 伴 い、 従 来 のレーザーでは<br />

ほとんど 不 可 能 であった 軟 X 線 領 域 での 物 性 研 究 が 新<br />

しい 主 役 になりつつあります。 本 研 究 では、レーザーと 光<br />

電 子 科 学 の 両 者 を 結 びつけた 新 しい 光 科 学 を 目 指 しま<br />

す。 特 に 究 極 のエネルギー 分 解 、 時 間 分 解 、 空 間 分 解<br />

を 可 能 にする 光 電 子 科 学 の3つの 分 野 を 開 拓 し、 世 界<br />

最 高 の 性 能 とそれらを 組 み 合 わせた 新 しい 物 性 研 究 の<br />

開 発 を 目 標 とします。<br />

真 空 紫 外 ・ 深 紫 外 フィラメンテーション<br />

極 短 パルス 光 源 による 超 高 速 光 電 子<br />

分 光<br />

鈴 木 俊 法<br />

極 短 パルスによるフィラメンテーション 非 線 形 光 学 過 程<br />

を 利 用 して、 深 紫 外 、 真 空 紫 外 域 の 高 輝 度 極 短 パルス<br />

を 発 生 させ、この 新 しい 光 源 を 利 用 した 時 間 分 解 光 電<br />

子 イメージングによって、 化 学 反 応 途 上 の 分 子 内 に 起 こ<br />

る 高 速 な 電 子 状 態 変 化 を 可 視 化 します。 光 励 起 された<br />

分 子 のあらゆる 電 子 状 態 変 化 を 一 挙 に 観 測 する 革 新<br />

的 な 実 験 を 実 現 し、 精 密 な 量 子 化 学 計 算 とも 連 携 しな<br />

がら、 生 体 分 子 を 含 む 化 学 反 応 機 構 を 明 らかにします。<br />

光 ピンセットによる 核 内 ウイルスRNA<br />

輸 送 と 染 色 体 操 作<br />

~ウイルスゲノム 除 去 への 挑 戦 ~<br />

本 田 文 江<br />

東 北 大 学 多 元 物 質 科 学 研 究 所 教 授 法 政 大 学 生 命 科 学 部 教 授<br />

インフルエンザウイルスは 感 染 すると 粒 子 内 のゲノム<br />

RNA/RNAポリメラーゼ/NP 複 合 体 (vRNP)が 核<br />

内 に 輸 送 され 複 製 増 殖 します。 蛍 光 標 識 ウイルスの 単<br />

一 細 胞 感 染 、 蛍 光 標 識 ウイルス 感 染 細 胞 及 び 蛍 光 標<br />

識 RNP 導 入 細 胞 での 核 内 ウイルスRNPの 光 ピンセッ<br />

トによる 輸 送 を 試 み、その 結 果 から 核 内 でのRNP 輸 送<br />

に 必 要 な 力 を 計 測 し、 算 出 された 値 を 基 に 凝 縮 染 色 体<br />

の 捕 捉 と 操 作 に 必 要 な 光 ピンセットを 開 発 し、 核 内 のウ<br />

イルスゲノムの 除 去 手 術 を 試 みます。<br />

平 成 21 年 度 採 択<br />

新 規 超 短 パルスレーザーを 駆 使 した<br />

in vivo 光 イメージング・ 光 操 作 の<br />

がん 研 究 ・がん 医 療 への 応 用<br />

今 村 健 志<br />

東 京 大 学 物 性 研 究 所 教 授 愛 媛 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授<br />

光 パラメトリック 発 振 、スーパーコンティニウム 光 、 超 小<br />

型 波 長 固 定 超 短 パルスレーザーなどの 新 規 光 源 と、 多<br />

様 な 生 体 内 での 光 学 的 パラメーターを 最 適 化 する 補 償<br />

光 学 系 とを 駆 使 し、 非 線 形 光 学 過 程 を 用 いた 革 新 的 “in<br />

vivo” 光 イメージングを 確 立 します。 特 に、がん 細 胞 とそ<br />

の 周 囲 環 境 の 多 元 的 な 生 体 内 イベントのリアルタイム<br />

画 像 化 を 実 現 させる 過 程 を 通 じて、 革 新 的 光 源 開 発 を<br />

促 します。<br />

電 子 線 励 起 微 小 光 源 による<br />

光 ナノイメージング<br />

川 田 善 正<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授 静 岡 大 学 工 学 部 教 授<br />

本 研 究 では、 光 を 用 いて 試 料 の 微 細 構 造 を 実 時 間 で 観<br />

察 でき、ナノメートルの 空 間 分 解 能 を 有 する 実 時 間 ・ナノ<br />

イメージング 法 の 実 現 を 目 指 します。 電 子 線 ビームにより<br />

蛍 光 薄 膜 を 励 起 し、 微 小 光 源 を 形 成 し 走 査 するシステム<br />

を 開 発 します。この 手 法 は、 光 学 顕 微 鏡 と 電 子 顕 微 鏡<br />

の 特 徴 を 融 合 したもので、 全 く 新 しい 計 測 ・ 分 析 手 法 とし<br />

て 先 端 科 学 のイノベーションに 寄 与 します。<br />

42

光 技 術 が 先 導 する<br />

臨 界 的 非 平 衡 物 質 開 拓<br />

平 成 22 年 度 採 択<br />

アト 秒 精 度 の 凝 縮 系 コヒーレント 制 御<br />

腰 原 伸 也<br />

大 森 賢 治<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授 自 然 科 学 研 究 機 構 分 子 科 学 研 究 所<br />

研 究 主 幹 / 教 授<br />

超 高 速 光 デバイス 材 料 、 新 型 高 機 能 触 媒 、 光 機 能 性 た<br />

んぱく 質 など、 励 起 状 態 での 相 互 作 用 を 利 用 する 最 先<br />

端 物 質 の 開 発 を 先 導 する 為 に、フェムト 秒 時 間 分 解 光<br />

電 子 顕 微 鏡 (fs-PEEM)と 動 的 X 線 観 測 の 組 み 合 わ<br />

せ 手 法 、 並 びにコンパクト 短 パルスレーザーを 開 発 し、 物<br />

質 開 発 への 有 用 性 を 実 証 します。これによって 現 在 の<br />

構 造 科 学 の 枠 を 乗 り 越 えた、「 光 励 起 臨 界 的 非 平 衡 電<br />

子 構 造 物 性 科 学 」と 呼 べる 新 分 野 を 開 拓 します。<br />

物 質 の 量 子 波 を 光 で 制 御 する 技 術 をコヒーレント 制 御 と<br />

呼 びます。 本 研 究 では、 世 界 最 高 レベルのアト 秒 ピコ<br />

メートル 精 度 の 時 空 間 コヒーレント 制 御 法 と 光 格 子 中 の<br />

極 低 温 原 子 分 子 結 晶 を 組 み 合 わせた 新 しい 固 体 量 子<br />

シミュレーターを 開 発 します。また、そこで 得 られた 固 体 結<br />

晶 系 の 量 子 波 の 観 測 制 御 スキームを 実 在 の 固 体 に 適<br />

用 することによって、 世 界 に 先 駆 けて 凝 縮 系 のコヒーレ<br />

ント 制 御 の 実 現 を 目 指 します。<br />

モノサイクル 量 子 もつれ 光 の 実 現 と<br />

量 子 非 線 形 光 学 の 創 成<br />

トポロジカル 光 波 の 全 角 運 動 量 に<br />

よる 新 規 ナノ 構 造 ・ 物 性 の 創 出<br />

竹 内 繁 樹<br />

尾 松 孝 茂<br />

北 海 道 大 学 電 子 科 学 研 究 所 教 授 千 葉 大 学 大 学 院 融 合 科 学 研 究 科 教 授<br />

「モノサイクル 量 子 もつれ 光 」とは、 光 が1 周 期 振 動 する<br />

程 度 の 極 短 時 間 内 に、 同 時 に2つの 光 子 が 存 在 すると<br />

いう、 究 極 の 同 時 刻 性 を 持 つ 状 態 です。 本 研 究 では、 擬<br />

似 位 相 整 合 技 術 を 駆 使 した 素 子 を 開 発 し、モノサイクル<br />

量 子 もつれ 光 の 実 現 を 目 指 します。また、 実 現 したモノサ<br />

イクル 量 子 もつれ 光 を 用 い、 巨 大 2 光 子 吸 収 などの 新 し<br />

い 非 線 形 光 学 を 拓 き、 従 来 の 光 の 限 界 を 突 破 する、 量<br />

子 メトロロジーへの 応 用 を 図 ります。<br />

光 波 の「 全 角 運 動 量 」は 新 しい 光 パラメータで、 光 波 面<br />

のトポロジカルな 構 造 に 由 来 する 軌 道 角 運 動 量 と 偏 光<br />

に 由 来 するスピン 角 運 動 量 の 量 子 力 学 的 ベクトル 和 で<br />

与 えられます。 本 研 究 では、 光 波 の「 全 角 運 動 量 」が 物<br />

質 の 新 しいナノ 構 造 や 物 性 を 創 出 することから、 極 限<br />

レーザー 工 学 を 用 いて、 光 波 の「 全 角 運 動 量 」を 自 在 に<br />

操 り、 物 質 のナノ 構 造 ・ 物 性 の 極 限 的 新 機 能 を 創 出 す<br />

ることを 目 指 します。<br />

高 強 度 テラヘルツ 光 による<br />

究 極 的 分 光 技 術 開 拓 と 物 性 物 理 学<br />

への 展 開<br />

田 中 耕 一 郎<br />

京 都 大 学 物 質 - 細 胞 統 合 システム 拠 点<br />

教 授<br />

半 導 体 デバイスの 内 部 電 場 と 同 程 度 のピーク 電 場 強<br />

度 をもつテラヘルツ 波 長 可 変 光 源 を 開 発 し、 固 体 、 液 体 、<br />

生 体 物 質 を 対 象 とした 究 極 的 なテラヘルツ 分 光 技 術 を<br />

探 求 ・ 実 現 します。 特 に、 波 長 の100 分 の1の 分 解 能 を<br />

有 する 実 時 間 動 作 顕 微 鏡 や 巨 大 な 非 線 形 性 をもつ 量<br />

子 構 造 体 を 構 築 し、 微 小 物 質 のコヒーレント 過 渡 現 象 を<br />

実 時 間 ・ 近 接 場 の 領 域 で 可 視 化 します。これにより、バン<br />

ド 構 造 の 動 的 変 化 や 非 摂 動 論 的 非 線 形 光 学 応 答 など<br />

の 新 たな 物 性 物 理 学 の 展 開 が 期 待 されます。<br />

高 性 能 レーザーによる<br />

細 胞 光 イメージング・ 光 制 御 と 光 損 傷<br />

機 構 の 解 明<br />

小 林 孝 嘉<br />

電 気 通 信 大 学 先 端 超 高 速 レーザー 研 究 セン<br />

ター 特 任 教 授<br />

2 種 のレーザーを 開 発 します。1 超 高 安 定 性 ・ 超 高 性 能<br />

空 間 ・スペクトル 域 ・ 時 間 域 コヒーレンスを 有 する 可 視 -<br />

近 赤 外 域 多 色 レーザー2 分 光 用 に 至 適 な 性 能 を 有 する<br />

深 紫 外 - 近 視 外 域 の3 種 の 極 限 的 超 短 パルスレーザー<br />

1を 用 いて 同 時 多 色 レーザーイメージング 法 を 開 発 しま<br />

す。 生 体 ・ 細 胞 を 構 成 する 多 種 の 蛋 白 ・シグナル 分 子 の<br />

相 互 作 用 を 空 間 ・ 時 間 分 解 し、さらに 光 刺 激 により 細 胞<br />

内 に 局 所 的 に 生 理 過 程 をトリガーし 同 時 に 観 察 して 機<br />

構 を 解 明 します。2を 用 いて 深 紫 外 - 近 紫 外 光 による<br />

生 体 分 子 ・ 高 分 子 の 劣 化 ・ 光 毒 の 機 構 、ケージド 分 子 の<br />

光 脱 ケージ 機 構 を 解 明 します。<br />

これらにより、 発 癌 ・ 記 憶 ・ 免 疫 ・ 光 毒 機 構 を 解 明 する 手<br />

法 の 確 立 を 目 指 します。<br />

光 展 開 ナノテクノロジー・ 材 料<br />

光 制 御 極 短 シングル 電 子 パルスによる<br />

原 子 スケール 動 的 イメージング<br />

細 貝 知 直<br />

コヒーレントX 線 による 走 査 透 過 X 線<br />

顕 微 鏡 システムの 構 築 と 分 析 科 学 への<br />

応 用<br />

山 内 和 人<br />

大 阪 大 学 光 科 学 センター 特 任 准 教 授 大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

物 質 が 高 速 で 変 化 する 過 程 をフェムト 秒 オーダーかつ<br />

原 子 スケールの 時 間 空 間 分 解 能 をもつ 動 的 イメージン<br />

グ 像 としてシングルショットで 観 測 するシステムを 構 築 し<br />

ます。 高 性 能 パルス 電 子 源 開 発 として、 極 短 光 パルス<br />

駆 動 プラズマと 高 周 波 空 洞 をもちいたレーザーバーチャ<br />

ルカソードの 研 究 を 推 進 します。 加 えて、シングルショット<br />

の 動 的 イメージングに 必 要 な 極 短 光 パルスと 同 期 したパ<br />

ルス 駆 動 電 磁 レンズシステムの 開 発 も 行 います。<br />

放 射 光 X 線 の 優 れた 性 能 を 最 大 限 に 活 用 可 能 とするア<br />

ダプティブな 集 光 光 学 系 を 世 界 に 先 駆 けて 開 発 し、 顕<br />

微 鏡 システムへと 展 開 します。 本 光 学 系 は、コヒーレント<br />

X 線 の 波 面 を 制 御 することで、 損 失 無 しで 自 由 自 在 にX<br />

線 のビームサイズをマイクロからナノレベルまで 変 えるこ<br />

とができます。これを 用 いて、 電 子 密 度 分 布 のナノスケー<br />

ル 分 析 と、 元 素 、 化 学 結 合 状 態 の 分 析 機 能 を 併 せ 持 つ<br />

走 査 ・ 透 過 X 線 顕 微 鏡 システムの 構 築 を 目 指 します。<br />

43

プロセスインテグレーション<br />

による 機 能 発 現<br />

ナノシステムの 創 製<br />

戦 略 目 標<br />

プロセスインテグレーションによる 次 世<br />

代 ナノシステムの 創 製<br />

平 成 20 年 度 採 択<br />

生 体 超 分 子 援 用 フロンティアプロセス<br />

による 高 機 能 化 ナノシステム<br />

浦 岡 行 治<br />

奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 物 質 創 成 科<br />

学 研 究 科 教 授<br />

生 体 超 分 子 は、サイズ 均 一 性 、 自 己 組 織 化 能 力 など 優<br />

れた 特 性 を 有 しています。DNA 情 報 に 基 づいて 形 成 さ<br />

れた 様 々な 生 体 超 分 子 に、 自 己 組 織 化 機 能 を 持 たせる<br />

ための 分 子 設 計 を 施 し、 半 導 体 などの 基 板 上 に 一 次 元 、<br />

二 次 元 、 三 次 元 に 配 列 したナノ 構 造 物 を 形 成 して 機 能<br />

を 発 現 させます。さらに、 自 己 組 織 化 の 素 過 程 を 徹 底 的<br />

に 解 明 すると 同 時 に、このコンセプトに 基 づく 様 々な 高<br />

度 情 報 素 子 (スイッチング 素 子 、メモリ、バイオセンサー、<br />

MEMS 質 量 センサー)への 応 用 を 検 討 します。<br />

自 己 組 織 化 グラファイトシート 上<br />

エレクトロニクスの 開 発<br />

藤 岡<br />

洋<br />

東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所 教 授<br />

本 研 究 は、 高 い 熱 伝 導 特 性 ・ 電 気 伝 導 性 、 原 子 レベル<br />

での 平 坦 性 などの 優 れた 特 徴 を 持 つ 安 価 で 柔 軟 な 大<br />

面 積 フィルムである 自 己 組 織 化 グラファイトシート(ボトム<br />

アップ) 基 板 上 に、トップダウン 技 術 の 粋 を 集 めた 半 導<br />

体 エレクトロニクスを 融 合 し、 高 輝 度 発 光 素 子 、 高 速 電<br />

子 素 子 、 太 陽 電 池 やこれらを 組 み 合 わせた 新 機 能 フレ<br />

キシブル 大 面 積 半 導 体 素 子 システムを 低 価 格 で 実 現 す<br />

ることを 目 的 とします。<br />

研 究 総 括<br />

曽 根 純 一<br />

本 研 究 領 域 は、フォトリソグラフィ 等 のトップダウ<br />

ンプロセスと 自 己 組 織 化 に 代 表 されるボトムアップ<br />

プロセスの 高 度 化 と 統 合 化 を 進 めることによって、<br />

革 新 的 な 機 能 を 発 現 する 次 世 代 ナノシステムの<br />

創 製 を 目 指 すものです。<br />

具 体 的 には、トップダウンプロセスによって 作 ら<br />

れた 微 細 な 電 子 回 路 、MEMS・NEMS 等 のナノ<br />

構 造 デバイスと、ボトムアッププロセスによって 生<br />

成 されたバイオ・ 有 機 材 料 、 自 己 組 織 化 材 料 等 と<br />

の 融 合 を 図 ることにより 新 たな 機 能 を 発 現 させる<br />

研 究 、または 機 能 を 有 するボトムアップナノ 構 造 体<br />

を 工 学 的 に 応 用 可 能 なシステムとして 構 築 する 研<br />

究 を 対 象 とし、 従 来 にない 機 能 、 性 能 をもつセンサ、<br />

アクチュエータ、バイオチップ、 電 子 ・ 光 デバイス、<br />

エネルギーデバイス 等 の 基 盤 構 築 を 目 指 します。さ<br />

らに、これらを 集 積 ・ 最 適 化 した 次 世 代 ナノシステ<br />

ムの 構 築 まで 念 頭 に 置 いて 研 究 を 推 進 します。<br />

領 域 アドバイザー<br />

( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構<br />

理 事<br />

大 橋 啓 之 日 本 電 気 ( 株 )グリーンイノベーション<br />

研 究 所 主 席 研 究 員<br />

小 野 崇 人 東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

栗 原 和 枝 東 北 大 学 大 学 院 多 元 物 質 科 学 研 究 所 教 授<br />

清 水 敏 美 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 ナノテクノロジー・<br />

材 料 ・ 製 造 分 野 副 研 究 統 括 /ナノチューブ<br />

応 用 研 究 センター 副 センター 長<br />

出 川 通 ( 株 )テクノ・インテグレーション 代 表 取 締 役 社 長<br />

鳥 光 慶 一 東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

西 本 清 一 京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

馬 場 嘉 信 名 古 屋 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

板 東 義 雄 ( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 フェロー/<br />

国 際 ナノアーキテクトニクス 研 究 拠 点 最 高 運 営 責 任 者<br />

冬 木 隆 奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学<br />

物 質 創 成 科 学 研 究 科 教 授<br />

松 本 和 彦 大 阪 大 学 産 業 科 学 研 究 所 教 授<br />

イオンイメージセンサ 技 術 を 利 用 した<br />

医 療 生 体 ナノシステム 構 築<br />

澤 田 和 明<br />

本 研 究 では2つのステップの 研 究 を 行 います。 第 1のス<br />

テップは「イオンイメージセンサの 医 療 ・ 生 化 学 分 析 シス<br />

テムへの 展 開 」です。 生 体 関 連 物 質 の 動 きをリアルタイ<br />

ムで 画 像 化 し、 細 胞 レベルでの 医 療 用 診 断 システムを<br />

構 築 します。 第 2のステップはイオンイメージセンサを 元 に<br />

「 細 胞 などの 自 己 組 織 化 を 利 用 した 電 子 細 胞 集 積 回 路<br />

研 究 」を 行 います。 細 胞 ネットワークの 柔 軟 性 を 用 いた<br />

“ 電 子 細 胞 集 積 回 路 ”の 構 築 を 目 指 します。<br />

電 気 化 学 的 な<br />

異 種 材 料 ナノ 集 積 化 技 術 の 開 拓 と<br />

バイオデバイス 応 用<br />

西 澤 松 彦<br />

タンパク 質 や 細 胞 の 接 着 、 有 機 ・ 無 機 材 料 の 析 出 、など<br />

の 界 面 における 組 織 化 現 象 をナノスケールで 誘 発 する<br />

技 術 を 創 出 し、マイクロ 構 造 体 へのバイオ・ 分 子 機 能 の<br />

搭 載 を 可 能 にします。そして、この 異 種 融 合 プロセスを<br />

駆 使 するバイオ- 有 機 - 無 機 複 合 集 積 によって、 筋 肉 細<br />

胞 と 電 子 デバイスが 導 電 性 高 分 子 で 接 続 されたハイブ<br />

リッド 細 胞 チップや、 酵 素 反 応 で 駆 動 するスイッチ 素 子 な<br />

どの 開 発 に 挑 戦 します。<br />

自 己 組 織 プロセスにより 創 製 された<br />

機 能 性 ・ 複 合 CNT 素 子 による<br />

柔 らかいナノMEMSデバイス<br />

畠<br />

賢 治<br />

機 能 化 ナノ 構 造<br />

ゲートバイオトランジスタの 創 製<br />

宮 原 裕 二<br />

豊 橋 技 術 科 学 大 学 工 学 部 教 授 東 京 医 科 歯 科 大 学 生 体 材 料 工 学 研 究 所<br />

教 授<br />

本 研 究 では 生 体 材 料 / 機 能 性 分 子 / 半 導 体 からなる<br />

複 合 ゲート 構 造 を 構 築 し、 異 種 材 料 間 における 界 面 ナ<br />

ノ 構 造 を 制 御 することにより、 生 体 分 子 認 識 及 び 細 胞<br />

機 能 の 発 現 過 程 を 非 標 識 ・ 非 侵 襲 で 電 気 信 号 に 変 換<br />

するバイオトランジスタを 創 製 します。バイオトランジスタ<br />

の 動 作 原 理 の 研 究 を 通 して、 臨 床 研 究 や 創 薬 分 野 に<br />

新 たな 検 査 ・ 解 析 ツールを 提 供 するとともに、バイオテク<br />

ノロジーとエレクトロニクスを 融 合 する 新 たな 領 域 の 開 拓<br />

を 目 指 します。<br />

平 成 21 年 度 採 択<br />

光 神 経 電 子 集 積 回 路 開 発 と<br />

機 能 解 析 ・ 応 用<br />

宇 理 須 恒 雄<br />

東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授 名 古 屋 大 学 革 新 ナノバイオデバイス<br />

研 究 センター 特 任 教 授<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 ナノチューブ 応 用<br />

研 究 センター 上 席 研 究 員<br />

研 究 代 表 者 はシナプス 後 膜 に 流 れる 電 流 を 正 確 に 測<br />

定 できる 培 養 型 イオンチャネルバイオセンサーの 開 発 に<br />

初 めて 成 功 しました。 本 研 究 では、 神 経 細 胞 ネットワーク<br />

を 本 センサー 内 に 形 成 し、レーザー 光 で 活 動 電 位 を 制 御<br />

して 記 憶 や 学 習 特 性 を 測 定 できるようにします。さらにナ<br />

ノ 加 工 技 術 を 駆 使 してセンサーを 多 チャンネル 化 し、 脳<br />

高 次 機 能 の 解 明 や 神 経 変 性 疾 患 の 診 断 ・ 創 薬 に 有 用<br />

なスクリーニング 素 子 を 開 発 します。<br />

拡 張 ナノ 空 間 特 異 性 を 利 用 した<br />

革 新 的 機 能 デバイスの 創 成<br />

北 森 武 彦<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

カーボンナノチューブ(CNT)MEMSデバイス 産 業 を 実<br />

現 するための、デバイス 基 盤 製 造 技 術 と、 異 材 料 とのイ<br />

ンテグレーション 技 術 を 開 発 します。ボトムアップの 技 法<br />

と 微 細 加 工 技 術 を 組 み 合 わせて、CNTの 位 置 ・ 形 状 を<br />

自 由 自 在 に 制 御 しながら 集 積 化 させ、 異 材 料 とインテグ<br />

レーションさせ、デザインされた 機 能 を 有 するCNT 素 子 ・<br />

ナノ(MEMS)デバイスを 創 製 します。<br />

数 10- 数 100nmの「 拡 張 ナノ 空 間 」は 界 面 領 域 のみ<br />

で 形 成 される 特 異 空 間 であり、 流 体 物 性 や 化 学 特 性 に<br />

特 異 性 が 発 現 することを 研 究 代 表 者 らは 見 いだしました。<br />

また、この 特 異 性 を 活 用 するとマイクロ・ナノ 科 学 と 技 術<br />

に 新 展 開 が 期 待 できることを 示 してきました。 本 研 究 では<br />

「 拡 張 ナノ 空 間 」の 特 異 性 を 活 用 した 新 しいデバイス 工<br />

学 に 焦 点 を 絞 り、 化 学 、バイオ、エネルギーなどに 貢 献 す<br />

る 新 機 能 次 世 代 ナノデバイスを 実 現 します。<br />

44

バイオテンプレート 極 限 加 工 による<br />

3 次 元 量 子 構 造 の 制 御 と 新 機 能 発 現<br />

平 成 22 年 度 採 択<br />

スピン 流 による 熱 ・ 電 気 ・ 動 力 ナノイン<br />

テグレーションの 創 出<br />

寒 川 誠 二<br />

齊 藤 英 治<br />

東 北 大 学 流 体 科 学 研 究 所 教 授 東 北 大 学 金 属 材 料 研 究 所 教 授<br />

中 性 粒 子 ビームエッチングと、 球 穀 状 たんぱく 質 を 用 い<br />

た 高 密 度 ナノドット 配 列 技 術 を 組 み 合 わせることで、 超<br />

高 効 率 量 子 ドットレーザーおよび 量 子 ドット 太 陽 電 池 を<br />

実 現 します。また、シリコンおよび 化 合 物 半 導 体 2 次 元<br />

量 子 ドットアレイ 構 造 における 電 子 輸 送 現 象 の 解 析 か<br />

ら、 量 子 サイズ 効 果 、ミニバンド 形 成 効 果 、 励 起 子 多 重<br />

生 成 効 果 を 明 らかにして、 量 子 構 造 の 制 御 手 法 を 明 ら<br />

かにします。<br />

スピントロニクスとナノマシニング 技 術 の 融 合 により、 電<br />

気 ・ 熱 ・ 動 力 の 間 の 量 子 力 学 的 な 変 換 を 実 現 する 新 しい<br />

テクノロジー 体 系 を 構 築 します。ナノスケールでは 電 子<br />

の 自 転 の 流 れ「スピン 流 」を 介 した 電 子 や 原 子 核 間 の<br />

多 様 な 相 互 作 用 が 存 在 することが 明 らかになっていま<br />

す。これらの 相 互 作 用 をナノスケールで 融 合 させること<br />

で、 量 子 力 学 の 原 理 で 駆 動 する 発 電 や 動 力 駆 動 、 熱 エ<br />

ネルギー 変 換 を 実 現 させます。<br />

大 面 積 ナノシステムのインタフェース<br />

応 用<br />

生 体 分 子 1 分 子 デジタル 計 数<br />

デバイスの 開 発<br />

染 谷 隆 夫<br />

野 地 博 行<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授 東 京 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

本 研 究 では、 分 子 の 自 己 組 織 化 と 印 刷 プロセスの 制 御<br />

性 を 究 極 まで 高 めることによって、ナノ 機 能 をメートル 寸<br />

法 の 大 面 積 システムに 応 用 する 新 手 法 (ナノ 印 刷 )を 確<br />

立 します。ナノ 印 刷 を 駆 使 して、プラスティックやゴムの<br />

シート 上 に 多 様 なナノ 機 能 を 集 積 化 した 大 面 積 ナノシス<br />

テムを 実 現 します。モノの 表 面 をこのシートで 包 み 込 んで<br />

電 子 化 することによって、 環 境 に 溶 け 込 み 人 間 を 支 援 す<br />

るインタフェースとして 活 用 し、その 有 用 性 を 実 証 します。<br />

本 研 究 では、 超 微 小 溶 液 チャンバーやナノブラウン 振 動<br />

子 計 測 技 術 を 活 用 し、1 個 のウィルス 粒 子 や1 分 子 の 各<br />

種 疾 病 マーカー 分 子 を 簡 便 に 検 出 する「 生 体 分 子 1 分<br />

子 デジタル 計 数 法 」を 確 立 します。これらの 計 測 法 を<br />

CMOSイメージングチップ 技 術 と 統 合 することで、 携 帯<br />

可 能 で 安 価 な 検 出 システムも 開 発 します。これによって<br />

各 疾 病 の 超 早 期 段 階 における 検 出 や、インフルエンザ<br />

などのパンデミックの 水 際 阻 止 などを 可 能 にします。<br />

濃 厚 ポリマーブラシの 階 層 化 による<br />

新 規 ナノシステムの 創 製<br />

辻 井 敬 亘<br />

本 研 究 では、 研 究 代 表 者 らが 世 界 に 先 駆 けて 実 現 した<br />

「 濃 厚 ポリマーブラシ」という 新 しい 分 子 組 織 体 が 従 来<br />

のものとは 大 きく 異 なる、 魅 力 ある 特 性 を 発 現 することに<br />

着 眼 し、その 階 層 構 造 化 による 新 しいナノシステムを 創<br />

製 するとともに、その 活 用 により、 従 来 技 術 では 困 難 で<br />

あった 全 固 体 型 マイクロ・リチウムイオン 電 池 (オンボー<br />

ドバッテリデバイス)と 眼 内 設 置 高 感 度 センサ(ウエアラ<br />

ブルセンサデバイス)の 開 発 を 目 指 します。<br />

エレクトロクロミック 型<br />

カラー 電 子 ペーパー<br />

樋 口 昌 芳<br />

京 都 大 学 化 学 研 究 所 教 授 ( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 先 端 的 共 通 技 術 部 門 高 分 子 材 料<br />

ユニット 電 子 機 能 材 料 グループ 教 授 グループリーダー<br />

省 エネルギーと 省 資 源 に 寄 与 する 次 世 代 ディスプレイ<br />

の 実 現 を 目 的 として、RGBと 無 色 を 表 現 できる 革 新 的 エ<br />

レクトロクロミック( 電 気 で 色 が 変 わる) 材 料 の 創 製 と、そ<br />

れを 用 いたカラー 電 子 ペーパーの 開 発 を 行 います。エレ<br />

クトロクロミック 機 能 を 示 す 新 物 質 である 有 機 / 金 属 ハ<br />

イブリッドポリマーの 電 子 ・ 光 物 性 を 解 明 し、 未 踏 の 学 問<br />

領 域 を 開 拓 するとともに、プロセスインテグレーションに<br />

よるデバイス 製 造 へと 連 続 的 に 研 究 を 展 開 します。<br />

ナノシステム ナノテクノロジー・ 材 料<br />

マイクロ・ナノ 統 合 アプローチによる<br />

細 胞 ・ 組 織 Showcaseの 構 築<br />

新 金 属 ナノ 粒 子 の 創 成 を 目 指 した<br />

メタロシステムの 確 立<br />

藤 井 輝 夫<br />

山 元 公 寿<br />

東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所 教 授 東 京 工 業 大 学 資 源 化 学 研 究 所 教 授<br />

マイクロ 流 体 デバイスに 人 工 バイオ 界 面 を 組 み 込 むこと<br />

により、 液 性 条 件 と 接 着 条 件 とを 統 合 的 に 操 作 可 能 な<br />

細 胞 ・ 組 織 Showcaseシステムを 構 築 します。このシス<br />

テムをES 細 胞 やiPS 細 胞 の 分 化 過 程 ならびに 血 中 循<br />

環 腫 瘍 細 胞 の 浸 潤 ・ 転 移 過 程 に 適 用 し、これらの 過 程<br />

における 細 胞 外 微 小 環 境 の 効 果 を 明 らかにすることを<br />

通 して、 多 能 性 細 胞 の 応 用 研 究 やがんの 診 断 ・ 治 療 に<br />

資 するマイクロ・ナノ 機 能 統 合 デバイスを 実 現 します。<br />

本 研 究 では、 我 々 独 自 の 金 属 精 密 集 積 法 を 駆 使 し、 金<br />

属 元 素 の 原 子 数 や 配 合 比 を 精 密 かつ 自 在 に 制 御 して、<br />

従 来 に 無 い 精 密 なサブナノサイズの 金 属 、 半 導 体 、 酸<br />

化 物 、 多 元 素 合 金 などの 新 しい 金 属 微 粒 子 、いわゆる<br />

量 子 サイズの「 新 金 属 ナノ 粒 子 」を 組 み 上 げるメタロシ<br />

ステムを 世 界 にさきがけ 創 成 します。<br />

45

プロセスインテグレーション<br />

に 向 けた 高 機 能<br />

ナノ 構 造 体 の 創 出<br />

戦 略 目 標<br />

プロセスインテグレーションによる 次 世<br />

代 ナノシステムの 創 製<br />

研 究 総 括<br />

入 江 正 浩<br />

立 教 大 学 理 学 部<br />

教 授<br />

次 世 代 ナノシステムを 効 率 よく 自 在 に 創 りあげ<br />

るには、トップダウンプロセスとボトムアッププロセ<br />

スとの 有 機 的 な 結 合 が 欠 かせません。 本 研 究 領 域<br />

では、 分 子 レベルにおける 精 緻 なナノ 構 造 、 機 能 を<br />

マクロレベルの 材 料 の 構 造 、 機 能 に 繋 げる 方 策 を<br />

探 り、ボトムアッププロセスでしか 達 成 されない 特<br />

異 な 構 造 、 機 能 をそなえた 自 立 した 高 機 能 ナノ 構<br />

造 体 を 創 出 することをめざしています。<br />

分 子 、 超 分 子 レベルでは、 分 子 機 械 、 分 子 モー<br />

ター、 人 工 筋 肉 など 精 緻 な 構 造 の 構 築 、 特 異 な 機<br />

能 の 発 現 も 報 告 されていますが、これらのナノ 構 造<br />

体 を 自 己 組 織 化 、 自 己 集 積 化 し、マクロレベルの<br />

材 料 の 構 造 、 機 能 に 繋 げることには 成 功 していま<br />

せん。 分 子 触 媒 、 固 体 触 媒 について 言 えば、 精 緻<br />

な 分 子 ・ 構 造 設 計 に 加 え、 自 己 組 織 化 、 自 己 構 造<br />

化 により、 多 段 階 反 応 のワンポット 合 成 などこれま<br />

でにない 高 度 な 機 能 をもった 触 媒 の 開 発 が 望 まれ<br />

ています。 分 子 材 料 は、その 多 様 性 を 活 かすことに<br />

よりいかようにも 姿 を 変 えるポテンシャルを 持 ってい<br />

ます。このポテンシャルを 見 据 えて、 分 子 レベルに<br />

おいて 実 現 している 精 緻 な 構 造 、 機 能 ( 化 学 、 物<br />

理 刺 激 応 答 性 、 触 媒 機 能 、 導 電 性 、 磁 性 など)を、<br />

ボトムアッププロセスにより、マクロなreal world<br />

の 材 料 に 繋 げる 道 筋 をつけ、 特 異 な 機 能 をもった<br />

自 立 した 高 機 能 ナノ 構 造 体 を 創 出 することを 本 領<br />

域 の 目 的 としています。<br />

平 成 20 年 度 採 択<br />

生 体 分 子 情 報 - 構 造 - 機 能 統 合<br />

ナノシステムの 構 築<br />

杉 山<br />

溶 解 カーボンナノチューブ<br />

高 機 能 ナノシステムのデザイン<br />

中 嶋 直 敏<br />

本 研 究 では、 研 究 代 表 者 が 世 界 に 先 駆 けて 提 案 、 展 開<br />

してきたカーボンナノチューブ(CNT)の 可 溶 化 / 機 能 化<br />

研 究 を 大 きく 展 開 させ、CNTのナノ 構 造 制 御 による 次<br />

世 代 のCNTナノハイブリッド 材 料 の 創 成 とその 応 用 を<br />

目 指 します。ここでは、ボトムアッププロセスの 高 度 化 、ボ<br />

トムアッププロセスとトップダウンプロセスの 融 合 により<br />

高 機 能 性 CNTナノ 構 造 体 を 創 出 します。また、 同 時 にこ<br />

れまでに 未 解 明 のCNTそのものの 基 盤 特 性 を 明 らかに<br />

します。<br />

動 的 応 答 特 性 を 有 するナノ 構 造 体 の<br />

構 築 と 精 密 バイオ 機 能 化<br />

浜 地<br />

弘<br />

DNAは 配 列 のプログラムによって 意 図 的 に 様 々なナノ<br />

構 造 を 形 成 させることが 可 能 です。このDNAに 特 有 な<br />

性 質 を 利 用 し、 多 種 多 様 の 分 子 ・ 材 料 を 思 い 通 りに 配<br />

置 できるようにDNA 構 造 上 に 個 別 の 情 報 「アドレス」を<br />

割 り 振 り、ナノスケールで 精 密 に 集 積 させ、その 空 間 で<br />

発 現 される 新 規 機 能 を 開 拓 します。これを 基 盤 技 術 とし<br />

て 生 体 分 子 を 組 織 化 した 高 度 デバイスを 作 成 し、トップ<br />

ダウン 型 のナノ 技 術 との 融 合 を 図 ります。<br />

格<br />

本 研 究 では、 細 胞 の 内 側 に 侵 入 し、あるいは 外 側 からソ<br />

フトに 作 用 することによって、 細 胞 や 組 織 の 状 態 を 精 密<br />

センシングしたり、その 機 能 を 制 御 できる「 動 的 特 性 を 有<br />

する3 次 元 自 己 組 織 化 ナノ 構 造 体 」の 創 製 を 目 指 します。<br />

バイオイメージング、マルチ 刺 激 応 答 型 薬 剤 放 出 材 料 や<br />

3 次 元 細 胞 培 養 マトリックス、 高 感 度 ・ 高 精 度 バイオ 分<br />

析 などに 応 用 可 能 な 先 端 医 工 学 を 推 進 する 新 ナノバイ<br />

オ 材 料 への 展 開 が 期 待 されます。<br />

階 層 的 3 次 元 構 造 ・ 粒 子 形 態 制 御 に<br />

よる 高 機 能 ナノ 構 造 体 の 創 出<br />

水 野 哲 孝<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

本 研 究 では、 高 機 能 ( 触 媒 ・ 吸 着 ・ 水 素 吸 蔵 ・ 電 極 ・ 赤 外<br />

線 遮 断 ) 固 体 材 料 を 構 成 単 位 から 原 子 ・ 分 子 レベルで<br />

精 密 設 計 し、それらを 自 己 組 織 化 ・ 集 積 化 することで 空<br />

隙 体 積 、 細 孔 径 などが 精 密 制 御 された 構 造 体 をサブナ<br />

ノ–マイクロメートルレベルで 構 築 しました。また、 構 造 体<br />

生 成 過 程 の 素 反 応 制 御 による 速 度 論 的 な 集 積 ・ 凝 集<br />

形 態 制 御 を 行 い、3 次 元 構 造 のみならず 粒 子 形 態 が 制<br />

御 された 構 造 体 も 合 成 しました。さらに、 材 料 の 応 用 ・ 実<br />

用 化 展 開 を 行 いました。( 研 究 期 間 は 平 成 20 年 10 月 1<br />

日 ~ 平 成 23 年 3 月 31 日 )<br />

平 成 21 年 度 採 択<br />

ナノとマクロをつなぐ 動 的 界 面<br />

ナノテクノロジー<br />

有 賀 克 彦<br />

九 州 大 学 大 学 院 工 学 研 究 院 教 授 ( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 WPI 国 際 ナノアー<br />

キテクトニクス 研 究 拠 点 主 任 研 究 者<br />

本 研 究 では、 界 面 環 境 にてバルクの 刺 激 によって 機 能<br />

性 分 子 ・ナノシステムを 駆 動 しうる「 手 で 操 るナノテク<br />

(Hand-Operating Nanotechnology):ナノとマク<br />

ロをつなぐ 動 的 界 面 ナノテクノロジー」を 創 始 します。「 自<br />

らの 手 の 動 きで 分 子 をつかむ・ 並 べる・ 見 分 ける・ 放 出 す<br />

る」という 夢 の 技 術 を 実 現 し、あらゆるサイズで 駆 動 する<br />

センサー、DDS、 物 質 分 離 などの 革 新 技 術 の 開 発 につ<br />

なげます。<br />

酸 ・ 塩 基 複 合 型 超 分 子 動 的 錯 体 を<br />

鍵 とする 高 機 能 触 媒 の 創 製<br />

石 原 一 彰<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授 名 古 屋 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

従 来 の 単 一 分 子 性 触 媒 では 困 難 な 遠 隔 不 斉 誘 導 、カ<br />

スケード 反 応 、 高 度 な 分 子 認 識 などの 酵 素 特 有 の 機 能<br />

を 備 えた、 真 に 実 用 的 な 人 工 触 媒 の 開 発 は 有 機 合 成<br />

化 学 の 最 重 要 課 題 です。 本 研 究 提 案 では、 環 境 に 優 し<br />

い 精 密 合 成 技 術 の 実 現 を 目 標 に、 生 体 酵 素 を 凌 駕 する<br />

高 機 能 ナノ 触 媒 の 創 製 とその 効 率 的 調 製 法 の 確 立 を<br />

目 指 します。 酸 ・ 塩 基 複 合 化 学 を 基 盤 に 多 様 な 動 的 機<br />

能 を 備 えた 超 分 子 自 己 会 合 型 触 媒 を 開 発 します。<br />

領 域 アドバイザー<br />

相 田 卓 三 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

井 上 隆 山 形 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 客 員 教 授<br />

岩 本 正 和 東 京 工 業 大 学 フロンティア 研 究 機 構 教 授<br />

上 田 充 東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

大 須 賀 篤 弘 京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

河 田 聡 大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

小 島 秀 子 愛 媛 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

西 村 紀 大 阪 大 学 蛋 白 質 研 究 所 招 聘 教 授 /<br />

神 戸 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 質 量 分 析 総 合<br />

センター 副 センター 長<br />

橋 本 和 仁 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

吉 川 研 一 同 志 社 大 学 生 命 医 科 学 部 医 情 報 学 科 教 授<br />

/ 京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 客 員 教 授<br />

自 己 組 織 化 超 分 子 ポリマーの<br />

動 的 機 能 化<br />

原 田<br />

明<br />

ホスト 分 子 としてシクロデキストリンや 光 応 答 タンパク 質 、<br />

抗 体 分 子 を、ゲスト 分 子 として 光 や 酸 化 還 元 応 答 性 を<br />

有 する 分 子 を 用 いて、そのホストーゲスト 相 互 作 用 を 利<br />

用 してさまざまな 自 己 組 織 化 超 分 子 ポリマー 構 造 体 を 作<br />

り、 光 などの 外 部 刺 激 により、 分 子 が 分 子 の 間 を 滑 って<br />

動 くシステムを 構 築 します。さらに 超 分 子 ポリマーを 利 用<br />

して 超 分 子 触 媒 、 超 分 子 エネルギー 変 換 素 子 、 超 分 子<br />

センサー、および 超 分 子 輸 送 システムを 構 築 します。<br />

ホウ 酸 エステルの 動 的 自 己 組 織 化 に<br />

基 づく 高 次 機 能 の 開 拓<br />

岩 澤 伸 治<br />

大 阪 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授 東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

本 研 究 ではホウ 酸 エステル 化 合 物 の 特 徴 的 性 質 を 活 用<br />

し、ホスト-ゲスト 相 互 作 用 に 基 づく 動 的 自 己 組 織 化 を 基<br />

盤 とするボトムアップ 合 成 手 法 を 確 立 すること、 次 いで<br />

分 子 レベルでホウ 酸 エステル 化 合 物 に 特 徴 的 な 動 的<br />

高 次 機 能 、 特 に 分 子 触 媒 機 能 や 分 子 分 離 ・ 貯 蔵 機 能 な<br />

どを 実 現 すること、そして 最 終 的 には 分 子 レベルで 実 現<br />

した 各 種 機 能 をマクロな 物 質 レベルでの 機 能 発 現 へと<br />

展 開 することを 目 的 とします。<br />

46

キラルナノ 分 子 ロッドによる<br />

機 能 の 階 層 的 不 斉 集 積 と 組 織 化<br />

ナノラジカル 界 面 からの<br />

電 子 機 能 発 現<br />

杉 野 目 道 紀<br />

阿 波 賀 邦 夫<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授 名 古 屋 大 学 物 質 科 学 国 際 研 究 センター<br />

教 授<br />

触 媒 、キラル 誘 起 、 発 光 、 可 逆 架 橋 、 水 素 結 合 、 配 位 結<br />

合 などの 多 様 な 機 能 部 位 を 集 積 ・ 組 織 化 したナノサイズ<br />

のらせん 形 巨 大 棒 状 分 子 を、さらに 精 密 に 集 積 ・ 組 織 化<br />

することで 階 層 的 な 構 造 体 を 創 りだし、 新 しい 機 能 性 材<br />

料 の 開 発 を 行 います。この 巨 大 棒 状 分 子 の 合 成 法 の<br />

確 立 と 集 積 化 により、 次 世 代 のキラルテクノロジーとし<br />

て 期 待 されるキラル 高 分 子 触 媒 やキラル 分 離 膜 の 創 製<br />

を 目 指 します。<br />

本 研 究 では、スムーズな 電 子 移 動 が 期 待 される 有 機 ラジ<br />

カル 等 のさまざまな 開 殻 化 学 種 を 電 極 表 面 上 にナノ 配<br />

列 させ、このナノラジカル 界 面 で 生 じる 電 荷 分 離 を 起 点<br />

として 発 生 する 巨 大 光 過 渡 電 流 を 用 いた 高 効 率 ・ 超 高<br />

速 の 光 - 電 流 変 換 を 実 現 します。さらに、ナノラジカル 界<br />

面 を 固 体 電 気 化 学 へ 応 用 し、これを 電 子 プールとした 高<br />

エネルギー・ 高 パワー 密 度 の 分 子 性 二 次 電 池 を 実 現 し<br />

ます。<br />

多 核 金 属 クラスター 分 子 の 構 造 制 御<br />

によるナノ 触 媒 の 創 製<br />

磁 気 化 学 を 基 盤 とした 新 機 能<br />

ナノ 構 造 物 質 のボトムアップ 創 成<br />

真 島 和 志<br />

大 越 慎 一<br />

大 阪 大 学 大 学 院 基 礎 工 学 研 究 科 教 授 東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授<br />

第 1 遷 移 金 属 や 前 周 期 遷 移 金 属 などの 非 貴 金 属 につ<br />

いて、 金 属 核 数 、 金 属 種 、 結 合 様 式 を 制 御 することによ<br />

り、2 核 より 金 属 数 の 大 きなナノスケールの 多 核 金 属 ク<br />

ラスター 分 子 を 系 統 的 に 合 成 します。これにより、 通 常<br />

の 貴 金 属 の 単 核 錯 体 が 示 す 触 媒 機 能 を 凌 駕 し、 単 核<br />

金 属 錯 体 では 実 現 できないまったく 新 しい 触 媒 反 応 の<br />

開 発 を 行 います。 本 研 究 により 開 発 するナノ 触 媒 により、<br />

医 薬 品 や 機 能 性 材 料 の 合 成 に 優 れ、 環 境 負 荷 を 低 減<br />

できる 新 しい 触 媒 反 応 を 実 現 します。<br />

本 研 究 では、 磁 気 化 学 を 基 盤 とした 新 機 能 ナノ 構 造 物<br />

質 のボトムアップ 創 成 に 関 する 研 究 を 推 進 し、 新 機 能 を<br />

有 する 磁 気 機 能 物 質 の 探 索 およびそのデバイスへの 展<br />

開 を 狙 います。 例 えば、 磁 性 酸 化 物 ナノ 微 粒 子 を 用 いて<br />

次 世 代 高 密 度 磁 気 記 録 材 料 や 電 磁 波 吸 収 体 等 の 創<br />

製 を 目 指 します。また、 金 属 錯 体 磁 性 体 の 高 次 構 造 を 制<br />

御 することで、 磁 気 とイオン 伝 導 およびフォトンが 相 関 し<br />

た 新 規 磁 気 現 象 などの、 従 来 には 無 かった 現 象 を 見 出<br />

すことを 目 指 すと 共 に、これらの 磁 気 機 能 性 に 関 して 分<br />

子 構 造 やナノ 構 造 といった 観 点 から 現 象 の 本 質 に 迫 り<br />

ます。<br />

ナノシートから 構 築 する<br />

高 機 能 ナノ 構 造 体<br />

松 本 泰 道<br />

厚 さ1nm 程 度 の 二 次 平 面 単 結 晶 無 機 ナノシートは、そ<br />

の 組 成 に 基 づく 化 学 的 ・ 物 理 的 特 性 に 加 えて、 量 子 サ<br />

イズ 効 果 、 特 異 界 面 効 果 、 高 効 率 電 荷 分 離 効 果 を 有 す<br />

る 革 新 的 機 能 材 料 です。 本 研 究 では、 本 来 ナノシートが<br />

持 つ 静 電 的 自 己 組 織 機 能 を 利 用 し、 異 種 ナノシート、 機<br />

能 性 分 子 、 液 晶 ・ 高 分 子 、DNAからなる 未 来 型 高 機 能<br />

ナノ 層 状 体 ・ナノハイブリッド 材 料 を 構 築 し、 新 規 機 能 の<br />

探 索 を 行 います。<br />

ソフトπマテリアルの 創 製 と 機 能 発 現<br />

山 口 茂 弘<br />

熊 本 大 学 大 学 院 自 然 科 学 研 究 科 教 授 名 古 屋 大 学 物 質 科 学 国 際 研 究 センター<br />

教 授<br />

真 に 優 れたπ 電 子 系 物 質 の 創 出 は、 効 率 的 な 光 電 変<br />

換 や 照 明 やディスプレイなどの 省 エネルギー 化 、 高 性 能<br />

化 を 実 現 し、 未 来 のエレクトロニクス 技 術 の 発 展 の 礎 と<br />

なります。 本 研 究 では、 高 度 な 広 がりをもつπ 共 役 骨 格<br />

の 創 出 、 柔 軟 な 共 有 結 合 鎖 を 用 いたπクラスター 化 によ<br />

り、 特 異 な 光 ・ 電 子 物 性 の 発 現 、 高 機 能 性 アモルファス<br />

薄 膜 の 形 成 、スイッチング 機 能 の 付 与 などの 可 能 性 を<br />

追 求 し、 新 たなソフトπマテリアル 群 の 創 製 を 目 指 します。<br />

ナノ 構 造 体 ナノテクノロジー・ 材 料<br />

平 成 22 年 度 採 択<br />

高 速 フォトクロミック 分 子 の 高 性 能 化<br />

と 新 機 能 創 成<br />

超 分 子 化 学 的 アプローチによる 環 状<br />

π 共 役 分 子 の 創 製 とその 機 能<br />

阿 部 二 朗<br />

青 山 学 院 大 学 理 工 学 部 化 学 ・ 生 命 科 学 科<br />

教 授<br />

山 子<br />

茂<br />

京 都 大 学 化 学 研 究 所<br />

教 授<br />

光 照 射 により 生 成 した 発 色 体 が 数 百 ミリ 秒 以 内 に 完 全<br />

消 色 する 高 速 フォトクロミック 分 子 の 際 立 つ 特 徴 は、 高<br />

い 発 色 効 率 ・ 発 色 濃 度 および 高 速 熱 消 色 特 性 を 併 せ<br />

持 つことにあります。 本 研 究 では 従 来 のフォトクロミック<br />

分 子 では 実 現 困 難 であった 革 新 的 フォトクロミック 材 料<br />

を 開 発 することによって、 世 界 をリードする 新 しい 光 産 業<br />

の 創 出 を 目 指 します。<br />

本 研 究 では、 超 分 子 化 学 的 な 発 想 に 基 づく 合 成 法 によ<br />

り、カーボンナノチューブの 部 分 構 造 を 持 つシクロパラ<br />

フェニレンに 代 表 される、 環 状 π 共 役 分 子 の 創 製 を 行 い<br />

ます。さらに、これらのπ 共 役 分 子 が 積 層 した 高 次 構 造<br />

体 の 構 築 による 機 能 化 と 共 に、これらの 化 合 物 を 有 機<br />

エレクトロニクス 材 料 として 利 用 することを 視 野 に 入 れた<br />

基 礎 物 性 の 解 明 を 行 います。これらの 研 究 を 通 じて、 未<br />

開 拓 分 野 である 環 状 π 共 役 分 子 の 科 学 ・ 技 術 の 確 立 を<br />

目 指 します。<br />

47

次 世 代 エレクトロニクス<br />

デバイスの 創 出 に<br />

資 する 革 新 材 料 ・プロセス<br />

研 究<br />

戦 略 目 標<br />

新 原 理 ・ 新 機 能 ・ 新 構 造 デバイス 実 現<br />

のための 材 料 開 拓 とナノプロセス 開 発<br />

平 成 19 年 度 採 択<br />

機 能 性 酸 化 物 を 用 いた 界 面 相 転 移<br />

スイッチングデバイスの 開 発<br />

秋 永 広 幸<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 ナノ 電 子 デバイス<br />

研 究 センター 研 究 センター 長<br />

金 属 / 絶 縁 性 酸 化 膜 の 界 面 電 子 状<br />

態 および 強 相 関 相 転 移 の 物 性 制 御<br />

研 究 を 通 して、それを 利 用 した 不 揮 発<br />

性 スイッチングデバイス 技 術 の 開 発 を<br />

行 います。<br />

極 微 細 加 工 用 レジスト 研 究 とプロセス<br />

シミュレーターの 開 発<br />

田 川 精 一<br />

大 阪 大 学 産 業 科 学 研 究 所 特 任 教 授<br />

イオン 化 放 射 線 (EUV、 電 子 線 等 )は<br />

ナノ 領 域 にエネルギーを 自 由 自 在 に<br />

付 与 することが 可 能 であり、 将 来 の 極<br />

微 細 加 工 を 支 える 重 要 な 技 術 です。<br />

本 研 究 では、このようなイオン 化 放 射<br />

線 の 優 れた 特 性 を 産 業 界 が 微 細 加 工 において 十 分 に<br />

活 用 できるようにするための 学 術 基 盤 を 確 立 することを<br />

目 標 とします。イオン 化 放 射 線 を 用 いる 極 微 細 加 工 用 レ<br />

ジスト 中 に 起 きる 反 応 機 構 を 解 明 し、ナノ 分 子 設 計 及 び<br />

プロセス 設 計 に 活 用 し、プロセスシミュレーターの 開 発 を<br />

行 います。<br />

研 究 総 括<br />

渡 辺 久 恒<br />

( 株 )EUVL 基 盤 開 発 センター<br />

代 表 取 締 役 社 長<br />

グラフェン・オン・シリコン 材 料 ・デバイス<br />

技 術 の 開 発<br />

LSI 用 3 次 元 カーボン・アクティブ 配 線<br />

の 開 発<br />

この 研 究 領 域 は、 半 導 体 ロードマップ 戦 略 に 基<br />

づく 技 術 進 化 の 飽 和 を 超 越 することを 目 的 として、<br />

微 細 化 パラダイムのみでは 実 現 できない 機 能 ・ 性<br />

能 を 持 つ、 革 新 的 且 つ 実 用 化 可 能 なエレクトロニ<br />

クスデバイスを 創 製 するための 材 料 ・ 構 造 の 開 発<br />

及 びプロセス 開 発 を 行 う 研 究 を 対 象 とします。<br />

具 体 的 には、 新 しい 原 理 により 消 費 電 力 の 増 大 、<br />

製 造 コストの 巨 額 化 といった 実 用 上 の 問 題 を 解 決<br />

するための 高 集 積 情 報 処 理 デバイス、 有 機 物 を 含<br />

め 異 種 材 料 や 技 術 の 融 合 により 新 機 能 ・ 高 性 能<br />

を 発 揮 するデバイス、 及 びそれらを 可 能 にするプロ<br />

セス 研 究 、また 従 来 にない 斬 新 なアプリケーション<br />

を 切 り 拓 く 研 究 等 が 含 まれます。<br />

本 研 究 領 域 では、 材 料 ・プロセスの 特 性 ・ 機 構<br />

解 明 に 留 まらず、 実 用 技 術 に 発 展 することが 十 分<br />

見 込 まれる 研 究 を 推 進 します。<br />

尾 辻 泰 一<br />

グラフェン・オン・シリコン(GOS) 材<br />

料 ・プロセス 技 術 の 開 発 を 通 して、 相<br />

補 的 スイッチングデバイス(CGOS)<br />

及 びプラズモン 共 鳴 テラヘルツデバ<br />

イス(PRGOS) 技 術 の 開 発 を 行 いま<br />

す。これにより、シリコンテクノロジーをベースとしながら、<br />

キャリア 輸 送 限 界 を 超 えた 新 しい 超 高 速 大 規 模 集 積 デ<br />

バイスの 実 現 が 期 待 されます。<br />

真 空 紫 外 レーザー 光 発 生 用 非 線 形<br />

光 学 結 晶 の 開 発<br />

二 瓶 瑞 久<br />

東 北 大 学 電 気 通 信 研 究 所 教 授 富 士 通 株 式 会 社 知 的 財 産 権 本 部 情 報 部 先<br />

端 技 術 研 究 室 室 長 付<br />

グラフェンは、 電 気 伝 導 特 性 や 熱 伝 導<br />

特 性 に 優 れていることに 加 え、アクティ<br />

ブ 素 子 としての 機 能 も 期 待 される 次 世<br />

代 エレクトロニクス 材 料 の 候 補 です。 本<br />

研 究 では、 従 来 のLSI 横 配 線 の 課 題 で<br />

ある 配 線 抵 抗 の 増 大 、 大 電 流 密 度 によ<br />

る 信 頼 性 劣 化 を 抑 えるためにグラフェンを 用 いた 高 性 能 な<br />

配 線 技 術 の 開 発 を 行 いました。 特 に、オリジナルな 光 電 子<br />

制 御 プラズマCVD 法 を 用 いて、 触 媒 金 属 を 用 いずに 絶 縁<br />

膜 上 に 多 層 グラフェンを 形 成 することに 成 功 しました。この<br />

ように、 従 来 の 銅 配 線 に 替 わる 高 性 能 配 線 として、 新 しい<br />

付 加 価 値 を 有 する3 次 元 カーボン・アクティブ 配 線 の 基 盤<br />

技 術 を 開 発 しました。<br />

( 研 究 期 間 : 平 成 19 年 10 月 1 日 ~ 平 成 22 年 3 月 31 日 )<br />

平 成 20 年 度 採 択<br />

縦 型 ボディーチャネルMOSFETと<br />

その 集 積 プロセスの 開 発<br />

佐 々 木 孝 友<br />

遠 藤 哲 郎<br />

大 阪 大 学 光 科 学 センター 特 任 教 授 東 北 大 学 学 際 科 学 国 際 高 等 研 究 センター<br />

教 授<br />

領 域 アドバイザー<br />

石 原 宏 東 京 工 業 大 学 名 誉 教 授<br />

大 泊 巌 早 稲 田 大 学 名 誉 教 授<br />

大 野 英 男 東 北 大 学 電 気 通 信 研 究 所 教 授<br />

財 満 鎭 明 名 古 屋 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

高 木 信 一 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

福 間 雅 夫 一 般 社 団 法 人 半 導 体 産 業 研 究 所<br />

代 表 理 事 所 長<br />

百 瀬 寿 代 ( 株 ) 東 芝 研 究 開 発 センター 主 務<br />

和 田 敏 美 技 術 研 究 組 合 次 世 代 パワーエレクトロニクス<br />

研 究 開 発 機 構 専 務 理 事<br />

次 世 代 の 極 微 小 欠 陥 検 査 用 光 源 の<br />

ために、 波 長 170nm 台 の 真 空 紫 外<br />

光 発 生 用 光 学 結 晶 の 開 発 を 行 います。<br />

また、 紫 外 レーザー 損 傷 メカニズムの<br />

解 明 を 通 して 光 源 の 短 波 長 ・ 長 寿 命<br />

化 技 術 の 開 発 を 行 います。<br />

本 研 究 では、デバイスのボディー 領 域<br />

全 体 を 電 流 駆 動 領 域 とする 新 概 念 の<br />

縦 型 構 造 トランジスタのデバイス 技 術<br />

に 加 えて、その 回 路 設 計 ・ 材 料 ・プロセ<br />

ス 技 術 までを 一 貫 して 開 発 します。こ<br />

れにより、 平 面 型 MOSFET と 比 較 して、 駆 動 電 流 特<br />

性 、リーク 電 流 特 性 、 集 積 密 度 を 大 幅 に 向 上 させた 半<br />

導 体 LSIの 新 しいユニバーサル 技 術 プラットフォームを<br />

提 供 することを 目 指 します。<br />

ハーフメタル 強 磁 性 体 を 用 いたスピン<br />

機 能 MOSFETの 開 発<br />

コヒーレントEUV 光 を 用 いた<br />

極 微 パタン 構 造 計 測 技 術 の 開 発<br />

菅 原<br />

聡<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科<br />

准 教 授<br />

木 下 博 雄<br />

兵 庫 県 立 大 学 高 度 産 業 科 学 技 術 研 究 所<br />

教 授<br />

キャリア のスピン に 基 づく 機 能 を<br />

MOSFETに 導 入 し、スピン 自 由 度 を<br />

用 いた 新 しいシリコン 集 積 回 路 を 創 出<br />

しま す 。ハ ーフメタ ル 強 磁 性 体<br />

(HMF)によるメタル・ソース/ドレイン<br />

構 造 を 用 いた 高 機 能 MOSFET(スピンMOSFET)、お<br />

よびハーフメタル 強 磁 性 体 電 極 を 用 いた 強 磁 性 トンネ<br />

ル 接 合 とMOSFETとの 機 能 融 合 デバイス( 擬 似 スピン<br />

MOSFET)を 開 発 して、これらの 機 能 デバイスによる 新<br />

概 念 のアーキテクチャに 基 づく 新 機 能 集 積 回 路 を 創 出<br />

します。<br />

X 線 回 折 顕 微 法 をEUV 領 域 に 展 開 し、<br />

より 高 精 度 な 露 光 パタンの 寸 法 計 測<br />

ならびに 欠 陥 観 察 が 可 能 な 計 測 技 術<br />

の 確 立 を 図 ります。スタンドアロン 型<br />

の 極 短 パルスレーザの 高 次 高 調 波<br />

レーザからのコヒーレントEUV 光 源 とEUVスキャトロメト<br />

リー 顕 微 鏡 との 融 合 により、サブナノ 精 度 のパタン 寸 法<br />

計 測 及 び 露 光 用 マスク 欠 陥 観 察 技 術 を 構 築 します。<br />

48

Ge High-k CMOSに 向 けた<br />

固 相 界 面 の 理 解 と 制 御 技 術 の 開 発<br />

鳥 海<br />

明<br />

計 算 科 学 によるグラファイト 系 材 料 の<br />

基 礎 物 性 解 明 とそのデバイス 応 用 に<br />

おける 設 計 指 針 の 開 発<br />

岡 田<br />

晋<br />

原 子 論 から 始 まる 統 合 シミュレータの<br />

開 発<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授 筑 波 大 学 数 理 物 質 系 准 教 授 大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 准 教 授<br />

森<br />

伸 也<br />

次 世 代 微 細 化 CMOSの 駆 動 電 流<br />

向 上 と 低 電 圧 動 作 を 可 能 にする、 電<br />

子 、 正 孔 ともに 移 動 度 の 高 い 半 導 体<br />

材 料 であるGeをベースにしたデバイ<br />

ス 構 造 が 期 待 されています。しかしな<br />

がら、Ge 系 材 料 に 対 するゲート 絶 縁 膜 及 び 電 極 界 面 は<br />

熱 的 、 電 気 的 安 定 性 が 悪 く、その 原 因 究 明 と 対 策 が 求<br />

められています 。 本 研 究 課 題 では G e H i g h -k<br />

CMOS 形 成 に 向 けて、ゲート 絶 縁 膜 及 び 電 極 界 面 の<br />

物 性 の 精 緻 な 解 析 と 革 新 的 な 界 面 制 御 技 術 の 開 発 を<br />

行 います。<br />

近 年 、グラファイト 系 材 料 を 用 いるデ<br />

バイス 応 用 開 拓 が 盛 んですが、 材 料<br />

基 礎 物 性 やその 制 御 法 に 関 して 多 く<br />

の 未 解 明 な 部 分 があります。 本 研 究<br />

課 題 ではグラファイトやグラフェン、な<br />

らびにグラフェン 誘 導 構 造 を 有 するナノスケール 炭 素 物<br />

質 群 に 対 して、 量 子 力 学 に 立 脚 した 計 算 科 学 的 手 法 に<br />

よる 基 礎 物 性 解 明 を 行 い、グラファイト 系 デバイスの 設<br />

計 指 針 の 提 示 を 行 います。<br />

膨 大 な 計 算 時 間 を 要 する 原 子 論 的<br />

電 子 輸 送 シミュレーションを 新 しい 計<br />

算 アルゴリズム(R 行 列 理 論 )の 導 入<br />

により 短 時 間 処 理 を 可 能 とし、 電 子 輸<br />

送 シミュレーション、フォノン 輸 送 シミュ<br />

レーション、 回 路 シミュレーションを 統 合 したシミュレータ<br />

を 開 発 します。<br />

数 値 シミュレーションによる<br />

新 材 料 ・ 新 機 能 の 開 発<br />

前 川 禎 通<br />

( 独 ) 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 先 端 基 礎 研<br />

究 センター センター 長<br />

高 密 度 多 層 配 線 ・ 三 次 元 積 層 構 造 に<br />

おける 局 所 的 機 械 強 度 の 計 測 手 法 の<br />

開 発<br />

神 谷 庄 司<br />

革 新 的 プロセスによる 金 属 / 機 能 性<br />

酸 化 物 複 合 デバイスの 開 発<br />

湯 浅 新 治<br />

名 古 屋 工 業 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 ナノスピントロニクス<br />

研 究 センター 研 究 センター 長<br />

次 世 代 集 積 化 デバイスには 電 流 のみ<br />

ならずスピン 流 も 活 用 することが 期 待<br />

されています。 本 研 究 課 題 では、スピ<br />

ン 流 の 効 果 も 加 味 した 一 般 化 方 程 式<br />

による 数 値 シミュレーション 技 術 を 構<br />

築 し、 電 流 とスピン 流 の 熱 的 性 質 及 び 相 互 変 換 プロセ<br />

スを 明 らかにし、 新 しいスピン 流 応 用 デバイスに 適 した 新<br />

材 料 ・ 新 機 能 の 開 発 に 向 けた 探 索 ・ 提 案 を 行 います。<br />

半 導 体 集 積 デバイスは 多 層 配 線 ・ 三<br />

次 元 積 層 による 高 集 積 化 が 進 んでい<br />

ますが、それらの 構 造 に 依 存 した 機 械<br />

的 特 性 の 情 報 が 不 足 しており、 信 頼<br />

性 確 保 が 課 題 となっています。 本 研<br />

究 課 題 では、 新 たに 高 密 度 多 層 配 線 や 三 次 元 積 層 LS<br />

Iの 局 所 的 機 械 強 度 の 計 測 手 法 を 開 発 し、 長 期 信 頼 性<br />

の 設 計 指 針 を 提 示 します。<br />

金 属 磁 性 材 料 と 機 能 性 金 属 酸 化 物<br />

材 料 の 複 合 構 造 による 新 しい 不 揮 発<br />

性 スイッチング 機 能 の 創 出 を 目 指 し、<br />

材 料 選 択 、 製 膜 条 件 最 適 化 などを 通<br />

して 革 新 的 プロセスを 開 発 し、そのデ<br />

バイス 実 証 を 行 います。<br />

超 高 速 ナノインプリントリソグラフィ<br />

技 術 のプロセス 科 学 と 制 御 技 術 の 開 発<br />

松 井 真 二<br />

次 世 代 微 細 加 工 技 術 であるナノイン<br />

プリント 技 術 を 集 積 回 路 に 応 用 するた<br />

めには、 高 スループット、モールド 離 型 、<br />

線 幅 制 御 などの 解 決 すべき 課 題 があ<br />

ります。これらの 課 題 を 解 決 するため<br />

に、ナノインプリントにおけるプロセスの 科 学 的 解 明 、 新<br />

プロセス・ 新 材 料 探 索 を 行 い、 実 用 性 の 高 いナノインプ<br />

リントリソグラフィに 向 けて 材 料 ・プロセス 技 術 の 開 発 を<br />

行 います。<br />

兵 庫 県 立 大 学 高 度 産 業 科 学 技 術 研 究 所<br />

教 授<br />

電 荷 レス・スピン 流 の 三 次 元 注 入 技 術 を<br />

用 いた 超 高 速 スピンデバイスの 開 発<br />

木 村<br />

崇<br />

九 州 大 学 稲 盛 フロンティア 研 究 センター<br />

教 授<br />

電 荷 レス・スピン 流 の 三 次 元 注 入 技<br />

術 、スピン 方 向 高 速 変 調 技 術 、および<br />

ホイスラー 合 金 によるスピン 流 の 超 効<br />

率 生 成 技 術 を 開 発 し、 優 れた 熱 擾 乱<br />

耐 性 を 有 する 超 高 速 ・ 極 低 消 費 電 力<br />

駆 動 スピンデバイスを 試 作 実 証 します。<br />

次 世 代 デバイス ナノテクノロジー・ 材 料<br />

平 成 21 年 度 採 択<br />

ナノデバイスのピコ 秒 物 理 の 解 析 に<br />

よる 揺 らぎ 最 小 化 設 計 指 針 の 開 発<br />

3 端 子 型 原 子 移 動 不 揮 発 性 デバイス<br />

「アトムトランジスター」の 開 発<br />

大 毛 利 健 治<br />

長 谷 川 剛<br />

筑 波 大 学 数 理 物 質 系 准 教 授 ( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 国 際 ナノアーキテクト<br />

ニクス 研 究 拠 点 主 任 研 究 者<br />

将 来 の 超 高 速 ナノスケールデバイス<br />

においては、 時 間 的 ・ 空 間 的 な 統 計 数<br />

の 欠 如 によりデバイス 特 性 の 記 述 が<br />

困 難 となります。 本 研 究 課 題 では、ナ<br />

ノデバイスのキャリア 伝 導 を 計 測 ・ 解<br />

析 し、 非 定 常 ・ 非 平 衡 状 態 のナノ 伝 導 電 子 科 学 を 深 耕<br />

し、 時 間 的 ・ 空 間 的 な 揺 らぎが 抑 制 されたナノデバイス<br />

の 設 計 指 針 を 開 発 します。<br />

ゲート 電 極 から 金 属 原 子 (イオン)を 供<br />

給 し、ソース/ドレイン 電 極 をショートさ<br />

せることで、 高 いON/OFF 比 を 実 現<br />

する3 端 子 型 不 揮 発 性 デバイスである<br />

「アトムトランジスター」を 開 発 します。<br />

さらにアトムトランジスターを 用 いた 新 しい 機 能 デバイス<br />

の 開 拓 も 行 います。<br />

49

ナノ 界 面 技 術 の<br />

基 盤 構 築<br />

平 成 18 年 度 採 択 ( 研 究 終 了 )<br />

有 機 シリカハイブリッド 材 料 のナノ 構<br />

造 制 御 と 機 能 創 出<br />

異 種 物 質 との 接 合 を 利 用 した 金 クラス<br />

ター 触 媒 の 機 能 設 計<br />

戦 略 目 標<br />

異 種 材 料 ・ 異 種 物 質 状 態 間 の 高 機 能<br />

接 合 界 面 を 実 現 する 革 新 的 ナノ 界 面 技<br />

術 の 創 出 とその 応 用<br />

本 研 究 領 域 は、 異 種 材 料 ・ 異 種 物 質 状 態 間 の<br />

界 面 をナノスケールの 視 点 で 扱 う 研 究 分 野 が 集<br />

結 することによりナノ 界 面 機 能 に 関 する 横 断 的 な<br />

知 識 を 獲 得 するとともに、これを 基 盤 としたナノレ<br />

ベルでの 理 論 解 析 や 構 造 制 御 により 飛 躍 的 な 高<br />

機 能 を 有 する 革 新 的 材 料 、デバイス、 技 術 の 創 出<br />

を 目 指 すものです。<br />

研 究 総 括<br />

新 海 征 治<br />

崇 城 大 学 工 学 部 ナノサイエンス 学 科<br />

教 授 / 九 州 大 学 名 誉 教 授<br />

具 体 的 な 研 究 対 象 としては、エレクトロニクス、<br />

エネルギー 変 換 用 デバイスにおける 有 機 材 料 と 金<br />

属 ・ 半 導 体 などとの 界 面 、 環 境 浄 化 触 媒 や 機 能 制<br />

御 膜 などにおける 表 面 ・ 界 面 、ナノバイオ 医 療 用 の<br />

生 体 材 料 と 人 工 物 との 界 面 などが 対 象 となります。<br />

さらには、 物 質 ・ 材 料 の 生 成 プロセスを 利 用 した、ま<br />

たは、ソフト 構 造 体 を 鋳 型 とした 無 機 系 物 質 のナノ<br />

構 造 体 の 創 製 なども 機 能 界 面 の 利 用 という 視 点<br />

で 研 究 対 象 に 含 まれます。また、ナノスケール 材 料<br />

の 生 体 安 全 性 に 関 する 知 見 の 蓄 積 、 例 えば、ナノ<br />

粒 子 の 細 胞 膜 上 での 挙 動 なども 主 要 な 研 究 の 方<br />

向 性 の 一 つです。<br />

稲 垣 伸 二<br />

尾 嶋 正 治<br />

( 株 ) 豊 田 中 央 研 究 所 稲 垣 特 別 研 究 室<br />

室 長 /シニアフェロー<br />

本 研 究 は、 研 究 代 表 者 が 世 界 に 先 駆 けて 合 成 に 成 功<br />

した 有 機 — 無 機 ハイブリッド 材 料 であるメソポーラス 有<br />

機 シリカ(PMO)を 活 用 し、これまで 均 一 溶 液 系 を 中 心<br />

に 発 展 してきた 有 機 化 学 をより 実 用 的 な 固 体 系 に 大 き<br />

く 発 展 させるために、 固 体 ならでは 有 機 機 能 の 発 現 を 狙<br />

いとしました。その 結 果 、 光 捕 集 アンテナ、 正 孔 輸 送 、 発<br />

光 、 吸 着 、 触 媒 機 能 を 骨 格 にもつ 多 様 なPMOの 合 成<br />

に 成 功 しました。 更 に、PMOの 骨 格 機 能 とナノ 細 孔 に<br />

導 入 した 異 なる 機 能 との 連 動 により、 光 合 成 に 類 似 した<br />

光 捕 集 機 能 をもつ 分 子 光 触 媒 系 の 構 築 と、 有 機 薄 膜<br />

太 陽 電 池 において 制 御 されたナノ 接 合 界 面 の 形 成 に<br />

成 功 しました。<br />

超 高 輝 度 放 射 光 機 能 界 面 解 析 ・ 制 御<br />

ステーション<br />

新 しいナノ 領 域 界 面 構 造 を 利 用 したナノデバイスの 開<br />

発 を 可 能 に するため 、 本 C R E S Tを 中 核 にして<br />

SPring-8の 東 大 アウトステーション 超 高 輝 度 放 射 光<br />

ビームラインを 建 設 し、 世 界 最 高 の 分 解 能 で 機 能 界 面<br />

を 解 析 して 界 面 制 御 ・ 設 計 を 行 うステーションを 実 現 しま<br />

した。 特 筆 すべき 成 果 は、1)70nm 空 間 分 解 能 三 次 元<br />

分 布 解 析 法 の 確 立 とLSI、グラフェンFET、ReRAMな<br />

どのピンポイント 解 析 、2)50meVエネルギー 分 解 能 軟<br />

X 線 発 光 分 光 法 の 確 立 と 燃 料 電 池 、Liイオン 電 池 など<br />

の 動 作 中 解 析 、の 二 つで、 多 くの 物 質 ・ 材 料 研 究 者 と 共<br />

同 研 究 を 進 めています。<br />

酸 化 物 ・ 有 機 分 子 の 界 面 科 学 とデバ<br />

イス 学 理 の 構 築<br />

春 田 正 毅<br />

平 成 19 年 度 採 択<br />

有 賀 哲 也<br />

首 都 大 学 東 京 大 学 院 都 市 環 境 科 学 研 究 科<br />

特 任 教 授<br />

金 は 化 学 的 に 不 活 性 な 金 属 であるが、 直 径 2nm 以 下 、<br />

原 子 数 300 個 以 内 のクラスターになると、その 化 学 的<br />

性 質 が 劇 的 に 変 化 します。このような 金 クラスターを<br />

種 々の 卑 金 属 酸 化 物 、 炭 素 ( 豊 富 なナノ 構 造 を 有 する)、<br />

高 分 子 (ソフトマテリアル)と 接 合 することにより、その 物<br />

性 をさらに 広 範 に 飛 躍 的 に 変 化 させ、 環 境 に 優 しい 化<br />

学 プロセスを 生 み 出 す 新 規 触 媒 の 探 求 を 行 いました。そ<br />

の 結 果 、プロピレンの 酸 素 酸 化 による 気 相 エポキシ 化 、<br />

シンナムアルデヒドの 水 素 化 によるシンナムアルコール<br />

の 液 相 選 択 合 成 など 高 難 度 の 反 応 を 実 験 室 で 実 現 しま<br />

した。また、 金 クラスターと 担 体 酸 化 物 との 接 合 界 面 周<br />

縁 部 が 反 応 サイトであるとの 説 を 立 証 しました。<br />

巨 大 Rashba 効 果 によるスピン 偏 極<br />

電 流<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授 京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

代 表 者 らは、 最 近 、 従 来 の 記 録 を1 桁 近 く 上 回 る 巨 大<br />

Rashba 効 果 を 見 いだしました。この 効 果 を 利 用 すると、<br />

界 面 を 動 き 回 る 電 子 について、 外 部 磁 場 や 磁 性 体 を<br />

いっさい 用 いずに、スピン 状 態 に 応 じて 運 動 を 制 御 する<br />

ことが 可 能 になります。 本 研 究 では、 重 元 素 修 飾 した 半<br />

導 体 表 面 の 巨 大 Rashba 効 果 を 利 用 することにより、<br />

特 定 のスピン 状 態 の 電 子 のみの 電 流 を 作 り 出 したり、 電<br />

子 のスピン 状 態 を 識 別 したりする 方 法 を 開 拓 します。<br />

自 己 組 織 化 に 基 づくナノインター<br />

フェースの 統 合 構 築 技 術<br />

川 崎 雅 司<br />

君 塚 信 夫<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授 九 州 大 学 大 学 院 工 学 研 究 院 教 授<br />

領 域 アドバイザー<br />

今 栄 東 洋 子 国 立 台 湾 科 技 大 学 精 誠 栄 誉 学 院<br />

行 程 技 術 研 究 所 講 座 教 授<br />

川 合 眞 紀 東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科<br />

教 授 /( 独 ) 理 化 学 研 究 所 理 事<br />

久 保 佳 実 ( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 ナノ 材 料 科 学 研 究 拠 点<br />

運 営 統 括 室 長<br />

二 瓶 好 正 東 京 理 科 大 学 特 別 顧 問<br />

原 口 和 敏 ( 財 ) 川 村 理 化 学 研 究 所 所 長<br />

原 田 明 大 阪 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

舛 本 泰 章 筑 波 大 学 大 学 院 数 理 物 質 系 教 授<br />

松 田 武 久 金 沢 工 業 大 学 ゲノム 生 物 工 学 研 究 所 教 授<br />

水 野 哲 孝 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

宮 野 健 次 郎 ( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 若 手 国 際 研 究 センター<br />

フェロー/センター 長<br />

渡 會 仁 大 阪 大 学 ナノサイエンスデザイン 教 育 研 究 センター<br />

招 聘 教 授<br />

金 属 酸 化 物 と 有 機 物 を 用 いた 様 々な 二 次 元 界 面 構 造<br />

を 形 成 し、ナノ 界 面 の 機 能 化 を 雛 形 デバイスにより 実 証<br />

することを 目 的 としました。ZnO 系 ヘテロ 接 合 の 電 子 移<br />

動 度 をGaAs 系 に 比 肩 するレベルに 高 めて 分 数 量 子<br />

ホール 効 果 の 観 測 に 成 功 しました。さらに、 有 機 電 解 質<br />

との 界 面 に 形 成 される 電 気 二 重 層 を 用 いたトランジスタ<br />

を 用 いて、 超 伝 導 や 強 磁 性 を 電 界 により 誘 起 することに<br />

成 功 しました。<br />

錯 体 プロトニクスの 創 成 と 集 積 機 能<br />

ナノ 界 面 システムの 開 発<br />

北 川<br />

宏<br />

金 属 イオンや 金 属 錯 体 を 含 む 様 々な 構 築 素 子 の 自 己<br />

組 織 化 を 利 用 して、 新 しいナノ 界 面 構 造 (0 次 元 、1 次<br />

元 、2 次 元 、3 次 元 )を 自 在 に 構 築 し、それらの 界 面 の 構<br />

造 的 特 徴 を 最 大 限 に 活 かして 新 機 能 の 創 製 に 結 びつ<br />

ける「 新 しいナノ 界 面 構 造 ならびに 電 子 機 能 の 統 合 制<br />

御 技 術 」を 開 発 します。その 応 用 分 野 として、 分 子 メモリ、<br />

ナノ 誘 電 体 薄 膜 やセンサー、 医 療 ナノ 材 料 などを 含 む 革<br />

新 的 な 自 己 組 織 性 ナノマテリアルの 創 製 を 目 指 します。<br />

ナノギャップ 電 極 /ナノ 量 子 系 接 合<br />

による 新 機 能 の 創 出<br />

平 川 一 彦<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授 東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所 教 授<br />

金 属 イオンを 有 機 配 位 子 で 架 橋 した 金 属 錯 体 を 基 盤 材 料<br />

とした 新 しい 学 術 分 野 「 錯 体 プロトニクス」の 創 成 による、<br />

水 素 ガス 輸 送 、 電 子 ・プロトン 輸 送 、 物 質 変 換 などの 各 素<br />

機 能 を 薄 層 集 積 化 した 界 面 システムの 開 発 を 目 指 しました。<br />

その 結 果 、 配 位 高 分 子 を 基 盤 とした 超 プロトン 伝 導 体 、 選<br />

択 的 ガス 吸 着 を 示 すナノチューブ、 電 極 触 媒 材 料 等 の 各<br />

種 機 能 素 子 の 開 発 に 成 功 しました。また、これら 素 機 能 の<br />

集 積 化 に 向 けた 結 晶 配 向 性 配 位 高 分 子 ナノ 薄 膜 の 作 製<br />

手 法 を 確 立 し、その 構 造 を 明 らかにしました。さらには、 超 プ<br />

ロトン 伝 導 性 配 位 高 分 子 内 におけるプロトンの 動 的 構 造 を<br />

明 らかにしました。<br />

単 一 分 子 や 量 子 ドットなどナノ 量 子 系 の 状 態 を 金 属 電<br />

極 により 電 気 的 に 制 御 ・ 読 み 出 すことができれば、 演 算<br />

や 記 憶 を 司 る 情 報 処 理 デバイスに 革 新 をもたらすことが<br />

できます。 本 研 究 では、 精 密 に 構 造 制 御 したナノギャッ<br />

プ 電 極 により 単 一 分 子 、InAs 量 子 ドット、グラフェンへ<br />

の 接 合 を 作 製 し、 金 属 接 合 を 介 した1 電 子 の 注 入 と 金<br />

属 /ナノ 量 子 系 接 合 が 発 現 する 新 規 な 物 理 現 象 の 解<br />

明 とその 高 機 能 デバイスへの 展 開 について 研 究 を 行 い<br />

ます。<br />

50

自 己 組 織 化 有 限 ナノ 界 面 の 化 学<br />

表 面 力 測 定 によるナノ 界 面 技 術 の<br />

基 盤 構 築<br />

藤 田<br />

誠<br />

栗 原 和 枝<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授 東 北 大 学 原 子 分 子 材 料 科 学 高 等 研 究 機 構<br />

教 授<br />

本 研 究 では、 自 己 組 織 化 により 定 量 的 に 生 成 するナノ<br />

スケール 中 空 球 状 錯 体 の 表 面 および 内 面 を「 一 義 構 造<br />

の 有 限 ナノ 界 面 」と 捉 え、 明 瞭 な 構 造 を 持 った 巨 大 分<br />

子 上 で 有 限 系 の 表 面 化 学 と 内 面 化 学 を 展 開 します。 具<br />

体 的 には、(1) 有 限 界 面 を 分 子 設 計 に 基 づいて 精 密 構<br />

築 します。(2) 界 面 の 特 性 に 基 づく 新 機 能 や 新 反 応 を<br />

溶 液 状 態 で 発 現 させます。(3) 有 限 界 面 での 現 象 を 溶<br />

液 ・ 結 晶 化 学 手 法 で 解 析 し、 界 面 現 象 の 本 質 の 解 明 や<br />

有 用 物 質 の 創 製 を 達 成 します。<br />

研 究 代 表 者 が 開 発 したツインパス 型 表 面 力 装 置 と 共 振<br />

ずり 測 定 法 を 中 心 手 段 として、 機 能 デバイス 設 計 や 反<br />

応 場 として 重 要 な 固 - 液 界 面 の 特 性 ・ 機 能 を、 分 子 レベ<br />

ルで 解 明 ・ 制 御 する 新 規 ナノ 界 面 技 術 の 基 盤 形 成 を 目<br />

的 とします。 特 に、 界 面 の 液 体 をも 機 能 分 子 として 捉 え、<br />

装 置 開 発 など 新 規 アプローチを 創 製 し、(1) 金 属 も 含 む<br />

機 能 界 面 の 特 性 評 価 、(2) 束 縛 液 体 の 特 性 、 光 反 応<br />

機 能 の 解 明 、(3) 界 面 の 高 次 階 層 機 能 構 造 制 御 など<br />

の 研 究 を 行 います。<br />

分 子 運 動 操 作 を 基 盤 とした 多 次 元 的<br />

バイオ 界 面<br />

DDS 粒 子 のナノ 界 面 と<br />

鳥 インフルエンザワクチン 等 への 応 用<br />

由 井 伸 彦<br />

東 京 医 科 歯 科 大 学 生 体 材 料 工 学 研 究 所<br />

教 授<br />

櫻 井 和 朗<br />

北 九 州 市 立 大 学 国 際 環 境 工 学 部<br />

教 授<br />

生 体 内 埋 込 型 医 療 デバイスと 生 体 との 理 想 的 な 界 面<br />

の 創 製 を 目 指 して、 材 料 を 構 成 する 分 子 の 運 動 をナノ<br />

メーターレベルの 分 子 間 力 をもとにして 操 作 し、それを 基<br />

盤 とした 多 次 元 的 バイオ 界 面 構 築 によって 生 体 の 階 層<br />

的 応 答 を 支 配 します。これにより 最 終 的 には、 材 料 - 細<br />

胞 界 面 における 機 能 を 永 続 的 に 発 現 して 生 体 と 共 存 可<br />

能 なバイオ 界 面 を 創 製 します。<br />

薬 物 運 搬 システム(DDS)に 使 われるナノ 粒 子 の 機 能<br />

は、 親 水 層 と 疎 水 層 のナノ 界 面 を 通 した 未 知 の 相 互 作<br />

用 に 支 配 されています。 次 世 代 のDDSナノ 粒 子 に 関 し<br />

て、 粒 子 の 内 部 構 造 、 粒 子 内 の 疎 水 / 親 水 界 面 におけ<br />

る 薬 物 の 挙 動 と 形 態 、 生 体 膜 との 融 合 挙 動 を、 放 射 光<br />

を 用 いて 精 密 に 解 明 します。この 結 果 を 利 用 して、パン<br />

デミックフルーのワクチンを 提 案 するとともに、 遺 伝 子 デ<br />

リバリーやタンパク 質 製 剤 の 分 野 に 新 しいDDS 技 術 を<br />

提 供 します。<br />

平 成 20 年 度 採 択<br />

界 面 ナノ 細 孔 での 液 体 の 巨 視 的 物 性<br />

の 解 明<br />

一 ノ 瀬 泉<br />

( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 高 分 子 材 料 ユニット<br />

ユ ニット 長<br />

ナノ 細 孔 は、 内 部 の 液 体 に 特 異 な 熱 力 学 的 状 態 を 与 え<br />

ます。 細 孔 内 での 液 体 の 沸 点 や 凝 固 点 は、 温 度 や 圧 力<br />

などを 変 数 として 取 り 扱 うことができます。しかし、 密 度 や<br />

粘 度 、 拡 散 係 数 などの 巨 視 的 物 性 の 取 り 扱 いは、 学 理<br />

としての 体 系 化 が 遅 れています。 本 研 究 では、 分 子 シミュ<br />

レーションや 最 新 の 構 造 解 析 技 術 を 駆 使 することで、 界<br />

面 ナノ 細 孔 での 液 体 の 流 体 力 学 的 特 性 を 解 明 し、 革 新<br />

的 な 膜 分 離 技 術 を 開 発 することを 目 指 します。<br />

量 子 界 面 制 御 による<br />

量 子 ナノデバイスの 実 現<br />

松 本 和 彦<br />

大 阪 大 学 産 業 科 学 研 究 所<br />

本 研 究 では、 量 子 細 線 を 利 用 し、ナノ 構 造 の 真 の 特 長<br />

を 活 かした 基 礎 デバイスとして、カーボンナノチューブ/<br />

金 属 電 極 の 量 子 界 面 を 制 御 し、 電 子 の 粒 子 性 と 波 動 性<br />

を 自 在 に 制 御 する 量 子 ナノデバイスを 実 現 します。また<br />

実 用 化 デバイスとして、 量 子 細 線 の 周 辺 に 同 心 円 状 に<br />

2 層 絶 縁 膜 を 形 成 し、 同 心 円 構 造 による 電 界 集 中 を 利<br />

用 して、 従 来 の 平 面 構 造 メモリの~1/10の 低 電 圧 で 動<br />

作 する 量 子 細 線 ナノメモリを 実 現 します。<br />

教 授<br />

ナノ 界 面 ナノテクノロジー・ 材 料<br />

水 素 活 性 化 アクア 触 媒 界 面 による<br />

常 温 ・ 常 圧 エネルギー 変 換<br />

小 江 誠 司<br />

九 州 大 学 大 学 院 工 学 研 究 院<br />

教 授<br />

常 温 ・ 常 圧 で 水 素 をプロトンと 電 子 に 変 換 する 酵 素 であ<br />

るヒドロゲナーゼを 範 として 合 成 した「 水 素 活 性 化 アク<br />

ア 触 媒 」の 界 面 を 利 用 した、ナノレベルでの 水 素 駆 動 型<br />

常 温 ・ 常 圧 エネルギー 変 換 を 行 います。 具 体 的 には、 水<br />

素 活 性 化 アクア 触 媒 の 界 面 で 水 素 から 抽 出 した 電 子 を<br />

利 用 する(1) 常 温 ・ 常 圧 燃 料 電 池 の 開 発 、(2) 水 素 から<br />

光 へのエネルギー 変 換 の 開 発 、(3) 環 境 調 和 型 の 水<br />

中 ・ 常 温 ・ 常 圧 での 化 学 反 応 の 開 発 を 目 指 します。<br />

51

ナノ 科 学 を 基 盤 とした<br />

革 新 的 製 造 技 術 の 創 成<br />

平 成 18 年 度 採 択 ( 研 究 終 了 )<br />

遺 伝 子 治 療 実 用 化 のための<br />

超 分 子 ナノデバイス 製 造 技 術 の 創 成<br />

液 晶 性 有 機 半 導 体 材 料 の 開 発<br />

戦 略 目 標<br />

ナノデバイスやナノ 材 料 の 高 効 率 製 造<br />

及 びナノスケール 科 学 による 製 造 技 術<br />

の 革 新 に 関 する 基 盤 の 構 築<br />

本 研 究 領 域 では、ナノデバイスやナノ 材 料 を 高<br />

効 率 に 製 造 する 技 術 群 の 基 盤 構 築 、およびこれら<br />

の 応 用 による 具 体 的 応 用 実 施 例 の 提 示 、ならび<br />

に 製 造 プロセスに 係 る 現 象 のナノスケール 科 学 に<br />

よる 革 新 を 目 指 した 研 究 を 推 進 し、これらを「ナノ 製<br />

造 技 術 」の 基 盤 として 構 築 することを 通 して 将 来<br />

のナノテクノロジーの 本 格 的 実 用 化 を 目 指 すもの<br />

です。<br />

研 究 総 括<br />

堀 池 靖 浩<br />

筑 波 大 学 客 員 教 授 /<br />

( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構<br />

名 誉 フェロー<br />

具 体 的 には、 様 々なナノ 材 料 やそれらの 複 合 体<br />

により 格 段 に 優 れた 機 能 を 発 現 する 実 用 化 可 能<br />

な 新 材 料 や、これらの 材 料 およびナノ 構 造 に 由 来<br />

して 発 揮 される 高 性 能 デバイスの 創 製 、 及 びその<br />

高 効 率 生 産 技 術 、ナノレベルでの 加 工 技 術 、ナノ<br />

自 己 組 織 化 を 活 用 した 製 造 技 術 、 製 造 に 使 用 でき<br />

るナノ 計 測 ・ 検 査 技 術 等 を 対 象 とします。 更 に 製<br />

造 技 術 を 革 新 的 に 変 えるナノ 科 学 の 研 究 も 対 象 と<br />

しますが、 研 究 終 了 時 点 で 実 用 化 に 関 しそのシナ<br />

リオが 確 実 に 描 けていることが 期 待 されます。<br />

片 岡 一 則<br />

再 生 医 療 に 向 けたバイオ/ナノハイブ<br />

リッドプラットホーム 技 術 の 構 築<br />

小 寺 秀 俊<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 ・ 医 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

安 全 でかつ 効 果 的 な 遺 伝 子 治 療 の 実 現 を 目 指 して、 精<br />

密 高 分 子 合 成 技 術 を 基 盤 とする 超 分 子 自 己 組 織 化 プ<br />

ロセスに 基 づき、 複 数 のインテリジェント 機 能 を 数 十 nm<br />

スケールの 中 に 創 り 込 んだ 超 分 子 ナノデバイスの 創 製<br />

に 成 功 しました。 癌 、 循 環 器 疾 患 、 運 動 器 疾 患 という 三<br />

大 疾 患 の 克 服 を 目 指 し、 実 際 の 医 療 応 用 に 適 する 形 で<br />

の 機 能 ・ 安 全 性 評 価 と 高 効 率 製 造 技 術 を 確 立 すること<br />

によって、「 具 体 的 に 医 療 現 場 で 使 えるもの」としての 応<br />

用 基 盤 の 構 築 を 達 成 しました。<br />

本 プロジェクトでは、MEMS/NEMS 技 術 に 基 づいた 新<br />

しい 再 生 医 科 学 の 手 法 の 開 発 を 行 った。その 結 果 、 細<br />

胞 刺 激 に 対 する1 細 胞 内 での、あるいは 隣 接 細 胞 への<br />

応 答 伝 播 の 計 測 を 行 い、 細 胞 を 配 列 ・カプセル 化 する<br />

技 術 を 開 発 し、カプセル 化 した 膵 β 細 胞 をマウスに 移 植<br />

して 血 糖 制 御 機 能 を 持 つことを 実 証 するとともに、 再 生<br />

医 療 にかかわる 細 胞 自 身 の 作 製 法 として、マイクロチッ<br />

プを 用 いた 大 量 並 列 高 収 率 の 電 気 的 細 胞 内 物 質 導 入<br />

法 および 電 気 融 合 法 の 開 発 に 成 功 した。<br />

ソリューションプラズマ 反 応 場 の 自 律<br />

制 御 化 とナノ 合 成 ・ 加 工 への 応 用<br />

半 那 純 一<br />

マイクロ 空 間 場 による<br />

ナノ 粒 子 の 超 精 密 合 成<br />

前 田 英 明<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 生 産 計 測 技 術 研 究 センタ-<br />

マイクロ 空 間 化 学 ソリューションチーム チーム 長<br />

ナノ 粒 子 用 コンビナトリアル 合 成 技 術 の 開 発 、マイクロ<br />

空 間 場 を 用 いたin-situ 測 定 システムの 構 築 、そして 両<br />

者 のデータを 補 完 ・ 補 佐 するための 計 算 機 シミュレーショ<br />

ン 技 術 の 開 発 という3 課 題 を 主 軸 にして 研 究 を 実 施 し、<br />

合 成 系 や 最 適 合 成 条 件 の 探 索 を 極 めて 迅 速 に 実 施 で<br />

きる 手 法 を 確 立 した。また 合 成 条 件 と 物 性 ・ 特 性 間 の 相<br />

関 をニューラルネットワーク 理 論 で 解 析 することによって、<br />

両 者 の 相 関 を 数 式 化 することが 可 能 となった。<br />

平 成 19 年 度 採 択<br />

東 京 工 業 大 学 像 情 報 工 学 研 究 所 教 授<br />

液 晶 物 質 を 次 世 代 の 有 機 デバイス 用 半 導 体 材 料 とし<br />

て 実 用 的 な 応 用 展 開 に 必 要 な 工 学 的 な 基 盤 の 構 築 を<br />

目 指 して 研 究 を 行 い、 高 移 動 度 を 実 現 するための 分 子<br />

設 計 指 針 の 提 案 、 伝 導 特 性 を 記 述 する 物 理 モデルの<br />

構 築 、 液 晶 性 を 活 用 した 材 料 プロセス 技 術 の 開 発 等 を<br />

行 いました。その 成 果 をもとに、 有 機 トランジスタ 用 液 晶<br />

性 有 機 半 導 体 材 料 を 設 計 し、 高 移 動 度 、 溶 液 プロセス<br />

の 適 合 性 、 熱 安 定 性 を 併 せ 持 つ 実 用 性 の 高 い 有 機 トラ<br />

ンジスタ 材 料 の 実 現 に 成 功 し、FETの 試 作 によってその<br />

有 効 性 を 実 証 しました。<br />

免 疫 制 御 能 を 有 する 高 分 子 ナノ 粒 子<br />

ワクチンの 製 造<br />

高 井<br />

治<br />

明 石<br />

名 古 屋 大 学 エコトピア 科 学 研 究 所 教 授 大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

満<br />

領 域 アドバイザー<br />

安 宅 龍 明 元 オリンパス( 株 ) 未 来 創 造 研 究 所<br />

コーディネーター<br />

江 刺 正 喜 東 北 大 学 原 子 分 子 材 料 科 学 高 等 研 究 機 構<br />

教 授<br />

榎 敏 明 東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

杉 山 雄 一 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 イノベーション 推 進 センター<br />

杉 山 特 別 研 究 室 特 別 招 聘 研 究 員<br />

中 濱 精 一 東 京 工 業 大 学 名 誉 教 授<br />

( 元 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 コーディネータ)<br />

奈 良 安 雄 富 士 通 セミコンダクター( 株 )デバイス 開 発 統 括 部 /<br />

先 端 技 術 開 発 部 部 長<br />

堀 越 佳 治 早 稲 田 大 学 理 工 学 術 院 先 進 理 工 学 部 教 授<br />

前 田 瑞 夫 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 基 幹 研 究 所 主 任 研 究 員<br />

横 山 直 樹 ( 株 ) 富 士 通 研 究 所 フェロー<br />

吉 原 一 紘 オミクロンナノテクノロジージャパン 株 式 会 社<br />

最 高 顧 問<br />

ソリューションプラズマは、 従 来 の 気 相 プラズマとは 異 なり、<br />

液 相 において 生 成 する 非 平 衡 プラズマです。このため、 気<br />

相 プラズマ 等 では 実 現 できない 新 しいナノ 材 料 合 成 ・ 加 工<br />

が 期 待 できます。 本 研 究 では、 安 定 したグロー 放 電 の 形 成 、<br />

グロー 放 電 の 特 徴 をいかしたナノ 材 料 、ナノクラスター 材 料 、<br />

セルロースの 分 解 等 のナノ 製 造 に 係 わる 研 究 を 遂 行 しまし<br />

た。また、ソリューションプラズマの 基 盤 構 築 をはかるため、<br />

励 起 状 態 計 測 手 法 、 溶 媒 中 活 性 種 の 定 性 ・ 定 量 法 を 確 立<br />

しました。ナノ 材 料 合 成 ・ 加 工 分 野 で 各 種 応 用 可 能 な 自 律<br />

制 御 “ 新 反 応 容 器 ” 開 発 をめざし、ソルーションプラズマ 装<br />

置 の 実 用 化 を 行 いました。<br />

ナノ 界 面 ・ 電 子 状 態 制 御 による 高 速<br />

動 作 有 機 トランジスタ<br />

本 研 究 では、 生 分 解 性 高 分 子 を 基 盤 とした 免 疫 応 答 制<br />

御 能 を 有 するナノ 粒 子 を 開 発 し、 高 分 子 ナノ 粒 子 ワクチ<br />

ンを 実 用 化 するための 製 造 技 術 および 製 剤 化 プロセス<br />

を 構 築 します。ナノ 粒 子 の 分 子 設 計 により、 組 織 ・ 細 胞<br />

内 での 抗 原 動 態 制 御 能 と 免 疫 賦 活 剤 として 機 能 を 付 与<br />

し、 安 全 かつ 普 遍 性 の 高 いナノ 粒 子 ワクチンを 創 製 する<br />

ことで、 感 染 症 ・がん・ 自 己 免 疫 疾 患 の 免 疫 療 法 に 対 す<br />

る 新 たな 治 療 戦 略 の 展 開 が 可 能 となります。<br />

高 機 能 分 子 「スーパー 抗 体 酵 素 」の<br />

自 動 合 成 装 置 と 大 量 合 成<br />

塚 越 一 仁<br />

( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 国 際 ナノアーキテクト<br />

ニクス 研 究 拠 点 主 任 研 究 者<br />

宇 田 泰 三<br />

大 分 大 学 工 学 部 応 用 化 学 科<br />

教 授<br />

有 機 薄 膜 トランジスタは 素 子 内 部 の 界 面 特 性 に 大 きく<br />

依 存 し、 従 来 から 安 定 性 および 信 頼 性 の 制 御 が 困 難 と<br />

されてきました。この 問 題 を 詳 細 に 調 査 し、 端 子 から 有 機<br />

半 導 体 への 注 入 抵 抗 が 主 因 であることを 見 出 し、 界 面<br />

の 分 子 乱 れに 因 る 高 密 度 トラップ 帯 が 問 題 の 要 因 であ<br />

ることをはじめて 突 き 止 めました。このトラップ 密 度 を 低 減<br />

する 為 に、 有 機 結 晶 素 子 を 研 究 し、 溶 液 から 非 常 に 簡<br />

単 な 方 法 で 高 性 能 素 子 を 作 る 技 術 を 開 発 しました。この<br />

技 術 は 次 世 代 フレキシブルエレクトロニクスのための 基<br />

盤 技 術 となります。<br />

高 機 能 性 ナノ 分 子 「スーパー 抗 体 酵 素 」は 標 的 とするタ<br />

ンパク 質 を 高 度 に 認 識 し、かつ、 酵 素 的 に 分 解 します。<br />

本 研 究 では、テーラーメード 医 療 を 視 野 に、 医 療 現 場 で<br />

患 者 に 適 ったヒト 型 「スーパー 抗 体 酵 素 」が 作 れるとい<br />

う 画 期 的 な 道 具 ( 自 動 合 成 装 置 )を 提 供 すべく、 要 素 技<br />

術 開 発 を 行 います。 並 行 して 遺 伝 子 工 学 的 にヒト 型 配<br />

列 を 持 つ「スーパー 抗 体 酵 素 」を 取 得 し、 大 量 に 発 現 後 、<br />

このナノ 分 子 の 生 体 内 機 能 を 詳 細 に 評 価 することによ<br />

り 悪 性 の 感 染 症 やガンなどに 対 する 新 型 治 療 薬 を 世 界<br />

に 先 駆 けて 開 発 します。<br />

52

第 二 世 代 カーボンナノチューブ 創 製 に<br />

よる 不 代 替 デバイス 開 発<br />

平 成 20 年 度 採 択<br />

ナノバイオチップ 技 術 を 利 用 する 高 速<br />

酵 素 分 子 進 化 システム 創 製<br />

片 浦 弘 道<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 ナノシステム 研 究<br />

部 門 上 席 研 究 員<br />

一 木 隆 範<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科<br />

准 教 授<br />

カーボンナノチューブ(CNT)には 金 属 型 と 半 導 体 型 の<br />

2 種 類 があり、それらが 混 ざって 合 成 される 事 が 実 用 化<br />

の 大 きな 妨 げになっていました。この 課 題 では 新 技 術 に<br />

より 金 属 型 と 半 導 体 型 をほぼ 完 全 に 分 離 し、さらに<br />

CNT 内 に 異 種 分 子 を 内 包 する 事 により、これまでにな<br />

い 高 機 能 の 第 二 世 代 CNTの 創 製 を 目 指 します。これを<br />

用 いて、CNT 本 来 のポテンシャルを 活 かした、 高 性 能 薄<br />

膜 トランジスタや 非 線 形 光 学 素 子 の 開 発 を 行 います。<br />

高 速 分 子 進 化 工 学 のパラダイムと 技 術 にナノバイオ<br />

チップ、1 分 子 計 測 技 術 を 融 合 することにより 生 物 のメ<br />

カニズムに 習 って 分 子 機 械 を 作 り 出 すマザー 製 造 シス<br />

テムの 創 製 を 目 指 します。 本 研 究 は 従 来 困 難 であった<br />

有 用 酵 素 の 合 目 的 進 化 を 可 能 にする 汎 用 性 の 高 い 実<br />

用 化 技 術 の 実 現 を 目 的 とし、 医 薬 品 、 洗 剤 、 食 品 加 工 、<br />

研 究 開 発 用 試 薬 、 臨 床 分 析 、さらにはバイオエネルギー、<br />

バイオ 環 境 汚 染 修 復 、バイオセンサーなど 広 範 なバイオ<br />

応 用 分 野 への 貢 献 が 期 待 されます。<br />

イオン 液 体 と 真 空 技 術 による 革 新 的<br />

ナノ 材 料 創 成 法 の 開 発<br />

桑 畑<br />

進<br />

無 機 ナノシートを 用 いた 次 世 代 エレク<br />

トロニクス 用 ナノ 材 料 / 製 造 プロセス<br />

の 開 発<br />

佐 々 木 高 義<br />

大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授 ( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 国 際 ナノアーキ<br />

テクトニクス 研 究 拠 点 フェロー<br />

蒸 気 圧 が 限 りなく0に 近 いイオン 液 体 は、 真 空 下 でも 蒸<br />

発 しません。この 特 徴 に 着 目 し、1)イオン 液 体 に 金 のス<br />

パッタリングを 行 うと 金 の 超 微 粒 子 を 調 製 できる、2)イオ<br />

ン 液 体 を 走 査 型 電 子 顕 微 鏡 で 観 察 するとイオン 液 体 は<br />

帯 電 することなく 観 察 できる、という 現 象 を 発 見 しました。<br />

これらの 発 見 を 発 展 させ、イオン 液 体 と 真 空 技 術 を 組 み<br />

合 わせた 革 新 的 なナノ 材 料 の 創 成 法 とそれらの 計 測 法<br />

(その 場 測 定 法 )の 開 発 を 目 指 します。<br />

生 物 に 見 られる 自 己 集 合 ・ 自 己 組 織 化 による 階 層 的 構<br />

造 化 とそれに 基 づく 機 能 発 現 を 模 倣 して、ボトムアップ<br />

型 生 産 技 術 としての「バイオミメティック・エンジニアリン<br />

グ」を 体 系 化 するために、 散 逸 構 造 のように 無 秩 序 から<br />

規 則 構 造 が 形 成 される「 物 理 的 プロセスとしての 自 己 組<br />

織 化 」と、 無 電 解 メッキなどの「 化 学 プロセスによる 構 造<br />

形 成 」を 組 み 合 わせ、ナノからミクロンにいたる 多 種 多 様<br />

な 表 面 を 階 層 的 に 加 工 する 技 術 を 確 立 します。<br />

プラズマナノ 科 学 創 成 によるプロセス<br />

ナビゲーション 構 築 とソフト 材 料 加 工<br />

堀<br />

勝<br />

将 来 のナノデバイス 量 産 のために、プラズマプロセスを<br />

試 行 錯 誤 的 手 法 から 科 学 に 基 づいた 手 法 への 質 的 変<br />

換 を 目 的 に、ラジカル・イオン 密 度 、エネルギーのモニタリ<br />

ング 技 術 を 有 したコンビナトリアルプラズマ 解 析 装 置 の<br />

創 成 に 成 功 しました。これによりプラズマナノ 科 学 基 盤 を<br />

構 築 するとともに、 科 学 に 基 づいたプロセスデータマップ<br />

によるプロセスナビゲーションという 指 導 原 理 を 構 築 し、<br />

有 機 ソフト 材 料 の 革 新 的 ナノ 加 工 技 術 を 確 立 しました。<br />

階 層 的 に 構 造 化 された バイオミメ<br />

ティック・ナノ 表 面 創 製 技 術 の 開 発<br />

下 村 政 嗣<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授 東 北 大 学 原 子 分 子 材 料 科 学 高 等 研 究 機 構<br />

教 授<br />

層 状 化 合 物 を 層 1 枚 にまでバラバラに 剥 離 して 得 られる<br />

無 機 ナノシートを2 次 元 機 能 ブロックとして 基 板 表 面 に<br />

精 密 累 積 して、ナノ 薄 膜 や 超 格 子 を 形 成 する 液 相 プロ<br />

セスを 開 発 します。この 新 規 ナノ 構 造 製 造 技 術 を 用 いて、<br />

従 来 のバルク 材 料 では 実 現 が 困 難 な 革 新 的 な 性 能 を<br />

有 する 誘 電 体 薄 膜 や 透 明 磁 性 薄 膜 などを 創 製 するとと<br />

もに、ガラスなど 各 種 基 材 上 に 機 能 性 結 晶 薄 膜 を 配 向<br />

成 長 させる 技 術 の 開 発 を 行 い、 電 子 ・ 情 報 通 信 技 術 の<br />

発 展 に 貢 献 することを 目 指 します。<br />

ナノ 製 造 ナノテクノロジー・ 材 料<br />

ソフトナノマテリアル<br />

3D 分 子 イメージング 法 の 開 発<br />

高 精 度 にサイズ 制 御 した<br />

単 電 子 デバイスの 開 発<br />

松 尾 二 郎<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 附 属 量 子 理 工 学<br />

研 究 実 験 センター 准 教 授<br />

真 島<br />

豊<br />

東 京 工 業 大 学 応 用 セラミックス 研 究 所<br />

教 授<br />

有 機 物 や 生 体 高 分 子 などのソフトナノマテリアルを 高 速<br />

重 イオン 励 起 により 脱 離 ・イオン 化 させる2 次 イオン 質 量<br />

分 析 法 を 開 発 し、サブミクロンオーダーの 分 子 イメージン<br />

グを 実 現 します。さらに、 有 機 物 を 破 壊 することなくエッチ<br />

ングするクラスターイオンビーム 法 と 有 機 的 に 組 み 合 わ<br />

せて、ソフトナノマテリアルの3D 分 子 イメージング 法 を 確<br />

立 し、ナノ・バイオテクノロジー 分 野 に 画 期 的 な 評 価 手 法<br />

を 提 供 することを 目 的 とします。<br />

無 電 解 メッキの 自 己 停 止 機 能 を 用 いてギャップ 長 を 高<br />

精 度 に 制 御 した5nm 以 下 のナノギャップ 電 極 を 一 度 に<br />

高 い 歩 留 まりで 作 製 するプロセスを 確 立 し、 分 子 構 造 を<br />

精 密 に 規 定 することが 可 能 な 金 属 クラスターおよび 金<br />

属 錯 体 分 子 ワイヤーを 単 電 子 島 としてナノギャップ 電 極<br />

間 に 選 択 的 に 集 積 することにより、 常 温 で 確 実 に 動 作<br />

する「 高 精 度 にサイズ 制 御 した 単 電 子 デバイス」により<br />

論 理 回 路 を 構 築 するための 製 造 技 術 を 確 立 します。<br />

53

新 機 能 創 成 に 向 けた<br />

光 ・ 光 量 子 科 学 技 術<br />

平 成 17 年 度 採 択 ( 研 究 終 了 )<br />

ナノコラム 結 晶 による 窒 化 物 半 導 体<br />

レーザの 新 展 開<br />

極 限 光 電 場 波 形 制 御 による<br />

新 光 量 子 技 術 の 創 出<br />

戦 略 目 標<br />

光 の 究 極 的 及 び 局 所 的 制 御 と<br />

その 応 用<br />

本 研 究 領 域 は、 情 報 処 理 ・ 通 信 、 材 料 、ライフサ<br />

イエンスなど、 基 礎 科 学 から 産 業 技 術 にわたる 広<br />

範 な 科 学 技 術 の 基 盤 である 光 学 および 量 子 光 学<br />

に 関 して、 光 の 発 生 、 検 知 、 制 御 および 利 用 に 関<br />

する 革 新 的 な 技 術 の 創 出 を 目 指 す 研 究 を 対 象 と<br />

するものです。<br />

研 究 総 括<br />

伊 澤 達 夫<br />

元 東 京 工 業 大 学<br />

具 体 的 には、 情 報 処 理 ・ 通 信 技 術 や 計 測 技 術 な<br />

どの 飛 躍 を 目 的 とした 量 子 ドット、フォトニック 結 晶 、<br />

非 線 形 光 学 の 応 用 などによる 新 しい 光 機 能 素 子 な<br />

どの 原 理 や 技 術 、 分 子 ・ 原 子 や 化 学 反 応 の 制 御 、<br />

生 体 観 察 ・ 計 測 、 産 業 ・ 医 療 などへの 利 用 を 目 的 と<br />

した 未 開 拓 の 波 長 域 発 生 などの 新 しい 光 源 ・ 検 出<br />

手 法 の 開 発 ・ 高 度 化 と 利 用 技 術 、 近 接 場 光 などを<br />

利 用 した 光 と 物 質 の 局 所 的 相 互 作 用 の 解 明 と 超<br />

微 細 加 工 や 超 大 容 量 メモリなどの 利 用 技 術 、 光 に<br />

よる 原 子 の 量 子 的 制 御 技 術 や 光 の 本 質 に 基 づく<br />

新 たな 物 質 科 学 などの 創 出 を 目 指 す 研 究 を 対 象 と<br />

します。また、 以 上 の 研 究 にブレークスルーをもたら<br />

す、 新 材 料 に 関 する 研 究 も 対 象 とします。<br />

理 事 ・ 副 学 長<br />

岸 野 克 巳<br />

本 研 究 プロジェクトでは、 窒 化 物 レーザ/LED 波 長 域 の 拡 大<br />

を 阻 む 課 題 を 克 服 すべく、GaNナノコラムの 優 れた 結 晶 特<br />

性 を 活 用 して、 緑 色 半 導 体 レーザと 三 原 色 LEDの 基 盤 技<br />

術 を 開 拓 しました。ここでは、ナノコラムアレイによる 発 光 素<br />

子 を 実 現 するため、GaNナノコラムの 選 択 成 長 法 を 確 立 し<br />

た。その 結 果 、InGaN 系 ナノコラムアレイで 緑 色 域 ( 波 長<br />

520-566nm)の 光 励 起 誘 導 放 出 を 達 成 し、またナノコラ<br />

ムの 径 と 周 期 による 発 光 色 制 御 法 を 開 発 して 可 視 域 全 域<br />

の 発 光 波 長 制 御 を 実 現 しました。さらに、 自 己 形 成 された 単<br />

一 および 集 団 ナノコラムでナノ 結 晶 物 性 を 検 討 し、また 自 己<br />

形 成 ナノコラム 媒 質 内 の 不 規 則 ランダム 性 によって 発 現 さ<br />

れる 光 局 在 とランダムレージング 現 象 を 確 認 しました。<br />

超 伝 導 フォトニクスの 創 成 とその 応 用<br />

末 宗 幾 夫<br />

本 研 究 では、 電 子 クーパー 対 のLED 内 部 への 注 入 を<br />

DC、ACジョセフソン 効 果 として 観 測 すると 共 に、 電 子<br />

クーパー 対 による 発 光 強 度 の 大 幅 増 強 ならびに 発 光 寿<br />

命 の 短 縮 を 観 測 しました。 電 子 クーパー 対 と 正 孔 対 の<br />

発 光 再 結 合 に 関 する 理 論 を 確 立 し、この 新 現 象 が 電 子<br />

クーパー 対 の 発 光 再 結 合 によりもつれあい 光 子 対 を 発<br />

生 する 過 程 であることを 実 証 しました。これは 超 伝 導 と<br />

フォトニクスの 境 界 領 域 をつなぐ 成 果 であり、 量 子 情 報<br />

処 理 の 基 幹 デバイスとしてさらなる 応 用 展 開 が 期 待 され<br />

ます。<br />

フォトニック 結 晶 を 用 いた 究 極 的 な<br />

光 の 発 生 技 術 の 開 発<br />

山 下 幹 雄<br />

上 智 大 学 理 工 学 部 教 授 北 海 道 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科<br />

特 任 教 授 / 名 誉 教 授<br />

Ⅰ. 以 下 の 世 界 初 の 超 オクターブ 光 技 術 の 開 発 に 成 功 した。1. 多 段<br />

-CARS 光 の 光 波 合 成 による330-720 nm 光 の 発 生 。2. 誘 起 位 相 変 調<br />

による 世 界 最 高 出 力 2オクターブ 光 (~860μJ:270-1000nm)の 発 生 。3.<br />

角 度 分 散 NOPAによる 世 界 最 広 帯 域 (500-1350nm) 光 増 幅 。4. 新 液<br />

晶 を 用 いた 世 界 最 広 帯 域 (300-1600nm)・ 光 電 場 変 調 器 の 開 発 。5. 非<br />

同 軸 変 形 2 次 元 スペクトル 干 渉 による 世 界 最 広 帯 域 (330-1360nm)・<br />

光 電 場 スペクトル 位 相 計 測 。6.フィードバックチャープ 補 償 による 世 界 最 短<br />

の 可 視 ・ 近 赤 外 単 一 モノサイクル 光 (2.6fs)の 発 生 。Ⅱ. 応 用 域 の 探 索 研 究<br />

として 以 下 のことを 可 能 にした。1.モノサイクル 光 励 起 によるアト 秒 短 パル<br />

ス 化 (~40as)の 解 明 。2.モノサイクル 光 スペクトルペアによるアト 秒 高 時<br />

間 分 解 計 測 法 の 明 示 。3. 量 子 制 御 のための 光 応 答 性 DNAの 超 高 速 光<br />

異 性 化 反 応 の 解 明 。4.DNAハイブリダイゼーションの 高 効 率 光 スイッチン<br />

グ 技 術 の 開 発 ( 名 大 G)。5. 遺 伝 子 発 現 の 光 制 御 の 実 現 ( 名 大 G)。<br />

平 成 18 年 度 採 択 ( 研 究 終 了 )<br />

高 エネルギー 密 度 プラズマフォトニクス<br />

兒 玉 了 祐<br />

北 海 道 大 学 電 子 科 学 研 究 所 教 授 大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

高 エネルギー 密 度 プラズマフォトニクスという 新 しい 概 念<br />

のもとで、 従 来 取 り 扱 うことが 困 難 であった 桁 違 いに 高<br />

い 強 度 の 光 や 高 エネルギー 密 度 の 粒 子 ビームを 直 接 制<br />

御 できる 新 しい 光 機 能 性 素 子 として、 新 概 念 のプラズマ<br />

フォトニックデバイスの 開 発 を 行 った。 具 体 的 には、プラ<br />

ズマミラーやプラズマ・グレーティングなどの 光 制 御 ・ 光 分<br />

散 プラズマと 機 能 性 評 価 、 超 高 強 度 レーザー 励 起 電 子<br />

ビーム 制 御 プラズマと 機 能 性 評 価 及 び 超 高 強 度 THz<br />

波 発 生 などの 電 磁 波 発 生 プラズマと 機 能 性 評 価 を 行 っ<br />

た。 開 発 した 一 部 のデバイスに 関 しては、 応 用 研 究 に 展<br />

開 することでデバイスとしての 重 要 性 を 明 らかにした。<br />

時 空 間 モルフォロジーの 制 御 による<br />

能 動 メゾ 光 学<br />

領 域 アドバイザー<br />

荒 川 泰 彦 東 京 大 学 量 子 情 報 エレクトロニクス 研 究 機 構<br />

/ 生 産 技 術 研 究 所 機 構 長 ・ 教 授<br />

伊 藤 弘 昌 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 客 員 主 幹 研 究 員<br />

植 田 憲 一 電 気 通 信 大 学 レーザー 新 世 代 研 究 センター<br />

特 任 教 授<br />

大 津 元 一 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

加 藤 義 章 光 産 業 創 成 大 学 院 大 学 学 長<br />

菊 地 眞 ( 財 ) 医 療 機 器 センター 理 事 長<br />

小 柴 正 則 北 海 道 大 学 大 学 院 情 報 科 学 研 究 科<br />

特 任 教 授<br />

小 林 哲 郎 大 阪 大 学 産 学 連 携 本 部 特 任 教 授<br />

中 沢 正 隆 東 北 大 学 電 気 通 信 研 究 所 所 長 ・ 教 授<br />

花 村 榮 一 東 京 大 学 名 誉 教 授<br />

春 名 正 光 大 阪 大 学 産 学 連 携 本 部 特 任 教 授<br />

野 田<br />

進<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 / 光 ・ 電 子 理 工<br />

学 教 育 研 究 センター 教 授 /センター 長<br />

本 研 究 では、フォトニック 結 晶 を 用 いて、 不 要 な 光 のモードを<br />

排 除 し、 真 に 必 要 なモードのみを 用 いた 究 極 的 な 光 の 発<br />

生 ・ 制 御 技 術 の 開 発 を 行 い、 超 高 効 率 発 光 デバイスや、 安<br />

定 な 縦 横 モードかつユニークなビームパターンをもつ 大 面<br />

積 レーザの 創 出 の 基 礎 を 築 くことに 成 功 しました。 併 せて、<br />

光 子 - 電 子 系 の 弱 ・ 強 結 合 に 関 する 検 討 をも 行 い、 次 世<br />

代 量 子 通 信 ・ 情 報 のための 基 盤 技 術 開 発 をも 行 いました。<br />

得 られた 成 果 は、 将 来 的 には、 極 限 的 に 高 いQ 値 をもつ 光<br />

ナノ 共 振 器 と 電 子 系 の 結 合 体 を 複 数 集 積 した 光 量 子 演<br />

算 や、 様 々な 光 エレメントを 一 括 集 積 した 光 チップの 世 界 へ<br />

とつながっていくものと 期 待 されます。<br />

ナノ 光 電 子 機 能 の 創 生 と<br />

局 所 光 シミュレーション<br />

五 神<br />

真<br />

東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

本 研 究 では、 物 質 の 形 態 に 敏 感 な 光 学 効 果 に 着 目 しそ<br />

の 動 的 制 御 による 光 操 作 法 “ 能 動 メゾ 光 学 ”を 開 拓 しま<br />

した。 非 局 所 的 光 学 応 答 や 巨 視 的 コヒーレンスに 起 因<br />

する 特 異 な 光 学 効 果 を 探 り、 光 と 物 質 の 両 面 からその<br />

効 果 を 増 強 させるとともに、 時 空 間 で 位 相 を 含 め 厳 密 に<br />

制 御 されたパルス 光 源 、それを 用 いた 極 限 的 光 学 測 定<br />

技 術 の 開 拓 を 進 めました。これらにより、 光 と 物 資 の 基<br />

礎 科 学 を 深 化 させ 新 しい 光 制 御 機 能 を 開 拓 することに<br />

成 功 しました。<br />

フォトニックナノ 構 造 アクティブ 光 機 能<br />

デバイスと 集 積 技 術<br />

堀<br />

裕 和<br />

山 梨 大 学 大 学 院 医 学 工 学 総 合 研 究 部<br />

教 授<br />

馬 場 俊 彦<br />

横 浜 国 立 大 学 大 学 院 工 学 研 究 院<br />

教 授<br />

ナノメーターサイズの 空 間 で 光 と 電 子 が 一 体 となって 機<br />

能 し、 情 報 処 理 や 通 信 にイノベーションをもたらす、 新 し<br />

いナノフォトニクスデバイスの 基 本 構 造 を 創 生 しました。ミ<br />

クロな 磁 石 と 電 子 スピンの 相 互 作 用 に 基 づいて、ナノ 空<br />

間 での 電 子 の 振 舞 いと 局 所 光 による 励 起 エネルギーの<br />

移 動 を 外 部 磁 場 で 変 化 させられる 半 導 体 量 子 構 造 を 創<br />

生 し、 素 子 間 の 配 線 を 必 要 としない、ナノ 空 間 での 新 機<br />

能 の 検 証 に 成 功 しました。 局 所 光 による 信 号 の 伝 送 機<br />

構 を 設 計 する 計 算 機 シミュレーション 法 の 開 発 と、 信 号 ・<br />

情 報 処 理 の 新 しい 可 能 性 の 探 索 を、ナノ 領 域 物 理 現 象<br />

の 基 礎 研 究 に 基 づいて 推 進 し、ナノの 世 界 に 特 有 の 新<br />

機 能 と 光 ・ 電 子 融 合 の 科 学 技 術 基 盤 を 開 拓 しました。<br />

フォトニックナノ 構 造 デバイスのアクティブ 機 能 と 大 規<br />

模 集 積 を 目 指 した 研 究 を 行 いました。 主 にフォトニック 結<br />

晶 導 波 路 と 共 振 器 を 利 用 し、 世 界 最 高 の 遅 延 量 、パル<br />

ス 蓄 積 量 、 可 変 蓄 積 量 をもつスローライトを 達 成 し、 高<br />

速 な 光 相 関 計 への 応 用 に 成 功 しました。また 強 い 光 局<br />

在 を 利 用 してアトジュール 級 の 超 低 エネルギー 光 スイッ<br />

チ、 動 的 波 長 変 換 、 巨 大 な 光 非 線 形 、オプトメカニカル<br />

効 果 などを 実 証 しました。さらにシリコンフォトニクス 技 術<br />

を 応 用 したウエハスケールの 大 規 模 集 積 を 達 成 し、その<br />

実 証 例 としてスローライト 機 能 を 集 積 したDQPSKレ<br />

シーバーの 動 作 に 成 功 しました。<br />

54

温 度 安 定 性 に 優 れた 光 通 信 用 InN<br />

半 導 体 レーザの 研 究<br />

超 伝 導 による 連 続 THz 波 の<br />

発 振 と 応 用<br />

松 岡 隆 志<br />

門 脇 和 男<br />

東 北 大 学 金 属 材 料 研 究 所 教 授 筑 波 大 学 大 学 院 ・ 数 理 物 質 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

高 度 情 報 化 社 会 の 発 展 のため、 通 信 システムの 低 価<br />

格 化 と 大 容 量 化 が 望 まれています。このような 状 況 の 中<br />

で、 温 度 安 定 性 に 優 れた 光 源 が 期 待 されています。 我 々<br />

は、 青 色 発 光 ダイオード 用 材 料 である 窒 化 物 半 導 体 の<br />

内 のInN が 赤 外 域 で 発 光 し、その 効 率 と 波 長 の 温 度 安<br />

定 性 が 優 れていることを、 見 いだしました。 本 研 究 では、<br />

InN 薄 膜 の 結 晶 成 長 法 を 主 に 研 究 しました。 従 来 の 気<br />

相 成 長 法 における 減 圧 成 長 とは 逆 に 加 圧 成 長 の 可 能<br />

な 成 長 装 置 を 開 発 し、 高 品 質 単 結 晶 薄 膜 を 得 る 見 通 し<br />

を 得 ました。 今 後 は、さらに 高 品 質 化 を 図 り、 発 光 材 料 と<br />

しての 可 能 性 を 追 求 し、 最 終 的 には 当 初 計 画 の 温 度 安<br />

定 性 に 優 れた 光 通 信 用 レーザを 実 現 します。<br />

高 温 超 伝 導 体 は、 超 伝 導 を 担 うCuO2 層 からなる 原 子<br />

レベルのジョセフソン 接 合 を 内 包 しており、それらが 多 数<br />

積 層 し 結 晶 を 形 成 している。この 結 晶 内 のジョセフソン<br />

接 合 すべてに 同 期 したジョセフソンプラズマを 励 起 する<br />

ことで、 連 続 でコヒーレント、かつ 強 力 な 単 色 レーザー<br />

THz 光 の 発 振 にごく 最 近 、 成 功 しました。この 発 振 現 象<br />

は 超 伝 導 による 初 の 固 有 ジョセフソンレーザー(SIIJ<br />

LASER)と 考 えられ、この 新 現 象 の 物 理 的 な 機 構 の 解<br />

明 とともに、 更 に 強 力 なTHz 波 を 得 るための 技 術 開 発 を<br />

行 います。また、このTHz 波 を 用 いて 物 質 の 分 光 も 行 い<br />

ます。<br />

電 子 相 関 による 光 と 電 子 の<br />

双 方 向 制 御 の 実 現<br />

光 合 成 初 期 反 応 のナノ 空 間 光 機 能 制 御<br />

宮 野 健 次 郎<br />

東 京 大 学 先 端 科 学 技 術 研 究 センター 教<br />

授<br />

橋 本 秀 樹<br />

大 阪 市 立 大 学 複 合 先 端 研 究 機 構<br />

教 授<br />

遷 移 金 属 の 酸 化 物 や 錯 体 では、 電 子 相 関 によりしばし<br />

ば 自 発 的 な 電 子 秩 序 が 発 生 する。この 秩 序 状 態 が 光 と<br />

強 く 相 互 作 用 する 結 果 以 下 のような 現 象 が 起 きる 事 を<br />

見 出 した。(1) 光 照 射 によって 異 なる 秩 序 状 態 への 遷<br />

移 が 起 き、 光 の 透 過 率 、 電 気 伝 導 度 など 物 性 に 著 しい<br />

変 化 を 生 じさせること。(2)このような 変 化 は 量 子 力 学<br />

的 電 子 遷 移 ・ 格 子 振 動 の 速 度 で 起 きること。(3) 単 一<br />

界 面 に 局 在 した 電 子 状 態 でも 巨 視 的 な 光 学 的 性 質 や<br />

電 気 伝 導 の 変 化 として 取 り 出 せるほど 強 度 が 大 きいこと。<br />

これらは、 原 子 層 レベルで 構 造 制 御 された 薄 膜 やヘテロ<br />

接 合 試 料 を 作 製 する 技 術 を 確 立 したことにより 可 能 に<br />

なったものである。<br />

構 造 を 改 変 した 光 合 成 色 素 蛋 白 超 分 子 複 合 体 を、ナノ<br />

空 間 において 自 在 に 配 列 させた、 人 工 光 合 成 膜 試 料 を<br />

作 成 し、 超 高 速 時 間 分 解 コヒーレント 分 光 および 時 間<br />

分 解 顕 微 分 光 を 用 いた 励 起 エネルギー 移 動 の 実 時 間<br />

計 測 と 広 い 周 波 数 領 域 でのフォノン 物 性 の 測 定 を 行 い、<br />

統 括 的 な 励 起 エネルギー 移 動 メカニズムの 解 明 及 びデ<br />

バイスとしての 利 用 指 針 を 確 定 することで、21 世 紀 を<br />

リードするバイオナノテクノロジーの 基 盤 技 術 形 成 を 促<br />

進 します。<br />

高 強 度 光 電 界 による 電 子 操 作 技 術 の<br />

開 拓<br />

渡 部 俊 太 郎<br />

キャリア―・エンべロップ 位 相 (CEP)を 制 御 したTW 級<br />

OPCPAシステムを800nmと1500nmにおいて 開 発<br />

し、 各 々の 波 長 で 最 短 パルスを 記 録 しました。このレー<br />

ザーを 用 いて、 最 短 波 長 (7nm)において 高 次 高 調 波<br />

のCEP 依 存 性 を 観 測 し、 未 踏 の 波 長 域 でのサブ100ア<br />

ト 秒 パルス 発 生 への 道 を 拓 きました。 位 相 制 御 された3<br />

つのサブハーモニックス2ω、3ω、4ω(3ω:850 nm)の<br />

光 波 合 成 を 行 い、その 波 形 を 再 構 築 することに 成 功 しま<br />

した。これらの 光 源 はアト 秒 精 度 の 光 波 制 御 と 電 子 を 原<br />

子 外 に 跳 ね 飛 ばすに 十 分 な 光 強 度 を 兼 ね 備 えており、<br />

超 高 速 電 子 ダイナミックスの 観 測 や 物 質 内 の 電 子 操 作<br />

へと 繋 がる 技 術 を 可 能 にしました。<br />

230-350nm 帯 InAlGaN 系<br />

深 紫 外 高 効 率 発 光 デバイスの 研 究<br />

平 山 秀 樹<br />

東 京 理 科 大 学 総 合 研 究 機 構 教 授 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 平 山 量 子 素 子 研 究 室<br />

主 任 研 究 員<br />

波 長 が230-350nm 帯 の 深 紫 外 高 輝 度 LED・ 深 紫 外<br />

半 導 体 レーザは、 医 療 、 殺 菌 ・ 浄 水 、 生 化 学 産 業 、 高 演<br />

色 LED 照 明 、 高 密 度 光 記 録 、 公 害 物 質 の 高 速 浄 化 、<br />

各 種 情 報 センシング 等 の 幅 広 い 分 野 への 応 用 が 考 えら<br />

れその 実 現 が 大 変 期 待 されています。 本 研 究 では 深 紫<br />

外 発 光 素 子 実 現 のため、 窒 化 物 InAlGaN 系 半 導 体 の<br />

結 晶 成 長 技 術 を 開 拓 し、230-350nm 帯 深 紫 外 高 効<br />

率 LED、 半 導 体 レーザを 実 現 します。<br />

光 科 学 ナノテクノロジー・ 材 料<br />

平 成 19 年 度 採 択<br />

バイオメディカルフォトニックLSIの<br />

創 成<br />

アダプティブパワーフォトニクスの<br />

基 盤 技 術<br />

太 田<br />

淳<br />

奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 物 質 創 成<br />

科 学 研 究 科 教 授<br />

宮 永 憲 明<br />

大 阪 大 学 レーザーエネルギー 学 研 究 センター<br />

教 授<br />

フォトニクス 技 術 とLSI( 大 規 模 集 積 回 路 ) 技 術 を 融 合<br />

し、バイオ・ 医 療 への 適 用 を 可 能 とする 新 しいバイオメ<br />

ディカルフォトニックデバイスの 創 成 を 目 指 します。 光 デ<br />

バイス、バイオ、 脳 神 経 外 科 の 各 研 究 者 の 共 同 により、<br />

光 の 特 徴 を 最 大 限 に 活 かしたフォトニックLSIデバイス<br />

の 新 たな 可 能 性 を 示 し、 脳 科 学 分 野 への 展 開 、パーキン<br />

ソン 病 やてんかんなど 脳 の 機 能 的 疾 患 への 臨 床 応 用<br />

開 拓 までを 見 据 えた 研 究 を 推 進 します。<br />

高 出 力 超 短 パルスレーザー 光 がもつ 潜 在 能 力 を 極 限 ま<br />

で 引 き 出 すことにより、レーザー 光 と 物 質 との 相 互 作 用<br />

を 多 様 かつ 高 精 度 に 制 御 することが 可 能 となります。そ<br />

のために、 半 導 体 レーザー 励 起 固 体 レーザーによる 光 パ<br />

ラメトリック 増 幅 を 基 盤 として 出 力 30TW 級 の 数 サイク<br />

ルレーザーを 開 発 し、 世 界 的 に 競 争 力 のある 基 幹 装 置 と<br />

して 利 用 研 究 に 供 していきます。さらに、 時 間 的 ・ 空 間 的<br />

位 相 制 御 や 偏 光 分 布 制 御 技 術 を 取 り 入 れ、アダプティ<br />

ブな 制 御 機 能 を 有 するパワーフォトニクスの 基 盤 技 術 を<br />

まとめ 上 げます。<br />

55

ポストペタスケール 高 性<br />

能 計 算 に 資 するシステム<br />

ソフトウェア 技 術 の 創 出<br />

平 成 22 年 度 採 択<br />

ポストペタスケールに 対 応 した<br />

階 層 モデルによる 超 並 列 固 有 値 解 析<br />

エンジンの 開 発<br />

櫻 井 鉄 也<br />

高 性 能 ・ 高 生 産 性 アプリケーション<br />

フレームワークによるポストペタスケール<br />

高 性 能 計 算 の 実 現<br />

丸 山 直 也<br />

筑 波 大 学 大 学 院 システム 情 報 系 教 授 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 計 算 科 学 研 究 機 構<br />

チームリーダー<br />

戦 略 目 標<br />

メニーコアをはじめとした 超 並 列 計 算 環<br />

境 に 必 要 となるシステム 制 御 等 のため<br />

の 基 盤 的 ソフトウェア 技 術 の 創 出<br />

本 研 究 では、ポストペタスケールアー<br />

キテクチャの 特 徴 である 階 層 的 並 列<br />

構 造 に 対 応 した「 超 並 列 固 有 値 解 析<br />

エンジン」を 開 発 します。 本 エンジンは、<br />

従 来 の 固 有 値 解 法 の 問 題 点 であるス<br />

ケーラビリティと 耐 故 障 性 を 克 服 するために 新 しく 構 築<br />

するアルゴリズムに 基 づきます。これにより、 先 端 理 工 学<br />

シミュレーションにおいてこれまで 不 可 能 であった 規 模 の<br />

計 算 を 実 現 し、 広 範 な 科 学 ・ 産 業 分 野 での 技 術 革 新 へ<br />

の 可 能 性 を 拓 きます。<br />

ポストペタスケールに 向 けた 最 重 要 課<br />

題 である「 並 列 性 の 克 服 」、「 信 頼<br />

性 」、「 低 消 費 電 力 化 」の 解 決 に 大 き<br />

く 貢 献 する 高 生 産 性 垂 直 統 合 型 ソフ<br />

トウェアスタックを 研 究 します。スケーラ<br />

ブルマルチスレッド 処 理 系 を 基 盤 とし、<br />

アプリケーションフレームワークとして、 自 動 並 列 化 、 自<br />

動 チューニング、 耐 故 障 性 、 電 力 最 適 化 等 の 各 種 技 術<br />

を 透 過 的 に 実 現 します。 主 に 流 体 シミュレーションおよ<br />

び 分 子 動 力 学 法 を 対 象 としてフレームワークを 開 発 し、<br />

将 来 のソフトウェアアーキテクチャの 方 向 性 づくりに 大 き<br />

く 貢 献 します。<br />

本 研 究 領 域 は、 次 々 世 代 ( 次 世 代 スーパーコン<br />

ピュータ「 京 」の 次 の 世 代 )あるいはそれ 以 降 の<br />

スーパーコンピューティングに 資 する、システムソフ<br />

トウェアやアプリケーション 開 発 環 境 等 の 基 盤 技<br />

術 の 創 出 を 目 指 すものです。<br />

研 究 総 括<br />

米 澤 明 憲<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 計 算 科 学<br />

研 究 機 構 副 機 構 長<br />

具 体 的 には、2010 年 代 半 ば 以 降 に 多 用 される、<br />

メニーコア 化 された 汎 用 型 プロセッサや 専 用 プロ<br />

セッサ( 現 在 GPGPUと 呼 ばれるものを 含 む)を 用<br />

いて 構 成 されるスーパーコンピュータの 特 徴 を 生 か<br />

し、その 上 で 実 行 されるアプリケーションを 高 効 率 ・<br />

高 信 頼 なものにするシステムソフトウェア(プログラ<br />

ミング 言 語 、コンパイラ、ランタイムシステム、オペ<br />

レーティングシステム、 通 信 ミドルウェア、ファイルシ<br />

ステム 等 )、アプリケーション 開 発 支 援 システム、 超<br />

大 規 模 データ 処 理 システムソフトウェア 等 に 関 す<br />

る、 実 用 性 を 見 据 えた 研 究 開 発 を 対 象 とします。ま<br />

た、 実 用 上 の 観 点 からそれらのソフトウェアレイアを<br />

またがる 研 究 開 発 が 奨 励 されます。<br />

ポストペタスケールデータインテンシブ<br />

サイエンスのためのシステムソフトウェア<br />

建 部 修 見<br />

DNAシーケンサ、 加 速 器 などの 実 験<br />

装 置 の 発 展 、シミュレーション 規 模 の<br />

拡 大 に 伴 い、メモリには 収 まらない 規<br />

模 のデータ 処 理 が 必 要 となっています。<br />

しかし、 現 状 の 技 術 の 延 長 では 将 来<br />

必 要 となる 性 能 を 得 ることが 困 難 と 予 想 されています。<br />

本 研 究 では、ポストペタスケール 以 降 でも 高 い 性 能 を 発<br />

揮 する 分 散 ファイルシステム、OS、 大 規 模 データ 処 理<br />

実 行 基 盤 システムの 研 究 開 発 を 行 います。ポストペタス<br />

ケール 時 代 に 大 規 模 データを 処 理 するサイエンスの 発<br />

展 を 促 進 します。<br />

自 動 チューニング 機 構 を 有 する<br />

アプリケーション 開 発 ・ 実 行 環 境<br />

中 島 研 吾<br />

平 成 23 年 度 採 択<br />

ポストペタスケールシミュレーションの<br />

ための 階 層 分 割 型 数 値 解 法<br />

ライブラリ 開 発<br />

塩 谷 隆 二<br />

筑 波 大 学 大 学 院 システム 情 報 系 准 教 授 東 洋 大 学 総 合 情 報 学 部 教 授<br />

地 球 シミュレータ、 次 世 代 スパコン<br />

( 京 )などのスーパーコンピュータ 上 で<br />

超 大 規 模 な 解 析 を 可 能 とする、 汎 用<br />

並 列 有 限 要 素 法 解 析 シ ス テ ム<br />

ADVENTURE(オープンソースソフト<br />

ウェア)の 開 発 及 び 公 開 を 通 し 培 ってきた、 大 規 模 解 析<br />

に 極 めて 有 効 な 手 法 である 階 層 型 領 域 分 割 法 を、ポス<br />

トペタスケールに 向 け、 大 規 模 データ 処 理 を 扱 うメッシュ<br />

生 成 や 可 視 化 処 理 部 分 に 拡 張 することにより 革 新 的<br />

技 術 開 発 を 行 い、 実 用 的 超 大 規 模 シミュレーションの 実<br />

現 を 目 指 します。<br />

進 化 的 アプローチによる 超 並 列 複 合<br />

システム 向 け 開 発 環 境 の 創 出<br />

滝 沢 寛 之<br />

東 京 大 学 情 報 基 盤 センター 教 授 東 北 大 学 大 学 院 情 報 科 学 研 究 科 准 教 授<br />

領 域 アドバイザー<br />

青 柳 睦 九 州 大 学 情 報 基 盤 研 究 開 発 センター<br />

センター 長<br />

石 川 裕 東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

久 門 耕 一 ( 株 ) 富 士 通 研 究 所 ITシステム 研 究 所<br />

取 締 役 、ITシステム 研 究 所 長<br />

河 野 健 二 慶 應 義 塾 大 学 理 工 学 部 准 教 授<br />

小 林 広 明 東 北 大 学 サイバーサイエンスセンター<br />

センター 長<br />

佐 藤 三 久 筑 波 大 学 大 学 院 システム 情 報 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

下 條 真 司 大 阪 大 学 サイバーメディアセンター 教 授<br />

中 川 八 穂 子 ( 株 ) 日 立 製 作 所 中 央 研 究 所 新 世 代<br />

コンピューティングPJ シニアプロジェクトマネージャ<br />

中 島 浩 京 都 大 学 学 術 情 報 メディアセンター センター 長<br />

牧 野 淳 一 郎 東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

松 岡 聡 東 京 工 業 大 学 学 術 国 際 情 報 センター 教 授<br />

複 雑 化 、 大 規 模 化 するスーパーコン<br />

ピュータ(スパコン) 上 でのプログラム<br />

開 発 とその 安 定 な 実 行 は 困 難 な 課 題<br />

です。 本 研 究 では、 計 算 機 の 専 門 家<br />

でない 科 学 者 や 技 術 者 がスパコン 向<br />

けの 様 々なシミュレーションプログラム<br />

を 容 易 に 開 発 し、 高 速 ・ 安 定 に 実 行 するための 環 境<br />

ppOpen-HPCを 開 発 します。 異 なるスパコンでも、 自<br />

動 チューニング 機 構 ppOpen-ATによりプログラムの<br />

修 正 無 しに 最 適 な 性 能 で 安 定 に 実 行 可 能 となります。<br />

本 研 究 の 成 果 は、スパコンを 利 用 して 新 しい 科 学 を 開 拓<br />

する 人 材 の 育 成 にも 大 いに 貢 献 します。<br />

メニーコア 混 在 型 並 列 計 算 機 用 基 盤<br />

ソフトウェア<br />

堀<br />

敦 史<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 計 算 科 学 研 究 機 構<br />

上 級 研 究 員<br />

ポストペタスケールアーキテクチャとし<br />

て 汎 用 マルチコアとメニーコアを 組 み<br />

合 わせたメニーコア 混 在 型 並 列 計 算<br />

機 を 想 定 し、そこでのスケーラブルなシ<br />

ステムソフトウェアの 研 究 開 発 を 行 い<br />

ます。 汎 用 マルチコア 上 の 汎 用 OSと 協 調 するメニーコ<br />

ア 上 の 軽 量 OSを 開 発 し、メニーコア 間 およびマルチコ<br />

ア 間 での 最 適 な 通 信 機 能 、MPI-IO を 含 む 高 速 なファ<br />

イルI/O 機 能 、 超 軽 量 スレッド、 耐 故 障 性 機 能 を 提 供 す<br />

るシステムソフトウェアを 実 現 します。<br />

ポストペタスケールの 計 算 システムは、<br />

現 在 よりもさらに 超 並 列 化 および 複<br />

合 化 が 進 んでいると 想 定 されます。 本<br />

研 究 では、そのような 超 並 列 複 合 シス<br />

テムを 効 率 的 かつ 効 果 的 に 利 用 する<br />

ための 環 境 を 研 究 開 発 します。 特 に、 複 雑 なハードウェ<br />

ア 構 成 を 意 識 することなく、アプリケーション 利 用 者 や 開<br />

発 者 がシステムの 性 能 を 活 用 するための 技 術 を 開 発 し<br />

ます。また、システムの 変 化 に 伴 うアプリケーションの 進<br />

化 を 支 援 するためのフレームワークを 構 築 します。<br />

ポストペタスケール 時 代 の<br />

スーパーコンピューティング 向 け<br />

ソフトウェア 開 発 環 境<br />

千 葉<br />

滋<br />

東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

ポストペタスケール 時 代 のスーパーコ<br />

ンピューティング(HPC)では、 汎 用 的<br />

なプログラミング 言 語 やフレームワーク<br />

ひとつで 全 ての 課 題 に 対 処 すること<br />

は 困 難 になると 予 想 されます。 本 研 究<br />

では、ここ 十 数 年 の 間 にインターネット<br />

web 分 野 で 著 しく 進 歩 したソフトウェアのモジュール 化<br />

技 術 をHPC 分 野 にも 適 用 し、 計 算 機 プラットフォームや<br />

計 算 アルゴリズムごとに 最 適 化 されたフレームワークを<br />

その 分 野 の 開 発 者 自 身 が 作 り 出 せるようにし、HPC 分<br />

野 でのソフトウェア 開 発 の 生 産 性 を 大 きく 改 善 すること<br />

をねらいます。<br />

56

省 メモリ 技 術 と 動 的 最 適 化 技 術 に<br />

よるスケーラブル 通 信 ライブラリの 開 発<br />

南 里 豪 志<br />

九 州 大 学 情 報 基 盤 研 究 開 発 センター<br />

准 教 授<br />

今 後 数 年 間 で、スーパーコンピュータ<br />

のCPUコア 数 は1 億 個 以 上 になると<br />

予 想 されています。 本 研 究 では、スー<br />

パーコンピュータの 重 要 な 基 盤 ソフト<br />

ウェアである 通 信 ライブラリについて、<br />

計 算 機 の 規 模 によらず 少 ない 使 用 メモリ 量 で 効 率 よく<br />

通 信 を 行 う 省 メモリ 技 術 と、 実 行 中 の 状 況 に 応 じて 自 律<br />

的 に 動 作 を 調 整 する 動 的 最 適 化 技 術 を 用 いた 通 信 ライ<br />

ブラリを 開 発 するとともに、この 通 信 ライブラリの 機 能 を<br />

活 かした 効 率 の 良 いプログラムの 作 成 技 術 を 研 究 開 発<br />

します。<br />

超 大 並 列 計 算 機 による<br />

社 会 現 象 シミュレーションの<br />

管 理 ・ 実 行 フレームワーク<br />

野 田 五 十 樹<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 サービス 工 学<br />

研 究 センター 研 究 チーム 長<br />

社 会 ・ 経 済 ・ 政 治 のようなシステム 等 を<br />

対 象 とするマルチエージェントシミュ<br />

レーションを 大 規 模 かつ 網 羅 的 に 実<br />

行 ・ 制 御 するフレームワークを 構 築 しま<br />

す。 本 研 究 では、 膨 大 な 数 の 実 験 設<br />

定 から 目 的 に 応 じて 実 験 計 画 を 立 て 結 果 を 管 理 する 機<br />

能 を 提 供 するモジュールと、マルチコア 上 でのマルチ<br />

エージェントの 分 散 実 行 を 実 現 するMASS 分 散 実 行 ミ<br />

ドルウェアからなるフレームワークを 構 築 し、 交 通 や 経<br />

済 ・ 災 害 対 応 など 各 種 社 会 システムの 設 計 支 援 のため<br />

の 汎 用 的 開 発 ・ 実 験 管 理 環 境 の 実 現 を 目 指 します。<br />

ポストペタスケールシステムにおける<br />

超 大 規 模 グラフ 最 適 化 基 盤<br />

藤 澤 克 樹<br />

ポストペタスケール 時 代 に 向 けた 演 算<br />

加 速 機 構 ・ 通 信 機 構 統 合 環 境 の 研 究<br />

開 発<br />

朴<br />

泰 祐<br />

中 央 大 学 理 工 学 部 教 授 筑 波 大 学 システム 情 報 系 教 授<br />

大 規 模 災 害 では 突 発 的 に 様 々な 事<br />

態 が 発 生 すると 同 時 に 短 時 間 で 状 況<br />

が 大 きく 変 化 します。このような 状 況 下<br />

で、 避 難 、 誘 導 、 復 興 計 画 等 を 早 急 に<br />

策 定 するためには、 従 来 の 手 法 では<br />

限 界 があり 膨 大 なデータから 作 成 したグラフを 高 速 に 処<br />

理 することが 難 しい 状 況 です。 本 研 究 ではポストペタス<br />

ケールシステム 上 でこれらの 問 題 を 迅 速 に 処 理 するため<br />

の 超 大 規 模 なグラフ 最 適 化 システムを 作 成 して、 安 心<br />

安 全 な 社 会 基 盤 の 実 現 に 貢 献 します。<br />

本 研 究 では、ポストペタスケール 時 代<br />

のHPCプラットフォームとして、 演 算<br />

加 速 装 置 を 持 つ 計 算 ノードを 超 並 列<br />

結 合 したシステムにおいて、ノードを 跨<br />

ぐ 演 算 加 速 装 置 間 の 直 接 通 信 を 実<br />

現 するネットワークシステム 及 びその<br />

上 での 通 信 システムソフトウェア、 並 列 言 語 、 実 アプリ<br />

ケーションの 開 発 を 行 います。 高 性 能 な 演 算 加 速 装 置<br />

を 通 信 ボトルネックを 避 けつつ 結 合 し、 幅 広 い 超 並 列 ア<br />

プリケーションの 加 速 を 実 現 し、エクサスケールにつなが<br />

る 超 並 列 演 算 加 速 装 置 プラットフォームに 対 応 するソフ<br />

トウェア 基 盤 構 築 を 目 指 します。<br />

平 成 24 年 度 採 択<br />

ポストペタスケール 時 代 のメモリ 階 層<br />

の 深 化 に 対 応 するソフトウェア 技 術<br />

遠 藤 敏 夫<br />

東 京 工 業 大 学 学 術 国 際 情 報 センター<br />

准 教 授<br />

メモリの 速 度 性 能 ・ 容 量 の 伸 びが、メ<br />

ニーコア 化 するプロセッサの 伸 びに 追<br />

いつかないという、メモリウォール 問 題<br />

は、 今 後 のスパコンアーキテクチャに<br />

おいて 顕 著 となり、 気 象 ・ 医 療 ・ 防 災 な<br />

どの 重 要 なシミュレーションをさらに 大<br />

規 模 化 ・ 精 緻 化 する 上 での 障 害 となると 考 えられていま<br />

す。その 解 決 のために、 不 揮 発 メモリも 含 めた 異 種 のメ<br />

モリを 混 在 させたスパコンアーキテクチャを 想 定 し、それ<br />

を 有 効 活 用 するコンパイラ・メモリ 管 理 技 術 ・シミュレー<br />

ションアルゴリズムなどにまたがった 新 しいソフトウェア<br />

技 術 の 研 究 開 発 を 推 進 します。<br />

ポストペタスケールシステムのための<br />

電 力 マネージメントフレームワークの 開 発<br />

近 藤 正 章<br />

電 気 通 信 大 学 大 学 院 情 報 システム 学 研 究 科<br />

准 教 授<br />

ポストペタスケール 計 算 システムでは、<br />

消 費 電 力 がシステムの 設 計 や 性 能 を<br />

制 約 する 最 大 の 要 因 と 考 えられていま<br />

す。 本 研 究 では、 使 用 可 能 電 力 に 制<br />

約 が 存 在 する 中 で、アプリケーション<br />

の 性 能 を 最 大 化 することを 目 的 に、ハードウェアが 持 つ<br />

電 力 制 御 機 構 を 適 応 的 に 制 御 するためのコード 最 適 化<br />

技 術 やシステムソフトウェアを 研 究 開 発 します。これによ<br />

り、 限 られた 電 力 資 源 を 真 に 有 効 利 用 できる 計 算 環 境<br />

の 実 現 を 目 指 します。<br />

ポストペタスケール 情 報 通 信 技 術<br />

57

共 生 社 会 に 向 けた 人 間<br />

調 和 型 情 報 技 術 の 構 築<br />

戦 略 目 標<br />

人 間 と 調 和 する 情 報 環 境 を 実 現 する<br />

基 盤 技 術 の 創 出<br />

研 究 総 括<br />

東 倉 洋 一<br />

国 立 情 報 学 研 究 所 名 誉 教 授<br />

平 成 21 年 度 採 択<br />

“ 食 ”に 関 わる<br />

ライフログ 共 有 技 術 基 盤<br />

相 澤 清 晴<br />

東 京 大 学 大 学 院 情 報 学 環 ・ 情 報 理 工 学 系 研<br />

究 科 教 授<br />

本 研 究 では、これまで 情 報 処 理 の 対<br />

象 として 扱 われることの 少 なかった<br />

「 食 」に 注 目 したライフログ 技 術 基 盤<br />

の 研 究 開 発 を 行 います。 画 像 などを 用<br />

いた 食 事 メディア 処 理 、 処 理 の 可 視<br />

化 ・ 健 康 支 援 インターフェース、 潜 在 的 コミュニティの 発<br />

見 や 場 の 雰 囲 気 の 記 録 ・ 再 生 などの 実 空 間 コミュニ<br />

ケーション、ライフログの 標 準 データ 形 式 やプライバシー<br />

制 御 などの 共 通 技 術 基 盤 などについて 研 究 開 発 を 行 う<br />

とともに、 健 康 管 理 の 実 証 実 験 も 行 います。<br />

知 覚 中 心 ヒューマンインターフェース<br />

の 開 発<br />

小 池 康 晴<br />

東 京 工 業 大 学 ソリューション 研 究 機 構 教 授<br />

テレイグジスタンスの 技 術 のように、 環<br />

境 と 相 互 作 用 するインターフェースに<br />

おいては、 入 力 側 は 精 度 良 く 環 境 の<br />

状 態 を 計 測 し、 出 力 側 では、あたかも<br />

物 体 を 持 っているかのように 力 を 与 え<br />

るなど、 正 確 にその 値 を 再 現 させようとしてきました。 本 研<br />

究 では、 複 雑 な 装 置 を 用 いることなく、 脳 の 知 覚 メカニズ<br />

ムを 解 明 し、あたかも 物 体 を 持 っているような“イリュー<br />

ジョン”を 積 極 的 に 活 用 する 新 しいインターフェースの 開<br />

発 とその 応 用 を 目 指 します。<br />

本 研 究 領 域 は、コンピュータなどの 情 報 機 器 、<br />

ネットワーク、コンテンツなどで 満 ち 溢 れた 情 報 環<br />

境 において、 実 空 間 コミュニケーション、ヒューマン<br />

インターフェース、メディア 処 理 などの 要 素 技 術 を<br />

融 合 ・ 統 合 し、「 人 間 と 情 報 環 境 の 調 和 」を 実 現 す<br />

るための 基 盤 技 術 の 構 築 を 目 指 します。<br />

具 体 的 には、 人 間 行 動 ・ 実 空 間 状 況 の 取 得 ・ 理<br />

解 を 行 うセンサーネットワークやユビキタスコン<br />

ピューティングによる 実 空 間 適 応 型 認 識 技 術 、ロ<br />

ボットやユビキタスネットワークによる 人 間 - 機 械 コ<br />

ミュニケーションの 円 滑 化 技 術 、および、テキスト、<br />

音 声 、 音 楽 、 画 像 などの 多 様 なメディアの 解 析 、 検<br />

索 、 集 積 、 構 造 化 などに 関 わるコンテンツ 技 術 を 連<br />

携 ・ 融 合 ・ 統 合 した「 人 間 調 和 型 情 報 環 境 」を 構 築<br />

するための 研 究 を 推 進 します。さらに、 人 間 とこれを<br />

取 り 巻 く 情 報 環 境 の 調 和 的 な 相 互 作 用 を 行 う 技<br />

術 のブレークスルーを 生 み 出 す 研 究 や、 人 間 と 情<br />

報 環 境 の 調 和 という 視 点 を 意 識 した 認 知 プロセス<br />

の 研 究 と 情 報 環 境 構 築 技 術 の 研 究 を、 異 分 野 融<br />

合 課 題 として 推 進 ・ 発 展 させる 研 究 も 含 みます。<br />

領 域 アドバイザー<br />

青 山 友 紀 慶 應 義 塾 大 学 理 工 学 部 訪 問 教 授<br />

淺 川 和 雄 ( 株 ) 富 士 通 研 究 所 フェロー<br />

石 井 裕 MITメディア 研 究 所 副 所 長<br />

伊 福 部 達 東 京 大 学 高 齢 社 会 総 合 研 究 機 構 名 誉 教 授<br />

鈴 木 陽 一 東 北 大 学 電 気 通 信 研 究 所 教 授<br />

西 田 豊 明 京 都 大 学 大 学 院 情 報 学 研 究 科 教 授<br />

前 田 英 作 NTTコミュニケーション 科 学 基 礎 研 究 所<br />

副 所 長 ・ 企 画 担 当 主 席 研 究 員<br />

前 田 太 郎 大 阪 大 学 大 学 院 情 報 科 学 研 究 科 教 授<br />

三 宅 なほみ 東 京 大 学 大 学 発 教 育 支 援 コンソーシアム 推 進<br />

機 構 副 機 構 長 / 大 学 院 教 育 学 研 究 科 教 授<br />

高 速 センサー 技 術 に 基 づく<br />

調 和 型 ダイナミック 情 報 環 境 の 構 築<br />

石 川 正 俊<br />

kHzオーダーで 実 時 間 動 作 する 高 速<br />

センサー 技 術 ・ 提 示 技 術 を 用 い、イン<br />

センシブル( 人 間 が 感 じ 取 れない)ダイ<br />

ナミクスの 完 全 検 出 と、 感 覚 運 動 統<br />

合 モデルに 基 づく 同 ダイナミクスの 実<br />

時 間 可 感 化 を 実 現 する 情 報 環 境 を 構 築 します。 時 間 密<br />

度 が 飛 躍 的 に 向 上 された 情 報 環 境 によって、 人 間 を 取<br />

り 巻 く 実 世 界 の 確 定 的 未 来 の 可 感 化 が 可 能 となり、 人<br />

間 の 認 識 行 動 系 の 学 習 促 進 や 情 報 誘 導 に 貢 献 するこ<br />

とができます。<br />

潜 在 的 インターパーソナル 情 報 の<br />

解 読 と 制 御 に 基 づく<br />

コミュニケーション 環 境 の 構 築<br />

柏 野 牧 夫<br />

東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

日 本 電 信 電 話 株 式 会 社 コミュニケーション 科<br />

学 基 礎 研 究 所 上 席 特 別 研 究 員<br />

円 滑 な 対 人 コミュニケーションに 不 可<br />

欠 でありながら 軽 視 されてきた「 潜 在<br />

的 インターパーソナル 情 報 (Implicit<br />

InterPersonal Information;IP<br />

I)」(パートナー 間 の 相 互 作 用 によっ<br />

て 立 ち 現 れる 非 記 号 的 ・ 無 自 覚 的 な 情 報 )に 着 目 し、 脳<br />

活 動 、 生 理 反 応 、 身 体 運 動 などからIPIを 解 読 したり、 情<br />

報 環 境 側 からIPIを 調 整 したり、あるいは 脳 に 非 侵 襲 的<br />

な 刺 激 を 与 えたりすることによってコミュニケーションの<br />

質 を 高 める 手 法 を 開 発 します。<br />

マルチモーダルな 場 の 認 識 に 基 づく<br />

セミナー・ 会 議 の 多 層 的 支 援 環 境<br />

日 常 生 活 空 間 における 人 の 注 視 の<br />

推 定 と 誘 導 による 情 報 支 援 基 盤 の 実 現<br />

佐 藤 洋 一<br />

人 と 調 和 する 情 報 環 境 を 実 現 するた<br />

めには、 情 報 環 境 側 が 人 の 注 意 が 何<br />

に 向 けられているのかを 理 解 したうえ<br />

で、 適 切 なタイミングで 適 切 な 支 援 を<br />

提 供 できることが 必 要 となります。 本<br />

研 究 では、 人 の 注 意 と 密 接 に 関 係 する 注 視 に 着 目 し、 人<br />

と 調 和 する 情 報 環 境 実 現 のための 基 盤 技 術 として、 日<br />

常 生 活 空 間 内 における 人 の 注 視 を 推 定 する 技 術 、およ<br />

び 情 報 環 境 からの 適 切 な 働 きかけにより 人 の 注 視 をさり<br />

げなく 誘 導 する 技 術 の 開 発 を 目 指 します。<br />

行 動 モデルに 基 づく 過 信 の 抑 止<br />

武 田 一 哉<br />

東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所<br />

教 授<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 情 報 科 学 研 究 科<br />

大 規 模 な 信 号 コーパスを 利 用 して、 情<br />

報 と 物 理 を 統 合 する 視 点 から 人 間 行<br />

動 の 数 理 的 モデルを 研 究 します。「 認<br />

知 ・ 判 断 」と「 判 断 ・ 運 動 」の2つの 離<br />

散 / 連 続 系 に 還 元 して 行 動 を 捉 え、<br />

行 動 に 内 在 する「 状 態 」を 理 解 しうるモデルを 導 出 しま<br />

す。 情 報 システムと 人 間 が、 互 いの 状 態 を 正 しく 把 握 で<br />

きないことで 生 じる「 過 信 」の 検 出 に 応 用 し、「 振 り 込 め<br />

詐 欺 」や「 交 通 事 故 」の 抑 止 に 寄 与 しうる 実 用 的 な 検<br />

出 技 術 を 構 築 します。<br />

さわれる 人 間 調 和 型 情 報 環 境 の<br />

構 築 と 活 用<br />

教 授<br />

河 原 達 也<br />

舘<br />

京 都 大 学 学 術 情 報 メディアセンター 教 授 慶 應 義 塾 大 学 大 学 院 メディアデザイン 研 究 科<br />

教 授<br />

暲<br />

人 間 の 知 的 活 動 の 源 泉 ともいえる 音<br />

声 コミュニケーションをマルチモーダル<br />

な 観 点 で 分 析 ・モデル 化 した 上 で、セ<br />

ミナー・ポスター 発 表 および 会 議 を 対<br />

象 として、リアルタイムな 支 援 や、 効 果<br />

的 なアーカイブ 化 のための 情 報 環 境 を 構 築 します。 主 な<br />

話 者 の 発 話 内 容 を 音 声 認 識 して 言 語 解 析 を 試 みるとい<br />

う 従 来 のアプローチだけでなく、 聴 衆 の 反 応 に 着 目 した<br />

アプローチを 導 入 します。<br />

実 空 間 コミュニケーション、ヒューマン<br />

インターフェース、メディア 処 理 が 融 合<br />

した、 見 て・ 触 れる 知 的 な 情 報 環 境 の<br />

構 築 を 目 指 します。すなわち、 実 空 間<br />

の 触 覚 情 報 の 取 得 と 理 解 および 触<br />

空 間 の 伝 達 と 人 への 能 動 的 働 きかけを 可 能 とし、 人 が<br />

自 然 環 境 で 所 作 し 行 動 しているような 感 覚 で、 遠 隔 コ<br />

ミュニケーション、 遠 隔 体 験 、 疑 似 体 験 を 可 能 とし、デザ<br />

インや 創 作 などの 創 造 的 活 動 を 実 世 界 と 同 様 に 行 える<br />

人 間 調 和 型 の「さわれる 情 報 環 境 」を 構 築 します。<br />

58

平 成 22 年 度 採 択<br />

人 の 存 在 を 伝 達 する 携 帯 型 遠 隔 操 作<br />

アンドロイドの 研 究 開 発<br />

歩 容 意 図 行 動 モデルに 基 づいた 人 物<br />

行 動 解 析 と 心 を 写 す 情 報 環 境 の 構 築<br />

局 所 性 ・ 指 向 性 制 御 に 基 づく 多 人 数<br />

調 和 型 情 報 提 示 技 術 の 構 築 と 実 践<br />

石 黒<br />

浩<br />

( 株 ) 国 際 電 気 通 信 基 礎 技 術 研 究 所<br />

石 黒 浩 特 別 研 究 室 室 長<br />

八 木 康 史<br />

苗 村<br />

大 阪 大 学 産 業 科 学 研 究 所 所 長 ・ 教 授 東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科<br />

准 教 授<br />

健<br />

本 研 究 は、 何 時 でも 何 処 でも 人 間 の<br />

存 在 を 伝 達 することができる 通 信 手 段<br />

として、 携 帯 電 話 サイズの 遠 隔 操 作<br />

型 アンドロイド「エルフォイド( 通 称 :ジェ<br />

ミノイド 携 帯 )」を 実 現 します。これによ<br />

りユーザは 遠 隔 地 に 自 らの 存 在 を 送 り、 遠 隔 地 にいる 対<br />

話 相 手 はユーザの 存 在 を 目 の 前 に 感 じながら 人 と 話 すよ<br />

うに 対 話 できるようになります。このジェミノイド 携 帯 は、<br />

パソコンや 携 帯 電 話 に 加 えて、 人 と 情 報 環 境 を 調 和 させ<br />

る 新 しい 情 報 メディアとなります。<br />

本 研 究 は、 行 動 として 歩 行 を 取 り 上 げ、<br />

行 動 と 意 図 の 関 係 を 歩 容 意 図 行 動 モ<br />

デルとして 記 述 し、 映 像 中 の 歩 行 パ<br />

ターン( 歩 容 )から「 人 の 意 図 や 心 身<br />

状 態 、 人 間 関 係 」を 読 み 取 る 技 術 を<br />

構 築 します。さらに、 意 図 に 基 づく 情 報 提 示 の 在 り 方 を<br />

検 討 し、 心 を 写 す 情 報 環 境 の 構 築 も 目 指 します。 本 成 果<br />

は、 例 えば、 広 域 監 視 における 犯 罪 予 防 、 教 育 現 場 にお<br />

ける 心 理 ケアや 指 導 支 援 、 商 店 街 での 販 売 誘 導 等 の<br />

様 々な 応 用 のための 基 礎 となります。<br />

本 研 究 は、 多 人 数 が 集 う 場 での 利 用<br />

を 前 提 とした 人 間 調 和 型 情 報 提 示 技<br />

術 として、 人 々の 対 面 コミュニケーショ<br />

ンを 重 視 しつつ、 現 実 世 界 に 情 報 世<br />

界 を 重 畳 する 技 術 の 実 現 を 目 指 しま<br />

す。 従 来 の 重 畳 技 術 ( 拡 張 現 実 感 技<br />

術 )は、 主 に 個 々 人 の 情 報 端 末 画 面 の 中 で 行 われてきま<br />

した。 本 研 究 ではその 枠 を 超 え、 情 報 を 光 や 音 波 に 埋 め<br />

込 んで 現 実 世 界 に 対 して 局 所 性 や 指 向 性 を 制 御 しなが<br />

ら 提 示 することにより、 画 面 の 中 ではなく 空 間 的 に 展 開<br />

された 情 報 に 人 々が 自 由 にアクセスすることを 可 能 にし<br />

ます。<br />

音 楽 を 用 いた 創 造 ・ 交 流 活 動 を 支 援<br />

する 聴 空 間 共 有 システムの 開 発<br />

平 成 23 年 度 採 択<br />

コンテンツ 共 生 社 会 のための 類 似 度<br />

を 可 知 化 する 情 報 環 境 の 実 現<br />

伊 勢 史 郎<br />

後 藤 真 孝<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 准 教 授 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 情 報 技 術 研 究 部 門<br />

上 席 研 究 員<br />

本 研 究 は、 音 楽 という 世 界 共 通 言 語 を<br />

違 和 感 なく 交 換 できる 情 報 通 信 環 境 の<br />

構 築 を 行 うことを 目 的 とします。 演 奏 、 建<br />

築 音 響 エンジニアリング、 音 楽 教 育 、 音<br />

楽 批 評 などの 音 楽 の 職 能 をもつ 人 々が、<br />

遠 隔 環 境 において 三 次 元 音 場 を 共 有 しながら 技 能 を 実 践<br />

することができ、 従 来 よりも 創 造 的 な 音 楽 活 動 を 可 能 とする<br />

聴 空 間 共 有 システムを 開 発 します。 情 報 通 信 技 術 を 用 い<br />

た 新 しい 形 の 音 楽 制 作 現 場 は 一 般 市 民 にとっても 新 しい<br />

エンターテインメントとして 体 験 可 能 な 情 報 空 間 となります。<br />

本 研 究 は、 音 楽 や 動 画 のようなメディ<br />

アコンテンツを 豊 かで 健 全 に 創 作 ・ 利<br />

用 する「コンテンツ 共 生 社 会 」の 確 立<br />

に 向 けて、 膨 大 なメディアコンテンツ<br />

間 の 類 似 度 を 人 々が 知 ることができる<br />

( 可 知 化 する) 情 報 環 境 を 実 現 する 技 術 基 盤 の 構 築 を<br />

目 的 とします。さらに、 創 作 支 援 技 術 と 鑑 賞 支 援 技 術 を<br />

研 究 開 発 することで、コンテンツの 創 作 や 鑑 賞 を 誰 もが<br />

能 動 的 に 楽 しめる 社 会 や、 過 去 のコンテンツに 敬 意 を 払<br />

う 文 化 、 感 動 体 験 重 視 型 のコンテンツ 文 化 の 実 現 を 目<br />

指 します。<br />

ロボットによる<br />

街 角 の 情 報 環 境 の 構 築<br />

ペダゴジカル・マシン: 教 え 教 えられる<br />

人 工 物 の 発 達 認 知 科 学 的 基 盤<br />

神 田 崇 行<br />

( 株 ) 国 際 電 気 通 信 基 礎 技 術 研 究 所 知 能 ロ<br />

ボティクス 研 究 所 上 級 研 究 員<br />

開<br />

一 夫<br />

東 京 大 学 大 学 院 総 合 文 化 研 究 科<br />

教 授<br />

本 研 究 は、ショッピングモールのような<br />

人 が 行 きかう 街 角 の 広 場 や 通 路 にお<br />

いて、センサネットワークを 用 いて 街 角<br />

の 状 況 や 場 所 の 使 われ 方 を 理 解 する<br />

という 街 角 環 境 理 解 技 術 、ロボットが<br />

環 境 と 調 和 して 移 動 したり、 人 々に 親 和 的 に 話 しかけた<br />

りするためのインタラクション 技 術 を 実 現 します。 街 角 を<br />

移 動 して 人 々と 対 話 するロボットが、 環 境 に 調 和 して<br />

様 々なサービスを 提 供 できるような「ロボットによる 街 角<br />

の 情 報 環 境 」を 構 築 します。<br />

本 研 究 は、 急 進 的 に 発 展 する 情 報 基<br />

盤 技 術 を 背 景 に、 発 達 認 知 科 学 を 基<br />

軸 とした 融 合 的 アプローチによって 人<br />

間 の 学 習 を 支 援 ・ 促 進 する 人 工 物 を<br />

構 成 し、 学 習 の 本 質 を 解 明 することを<br />

目 的 とします。 具 体 的 には、 乳 幼 児 と<br />

学 童 を 対 象 とした 行 動 実 験 、 脳 活 動 の 計 測 、インター<br />

ネットを 用 いた 大 規 模 調 査 など 複 合 的 手 法 を 駆 使 して、<br />

人 間 の 学 習 を 支 援 ・ 促 進 する 人 工 物 -ペダゴジカル・マ<br />

シン-が 持 つべき 様 相 を 明 確 にし、 実 験 システムを 実 践<br />

場 面 で 試 験 的 に 運 用 することで、 将 来 の 教 育 場 面 に 真<br />

に 役 立 つ 科 学 的 基 盤 を 整 備 します。<br />

文 字 ・ 文 書 メディアの 新 しい 利 用 基 盤<br />

技 術 の 開 発 とそれに 基 づく<br />

人 間 調 和 型 情 報 環 境 の 構 築<br />

黄 瀬 浩 一<br />

本 研 究 は、 文 字 ・ 文 書 という 身 近 で 古<br />

典 的 なメディアを、 高 速 文 字 認 識 ・ 文<br />

書 画 像 検 索 技 術 などの 情 報 通 信 技<br />

術 を 駆 使 し、 新 しいメディアへと 変 貌 さ<br />

せます。 具 体 的 には、 看 板 やポスター<br />

に 基 づいてナビゲーションを 行 ったり、 評 判 情 報 などを 瞬<br />

時 に 検 索 すること、 読 書 履 歴 や 今 読 んでいる 箇 所 に 応<br />

じて、 読 者 の 理 解 を 助 ける 情 報 を 瞬 時 に 提 示 することな<br />

どが 可 能 となります。すなわち、 古 典 的 メデイアが、 人 に<br />

応 じて 語 りかけてくる 動 的 メディアに 変 貌 します。<br />

コンテンツ 生 成 の 循 環 系 を 軸 とした<br />

次 世 代 音 声 技 術 基 盤 の 確 立<br />

徳 田 恵 一<br />

大 阪 府 立 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授 名 古 屋 工 業 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

音 声 対 話 システムでは、ユーザがシス<br />

テムと 対 話 したくなるような 魅 力 的 なコ<br />

ンテンツが 重 要 となります。 近 年 、コン<br />

ピュータ 上 でのコンテンツを 生 成 する<br />

ため 仕 組 みとして 、W i k i p e d i a 、<br />

YouTube 等 、ユーザが 主 体 となってコンテンツを 作 成<br />

する 手 法 が 成 功 を 収 めています。 本 研 究 では、このよう<br />

なユーザによるコンテンツ 生 成 を 音 声 対 話 システムに 導<br />

入 し、それが 実 際 に 機 能 するための 仕 組 みや 条 件 を 実<br />

証 的 に 探 究 します。<br />

情 報 環 境 情 報 通 信 技 術<br />

59

数 学 と 諸 分 野 の 協 働 に<br />

よるブレークスルーの 探 索<br />

戦 略 目 標<br />

社 会 的 ニーズの 高 い 課 題 の 解 決 へ 向 け<br />

た 数 学 / 数 理 科 学 研 究 によるブレーク<br />

スルーの 探 索 ( 幅 広 い 科 学 技 術 の 研 究<br />

分 野 との 協 働 を 軸 として)<br />

平 成 20 年 度 採 択<br />

離 散 幾 何 学 から 提 案 する 新 物 質 創 成<br />

と 物 性 発 現 の 解 明<br />

小 谷 元 子<br />

すぐれた 物 性 機 能 をもつ 新 物 質 創 成 は 安 心 ・ 安 全 で 豊<br />

かな 社 会 を 支 える 基 盤 であり、 従 来 の 経 験 則 を 超 えて 物<br />

性 の 予 測 をする 新 理 論 、 計 算 モデル、シミュレーション 技<br />

術 が 強 く 求 められています。 本 研 究 では、 局 所 的 な 性 質<br />

が 大 域 を 制 御 する 仕 組 みを 離 散 幾 何 学 の 知 見 で 解 明<br />

し、 数 理 モデルの 構 築 、その 数 理 解 析 およびシミュレー<br />

ションによる 物 性 予 測 から 化 学 工 学 における 新 物 質 創<br />

成 までを 貫 く 新 しい 指 導 原 理 の 確 立 を 目 標 とします。<br />

ダイナミクス 全 構 造 計 算 法 の 発 展 に<br />

よる 脳 神 経 - 身 体 リズム 機 構 の 解 明 と<br />

制 御<br />

國 府 寛 司<br />

東 北 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授 京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

本 研 究 は、ヒトや 動 物 が 動 的 に 変 動 する 環 境 に 適 応 し<br />

て 活 動 する 基 礎 となる 脳 神 経 系 と 身 体 系 のリズム 制 御<br />

機 構 を 理 解 するために、ダイナミクス 全 構 造 計 算 法 など<br />

の 数 理 的 方 法 を 用 いて 神 経 系 の 数 理 モデルのアトラク<br />

タの 多 様 性 や 引 き 込 み 領 域 を 解 析 することで 高 度 な 機<br />

能 発 現 のメカニズムを 解 明 し、 数 理 的 解 析 と 実 機 モデ<br />

ルでの 実 験 を 通 して、リズム 調 整 や 歩 容 遷 移 などの 歩<br />

行 制 御 機 構 の 研 究 から 工 学 的 な 技 術 や 応 用 につなげ<br />

ることを 目 指 します。<br />

本 研 究 領 域 は、 数 学 研 究 者 が 社 会 的 ニーズの<br />

高 い 課 題 の 解 決 を 目 指 して、 諸 分 野 の 研 究 者 と<br />

協 働 し、ブレークスルーの 探 索 を 行 う 研 究 を 対 象 と<br />

するものです。 謂 わば21 世 紀 におけるデカルト 流<br />

の 数 学 的 真 理 とベーコン 流 の 経 験 則 の 蓄 積 との<br />

統 合 を 目 指 すものです。<br />

研 究 総 括<br />

西 浦 廉 政<br />

諸 分 野 の 例 として、 材 料 ・ 生 命 ・ 環 境 ・ 情 報 通<br />

信 ・ 金 融 などが 想 定 されますが、 社 会 的 ニーズに 対<br />

応 した 新 しい 研 究 課 題 の 創 出 と 解 決 を 目 指 すもの<br />

であればこの 限 りではありません。<br />

東 北 大 学 原 子 分 子 材 料 科 学<br />

高 等 研 究 機 構 教 授<br />

諸 分 野 の 研 究 対 象 である 自 然 現 象 や 社 会 現 象<br />

に 対 し、 数 学 的 手 法 を 応 用 するだけではなく、それ<br />

らの 数 学 的 研 究 を 通 じて 新 しい 数 学 的 概 念 ・ 方 法<br />

論 の 提 案 を 行 うなど、 数 学 と 実 験 科 学 の 融 合 を 促<br />

進 する 双 方 向 的 研 究 を 重 視 するものです。<br />

生 物 ロコモーションに 学 ぶ<br />

大 自 由 度 システム 制 御 の 新 展 開<br />

小 林<br />

亮<br />

広 島 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科<br />

教 授<br />

現 実 の 複 雑 な 環 境 の 中 を、あたかも 生 物 のごとく、 柔 らか<br />

くしなやかに 動 きまわることのできるロボットを 創 り 出 すた<br />

めには、ロボットの 身 体 に 生 物 同 様 の 大 きな 自 由 度 を 持<br />

たせ、かつそれを 巧 みに 制 御 する 必 要 があります。 本 研<br />

究 では、アメーバ 運 動 から 歩 行 運 動 にいたるさまざまなロ<br />

コモーション 様 式 に 通 底 する、しなやかな 動 きを 生 み 出<br />

す 制 御 のからくりを 数 理 的 に 解 明 することにより、 大 自<br />

由 度 ロボットの 自 律 分 散 的 制 御 法 の 創 出 を 目 指 します。<br />

現 代 の 産 業 社 会 とグレブナー 基 底 の<br />

調 和<br />

複 雑 な 金 融 商 品 の 数 学 的 構 造 と 無 限<br />

次 元 解 析<br />

コ ハツ・ヒガ ア ルツーロ<br />

立 命 館 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

複 雑 に 設 計 された 金 融 デリバティブは 仕 組 商 品 と 呼 ば<br />

れ、 近 年 盛 んに 取 引 されているものの、その 未 熟 な 取 り<br />

扱 いが 最 近 の 金 融 危 機 の 一 因 となったと 指 摘 されてい<br />

ます。 仕 組 商 品 の 価 格 付 け・リスク 管 理 のための 構 造 解<br />

析 は、 数 学 的 には 高 次 元 または 無 限 次 元 の 問 題 として<br />

扱 い、 効 率 的 な 有 限 次 元 射 影 理 論 を 構 築 することで、<br />

次 元 縮 約 のアプローチにより、 価 格 付 け・キャリブレー<br />

ション・ヘッジ・リスク 管 理 のための、 金 融 実 務 的 に 実 装<br />

可 能 なスキームを 与 えます。<br />

現 代 数 学 解 析 による 流 体 工 学 の<br />

未 解 決 問 題 への 挑 戦<br />

領 域 アドバイザー<br />

赤 平 昌 文 筑 波 大 学 理 事 ・ 副 学 長<br />

池 田 勉 龍 谷 大 学 副 学 長 ・ 常 務 理 事<br />

織 田 孝 幸 東 京 大 学 大 学 院 数 理 科 学 研 究 科 教 授<br />

小 田 忠 雄 東 北 大 学 名 誉 教 授<br />

小 野 寛 晰 北 陸 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 先 端 融 合 領 域<br />

研 究 院 特 別 招 聘 教 授<br />

高 橋 理 一 ( 株 )コンポン 研 究 所 取 締 役 /<br />

元 ( 株 ) 豊 田 中 央 研 究 所 所 長<br />

津 田 一 郎 北 海 道 大 学 電 子 科 学 研 究 所 教 授 /<br />

数 学 連 携 研 究 センター センター 長<br />

長 井 英 生 関 西 大 学 システム 理 工 学 部 教 授<br />

宮 岡 礼 子 東 北 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

山 口 智 彦 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所<br />

ナノシステム 研 究 部 門 部 門 長<br />

日 比 孝 之<br />

高 度 に 発 展 した 純 粋 数 学 の 理 論 と 現 代 の 産 業 社 会 に<br />

おける 先 端 科 学 技 術 との 調 和 を 探 ることは、 社 会 的 な<br />

難 問 の 解 決 に 向 けての 数 学 の 積 極 的 な 貢 献 をもたらし<br />

ます。 現 代 数 学 の 潮 流 の 一 つを 成 すグレブナー 基 底 の<br />

探 究 に 携 わる 代 数 学 者 、 計 算 機 科 学 者 、 統 計 学 者 らか<br />

ら 構 成 される 共 同 研 究 組 織 を 作 り、グレブナー 基 底 の 最<br />

新 理 論 を 先 端 科 学 技 術 に 応 用 するとともに、 現 実 問 題<br />

の 要 請 に 答 えるべく 理 論 の 一 層 の 発 展 とアルゴリズム<br />

の 開 発 をめざします。<br />

平 成 21 年 度 採 択<br />

非 線 形 系 の 精 度 保 証 付 き 数 値 計 算 法<br />

の 基 盤 とエラーフリーな<br />

計 算 工 学 アルゴリズムの 探 求<br />

大 石 進 一<br />

柴 田 良 弘<br />

大 阪 大 学 大 学 院 情 報 科 学 研 究 科 教 授 早 稲 田 大 学 理 工 学 術 院 基 幹 理 工 学 部<br />

教 授<br />

早 稲 田 大 学 理 工 学 術 院 基 幹 理 工 学 部<br />

教 授<br />

本 研 究 では、 現 代 数 学 解 析 を 専 門 とする 数 学 者 と 第 一<br />

線 の 流 体 力 学 者 との 協 働 により、 流 体 工 学 の 未 解 決<br />

問 題 に 対 して 厳 密 な 定 式 化 と 解 の 挙 動 の 解 析 手 法 を<br />

開 発 し、それを 社 会 的 に 重 要 な 課 題 に 適 用 し 精 密 な 実<br />

験 により 検 証 することによってその 有 効 性 を 実 証 します。<br />

本 研 究 は 過 去 には 緊 密 な 関 係 にあった 数 学 解 析 と 流<br />

体 力 学 を 現 代 のレベルで 再 び 結 びつけるもので、 恒 常<br />

的 な 人 類 の 文 化 になる 種 を 両 者 の 協 働 で 探 求 するもの<br />

です。<br />

数 理 医 学 が 拓 く 腫 瘍 形 成 原 理 解 明 と<br />

医 療 技 術 革 新<br />

鈴 木<br />

貴<br />

大 阪 大 学 大 学 院 基 礎 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

計 算 機 によって 数 学 的 に 正 しい 数 値 計 算 結 果 を 得 るた<br />

めの 精 度 保 証 付 き 数 値 計 算 学 を 計 算 工 学 の 分 野 へ 導<br />

入 し、それらの 諸 問 題 を 誤 りなく、しかも 現 実 的 な 計 算 時<br />

間 で 解 けるようにすることが 本 研 究 課 題 の 目 標 です。 計<br />

算 工 学 に 現 れる 有 限 次 元 非 線 形 系 に 対 する 精 度 保 証<br />

付 き 数 値 計 算 のブレークスルーによって、 人 が 安 心 して<br />

利 用 できる 誤 らない 計 算 工 学 アルゴリズムを 設 計 可 能 と<br />

し、 理 工 学 ・ 産 業 の 諸 分 野 に 絶 大 な 波 及 効 果 をもたらし<br />

ます。<br />

数 理 モデルを 用 いてがん 病 態 生 理 発 生 メカニズムを 解<br />

明 するとともに 逆 問 題 研 究 と 連 動 したがん 診 断 技 術 を<br />

開 発 します。 計 算 機 と 数 学 理 論 を 用 い、 基 礎 医 学 実<br />

験 に 基 づいたモデリング 技 法 を 確 立 することで、 特 に 初<br />

期 浸 潤 過 程 において 細 胞 内 生 化 学 反 応 がサブセルの<br />

変 形 をもたらす 仕 組 みを 明 らかにします。 応 用 として、 病<br />

態 生 理 の 予 測 、 最 適 治 療 法 選 択 ・ 新 薬 開 発 ツールの<br />

提 供 、 新 しい 動 作 原 理 による 自 動 細 胞 診 断 を 実 用 化 し<br />

ます。<br />

60

平 成 22 年 度 採 択<br />

デジタル 映 像 数 学 の 構 築 と 表 現 技 術<br />

の 革 新<br />

生 理 学 と 協 働 した 数 理 科 学 による<br />

皮 膚 疾 患 機 構 の 解 明<br />

安 生 健 一<br />

株 式 会 社 オー・エル・エム・デジタル 研 究 開 発 部 門<br />

ビジュアルエフェクトR&D スーパーバイザー<br />

長 山 雅 晴<br />

北 海 道 大 学 電 子 科 学 研 究 所<br />

教 授<br />

コンピュータグラフィックスに 代 表 されるデジタル 映 像 の<br />

応 用 は 拡 大 の 一 途 をたどっています。 本 研 究 は、 作 りや<br />

すさや 効 率 を 重 視 しつつ、 従 来 よりさらに 豊 かな 表 現 力<br />

を 持 つ 映 像 の 制 作 を 可 能 にするために、デジタル 映 像<br />

表 現 を 対 象 とする 新 たな 数 学 分 野 形 成 の 礎 を 築 くことを<br />

目 指 します。 特 に、 人 間 の 動 作 や 表 情 と 流 体 の 表 現 に<br />

焦 点 をあて、これらの 映 像 表 現 の 数 学 的 特 徴 づけと、 作<br />

り 手 の 意 図 をより 的 確 に 反 映 できる 数 学 モデルの 構 築<br />

を 推 進 します。<br />

皮 膚 表 面 にある 角 層 はバリア 機 能 と 呼 ばれる 人 体 に<br />

とって 非 常 に 重 要 な 機 能 を 担 っており、 多 くの 皮 膚 疾 患<br />

ではこのバリア 機 能 の 低 下 が 見 られます。 生 理 学 との 協<br />

働 により「 実 験 検 証 に 耐 えうる 皮 膚 ダイナミクスモデル」<br />

を 構 築 することによって、 生 理 学 実 験 と 数 理 科 学 の 両<br />

面 から 皮 膚 バリア 機 能 の 仕 組 みを 解 明 し、バリア 機 能<br />

低 下 を 伴 う 皮 膚 疾 患 の 発 病 機 構 の 解 明 とその 病 態 改<br />

善 法 の 提 案 を 行 うことを 目 指 します。<br />

渦 ・ 境 界 相 互 作 用 が 創 出 する<br />

パラダイムシフト<br />

坂 上 貴 之<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科<br />

教 授<br />

現 代 の 効 率 的 デザインである 流 線 形 の 翼 にとって 剥 離<br />

した「 渦 」は 流 れを 乱 し 効 率 を 落 とす 厄 介 者 ですが、 逆 に<br />

羽 ばたきで 自 らの 周 囲 に 渦 を 抱 え 飛 翔 する 昆 虫 にとって<br />

は 必 須 です。そこで 本 研 究 では、 渦 の 生 成 と 剥 離 および<br />

物 体 との 相 互 作 用 の 数 学 と 計 算 科 学 を 展 開 し、「 渦 ・ 境<br />

界 相 互 作 用 」をキーコンセプトに 生 命 ・ 環 境 等 の 諸 分 野<br />

へ 機 動 的 に 進 出 し、 協 働 研 究 を 進 め、 流 線 形 に 代 わる<br />

高 効 率 かつ 自 然 に 調 和 した 新 デザインコンセプトの 提 案<br />

を 目 指 します。<br />

放 射 線 医 学 と 数 理 科 学 の 協 働 による<br />

高 度 臨 床 診 断 の 実 現<br />

水 藤<br />

寛<br />

岡 山 大 学 大 学 院 環 境 生 命 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

本 研 究 では、 数 理 モデルやシミュレーション 技 術 、 統 計<br />

処 理 、 逆 解 析 などの 集 合 体 としての 意 志 決 定 支 援 ツー<br />

ルの 構 築 を 通 して、 臨 床 医 療 の 高 度 化 に 寄 与 していき<br />

ます。 一 方 、 現 実 問 題 からの 要 請 に 応 じて 数 学 の 各 分<br />

野 が 研 究 深 化 の 方 向 性 を 新 たに 見 出 すという 展 開 は、<br />

数 学 自 身 の 発 展 にも 大 きく 寄 与 するものです。このよう<br />

に 本 研 究 は、 臨 床 医 療 と 数 理 科 学 双 方 の 発 展 と、それ<br />

による 社 会 への 貢 献 を 目 標 とするものです。<br />

計 算 錯 覚 学 の 構 築<br />

ー 錯 視 の 数 理 モデリングとその 応 用<br />

杉 原 厚 吉<br />

明 治 大 学 先 端 数 理 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

人 の 錯 視 現 象 の 数 理 モデリングを 通 して、 錯 視 の 仕 組 み<br />

を 理 解 し、 錯 視 効 果 を 数 量 化 し、その 錯 視 量 を 制 御 する<br />

方 法 を 開 発 します。そして、 錯 視 量 の 最 小 化 によって 認<br />

識 しやすい 環 境 を 作 り、 安 全 性 の 向 上 に 役 立 てるととも<br />

に、 錯 視 量 の 最 大 化 によって 新 しい 表 現 法 を 提 供 し、 文<br />

化 的 豊 かさの 向 上 に 役 立 てます。さらに、この 活 動 を 通 し<br />

て、 知 覚 ・ 認 識 の 解 明 を 支 える 柔 軟 でロバストな 数 理 モデ<br />

リング 手 法 とそれを 解 析 する 計 算 理 論 を 構 築 します。<br />

数 学 情 報 通 信 技 術<br />

61

ディペンダブルVLSI<br />

システムの 基 盤 技 術<br />

平 成 19 年 度 採 択<br />

ロバストファブリックを 用 いた<br />

ディペンダブルVLSIプラットフォーム<br />

平 成 20 年 度 採 択<br />

フィールド 高 信 頼 化 のための<br />

回 路 ・システム 機 構<br />

戦 略 目 標<br />

高 信 頼 ・ 高 安 全 を 保 証 する 大 規 模 集 積<br />

システムの 基 盤 技 術 の 構 築<br />

研 究 総 括<br />

浅 井 彰 二 郎<br />

( 株 )リガク 取 締 役 副 社 長<br />

本 研 究 領 域 は、VLSIシステムの 高 信 頼 ・ 高 安<br />

全 性 を 保 証 するための 基 盤 技 術 の 研 究 開 発 を 対<br />

象 とします。 人 類 の 諸 活 動 が 情 報 システムに 依 存<br />

する 度 合 いは 増 す 一 方 であり、その 信 頼 性 ・ 安 全<br />

性 の 確 保 はきわめて 重 要 な 社 会 的 課 題 です。その<br />

エンジンであるVLSIも、それ 自 身 が 膨 大 な 数 の 回<br />

路 素 子 を 含 む 巨 大 システムであり、その 信 頼 性 ・ 安<br />

全 性 は 情 報 システムの 信 頼 性 ・ 安 全 性 のコアとな<br />

るものです。VLSIシステムを、 信 頼 性 ・ 安 全 性 に<br />

配 慮 しつつさらに 大 規 模 化 するため、 横 たわる 多 く<br />

の 課 題 を 解 決 することが 本 研 究 領 域 の 目 的 です。<br />

具 体 的 には 次 のような 研 究 課 題 が 含 まれます。<br />

まず 素 子 寸 法 の 極 限 的 な 微 細 化 にともなう 物 理<br />

的 な 揺 らぎ、 一 過 性 雑 音 事 象 、 使 用 にともなう 劣<br />

化 などが 問 題 です。こうした 不 安 定 要 因 は、 直 接<br />

誤 動 作 の 原 因 となるのみならず、VLSIの 大 規 模<br />

化 にとっての 阻 害 要 因 であり、その 影 響 を 緩 和 す<br />

る 素 子 レベル、 回 路 レベル、システムレベルの 新<br />

技 術 の 研 究 開 発 が 必 要 です。 一 方 、 微 細 化 によ<br />

る 大 規 模 化 が 限 界 に 近 づいているため、 多 数 の<br />

チップを3 次 元 的 に 実 装 することによる 大 規 模 化<br />

と、それにともなう 信 頼 性 ・ 安 心 性 の 確 保 も 大 きな<br />

課 題 であり、 研 究 開 発 が 必 要 です。 規 模 の 拡 大 と<br />

複 雑 化 にともなう 設 計 上 のミスを 排 除 し、 設 計 ・ 検<br />

証 ・ 製 造 ・ 検 査 を 容 易 化 する 設 計 の 方 法 も 研 究 開<br />

発 課 題 です。 信 頼 性 ・ 安 全 性 へのVLSIシステム<br />

内 外 からの 脅 威 を 動 作 中 に 検 出 し、 封 じ 込 め、 緩<br />

和 するアーキテクチャー、 回 路 の 研 究 開 発 も 必 要<br />

となります。VLSIシステムへの 要 求 事 項 は、 用 いら<br />

れる 情 報 システムの 特 性 から 決 まりますが、 新 しく<br />

信 頼 性 ・ 安 全 性 の 仕 様 規 定 、 評 価 尺 度 を 作 り 上 げ<br />

て 行 くことも 本 研 究 領 域 の 研 究 開 発 課 題 です。<br />

小 野 寺 秀 俊<br />

デバイスの 極 限 的 微 細 化 に 伴 う 製 造 性 の 劣 化 、 特 性 ば<br />

らつきの 増 加 、 経 年 劣 化 、ソフトエラーなどの 克 服 を 目 指<br />

して、ばらつきに 強 靭 なロバストファブリックを 構 成 要 素 と<br />

し、 高 信 頼 化 構 造 の 実 現 や 劣 化 部 分 の 自 己 修 復 が 可<br />

能 な 再 構 成 可 能 VLSIプラットフォームについて 研 究 し<br />

ます。 本 プラットフォームにより、 衛 星 利 用 からコンシュー<br />

マ 用 途 まで、 様 々なディペンダビリティを 持 つ 組 み 込 みシ<br />

ステムが 実 現 できることを 示 します。<br />

アーキテクチャと 形 式 的 検 証 の 協 調 に<br />

よる 超 ディペンダブルVLSI<br />

坂 井 修 一<br />

情 報 社 会 の 中 心 部 品 であるVLSIを 正 しく 設 計 し、 無 故<br />

障 にする 技 術 を 目 指 し、 回 路 設 計 技 術 からアーキテク<br />

チャまでを 総 合 的 に 研 究 開 発 します。 具 体 的 には、 形 式<br />

的 検 証 手 法 の 新 規 開 発 、フィールドプログラマブルな 回<br />

路 の 導 入 、タイミング 故 障 の 動 的 防 止 回 路 の 導 入 など<br />

によって、VLSIの 信 頼 性 を 飛 躍 的 に 向 上 させます。 研<br />

究 成 果 は、 設 計 支 援 ツール 群 や 新 回 路 ・ 新 アーキテク<br />

チャとして 産 業 界 に 還 元 し、 半 導 体 ・ 家 電 ・ 自 動 車 ・ 航<br />

空 ・ 宇 宙 などにおける 日 本 の 産 業 競 争 力 を 強 化 するため<br />

の 技 術 的 基 盤 を 創 ります。<br />

ディペンダブルワイヤレスシステム・<br />

デバイスの 開 発<br />

坪 内 和 夫<br />

東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

広 域 ・ 超 高 速 ワイヤレスアクセスを 実 現 するために、 複<br />

数 の 無 線 通 信 システムを 統 合 し、 伝 送 距 離 ・ 通 信 速 度 ・<br />

消 費 電 力 ・QoS の 最 適 制 御 を 行 うディペンダブル<br />

Wireless NGN LSI の 実 現 を 目 指 します。 周 波 数 領<br />

域 等 化 補 償 の 適 用 などにより 低 BER を 実 現 するブ<br />

ロードバンド・オールシリコン Mixed Signal CMOS<br />

チップセット 開 発 を 行 います。 高 速 移 動 と 超 高 速 通 信 速<br />

度 を 両 立 する 無 線 端 末 の 実 現 に 寄 与 します。<br />

梶 原 誠 司<br />

京 都 大 学 大 学 院 情 報 学 研 究 科 教 授 九 州 工 業 大 学 大 学 院 情 報 工 学 研 究 院<br />

教 授<br />

VLSIの 製 造 プロセスの 微 細 化 とともに、 製 造 時 の 出 荷<br />

テストだけでなく、 運 用 時 の 故 障 発 生 への 対 応 が 重 要 な<br />

課 題 になっています。 本 研 究 では、フィールドでシステム<br />

動 作 しているVLSIの 劣 化 や 故 障 をアダプティブなパ<br />

ワーオンテストで 検 出 し、 誤 動 作 による 障 害 が 発 生 する<br />

前 に 警 告 や 予 防 修 復 可 能 とする 新 しい 回 路 ・システム<br />

機 構 を 提 案 します。 本 研 究 では、 故 障 発 生 までの 平 均<br />

時 間 を 延 ばすだけでなく、ユーザにも 安 全 ・ 安 心 なシステ<br />

ムを 提 供 することを 目 指 します。<br />

超 高 信 頼 性 VLSIシステムのための<br />

ディペンダブルメモリ 技 術<br />

吉 本 雅 彦<br />

ディジタルVLSIのディペンダビリティを 確 保 するためのメ<br />

モリ 技 術 の 確 立 を 目 指 します。 微 細 化 に 伴 うプロセスば<br />

らつき/ランダムばらつき、 動 作 環 境 変 動 、 経 年 劣 化 、ソ<br />

フトエラーなどの 各 種 エラー 要 因 に 対 し、マージン 不 良 を<br />

最 少 化 する 設 計 技 術 、 不 良 予 知 診 断 技 術 、 不 良 回 避 技<br />

術 の 要 素 技 術 を 開 発 します。そして、それらを 統 合 するこ<br />

とにより 実 現 できる 自 律 型 ディペンダブルメモリプラット<br />

ホーム 技 術 を 開 発 します。そして 開 発 技 術 の 車 載 応 用 へ<br />

の 効 果 の 検 証 など、デバイス、 回 路 、アーキテクチャ、アプ<br />

リケーションにわたる 垂 直 統 合 型 の 研 究 を 実 施 します。<br />

ディペンダブルネットワークオンチップ<br />

プラットフォームの 構 築<br />

米 田 友 洋<br />

神 戸 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科<br />

東 北 大 学 名 誉 教 授 国 立 情 報 学 研 究 所 アーキテクチャ 科 学 研 究 系<br />

教 授<br />

教 授<br />

次 世 代 半 導 体 技 術 を 生 かした 大 規 模 VLSIを 構 築 しよう<br />

とすると、 冗 長 ・ 不 要 部 分 の 増 加 や 局 所 的 な 劣 化 故 障<br />

により、 物 理 的 ・コスト 的 な 実 現 性 低 下 、 性 能 低 下 、 信<br />

頼 性 低 下 という 問 題 が 生 じます。 本 研 究 では、これらの<br />

問 題 を 解 決 し、 多 数 のユニットが 適 応 的 に 協 調 動 作 でき<br />

る、 高 ディペンダブルなネットワークオンチッププラット<br />

フォームを 実 現 するための 技 術 を 開 発 するとともに、 車<br />

載 制 御 系 システムをターゲットとしたプロトタイプに 適 用<br />

し、 評 価 を 行 います。<br />

領 域 アドバイザー<br />

石 川 正 俊 東 京 大 学 情 報 理 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

菊 野 亨 大 阪 学 院 大 学 情 報 学 部 情 報 学 科 教 授<br />

高 橋 忠 幸 ( 独 ) 宇 宙 航 空 研 究 開 発 機 構 宇 宙 科 学 研 究 所<br />

教 授<br />

西 直 樹 日 本 電 気 ( 株 )グリーンプラットフォーム 研 究 所<br />

研 究 所 長<br />

長 谷 川 淳 ( 株 )ルネサスエレクトロニクス 技 術 開 発 本 部<br />

執 行 役 員<br />

増 渕 美 生 ( 株 ) 東 芝 セミコンダクター&ストレージ 社 半 導 体<br />

研 究 開 発 センター 副 センター 長<br />

矢 野 和 男 ( 株 ) 日 立 製 作 所 中 央 研 究 所 主 管 研 究 長<br />

高 山 浩 一 郎 株 式 会 社 富 士 通 研 究 所 ITシステム 研 究 所<br />

主 管 研 究 員<br />

統 合 的 高 信 頼 化 設 計 のための<br />

モデル 化 と 検 出 ・ 訂 正 ・ 回 復 技 術<br />

安 浦 寛 人<br />

九 州 大 学 大 学 院 システム 情 報 科 学 研 究 院<br />

理 事 ( 副 学 長 )<br />

ディジタルVLSIのディペンダビリティを 確 保 するための<br />

システム・RTレベルにおける 設 計 フローの 確 立 を 目 指 し<br />

ます。 種 々のエラーのモデル 化 とディペンダビリティの 評<br />

価 指 標 を 定 義 し、 指 標 の 評 価 技 術 、ディペンダビリティ<br />

を 向 上 させる 設 計 技 術 を 開 発 します。これらの 成 果 を<br />

ツール 化 し、 既 存 の 設 計 フローに 組 込 んで、コスト・ 性<br />

能 ・ 消 費 電 力 とディペンダビリティのトレードオフを 考 えた<br />

設 計 ができるフローのプロトタイプを 構 築 します。<br />

平 成 21 年 度 採 択<br />

自 己 修 復 機 能 を 有 する<br />

3 次 元 VLSIシステムの 創 製<br />

小 柳 光 正<br />

東 北 大 学 未 来 科 学 技 術 共 同 研 究 センター<br />

教 授<br />

3 次 元 LSI 技 術 と 超 並 列 処 理 技 術 を 駆 使 して、 自 己 修<br />

復 ・ 自 己 組 織 化 ・ 自 己 調 整 ・ 再 構 成 ・ 自 己 診 断 などの 機<br />

能 を 有 する 新 しいディペンダブルVLSIを 世 界 に 先 駆 け<br />

て 開 発 します。VLSIにLook-Up Tableを 用 いた 関 数<br />

発 生 回 路 を 搭 載 して、 冗 長 回 路 や 自 己 診 断 回 路 として<br />

使 用 します。また、これらの 冗 長 回 路 や 自 己 診 断 回 路 の<br />

一 部 を 動 的 に 論 理 回 路 に 転 用 できるようにして、 回 路 の<br />

柔 軟 性 と 効 率 を 高 めます。<br />

62

ディペンダブル ワイヤレス ソリッド・<br />

ステート・ドライブ(SSD)<br />

竹 内<br />

健<br />

中 央 大 学 理 工 学 部<br />

教 授<br />

テラバイト 容 量 のNANDフラッシュメモリを 搭 載 し、 書 き<br />

換 え 回 数 やデータ 保 持 時 間 の 増 加 など 使 用 に 伴 うメモ<br />

リの 信 頼 性 の 劣 化 、 接 触 不 良 、 動 作 中 の 電 源 遮 断 や 水<br />

への 接 触 などの 人 的 エラー、 人 体 との 接 触 による 静 電<br />

気 破 壊 (ESD)など、 各 種 エラー 要 因 に 対 してディペンダ<br />

ブルな、1mmの 通 信 距 離 で10Gbpsの 超 高 速 無 線 通<br />

信 ・ 給 電 機 能 を 持 ったワイヤレス ソリッド・ステート・ドライ<br />

ブ(SSD)およびホストシステムを 開 発 します。<br />

耐 タンパディペンダブルVLSIシステム<br />

の 開 発 ・ 評 価<br />

藤 野<br />

毅<br />

立 命 館 大 学 理 工 学 部<br />

教 授<br />

ICカードのように、LSIを 利 用 して 金 銭 情 報 や 個 人 情 報<br />

を 保 管 するシステムが 社 会 基 盤 として 広 く 普 及 しており、<br />

信 頼 性 ・ 安 全 性 保 証 の 重 要 性 が 非 常 に 高 まっています。<br />

LSI 動 作 時 の 消 費 電 力 や 電 磁 波 の 観 測 または 開 封 調<br />

査 により、 機 密 情 報 の 窃 取 ・ 回 路 の 複 製 ( 偽 造 )による<br />

人 為 的 な 攻 撃 が 可 能 です。 本 研 究 では、このような 攻 撃<br />

に 対 する 耐 タンパ 性 を 備 えたディペンダブルLSIを 実 現<br />

する 手 段 を 確 立 することを 目 的 とします。<br />

組 込 みリアルタイムシステム 用<br />

ディペンダブルSoC 及 びSiPに 関 する<br />

基 盤 技 術 の 研 究<br />

山 﨑 信 行<br />

慶 應 義 塾 大 学 理 工 学 部<br />

准 教 授<br />

本 研 究 では、 組 込 みリアルタイムシステムの 構 築 をター<br />

ゲットとし、SoC (System-on-Chip)およびSiP<br />

(System-in-Package)をコデザインすることでディ<br />

ペンダブルで 実 用 的 なVLSIシステムを 実 現 する 基 盤 技<br />

術 に 関 する 研 究 を 行 います。 実 用 的 な 組 込 みリアルタイ<br />

ムシステムを 構 築 するために、アプリケーション(ロボット<br />

および 宇 宙 開 発 への 応 用 )とソフトウェア(OS)および<br />

ハードウェア(アーキテクチャ)のコデザイン、SoCとSiP<br />

のコデザイン、およびそれらの 設 計 ・ 実 装 ・ 評 価 手 法 の<br />

研 究 を 行 います。<br />

DVLSI 情 報 通 信 技 術<br />

63

実 用 化 を 目 指 した 組 込 み<br />

システム 用 ディペンダブル・<br />

オペレーティングシステム<br />

平 成 18 年 度 採 択 ( 研 究 終 了 )<br />

並 列 ・ 分 散 型 組 込 みシステムのための<br />

ディペンダブルシングルシステムイメージ<br />

OS<br />

石 川 裕<br />

ディペンダブルシステムソフトウェア<br />

構 築 技 術 に 関 する 研 究<br />

前 田 俊 行<br />

東 京 大 学 情 報 基 盤 センター 教 授 東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科<br />

助 教 授<br />

戦 略 目 標<br />

高 セキュリティ・ 高 信 頼 性 ・ 高 性 能 を 実<br />

現 する 組 込 みシステム 用 の 次 世 代 基 盤<br />

技 術 の 創 出<br />

本 研 究 では、オープンシステムディペンダビリティを 継 続 的<br />

に 維 持 するためのDEOSプロセス、およびそれを 実 現 する<br />

DEOSアーキテクチャの 研 究 開 発 を 行 い、それらの 実 用 的<br />

な 実 現 形 態 として、 安 全 なOSカーネル 拡 張 のためのプログ<br />

ラミングインターフェースP-Bus、ディペンダブルな 単 一 シス<br />

テムイメージOSを 実 現 するための 単 一 IPアドレスクラス 機<br />

構 、ディペンダビリティ 要 求 に 関 する 合 意 形 成 を 支 援 するた<br />

めのD-CaseおよびそのツールD-Case Editor、システム<br />

のディペンダビリティを 定 量 的 に 計 測 するためのベンチマー<br />

クフレームワークDS-Bench、アプリケーションの 実 行 環<br />

境 を 提 供 するD-RE 等 の 研 究 開 発 を 行 った。これら 成 果 は<br />

プロジェクト 後 半 に 引 き 継 がれると 共 にオープンソースとし<br />

て 公 開 されている。<br />

本 研 究 では、 静 的 プログラム 解 析 技 術 (プログラムを 数<br />

学 的 理 論 に 基 づいて 解 析 することで、プログラムを 実 行<br />

することなく、その 性 質 を 知 る 技 術 )、 特 に 型 理 論 とモデ<br />

ル 検 査 理 論 に 基 づき、システムソフトウェアの 安 全 性 ・<br />

信 頼 性 を 保 証 ・ 検 証 する 技 術 を 実 現 しました。また、この<br />

技 術 を 実 用 化 し、 実 際 にシステムソフトウェア 開 発 者 に<br />

広 く 利 用 してもらえるような 現 実 的 な 検 証 ツールを 開 発 し<br />

ました。<br />

研 究 総 括<br />

所 眞 理 雄<br />

( 株 )ソニーコンピュータサイエン<br />

ス 研 究 所 会 長 ・ファウンダー<br />

副 研 究 総 括<br />

村 岡 洋 一<br />

早 稲 田 大 学 理 工 学 術 院 教 授<br />

コンピュータ 技 術 の 進 展 に 伴 い、 基 幹 業 務 系 や 汎<br />

用 PCのみならず、ホームサーバ、デジタルTV、 組 み<br />

込 み 型 高 性 能 サーバ、 車 載 制 御 装 置 、 生 産 制 御 装<br />

置 、 通 信 制 御 装 置 、ロボット、 携 帯 機 器 、モバイル・<br />

ウェラブルコンピュータ、センサー・アクチュエータなど、<br />

多 数 の 情 報 機 器 ・システムがネットワークに 接 続 され<br />

るようになってきており、 近 い 将 来 にいわゆるユビキタ<br />

ス 情 報 社 会 を 構 成 するであろうと 見 込 まれます。この<br />

時 、これらの 要 素 システムの 多 くは 目 的 別 の 組 込 みシ<br />

ステムとして 構 築 され、 高 い 信 頼 性 、 応 答 性 を 確 保 し<br />

つつ、 小 さく、 軽 く 実 現 することを 要 求 されます。 加 えて、<br />

それらを 接 続 した 情 報 システムの 信 頼 性 、 安 全 性 、セ<br />

キュリティ、 性 能 などの 要 求 を 満 足 でき、さらには 将 来<br />

の 拡 張 性 や 変 更 に 動 的 に 対 応 できなければなりませ<br />

ん。このようなディペンダブルなシステムを 構 築 するた<br />

めには、オペレーティング・システム(OS)のレベルから<br />

イノベーティブな 研 究 開 発 を 行 う 必 要 があると 考 えら<br />

れます。<br />

本 研 究 領 域 は、ディペンダブルな 情 報 システムを<br />

構 築 するための 組 込 みシステム 向 けのOSの 研 究 開<br />

発 を 行 うものです。 本 研 究 領 域 では、 将 来 、 社 会 で 実<br />

際 に 広 範 に 使 用 されうるOS 技 術 を 創 出 するために、<br />

実 用 化 を 目 指 し、 個 別 の 研 究 成 果 を 統 合 して 実 用 シ<br />

ステムとして 実 現 が 可 能 であることを 実 証 し、オープン<br />

ソースの 形 で 将 来 の 更 なる 研 究 開 発 の 基 盤 を 提 供<br />

することを 目 指 します。このため、 本 研 究 領 域 において<br />

は、 研 究 総 括 の 強 い 統 率 の 下 で、 必 要 に 応 じて 研 究<br />

体 制 の 再 編 や 研 究 の 進 め 方 の 調 整 を 行 うことにより、<br />

研 究 領 域 内 の 研 究 を 横 断 ・ 統 合 した 推 進 体 制 をとり、<br />

適 切 な 研 究 領 域 運 営 を 行 うこととします。<br />

省 電 力 でディペンダブルな<br />

組 込 み 並 列 システム 向 け 計 算 プラット<br />

フォーム<br />

佐 藤 三 久<br />

PCIexpressをリンクとして 用 い 低 電 力 機 能 と 耐 故 障<br />

機 能 を 持 つ 近 距 離 ネットワークチップPEACHを 開 発 し<br />

ました。これとともに、 開 発 した 分 散 共 有 メモリ 技 術 を 利<br />

用 した 耐 故 障 ミドルウエアFT-SCASHや 複 数 のサーバ<br />

を 協 調 して 電 力 制 御 し、 電 力 を 削 減 するソフトCPMDを<br />

組 み 合 わせることで、 省 電 力 高 信 頼 な 並 列 システムの<br />

構 築 が 可 能 になります。また、 耐 故 障 並 列 ソフトウエア<br />

の 検 証 を 行 うために 仮 想 マシン 技 術 を 用 いて 人 工 的 に<br />

故 障 を 再 現 できる 開 発 環 境 Fault-VMを 開 発 しました。<br />

徳 田 英 幸<br />

無 線 センサノードや 小 型 携 帯 端 末 のようなマイクロユビキタ<br />

スノード 上 に、Linux OSをベースとしたディペンダビリティ<br />

機 構 を 実 現 しました。1) 複 数 のネットワークインタフェースを<br />

利 用 したディペンダブル 通 信 機 構 、2)バッテリ 電 力 を 予 約<br />

可 能 とするディペンダブル 電 力 管 理 機 構 、3)D-Caseと<br />

ディペンダビリティメトリクスの 開 発 を 行 いました。また、これ<br />

らの 機 構 とD-Caseを 利 用 して、 遠 隔 監 視 ロボットシステム<br />

を 実 装 し、その 評 価 を 完 了 しました.また、 作 成 したソフトウェ<br />

アは、LinuxやFreeBSDのフリーソフトウェアツリーに 採 用<br />

され、 実 用 化 を 完 了 しました。<br />

中 島 達 夫<br />

平 成 20 年 度 採 択<br />

実 時 間 並 列 ディペンダブルOSとその<br />

分 散 ネットワークの 研 究<br />

加 賀 美 聡<br />

筑 波 大 学 計 算 科 学 研 究 センター 教 授 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 デジタルヒューマ<br />

ン 研 究 センター 研 究 チーム 長<br />

マイクロユビキタスノード 用<br />

ディペンダブルOS<br />

本 研 究 では、 実 時 間 性 、 信 頼 性 、 安 全 性 、メンテナンス 性 な<br />

どに 高 いディペンダビリティーが 要 求 されるロボット 応 用 を 主<br />

な 目 的 として、ディペンダブルOS 領 域 で 開 発 している<br />

P-Busアーキテクチャに 対 応 したこれらの 機 能 を 持 つOS<br />

を 開 発 します。この 目 的 のために 申 請 者 らが10 年 来 開 発 し<br />

てきたART-Linuxと 呼 ぶOSを 再 実 装 し、マルチプロセッ<br />

サ 利 用 機 能 による 信 頼 性 、 安 全 性 機 能 、およびネットワー<br />

ク 分 散 のための 実 時 間 通 信 機 能 を 付 加 します。 本 OSを 公<br />

開 すると 共 に、ヒューマノイドロボット、ロボット 用 RTミドルウ<br />

エア、 企 業 の 組 み 込 みシステムでの 実 証 実 験 を 広 く 行 い、<br />

5 年 後 の 実 用 化 を 目 指 します。<br />

利 用 者 指 向 ディペンダビリティの 研 究<br />

木 下 佳 樹<br />

慶 應 義 塾 大 学 環 境 情 報 学 部 教 授 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 セキュアシステム<br />

研 究 部 門 主 幹 研 究 員<br />

高 機 能 情 報 家 電 のための<br />

ディペンダブルオペレーティングシステム<br />

情 報 処 理 システムの 社 会 的 責 任 を 考 えに 入 れた、 総 合<br />

的 なディペンダビリティの 概 念 を 確 定 し、それに 基 づいて<br />

システムのディペンダビリティに 関 する 規 格 を 策 定 します。<br />

さらに、その 規 格 の 適 合 性 評 価 のガイドライン、およびシ<br />

ステム・ライフサイクル( 開 発 、 運 用 、 廃 棄 など)を 規 格 に<br />

適 合 させるためのガイドラインを 提 供 します。ディペンダビ<br />

リティをうたうシステムに 一 定 の 客 観 的 基 準 を 与 えて 利<br />

用 者 の 安 全 安 心 に 資 するとともに、 開 発 者 に 客 観 的 付<br />

加 価 値 としてディペンダビリティを 提 供 する 手 段 を 与 える<br />

ことを 狙 います。<br />

Security WeaverとPスクリプトに<br />

よる 実 行 中 の 継 続 的 な 安 全 確 保 に<br />

関 する 研 究<br />

倉 光 君 郎<br />

早 稲 田 大 学 理 工 学 術 院 教 授 横 浜 国 立 大 学 大 学 院 工 学 研 究 院 准 教 授<br />

領 域 アドバイザー<br />

岩 野 和 生 三 菱 商 事 株 式 会 社 ビジネスサービス 部 門 顧 問<br />

落 水 浩 一 郎 北 陸 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 副 学 長<br />

高 信 頼 組 込 みシステム 教 育 研 究 センター 特 任 教 授<br />

菊 野 亨 大 阪 学 院 大 学 情 報 学 部 教 授<br />

妹 尾 義 樹 日 本 電 気 株 式 会 社 情 報 ・ナレッジ 研 究 所<br />

技 術 主 幹<br />

田 中 英 彦 情 報 セキュリティ 大 学 院 大 学 学 長<br />

情 報 セキュリティ 研 究 科 長 教 授<br />

松 田 晃 一 ( 独 ) 情 報 処 理 推 進 機 構 顧 問<br />

安 浦 寛 人 九 州 大 学 理 事 ・ 副 学 長 / 教 授<br />

本 研 究 では、 既 存 のソフトウエア 資 産 を 有 効 に 利 用 しな<br />

がら、システム 全 体 の 信 頼 性 、 制 御 系 と 情 報 系 処 理 の<br />

融 合 、 機 能 拡 張 性 を 大 幅 に 向 上 する 超 高 機 能 情 報 家<br />

電 向 け 仮 想 実 行 環 境 を 構 築 しました。 本 研 究 のシステ<br />

ムは、 現 状 のLinuxを 用 いた 場 合 の 開 発 においてその<br />

場 限 りの 一 時 的 な 対 応 になっている 障 害 管 理 、 入 出 力<br />

管 理 、リソース 管 理 を 共 通 フレームワークとして 提 供 する<br />

ことにより、コストを 増 加 させず 信 頼 性 や 機 能 拡 張 性 を<br />

向 上 しました。<br />

本 研 究 では 、P - B u sインターフェースに 対 応 した<br />

SecurityWeaver を 開 発 し、 任 意 のセキュリティモ<br />

ジュール(アクセス 制 御 や 監 査 )を 実 行 中 に 導 入 可 能 に<br />

することで、 予 測 不 能 なセキュリティ 脆 弱 性 に 対 応 可 能<br />

なディペンダルOSの 研 究 開 発 を 進 めていきます。さらに、<br />

運 用 状 況 に 応 じて 適 切 にSecurityWeaver の 制 御 を<br />

行 うための 新 しい 記 述 システムとして、Pスクリプトの 研<br />

究 / 開 発 を 新 たに 行 います。 最 終 的 に、ソフトウェア 開<br />

発 者 に 広 く 利 用 されるオープンソース・ツールの 開 発 ・ 公<br />

開 を 行 う 予 定 です。<br />

64

耐 攻 撃 性 を 強 化 した<br />

高 度 にセキュアなOSの 創 出<br />

河 野 健 二<br />

慶 應 義 塾 大 学 理 工 学 部<br />

准 教 授<br />

仮 想 化 テクノロジー、セキュリティチップなどの 最 新 の 技 術 動 向 を 踏 ま<br />

え、 既 存 のオペレーティングシステム(OS)の 持 つセキュリティ 機 構 の<br />

全 般 的 な 見 直 しを 行 い、 既 存 OSが 提 供 するセキュリティ 機 構 と、 現<br />

在 の 情 報 システムが 求 めているセキュリティ 機 構 とのギャップを 埋 める<br />

高 セキュアOSの 創 出 を 目 指 します.アドホックな 要 素 技 術 の 組 み 合 わ<br />

せに 過 ぎなかったセキュリティ 技 術 を 系 統 的 かつ 体 系 的 に 見 直 し、 最<br />

新 のハードウェア 動 向 を 最 大 限 に 活 用 した 系 統 的 かつ 体 系 的 なセ<br />

キュリティ 機 構 として 統 合 します. 具 体 的 には、LinuxベースのOSにセ<br />

キュリティ 機 能 のための 拡 張 性 を 持 たせ、 分 割 して 実 装 されていた<br />

種 々のセキュリティ 機 構 を 連 携 させて 組 み 込 めるようにし、かつ、 仮 想<br />

マシンモニタ 層 とセキュリティハードウェア 層 という2つの 階 層 からその<br />

健 全 性 を 保 証 するというアプローチをとります. 結 果 的 に 様 々なセキュ<br />

リティ 機 構 を 容 易 に 組 み 込 める 基 盤 を 提 供 することになり、 実 際 に 使<br />

われる 実 用 OSとして 踏 み 出 していくことを 狙 います。<br />

組 込 みOS 情 報 通 信 技 術<br />

65

先 進 的 統 合 センシング<br />

技 術<br />

平 成 17 年 度 採 択 ( 研 究 終 了 )<br />

社 会 の 安 全 ・ 安 心 に 貢 献 する<br />

ユビキタス 集 積 化 マイクロセンサの 開 発<br />

事 故 予 防 のための 日 常 行 動 センシング<br />

および 計 算 論 の 基 盤 技 術<br />

戦 略 目 標<br />

安 全 ・ 安 心 な 社 会 を 実 現 するための<br />

先 進 的 統 合 センシング 技 術 の 創 出<br />

研 究 総 括<br />

板 生 清<br />

東 京 理 科 大 学 専 門 職 大 学 院 イ<br />

ノベーション 研 究 科 教 授<br />

石 田 誠<br />

西 田 佳 史<br />

豊 橋 技 術 科 学 大 学 工 学 部 教 授 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 デジタルヒューマン<br />

工 学 研 究 センター チーム 長<br />

本 研 究 では、 安 心 して 暮 らせる 安 全 な 社 会 の 実 現 に 向 本 研 究 では、 安 心 して 暮 らせる 安 全 な 社 会 の 実 現 に 向<br />

けて、あらゆる 生 活 空 間 においてセンサネットが 形 成 可 けて、あらゆる 生 活 空 間 においてセンサネットが 形 成 可<br />

能 な 完 全 無 線 型 集 積 化 マイクロセンサ・ノードの 開 発 を 能 な 完 全 無 線 型 集 積 化 マイクロセンサ・ノードの 開 発 を<br />

行 いました。 超 小 型 の 各 種 センサと 知 能 化 回 路 を 一 体 行 いました。 超 小 型 の 各 種 センサと 知 能 化 回 路 を 一 体<br />

形 成 し、その 上 、 独 自 の 技 術 によって 微 弱 無 線 回 路 と 高 形 成 し、その 上 、 独 自 の 技 術 によって 微 弱 無 線 回 路 と 高<br />

性 能 無 線 エネルギー 授 受 機 構 をチップ 上 に 集 積 化 しま 性 能 無 線 エネルギー 授 受 機 構 をチップ 上 に 集 積 化 しま<br />

した。これにより、 電 源 や 電 池 寿 命 から 解 放 された 無 線 した。これにより、 電 源 や 電 池 寿 命 から 解 放 された 無 線<br />

型 マイクロ 集 積 センサ・ノードを 実 現 できる 技 術 の 開 発 型 マイクロ 集 積 センサ・ノードを 実 現 できる 技 術 の 開 発<br />

に 成 功 しました。その 結 果 、 人 工 物 ・ 生 体 のヘルスケア に 成 功 しました。その 結 果 、 人 工 物 ・ 生 体 のヘルスケア<br />

の 他 、 様 々な 分 野 への 応 用 が 可 能 になりました。<br />

の 他 、 様 々な 分 野 への 応 用 が 可 能 になりました。<br />

本 研 究 領 域 は、 自 然 災 害 や 人 為 的 作 用 など 社<br />

会 の 安 全 ・ 安 心 を 脅 かす 危 険 や 脅 威 を 早 期 かつ<br />

的 確 に 検 知 し、その 情 報 を 迅 速 に 伝 達 する 統 合 セ<br />

ンシング 技 術 を 創 出 することを 目 指 す 研 究 を 対 象 と<br />

するものです。<br />

具 体 的 には、 危 険 物 ・ 有 害 物 質 や、ビル・ 橋 など<br />

の 人 工 物 ・ 建 造 物 の 劣 化 ・ 異 常 の 検 知 や 人 間 の<br />

バイタルサインの 検 知 など、 人 間 環 境 や 人 工 環 境 、<br />

または 自 然 環 境 の 状 態 を 検 知 する 高 感 度 ・ワイヤ<br />

レス・ 超 小 型 の 革 新 的 なセンサ 技 術 、ネットワーク<br />

異 常 発 生 時 や 災 害 時 などにもデータ 伝 送 を 保 証<br />

するネットワーク 技 術 、センサからの 多 様 なデータを<br />

解 釈 し、 異 常 検 知 ・ 迅 速 な 対 応 ・ 処 置 を 提 示 する<br />

情 報 処 理 技 術 に 関 する 研 究 などを 対 象 とします。<br />

さらに、 個 別 要 素 技 術 の 組 み 合 わせにより、 検<br />

知 の 感 度 ・ 精 度 ・ 選 択 性 の 飛 躍 的 な 向 上 を 実 現 す<br />

る 技 術 、 情 報 処 理 ・ネットワーク 技 術 にブレークス<br />

ルーをもたらすセンサ・ネットワーク・システム 技 術 、<br />

一 体 的 なシステムを 実 現 する 技 術 などを 目 指 した<br />

研 究 などが 含 まれます。<br />

安 全 と 利 便 性 を 両 立 した 空 間 見 守 り<br />

システム<br />

車 谷 浩 一<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 情 報 技 術 研 究 部 門<br />

教 授 グループ 長<br />

本 研 究 は、 人 間 の 生 活 空 間 を 見 守 り、 安 全 と 利 便 性 を 同<br />

時 に 達 成 する 空 間 見 守 りシステムの 実 現 を 目 的 とします。<br />

人 の 位 置 に 着 目 して、 特 に 屋 内 空 間 での 人 の 位 置 を 確 率<br />

推 論 によって 頑 健 かつ 安 定 に 推 定 し、 日 常 時 の 利 便 性 を<br />

目 的 とした 道 案 内 システムが 非 常 時 には 非 常 口 までの 道<br />

案 内 を 行 うシステムへと 自 動 的 に 切 り 替 わる 屋 内 自 律 型 ナ<br />

ビゲーションシステム、ならびに、 位 置 に 加 えて 人 の 運 動 状<br />

態 をモバイル 生 体 センサによって 計 測 ・ 推 定 し、ネットワーク<br />

を 通 じて 遠 隔 地 の 家 族 等 へ 運 動 状 態 の 解 析 結 果 を 伝 達<br />

する 生 体 遠 隔 見 守 りシステムを 実 現 しました。<br />

安 全 ・ 安 心 のための 移 動 体 センシング<br />

技 術<br />

全 自 動 モバイル 型<br />

生 物 剤 センシングシステム<br />

安 田 二 朗<br />

ユビキタスセンシングを 用 いた 全 空 間 的 人 間 行 動 センシン<br />

グ 技 術 と、インターネット 型 センシングを 用 いた 社 会 現 象 セン<br />

シング 技 術 、 大 規 模 な 人 間 行 動 蓄 積 データに 基 づいて<br />

データ 駆 動 型 モデルを 構 築 する 人 間 行 動 モデリング 技 術 、<br />

構 築 した 人 間 行 動 の 計 算 モデルを 有 用 な 社 会 応 用 サービ<br />

スと 連 携 させる 技 術 を、 社 会 的 要 請 の 高 い 乳 幼 児 の 事 故<br />

予 防 に 応 用 し、 乳 幼 児 の 事 故 予 防 のための 傷 害 予 防 工<br />

学 技 術 を 開 発 し、それに 基 づく 社 会 システムとして 安 全 知<br />

識 循 環 型 社 会 システムを 提 案 しました。これにより、「 日 常<br />

の 知 の 体 系 」とでも 呼 び 得 る 新 しい 知 の 体 系 を 創 造 するた<br />

めの 方 法 論 を 具 体 的 に 提 示 しました。<br />

平 成 18 年 度 採 択 ( 研 究 終 了 )<br />

科 学 警 察 研 究 所 法 科 学 第 一 部<br />

室 長<br />

安 全 ・ 安 心 のためのアニマルウォッチ<br />

センサの 開 発<br />

佐 藤 知 正<br />

東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

伊 藤 寿 浩<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 集 積 マイクロシス<br />

テム 研 究 センター 副 センター 長<br />

領 域 アドバイザー<br />

青 山 友 紀 慶 應 義 塾 大 学 大 学 院 政 策 メディア 研 究 科<br />

特 別 招 聘 教 授<br />

尾 形 仁 士 三 菱 電 機 エンジニアリング( 株 ) 社 友<br />

金 出 武 雄 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 デジタルヒューマン<br />

工 学 研 究 センター フェロー/<br />

カーネギーメロン 大 学 教 授<br />

岸 野 文 郎 関 西 学 院 大 学 理 工 学 部 教 授<br />

徳 田 英 幸 慶 應 義 塾 大 学 環 境 情 報 学 部 学 部 長 ・ 教 授<br />

保 立 和 夫 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

前 田 章 東 京 大 学 教 養 学 部 付 属 教 養 教 育 高 度 化 機 構<br />

特 任 教 授<br />

前 田 龍 太 郎 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 集 積 マイクロ<br />

システム 研 究 センター 研 究 センター 長<br />

本 プロジェクトでは 生 活 ・ 人 と 物 の 流 れ・ 自 動 車 分 野 にお<br />

いて、1) 自 動 車 ・ 家 電 などの 機 械 の 稼 動 や 利 用 者 の 行<br />

動 などのふるまい 情 報 を 計 測 ・ 蓄 積 し、その 特 徴 やくせを<br />

抽 出 する 統 合 センシング 技 術 、2)この 情 報 に 基 づいて 個<br />

別 適 合 したサービスを 可 能 とする 技 術 を 確 立 しました。こ<br />

れにより、 個 性 をもつ 個 人 や 個 別 状 況 に 対 応 した、きめ 細<br />

かな 安 全 ・ 安 心 サービスを 実 現 できるようになりました。<br />

セキュリティ 用 途 向 け<br />

超 高 感 度 匂 いセンサシステムの 開 発<br />

人 獣 共 通 感 染 症 の 人 への 感 染 防 止 等 、 人 類 の 健 康 確<br />

保 と 食 の 安 全 ・ 安 心 の 確 保 に 資 することを 目 的 に、 動 物<br />

の 健 康 状 態 をモニタする 無 線 センサ 端 末 と、 動 物 集 団<br />

の 健 康 管 理 を 行 うアニマルウォッチセンサネットを 開 発 し<br />

ました。 特 に、パンデミック 対 策 として、 鳥 インフルエンザ<br />

発 生 の 早 期 発 見 システムへの 応 用 に 主 眼 をおいた 小<br />

型 ・ 軽 量 ・フレキシブル・メンテナンスフリーなセンサ 端 末<br />

を、 超 低 消 費 電 力 MEMSセンサとカスタムLSI 等 を 開<br />

発 することにより 実 現 しました。<br />

応 力 発 光 体 を 用 いた 安 全 管 理 ネット<br />

ワークシステムの 創 出<br />

都 甲<br />

潔<br />

九 州 大 学 大 学 院 システム 情 報 科 学 研 究 院<br />

主 幹 教 授<br />

徐<br />

超 男<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 生 産 計 測 技 術 研 究<br />

センター 応 力 発 光 技 術 チーム 研 究 チーム 長<br />

本 研 究 では、 目 的 分 子 と 選 択 的 に 結 合 する 抗 体 及 び 鋳<br />

型 分 子 認 識 膜 を、 表 面 プラズモン 共 鳴 センサ 及 び 表 面<br />

分 極 型 センサと 組 み 合 わせ、イヌの 鼻 を 超 えるp p t<br />

(parts per trillion)レベルの 検 出 感 度 を 有 する 超 高<br />

感 度 匂 いセンサシステムを 開 発 しました。 当 センサシステ<br />

ムから 構 築 されるネットワークは、 空 港 ・ 鉄 道 等 のセキュリ<br />

ティー、 警 察 での 爆 発 物 探 知 等 への 応 用 のみならず、 食<br />

品 や 水 の 品 質 管 理 も 含 め、 安 全 ・ 安 心 な 社 会 の 実 現 に<br />

貢 献 するものです。<br />

力 学 的 エネルギーを 光 エネルギーに 変 換 し、その 微 粒 子<br />

一 つ 一 つがセンサ 素 子 として 機 能 する 応 力 発 光 体 に<br />

よって、ごく 微 細 な 異 常 を 広 範 囲 にわたって 検 出 可 能 な<br />

センサデバイスを 開 発 しました。このデバイスを 基 に、トン<br />

ネルなどの 構 造 物 に 対 するリアルタイム 応 力 異 常 検 出 ・<br />

応 力 履 歴 記 録 システムを 開 発 し、システムを 結 ぶネット<br />

ワークを 経 て 危 険 兆 候 を 包 括 的 に 早 期 検 知 する 安 全 管<br />

理 システムを 創 出 しました。<br />

66

実 世 界 検 索 に 向 けたネットワーク<br />

センシング 基 盤 ソフトウェアOSOITE<br />

戸 辺 義 人<br />

脳 に 安 全 な 情 報 環 境 をつくる<br />

ウェアラブル 基 幹 脳 機 能 統 合<br />

センシングシステム<br />

本 田<br />

東 京 電 機 大 学 未 来 科 学 部 教 授 ( 独 ) 国 立 精 神 ・ 神 経 医 療 研 究 センター 神 経<br />

研 究 所 疾 病 研 究 第 七 部 部 長<br />

学<br />

OSOITE (Overlay-network Search Oriented<br />

for Information about Town Events)は、 携 帯<br />

電 話 を 保 持 するユーザに 対 して、 平 常 時 および 非 常 時<br />

の 両 面 で「 実 世 界 検 索 」オーバーレイセンサネットワーク<br />

により 都 市 生 活 における 安 全 ・ 安 心 な 行 動 支 援 を 提 供<br />

するという 目 標 を 達 成 しました。 具 体 的 にはインフラ 固 定<br />

センサを 利 用 するだけでなく、 携 帯 電 話 を 持 ち 歩 くユーザ<br />

自 身 がセンサとなって 情 報 を 収 集 するヒューマンプロー<br />

ブを 具 現 化 し、Tomuという 異 種 データ 管 理 機 構 を 完 成<br />

させ、 群 馬 県 館 林 市 にて 実 証 しました。<br />

情 報 環 境 と 脳 との 不 適 合 によって 発 生 する 特 異 なスト<br />

レスは、 生 命 活 動 を 制 御 する 基 幹 脳 の 機 能 異 常 を 導 くこ<br />

とがPETによる 計 測 実 験 により 判 明 しており、 情 動 ・ 自<br />

律 神 経 系 や 内 分 泌 ・ 免 疫 系 の 不 調 を 介 して 様 々な 現 代<br />

病 の 原 因 となります。 本 研 究 では、 安 全 ・ 安 心 な 情 報 環<br />

境 の 創 出 に 資 するために、 多 チャンネルバイタルセンサ<br />

からのシグナルを 統 合 することにより、 小 型 軽 量 で 高 確<br />

度 なウェアラブル 基 幹 脳 機 能 センシング 技 術 を 創 成 し、<br />

日 常 生 活 空 間 で 簡 便 に 使 用 できるシステムの 実 用 化 を<br />

目 指 します。<br />

都 市 基 盤 の 災 害 事 故 リスクの 監 視 と<br />

マネジメント<br />

パラサイトヒューマンネットによる 五 感<br />

情 報 通 信 と 環 境 センシング・ 行 動 誘 導<br />

藤 野 陽 三<br />

前 田 太 郎<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授 大 阪 大 学 大 学 院 情 報 科 学 研 究 科 教 授<br />

本 研 究 は、 建 物 群 や 交 通 施 設 などの 都 市 基 盤 構 造 物<br />

にかかわるハザードと 脆 弱 性 をモニターする 広 域 センサ<br />

ネットワークを 構 築 し、 事 故 ・ 災 害 リスクを 定 量 化 ・ 可 視 化<br />

する 実 用 性 の 高 いシステムを 実 現 します。そのために、<br />

既 存 センサを 最 大 限 活 用 するだけでなく、リスクに 関 わ<br />

る 光 系 センシング 手 法 、 中 小 のハザードデータを 活 用 し<br />

たセミアクティブ 手 法 を 新 たに 開 発 し、 東 大 キャンパスに<br />

おける 実 装 や 高 速 鉄 道 における 試 行 を 通 じて、その 有<br />

効 性 を 示 します。<br />

人 間 の 感 覚 ・ 運 動 ・ 生 体 情 報 を 計 測 し 同 時 に 各 種 感 覚<br />

提 示 による 錯 覚 利 用 の 運 動 誘 導 を 可 能 にするウェアラ<br />

ブル 技 術 「パラサイトヒューマン」を 用 いて、 装 着 者 自 身<br />

をセンサとアクチュエータを 備 えた 双 方 向 機 能 ノードとし<br />

てネットに 接 続 します。これにより 五 感 情 報 通 信 による<br />

協 調 作 業 型 の 行 動 支 援 や、 少 数 装 着 者 による 群 衆 の<br />

移 動 誘 導 など、 環 境 ネット 下 での 安 全 ・ 安 心 を 実 現 する<br />

ためにより 直 観 的 で 効 果 的 な 人 間 の 環 境 情 報 の 計 測<br />

と 行 動 支 援 を 実 現 します。<br />

多 種 類 の 危 険 ・ 有 害 ガスに 対 する<br />

携 帯 型 高 感 度 ガスセンサシステム<br />

生 体 ・ 環 境 情 報 処 理 基 盤 の 開 発 と<br />

メタボリック 症 候 群 対 策 への 応 用<br />

山 中 一 司<br />

東 北 大 学 未 来 科 学 技 術 共 同 研 究 センター<br />

教 授<br />

山 田 一 郎<br />

東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

安 全 のための 重 点 課 題 として、 多 くの 種 類 の 危 険 ・ 有 害<br />

ガスを 高 感 度 で 迅 速 に 検 知 する 技 術 が 求 められていま<br />

す。 本 研 究 では、 球 の 弾 性 表 面 波 (SAW)が 平 行 ビー<br />

ムを 形 成 して 多 重 周 回 する 現 象 を 用 いて 吸 着 分 子 によ<br />

る 特 性 の 変 化 を 高 精 度 に 計 測 するボールSAWセンサ<br />

を 高 度 化 し、MEMSによるガス 分 離 カラムと 組 み 合 わ<br />

せて 環 境 中 の 多 種 類 のガスを 検 知 し、センサネットワー<br />

クに 発 信 する 携 帯 型 の 高 感 度 センサを 開 発 しました。<br />

日 常 生 活 における 生 体 ・ 環 境 情 報 を 手 軽 に 収 集 し、 客<br />

観 的 視 点 から 生 活 習 慣 を 確 認 できる 生 体 ・ 環 境 情 報 処<br />

理 基 盤 を 開 発 します。ウェアラブルセンサを 用 い、データ<br />

を 取 る・ 貯 める・ 見 るためのソフトウェア、 診 断 アルゴリズ<br />

ムなどの 基 盤 技 術 を 研 究 開 発 します。 例 として、 様 々な<br />

生 体 ・ 環 境 情 報 とメタボリック 症 候 群 の 因 果 関 係 を 理 解<br />

し、 生 活 習 慣 の 改 善 を 促 すことを 目 指 します。また 個 人<br />

に 応 じた 柔 軟 な 予 防 ・ 治 療 に 資 するヘルスケアサービス<br />

を 開 発 し、 実 証 実 験 により 有 効 性 を 検 証 します。<br />

平 成 19 年 度 採 択<br />

災 害 時 救 命 救 急 支 援 を 目 指 した<br />

人 間 情 報 センシングシステム<br />

東 野 輝 夫<br />

本 研 究 では、 地 震 や 列 車 事 故 など 短 時 間 に 多 数 の 傷<br />

病 者 が 発 生 する 事 故 現 場 において、 生 体 情 報 センサを<br />

介 して 傷 病 者 の 情 報 を 迅 速 に 収 集 すると 共 に、 無 線 ア<br />

ドホックネットワークを 用 いて 傷 病 者 の 位 置 や 病 状 変 化<br />

をリアルタイムで 監 視 ・ 収 集 し、 救 命 活 動 を 行 う 関 係 者<br />

にその 情 報 を 図 的 に 提 示 する 救 命 救 急 医 療 支 援 シス<br />

テムを 構 築 します。これにより、 救 命 救 急 の 効 率 化 とトリ<br />

アージの 高 度 化 を 実 現 します。<br />

大 阪 大 学 大 学 院 情 報 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

センシング 情 報 通 信 技 術<br />

67

情 報 システムの 超 低 消 費<br />

電 力 化 を 目 指 した<br />

技 術 革 新 と 統 合 化 技 術<br />

平 成 17 年 度 採 択 ( 研 究 終 了 ) 平 成 18 年 度 採 択 ( 研 究 終 了 )<br />

高 性 能 ・ 超 低 電 力 短 距 離 ワイヤレス<br />

可 動 情 報 システムの 創 出<br />

黒 田 忠 広<br />

しきい 値 電 圧 をプログラム 可 能 な<br />

超 低 消 費 電 力 FPGA の 開 発<br />

小 池 帆 平<br />

慶 應 義 塾 大 学 理 工 学 部 教 授 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 ナノエレクトロニクス<br />

研 究 部 門 研 究 グループ 長<br />

戦 略 目 標<br />

通 信 ・ 演 算 情 報 量 の 爆 発 的 増 大 に 備 え<br />

る 超 低 消 費 電 力 技 術 の 創 出<br />

ワイヤレスネットワーク 接 続 によるロボットや 車 、 携 帯 電<br />

話 の 可 動 情 報 システム 構 築 に 向 け、 短 距 離 データ 無 線<br />

通 信 技 術 とエネルギー 無 線 給 電 技 術 を 従 来 の1/1000<br />

の 電 力 で 実 現 しました。 具 体 的 には、チップ 間 通 信 を<br />

10Tbps/100mWで 実 現 し、 至 近 距 離 の 端 末 間 通 信<br />

を 1 0 G b p s / 8 0 m W で 、 短 距 離 の 場 合 を<br />

100Mbps/1mWでそれぞれ 実 現 しました。また、 動 き<br />

ながら 電 力 の 供 給 を 受 けることができる 給 電 シートを 従<br />

来 の1/1600の 電 力 で 実 現 しました。<br />

スーパーコンピュータから 情 報 家 電 まで 幅 広 い 分 野 での<br />

活 用 が 増 えてきたプログラム 可 能 論 理 素 子 F P G A<br />

(Field Programmable Gate Array)において、 深<br />

刻 な 問 題 となる 漏 れ 電 流 による 消 費 電 力 の 増 大 を 防 ぐ<br />

技 術 として、トランジスタのしきい 値 電 圧 をきめ 細 かくプロ<br />

グラム 可 能 とした 超 低 消 費 電 力 FPGA「Flex Powe<br />

FPGA」の 研 究 開 発 を 行 ない、 試 作 チップとソフトウェア<br />

ツールの 開 発 と 改 良 により、 概 念 と 基 本 性 能 の 実 証 に<br />

成 功 しました。<br />

研 究 総 括<br />

南 谷 崇<br />

キヤノン( 株 ) 顧 問<br />

本 研 究 領 域 は、 情 報 通 信 システム・ネットワーク<br />

において、 回 路 ・デバイス、アーキテクチャ、システ<br />

ム・ソフトウェア、アルゴリズム・プロトコル、 応 用 ・<br />

サービスにおける 革 新 的 要 素 技 術 の 階 層 統 合 的<br />

な 管 理 、 制 御 によって 既 存 技 術 による 低 消 費 電 力<br />

化 の 限 界 を 打 破 する 研 究 を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、 動 的 電 圧 制 御 技 術 、 適 応 的 エネ<br />

ルギー 管 理 技 術 、 動 的 再 構 成 アーキテクチャ、 省<br />

電 力 ネットワークアーキテクチャ、 省 電 力 アルゴリ<br />

ズム、 並 列 処 理 言 語 ・コンパイラ 技 術 等 の 個 別 要<br />

素 技 術 において 飛 躍 的 な 高 性 能 化 ・ 高 信 頼 化 と<br />

低 消 費 電 力 化 を 実 現 する 研 究 、 各 階 層 の 要 素 技<br />

術 の 統 合 的 管 理 によってシステムの 超 低 消 費 電<br />

力 化 にブレークスルーをもたらす 研 究 、さらには 抜<br />

本 的 な 超 低 消 費 電 力 化 を 可 能 にする 新 しい 原 理<br />

に 基 づくハードウェアおよびソフトウェア 基 盤 技 術<br />

の 創 出 を 目 指 す 研 究 が 含 まれます。<br />

極 限 ゲート 構 造 による<br />

システムディスプレイの 超 低 消 費 電 力 化<br />

小 林<br />

光<br />

シリコン 低 温 酸 化 法 「 硝 酸 酸 化 法 」を 活 用 して、ディスプ<br />

レイの 駆 動 に 用 いる 薄 膜 トランジスタ(TFT)を 超 低 消<br />

費 電 力 化 しました。 新 酸 化 法 で 形 成 する 酸 化 膜 は、 従<br />

来 法 に 比 べて 格 段 に 良 質 であるため 薄 膜 化 が 可 能 で、<br />

TFTの 消 費 電 力 を 従 来 の1/225 以 下 にすることができ<br />

ました。また、 極 限 ゲート 構 造 TFT の 創 製 とこれを 用 い<br />

た 新 回 路 技 術 ・アーキテクチャーの 開 発 により、システム<br />

ディスプレーの 消 費 電 力 をさらに1/9~1/50 以 下 にす<br />

ることにより、 合 わせて1/2000~1/10、000に 低 減 で<br />

きました。<br />

超 低 消 費 電 力 光 ルーティングネット<br />

ワーク 構 成 技 術<br />

超 低 消 費 電 力 メデイア 処 理 SoCの<br />

研 究<br />

後 藤<br />

大 阪 大 学 産 業 科 学 研 究 所 教 授 早 稲 田 大 学 大 学 院 情 報 生 産 システム 研 究 科<br />

教 授<br />

敏<br />

動 画 像 、 静 止 画 、 音 声 、テキスト 等 のマルチメデイア 情<br />

報 を 送 受 信 するシステムにおいて、1)メデイア 情 報 の 重<br />

要 度 に 応 じて 暗 号 強 度 や 誤 り 訂 正 能 力 を 最 適 に 制 御<br />

する 方 式 、2) 画 像 処 理 、 暗 号 処 理 、 誤 り 訂 正 の 各 方 式<br />

の 超 低 演 算 化 と 低 メモリアクセス 方 式 を 実 現 するアルゴ<br />

リズムとアーキテクチャとそのLSI 化 、3)フロアプランと<br />

一 体 化 した 自 動 高 位 合 成 システムとコンフィギャラブル<br />

プロセッサ、の 研 究 に 取 り 組 み、 開 発 に 成 功 し、 従 来 比<br />

で 約 1/100の 消 費 電 力 化 を 行 い、 当 初 の 目 標 をほぼ 達<br />

成 しました。<br />

単 一 磁 束 量 子 回 路 による 再 構 成 可 能<br />

な 低 電 力 高 性 能 プロセッサ<br />

領 域 アドバイザー<br />

石 橋 孝 一 郎 電 気 通 信 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

岩 野 和 生 三 菱 商 事 株 式 会 社 ビジネスサービス 部 門<br />

顧 問<br />

河 辺 峻 明 星 大 学 情 報 学 部 情 報 学 科 教 授<br />

中 島 浩 京 都 大 学 学 術 情 報 メディアセンター<br />

センター 長 / 教 授<br />

古 山 透 ( 株 ) 東 芝 セミコンダクター 社 理 事<br />

三 浦 謙 一 情 報 ・システム 研 究 機 構 国 立 情 報 学 研 究 所<br />

アーキテクチャ 科 学 研 究 系 特 任 教 授<br />

安 浦 寛 人 九 州 大 学 理 事 ・ 副 学 長<br />

佐 藤 健 一<br />

将 来 のブロードバンドサービスを 国 民 が 広 く 享 受 するに<br />

は、 通 信 ネットワークの 高 性 能 化 とともに、ネットワーク 全<br />

体 の 低 消 費 電 力 化 が 必 須 の 課 題 です。 光 領 域 での 波<br />

長 ルーティングを 利 用 するフォトニックネットワーク 技 術<br />

は、 通 信 量 の 急 速 な 増 大 に 対 応 する 高 速 広 帯 域 化 とと<br />

もに、 装 置 の 電 力 消 費 を 劇 的 に 低 減 する 可 能 性 を 秘 め<br />

ています。 本 研 究 では、 低 消 費 電 力 化 の 観 点 から 総 合<br />

的 に 最 適 化 された 超 低 消 費 電 力 フォトニックネットワーク<br />

の 開 発 に 成 功 しました。<br />

高 木 直 史<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授 京 都 大 学 大 学 院 情 報 学 研 究 科 教 授<br />

超 伝 導 単 一 磁 束 量 子 回 路 による 再 構 成 可 能 な 大 規 模<br />

データパスを 有 するプロセッサの 研 究 を 行 い、10テラフ<br />

ロップス 程 度 の 計 算 能 力 をもち、デスクサイドに 設 置 可<br />

能 なコンピュータを、 現 在 の 技 術 を 用 いる 場 合 に 比 べ 約<br />

100 分 の1の 消 費 電 力 で 実 現 するための 基 盤 技 術 を 確<br />

立 します。<br />

ソフトウェアとハードウェアの 協 調 による<br />

組 込 みシステムの 消 費 エネルギー<br />

最 適 化<br />

高 田 広 章<br />

革 新 的 電 源 制 御 による<br />

次 世 代 超 低 電 力 高 性 能 システムLSI<br />

の 研 究<br />

中 村 宏<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 情 報 科 学 研 究 科 教 授 東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

情 報 家 電 や 情 報 携 帯 端 末 などの 組 込 みシステムを 対 象<br />

として、サービス 品 質 を 保 証 しつつ 消 費 エネルギーを 最<br />

小 化 するために 、D E P S( D y n a m i c E n e r g y<br />

Performance Scaling)の 枠 組 みを 提 案 し、それを 実<br />

現 するための 技 術 として、マルチパフォーマンスプロセッ<br />

サ、ULPソフトウェア 開 発 環 境 、ULPリアルタイムOSを<br />

開 発 しました。また、 省 電 力 ソフトウェア 設 計 技 術 の 研 究<br />

開 発 も 行 い、 低 消 費 エネルギーに 関 するアルゴリズムの<br />

基 礎 理 論 を 提 示 するなどの 成 果 をあげました。<br />

高 性 能 なシステムLSI は 高 度 情 報 化 社 会 を 支 える 基 盤<br />

として 広 く 利 用 されています。 本 研 究 では、 回 路 実 装 、<br />

アーキテクチャ・コンパイラ、システムソフトウェアの 各 階<br />

層 が 真 に 連 携 ・ 協 調 し、 革 新 的 な 電 源 制 御 を 行 うことで<br />

システムLSIの 低 消 費 電 力 化 を 実 現 しました。 具 体 的 に<br />

は、 細 粒 度 パワーゲーティングを 実 現 するマイクロプロ<br />

セッサと 電 力 効 率 アクセラレータを 開 発 し、 性 能 あたりの<br />

消 費 電 力 を1/100に 低 減 することに 成 功 しました。<br />

68

平 成 19 年 度 採 択<br />

環 境 知 能 実 現 を 目 指 す<br />

超 低 消 費 電 力 化 統 合 システムの 研 究<br />

開 発<br />

市 川 晴 久<br />

電 気 通 信 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

超 低 消 費 電 力 化 (ULP) 技 術 の 戦 略 具 体 化 を 狙 いとし、<br />

実 世 界 の 事 象 をリアルタイムに 認 識 、 情 報 化 する 環 境<br />

知 能 空 間 のユビキタスな 実 現 を 目 指 す 研 究 開 発 を 実 施<br />

します。 環 境 知 能 ワイヤレス 端 末 の 遍 在 に 必 要 なULP<br />

技 術 を 研 究 開 発 し、 他 のULP 技 術 やポストIPを 目 指 す<br />

ユビキタスネットワーク 技 術 と 連 携 、 統 合 し、さらには 公<br />

開 実 験 を 行 い、 豊 かな 生 活 空 間 実 現 と 産 業 技 術 競 争<br />

力 強 化 の 戦 略 を 提 示 し、その 実 現 性 を 示 します。<br />

超 低 消 費 電 力 化<br />

データ 駆 動 ネットワーキングシステム<br />

西 川 博 昭<br />

筑 波 大 学 システム 情 報 系<br />

教 授<br />

本 研 究 は、 今 後 のネットワーキング 環 境 を、 現 在 の100<br />

分 の1から1000 分 の1の 超 低 消 費 電 力 により 実 現 でき<br />

るデータ 駆 動 ネットワーキングシステムの 開 発 を 目 的 とし<br />

ています。 本 研 究 では、 自 己 同 期 型 エラスティックパイプ<br />

ラインによるデータ 駆 動 チップマルチプロセッサを 用 いた<br />

プラットフォームとアドホックネットワーク 技 術 に 基 づくネッ<br />

トワーキング 方 式 を、 受 動 的 なデータ 駆 動 原 理 を 徹 底 し<br />

て 実 現 し、 低 消 費 電 力 化 を 図 ります。<br />

ULPユビキタスセンサのITシステム<br />

電 力 最 適 化 制 御 への 応 用<br />

前 田 龍 太 郎<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 集 積 マイクロ<br />

システム 研 究 センター 研 究 センター 長<br />

IT 機 器 の 普 及 に 伴 い、 家 庭 やオフィス、サーバーを 管 理<br />

するデータセンタの 消 費 電 力 が 爆 発 的 に 増 加 していま<br />

す。 本 提 案 では 超 低 消 費 電 力 ユビキタスセンサを 開 発<br />

することにより、IT 機 器 の 消 費 電 力 の 測 定 ・ 可 視 化 を 図<br />

ります。この 指 標 をもとに、 消 費 電 力 を 最 適 化 するデータ<br />

センタ 運 用 管 理 システムを 開 発 します。さらに 省 エネ 型<br />

IT 機 器 の 効 果 検 証 、エアコン 等 の 機 器 冷 却 システムを<br />

含 むIT 機 器 の 消 費 電 力 最 適 化 の 社 会 実 験 を 通 じて、 情<br />

報 システムの 低 消 費 電 力 化 技 術 を 確 立 します。<br />

ULP-HPC: 次 世 代 テクノロジの<br />

モデル 化 ・ 最 適 化 による 超 低 消 費 電 力<br />

ハイパフォーマンスコンピューティング<br />

松 岡<br />

聡<br />

東 京 工 業 大 学 学 術 国 際 情 報 センター<br />

教 授<br />

HPC( 高 性 能 計 算 )の 重 要 性 は 強 く 認 識 されていますが、 処 理 能<br />

力 の 向 上 と 引 換 えの 電 力 消 費 の 急 速 な 増 大 が 危 機 的 状 況 です。<br />

本 研 究 では10 年 後 にHPCの 性 能 電 力 効 率 を 現 状 の1000 倍 と<br />

する 目 標 を 掲 げるULP-HPC(Ultra Low Power HPC)を 提<br />

案 し、(1) 数 理 的 な 新 手 法 に 基 づいた 性 能 モデル・ 省 電 力 の 自<br />

律 自 動 最 適 化 (チューニング) 技 法 を (2) 超 マルチコア・ベクトル<br />

アクセラレータ・ 次 世 代 省 電 力 メモリ・ 省 電 力 高 性 能 ネットワーク<br />

等 のハードウェア 基 盤 、 仮 想 機 械 やスケジュラなどのソフトウェア<br />

基 盤 ・ 冷 却 や 電 源 などの 設 備 基 盤 などを 融 合 的 に 活 用 する、 新 し<br />

いHPC 向 けの 超 省 電 力 化 基 盤 の 開 発 を 行 い、(3) 我 国 No.1ス<br />

パコンの 東 工 大 TSUBAME(100 TFlops 級 ) 上 に (2)の 要 素<br />

を 研 究 基 盤 として 追 加 し、(4) 実 際 の 大 規 模 HPCアプリケー<br />

ションをベースに 超 省 電 力 向 けアルゴリズムを 開 発 し、 上 記 の 目 標<br />

を 達 成 します。これで10 年 後 にはTSUBAMEがデスクサイドPC<br />

級 になり、 大 いに 科 学 技 術 の 発 展 に 貢 献 します。<br />

ULP 情 報 通 信 技 術<br />

69

マルチスケール・マルチ<br />

フィジックス 現 象 の 統 合<br />

シミュレーション<br />

平 成 17 年 度 採 択 ( 研 究 終 了 )<br />

ナノ・メゾ・マイクロの 複 雑 固 液 界 面<br />

の 大 規 模 数 値 解 析<br />

尾 形 修 司<br />

災 害 予 測 シミュレーションの 高 度 化<br />

高 橋 桂 子<br />

名 古 屋 工 業 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授 ( 独 ) 海 洋 研 究 開 発 機 構 地 球 シミュレータセン<br />

ター プログラムディレクター<br />

戦 略 目 標<br />

次 世 代 高 精 度 ・ 高 分 解 能 シミュレーション<br />

技 術 の 開 発<br />

排 気 ガス 触 媒 コンバーターやMEMS 等 に 見 られる、 複 雑<br />

( 多 孔 質 、 微 細 加 工 、 応 力 集 中 、 超 薄 膜 を 含 む) 固 体 と<br />

液 体 / 気 体 との 間 の、ナノメートルからマイクロメートルを<br />

超 える 規 模 のワイドレンジな 動 的 界 面 現 象 や 輸 送 現 象<br />

への 直 接 的 応 用 を 目 指 し、 電 子 状 態 計 算 から 流 体 計 算<br />

( 粗 視 化 を 含 む)までの 様 々な 計 算 手 法 を 適 切 に 組 み 合<br />

わせたハイブリッドコードのセットを 開 発 した。また、 大 規<br />

模 グリッド 計 算 環 境 での 長 時 間 連 続 運 用 にむけた 世 界<br />

最 大 規 模 の 実 験 を 行 った。<br />

台 風 や 集 中 豪 雨 などの 災 害 を 精 度 よく 予 測 するために、<br />

地 球 シミュレータ 上 で 超 大 規 模 かつ 超 高 速 な、 全 球 から<br />

都 市 までを 総 合 的 に 扱 えるシミュレーションコードを 開 発<br />

した。 予 測 精 度 を 向 上 するために、 実 験 室 における 実 験<br />

結 果 を 基 盤 にした 新 たな 高 精 度 計 算 スキーム、 乱 流 雲<br />

モデル、 大 気 海 洋 相 互 作 用 モデルを 開 発 し、それらが 予<br />

測 精 度 に 大 きな 影 響 を 与 えることを 明 らかにした。<br />

研 究 総 括<br />

矢 川 元 基<br />

東 洋 大 学<br />

教 授<br />

本 研 究 領 域 は、 世 界 最 先 端 レベルの 超 高 速 ・<br />

大 容 量 計 算 機 環 境 と 精 緻 なモデル 化 ・ 統 合 化 に<br />

よって、 複 数 の 現 象 が 相 互 に 影 響 しあうようなマル<br />

チスケール・マルチフィジックス 現 象 の 高 精 度 且 つ<br />

高 分 解 能 の 解 を 求 めることを 研 究 の 対 象 とします。<br />

具 体 的 には、 地 球 環 境 変 動 、 異 常 気 象 、および<br />

それに 起 因 する 災 害 予 測 、 人 工 物 の 安 全 性 ・ 健 全<br />

性 の 評 価 、 複 雑 な 工 業 製 品 の 設 計 ・ 試 作 、ナノレ<br />

ベルの 材 料 挙 動 、 生 体 内 たんぱく 質 構 造 と 生 体<br />

内 薬 物 動 態 など、 支 配 因 子 が 未 知 あるいは 不 確<br />

定 性 を 含 む 現 象 やスケールが 極 度 に 異 なる 現 象<br />

等 のモデル 化 の 研 究 、そのようなモデルの 統 合 数<br />

値 解 析 手 法 の 研 究 、モデルや 入 力 データの 妥 当<br />

性 ・ 結 果 の 信 頼 性 の 評 価 方 法 の 研 究 などが 含 ま<br />

れます。<br />

計 算 量 子 科 学 による<br />

ナノアーキテクチャ 構 築<br />

押 山<br />

淳<br />

本 研 究 課 題 においては、 密 度 汎 関 数 理 論 に 基 づく、 実<br />

空 間 電 子 状 態 計 算 手 法 の 開 発 を、 計 算 物 質 科 学 のグ<br />

ループとコンピュータサイエンスのグループとの 密 な 共 同<br />

によって 遂 行 し、 研 究 課 題 スタート 時 の 量 子 論 的 シミュ<br />

レーション 手 法 を 格 段 に 改 善 し、1 万 ~2 万 原 子 群 のナ<br />

ノ・バイオ 物 質 に 対 する 量 子 論 的 シミュレーション 技 法 を<br />

確 立 しました。それにより、シリコンナノドット、ナノワイ<br />

ヤー、 炭 素 ナノ 物 質 などをふくむ、 多 くのナノ 構 造 に 対 し<br />

て、 量 子 論 の 第 一 原 理 に 立 脚 した、 物 性 ・ 機 能 の 解 明 と<br />

予 測 を 行 いました。<br />

生 体 系 の 高 精 度 計 算 に 適 した 階 層 的<br />

量 子 化 学 計 算 システムの 構 築<br />

天 能 精 一 郎<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授 神 戸 大 学 大 学 院 システム 情 報 学 研 究 科<br />

教 授<br />

高 精 度 分 子 軌 道 理 論 から 出 発 して、 量 子 力 学 的 階 層<br />

構 造 (QM/QM)と 分 子 力 学 的 階 層 構 造 (QM/MM)<br />

を 併 せ 持 つ 生 体 系 のための 計 算 手 法 をボトムアップ 的<br />

に 構 築 した。 低 スケーリングと 新 規 波 動 関 数 研 究 に 裏<br />

付 けられた 高 精 度 で 機 動 力 あふれるシミュレーション 技<br />

術 と、それに 伴 う 新 規 物 性 の 開 拓 により、 生 体 環 境 下 の<br />

電 子 状 態 、 動 力 学 、 物 性 検 証 までの 分 野 横 断 的 研 究 を<br />

可 能 とし、 次 世 代 の 科 学 技 術 の 基 盤 の 提 供 を 行 った。<br />

領 域 アドバイザー<br />

戎 崎 俊 一 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 計 算 宇 宙 物 理 研 究 室 室 長<br />

遠 藤 守 信 信 州 大 学 工 学 部 教 授<br />

岡 本 祐 幸 名 古 屋 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

佐 藤 哲 也 兵 庫 県 立 大 学 大 学 院 シミュレーション 学 研 究 科<br />

研 究 科 長 ・ 教 授<br />

萩 原 一 郎 明 治 大 学 研 究 知 財 戦 略 機 構<br />

先 端 数 理 科 学 インスティテュート 副 所 長 ・ 特 任 教 授<br />

久 田 俊 明 東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科 教 授<br />

平 田 文 男 立 命 館 大 学 生 命 科 学 部 教 授<br />

藤 谷 徳 之 助 ( 財 ) 日 本 気 象 協 会 顧 問<br />

渡 辺 貞 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 次 世 代 スーパーコンピュータ<br />

開 発 実 施 本 部 プロジェクトリーダー<br />

全 球 雲 解 像 大 気 モデルの 熱 帯 気 象<br />

予 測 への 実 利 用 化 に 関 する 研 究<br />

佐 藤 正 樹<br />

( 独 ) 海 洋 研 究 開 発 機 構 地 球 環 境 変 動 領 域<br />

チームリーダー<br />

地 球 シミュレータの 性 能 を 十 分 に 生 かすことにより、 地 球<br />

全 体 の 大 気 を3.5kmの 水 平 メッシュで 解 像 する「 全 球<br />

雲 解 像 モデル」による 計 算 が 可 能 になりました。これによ<br />

り、 従 来 の 気 象 予 測 の 精 度 向 上 のための 障 害 となって<br />

いた 熱 帯 域 の 水 平 スケール 数 kmの 雲 降 水 システムを<br />

容 易 に 計 算 できるようになりました。 本 研 究 では、 全 球 雲<br />

解 像 モデルを 用 いてマッデンジュリアン 振 動 や 熱 帯 低 気<br />

圧 などの 熱 帯 の 雲 降 水 系 のマルチスケール 構 造 を 現 実<br />

的 に 再 現 することに 成 功 しました。 今 後 、 全 球 雲 解 像 モ<br />

デルは、 実 際 の 気 象 予 測 や 気 候 予 測 に 重 要 な 役 割 を 果<br />

たしていくことが 期 待 できます。<br />

ナノバイオ 系 の<br />

シミュレーションとダイナミクス<br />

平 尾 公 彦<br />

( 独 ) 理 科 学 研 究 所 基 幹 研 究 所 次 世 代 分 子<br />

理 論 特 別 研 究 ユニット 特 任 顧 問<br />

次 世 代 スーパーコンピュータ「 京 」をはじめとする 著 しい 計<br />

算 性 能 の 向 上 により、ナノバイオ 系 のシミュレーションによ<br />

る 機 能 解 明 や 材 料 設 計 すら 理 論 化 学 の 対 象 になってきま<br />

した。しかし、ナノバイオ 系 への 本 格 的 な 展 開 には、 理 論 や<br />

計 算 ソフトウェアの 整 備 がまだ 十 分 とはいえません。 本 研 究<br />

では、ナノバイオ 系 への 展 開 を 念 頭 に 置 いた 電 子 状 態 理<br />

論 やダイナミクス 理 論 から 構 成 される 次 世 代 分 子 理 論 や、<br />

次 世 代 スーパーコンピュータ 上 での 運 用 のための 高 速 分<br />

子 計 算 ソフトウェアを 開 発 しました。これらの 理 論 と 計 算 ソフ<br />

トウェアにより、 数 千 原 子 を 超 えるナノバイオ 系 の 定 量 的 な<br />

計 算 やシミュレーションが 可 能 になり、 理 論 的 な 生 体 機 能<br />

解 明 やナノ 材 料 設 計 に 向 けて 大 きく 進 展 させることに 成 功<br />

しました。<br />

QM(MRSCI+DFT)/MM 法 による<br />

生 体 電 子 伝 達 メカニズムの<br />

理 論 的 研 究<br />

高 田 俊 和<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 次 世 代 計 算 科 学 研 究 開 発<br />

プログラム コーディネーター<br />

エネルギー・ 環 境 問 題 の 克 服 に 向 けて、 生 体 に 学 ぶもの<br />

づくりが 提 唱 され 始 めています。 生 体 で 起 きている 精 緻<br />

な 化 学 現 象 をヒントに、 安 全 で 効 率 的 な 物 資 生 産 の 技<br />

術 を 構 築 するのが、その 狙 いです。 本 研 究 では、 生 体 の<br />

電 子 伝 達 メカニズムの 解 明 に 資 するための、 生 体 分 子<br />

シミュレーション 手 法 とプログラムを 開 発 します。また、 太<br />

陽 エネルギーの 将 来 的 活 用 を 目 指 して、 光 合 成 初 期 過<br />

程 における 電 荷 分 離 プロセスの 高 効 率 なエネルギー 変<br />

換 の 謎 を 探 ります。<br />

観 測 ・ 計 算 を 融 合 した 階 層 連 結 地 震 ・<br />

津 波 災 害 予 測 システム<br />

松 浦 充 宏<br />

統 計 数 理 研 究 所 予 測 発 見 戦 略 研 究 センター<br />

特 任 教 授<br />

プレートの 沈 み 込 み 帯 に 位 置 する 我 が 国 の 地 震 ・ 津 波<br />

災 害 の 軽 減 に 資 するために、プレート 運 動 による 地 殻 応<br />

力 の 蓄 積 を 経 て 大 地 震 が 発 生 し、 地 震 波 が 構 造 物 を 揺<br />

らし、 津 波 が 海 岸 部 を 襲 うまでの 一 連 の 過 程 を 再 現 ・ 予<br />

測 する 観 測 ・ 計 算 融 合 の 階 層 連 結 型 高 精 度 シミュレー<br />

ションシステムを 世 界 に 先 駆 けて 開 発 した。<br />

70

平 成 18 年 度 採 択 ( 研 究 終 了 )<br />

凝 集 反 応 系 マルチスケールシミュレーション<br />

の 研 究 開 発 ― 大 規 模 原 子 情 報 の 疎 視 化 ・<br />

再 構 成 技 法 ・ 疎 視 的 理 論 の 開 発 ―<br />

長 岡 正 隆<br />

複 雑 分 子 系 の<br />

複 合 分 子 理 論 シミュレーション<br />

諸 熊 奎 治<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 情 報 科 学 研 究 科 教 授 京 都 大 学 福 井 謙 一 記 念 研 究 センター<br />

リサーチリーダー<br />

高 精 度 多 体 多 階 層 物 質 シミュレーション<br />

今 田 正 俊<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

溶 液 、 表 面 、 生 体 高 分 子 の 非 経 験 的 分 子 動 力 学<br />

(MD)シミュレーションで 得 た 原 子 情 報 を 疎 視 化 ・ 再 構<br />

成 する 凝 集 反 応 系 マルチスケールシミュレーションを 実<br />

現 しました。 具 体 的 には、1) 疎 視 化 技 法 と 疎 視 化 発 展<br />

方 程 式 、2) 最 大 エントロピー 原 理 等 による 非 定 常 状 態<br />

の 再 構 成 技 法 、3) 分 子 軌 道 法 とMD 法 とを 繋 ぐQM/<br />

M Mインターフェース( A m b e r - G a u s s i a n - I Fと<br />

Amber-Paics-IF)を 研 究 開 発 し、 最 終 的 には 個 別 事<br />

例 に 適 用 して、 凝 集 反 応 系 マルチスケールシミュレー<br />

ション 実 用 化 基 盤 を 確 立 しました。<br />

本 研 究 では、 既 に 代 表 ・ 共 同 研 究 者 たちによって 開 発 さ<br />

れた 多 層 ハイブリッド 理 論 (ONIOM 法 )、RISM-SCF<br />

理 論 、その 他 の 複 合 分 子 理 論 をさらに 大 きく 発 展 させ、<br />

これらの 方 法 を 用 いてナノシステム、 生 命 分 子 系 、 並 び<br />

に 溶 液 系 など 複 雑 分 子 系 の 構 造 、 反 応 、ダイナミックス<br />

などのシミュレーションを 行 うことが 可 能 であることを 示 す<br />

とともに、これらの 分 野 でのいくつかの 重 要 な 問 題 の 理<br />

論 的 解 明 を 達 成 しました。<br />

密 度 汎 関 数 法 と 強 相 関 電 子 理 論 に 立 脚 し、 電 子 間 クー<br />

ロン 相 互 作 用 を 精 緻 に 取 り 扱 って、 第 一 原 理 による 高<br />

精 度 物 質 シミュレーション 法 を 革 新 します。 運 動 エネル<br />

ギーと 相 互 作 用 の 競 合 が 生 み 出 すマルチエネルギース<br />

ケールの 階 層 構 造 と 多 様 物 性 の 解 明 を 進 め、 半 導 体 エ<br />

レクトロニクスを 基 礎 付 けた「 一 体 近 似 」 手 法 に 代 わっ<br />

て、 多 体 電 子 相 関 の 生 む「 巨 視 量 子 的 集 団 挙 動 」や<br />

「 巨 大 応 答 」を 扱 う 量 子 シミュレーション 技 術 を 確 立 しま<br />

す。<br />

海 洋 循 環 のスケール 間 相 互 作 用 と<br />

大 規 模 変 動<br />

海 洋 生 態 系 将 来 予 測 のための<br />

海 洋 環 境 シミュレーション 研 究<br />

惑 星 間 航 行 システム 開 発 に 向 けた<br />

マルチスケール 粒 子 シミュレーション<br />

羽 角 博 康<br />

山 中 康 裕<br />

東 京 大 学 大 気 海 洋 研 究 所 准 教 授 北 海 道 大 学 大 学 院 地 球 環 境 科 学 研 究 院<br />

教 授<br />

臼 井 英 之<br />

神 戸 大 学 大 学 院 システム 情 報 学 研 究 科<br />

教 授<br />

海 洋 の 中 ・ 深 層 水 の 形 成 ・ 変 質 ・ 輸 送 過 程 に 関 して、 微<br />

小 プロセスから 全 球 大 循 環 までの 様 々なスケールごとの<br />

シミュレーションとそれらの 相 互 作 用 のシミュレーションを<br />

行 い、 中 ・ 深 層 循 環 をコントロールする 物 理 的 メカニズム<br />

を 明 らかにしました。その 理 解 に 基 づき、 様 々な 気 候 変<br />

動 がもたらす 海 洋 の 大 規 模 変 動 や、それが 沿 岸 海 況 等<br />

の 局 所 的 現 象 に 及 ぼす 影 響 を 評 価 するための、 効 果 的<br />

かつ 効 率 的 なモデリング 手 法 を 確 立 しました。<br />

地 球 温 暖 化 や 海 洋 酸 性 化 による 海<br />

洋 生 態 系 や 水 産 資 源 への 影 響 など<br />

の 将 来 予 測 のために、 海 洋 環 境 シミュ<br />

レーション 研 究 を 行 います。 人 間 活 動<br />

に 伴 い 放 出 されたC O 2は、 大 気 中<br />

CO2 濃 度 を 上 昇 させ 地 球 温 暖 化 を 引 き 起 こすとともに、<br />

海 洋 によって 吸 収 され 海 洋 酸 性 化 を 引 き 起 こし、 海 洋<br />

生 態 系 などに 影 響 を 与 えると 予 想 されています。その 基<br />

盤 技 術 となる 海 洋 科 学 の 各 分 野 でのモデルを 統 合 した<br />

海 洋 環 境 シミュレーション 技 術 を 開 発 しました。<br />

新 しい 惑 星 間 宇 宙 航 行 システムである 磁 気 プラズマセ<br />

イルの 基 本 原 理 や 推 力 性 能 の 評 価 には、 太 陽 風 プラズ<br />

マ、 小 規 模 人 工 磁 気 圏 、 衛 星 、 局 所 的 プラズマ 噴 射 とい<br />

うマルチスケールな 事 象 の 相 互 作 用 をプラズマ 運 動 論<br />

効 果 を 含 めて 再 現 する 必 要 があります。このため、 本 研<br />

究 では、 数 値 流 体 で 用 いられる 局 所 細 分 化 適 合 格 子 法<br />

(AMR)とプラズマ 粒 子 法 (PIC)を 融 合 させ 新 しいマル<br />

チスケール 粒 子 シミュレーション 手 法 の 基 盤 を 確 立 しま<br />

す。<br />

超 伝 導 新 奇 応 用 のためのマルチス<br />

ケール・マルチフィジックスシミュレー<br />

ションの 基 盤 構 築<br />

町 田 昌 彦<br />

( 独 ) 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 システム 計 算<br />

科 学 センター 研 究 主 幹<br />

ソフトマターの 多 階 層 / 相 互 接 続 シミュ<br />

レーション<br />

山 本 量 一<br />

バイオ 分 子 間 相 互 作 用 形 態 の 階 層 的<br />

モデリング<br />

北 尾 彰 朗<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授 東 京 大 学 分 子 細 胞 生 物 学 研 究 所 准 教 授<br />

本 研 究 課 題 では、 超 伝 導 現 象 を 対 象 として、 基 礎 物 性 の 解 明 やその 応 用<br />

を 目 指 すため、 必 要 となるシミュレーション 研 究 の 基 盤 を 構 築 する 研 究 開 発<br />

を 実 施 しました。 具 体 的 には、 物 性 物 理 学 上 の 困 難 な 課 題 となっている 電<br />

子 の 強 相 関 由 来 の 超 伝 導 ( 超 流 動 ) 発 現 機 構 を 調 べるため、 行 列 の 対 角<br />

化 ルーチンや 密 度 行 列 繰 り 込 み 群 法 、 量 子 モンテカルロ 等 の 超 並 列 プロ<br />

グラムを 開 発 し、 従 来 にない 規 模 で 大 規 模 シミュレーションが 行 える 体 制 を<br />

整 えました。 特 に、 行 列 の 対 角 化 については、スパコン「 京 」 上 でも 高 速 動<br />

作 するソルバーを 開 発 し 公 開 する 予 定 です。また、 室 温 超 伝 導 が 実 現 可<br />

能 かどうか 調 べるため、 原 子 ガスという 理 論 的 に 等 価 な 系 を 調 べ、 室 温 で<br />

の 超 伝 導 が 示 す 性 質 の 予 測 に 成 功 しました。 更 に、 超 伝 導 を 応 用 した 量<br />

子 デバイス、テラヘルツ・レーザー、 高 精 度 放 射 線 検 出 器 等 の 研 究 開 発<br />

に 資 するための 並 列 プログラムを 整 備 しました。 特 に、 高 温 超 伝 導 体 を 利<br />

用 したテラヘルツレーザーの 研 究 では、デバイス 内 外 の 全 くスケールの 異<br />

なる 系 をも 取 り 扱 えるマルチシミュレーション 技 術 を 開 発 しました。<br />

高 分 子 や 固 体 粒 子 を 含 んだ 複 雑 な 物 質 (ソフトマター)<br />

は 機 能 性 材 料 として 重 要 ですが、 性 質 を 理 論 的 に 予 測<br />

することは 大 変 困 難 です。この 問 題 を 解 決 するために、ミ<br />

クロ 階 層 ( 原 子 ・ 分 子 )・メソ 階 層 ( 濃 度 分 布 や 界 面 な<br />

ど)・マクロ 階 層 ( 材 料 の 形 や 製 造 プロセスなど)が 物 理<br />

的 に 矛 盾 なく 相 互 に 影 響 し 合 う 画 期 的 な 多 階 層 / 相 互<br />

接 続 シミュレーション 手 法 を 確 立 し、 材 料 ・プロセス 設 計<br />

用 いることが 出 来 るプログラムを 公 開 しました。<br />

バイオ 分 子 複 合 体 立 体 構 造 を 予 測 して 作 用 機 構 を 解<br />

明 するための 統 合 シミュレーションシステムを 構 築 します。<br />

粗 視 化 モデルから 高 精 度 モデルへ 移 行 していく 新 しい<br />

階 層 的 シミュレーション 技 法 の 開 発 を 行 い、 粗 視 化 レベ<br />

ルで 発 生 させる 大 量 の 複 合 体 立 体 構 造 の 候 補 から 可<br />

能 性 の 高 い 候 補 を 絞 り 込 んで 少 数 候 補 を 高 精 度 に 評<br />

価 することで、 蛋 白 質 と 低 分 子 化 合 物 、 蛋 白 質 と 蛋 白 質<br />

の 分 子 間 相 互 作 用 形 態 モデリングを 効 果 的 ・ 高 精 度 に<br />

実 現 します。<br />

DDSシミュレータの 研 究 開 発<br />

三 上 益 弘<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 ナノシステム 研 究<br />

部 門 主 任 研 究 員<br />

本 研 究 では、リポソームと 糖 鎖 からなる 能 動 的 標 的 指 向<br />

性 DDSを 対 象 にしたマルチスケールシミュレーション 技<br />

術 を 開 発 しました。フラグメント 分 子 軌 道 法 ・ 分 子 シミュ<br />

レーション・ 流 体 力 学 に 基 づいた 本 方 法 は、DDSの 開<br />

発 で 重 要 な(1)DDSナノ 粒 子 設 計 、(2)レクチンと 糖 鎖<br />

との 分 子 間 相 互 作 用 解 析 、(3) 血 管 内 におけるDDSナ<br />

ノ 粒 子 の 流 動 解 析 を 可 能 にしました。また、これらのシ<br />

ミュレーション 技 術 を 統 合 してDDSシミュレータを 開 発 し、<br />

DDS 設 計 の 基 盤 を 提 供 しました。<br />

平 成 19 年 度 採 択 ( 研 究 終 了 )<br />

大 規 模 系 への 超 高 精 度 O(N)<br />

演 算 法 とナノ・バイオ 材 料 設 計<br />

青 木 百 合 子<br />

九 州 大 学 大 学 院 総 合 理 工 学 研 究 院<br />

エネルギー 物 質 科 学 部 門 教 授<br />

理 論 計 算 によるミクロな 視 点 からの 材 料 設 計 を 実 現 す<br />

るため、 大 規 模 系 に 対 する 電 子 相 関 効 果 を 含 めた 超 高<br />

精 度 電 子 状 態 計 算 法 を 開 発 し、ナノ~マイクロサイズに<br />

対 する 物 理 量 を 様 々な 外 場 のもとで 高 速 演 算 を 実 行 す<br />

るための 基 礎 方 法 論 とプログラムを 構 築 します。 一 方 、<br />

大 規 模 PCクラスタ 上 での 動 作 環 境 を 整 備 し、 次 世 代<br />

スーパーコンピュータに 実 装 可 能 なものとすることで、 次<br />

世 代 機 能 性 材 料 の 分 子 設 計 統 合 システムの 確 立 を 目<br />

指 します。<br />

超 精 密 予 測 と 巨 大 分 子 設 計 を<br />

実 現 する 革 新 的 量 子 化 学 と 計 算 科 学<br />

基 盤 技 術 の 構 築<br />

中 辻<br />

博<br />

特 定 非 営 利 活 動 法 人 量 子 化 学 研 究 協 会<br />

理 事 長<br />

化 学 ・ 生 物 学 ・ 物 性 物 理 学 など 物 質 科 学 の 世 界 は、シュ<br />

レーディンガー 方 程 式 などの 量 子 的 科 学 原 理 によって<br />

支 配 されています。 代 表 者 は80 年 来 不 可 能 とされてき<br />

たこの 方 程 式 の 正 確 な 解 法 を 発 見 しました。 本 課 題 で<br />

は、この 方 法 をさらに 発 展 させ、 物 質 科 学 の 現 象 を 正 しく<br />

予 測 、 解 明 する 革 新 的 量 子 化 学 と 計 算 科 学 技 術 を 構<br />

築 します。 又 、SAC/SAC-CI 法 を 拡 張 し、 巨 大 系 の 光 ・<br />

分 子 設 計 を 可 能 にする 汎 用 性 の 高 い 基 盤 技 術 を 確 立<br />

します。<br />

マルチ 情 報 通 信 技 術<br />

71

原 子 力 発 電 プラントの 地 震 耐 力 予 測<br />

シミュレーション<br />

吉 村<br />

忍<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

地 球 温 暖 化 やエネルギーセキュリティーの 観 点 から 原 子<br />

力 エネルギーへの 期 待 が 高 まる 中 、 我 が 国 の 経 年 化 原<br />

子 力 プラントの 巨 大 地 震 に 対 する 安 全 性 の 確 認 は 焦 眉<br />

の 課 題 となっています。 本 研 究 では、 稼 働 中 ないしスク<br />

ラム 直 後 の 過 渡 状 態 にある 原 子 力 プラントの 機 能 限 界<br />

をマルチスケール・マルチフィジックス 統 合 シミュレーショ<br />

ンにより 定 量 的 に 見 極 める 耐 力 シミュレータを 研 究 開 発<br />

し、 原 子 力 プラントの 真 の 地 震 耐 力 の 定 量 的 予 測 を 目<br />

指 します。<br />

72

73<br />

マルチ 情 報 通 信 技 術

CREST 領 域 一 覧<br />

研 究 終 了 領 域 40 領 域 575 課 題<br />

キーワード<br />

物 質 現 象<br />

生 命 現 象<br />

デジタルメディア<br />

量 子 情 報 処 理<br />

脳 の 発 達<br />

糖 鎖<br />

テーラメイド 医 療<br />

シミュレーション<br />

ナノデバイス<br />

新 しい 物 理 現 象<br />

ナノファクトリー<br />

ナノ 構 造 体 材 料<br />

バイオ 素 子<br />

ソフトナノマシン<br />

自 己 組 織 化<br />

ナノ 構 造 触 媒<br />

エネルギー 高 度 利 用<br />

たんぱく 質<br />

免 疫 難 病<br />

情 報 社 会<br />

水 循 環<br />

生 物 の 発 生<br />

植 物<br />

高 度 メディア 社 会<br />

電 子 ・ 光 子<br />

分 子 複 合 系<br />

ゲノム<br />

内 分 泌<br />

資 源 循 環<br />

脳 を 知 る<br />

脳 を 守 る<br />

脳 を 創 る<br />

地 球 変 動<br />

生 命 活 動<br />

生 体 防 御<br />

量 子 効 果<br />

単 一 分 子 ・ 原 子<br />

極 限 環 境<br />

研 究 領 域 名<br />

物 質 現 象 の 解 明 と 応 用 に 資 する 新 しい 計 測 ・ 分 析 基 盤 技 術<br />

生 命 現 象 の 解 明 と 応 用 に 資 する 新 しい 計 測 ・ 分 析 基 盤 技 術<br />

デジタルメディア 作 品 の 制 作 を 支 援 する 基 盤 技 術<br />

量 子 情 報 処 理 システムの 実 現 を 目 指 した 新 技 術 の 創 出<br />

脳 の 機 能 発 達 と 学 習 メカニズムの 解 明<br />

糖 鎖 の 生 物 機 能 の 解 明 と 利 用 技 術<br />

テーラーメイド 医 療 を 目 指 したゲノム 情 報 活 用 基 盤 技 術<br />

シミュレーション 技 術 の 革 新 と 実 用 化 基 盤 の 構 築<br />

超 高 速 ・ 超 省 電 力 高 性 能 ナノデバイス・システムの 創 製<br />

新 しい 物 理 現 象 や 動 作 原 理 に 基 づくナノデバイス・システムの 創 製<br />

高 度 情 報 処 理 ・ 通 信 の 実 現 に 向 けたナノファクトリーとプロセス 観 測<br />

高 度 情 報 処 理 ・ 通 信 の 実 現 に 向 けたナノ 構 造 体 材 料 の 制 御 と 利 用<br />

医 療 に 向 けた 化 学 ・ 生 物 系 分 子 を 利 用 したバイオ 素 子 ・システムの 創 製<br />

ソフトナノマシン 等 の 高 次 機 能 構 造 体 の 構 築 と 利 用<br />

医 療 に 向 けた 自 己 組 織 化 等 の 分 子 配 列 制 御 による 機 能 性 材 料 ・システムの 創 製<br />

環 境 保 全 のためのナノ 構 造 制 御 触 媒 と 新 材 料 の 創 製<br />

エネルギーの 高 度 利 用 に 向 けたナノ 構 造 材 料 ・システムの 創 製<br />

たんぱく 質 の 構 造 ・ 機 能 と 発 現 メカニズム-たんぱく 質 の 機 能 発 現 メカニズムに 基 づく 革 新 的 な 新 薬 、 診 断 技 術 及 び 物 質 生 産 技 術 の 創 製 を 目 指 して-<br />

免 疫 難 病 ・ 感 染 症 等 の 先 進 医 療 技 術 - 遺 伝 子 レベルでの 発 症 機 構 の 解 明 を 通 じた 免 疫 難 病 ・ 感 染 症 の 新 たな 治 療 技 術 の 創 製 を 目 指 して-<br />

情 報 社 会 を 支 える 新 しい 高 性 能 情 報 処 理 技 術 - 量 子 効 果 、 分 子 機 能 、 並 列 処 理 等 に 基 づく 新 たな 高 速 大 容 量 コンピューティング 技 術 の 創 製 を 目 指 して-<br />

水 の 循 環 系 モデリングと 利 用 システム- 水 資 源 と 気 候 、 人 間 活 動 との 関 連 を 踏 まえた 水 資 源 の 循 環 予 測 ・ 維 持 ・ 利 用 のシステム 技 術 の 創 製 を 目 指 して-<br />

生 物 の 発 生 ・ 分 化 ・ 再 生<br />

植 物 の 機 能 と 制 御<br />

高 度 メディア 社 会 の 生 活 情 報 技 術<br />

電 子 ・ 光 子 等 の 機 能 制 御<br />

分 子 複 合 系 の 構 築 と 機 能<br />

ゲノムの 構 造 と 機 能<br />

内 分 泌 かく 乱 物 質<br />

資 源 循 環 ・エネルギーミニマム 型 システム 技 術<br />

脳 を 知 る<br />

脳 を 守 る<br />

脳 を 創 る<br />

地 球 変 動 のメカニズム<br />

生 命 活 動 のプログラム<br />

生 体 防 御 のメカニズム<br />

量 子 効 果 等 の 物 理 現 象<br />

単 一 分 子 ・ 原 子 レベルの 反 応 制 御<br />

極 限 環 境 状 態 における 現 象<br />

脳 の 機 能 脳 を 知 る( 脳 の 機 能 )<br />

環 境 低 負 荷<br />

環 境 低 負 荷 型 の 社 会 システム<br />

74

CORE RESEARCH FOR EVOLUTIONARY<br />

SCIENCE AND TECHNOLOGY<br />

研 究 総 括 発 足 年 度 課 題 数 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 ページ<br />

田 中 通 義 平 成 16 年 16 P76<br />

柳 田 敏 雄 平 成 16 年 14 P76<br />

原 島 博 平 成 16 年 12 P77<br />

山 本 喜 久 平 成 15 年 12 P78<br />

津 本 忠 治 平 成 15 年 15 P78<br />

谷 口 直 之 平 成 14 年 16 P79<br />

笹 月 健 彦 平 成 14 年 13 P80<br />

土 居 範 久 平 成 14 年 17 P80<br />

榊 裕 之 平 成 14 年 10 P81<br />

梶 村 皓 二 平 成 14 年 11 P82<br />

蒲 生 健 次 平 成 14 年 8 P82<br />

福 山 秀 敏 平 成 14 年 9 P83<br />

雀 部 博 之 平 成 14 年 15 P84<br />

宝 谷 紘 一 平 成 14 年 10 P85<br />

茅 幸 二 平 成 14 年 10 P85<br />

御 園 生 誠 平 成 14 年 11 P86<br />

藤 嶋 昭 平 成 14 年 10 P86<br />

大 島 泰 郎 平 成 13 年 17 P87<br />

岸 本 忠 三 平 成 13 年 14 P88<br />

田 中 英 彦 平 成 13 年 11 P88<br />

虫 明 功 臣 平 成 13 年 17 P89<br />

堀 田 凱 樹 平 成 12 年 14 P90<br />

鈴 木 昭 憲 平 成 12 年 17 P91<br />

長 尾 真 平 成 11 年 12 P92<br />

菅 野 卓 雄 平 成 10 年 14 P92<br />

櫻 井 英 樹 平 成 10 年 15 P93<br />

大 石 道 夫 平 成 10 年 14 P94<br />

鈴 木 継 美 平 成 10 年 17 P95<br />

平 田 賢 平 成 10 年 16 P96<br />

久 野 宗 平 成 10 年 7 P96<br />

杉 田 秀 夫 平 成 9 年 13 P97<br />

甘 利 俊 一 平 成 9 年 12 P98<br />

浅 井 冨 雄 平 成 9 年 13 P98<br />

村 松 正 實 平 成 7 年 23 P99<br />

橋 本 嘉 幸 平 成 7 年 21 P100<br />

川 路 紳 治 平 成 7 年 19 P101<br />

山 本 明 夫 平 成 7 年 19 P102<br />

立 木 昌 平 成 7 年 21 P103<br />

大 塚 正 徳 平 成 7 年 19 P104<br />

茅 陽 一 平 成 7 年 21 P105<br />

75

物 質 現 象 の 解 明 と<br />

応 用 に 資 する 新 しい<br />

計 測 ・ 分 析 基 盤 技 術<br />

2004-2011<br />

戦 略 目 標<br />

新 たな 手 法 の 開 発 等 を 通 じた 先 端 的 な 計<br />

測 ・ 分 析 機 器 の 実 現 に 向 けた 基 盤 技 術<br />

の 創 出<br />

低 次 元 ナノマテリアルと 単 一 分 子 の 振 動<br />

分 光 ・ESR 検 出 装 置 開 発<br />

米 田 忠 弘<br />

フェムト 秒 時 間 分 解 走 査 プローブ 顕 微 鏡<br />

技 術 の 開 拓 と 極 限 計 測<br />

重 川 秀 実<br />

多 量 子 遷 移 ESRによる 巨 大 分 子 の<br />

構 造 解 析<br />

下 山 雄 平<br />

半 導 体 量 子 構 造 の 探 索 とテラヘルツ 波<br />

計 測 技 術 開 拓<br />

小 宮 山 進<br />

東 北 大 学 多 元 物 質 科 学 研 究 所 教 授 東 京 大 学 大 学 院 総 合 文 化 研 究 科 教 授<br />

ソフトマターの 分 子 ・ 原 子 レベルでの 観 察 を<br />

可 能 にする 低 加 速 高 感 度 電 子 顕 微 鏡 開 発<br />

末 永 和 知<br />

筑 波 大 学 大 学 院 数 理 物 質 科 学 研 究 科 教 授 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 ナノカーボン 研 究 センター<br />

上 席 研 究 員<br />

レーザー 補 助 広 角 3 次 元 アトムプローブの<br />

開 発 とデバイス 解 析 への 応 用<br />

宝 野 和 博<br />

室 蘭 工 業 大 学 教 育 研 究 支 援 機 構 教 授 ( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構<br />

磁 性 材 料 センター フェロー<br />

生 命 現 象 の 解 明 と<br />

応 用 に 資 する 新 しい<br />

計 測 ・ 分 析 基 盤 技 術<br />

2004-2011<br />

戦 略 目 標<br />

新 たな 手 法 の 開 発 等 を 通 じた 先 端 的 な 計<br />

測 ・ 分 析 機 器 の 実 現 に 向 けた 基 盤 技 術<br />

の 創 出<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

研 究 総 括<br />

田 中 通 義<br />

東 北 大 学 名 誉 教 授<br />

本 研 究 領 域 は、 物 質 や 材 料 に 関 する<br />

科 学 技 術 の 発 展 の 原 動 力 である 新 原<br />

理 の 探 索 、 新 現 象 の 発 見 と 解 明 に 資 す<br />

る 新 たな 計 測 ・ 分 析 に 関 する 基 盤 的 な<br />

技 術 の 創 出 を 目 指 す 研 究 を 対 象 とする<br />

ものです。<br />

具 体 的 には、 新 材 料 や 新 規 なデバイ<br />

スの 創 出 、 新 規 な 微 細 加 工 技 術 の 創 出<br />

等 に 資 する 計 測 ・ 分 析 技 術 、 環 境 中 等<br />

に 含 まれる 極 微 量 物 質 の 化 学 的 存 在<br />

形 態 に 関 する 新 規 な 計 測 ・ 分 析 技 術 等<br />

を 対 象 とします。また、ナノスケールでの<br />

物 質 の 形 態 に 応 じた 物 性 や、 表 面 、 界<br />

面 の 化 学 組 成 や 物 性 に 関 する 新 規 な<br />

計 測 ・ 分 析 技 術 も 対 象 とします。<br />

さらに、 既 存 の 基 本 原 理 に 基 づく 技 術<br />

であっても、 計 測 ・ 分 析 の 速 度 、 感 度 、 精<br />

度 を 飛 躍 的 に 向 上 させる 技 術 あるいは<br />

その 限 界 に 挑 む 技 術 等 、 新 原 理 の 探 索<br />

や 新 現 象 の 発 見 と 解 明 に 資 する 研 究 や<br />

物 質 科 学 技 術 にブレークスルーをもたら<br />

すことが 期 待 できる 研 究 を 含 めます。<br />

反 応 現 象 のX 線 ピンポイント 構 造 計 測<br />

高 田 昌 樹<br />

高 機 能 光 和 周 波 顕 微 鏡 の 開 発<br />

水 谷 五 郎<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 播 磨 研 究 所 主 任 研 究 員 北 陸 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学<br />

マテリアルサイエンス 研 究 科 教 授<br />

0.5Å 分 解 能 物 質 解 析 電 子 顕 微 鏡<br />

基 盤 技 術 の 研 究<br />

高 柳 邦 夫<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

高 いコヒーレンスをもつ 軟 X 線 レーザーを<br />

利 用 した 新 固 体 分 光 法 の 構 築<br />

並 河 一 道<br />

東 京 学 芸 大 学 教 育 学 部<br />

教 授<br />

物 質 科 学 のための<br />

放 射 光 核 共 鳴 散 乱 法 の 研 究<br />

瀬 戸 誠<br />

京 都 大 学 原 子 炉 実 験 所<br />

教 授<br />

バルク 敏 感 スピン 分 解 超 高 分 解 能 光 電 子<br />

分 光 装 置 の 開 発<br />

高 橋 隆<br />

東 北 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科<br />

教 授<br />

材 料 開 発 に 資 する 高 感 度 多 核 固 体<br />

NMR 法 の 開 発<br />

竹 腰 清 乃 理<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科<br />

教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

研 究 総 括<br />

柳 田 敏 雄<br />

大 阪 大 学 大 学 院 生 命<br />

機 能 研 究 科 特 任 教 授<br />

本 研 究 領 域 は、 生 命 系 科 学 技 術 の<br />

発 展 の 原 動 力 である 未 解 明 の 生 命 現<br />

象 の 解 析 に 資 する 新 たな 計 測 ・ 分 析 に<br />

関 する 基 盤 的 な 技 術 の 創 出 を 目 指 す 研<br />

究 を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、 生 命 現 象 を 司 る 生 体 分<br />

子 の 作 用 機 構 の 本 質 に 迫 る 解 析 技 術<br />

や、 生 体 または 細 胞 中 での 生 体 分 子 の<br />

その 場 観 察 技 術 、 単 一 細 胞 レベルでの<br />

分 析 技 術 、 個 体 から 生 態 系 にわたる 多<br />

様 なスケールでの 新 規 な 計 測 ・ 観 測 技<br />

術 などを 対 象 とします。また、 環 境 試 料 中<br />

に 含 まれる 極 微 量 物 質 が 生 体 に 与 える<br />

影 響 を 計 測 ・ 分 析 するための 新 規 な 技<br />

術 も 対 象 とします。<br />

さらに、 既 存 の 基 本 原 理 に 基 づく 技 術<br />

であっても、 計 測 ・ 分 析 の 速 度 、 感 度 、 精<br />

度 を 飛 躍 的 に 向 上 させる 技 術 あるいは<br />

その 限 界 に 挑 む 技 術 等 、 新 原 理 の 探 索<br />

や 新 現 象 の 発 見 と 解 明 に 資 する 研 究 や<br />

生 命 系 科 学 技 術 にブレークスルーをもた<br />

らすことが 期 待 できる 研 究 を 含 みます。<br />

超 高 分 解 能 高 速 イメージング 質 量 分 析 技 術<br />

( 質 量 顕 微 鏡 )の 構 築<br />

内 藤 康 秀<br />

光 産 業 創 成 大 学 院 大 学 光 医 療 ・ 健 康 分 野<br />

准 教 授<br />

水 素 のナノスケール 顕 微 鏡<br />

福 谷 克 之<br />

東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所 教 授<br />

プラズモニック 走 査 分 析 顕 微 鏡<br />

河 田 聡<br />

大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

76

タンパク 質 のナノダイナミクス 高 速 撮 影<br />

装 置 の 開 発<br />

安 藤 敏 夫<br />

光 駆 動 ナノマシンを 用 いた<br />

新 原 理 バイオ 計 測 ツールの 研 究<br />

生 田 幸 士<br />

in vivoナノイメージング 技 術 の 開 発 と<br />

生 体 運 動 機 構 の 解 明<br />

樋 口 秀 男<br />

金 沢 大 学 大 学 院 自 然 科 学 研 究 科 教 授 東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授<br />

細 胞 内 標 識 による<br />

生 物 分 子 トモグラフィー<br />

宮 澤 淳 夫<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授 兵 庫 県 立 大 学 大 学 院 生 命 理 学 研 究 科 教 授<br />

デジタルメディア<br />

作 品 の 制 作 を<br />

支 援 する 基 盤 技 術<br />

2004-2011<br />

ユビキタス・コンテンツ 製 作<br />

支 援 システムの 研 究<br />

稲 蔭 正 彦<br />

慶 應 義 塾 大 学 環 境 情 報 学 部 教 授<br />

デジタルパブリックアートを 創 出 する 技 術<br />

廣 瀬 通 孝<br />

東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

磁 気 共 鳴 法 による 生 体 内 分 子 動 態 の<br />

非 侵 襲 計 測<br />

白 川 昌 宏<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

戦 略 目 標<br />

メディア 芸 術 の 創 造 の 高 度 化 を 支 える 先<br />

進 的 科 学 技 術 の 創 出<br />

デジタルメディアを 基 盤 とした21 世 紀 の<br />

芸 術 創 造<br />

藤 幡 正 樹<br />

東 京 芸 術 大 学 大 学 院 映 像 研 究 科 教 授<br />

蛋 白 質 の 折 り 畳 み 運 動 解 明 を 目 指 した<br />

一 分 子 観 測 法 の 確 立<br />

高 橋 聡<br />

東 北 大 学 多 元 物 質 科 学 研 究 所<br />

ハイブリッド 局 在 SPRを 用 いた<br />

生 体 分 子 の 環 境 応 答 性 計 測<br />

青 山 茂<br />

オムロン 株 式 会 社 技 術 本 部 参 与<br />

生 体 分 子 の 動 的 可 視 化 プローブの<br />

開 発 と 応 用<br />

長 野 哲 雄<br />

東 京 大 学 大 学 院 薬 学 系 研 究 科 教 授<br />

多 目 的 RNAナノセンサー・モジュレーター<br />

の 開 発<br />

中 村 義 一<br />

東 京 大 学 医 科 学 研 究 所<br />

教 授<br />

タンパク 質 完 全 結 晶 創 成<br />

森 勇 介<br />

大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

教 授<br />

次 世 代 無 侵 襲 ・ 定 量 的<br />

脳 機 能 イメージング 法 の 開 発<br />

吉 岡 芳 親<br />

大 阪 大 学 免 疫 学 フロンティア 研 究 センター<br />

特 任 教 授<br />

高 精 度 1 分 子 内 動 画 計 測 から 見 える<br />

生 体 分 子 構 造 認 識 プロセス<br />

佐 々 木 裕 次<br />

東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

研 究 総 括<br />

原 島 博<br />

東 京 大 学 名 誉 教 授<br />

本 研 究 領 域 は、 情 報 科 学 技 術 の 発<br />

展 により 急 速 な 進 歩 を 遂 げたメディア 芸<br />

術 という 新 しい 文 化 に 係 る 作 品 の 制 作<br />

を 支 える 先 進 的 ・ 革 新 的 な 表 現 手 法 、こ<br />

れを 実 現 するための 新 しい 基 盤 技 術 を<br />

創 出 する 研 究 を 対 象 とします。<br />

具 体 的 には、コンピュータ 等 の 電 子 技<br />

術 を 駆 使 した 映 画 、アニメーション、ゲー<br />

ムソフト、さらにはその 基 礎 となるCGアー<br />

ト、ネットワークアート 作 品 等 の 高 品 質 化<br />

( 多 次 元 化 も 含 む)を 目 的 とした 映 像 や<br />

画 像 の 入 力 ・ 処 理 ・ 編 集 ・ 表 示 技 術 、イン<br />

ターフェイス 技 術 、ネットワーク 技 術 等 に<br />

関 する 研 究 を 行 います。 視 覚 や 聴 覚 以<br />

外 の 感 覚 の 表 現 をも 可 能 とする 人 工 現<br />

実 感 技 術 、 現 実 空 間 と 人 工 空 間 を 重 畳<br />

させる 複 合 現 実 感 技 術 等 も 含 みます。ま<br />

た、デジタルメディアとしての 特 徴 を 生 か<br />

した 斬 新 な 表 現 手 法 の 研 究 、 快 適 性 や<br />

安 全 性 の 観 点 から 人 間 の 感 性 を 踏 まえ<br />

た 表 現 手 法 の 研 究 、 物 語 性 に 優 れた 作<br />

品 の 制 作 を 可 能 にする 高 度 なコンテン<br />

ツ 制 作 手 法 の 研 究 、 誰 もが 自 由 にデジ<br />

タルメディア 作 品 の 制 作 を 効 率 的 に 行 う<br />

ことが 出 来 るソフトウェア・ハードウェアに<br />

関 する 研 究 なども 対 象 とします。<br />

コンテンツ 制 作 の 高 能 率 化 のための<br />

要 素 技 術 研 究<br />

森 島 繁 生<br />

早 稲 田 大 学 理 工 学 術 院 教 授<br />

デバイスアートにおける<br />

表 現 系 科 学 技 術 の 創 成<br />

岩 田 洋 夫<br />

筑 波 大 学 大 学 院 システム 情 報 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

時 系 列 メディアのデザイン 転 写 技 術 の<br />

開 発<br />

片 寄 晴 弘<br />

関 西 学 院 大 学 理 工 学 部 教 授<br />

映 画 制 作 を 支 援 する<br />

複 合 現 実 型 可 視 化 技 術<br />

田 村 秀 行<br />

立 命 館 大 学 情 報 理 工 学 部 教 授<br />

オンラインゲームの 制 作 支 援 と 評 価<br />

松 原 仁<br />

公 立 はこだて 未 来 大 学 システム 情 報 科 学 部<br />

教 授<br />

超 高 精 細 映 像 と 生 命 的 立 体 造 形 が<br />

反 応 する 新 伝 統 芸 能 空 間 の 創 出 技 術<br />

河 口 洋 一 郎<br />

東 京 大 学 大 学 院 情 報 学 環 教 授<br />

自 由 空 間 に3 次 元 コンテンツを 描 き 出 す<br />

技 術<br />

斎 藤 英 雄<br />

慶 應 義 塾 大 学 理 工 学 部 情 報 工 学 科 教 授<br />

カーボンナノチューブを 用 いた<br />

単 一 生 体 分 子 ダイナミクスの 計 測<br />

中 山 喜 萬<br />

大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科<br />

機 械 工 学 専 攻 教 授<br />

情 報 デザインによる 市 民 芸 術 創 出<br />

プラットフォームの 構 築<br />

須 永 剛 司<br />

多 摩 美 術 大 学 美 術 学 部 情 報 デザイン 学 科<br />

教 授<br />

ns-nm 分 解 能 の 光 子 ・ 電 子 ハイブリッド<br />

顕 微 鏡 の 開 発<br />

永 山 國 昭<br />

自 然 科 学 研 究 機 構<br />

岡 崎 統 合 バイオサイエンスセンター 教 授<br />

人 を 引 き 込 む 身 体 性 メディア 場 の<br />

生 成 ・ 制 御 技 術<br />

渡 辺 富 夫<br />

岡 山 県 立 大 学 情 報 工 学 部 情 報 システム 工 学 科<br />

教 授<br />

77

量 子 情 報 処 理 シス<br />

テムの 実 現 を 目 指 した<br />

新 技 術 の 創 出<br />

光 子 を 用 いた 量 子 演 算 処 理 新 機 能 の<br />

開 拓<br />

井 元 信 之<br />

大 阪 大 学 大 学 院 基 礎 工 学 研 究 科 教 授<br />

脳 の 機 能 発 達 と<br />

学 習 メカニズムの<br />

解 明<br />

言 語 の 脳 機 能 に 基 づく<br />

獲 得 メカニズムの 解 明<br />

酒 井 邦 嘉<br />

東 京 大 学 大 学 院 総 合 文 化 研 究 科<br />

准 教 授<br />

2003-2010<br />

超 伝 導 量 子 ビットシステムの 研 究 開 発<br />

蔡 兆 申<br />

日 本 電 気 ( 株 )ナノエレクトロニクス 研 究 所 /( 独 ) 理<br />

化 学 研 究 所 フロンティア 研 究 システム 主 席 研 究 員<br />

/ 非 常 勤 チームリーダー<br />

2003-2010<br />

高 齢 脳 の 学 習 能 力 と<br />

可 塑 性 のBMI 法 による 解 明<br />

櫻 井 芳 雄<br />

京 都 大 学 大 学 院 文 学 研 究 科 教 授<br />

戦 略 目 標<br />

戦 略 目 標<br />

情 報 通 信 技 術 に 革 新 をもたらす 量 子 情 報<br />

処 理 の 実 現 に 向 けた 技 術 基 盤 の 構 築<br />

中 性 原 子 を 使 った 量 子 演 算 システムの<br />

開 発<br />

清 水 富 士 夫<br />

日 本 電 信 電 話 ( 株 ) 物 性 科 学 基 礎 研 究 所 / 電 気 通<br />

信 大 学 客 員 教 授 / 共 同 研 究 員<br />

教 育 における 課 題 を 踏 まえた、 人 の 生 涯<br />

に 亘 る 学 習 メカニズムの 脳 科 学 等 による<br />

解 明<br />

幼 児 脳 の 発 達 過 程 における 学 習 の<br />

性 質 とその 重 要 性 の 解 明<br />

杉 田 陽 一<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 脳 神 経 情 報 研 究 部 門<br />

グループリーダー<br />

研 究 総 括<br />

山 本 喜 久<br />

原 子 アンサンブルを 用 いた<br />

量 子 情 報 処 理 の 基 盤 技 術 開 発<br />

高 橋 義 朗<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

国 立 情 報 学 研 究 所 教 授 /<br />

スタンフォード 大 学 教 授<br />

量 子 ネットワークへ 向 けた<br />

量 子 エンタングルメント 制 御<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

古 澤 明<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

この 研 究 領 域 は、ミクロの 世 界 で 観 測<br />

される 量 子 力 学 的 現 象 を 制 御 し、 記 憶 、<br />

演 算 などの 情 報 処 理 を 行 うシステムへ<br />

展 開 していくための 基 盤 となる 新 しい 技<br />

術 の 創 出 を 目 指 す 研 究 を 対 象 とするも<br />

単 一 光 子 から 単 一 電 子 スピンへの<br />

量 子 メディア 変 換<br />

小 坂 英 男<br />

のです。<br />

具 体 的 には、 光 ・ 電 子 ・ 原 子 ・ 原 子 核 な<br />

ど 様 々な 系 を 対 象 として、 量 子 効 果 に 基<br />

東 北 大 学 電 気 通 信 研 究 所 准 教 授<br />

づく 基 本 的 なデバイスや 多 量 子 ビット 化 冷 却 イオンを 用 いた<br />

量 子 情 報 処 理 基 礎 技 術<br />

の 技 術 、 量 子 情 報 の 伝 送 技 術 や 中 継<br />

占 部 伸 二<br />

技 術 、さらにそれらの 基 盤 となる 要 素 研 大 阪 大 学 大 学 院 基 礎 工 学 研 究 科 教 授<br />

究 、たとえば 量 子 もつれ 現 象 の 制 御 ・ 観<br />

測 に 関 する 研 究 等 に 関 して、シミュレー<br />

ションを 含 めた 実 証 的 な 研 究 を 対 象 とし<br />

分 子 の 電 子 ・ 振 動 ・ 回 転 状 態 を 用 いた<br />

ます。<br />

量 子 演 算 基 盤 技 術 の 開 発<br />

百 瀬 孝 昌<br />

( 独 ) 情 報 通 信 研 究 機 構 /ブリティッシュコロンビア 大 学<br />

客 員 研 究 員 / 教 授<br />

通 信 波 長 帯 量 子 もつれ 光 子 と<br />

その 応 用 システム<br />

井 上 恭<br />

大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

研 究 総 括<br />

津 本 忠 治<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 脳 科 学 総 合 研 究 センター<br />

シニアチームリーダー<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

乳 児 における 発 達 脳 科 学 研 究<br />

多 賀 厳 太 郎<br />

東 京 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 准 教 授<br />

コミュニケーション 機 能 の 発 達 における<br />

「 身 体 性 」の 役 割<br />

中 村 克 樹<br />

国 立 精 神 ・ 神 経 センター 神 経 研 究 所 部 長<br />

この 研 究 領 域 は、 脳 を 育 み、ヒトの 一<br />

生 を 通 しての 学 習 を 促 進 するという 視 点<br />

に、 社 会 的 な 観 点 も 融 合 した 新 たな 視<br />

小 脳 による 学 習 機 構 についての<br />

包 括 的 研 究<br />

点 から、 健 康 で 活 力 にあふれた 脳 を 発 達 、 平 野 丈 夫<br />

成 長 させ、さらに 維 持 するメカニズムの<br />

解 明 をめざす 研 究 を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、 感 覚 ・ 運 動 ・ 認 知 ・ 行 動<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

系 を 含 めた 学 習 に 関 与 する 脳 機 能 や 言 神 経 回 路 網 における 損 傷 後 の<br />

機 能 代 償 機 構<br />

語 などヒトに 特 有 な 高 次 脳 機 能 の 発 達<br />

伊 佐 正<br />

メカニズムの 解 明 、 及 びそれらの 臨 界 期 自 然 科 学 研 究 機 構 生 理 学 研 究 所 教 授<br />

( 感 受 性 期 )の 有 無 や 時 期 の 解 明 、 発<br />

達 脳 における 神 経 回 路 網 可 塑 性 に 関 す<br />

る 研 究 、 高 次 脳 機 能 発 達 における 遺 伝<br />

ニューロン 新 生 の 分 子 基 盤 と<br />

因 子 と 環 境 因 子 の 相 互 作 用 の 解 明 、 健 精 神 機 能 への 影 響 の 解 明<br />

やかな 脳 機 能 の 保 持 を 目 指 した 研 究 、 大 隅 典 子<br />

精 神 ・ 神 経 の 障 害 の 機 序 解 明 と 機 能 回<br />

復 方 法 の 研 究 、 社 会 的 な 環 境 の 変 化 が<br />

脳 機 能 に 及 ぼす 影 響 に 関 する 研 究 等 が<br />

東 北 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

含 まれます。<br />

発 達 期 および 障 害 回 復 期 における<br />

神 経 回 路 の 再 編 成 機 構<br />

鍋 倉 淳 一<br />

自 然 科 学 研 究 機 構 生 理 学 研 究 所 教 授<br />

極 低 温 原 子 を 用 いる 量 子 計 測 法 の 開 拓<br />

香 取 秀 俊<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 准 教 授<br />

情 動 発 達 とその 障 害 発 症 機 構 の 解 明<br />

西 条 寿 夫<br />

富 山 大 学 大 学 院 医 学 薬 学 研 究 部 システム 情 動 科 学<br />

教 授<br />

分 子 スピン 量 子 コンピュータ<br />

北 川 勝 浩<br />

大 阪 大 学 大 学 院 基 礎 工 学 研 究 科 教 授<br />

臨 界 期 機 構 の 脳 内 イメージングによる<br />

解 析 と 統 合 的 解 明<br />

ヘンシュ 貴 雄<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 脳 科 学 総 合 研 究 センター<br />

グループディレクター<br />

量 子 多 体 協 力 現 象 の 解 明 と 制 御<br />

宮 下 精 二<br />

東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授<br />

応 用 行 動 分 析 による 発 達 促 進 の<br />

メカニズムの 解 明<br />

北 澤 茂<br />

順 天 堂 大 学 医 学 部 教 授<br />

78

ドーパミンによる 行 動 の 発 達 と 発 現 の<br />

制 御 機 構<br />

小 林 和 人<br />

福 島 県 立 医 科 大 学 医 学 部 附 属 生 体 情 報 伝 達 研 究 所<br />

教 授<br />

糖 鎖 の 生 物 機 能 の<br />

解 明 と 利 用 技 術<br />

糖 タンパク 質 の 品 質 管 理 における<br />

糖 鎖 機 能 の 解 明<br />

伊 藤 幸 成<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 伊 藤 細 胞 制 御 化 学 研 究 室<br />

主 任 研 究 員<br />

糖 鎖 の 動 態 - 機 能 相 関 への<br />

統 合 的 アプローチ<br />

木 下 タロウ<br />

大 阪 大 学 免 疫 学 フロンティア 研 究 センター/ 大 阪 大<br />

学 微 生 物 病 研 究 所 副 センター 長 ・ 教 授<br />

大 脳 皮 質 視 覚 連 合 野 の 機 能 構 築 と<br />

その 生 後 発 達<br />

藤 田 一 郎<br />

大 阪 大 学 大 学 院 生 命 機 能 研 究 科 教 授<br />

脳 発 達 を 支 える<br />

母 子 間 バイオコミュニケーション<br />

和 田 圭 司<br />

国 立 精 神 ・ 神 経 センター 神 経 研 究 所 部 長<br />

2002-2009<br />

戦 略 目 標<br />

がんやウィルス 感 染 症 に 対 して 有 効 な 革<br />

新 的 医 薬 品 開 発 の 実 現 のための 糖 鎖 機<br />

能 の 解 明 と 利 用 技 術 の 確 立<br />

癌 の 進 展 における<br />

細 胞 接 着 性 機 能 糖 鎖 の 解 明<br />

神 奈 木 玲 児<br />

糖 鎖 シグナルによる 獲 得 免 疫 応 答 制 御 の<br />

解 明 と 疾 患 制 御 への 応 用<br />

鍔 田 武 志<br />

愛 知 県 がんセンター 研 究 所 分 子 病 態 学 部 部 長 東 京 医 科 歯 科 大 学 大 学 院 疾 患 生 命 科 学 研 究 部<br />

教 授<br />

感 染 と 共 生 を 制 御 する 糖 鎖 医 薬 品 の<br />

基 盤 研 究<br />

木 曽 真<br />

糖 修 飾 システムによる 神 経 機 能 の<br />

発 現 ・ 制 御<br />

平 林 義 雄<br />

岐 阜 大 学 応 用 生 物 科 学 部 教 授 ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 脳 科 学 総 合 研 究 センター<br />

ユニットリーダー<br />

研 究 総 括<br />

谷 口 直 之<br />

糖 鎖 構 造 の 制 御 によるがん 及 びウイルス<br />

疾 患 の 予 防 法 及 び 治 療 法 の 開 発<br />

小 山 信 人<br />

大 阪 大 学 産 業 科 学 研 究 所 教 授 /<br />

タカラバイオ( 株 ) 臨 床 開 発 部 部 長<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 糖 鎖 生 物 学 研 究 グループ<br />

グループデイレクター<br />

ウイルス 感 染 における 糖 鎖 機 能 の 解 明 と<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

創 薬 への 応 用<br />

鈴 木 康 夫<br />

本 研 究 領 域 は、 糖 タンパク 質 、 糖 脂<br />

質 、プロテオグリカンといった 生 体 分 子<br />

群 の 有 する 糖 鎖 の 新 たな 生 物 機 能 を 解<br />

中 部 大 学 生 命 健 康 科 学 部 教 授<br />

明 し、その 利 用 技 術 を 探 索 するための 研<br />

究 を 対 象 とするものです。<br />

RNAi 法 による 糖 鎖 機 能 解 明 と<br />

利 用 技 術 の 開 発<br />

具 体 的 には、 脳 神 経 機 能 、 形 態 形 成 、 西 原 祥 子<br />

分 化 における 糖 鎖 の 役 割 と 制 御 のメカ<br />

ニズム 等 の 新 しい 機 能 の 解 明 や 応 用 の<br />

可 能 性 を 開 拓 する 研 究 、 糖 鎖 の 改 変 に<br />

創 価 大 学 工 学 部 教 授<br />

よるガンの 浸 潤 転 移 の 制 御 や 感 染 防 止 、 糖 鎖 機 能 を 利 用 した 組 換 えリソソーム 酵 素<br />

の 脳 内 補 充 療 法 の 開 発<br />

免 疫 機 能 制 御 の 手 法 探 索 等 の 診 断 、<br />

伊 藤 孝 司<br />

治 療 、 予 防 への 応 用 を 指 向 する 研 究 、あ<br />

徳 島 大 学 大 学 院 ヘルスバイオサイエンス 研 究 部<br />

るいは、 糖 鎖 研 究 に 広 く 用 いられること 教 授<br />

が 期 待 される 糖 鎖 の 超 微 量 解 析 技 術 、<br />

情 報 伝 達 のダイナミックな 状 況 を 可 視 化<br />

マイクロドメイン 機 能 異 常 にもとづく<br />

する 技 術 の 実 現 を 目 指 す 研 究 等 が 含 ま 2 型 糖 尿 病 の 病 態 解 明<br />

れます。<br />

井 ノ 口 仁 一<br />

東 北 薬 科 大 学 分 子 生 体 膜 研 究 所<br />

教 授<br />

病 態 における<br />

膜 マイクロドメイン 糖 鎖 機 能 の 解 明<br />

本 家 孝 一<br />

高 知 大 学 医 学 部 副 学 長 / 教 授<br />

担 癌 状 態 におけるムチンを 介 した<br />

免 疫 能 の 変 化 の 解 析 と 応 用<br />

中 田 博<br />

京 都 産 業 大 学 / 工 学 部<br />

大 学 院 長 / 教 授<br />

遺 伝 子 破 壊 による 糖 鎖 機 能 の<br />

戦 略 的 解 明<br />

野 村 一 也<br />

九 州 大 学 大 学 院 理 学 研 究 院 生 物 科 学 部 門<br />

准 教 授<br />

がんや 糖 尿 病 等 における<br />

シアリダーゼ 異 常 の 機 構 解 明 と 制 御<br />

宮 城 妙 子<br />

宮 城 県 立 がんセンター 研 究 所 所 長 ・ 生 化 学 部 長<br />

糖 鎖 構 造 特 異 的 単 鎖 抗 体 ライブラリーの<br />

構 築<br />

山 口 陽 子<br />

東 海 大 学 工 学 部 ( 糖 鎖 工 学 研 究 施 設 ) 教 授<br />

79

テーラーメイド 医 療 を<br />

目 指 したゲノム 情 報<br />

活 用 基 盤 技 術<br />

高 精 度 ゲノムアレイの 開 発 と<br />

疾 患 遺 伝 子 の 探 索<br />

稲 澤 譲 治<br />

東 京 医 科 歯 科 大 学 難 治 疾 患 研 究 所<br />

教 授<br />

大 腸 癌 の 発 生 、 進 展 および<br />

治 療 感 受 性 に 関 わる 因 子 の 解 析<br />

森 正 樹<br />

大 阪 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

シミュレーション 技 術 の<br />

革 新 と 実 用 化 基 盤 の<br />

構 築<br />

2002-2009<br />

戦 略 目 標<br />

個 人 の 遺 伝 情 報 に 基 づく 副 作 用 のない<br />

テーラーメイド 医 療 実 現 のためのゲノム 情<br />

報 活 用 基 盤 技 術 の 確 立<br />

高 血 圧 関 連 疾 患 に 関 する 多 面 的 な<br />

ゲノム 疫 学 研 究<br />

加 藤 規 弘<br />

国 立 国 際 医 療 センター 研 究 所<br />

遺 伝 子 診 断 治 療 開 発 研 究 部 部 長<br />

転 写 調 節 系 の 分 子 解 剖 による<br />

糖 尿 病 素 因 の 探 索<br />

武 田 純<br />

岐 阜 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

2002-2009<br />

戦 略 目 標<br />

医 療 ・ 情 報 産 業 における 原 子 ・ 分 子 レベ<br />

ルの 現 象 に 基 づく 精 密 製 品 設 計 ・ 高 度<br />

治 療 実 現 のための 次 世 代 統 合 シミュレー<br />

ション 技 術 の 確 立<br />

ゲノム 解 析 による<br />

パーキンソン 病 遺 伝 子 同 定 と 創 薬<br />

戸 田 達 史<br />

大 阪 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

研 究 総 括<br />

笹 月 健 彦<br />

( 独 ) 国 立 国 際 医 療 センター 名 誉 総 長<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

本 研 究 領 域 は、ゲノム 情 報 を 活 用 した<br />

創 薬 、 個 々 人 の 体 質 に 合 った 疾 病 の 予<br />

防 と 治 療 -テーラーメイド 医 療 -の 実 現<br />

に 向 けて、 新 たなゲノム 情 報 解 析 システ<br />

ムの 創 製 を 目 指 した 研 究 や 多 因 子 疾 患<br />

の 解 明 と 創 薬 をはじめとした 革 新 的 な 治<br />

療 ・ 予 防 法 の 基 盤 となる 技 術 等 を 対 象 と<br />

します。<br />

具 体 的 には、 遺 伝 力 の 強 い 疾 病 や 感<br />

染 症 に 対 する 感 受 性 や 抵 抗 性 のゲノム<br />

情 報 からの 解 明 と 創 薬 、 我 が 国 に 特 徴<br />

的 な 生 活 習 慣 病 の 遺 伝 ・ 環 境 要 因 の 探<br />

索 とゲノム 情 報 に 基 づいた 予 防 法 の 開<br />

発 、さらにゲノム 情 報 に 基 づく 薬 剤 感 受<br />

性 ( 有 効 性 と 副 作 用 )の 個 人 差 を 迅 速<br />

かつ 確 実 に 解 明 することを 目 指 す 技 術<br />

に 関 する 研 究 、およびそれらの 基 盤 とな<br />

る 新 たな 高 効 率 ゲノム 情 報 (SNPs) 解<br />

析 技 術 の 実 現 を 目 指 した 研 究 等 が 含 ま<br />

れます。<br />

遺 伝 子 発 現 調 節 機 構 の<br />

包 括 的 解 析 による 疾 病 の 個 性 診 断<br />

間 野 博 行<br />

自 治 医 科 大 学 分 子 病 態 治 療 研 究 センター 教 授<br />

大 規 模 共 同 研 究 による<br />

統 合 失 調 症 遺 伝 子 の 探 索<br />

有 波 忠 雄<br />

筑 波 大 学 大 学 院 人 間 総 合 科 学 研 究 科<br />

sub-common diseaseの<br />

感 受 性 遺 伝 子 同 定 と<br />

個 人 型 易 罹 患 性 診 断 への 応 用<br />

井 ノ 上 逸 朗<br />

東 海 大 学 医 学 部<br />

教 授<br />

教 授<br />

生 体 分 子 の 高 次 構 造 形 成 に 基 づく<br />

遺 伝 子 診 断 法<br />

寺 前 紀 夫<br />

東 北 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

日 仏 共 同 体 制 による 人 種 間 ゲノム 多 型 の<br />

比 較 解 析<br />

松 田 文 彦<br />

京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授<br />

研 究 総 括<br />

土 居 範 久<br />

中 央 大 学 理 工 学 部 情 報 工 学 科<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

教 授<br />

この 研 究 領 域 は、 計 算 機 科 学 と 計 算<br />

科 学 が 連 携 することにより、シミュレー<br />

ション 技 術 を 革 新 し、 信 頼 性 や 使 い 易 さ<br />

も 視 野 に 入 れて、 実 用 化 の 基 盤 を 築 く<br />

研 究 を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、 物 質 、 材 料 、 生 体 などの<br />

ミクロからマクロに 至 るさまざまな 現 象 を<br />

シームレスに 扱 える 新 たなシミュレーショ<br />

ン 技 術 、 分 散 したデータベースやソフト<br />

ウェアをシステム 化 する 技 術 、また、 計 算<br />

手 法 の 飛 躍 的 な 発 展 の 源 となる 革 新 的<br />

なアルゴリズムの 研 究 や、 基 本 ソフト、 情<br />

報 資 源 を 取 り 扱 いやすくするためのプ<br />

ラットフォームあるいは 分 野 を 越 えて 共 通<br />

に 利 用 できる 標 準 パッケージの 開 発 など<br />

が 含 まれます。<br />

染 色 体 およびRNAの 機 能 変 化 からの<br />

疾 患 の 系 統 的 解 析<br />

油 谷 浩 幸<br />

東 京 大 学 先 端 科 学 技 術 研 究 センター 教 授<br />

Whole Genome Association 解 析<br />

によるGVHDの 原 因 遺 伝 子 の 探 索<br />

小 川 誠 司<br />

東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科<br />

特 任 准 教 授<br />

分 子 シャペロン 工 学 に 基 づく 遺 伝 子 解 析<br />

丸 山 厚<br />

九 州 大 学 先 導 物 質 化 学 研 究 所 教 授<br />

80

粒 子 法 によるマルチフィジクスシミュレータ<br />

越 塚 誠 一<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

フラグメント 分 子 軌 道 法 による 生 体 分 子<br />

計 算 システムの 開 発<br />

田 中 成 典<br />

神 戸 大 学 大 学 院 人 間 発 達 環 境 学 研 究 科 教 授<br />

超 高 速 ・ 超 省 電 力<br />

高 性 能 ナノデバイス・<br />

システムの 創 製<br />

量 子 細 線 レーザーの 作 製 と<br />

デバイス 特 性 の 解 明<br />

秋 山 英 文<br />

東 京 大 学 物 性 研 究 所 准 教 授<br />

放 射 線 治 療 の 高 度 化 のための 超 並 列<br />

シミュレーションシステムの 開 発<br />

斎 藤 公 明<br />

( 独 ) 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構<br />

原 子 力 基 礎 工 学 研 究 部 門 研 究 主 席<br />

リアルタイム 宇 宙 天 気 シミュレーションの<br />

研 究<br />

田 中 高 史<br />

九 州 大 学 大 学 院 理 学 研 究 院 地 球 惑 星 科 学 部 門<br />

教 授<br />

2002-2007<br />

戦 略 目 標<br />

有 機 半 導 体 レーザーの 構 築 と<br />

デバイス 物 理 の 解 明<br />

安 達 千 波<br />

矢 九 州 大 学 未 来 化 学 創 造 センター 教 授<br />

多 階 層 的 バイオレオシミュレータの<br />

研 究 開 発<br />

土 井 正 男<br />

システムバイオロジーのためのモデリング・<br />

シミュレーション 環 境 の 構 築<br />

冨 田 勝<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授 慶 應 義 塾 大 学 先 端 生 命 科 学 研 究 所 所 長 /<br />

環 境 情 報 学 部 教 授<br />

情 報 処 理 ・ 通 信 における 集 積 ・ 機 能 限<br />

界 の 克 服 実 現 のためのナノデバイス・ 材<br />

料 ・システムの 創 製<br />

低 次 元 量 子 構 造 を 用 いる<br />

機 能 光 デバイスの 創 製<br />

荒 井 滋 久<br />

東 京 工 業 大 学 量 子 ナノエレクトロニクス 研 究 センター<br />

教 授<br />

大 規 模 シミュレーション 向 け<br />

基 盤 ソフトウェアの 開 発<br />

西 田 晃<br />

先 端 的 データ 同 化 手 法 と 適 応 型<br />

シミュレーションの 研 究<br />

樋 口 知 之<br />

中 央 大 学 理 工 学 研 究 所 客 員 研 究 員 情 報 ・システム 研 究 機 構 統 計 数 理 研 究 所<br />

副 所 長 ・ 教 授<br />

多 価 イオンプロセスによる<br />

ナノデバイス 創 製<br />

大 谷 俊 介<br />

電 気 通 信 大 学 レーザー 新 世 代 研 究 センター<br />

教 授<br />

ナノ 物 性 計 測 シミュレータの 開 発<br />

渡 邉 聡<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

複 合 手 法 を 用 いた 電 子 構 造 計 算 技 術 の<br />

開 発<br />

藤 原 毅 夫<br />

東 京 大 学 大 学 総 合 教 育 研 究 センター 教 授<br />

研 究 総 括<br />

榊 裕 之<br />

豊 田 工 業 大 学<br />

副 学 長<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

シフトレジスタ 機 能 付 超 高 速 光 メモリの<br />

創 製<br />

河 口 仁 司<br />

奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 物 質 創 成 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

数 値 / 数 式 ハイブリッド 計 算 に 基 づく<br />

ロバスト 最 適 化 プラットフォームの 構 築<br />

穴 井 宏 和<br />

富 士 通 ( 株 ) 科 学 ソリューション 事 業 本 部 計 算 科 学<br />

ソリューションセンター センター 長 付<br />

材 料 の 組 織 ・ 特 性 設 計 統 合 化 システムの<br />

開 発<br />

石 田 清 仁<br />

東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

高 度 放 射 線 医 療 のためのシミュレーション<br />

基 盤 の 開 発<br />

佐 々 木 節<br />

高 エネルギー 加 速 器 研 究 機 構<br />

計 算 科 学 センター 教 授<br />

生 体 骨 医 療 を 目 指 した<br />

マルチプロフェッショナル・シミュレータ<br />

高 野 直 樹<br />

立 命 館 大 学 理 工 学 部 マイクロ 機 械 システム 工 学 科<br />

教 授<br />

この 研 究 領 域 は、 従 来 のデバイス・シ<br />

ステムに 対 して、ナノスケールの 超 微 細<br />

共 鳴 磁 気 トンネル・ナノドット 不 揮 発 性<br />

構 造 形 成 技 術 や 革 新 的 ナノプロセス、 メモリの 創 製<br />

および 超 集 積 化 技 術 を 活 用 することに<br />

より、これまでの 情 報 処 理 や 通 信 システ<br />

ムの 性 能 を 飛 躍 的 に 高 めるデバイス・シ<br />

ステムの 創 製 に 係 わる 研 究 を 対 象 とする<br />

小 柳 光 正<br />

東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

ものです。<br />

具 体 的 には、 情 報 伝 達 の 超 高 速 化 や<br />

半 導 体 スピンエンジニアリング<br />

新 田 淳 作<br />

広 帯 域 化 と 超 省 電 力 化 に 向 けた 新 規 デ<br />

バイスの 構 造 ・ 材 料 に 係 わる 研 究 、 極 微<br />

デバイスが 直 面 する 限 界 に 挑 戦 する 革<br />

東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

新 的 なナノ 素 材 やナノプロセスの 研 究 、<br />

単 一 磁 束 量 子 テラヘルツエレクトロニクス<br />

極 微 デバイスにおける 物 理 機 構 の 解 明 の 創 製<br />

と 制 御 に 係 わる 研 究 、 超 微 細 構 造 の 活<br />

用 により 従 来 の 光 デバイスの 性 能 を 凌<br />

駕 する 新 しいナノ 構 造 フォトニクスデバ<br />

イスの 創 製 に 係 わる 研 究 、および、これ<br />

藤 巻 朗<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

らの 関 連 研 究 等 が 含 まれます。 超 ヘテロナノ 構 造 によるバリスティック<br />

電 子 デバイスの 創 製<br />

古 屋 一 仁<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

グリッド 技 術 を 用 いた 大 規 模 分 子<br />

シミュレーションプログラムの 開 発<br />

長 嶋 雲 兵<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 計 算 科 学 研 究 部 門<br />

主 幹 研 究 員<br />

InN 系 窒 化 物 ナノデバイス/ナノプロセス<br />

の 分 子 線 エピタキシ 法 による 新 展 開<br />

吉 川 明 彦<br />

千 葉 大 学 工 学 部<br />

教 授<br />

医 療 ・ 創 薬 のためのマルチスケール・マルチ<br />

フィジックス 心 臓 シミュレータの 開 発<br />

久 田 俊 明<br />

東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

数 値 線 形 シミュレーションの 精 度 保 証 に<br />

関 する 研 究<br />

大 石 進 一<br />

早 稲 田 大 学 理 工 学 術 院 基 幹 理 工 学 部 応 用 数 理 学 科<br />

教 授<br />

81

新 しい 物 理 現 象 や<br />

動 作 原 理 に 基 づく<br />

ナノデバイス・システム<br />

の 創 製<br />

2002-2007<br />

スピン 量 子 ドットメモリ 創 製 のための<br />

要 素 技 術 開 発<br />

猪 俣 浩 一 郎<br />

( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 フェロー<br />

ナノクラスターの 配 列 ・ 配 向 制 御 による<br />

新 しいデバイスと 量 子 状 態 の 創 出<br />

岩 佐 義 宏<br />

東 北 大 学 金 属 材 料 研 究 所 教 授<br />

高 度 情 報 処 理 ・ 通 信 の<br />

実 現 に 向 けた<br />

ナノファクトリーと<br />

プロセス 観 測<br />

2002-2007<br />

カーボンナノ 材 料 を 用 いた<br />

量 子 ナノデバイスプロセスの 開 発<br />

石 橋 幸 治<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 石 橋 極 微 デバイス 工 学 研 究 室<br />

主 任 研 究 員<br />

超 高 密 度 ・ 超 微 細 ナノドット 形 成 と<br />

ナノ 物 性 評 価 技 術<br />

市 川 昌 和<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

戦 略 目 標<br />

情 報 処 理 ・ 通 信 における 集 積 ・ 機 能 限<br />

界 の 克 服 実 現 のためのナノデバイス・ 材<br />

料 ・システムの 創 製<br />

高 密 度 励 起 子 状 態 を 利 用 したダイヤモンド<br />

紫 外 線 ナノデバイスの 開 発<br />

大 串 秀 世<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 ナノテクノロジー 研 究 部 門<br />

招 聘 研 究 員<br />

戦 略 目 標<br />

情 報 処 理 ・ 通 信 における 集 積 ・ 機 能 限<br />

界 の 克 服 実 現 のためのナノデバイス・ 材<br />

料 ・システムの 創 製<br />

高 信 頼 性 ナノ 相 分 離 構 造 テンプレートの<br />

創 製<br />

彌 田 智 一<br />

東 京 工 業 大 学 資 源 化 学 研 究 所 教 授<br />

非 線 形 ナノフォトニクス<br />

河 田 聡<br />

大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

超 高 速 ・ 超 並 列 ナノメカニクス<br />

川 勝 英 樹<br />

東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所 教 授<br />

研 究 総 括<br />

梶 村 皓 二<br />

( 財 ) 機 械 振 興 協 会 副 会 長 ・ 技 術 研 究 所 所 長<br />

光 量 子 位 相 制 御 ・ 演 算 技 術<br />

小 森 和 弘<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 光 技 術 研 究 部 門<br />

グループリーダー<br />

研 究 総 括<br />

蒲 生 健 次<br />

大 阪 大 学 名 誉 教 授 /( 独 ) 情 報 通 信 研 究 機<br />

構 未 来 ICT 研 究 センター 専 攻 研 究 員<br />

位 相 差 極 端 紫 外 光 顕 微 鏡 による 機 能 性<br />

材 料 表 面 観 察 ・ 計 測 技 術<br />

木 下 博 雄<br />

兵 庫 県 立 大 学 高 度 産 業 科 学 技 術 研 究 所 教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

この 研 究 領 域 は、 量 子 系 の 新 しい 物<br />

理 現 象 や 動 作 原 理 、および、それを 用 い<br />

て 新 しいデバイス・システム 等 を 実 現 す<br />

るための 研 究 を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、ナノスケールにおいては<br />

じめて 現 われる 電 子 系 やスピン 系 の 物<br />

理 的 特 性 を 応 用 して 演 算 、 記 憶 等 のア<br />

クティブな 情 報 処 理 機 能 をもつ 新 しいデ<br />

バイスの 実 現 、ナノスケールの 局 所 的 特<br />

量 子 相 関 光 子 ビームナノ 加 工<br />

三 澤 弘 明<br />

北 海 道 大 学 電 子 科 学 研 究 所 教 授<br />

光 電 場 のナノ 空 間 構 造 による<br />

新 機 能 デバイスの 創 製<br />

石 原 一<br />

大 阪 府 立 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

性 を 対 象 として 電 気 、 機 械 、 光 等 の 物 理<br />

的 手 法 や 動 作 原 理 を 用 いてセンシング、<br />

操 作 、 制 御 等 を 行 うデバイスや 新 たな 情<br />

報 処 理 システムの 創 製 を 目 指 す 研 究 等<br />

固 液 界 面 反 応 のアトムプロセスの 解 明 と<br />

その 応 用<br />

板 谷 謹 悟<br />

が 含 まれます。また、 既 存 技 術 の 限 界 を<br />

打 破 する 新 しい 技 術 領 域 の 創 出 に 発 展<br />

する 新 しい 物 理 現 象 の 発 現 のためのナ<br />

東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

ノデバイスに 係 わる 構 造 研 究 、 現 在 まだ<br />

対 象 とするものの 性 質 の 研 究 にとどまっ<br />

ている 現 象 をデバイスに 結 びつける 研<br />

超 伝 導 磁 束 量 子 ビットによる<br />

量 子 もつれの 実 現<br />

髙 柳 英 明<br />

究 等 も 含 まれます。<br />

東 京 理 科 大 学 総 合 研 究 機 構 教 授<br />

カーボンナノチューブ 単 一 電 子 ・スピン<br />

計 測 システムの 確 立<br />

松 本 和 彦<br />

大 阪 大 学 産 業 科 学 研 究 所 教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

この 研 究 領 域 は、 高 度 情 報 処 理 ・ 通<br />

信 に 資 するナノデバイス 等 の 実 現 に 向<br />

けた 新 しいプロセシング 技 術 、ナノ 構 造<br />

体 の 機 能 を 観 察 ・ 計 測 ・ 評 価 する 新 しい<br />

計 測 評 価 技 術 等 に 係 わる 研 究 を 対 象 と<br />

するものです。<br />

具 体 的 には、 新 たなプロセシング 技 術<br />

の 確 立 に 向 けた、ナノ 構 造 を 作 り 出 す<br />

光 ・X 線 ・ 電 子 ビーム・イオンビーム 等 の<br />

新 たな 活 用 に 係 わる 研 究 、 分 子 ・ 原 子 を<br />

制 御 することにより 結 晶 ・ 組 織 等 をナノ<br />

レベルで 形 成 する 技 術 に 係 わる 研 究 、お<br />

よび、 構 築 されたナノ 構 造 体 の 機 能 を 計<br />

測 ・ 評 価 、 検 証 する 技 術 に 係 わる 研 究 等<br />

が 含 まれます。なお、 本 研 究 領 域 は 戦 略<br />

目 標 「 非 侵 襲 性 医 療 システムの 実 現 の<br />

ためのナノバイオテクノロジーを 活 用 した<br />

機 能 性 材 料 ・システムの 創 製 」および<br />

「 環 境 負 荷 を 最 大 限 に 低 減 する 環 境 保<br />

全 ・エネルギー 高 度 利 用 の 実 現 のため<br />

のナノ 材 料 ・システムの 創 製 」にも 資 する<br />

ものとなります。<br />

ナノ 構 造 解 析 のための<br />

立 体 原 子 顕 微 鏡 の 開 発<br />

大 門 寛<br />

奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 物 質 創 成 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

高 機 能 ナノ 立 体 構 造 デバイス・プロセス<br />

松 井 真 二<br />

兵 庫 県 立 大 学 高 度 産 業 科 学 技 術 研 究 所 教 授<br />

カーボンナノチューブ 形 成 過 程<br />

その 場 観 察 と 物 性 制 御 への 展 開<br />

本 間 芳 和<br />

東 京 理 科 大 学 理 学 部 教 授<br />

強 相 関 界 面 エンジニアリングによるスピン<br />

トンネル 機 能 の 巨 大 化<br />

赤 穗 博 司<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 強 相 関 電 子 技 術 研 究 センター<br />

副 研 究 センター 長<br />

82

高 度 情 報 処 理 ・ 通 信<br />

の 実 現 に 向 けたナノ<br />

構 造 体 材 料 の 制 御 と<br />

利 用<br />

2002-2007<br />

超 伝 導 ナノファブリケーションによる<br />

新 奇 物 性 と 応 用<br />

石 田 武 和<br />

大 阪 府 立 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

新 規 な 電 子 機 能 を 持 つ<br />

分 子 ナノ 構 造 体 の 構 築<br />

小 林 速 男<br />

日 本 大 学 文 理 学 部 自 然 科 学 研 究 所<br />

客 員 教 授<br />

戦 略 目 標<br />

情 報 処 理 ・ 通 信 における 集 積 ・ 機 能 限<br />

界 の 克 服 実 現 のためのナノデバイス・ 材<br />

料 ・システムの 創 製<br />

新 世 代 カーボンナノチューブの 創 製 、<br />

評 価 と 応 用<br />

篠 原 久 典<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

精 密 分 子 設 計 に 基 づくナノ 電 子 デバイス<br />

構 築<br />

田 中 一 義<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

研 究 総 括<br />

福 山 秀 敏<br />

東 京 理 科 大 学 理 学 部 教 授<br />

相 関 電 子 コヒーレンス 制 御<br />

永 長 直 人<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

この 研 究 領 域 は、バルクとは 異 なるナ<br />

ノ 構 造 体 において、 微 細 な 構 造 ・ 組 織 等<br />

次 世 代 光 磁 気 材 料 を 指 向 した<br />

ナノデザイン 制 御<br />

中 嶋 敦<br />

を 制 御 することにより、 高 度 情 報 処 理 ・<br />

通 信 の 実 現 に 向 けたこれまでにない 特<br />

徴 的 な 物 性 ・ 高 機 能 ・ 新 機 能 を 有 する 材<br />

慶 應 義 塾 大 学 理 工 学 部 教 授<br />

料 等 の 創 製 や、その 利 用 を 図 る 研 究 を<br />

対 象 とするものです。<br />

量 子 スピン 系 ナノ 分 子 磁 石 の 創 製<br />

山 下 正 廣<br />

具 体 的 には、 既 にバルクとして 存 在 し<br />

ている 物 質 の「ナノ 化 」、すなわち 薄 膜 ・<br />

微 粒 子 等 の 極 微 細 構 造 はもちろん、ナ<br />

ノ 粒 子 やクラスター 原 子 ・ 分 子 、 分 子 性<br />

東 北 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

物 質 等 、 無 機 物 質 ・ 有 機 物 質 さらにその<br />

ハイブリッド 系 を 制 御 し、これまでにない<br />

機 能 ・ 物 性 等 を 有 する 革 新 的 新 材 料 の<br />

単 一 分 子 伝 導 ・ 接 合 シミュレーション<br />

浅 井 美 博<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所<br />

計 算 科 学 研 究 部 門 グループ 長<br />

創 製 を 目 指 す 研 究 、フラーレン・カーボン<br />

ナノチューブ 等 の 新 機 能 性 材 料 の 創 製<br />

やナノデバイス・システムへの 利 用 を 目<br />

指 す 研 究 等 が 対 象 となります。なお、 本<br />

研 究 領 域 は 戦 略 目 標 「 非 侵 襲 性 医 療 シ<br />

電 子 内 部 自 由 度 制 御 型 ナノデバイス<br />

創 製 原 理 の 構 築<br />

前 川 禎 通<br />

ステムの 実 現 のためのナノバイオテクノ<br />

ロジーを 活 用 した 機 能 性 材 料 ・システム<br />

の 創 製 」および「 環 境 負 荷 を 最 大 限 に<br />

低 減 する 環 境 保 全 ・エネルギー 高 度 利<br />

用 の 実 現 のためのナノ 材 料 ・システムの<br />

創 製 」にも 資 するものとなります。<br />

東 北 大 学 金 属 材 料 研 究 所 教 授<br />

83

医 療 に 向 けた 化 学 ・<br />

生 物 系 分 子 を<br />

利 用 したバイオ 素 子 ・<br />

システムの 創 製<br />

2002-2007<br />

健 康 ・ 福 祉 のためのナノバイオ 材 料 および<br />

バイオ 素 子 としての<br />

「スーパー 抗 体 酵 素 」の 創 製<br />

宇 田 泰 三<br />

県 立 広 島 大 学 生 命 環 境 学 部 教 授<br />

巨 大 ポルフィリンアレーのメゾスコピック<br />

構 造 デバイス<br />

金 属 錯 体 プローブを 用 いる 遅 延 蛍 光 バイオ<br />

イメージング<br />

松 本 和 子<br />

元 早 稲 田 大 学 理 工 学 部 教 授<br />

細 胞 対 話 型 分 子 システムを 用 いる 革 新 的<br />

遺 伝 子 送 達 概 念 の 創 製<br />

大 須 賀 篤 弘<br />

片 山 佳 樹<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授 九 州 大 学 大 学 院 工 学 研 究 院 教 授<br />

戦 略 目 標<br />

非 侵 襲 性 医 療 システムの 実 現 のためのナ<br />

ノバイオテクノロジーを 活 用 した 機 能 性 材<br />

料 ・システムの 創 製<br />

新 規 組 織 再 構 成 技 術 の 開 発 と<br />

次 世 代 バイオセンサーの 創 製<br />

岡 野 光 夫<br />

東 京 女 子 医 科 大 学 先 端 生 命 医 科 学 研 究 所<br />

所 長 ・ 教 授<br />

生 体 分 子 間 相 互 作 用 を 連 続 的 に<br />

検 出 するため 多 機 能 型<br />

水 晶 発 振 子 マルチセンサの 設 計 と 開 発<br />

岡 畑 恵 雄<br />

東 京 工 業 大 学 フロンティア 創 造 共 同 研 究 センター<br />

教 授<br />

低 分 解 能 生 体 超 分 子 像 からの<br />

原 子 構 造 構 築 技 法<br />

由 良 敬<br />

( 独 ) 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 システム 計 算 科 学<br />

センター 研 究 副 主 幹<br />

研 究 総 括<br />

雀 部 博 之<br />

千 歳 科 学 技 術 大 学<br />

学 長<br />

遺 伝 子 ベクターとして 機 能 する<br />

ナノ 構 造 デバイスの 創 製<br />

片 岡 一 則<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授 /<br />

医 学 系 研 究 科 教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

ナノクラスターポリ 酸 を 用 いた<br />

この 研 究 領 域 は、 医 療 への 応 用 に 向<br />

け、ナノスケールでの 生 体 反 応 ・ 情 報 制<br />

分 子 機 械 の 構 築<br />

山 瀬 利 博<br />

御 技 術 、バイオ 素 子 ・システム 等 の 創 製 、 東 京 工 業 大 学 資 源 化 学 研 究 所 教 授<br />

および、それに 用 いる 化 学 ・ 生 物 系 ナノ<br />

構 造 体 に 係 わる 研 究 を 対 象 とするもの<br />

です。<br />

具 体 的 には、 超 高 感 度 に 物 質 濃 度 や<br />

温 度 ・ 圧 力 等 を 測 定 するバイオ 素 子 ・シ<br />

ナノ 粒 子 を 応 用 した 抗 レトロウイルス<br />

ワクチンの 開 発<br />

明 石 満<br />

大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

ステムや、 生 体 情 報 や 生 体 反 応 を 計 測 ・<br />

制 御 するバイオ 素 子 ・システム 等 の 創 製<br />

に 係 わる 研 究 、バイオ 素 子 ・システム 等<br />

の 創 製 に 必 要 となる 化 学 ・ 生 物 系 ナノ<br />

構 造 体 や 材 料 に 係 わる 研 究 、バイオ 素<br />

ナノ 生 物 物 理 化 学 アーキテクチュアの<br />

構 築 と 応 用<br />

北 森 武 彦<br />

子 ・システムを 診 断 ・ 治 療 等 医 療 に 応 用<br />

する 研 究 やドラッグデリバリーシステム 等<br />

が 含 まれます。<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

電 子 細 胞 を 目 指 した<br />

極 微 小 バイオセンサーによる<br />

分 子 認 識 システムの 構 築<br />

清 水 正 昭<br />

富 士 ゼロックス( 株 ) 中 央 研 究 所 室 長<br />

ナノケミカルプローブの 創 製 と<br />

バイオ・ 医 療 計 測<br />

鈴 木 孝 治<br />

慶 應 義 塾 大 学 理 工 学 部 教 授<br />

ゲノム 制 御 ・ 検 出 能 をもつ 革 新 的 人 工 核 酸 の<br />

創 製<br />

- 世 界 最 高 峰 の 核 酸 合 成 技 術 を 基 盤 にして-<br />

関 根 光 雄<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院 生 命 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

疾 患 モデル 細 胞 の 高 効 率 創 製 と<br />

機 能 解 析<br />

松 岡 英 明<br />

東 京 農 工 大 学 大 学 院<br />

共 生 科 学 技 術 研 究 院 教 授<br />

84

ソフトナノマシン 等 の<br />

高 次 機 能 構 造 体 の<br />

構 築 と 利 用<br />

生 物 ナノマシーン 回 転 運 動 の<br />

一 般 化 作 動 機 構 の 解 明<br />

相 沢 慎 一<br />

県 立 広 島 大 学 生 命 環 境 学 部 教 授<br />

医 療 に 向 けた 自 己<br />

組 織 化 等 の 分 子 配 列<br />

制 御 による 機 能 性<br />

トポロジカルゲルを 利 用 した<br />

医 療 用 生 体 機 能 材 料 の 創 製<br />

伊 藤 耕 三<br />

東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

2002-2007<br />

戦 略 目 標<br />

タンパク 質 分 子 モーターを 利 用 した<br />

ナノメカノケミカルマシンの 創 製<br />

伊 藤 博 康<br />

浜 松 ホトニクス( 株 ) 筑 波 研 究 所<br />

主 任 部 員<br />

材 料 ・システムの 創 製<br />

2002-2007<br />

プログラム 自 己 組 織 化 による<br />

人 工 生 体 情 報 材 料 創 製<br />

川 合 知 二<br />

大 阪 大 学 産 業 科 学 研 究 所 所 長 ・ 教 授<br />

非 侵 襲 性 医 療 システムの 実 現 のためのナ<br />

ノバイオテクノロジーを 活 用 した 機 能 性 材<br />

料 ・システムの 創 製<br />

タンパク 質 トランスロケータの<br />

作 動 原 理 の 解 明<br />

遠 藤 斗 志 也<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

戦 略 目 標<br />

非 侵 襲 性 医 療 システムの 実 現 のためのナ<br />

ノバイオテクノロジーを 活 用 した 機 能 性 材<br />

固 - 液 界 面 の 液 体 のナノ 構 造 形 成 評 価 と<br />

制 御<br />

栗 原 和 枝<br />

東 北 大 学 多 元 物 質 科 学 研 究 所 教 授<br />

料 ・システムの 創 製<br />

振 動 するバイオナノマシンの 原 理 と 構 築<br />

神 谷 律<br />

東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授<br />

プログラマブル 人 工 蛋 白 質 からの<br />

組 織 体 構 築<br />

芝 清 隆<br />

( 財 ) 癌 研 究 会 癌 研 究 所 蛋 白 創 製 研 究 部 部 長<br />

研 究 総 括<br />

宝 谷 紘 一<br />

名 古 屋 大 学 名 誉 教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

遺 伝 子 デリバリーシステムとしての<br />

人 工 細 胞 核 の 創 製<br />

原 口 徳 子<br />

( 独 ) 情 報 通 信 研 究 機 構 未 来 ICT 研 究 センター<br />

主 任 研 究 員<br />

研 究 総 括<br />

茅 幸 二<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 和 光 研 究 所 所 長 ・<br />

中 央 研 究 所 所 長<br />

高 分 子 の 階 層 的 自 己 組 織 化 による 再 生<br />

医 療 用 ナノ 構 造 材 料 の 創 製<br />

下 村 政 嗣<br />

東 北 大 学 多 元 物 質 科 学 研 究 所 教 授<br />

この 研 究 領 域 は、ナノレベルでの 分<br />

子 構 造 や 分 子 間 相 互 作 用 の 変 化 等 を<br />

DNA 分 子 モーターの 動 作 原 理 の 解 明<br />

利 用 して 働 くソフトナノマシン 等 の 高 次<br />

原 田 慶<br />

機 能 構 造 体 の 構 築 と 利 用 に 係 わる 研 恵 京 都 大 学 物 質 - 細 胞 統 合 システム 拠 点 教 授<br />

究 等 を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、 生 体 に 学 ぶソフトナノマ<br />

シンの 動 作 機 構 の 解 析 ・ 制 御 およびそ<br />

の 原 理 を 活 用 したソフトナノマシンの 構 高 次 細 胞 機 能 構 造 体 観 察 ・ 制 御 技 術 の<br />

開 発<br />

築 、 利 用 に 関 する 研 究 、タンパク 質 や 合<br />

藤 吉 好 則<br />

成 分 子 等 の 高 次 機 能 構 造 体 によるソフ<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

トナノマシンの 高 効 率 エネルギー 変 換 、<br />

エネルギー 供 給 、 情 報 の 変 換 、 伝 達 に 係<br />

わる 研 究 等 も 含 まれます。なお、 本 研 究<br />

領 域 は 戦 略 目 標 「 情 報 処 理 ・ 通 信 にお<br />

ける 集 積 ・ 機 能 限 界 の 克 服 実 現 のため<br />

ゆらぎと 生 体 システムのやわらかさを<br />

モデルとするソフトナノマシン<br />

柳 田 敏 雄<br />

のナノデバイス・ 材 料 ・システムの 創 製 」<br />

および「 環 境 負 荷 を 最 大 限 に 低 減 する<br />

環 境 保 全 ・エネルギー 高 度 利 用 の 実 現<br />

のためのナノ 材 料 ・システムの 創 製 」に<br />

大 阪 大 学 大 学 院 生 命 機 能 研 究 科<br />

高 効 率 ナノモーターとしての<br />

教 授<br />

も 資 するものとなります。<br />

プロトンポンプの 分 子 機 構 解 明<br />

二 井 將 光<br />

岩 手 医 科 大 学 薬 学 部 教 授<br />

バイオナノマシンの 動 的 構 造 から<br />

機 能 発 現 への 階 層 的 理 論 モデリング<br />

高 田 彰 二<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 准 教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

この 研 究 領 域 は、 将 来 の 高 度 医 療 を<br />

率 引 する 革 新 的 な 機 能 特 性 をもつ 材<br />

分 子 配 列 による 蛋 白 モジュールの 開 発 と<br />

展 開<br />

徳 永 史 生<br />

料 ・システムの 創 製 を 目 指 し、 自 己 組 織<br />

化 などの 分 子 の 秩 序 配 列 を 利 用 したナ<br />

ノレベルでの 構 造 制 御 により、ナノ 構 造<br />

大 阪 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

体 を 構 築 する 技 術 を 開 発 する 研 究 を 対<br />

象 とするものです。<br />

具 体 的 には、 生 体 適 合 材 料 等 の 機 能<br />

性 材 料 ・システムの 創 製 を 目 指 し、 自 己<br />

ナノスケールにおける 反 応 制 御 の<br />

基 本 原 理 の 構 築<br />

富 永 圭 介<br />

神 戸 大 学 分 子 フォトサイエンス 研 究 センター 教 授<br />

組 織 化 等 を 利 用 した 超 微 細 構 造 の 形<br />

成 ・ 制 御 技 術 ・プロセス 技 術 や 評 価 技 術<br />

に 係 わる 研 究 、 分 子 認 識 機 構 および 情<br />

報 伝 達 機 構 の 解 明 と 構 造 設 計 技 術 に<br />

ゲノムレベルの 生 体 分 子 相 互 作 用 探 索 と<br />

医 療 に 向 けたナノレゴ 開 発<br />

林 崎 良 英<br />

係 わる 研 究 、 自 己 組 織 性 を 有 する 無 機 ・ ( 独 ) 理 化 学 研 究 所 林 崎 生 体 分 子 機 能 研 究 室<br />

有 機 ナノ 組 織 体 の 設 計 と 高 性 能 材 料<br />

主 任 研 究 員<br />

等 の 創 製 に 係 わる 研 究 、 生 体 機 能 発 現<br />

の 場 である 溶 液 あるいは 界 面 での 構 造<br />

制 御 と 機 能 発 現 機 構 の 研 究 等 が 対 象<br />

になります。なお、 本 研 究 領 域 は 戦 略 目<br />

自 己 組 織 化 分 子 システムの 創 出 と<br />

生 体 機 能 の 化 学 翻 訳<br />

藤 田 誠<br />

標 「 情 報 処 理 ・ 通 信 における 集 積 ・ 機 能<br />

限 界 の 克 服 実 現 のためのナノデバイス・<br />

材 料 ・システムの 創 製 」および「 環 境 負<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

荷 を 最 大 限 に 低 減 する 環 境 保 全 ・エネ バイオのナノテクノロジーを 用 いた<br />

ナノ 集 積 プロセス<br />

ルギー 高 度 利 用 の 実 現 のためのナノ 材<br />

山 下 一 郎<br />

料 ・システムの 創 製 」にも 資 するものとな<br />

松 下 電 器 産 業 ( 株 ) 先 端 技 術 研 究 所 主 幹 研 究 員<br />

ります。<br />

85

環 境 保 全 のための<br />

ナノ 構 造 制 御 触 媒 と<br />

新 材 料 の 創 製<br />

2002-2007<br />

戦 略 目 標<br />

水 中 での 精 密 分 子 変 換 を 実 現 する<br />

ナノ 遷 移 金 属 触 媒 創 製<br />

魚 住 泰 広<br />

自 然 科 学 研 究 機 構 分 子 科 学 研 究 所 教 授 / 理 化 学<br />

研 究 所 フロンティア 研 究 システム 研 究 チームリーダー<br />

グリーン 化 学 合 成 のための<br />

酸 化 物 クラスタ 高 機 能 触 媒 の 開 拓<br />

奥 原 敏 夫<br />

北 海 道 大 学 大 学 院 地 球 環 境 科 学 研 究 院 教 授<br />

エネルギーの<br />

高 度 利 用 に 向 けた<br />

ナノ 構 造 材 料 ・シス<br />

テムの 創 製<br />

2002-2007<br />

高 次 規 則 配 列 複 合 構 造 体 を 用 いた<br />

エネルギー 変 換 デバイスの 創 製<br />

金 村 聖 志<br />

首 都 大 学 東 京 大 学 院 都 市 環 境 科 学 研 究 科<br />

高 機 能 ナノチューブ 材 料 の 創 製 と<br />

エネルギー 変 換 技 術 への 応 用<br />

木 島 剛<br />

宮 崎 大 学 工 学 部 教 授<br />

教 授<br />

環 境 負 荷 を 最 大 限 に 低 減 する 環 境 保 全 ・ 高 度 に 制 御 されたナノ 空 間 材 料 の 創 製<br />

エネルギー 高 度 利 用 の 実 現 のためのナノ 黒 田 一 幸<br />

戦 略 目 標<br />

材 料 ・システムの 創 製 早 稲 田 大 学 理 工 学 術 院 教 授<br />

環 境 負 荷 を 最 大 限 に 低 減 する 環 境 保 全 ・<br />

エネルギー 高 度 利 用 の 実 現 のためのナノ<br />

材 料 ・システムの 創 製<br />

有 機 無 機 複 合 相 の 自 在 変 換 による<br />

グリーン 触 媒 の 創 製<br />

辰 巳 敬<br />

東 京 工 業 大 学 資 源 化 学 研 究 所 教 授<br />

可 視 光 水 分 解 を 目 指 したナノ 構 造 体<br />

光 触 媒 の 創 製<br />

工 藤 昭 彦<br />

東 京 理 科 大 学 理 学 部 教 授<br />

電 界 効 果 型 ナノ 構 造 光 機 能 素 子 の<br />

集 積 化 技 術 開 発<br />

鯉 沼 秀 臣<br />

東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科 客 員 教 授<br />

研 究 総 括<br />

御 園 生 誠<br />

( 独 ) 製 品 評 価 技 術 基 盤 機 構 理 事 長<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

高 機 能 規 整 酸 化 物 表 面 創 生<br />

田 旺 帝<br />

国 際 基 督 教 大 学 理 学 科 上 級 准 教 授<br />

研 究 総 括<br />

藤 嶋 昭<br />

( 財 ) 神 奈 川 科 学 技 術 アカデミー 理 事 長 /<br />

東 京 大 学 名 誉 教 授<br />

ナノブロックインテグレーションによる<br />

層 状 酸 化 物 熱 電 材 料 の 創 製<br />

河 本 邦 仁<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

この 研 究 領 域 は、ナノオーダーで 構<br />

造 ・ 組 織 等 を 制 御 することにより、これま<br />

ナノ 制 御 空 間 を 有 する<br />

でになく 高 効 率 ・ 高 選 択 的 にかつ 環 境 均 一 系 分 子 触 媒 の 創 製<br />

負 荷 を 低 く 化 学 物 質 等 を 合 成 あるいは<br />

処 理 することが 可 能 な 新 触 媒 ・ 新 材 料 ・<br />

システム、 環 境 負 荷 の 低 い 新 材 料 等 を<br />

創 製 し、 環 境 改 善 ・ 環 境 保 全 に 資 する<br />

辻 康 之<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

研 究 を 対 象 とします。<br />

具 体 的 には、 環 境 負 荷 の 高 い 合 成 プ<br />

ロセスをナノ 構 造 制 御 触 媒 等 により 低<br />

ナノ 構 造 制 御 ペロブスカイト<br />

触 媒 システムの 構 築<br />

寺 岡 靖 剛<br />

九 州 大 学 大 学 院 総 合 理 工 学 研 究 院 教 授<br />

環 境 負 荷 型 に 代 替 する 技 術 に 係 わる 研<br />

究 、 高 効 率 分 離 ・ 吸 着 機 能 ・ 高 立 体 選<br />

択 的 表 面 ・ 触 媒 等 の 高 機 能 ・ 新 機 能 を<br />

有 するナノ 構 造 材 料 等 の 創 製 に 係 わる<br />

研 究 、すなわちグリーンナノケミストリー<br />

表 面 最 適 化 炭 素 ナノ 繊 維 の<br />

新 規 環 境 触 媒 機 能<br />

持 田 勲<br />

に 加 え、 排 ガス・ 排 水 中 に 含 まれる 化 学<br />

物 質 、 環 境 中 に 存 在 する 化 学 物 質 等 を<br />

高 効 率 ・ 高 選 択 的 に 分 離 ・ 除 去 、 分 解 、<br />

九 州 大 学 産 学 連 携 センター 特 任 教 授<br />

無 害 化 するナノ 構 造 制 御 触 媒 の 開 発 に<br />

係 わる 研 究 、これらを 組 み 込 んだシステ<br />

ムの 創 製 に 係 わる 研 究 、ナノ 空 間 機 能<br />

ナノ 制 御 置 換 型 金 属 酸 化 物 触 媒 による<br />

選 択 酸 化 反 応 の 制 御 と 応 用<br />

八 嶋 建 明<br />

を 反 応 場 として 活 用 したナノリアクター<br />

等 の 創 製 を 目 指 す 研 究 、 環 境 負 荷 の 低<br />

いナノ 制 御 構 造 材 料 に 係 わる 研 究 等 が<br />

宮 崎 大 学 産 学 連 携 支 援 センター 特 任 客 員 研 究 員<br />

含 まれます。<br />

精 密 自 在 制 御 型 ナノ 触 媒 の 創 製<br />

山 元 公 寿<br />

慶 應 義 塾 大 学 理 工 学 部 教 授<br />

分 子 の 特 性 を 最 大 に 引 き 出 すナノサイズ<br />

構 造 体 がつくる 場 の 研 究<br />

中 村 振 一 郎<br />

( 株 ) 三 菱 化 学 科 学 技 術 研 究 センター 計 算 技 術 研 究 所<br />

計 算 科 学 技 術 室 長<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

光 機 能 自 己 組 織 化 ナノ 構 造 材 料 の 創 製<br />

この 研 究 領 域 は、ナノテクノロジーを<br />

佐 々 木 高 義<br />

活 用 した 高 効 率 のエネルギー 変 換 ・ 貯<br />

( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 ナノスケール 物 質 センター<br />

蔵 技 術 、 環 境 調 和 型 の 省 エネルギー・ センター 長<br />

新 エネルギー 技 術 を 創 製 し、 環 境 改 善 ・<br />

環 境 保 全 に 資 する 研 究 、および 、ナノ<br />

オーダーで 構 造 ・ 組 織 等 を 制 御 すること<br />

により、 省 エネルギーを 達 成 し、エネル<br />

ギーの 高 度 利 用 に 資 するこれまでにな<br />

い 高 度 な 物 性 を 有 する 機 能 材 料 ・ 構 造<br />

界 面 ナノ 制 御 による 高 効 率 な 太 陽 光<br />

水 分 解 システムの 創 製<br />

中 戸 義 禮<br />

関 西 学 院 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 客 員 教 授<br />

大 阪 大 学 名 誉 教 授<br />

材 料 ・システム 等 を 創 製 する 研 究 等 を 対<br />

象 とするものです。<br />

具 体 的 には、エネルギー 効 率 の 極 め<br />

て 高 い、 高 効 率 ・ 高 選 択 的 物 質 変 換 プ<br />

ナノ 組 織 制 御 による 高 臨 界 電 流 超 伝 導<br />

材 料 の 開 発<br />

松 本 要<br />

ロセスや 循 環 型 エネルギーシステムを 実<br />

現 するためのナノ 機 能 材 料 ・システム、<br />

熱 電 変 換 素 子 等 の 創 製 を 目 指 す 研 究 、<br />

九 州 工 業 大 学 工 学 部 教 授<br />

新 しい 太 陽 電 池 ・ 燃 料 電 池 あるいは 熱<br />

線 反 射 材 料 ・セルフクリーニング 材 料 等<br />

の 環 境 調 和 型 の 新 エネルギー・ 省 エネ<br />

ナノ 構 造 単 位 材 料 から 構 成 される<br />

電 力 貯 蔵 デバイスの 構 築<br />

山 木 準 一<br />

ルギーに 係 わるナノ 機 能 材 料 ・システム<br />

等 の 創 製 を 目 指 す 研 究 、エネルギーの<br />

高 度 利 用 に 資 するナノオーダーで 材 料<br />

九 州 大 学 先 導 物 質 化 学 研 究 所 教 授<br />

組 成 ・ 組 織 構 造 ・ 表 面 界 面 等 を 制 御 し<br />

た 高 機 能 ナノ 構 造 材 料 の 創 製 に 係 わる<br />

電 極 二 相 界 面 のナノ 領 域 シミュレーション<br />

池 庄 司 民 夫<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 計 算 科 学 研 究 部 門<br />

研 究 、および、これらの 構 築 に 必 要 とな<br />

研 究 部 門 長<br />

るプロセス 技 術 や 評 価 技 術 に 係 わる 研<br />

究 等 が 含 まれます。なお、 本 研 究 領 域 は<br />

戦 略 目 標 「 情 報 処 理 ・ 通 信 における 集<br />

積 ・ 機 能 限 界 の 克 服 実 現 のためのナノ<br />

デバイス・ 材 料 ・システムの 創 製 」および<br />

「 非 侵 襲 性 医 療 システムの 実 現 のため<br />

のナノバイオテクノロジーを 活 用 した 機<br />

能 性 材 料 ・システムの 創 製 」にも 資 する<br />

ものとなります。<br />

86

たんぱく 質 の 構 造 ・<br />

機 能 と 発 現 メカニズム<br />

-たんぱく 質 の 機 能<br />

発 現 メカニズムに<br />

基 づく 革 新 的 な 新 薬 、<br />

診 断 技 術 及 び 物 質<br />

生 産 技 術 の 創 製 を<br />

目 指 して-<br />

ユビキチン 修 飾 による 蛋 白 質 機 能 変 換<br />

機 構 の 解 析<br />

岩 井 一 宏<br />

細 胞 成 長 を 司 るたんぱく 質 群 の 同 定 と<br />

機 能 解 析<br />

米 澤 一 仁<br />

大 阪 市 立 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授 神 戸 大 学 バイオシグナル 研 究 センター 教 授<br />

ゲノム 蛋 白 質 の 高 効 率 ・ 高 精 度<br />

NMR 解 析 法 の 開 発<br />

甲 斐 荘 正 恒<br />

核 酸 合 成 に 関 わるたんぱく 質 複 合 体 の<br />

構 造 と 機 能 解 析<br />

荒 木 弘 之<br />

首 都 大 学 東 京 客 員 教 授 情 報 ・システム 研 究 機 構 国 立 遺 伝 学 研 究 所 教 授<br />

X 線 1 分 子 計 測 からのin-vivo 蛋 白 質<br />

動 的 構 造 / 機 能 解 析<br />

佐 々 木 裕 次<br />

( 財 ) 高 輝 度 光 科 学 研 究 センター 利 用 促 進 部 門<br />

主 幹 研 究 員<br />

細 胞 周 期 /チェックポイント 制 御<br />

たんぱく 質 の 構 造 と 機 能 の 解 析<br />

佐 方 功 幸<br />

九 州 大 学 大 学 院 理 学 研 究 院 教 授<br />

2001-2008<br />

戦 略 目 標<br />

遺 伝 子 情 報 に 基 づくたんぱく 質 解 析 を 通<br />

した 技 術 革 新<br />

ロドプシンをモデルとしたG 蛋 白 質 共 役 型<br />

受 容 体 の 構 造 ・ 機 能 解 析<br />

七 田 芳 則<br />

FFRPたんぱく 質 群 による<br />

DNA・リガンド 識 別 機 構 の 解 明<br />

鈴 木 理<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授 ( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 脳 神 経 情 報 研 究 部 門<br />

グループリーダー<br />

小 胞 体 におけるタンパク 質 の<br />

品 質 管 理 機 構<br />

永 田 和 宏<br />

生 体 防 御 におけるたんぱく 質 間 相 互 作 用<br />

と 機 能 発 現 機 構 の 解 析<br />

藤 田 禎 三<br />

京 都 大 学 再 生 医 科 学 研 究 所 教 授 福 島 県 立 医 科 大 学 医 学 部 教 授<br />

研 究 総 括<br />

大 島 泰 郎<br />

共 和 化 工 ( 株 ) 環 境 微 生 物 学 研 究 所 所 長<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

この 研 究 領 域 は、 生 命 活 動 の 中 心 的<br />

役 割 を 担 うたんぱく 質 の 構 造 及 び 機 能<br />

を 明 らかにしつつ、 応 用 の 可 能 性 を 探 索<br />

する 研 究 を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、たんぱく 質 の 構 造 解 析<br />

の 高 度 化 並 びにたんぱく 質 の 動 的 な 構<br />

造 変 化 に 立 脚 する 触 媒 活 性 や 代 謝 調<br />

節 、 情 報 伝 達 等 の 生 体 反 応 、 発 生 、 免<br />

疫 、 神 経 系 、 環 境 適 応 等 の 高 次 の 生 命<br />

現 象 のメカニズムの 解 明 とその 医 薬 、 診<br />

断 技 術 、 物 質 生 産 への 応 用 、 変 性 ・ 再 生<br />

等 の 動 的 な 構 造 と 物 性 の 変 化 の 解 析 と<br />

その 制 御 や 改 良 技 術 の 展 開 、これら 研<br />

究 に 資 する 新 たな 測 定 技 術 や 研 究 手 法<br />

の 開 拓 を 目 指 す 研 究 等 が 含 まれます。<br />

タンパク 質 の 動 的 複 合 体 形 成 による<br />

機 能 制 御 の 構 造 的 基 盤<br />

箱 嶋 敏 雄<br />

奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 情 報 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

ストレスの 受 容 ・ 認 識 とシグナル 変 換 の<br />

分 子 機 構<br />

一 條 秀 憲<br />

東 京 大 学 大 学 院 薬 学 系 研 究 科 教 授<br />

タンパク 質 の 細 胞 内 ダイナミズムの<br />

原 理 と 制 御 装 置<br />

伊 藤 維 昭<br />

京 都 大 学 ウイルス 研 究 所 招 聘 教 授<br />

アミロイドーシス 発 症 の 分 子 機 構 解 明<br />

後 藤 祐 児<br />

大 阪 大 学 蛋 白 質 研 究 所 教 授<br />

細 胞 内 モジュレータプロテアーゼの<br />

生 理 機 能 の 解 析<br />

反 町 洋 之<br />

( 財 ) 東 京 都 医 学 研 究 機 構<br />

東 京 都 臨 床 医 学 総 合 研 究 所 プロジェクトリーダー<br />

異 物 排 出 トランスポーターの<br />

構 造 機 能 解 析<br />

山 口 明 人<br />

大 阪 大 学 産 業 科 学 研 究 所 教 授<br />

たんぱく 質 と 膜 が 造 る 細 胞 内 物 流 システム<br />

吉 森 保<br />

大 阪 大 学 微 生 物 病 研 究 所 教 授<br />

87

免 疫 難 病 ・ 感 染 症 等<br />

の 先 進 医 療 技 術<br />

- 遺 伝 子 レベルでの<br />

発 症 機 構 の 解 明 を<br />

通 じた 免 疫 難 病 ・ 感 染<br />

症 の 新 たな 治 療 技 術<br />

の 創 製 を 目 指 して-<br />

2001-2008<br />

戦 略 目 標<br />

先 進 医 療 の 実 現 を 目 指 した 先 端 的 基 盤<br />

技 術 の 探 索 ・ 創 出<br />

インフルエンザウイルス 感 染 過 程 の<br />

解 明 とその 応 用<br />

河 岡 義 裕<br />

病 原 細 菌 の 粘 膜 感 染 と 宿 主 免 疫 反 応<br />

抑 制 機 構 の 解 明 とその 応 用<br />

笹 川 千 尋<br />

東 京 大 学 医 科 学 研 究 所 教 授 東 京 大 学 医 科 学 研 究 所 教 授<br />

自 然 免 疫 とヒト 難 治 性 免 疫 疾 患<br />

瀬 谷 司<br />

北 海 道 大 学 大 学 院 先 端 生 命 科 学 研 究 院 教 授<br />

IgL 受 容 体 の 理 解 に 基 づく 免 疫 難 病 の<br />

克 服<br />

高 井 俊 行<br />

東 北 大 学 加 齢 医 学 研 究 所 教 授<br />

IL-18を 標 的 とした 自 然 型 アトピー 症 の<br />

治 療 戦 略<br />

中 西 憲 司<br />

兵 庫 医 科 大 学 教 授<br />

病 原 体 糖 脂 質 認 識 シグナル 伝 達 機 構 の<br />

解 明<br />

三 宅 健 介<br />

東 京 大 学 医 科 学 研 究 所 教 授<br />

真 に 臨 床 応 用 できる 多 能 性 幹 細 胞 の<br />

樹 立<br />

山 中 伸 弥<br />

京 都 大 学 物 質 - 細 胞 統 合 システム 拠 点 教 授<br />

京 都 大 学 再 生 医 科 学 研 究 所 教 授<br />

情 報 社 会 を 支 える<br />

新 しい 高 性 能 情 報<br />

処 理 技 術<br />

- 量 子 効 果 、 分 子<br />

機 能 、 並 列 処 理 等<br />

に 基 づく 新 たな 高<br />

速 大 容 量 コンピュー<br />

ティング 技 術 の 創 製<br />

を 目 指 して-<br />

2001-2008<br />

戦 略 目 標<br />

新 しい 原 理 による 高 速 大 容 量 情 報 処 理<br />

技 術 の 構 築<br />

研 究 総 括<br />

岸 本 忠 三<br />

大 阪 大 学 大 学 院 生 命 機 能 研 究 科<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

この 研 究 領 域 は、 再 生 医 療 や 抗 体 工<br />

学 等 を 含 む 先 進 医 療 のうち、 免 疫 が 関 わ<br />

る 各 種 疾 患 ( 例 えば 免 疫 由 来 各 種 難 病<br />

や 各 種 感 染 症 )に 対 する 先 進 医 療 技 術<br />

を 中 心 とし、その 他 関 連 する 先 進 医 療 技<br />

術 も 含 め、 次 世 代 の 医 療 技 術 の 基 礎 と<br />

応 用 に 関 する 研 究 を 対 象 とするものです。 獲 得 免 疫 における 高 親 和 性 抗 体 の 産 生<br />

具 体 的 には、 免 疫 難 病 ( 自 己 免 疫 疾<br />

機 構 と 感 染 症 防 御 への 応 用<br />

患 やアレルギー 等 )の 発 症 機 構 の 遺 伝<br />

阪 口 薫 雄<br />

熊 本 大 学 大 学 院 医 学 薬 学 研 究 部 教 授<br />

子 レベルでの 解 明 とそれに 基 づいた 新 し<br />

い 治 療 法 、 例 えば 抗 体 療 法 、 遺 伝 子 治<br />

療 、DNAワクチン、 幹 細 胞 治 療 等 の 開<br />

発 および 結 核 、マラリア、エイズ 等 の 細<br />

菌 、 原 虫 、ウイルス 感 染 症 に 対 する 新 し<br />

いワクチンや 創 薬 の 開 発 につながる 基<br />

礎 的 研 究 等 が 対 象 となります。<br />

教 授<br />

M 細 胞 の 免 疫 生 物 学 的 解 明 とそれを<br />

標 的 とする 粘 膜 ワクチンの 開 発<br />

清 野 宏<br />

東 京 大 学 医 科 学 研 究 所<br />

教 授<br />

病 原 微 生 物 の 宿 主 免 疫 系 との<br />

共 生 戦 略 の 解 明 による<br />

治 療 ・ 制 御 法 の 開 発<br />

小 安 重 夫<br />

慶 應 義 塾 大 学 医 学 部 教 授<br />

マラリア 感 染 成 立 の 分 子 基 盤 の 解 明 と<br />

新 たな 感 染 阻 止 法 の 創 出<br />

鎮 西 康 雄<br />

三 重 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 客 員 教 授<br />

研 究 総 括<br />

田 中 英 彦<br />

情 報 セキュリティ 大 学 院 大 学<br />

情 報 セキュリティ 研 究 科 長 ・ 教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

この 研 究 領 域 は、 高 速 大 容 量 情 報 処<br />

理 に 不 可 欠 な 新 しい 情 報 処 理 システム<br />

の 実 現 に 向 け、その 技 術 についてのハー<br />

ドウエア、ソフトウエアの 研 究 を 対 象 とす<br />

るものです。<br />

具 体 的 には、 量 子 コンピュータや 分 子<br />

コンピュータ 等 を 含 む 新 しい 原 理 に 基 づ<br />

く 情 報 処 理 システム 、 従 来 型 のコン<br />

ピュータの 性 能 を 新 しい 時 代 に 合 わせて<br />

飛 躍 的 に 向 上 させる 要 素 技 術 、 従 来 シ<br />

ステムの 安 全 性 や 信 頼 性 向 上 のための<br />

技 術 、 大 負 荷 に 耐 えられる 大 容 量 システ<br />

ム 技 術 等 に 関 する 研 究 が 含 まれます。<br />

肝 臓 における 造 血 ・ 免 疫 機 構 の 解 明 と<br />

肝 疾 患 治 療 への 応 用<br />

宮 島 篤<br />

東 京 大 学 分 子 細 胞 生 物 学 研 究 所 教 授<br />

セマフォリンによる 免 疫 調 節 機 構 の<br />

解 明 と 免 疫 制 御 への 応 用<br />

菊 谷 仁<br />

大 阪 大 学 微 生 物 病 研 究 所 教 授<br />

制 御 性 T 細 胞 による 新 しい 免 疫 制 御 法 の<br />

開 発<br />

坂 口 志 文<br />

京 都 大 学 再 生 医 科 学 研 究 所 教 授<br />

88

全 シリコン 量 子 コンピュータの 実 現<br />

伊 藤 公 平<br />

慶 應 義 塾 大 学 理 工 学 部 助 教 授<br />

超 高 速 ペタバイト 情 報 ストレージ<br />

井 上 光 輝<br />

豊 橋 技 術 科 学 大 学 研 究 専 任 教 授<br />

超 低 電 力 化 技 術 によるディペンダブル<br />

メガスケールコンピューティング<br />

中 島 浩<br />

京 都 大 学 学 術 情 報 メディアセンター 教 授<br />

水 の 循 環 系 モデリング<br />

と 利 用 システム<br />

- 水 資 源 と 気 候 、<br />

人 間 活 動 との 関 連 を<br />

踏 まえた 水 資 源 の<br />

循 環 予 測 ・ 維 持 ・ 利 用<br />

のシステム 技 術 の<br />

創 製 を 目 指 して-"<br />

人 間 活 動 を 考 慮 した<br />

世 界 水 循 環 ・ 水 資 源 モデル<br />

沖 大 幹<br />

東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所 助 教 授<br />

階 層 的 モデリングによる 広 域 水 循 環 予 測<br />

木 本 昌 秀<br />

東 京 大 学 気 候 システム 研 究 センター 教 授<br />

黄 河 流 域 の 水 利 用 ・ 管 理 の 高 持 続 性 化<br />

楠 田 哲 也<br />

九 州 大 学 大 学 院 工 学 研 究 院 特 任 教 授<br />

森 林 荒 廃 が 洪 水 ・ 河 川 環 境 に 及 ぼす<br />

影 響 の 解 明 とモデル 化<br />

恩 田 裕 一<br />

筑 波 大 学 大 学 院 生 命 環 境 科 学 研 究 科 准 教 授<br />

水 循 環 系 の 物 理 的 ダウンスケーリング<br />

手 法 の 開 発<br />

小 池 俊 雄<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

熱 帯 モンスーンアジアにおける 降 水 変 動 が<br />

熱 帯 林 の 水 循 環 ・ 生 態 系 に 与 える 影 響<br />

鈴 木 雅 一<br />

東 京 大 学 大 学 院 農 学 生 命 科 学 研 究 科 教 授<br />

多 相 的 分 子 インタラクションに 基 づく<br />

大 容 量 メモリの 構 築<br />

萩 谷 昌 己<br />

東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

2001-2008<br />

戦 略 目 標<br />

水 の 循 環 予 測 及 び 利 用 システムの 構 築<br />

北 東 アジア 植 生 変 遷 域 の 水 循 環 と 生 物 ・<br />

大 気 圏 の 相 互 作 用 の 解 明<br />

杉 田 倫 明<br />

筑 波 大 学 大 学 院 生 命 環 境 科 学 研 究 科 助 教 授<br />

人 口 急 増 地 域 の 持 続 的 な 流 域 水 政 策<br />

シナリオ-モンスーン・アジア 地 域 等 におけ<br />

る 地 球 規 模 水 循 環 変 動 への 対 応 戦 略 -<br />

砂 田 憲 吾<br />

山 梨 大 学 大 学 院 医 学 工 学 総 合 研 究 部 教 授<br />

検 証 における 記 述 量 爆 発 問 題 の<br />

構 造 変 換 による 解 決<br />

木 下 佳 樹<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 システム 検 証 研 究 センター<br />

研 究 センター 長<br />

社 会 変 動 と 水 循 環 の<br />

相 互 作 用 評 価 モデルの 構 築<br />

寶 馨<br />

京 都 大 学 防 災 研 究 所 教 授<br />

各 種 安 定 同 位 体 比 に 基 づく 流 域 生 態 系 の<br />

健 全 性 / 持 続 可 能 性 指 標 の 構 築<br />

永 田 俊<br />

京 都 大 学 生 態 学 研 究 センター<br />

教 授<br />

ディペンダブル 情 報 処 理 基 盤<br />

坂 井 修 一<br />

東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

研 究 総 括<br />

虫 明 功 臣<br />

福 島 大 学 理 工 学 群 共 生 システム 理 工 学 類<br />

教 授<br />

湿 潤 ・ 乾 燥 大 気 境 界 層 の 降 水 システムに<br />

与 える 影 響 の 解 明 と 降 水 予 測 精 度 の 向 上<br />

中 村 健 治<br />

名 古 屋 大 学 地 球 水 循 環 研 究 センター 教 授<br />

フルーエンシ 情 報 理 論 にもとづくマルチ<br />

メディアコンテンツ 記 述 形 式<br />

寅 市 和 男<br />

筑 波 大 学 先 端 学 際 領 域 研 究 センター 特 任 教 授<br />

量 子 情 報 処 理 ネットワーク 要 素 技 術<br />

武 藤 俊 一<br />

北 海 道 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

自 律 連 合 型 基 盤 システムの 構 築<br />

加 藤 和 彦<br />

筑 波 大 学 大 学 院 システム 情 報 工 学 研 究 科 教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

この 研 究 領 域 は、グローバルスケール<br />

北 方 林 地 帯 における 水 循 環 特 性 と 植 物<br />

生 態 生 理 のパラメータ 化<br />

あるいはリージョナルスケールにおいて、<br />

太 田 岳 史<br />

大 気 ・ 陸 域 ・ 海 域 における 水 の 循 環 の 諸<br />

過 程 を 明 らかにし、 水 循 環 モデルの 構 築<br />

を 目 指 すとともに、 社 会 における 持 続 可<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 生 命 農 学 研 究 科 教 授<br />

能 で 効 率 的 な 水 利 用 システムに 関 する<br />

研 究 を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、 気 候 変 動 にともなう 水 資<br />

衛 星 による 高 精 度 高 分 解 能 全 球 降 水<br />

マップの 作 成<br />

岡 本 謙 一<br />

源 分 布 の 変 化 、 人 間 活 動 が 水 循 環 に 及<br />

ぼす 影 響 に 関 する 研 究 に 加 え、 水 資 源<br />

の 維 持 ・ 利 用 、 水 循 環 の 変 化 が 社 会 シ<br />

大 阪 府 立 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

ステムに 及 ぼす 影 響 の 予 測 、 生 態 系 環 都 市 生 態 圏 - 大 気 圏 - 水 圏 における 水 ・<br />

エネルギー 交 換 過 程 の 解 明<br />

境 を 維 持 ・ 保 全 ・ 回 復 する 水 の 機 能 等 に<br />

神 田 学<br />

関 する 研 究 等 が 含 まれます。<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 准 教 授<br />

ヒューマノイドのための 実 時 間 分 散<br />

情 報 処 理<br />

松 井 俊 浩<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所<br />

デジタルヒューマン 研 究 センター 副 センター 長<br />

国 際 河 川 メコン 川 の 水 利 用 ・ 管 理 システム<br />

丹 治 肇<br />

( 独 ) 農 業 ・ 食 品 産 業 技 術 総 合 研 究 機 構 農 村 工 学<br />

研 究 所 チーム 長<br />

ディペンダブルで 高 性 能 な 先 進 ストレージ<br />

システム<br />

横 田 治 夫<br />

東 京 工 業 大 学 学 術 国 際 情 報 センター 教 授<br />

持 続 可 能 なサニテーションシステムの<br />

開 発 と 水 循 環 系 への 導 入<br />

船 水 尚 行<br />

北 海 道 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

リスク 管 理 型 都 市 水 循 環 系 の<br />

構 造 と 機 能 の 定 量 化<br />

古 米 弘 明<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

89

生 物 の 発 生 ・ 分 化 ・<br />

再 生<br />

単 一 細 胞 レベルのパターン 形 成 : 細 胞<br />

極 性 の 制 御 機 構 の 解 明<br />

上 村 匡<br />

京 都 大 学 大 学 院 生 命 科 学 研 究 科 教 授<br />

細 胞 内 パターニングによる 組 織 構 築<br />

広 海 健<br />

情 報 ・システム 研 究 機 構 国 立 遺 伝 学 研 究 所 教 授<br />

2000-2007<br />

戦 略 目 標<br />

技 術 革 新 による 活 力 に 満 ちた 高 齢 化 社 会<br />

の 実 現<br />

幹 細 胞 システムに 基 づく 中 枢 神 経 系 の<br />

発 生 ・ 再 生 研 究<br />

岡 野 栄 之<br />

慶 應 義 塾 大 学 医 学 部 教 授<br />

Genetic dissectionによる 神 経 回 路<br />

網 形 成 機 構 の 解 析<br />

岡 本 仁<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 脳 科 学 総 合 研 究 センター<br />

グループディレクター<br />

脳 構 築 の 遺 伝 的 プログラム<br />

松 崎 文 雄<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所<br />

発 生 ・ 再 生 科 学 総 合 研 究 センター<br />

グループディレクター<br />

研 究 総 括<br />

堀 田 凱 樹<br />

情 報 ・システム 研 究 機 構<br />

機 構 長<br />

生 殖 細 胞 形 成 機 構 の 解 明 と<br />

その 哺 乳 動 物 への 応 用<br />

小 林 悟<br />

自 然 科 学 研 究 機 構 岡 崎 統 合 バイオサイエンスセンター<br />

教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

器 官 形 成 における 細 胞 遊 走 の 役 割 及 び<br />

そのシグナリングと 再 生 への 応 用<br />

生 物 の 発 生 ・ 分 化 の 過 程 をとおして 分<br />

子 ・ 細 胞 ・ 器 官 等 さまざまなレベルでみら<br />

れる 分 子 機 構 、 生 物 の 巨 視 的 な 姿 ・ 形<br />

の 形 成 を 支 配 する 法 則 、 及 び 失 われた<br />

竹 縄 忠 臣<br />

東 京 大 学 医 科 学 研 究 所 教 授<br />

組 織 や 細 胞 の 復 元 ・ 再 生 過 程 にみられ<br />

る 生 物 自 身 が 示 す 調 整 性 やその 分 子 生<br />

形 態 の 非 対 称 性 が 生 じる 機 構<br />

濱 田 博 司<br />

物 学 的 メカニズムに 関 する 研 究 、さらに<br />

は 器 官 形 成 の 研 究 等 を 対 象 とするもの<br />

です。<br />

具 体 的 には、 発 生 ・ 分 化 ・ 再 生 過 程 に<br />

大 阪 大 学 大 学 院 生 命 機 能 研 究 科 教 授<br />

おける 形 質 発 現 プログラムの 解 析 、 細 発 生 における 器 官 ・ 形 態 形 成 と 細 胞 分 化<br />

の 分 子 機 構<br />

胞 の 個 性 と 多 様 性 の 分 子 機 構 の 解 明 、<br />

松 本 邦 弘<br />

幹 細 胞 の 増 殖 ・ 分 化 に 関 わるプロセス 名 古 屋 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

の 解 析 、 器 官 形 成 ・ 組 織 形 成 やそのメカ<br />

ニズムの 解 明 等 のテーマについて、 遺<br />

伝 学 ・ 分 子 細 胞 生 物 学 や 遺 伝 子 工 学<br />

脂 肪 細 胞 の 分 化 ・ 形 質 転 換 とその 制 御<br />

等 のさまざまなアプローチによる 研 究 を<br />

門 脇 孝<br />

取 り 上 げます。<br />

東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

嗅 覚 系 における 神 経 回 路 形 成 と 再 生 の<br />

分 子 機 構<br />

坂 野 仁<br />

東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授<br />

特 異 的 ・ 新 規 発 生 遺 伝 子 の 機 能 の<br />

網 羅 的 解 析<br />

佐 藤 矩 行<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

網 膜 内 領 域 特 異 化 と 視 神 経 の<br />

発 生 ・ 再 生 機 構<br />

野 田 昌 晴<br />

自 然 科 学 研 究 機 構 基 礎 生 物 学 研 究 所<br />

教 授<br />

細 胞 周 期 の 再 活 性 化 による 再 生 能 力 の<br />

賦 活 化<br />

中 山 敬 一<br />

九 州 大 学 生 体 防 御 医 学 研 究 所 教 授<br />

90

植 物 の 機 能 と 制 御<br />

2000-2007<br />

植 物 の 重 力 感 知 の 分 子 機 構<br />

飯 田 秀 利<br />

東 京 学 芸 大 学 教 育 学 部 教 授<br />

タバコモザイクウイルスの 増 殖 機 構<br />

石 川 雅 之<br />

( 独 ) 農 業 生 物 資 源 研 究 所 植 物 ・ 微 生 物 間 相 互 作 用<br />

研 究 ユニット 上 級 研 究 員<br />

戦 略 目 標<br />

技 術 革 新 による 活 力 に 満 ちた 高 齢 化 社 会<br />

の 実 現<br />

植 物 生 殖 成 長 のキープロセスを 統 御 する 共 生 ネットワークの 分 子 基 盤<br />

分 子 機 構 の 解 明<br />

川 口 正 代 司<br />

経 塚 淳 子 東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 准 教 授<br />

東 京 大 学 大 学 院 農 学 生 命 科 学 研 究 科 助 教 授<br />

光 合 成 生 物 の 生 物 時 計 :その 分 子 機 構 と<br />

環 境 適 応<br />

近 藤 孝 男<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

植 物 特 異 的 な 転 写 因 子 機 能 ネットワーク<br />

高 木 優<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 ゲノムファクトリー 研 究 部 門<br />

遺 伝 子 転 写 制 御 研 究 グループ グループ 長<br />

研 究 総 括<br />

鈴 木 昭 憲<br />

東 京 大 学<br />

名 誉 教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

植 物 の 持 つ 多 様 な 機 能 を 解 明 すると<br />

ともに、その 機 能 を 制 御 し、 利 用 すること<br />

をめざす 研 究 を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、 植 物 ゲノムの 解 析 並 び<br />

に 遺 伝 情 報 の 解 明 、 植 物 と 環 境 との 相<br />

互 作 用 や 環 境 ストレス 下 での 植 物 遺 伝<br />

情 報 の 発 現 、さらには 分 子 育 種 や 生 理<br />

機 能 の 制 御 等 を 通 じて、 食 料 生 産 の 増<br />

大 及 び 質 の 向 上 、 創 薬 への 応 用 、パル<br />

プや 建 築 材 、 繊 維 等 の 工 業 製 品 、その<br />

他 未 利 用 植 物 資 源 の 利 用 、 地 球 環 境 の<br />

保 全 や 災 害 防 止 などに 至 る 様 々な 植 物<br />

の 利 活 用 をめざす 研 究 等 が 含 まれます。<br />

ポストゲノム 科 学 を 基 盤 とする 植 物 同 化<br />

代 謝 機 能 のダイナミクス 解 明<br />

斉 藤 和 季<br />

千 葉 大 学 大 学 院 薬 学 研 究 院 教 授<br />

オオムギゲノム 機 能 の 開 発 と 制 御<br />

武 田 和 義<br />

岡 山 大 学 資 源 生 物 科 学 研 究 所 教 授<br />

デンプンメタボリックエンジニアリングの<br />

開 発<br />

中 村 保 典<br />

秋 田 県 立 大 学 生 物 資 源 科 学 部 教 授<br />

植 物 における 染 色 体 機 能 要 素 の 分 子 的<br />

解 析 と 人 工 染 色 体 の 構 築<br />

村 田 稔 岡<br />

山 大 学 資 源 生 物 科 学 研 究 所 教 授<br />

種 子 蛋 白 質 の 量 的 ・ 質 的 向 上 を 目 指 した<br />

分 子 育 種<br />

西 村 いくこ<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

寒 冷 圏 における 光 ストレスと 北 方 林 の<br />

再 生 ・ 維 持 機 構<br />

原 登 志 彦<br />

北 海 道 大 学 低 温 科 学 研 究 所 教 授<br />

植 物 発 生 における 細 胞 間 シグナリング<br />

岡 田 清 孝<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

植 物 の 害 虫 に 対 する 誘 導 防 衛 の<br />

制 御 機 構<br />

高 林 純 示<br />

京 都 大 学 生 態 学 研 究 センター 教 授<br />

植 物 の 鉄 栄 養 制 御<br />

西 澤 直 子<br />

東 京 大 学 大 学 院 農 学 生 命 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

植 物 が 作 る 未 解 明 窒 素 化 合 物 の 構 造 と<br />

作 用<br />

森 川 弘 道<br />

広 島 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

トリプトファン 生 合 成 系 における 一 次 ・<br />

二 次 代 謝 の 制 御 と 利 用<br />

若 狭 暁<br />

東 京 農 業 大 学 農 学 部 教 授<br />

91

高 度 メディア 社 会 の<br />

生 活 情 報 技 術<br />

文 化 遺 産 の 高 度 メディアコンテンツ 化 の<br />

ための 自 動 化 手 法<br />

池 内 克 史<br />

東 京 大 学 大 学 院 情 報 学 環 教 授<br />

電 子 ・ 光 子 等 の<br />

機 能 制 御<br />

量 子 相 関 機 能 のダイナミクス 制 御<br />

青 柳 克 信<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院 総 合 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

1999-2006<br />

戦 略 目 標<br />

大 きな 可 能 性 を 秘 めた 未 知 領 域 への 挑 戦<br />

デジタルシティのユニバーサルデザイン<br />

石 田 亨<br />

京 都 大 学 大 学 院 情 報 学 研 究 科 教 授<br />

表 現 豊 かな 発 話 音 声 のコンピュータ 処 理<br />

システム(EXPRESSIVE SPEECH PR<br />

OCESSING)<br />

Nick Campbell<br />

( 株 ) 国 際 電 気 通 信 基 礎 技 術 研 究 所<br />

主 幹 研 究 員<br />

1998-2005<br />

最 高 性 能 高 温 超 伝 導 材 料 の 創 製<br />

伊 原 英 雄<br />

( 代 行 ) 田 中 康 資<br />

戦 略 目 標<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 エレクトロニクス 研 究 部 門<br />

グループリーダー<br />

分 子 レベルの 新 機 能 発 現 を 通 じた 技 術<br />

革 新<br />

表 面 吸 着 原 子 制 御 による<br />

極 微 細 ダイヤモンドデバイス<br />

川 原 田 洋<br />

早 稲 田 大 学 理 工 学 部 教 授<br />

研 究 総 括<br />

長 尾 真<br />

( 独 ) 情 報 通 信 研 究 機 構 理 事 長<br />

高 度 メディア 社 会 のための 協 調 的 学 習<br />

支 援 システム<br />

三 宅 なほみ<br />

中 京 大 学 情 報 科 学 部 教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

日 常 生 活 に 深 く 関 連 する 様 々な 情 報<br />

技 術 を、「あらゆる 人 々が 自 由 に 使 いこな<br />

心 が 通 う 身 体 的 コミュニケーションシステム<br />

E-COSMIC<br />

渡 辺 富 夫<br />

せる」という 観 点 からとらえて 研 究 するとと<br />

もに、 社 会 科 学 的 な 側 面 からの 研 究 に<br />

ついても 対 象 とし、 質 が 高 く 安 心 できる 暮<br />

岡 山 県 立 大 学 情 報 工 学 部 教 授<br />

らし、 活 力 ある 社 会 の 構 築 をめざします。<br />

具 体 的 には、バリアフリー 情 報 システ<br />

ム 技 術 、 人 間 重 視 ヒューマンインター<br />

フェイス 技 術 、 調 和 のとれた 社 会 の 構 築<br />

日 常 生 活 を 拡 張 する 着 用 指 向 情 報<br />

パートナーの 開 発<br />

木 戸 出 正 継<br />

奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 情 報 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

のための 情 報 システム 技 術 などの 研 究<br />

を 行 います。また、これらを 支 えるソフト<br />

ウェアの 開 発 研 究 、 情 報 コンテンツ 構 築 テレイグジスタンスを 用 いる 相 互 コミュニ<br />

ケーションシステム<br />

とその 構 築 技 術 の 研 究 、 教 育 情 報 コン<br />

舘 暲<br />

テンツ 構 築 とその 活 用 システムの 研 究 、 東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

煩 雑 化 する 情 報 社 会 の 有 るべき 姿 の 多<br />

角 的 な 探 索 および 次 世 代 情 報 社 会 へ<br />

向 けた 基 盤 技 術 などの 研 究 を 行 います。<br />

情 報 のモビリティを 高 めるための<br />

基 盤 技 術<br />

辻 井 潤 一<br />

東 京 大 学 大 学 院 情 報 学 環 教 授<br />

研 究 総 括<br />

菅 野 卓 雄<br />

東 洋 大 学<br />

理 事 長<br />

相 関 エレクトロニクス<br />

平 山 祥 郎<br />

日 本 電 信 電 話 ( 株 ) 物 性 科 学 基 礎 研 究 所 部 長<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

量 子 スケールデバイスの<br />

システムインテグレーション<br />

電 子 や 光 子 等 の 静 的 、 動 的 特 性 を 制<br />

御 することで、 新 しい 機 能 を 発 現 しうる 技<br />

術 の 可 能 性 を 探 索 する 研 究 を 対 象 とす<br />

るものです。<br />

鳳 紘 一 郎<br />

東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科 教 授<br />

具 体 的 には、 信 号 の 発 生 、 増 幅 、 処<br />

理 、 変 換 等 の 機 能 を 発 現 させるための<br />

物 理 的 、 化 学 的 メカニズムや、その 実 現<br />

に 向 けた 技 術 的 可 能 性 の 探 索 を 行 う 研<br />

ネオシリコン 創 製 に 向 けた 構 造 制 御 と<br />

機 能 探 索<br />

小 田 俊 理<br />

東 京 工 業 大 学 量 子 ナノエレクトロニクス 研 究 センター<br />

教 授<br />

究 等 が 含 まれます。 特 に、 界 面 を 含 む 物<br />

質 内 部 、 表 面 における 電 子 や 光 子 等 に<br />

関 わる 量 子 力 学 的 現 象 の 発 見 、 解 明 、 核 スピンネットワーク 量 子 コンピュータ<br />

利 用 およびその 具 体 化 のための 材 料 、 北 川 勝 浩<br />

構 造 作 成 技 術 の 研 究 等 が 含 まれます。<br />

大 阪 大 学 大 学 院 基 礎 工 学 研 究 科 教 授<br />

人 工 光 物 性 に 基 づく 新 しい<br />

光 子 制 御 デバイス<br />

中 野 義 昭<br />

東 京 大 学 先 端 科 学 技 術 研 究 センター<br />

教 授<br />

人 間 中 心 の 知 的 情 報 アクセス 技 術<br />

橋 田 浩 一<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 情 報 技 術 研 究 部 門<br />

副 研 究 部 門 長<br />

ナノサイズ 構 造 制 御 金 属 ・ 半 金 属 材 料 の<br />

超 高 速 光 機 能<br />

中 村 新 男<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

セマンティック・タイポロジーによる 言 語 の<br />

等 価 変 換 と 生 成 技 術<br />

池 原 悟 鳥<br />

鳥 取 大 学 工 学 部 教 授<br />

光 ・ 電 子 波 束 制 御 エンジニアリング<br />

覧 具 博 義<br />

東 京 農 工 大 学 工 学 部 物 理 システム 工 学 科 教 授<br />

デジタルヒューマン 基 盤 技 術<br />

金 出 武 雄<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 デジタルヒューマン 研 究 センター<br />

研 究 センター 長<br />

固 体 中 へのスピン 注 入 による 新 機 能 創 製<br />

鈴 木 義 茂<br />

大 阪 大 学 大 学 院 基 礎 工 学 研 究 科 教 授<br />

連 想 に 基 づく 情 報 空 間 との 対 話 技 術<br />

高 野 明 彦<br />

情 報 ・システム 研 究 機 構 国 立 情 報 学 研 究 所 連 想 情 報 学<br />

研 究 開 発 センター センター 長 ・ 教 授<br />

量 子 暗 号 の 実 用 化 を 可 能 にする 光 子 状<br />

態 制 御 技 術<br />

中 村 和 夫<br />

( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 若 手 国 際 研 究 拠 点<br />

副 センター 長<br />

92

フォトニック 結 晶 による 究 極 の 光 制 御 と<br />

新 機 能 デバイス<br />

野 田 進<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

分 子 複 合 系 の<br />

構 築 と 機 能<br />

生 体 のエネルギー 変 換 ・ 信 号 伝 達 機 能 の<br />

全 構 築<br />

小 夫 家 芳 明<br />

奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 物 質 創 成 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

化 学 エネルギー 変 換 素 子 の 構 築<br />

田 中 晃 二<br />

自 然 科 学 研 究 機 構 分 子 科 学 研 究 所 教 授<br />

強 相 関 電 子 系 ペロブスカイト 遷 移 金 属<br />

酸 化 物 による 光 エレクトロニクス<br />

花 村 榮 一<br />

千 歳 科 学 技 術 大 学 光 科 学 部<br />

教 授<br />

1998-2005<br />

戦 略 目 標<br />

分 子 レベルの 新 機 能 発 現 を 通 じた 技 術<br />

革 新<br />

次 世 代 物 質 変 換 プロセスの 開 拓<br />

高 橋 保<br />

混 合 混 成 型 巨 大 炭 素 パイ 電 子 系 の 創 出<br />

戸 部 義 人<br />

北 海 道 大 学 触 媒 化 学 研 究 センター 教 授 大 阪 大 学 大 学 院 基 礎 工 学 研 究 科 教 授<br />

複 合 体 形 成 に 基 づく 膜 タンパク 質 の<br />

機 能 制 御<br />

橘 和 夫<br />

有 機 ナノ 結 晶 の 作 製 ・ 物 性 評 価 と<br />

多 元 ナノ 構 造 への 展 開<br />

中 西 八 郎<br />

東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授 東 北 大 学 多 元 物 質 科 学 研 究 所 教 授<br />

研 究 総 括<br />

櫻 井 英 樹<br />

東 北 大 学 名 誉 教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

有 機 分 子 や 無 機 分 子 等 から 成 る 分<br />

子 複 合 系 の 構 築 ならびにそれに 基 づく<br />

新 しい 物 性 や 機 能 の 発 現 を 目 指 す 研 究<br />

を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、 有 機 分 子 や 無 機 分 子 等<br />

が 分 子 内 あるいは 分 子 間 でさまざまな 相<br />

互 作 用 を 行 い、 新 規 の 物 性 を 発 現 する<br />

ことに 着 目 し、これら 分 子 の 設 計 、 分 子<br />

複 合 系 の 構 築 、 静 的 および 動 的 な 相 互<br />

作 用 の 解 明 、さらにはこれらの 知 見 に 基<br />

づく 新 しい 機 能 材 料 の 創 出 に 関 する 研<br />

究 が 含 まれます。<br />

エネルギー 変 換 機 能 を 有 する 無 機 超 分 子<br />

系 の 構 築<br />

堂 免 一 成<br />

東 京 工 業 大 学 資 源 化 学 研 究 所 教 授<br />

らせん 協 調 ハイパー 高 分 子 の 創 製 と<br />

構 造 ・ 物 性 ・ 機 能 の 相 関<br />

藤 木 道 也<br />

奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 物 質 創 成 科 学 研 究 科<br />

教 授<br />

高 次 構 造 天 然 物 の 全 合 成 : 制 癌 活 性<br />

物 質 の 探 索 と 創 製<br />

桑 嶋 功 北<br />

北 里 大 学 生 命 科 学 研 究 所 教 授<br />

ハイブリッド 型 生 理 活 性 分 子 の 高 効 率<br />

構 築 法 の 開 発<br />

鈴 木 啓 介<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

無 機 ナノ 結 晶 ・ 高 分 子 系 の 自 己 組 織 化 と<br />

生 体 組 織 誘 導 材 料 の 創 出<br />

田 中 順 三<br />

( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 生 体 材 料 研 究 センター<br />

センター 長<br />

有 機 ・ 無 機 複 合 光 電 子 移 動 触 媒 系 の<br />

開 発<br />

福 住 俊 一<br />

大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

自 己 生 成 する 高 分 子 ナノ 秩 序 体 :<br />

高 次 構 造 制 御 と 機 能 発 現<br />

吉 川 研 一<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

次 世 代 合 成 のための 多 機 能 集 約 型 触 媒<br />

の 構 築<br />

香 月 勗<br />

九 州 大 学 大 学 院 理 学 研 究 院 教 授<br />

一 次 元 孤 立 微 小 空 間 構 造 の 組 織 化 と<br />

機 能 発 現<br />

清 水 敏 美<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 界 面 ナノアーキテクトニクス<br />

研 究 センター センター 長<br />

93

ゲノムの 構 造 と<br />

機 能<br />

哺 乳 類 特 異 的 ゲノム 機 能<br />

石 野 史 敏<br />

東 京 医 科 歯 科 大 学 難 治 疾 患 研 究 所<br />

教 授<br />

染 色 体 転 座 ・ 微 細 欠 失 からの<br />

疾 病 遺 伝 子 の 単 離 と 解 析<br />

新 川 詔 夫<br />

長 崎 大 学 大 学 院 医 歯 薬 学 総 合 研 究 科<br />

教 授<br />

1998-2005<br />

戦 略 目 標<br />

分 子 レベルの 新 機 能 発 現 を 通 じた 技 術<br />

革 新<br />

組 換 えを 介 したゲノム 動 態 制 御<br />

柴 田 武 彦<br />

クラスター 型 カドヘリンのゲノム 構 造 ・<br />

機 能 の 解 析<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 遺 伝 生 化 学 研 究 室<br />

八 木 健<br />

主 任 研 究 員 大 阪 大 学 大 学 院 生 命 機 能 研 究 科 教 授<br />

アポトーシスにおけるゲノム 構 造 変 化 の<br />

分 子 機 構<br />

長 田 重 一<br />

大 阪 大 学 大 学 院 生 命 機 能 研 究 科 教 授<br />

研 究 総 括<br />

大 石 道 夫<br />

( 財 )かずさDNA 研 究 所 所 長<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

現 在 急 速 に 発 展 しつつある 各 種 生 物<br />

のゲノムの 構 造 とその 機 能 に 関 する 研<br />

究 を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、 種 々のゲノムの 構 造 解<br />

析 、ゲノム 解 析 技 術 、ゲノム 機 能 の 分 子<br />

生 物 学 的 研 究 、ゲノム 研 究 に 関 連 した<br />

遺 伝 子 やタンパク 質 の 研 究 、それらの 研<br />

究 成 果 に 基 づく 細 胞 の 機 能 発 現 に 関 す<br />

る 研 究 等 が 含 まれます。<br />

器 官 形 成 に 関 わるゲノム 情 報 の 解 読<br />

松 原 謙 一<br />

( 財 ) 国 際 高 等 研 究 所 学 術 参 与<br />

大 腸 菌 におけるゲノム 機 能 の<br />

体 系 的 解 析<br />

森 浩 禎<br />

奈 良 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 遺 伝 子 教 育 研 究 センター<br />

教 授<br />

p53によるゲノム 防 御 機 構<br />

田 矢 洋 一<br />

国 立 がんセンター 研 究 所 放 射 線 研 究 部 部 長<br />

ゲノム 情 報 維 持 の 分 子 メカニズム<br />

花 岡 文 雄<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 細 胞 生 理 学 研 究 室<br />

主 任 研 究 員<br />

ナノチップテクノロジーの 創 製 と<br />

ゲノム 解 析 への 応 用<br />

馬 場 嘉 信<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

ゲノムの 安 定 保 持 を 保 証 する<br />

細 胞 核 構 造 の 解 明<br />

平 岡 泰<br />

( 独 ) 情 報 通 信 研 究 機 構 関 西 先 端 研 究 センター<br />

グループリーダー<br />

核 内 因 子 の 局 在 と 修 飾 に 関 する<br />

化 学 遺 伝 学 的 研 究<br />

吉 田 稔<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 化 学 遺 伝 学 研 究 室<br />

主 任 研 究 員<br />

高 等 真 核 細 胞 で 標 的 組 み 換 えの 効 率 を<br />

上 昇 させる 方 法 の 開 発<br />

武 田 俊 一<br />

京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授<br />

klothoマウスをモデルとしたゲノム 機 能<br />

の 体 系 的 研 究<br />

鍋 島 陽 一<br />

京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授<br />

94

内 分 泌 かく 乱 物 質<br />

1998-2005<br />

内 分 泌 かく 乱 化 学 物 質 の 細 胞 内 標 的 分 子<br />

の 同 定 と 新 しいバイオモニタリング<br />

梅 澤 喜 夫<br />

東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

高 感 度 質 量 分 析 計 の 開 発 と<br />

内 分 泌 かく 乱 物 質 の 分 析<br />

交 久 瀬 五 雄<br />

大 阪 大 学 名 誉 教 授<br />

戦 略 目 標<br />

植 物 由 来 及 び 人 工 内 分 泌 撹 乱 物 質 の<br />

相 互 作 用<br />

香 山 不 二 雄<br />

脳 ニューロステロイド 作 用 を 撹 乱 する<br />

環 境 ホルモン<br />

川 戸 佳<br />

自 治 医 科 大 学 保 健 科 学 講 座 教 授 東 京 大 学 大 学 院 総 合 文 化 研 究 科 教 授<br />

環 境 にやさしい 社 会 の 実 現<br />

ヒトを 含 む 哺 乳 類 の 生 殖 機 能 への 内 分 泌<br />

かく 乱 物 質 の 影 響<br />

堤 治<br />

大 気 中 に 存 在 する 新 しいタイプの<br />

内 分 泌 撹 乱 物 質<br />

武 田 健<br />

東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授 東 京 理 科 大 学 薬 学 部 教 授<br />

研 究 総 括<br />

鈴 木 継 美<br />

東 京 大 学<br />

名 誉 教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

リスク 評 価 のためのダイオキシンによる<br />

内 分 泌 かく 乱 作 用 の 解 明<br />

遠 山 千 春<br />

( 独 ) 国 立 環 境 研 究 所 環 境 健 康 研 究 領 域 領 域 長<br />

魚 類 生 殖 内 分 泌 系 に 及 ぼす 内 分 泌 かく 乱<br />

物 質 の 影 響 の 分 子 メカニズム<br />

長 濱 嘉 孝<br />

自 然 科 学 研 究 機 構 基 礎 生 物 学 研 究 所<br />

教 授<br />

内 分 泌 かく 乱 物 質 問 題 の 本 質 的 な 理<br />

解 と 解 決 をめざした 研 究 を 対 象 とするも<br />

のです。<br />

核 内 受 容 体 ・ 共 役 因 子 複 合 体 と 内 分 泌<br />

かく 乱 物 質<br />

名 和 田 新<br />

生 殖 系 での 低 濃 度 内 分 泌 撹 乱 物 質 関 連<br />

遺 伝 子 データベースの 構 築<br />

宮 本 薫<br />

具 体 的 には、ヒトや 野 生 動 物 を 対 象 と<br />

した 内 分 泌 系 への 作 用 メカニズムの 解<br />

明 、これを 発 端 とする 生 殖 、 神 経 / 行 動 、<br />

九 州 大 学 大 学 院 医 学 研 究 院 教 授 福 井 大 学 医 学 部 教 授<br />

発 達 、 免 疫 等 への 影 響 のメカニズムの 内 分 泌 かく 乱 物 質 の 生 体 毒 性 発 現 の<br />

分 子 メカニズムとモニター 系 の 開 発<br />

解 明 、ヒトおよび 生 態 系 に 対 する 個 別 さ<br />

藤 井 義 明<br />

らには 複 数 の 内 分 泌 かく 乱 物 質 に 関 す<br />

る 量 と 影 響 、 量 と 反 応 の 関 係 の 評 価 、そ<br />

れらをもとにした 対 策 技 術 に 関 する 研 究<br />

等 を 対 象 とします。<br />

筑 波 大 学 先 端 学 際 領 域 研 究 センター 客 員 教 授<br />

性 分 化 機 構 の 解 明<br />

諸 橋 憲 一 郎<br />

岡 崎 国 立 共 同 研 究 機 構 基 礎 生 物 学 研 究 所 教 授<br />

内 分 泌 かく 乱 物 質 による<br />

精 子 形 成 異 常 に 関 与 する 癌 遺 伝 子 産 物<br />

DJ-1とAMY-1<br />

有 賀 寛 芳<br />

北 海 道 大 学 大 学 院 薬 学 研 究 科 教 授<br />

内 分 泌 かく 乱 物 質 の 動 物 への<br />

発 生 内 分 泌 学 的 影 響<br />

井 口 泰 泉<br />

自 然 科 学 研 究 機 構 岡 崎 統 合 バイオサイエンスセンター<br />

教 授<br />

内 分 泌 かく 乱 物 質 のヒト 生 殖 機 能 への<br />

影 響 に 関 する 総 合 的 研 究<br />

岩 本 晃 明<br />

聖 マリアンナ 医 科 大 学 泌 尿 器 科 教 授<br />

内 分 泌 かく 乱 物 質 が 減 数 分 裂 、<br />

相 同 組 換 えに 与 える 影 響<br />

黒 田 雅 彦<br />

東 京 医 科 大 学 病 理 学 講 座 講 師<br />

内 分 泌 かく 乱 物 質 の 脳 神 経 系 機 能 発 達<br />

への 影 響 と 毒 性 メカニズム<br />

黒 田 洋 一 郎<br />

( 財 ) 東 京 都 神 経 科 学 総 合 研 究 所 客 員 研 究 員<br />

95

資 源 循 環 ・エネルギー<br />

ミニマム 型 システム<br />

技 術<br />

エネルギーの 効 率 的 変 換 を 目 指 した<br />

界 面 イオン 移 動 の 解 明<br />

小 久 見 善 八<br />

新 規 化 学 結 合 を 用 いる<br />

シリコン 薄 膜 太 陽 電 池<br />

小 林 光<br />

八 京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授 大 阪 大 学 産 業 科 学 研 究 所 教 授<br />

脳 を 知 る<br />

1998-2005<br />

1998-2004<br />

高 リサイクル 性 を 有 する 森 林 資 源 の 開 発<br />

小 名 俊 博<br />

九 州 大 学 大 学 院 農 学 研 究 院 助 教 授<br />

家 庭 用 燃 料 電 池 実 現 のための 新 たな<br />

高 効 率 天 然 ガス 改 質 システムの 構 築<br />

高 村 仁<br />

東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 助 教 授<br />

戦 略 目 標<br />

脳 機 能 の 解 明<br />

戦 略 目 標<br />

資 源 循 環 ・エネルギーミニマム 型 社 会<br />

システムの 構 築<br />

研 究 総 括<br />

平 田 賢<br />

芝 浦 工 業 大 学<br />

学 長<br />

温 暖 化 ガスにかかわる 永 久 凍 土 攪 乱 の<br />

抑 制 技 術 開 発<br />

福 田 正 己<br />

北 海 道 大 学 低 温 科 学 研 究 所 教 授<br />

エネルギーミニマム 型 高 分 子 形 成 システム<br />

技 術 の 開 発<br />

馬 越 淳<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

山 田 興 一<br />

信 州 大 学 繊 維 学 部 教 授<br />

大 量 資 源 消 費 型 文 明 社 会 を 是 正 し、<br />

持 続 的 発 展 を 可 能 とする 社 会 を 構 築 す<br />

るため、 地 球 温 暖 化 等 の 環 境 問 題 を 克<br />

服 し、 資 源 循 環 ・エネルギーミニマム 型 シ<br />

ステムの 構 築 を 目 指 す 研 究 を 対 象 とする<br />

生 島 豊<br />

ものです。<br />

具 体 的 には、 長 期 的 な 観 点 から、 産 業<br />

から 民 生 に 至 る 地 球 温 暖 化 ガス 放 出 を<br />

抑 制 する 新 たな 技 術 の 探 索 、 生 物 機 能<br />

を 利 用 した 水 素 等 エネルギー 源 創 生 、 温<br />

鈴 木 健 二 郎<br />

暖 化 ガスの 固 定 ・ 分 解 等 に 関 する 研 究 、<br />

また、 資 源 循 環 ・エネルギーミニマム 型 シ<br />

ステム 構 築 のために 必 要 となる 製 品 設<br />

計 技 術 や 製 造 技 術 等 に 関 する 革 新 的<br />

な 研 究 等 が 含 まれます。<br />

また、 環 境 問 題 は 社 会 システムとも 密 舩 岡 正 光<br />

接 な 関 係 があるため、 総 合 システム 技 術 三 重 大 学 生 物 資 源 学 部 教 授<br />

に 関 する 研 究 も 含 まれます。<br />

コプロダクションによるCO2フリーな<br />

エネルギー・ 物 質 生 産 システムの 構 築<br />

堤 敦 司<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科<br />

助 教 授<br />

資 源 回 収 型 の 都 市 廃 水 ・ 廃 棄 物 処 理<br />

システム 技 術 の 開 発<br />

津 野 洋<br />

( 独 ) 農 業 生 物 資 源 研 究 所 特 待 研 究 員 京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

乾 燥 地 植 林 による 炭 素 固 定 システムの<br />

構 築<br />

機 能 環 境 流 体 を 利 用 した<br />

資 源 循 環 ・ 低 エミッション 型 物 質 製 造<br />

プロセスの 創 製<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 超 臨 界 流 体 研 究 センター<br />

副 センター 長<br />

超 小 型 ガスタービン・ 高 度 分 散 エネルギー<br />

システム<br />

芝 浦 工 業 大 学 エネルギーフロー 研 究 センター<br />

センター 長<br />

植 物 系 分 子 素 材 の 高 度 循 環 活 用 システム<br />

の 構 築<br />

研 究 総 括<br />

久 野 宗<br />

京 都 大 学 名 誉 教 授 / 自 然 科 学 研 究 機 構<br />

名 誉 教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

脳 機 能 の 解 明 のうち、 人 間 たる 所 以<br />

の 根 元 である 脳 の 働 きの 理 解 を 目 標 と<br />

する 研 究 を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、「 脳 の 発 生 分 化 機 構 」<br />

「 神 経 回 路 網 の 構 造 、 機 能 と 形 成 機 構 」<br />

「 脳 の 高 次 機 能 ( 記 憶 、 学 習 、 意 識 、 情<br />

動 、 認 識 と 生 体 リズムなど)」「コミュニ<br />

ケーションの 脳 機 能 」の 解 明 を 目 標 とし<br />

ます。<br />

社 会 的 受 容 性 獲 得 のための<br />

情 報 伝 達 技 術 の 開 発<br />

安 井 至<br />

国 際 連 合 大 学 副 学 長<br />

高 温 運 転 メタノール 直 接 型 燃 料 電 池 の<br />

開 発<br />

渡 辺 政 廣<br />

山 梨 大 学 クリーンエネルギー 研 究 センター センター 長<br />

水 を 電 子 源 とする 人 工 光 合 成 システムの<br />

構 築<br />

井 上 晴 夫<br />

首 都 大 学 東 京 都 市 環 境 学 部 学 部 長<br />

電 気 化 学 エネルギー 変 換 の 擬 似 三 次 元<br />

界 面 設 計<br />

太 田 健 一 郎<br />

横 浜 国 立 大 学 大 学 院 工 学 研 究 院 教 授<br />

96

抑 制 性 シナプス 可 塑 性 の 分 子 機 構 の<br />

解 明 とその 応 用<br />

小 西 史 朗<br />

三 菱 化 学 生 命 科 学 研 究 所 室 長<br />

脳 を 守 る<br />

1997-2004<br />

遅 発 性 神 経 細 胞 死 の 分 子 機 構<br />

桐 野 高 明<br />

東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

プリオン 複 製 に 関 与 する 新 しい 因 子 の<br />

同 定 とプリオン 病 治 療 法<br />

開 発 への 応 用<br />

金 子 清 俊<br />

国 立 精 神 ・ 神 経 センター 部 長<br />

脂 質 メディエーターのdual receptor 系<br />

と 神 経 機 能<br />

戦 略 目 標<br />

精 神 分 裂 病 ( 統 合 失 調 症 )における 神 経<br />

伝 達 の 異 常<br />

清 水 孝 雄<br />

東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科<br />

教 授<br />

脳 機 能 の 解 明<br />

須 原 哲 也<br />

( 独 ) 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 特 別 上 席 研 究 員<br />

脳 の 初 期 発 生 制 御 遺 伝 子 群 の 体 系 的<br />

収 集 と 機 能 解 析<br />

平 良 眞 規<br />

東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 助 教 授<br />

Caチャネル 遺 伝 子 の 変 異 と 神 経 疾 患<br />

田 邊 勉<br />

東 京 医 科 歯 科 大 学 大 学 院 医 歯 学 総 合 研 究 科<br />

教 授<br />

回 路 網 形 成 における 神 経 活 動 の<br />

関 与 メカニズム<br />

津 本 忠 治<br />

大 阪 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

研 究 総 括<br />

杉 田 秀 夫<br />

国 立 精 神 ・ 神 経 センター 名 誉 総 長<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

脊 髄 性 筋 萎 縮 症 発 症 メカニズムの 解 析<br />

辻 本 賀 英<br />

大 阪 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

細 胞 膜 上 機 能 分 子 の 動 態 と 神 経 伝 達 調 節<br />

メカニズム<br />

重 本 隆 一<br />

自 然 科 学 研 究 機 構 生 理 学 研 究 所 教 授<br />

行 動 制 御 系 としての 前 頭 前 野 機 能 の<br />

解 明<br />

丹 治 順<br />

東 北 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

脳 機 能 の 解 明 のうち、 脳 の 老 化 、 疾<br />

病 のメカニズムの 理 解 と 制 御 を 目 標 とす<br />

神 経 細 胞 における 増 殖 制 御 機 構 の 解 明<br />

る 研 究 を 対 象 とするものです。<br />

中 山 敬 一<br />

具 体 的 には、「 脳 の 発 達 障 害 の 制 御 」<br />

九 州 大 学 生 体 防 御 医 学 研 究 所 教 授<br />

「 脳 の 老 化 の 制 御 」「 神 経 ・ 精 神 障 害 の<br />

機 構 の 解 明 」「 神 経 ・ 精 神 障 害 の 修 復<br />

法 の 開 発 」を 目 標 とします。<br />

老 化 脳 における 神 経 の 可 塑 性 制 御 の<br />

分 子 基 盤<br />

森 望<br />

国 立 療 養 所 中 部 病 院 長 寿 医 療 研 究 センター 部 長<br />

学 習 ・ 記 憶 のシナプス 前 性 メカニズムの<br />

解 明<br />

八 尾 寛<br />

東 北 大 学 大 学 院 生 命 科 学 研 究 科 教 授<br />

脳 関 門 排 出 輸 送 に 基 づく 中 枢 解 毒<br />

寺 崎 哲 也<br />

東 北 大 学 未 来 科 学 技 術 共 同 研 究 センター 教 授<br />

脳 虚 血 により 引 き 起 こされる 神 経 細 胞<br />

死 防 御 法 の 開 発<br />

遠 山 正 彌<br />

大 阪 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

ウイルス 性 脳 障 害 の 発 症 機 構 の 解 明 と<br />

治 療 法 の 開 発<br />

長 嶋 和 郎<br />

北 海 道 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授<br />

活 性 酸 素 による 脳 ・ 神 経 細 胞 の 障 害 と<br />

その 防 御 機 構<br />

中 別 府 雄 作<br />

九 州 大 学 生 体 防 御 医 学 研 究 所 教 授<br />

DNAチップによる 遺 伝 性 筋 疾 患 の<br />

分 子 病 態 解 明<br />

荒 畑 喜 一<br />

( 代 行 ) 西 野 一 三<br />

国 立 精 神 ・ 神 経 センター 部 長<br />

神 経 変 性 の 分 子 機 構 解 析 に 基 づく<br />

新 しい 治 療 戦 略 の 開 発<br />

垣 塚 彰<br />

京 都 大 学 大 学 院 生 命 科 学 研 究 科 教 授<br />

97

脳 を 創 る<br />

1997-2004<br />

脳 の 動 的 時 空 間 計 算 モデルの 構 築 と<br />

その 実 装<br />

合 原 一 幸<br />

東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科 教 授<br />

地 球 変 動 の<br />

メカニズム<br />

黒 潮 変 動 予 測 実 験<br />

今 脇 資 郎<br />

九 州 大 学 応 用 力 学 研 究 所<br />

教 授<br />

戦 略 目 標<br />

聴 覚 の 情 景 分 析 に 基 づく 音 声 ・ 音 響 処 理<br />

システム<br />

1997-2004<br />

北 西 太 平 洋 の 海 洋 生 物 化 学 過 程 の<br />

時 系 列 観 測<br />

脳 機 能 の 解 明<br />

河 原 英 紀<br />

和 歌 山 大 学 システム 工 学 部<br />

教 授<br />

戦 略 目 標<br />

野 尻 幸 宏<br />

( 独 ) 国 立 環 境 研 究 所 総 合 研 究 官<br />

環 境 にやさしい 社 会 の 実 現<br />

研 究 総 括<br />

甘 利 俊 一<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 脳 科 学 総 合 研 究 センター<br />

センター 長<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

脳 機 能 の 解 明 のうち、 脳 型 情 報 処 理<br />

システムの 構 築 を 目 標 とする 研 究 を 対 象<br />

とするものです。<br />

具 体 的 には、「 脳 型 デバイス・アーキテ<br />

クチャ( 学 習 、 連 想 記 憶 など)」「 情 報 生<br />

成 処 理 ( 認 知 認 識 、 運 動 計 画 、 思 考 、 言<br />

語 、 評 価 、 記 憶 など)システム」の 構 築 を<br />

目 標 とします。<br />

脳 型 情 報 処 理 システムのための 視 覚 情 報<br />

処 理 プロセッサの 開 発<br />

小 柳 光 正<br />

東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

言 語 の 脳 機 能 に 基 づく 言 語 獲 得 装 置 の<br />

構 築<br />

酒 井 邦 嘉<br />

東 京 大 学 大 学 院 総 合 文 化 研 究 科 助 教 授<br />

MEGによる 人 間 の 高 次 脳 機 能 の 解 明<br />

武 田 常 広<br />

東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科 教 授<br />

運 動 の 学 習 制 御 における 小 脳 機 能 の<br />

解 明<br />

永 雄 総 一<br />

自 治 医 科 大 学 医 学 部 助 教 授<br />

研 究 総 括<br />

浅 井 冨 雄<br />

東 京 大 学<br />

名 誉 教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

超 伝 導 受 信 器 を 用 いたオゾン 等 の<br />

大 気 微 量 分 子 の 高 度 分 布 測 定 装 置 の<br />

開 発<br />

福 井 康 雄<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

衛 星 観 測 による 植 物 生 産 量 推 定 手 法 の<br />

開 発<br />

本 多 嘉 明<br />

千 葉 大 学 環 境 リモートセンシング 研 究 センター<br />

助 教 授<br />

オホーツク 海 氷 の 実 態 と 気 候 システムに<br />

おける 役 割 の 解 明<br />

地 球 環 境 に 関 して、 地 球 規 模 の 諸 現<br />

象 の 解 明 とその 予 測 に 必 要 となる 研 究<br />

を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、 地 球 規 模 での 気 候 変 動 、<br />

水 循 環 、 地 球 温 暖 化 、 大 気 組 成 の 変 動 、<br />

生 態 系 の 変 動 および 地 球 内 部 変 動 に<br />

ついてのメカニズムに 関 し、これらを 明 ら<br />

かにするためのプロセスの 研 究 およびそ<br />

若 土 正 曉<br />

北 海 道 大 学 低 温 科 学 研 究 所<br />

浅 野 ( 中 静 ) 透<br />

教 授<br />

のモデルの 研 究 などが 対 象 となります。<br />

総 合 地 球 環 境 学 研 究 所 教 授<br />

熱 帯 林 の 林 冠 における 生 態 圏 ? 気 圏 相 互<br />

作 用 のメカニズムの 解 明<br />

自 律 行 動 単 位 の 力 学 的 結 合 による<br />

脳 型 情 報 処 理 機 械 の 開 発<br />

中 村 仁 彦<br />

東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

海 洋 大 気 エアロゾル 組 成 の 変 動 と<br />

影 響 予 測<br />

植 松 光 夫<br />

東 京 大 学 海 洋 研 究 所 助 教 授<br />

時 間 的 情 報 処 理 の 神 経 基 盤 のモデル 化<br />

深 井 朋 樹<br />

玉 川 大 学 工 学 部 教 授<br />

大 気 - 陸 域 相 互 作 用 のモデル 化 と 衛 星<br />

観 測 手 法 の 開 発<br />

小 池 俊 雄<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

発 声 力 学 に 基 づく<br />

タスクプラニング 機 構 の 構 築<br />

誉 田 雅 彰<br />

早 稲 田 大 学 スポーツ 科 学 部 教 授<br />

メソ 対 流 系 の 構 造 と 発 生 ・ 発 達 の<br />

メカニズムの 解 明<br />

吉 崎 正 憲<br />

気 象 研 究 所 予 報 研 究 部 室 長<br />

感 覚 運 動 統 合 理 論 に 基 づく「 手 と 脳 」の<br />

工 学 的 実 現<br />

石 川 正 俊<br />

東 京 大 学 大 学 院 情 報 理 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

化 学 的 摂 動 法 による 大 気 反 応 機 構 解 明<br />

梶 井 克 純<br />

東 京 都 立 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

行 動 系 のメタ 学 習 と 情 動 コミュニケーション<br />

機 構 の 解 明<br />

銅 谷 賢 治<br />

( 株 ) 国 際 電 気 通 信 基 礎 技 術 研 究 所 脳 情 報 研 究 所<br />

室 長<br />

衛 星 利 用 のための 実 時 間 海 洋 基 礎 生 産<br />

計 測 システム<br />

才 野 敏 郎<br />

名 古 屋 大 学 地 球 水 循 環 研 究 センター 教 授<br />

海 馬 の 動 的 神 経 機 構 を 基 礎 とする 状 況<br />

依 存 的 知 能 の 設 計 原 理<br />

山 口 陽 子<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 脳 科 学 総 合<br />

研 究 センター チームリーダー<br />

アジア 域 の 広 域 大 気 汚 染 による<br />

大 気 粒 子 環 境 の 変 調<br />

中 島 映 至<br />

東 京 大 学 気 候 システム 研 究 センター 教 授<br />

98

太 陽 輻 射 と 磁 気 変 動 の 地 球 変 動 への<br />

影 響<br />

吉 村 宏 和<br />

東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 助 教 授<br />

生 命 活 動 の<br />

プログラム<br />

細 胞 増 殖 における 染 色 体 複 製 の 型 の<br />

多 様 性 と 複 製 装 置 の<br />

活 性 化 の 分 子 機 構<br />

新 井 賢 一<br />

東 京 大 学 医 科 学 研 究 所 所 長 ・ 教 授<br />

一 方 向 性 反 応 のプログラミング 基 盤<br />

木 下 一 彦<br />

岡 崎 国 立 共 同 研 究 機 構 教 授<br />

1995-2002<br />

戦 略 目 標<br />

大 きな 可 能 性 を 秘 めた 未 知 領 域 への 挑 戦<br />

細 胞 増 殖 の 制 御 機 構<br />

岸 本 健 雄<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院 生 命 理 工 学 研 究 科<br />

教 授<br />

超 好 熱 性 古 細 菌 転 写 因 子 ネットワークの<br />

構 造 生 物 学 的 解 析<br />

鈴 木 理<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 D N A 情 報 科 学 研 究<br />

グループ グループリーダー<br />

線 虫 全 発 生 過 程 の<br />

遺 伝 子 発 現 プログラム<br />

小 原 雄 治<br />

変 異 マウスを 用 いた 発 癌 制 御 因 子 の<br />

単 離 ・ 同 定<br />

野 田 哲 生<br />

情 報 ・システム 研 究 機 構 国 立 遺 伝 学 研 究 所 教 授 東 北 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授 /<br />

( 財 ) 癌 研 究 会 癌 研 究 所 部 長<br />

研 究 総 括<br />

村 松 正 實<br />

埼 玉 医 科 大 学 ゲノム 医 学 研 究 センター<br />

所 長<br />

個 体 老 化 の 分 子 機 構 の 解 明<br />

鍋 島 陽 一<br />

京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授<br />

細 胞 周 期 における 染 色 体 制 御 に<br />

必 須 な 高 次 複 合 体 の 解 明<br />

柳 田 充 弘<br />

京 都 大 学 大 学 院 生 命 科 学 研 究 科 研 究 科 長 ・ 教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

生 物 に 特 徴 的 な 生 命 現 象 の 基 礎 にあ<br />

左 右 軸 の 位 置 情 報 の 伝 達 ・ 確 立 の タンパク 質 の 膜 を 越 えたダイナミズムを<br />

分 子 機 構<br />

支 える 細 胞 機 能 の 解 明<br />

る 生 命 活 動 の 本 態 を、 主 として 分 子 レベ<br />

濱 田 博 司<br />

伊 藤 維 昭<br />

ルで 解 明 する 研 究 を 対 象 とするものです。 大 阪 大 学 細 胞 生 体 工 学 センター<br />

具 体 的 には、 高 等 生 物 の 発 生 ・ 分 化 ・<br />

老 化 などを 含 む 生 命 活 動 の 基 本 にある<br />

教 授 京 都 大 学 ウイルス 研 究 所 教 授<br />

メカニズムやそれを 遂 行 するプログラム<br />

についてさまざまな 方 向 から 追 求 するも<br />

汎 生 物 高 速 遺 伝 子 同 定 法 の 開 発 と<br />

遺 伝 的 背 景 を 支 配 する<br />

構 造 生 物 学 に 基 づくシグナル 伝 達 系 の<br />

解 明 とその 制 御<br />

遺 伝 子 群 への 応 用<br />

のであり、 分 子 レベルの 解 明 を 必 要 とす<br />

稲 垣 冬 彦<br />

林 崎 良 英<br />

北 海 道 大 学 大 学 院 薬 学 研 究 科 教 授<br />

る 種 々の 研 究 の 基 礎 となるものです。<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 ゲノム 科 学 総 合 研 究 センター<br />

プロジェクトディレクター<br />

オルガネラ 構 築 と 細 胞 機 能 発 現 制 御 の<br />

分 子 機 構<br />

藤 木 幸 夫<br />

哺 乳 類 人 工 染 色 体 の 開 発 と 個 体 の 形 質<br />

転 換 への 利 用<br />

岡 崎 恒 子<br />

九 州 大 学 大 学 院 理 学 研 究 院 教 授 藤 田 保 健 衛 生 大 学 総 合 医 科 学 研 究 所 教 授<br />

発 生 ・ 分 化 を 規 定 する 新 規 シグナル 伝 達<br />

ネットワーク<br />

松 本 邦 弘<br />

遺 伝 情 報 制 御 分 子 としての<br />

ステロイドレセプター<br />

加 藤 茂 明<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授 東 京 大 学 分 子 細 胞 生 物 学 研 究 所 教 授<br />

器 官 形 成 の 分 子 機 構<br />

浅 島 誠<br />

東 京 大 学 大 学 院 総 合 文 化 研 究 科<br />

教 授<br />

核 内 因 子 による<br />

遺 伝 情 報 発 現 制 御 機 構 の 解 明<br />

田 村 隆 明<br />

千 葉 大 学 大 学 院 自 然 科 学 研 究 科 教 授<br />

ゲノム 全 遺 伝 子 の 発 現 ヒエラルキー 決 定<br />

機 構 の 解 明<br />

石 浜 明<br />

情 報 ・システム 研 究 機 構 国 立 遺 伝 学 研 究 所<br />

副 所 長 ・ 教 授<br />

酸 性 オルガネラの 形 成 と 機 能 の 解 明<br />

二 井 將 光<br />

大 阪 大 学 産 業 科 学 研 究 所 所 長 ・ 教 授<br />

ゲノムインプリンティング 制 御 の 分 子 機 構<br />

押 村 光 雄<br />

鳥 取 大 学 医 学 部 教 授<br />

水 素 イオン 能 動 輸 送 機 構 の 構 造 生 物 学<br />

的 解 析<br />

吉 川 信 也<br />

姫 路 工 業 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科<br />

教 授<br />

安 定 同 位 体 利 用 NMR 法 の 高 度 化 と<br />

構 造 生 物 学 への 応 用<br />

甲 斐 荘 正 恒<br />

東 京 都 立 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

99

生 体 防 御 の<br />

メカニズム<br />

1995-2002<br />

戦 略 目 標<br />

大 きな 可 能 性 を 秘 めた 未 知 領 域 への 挑 戦<br />

遺 伝 子 改 変 に 基 づく<br />

生 体 防 御 システムの 解 明<br />

審 良 静 男<br />

大 阪 大 学 微 生 物 病 研 究 所 教 授<br />

カルシウムシグナル 研 究 の<br />

先 端 的 手 法 による 展 開<br />

飯 野 正 光<br />

東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

昆 虫 ウイルスと 宿 主 との<br />

分 子 応 答 機 構 とその 応 用<br />

前 田 進<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 主 任 研 究 員<br />

炎 症 反 応 分 子 機 構 のIL8、 接 着 因 子 を<br />

中 心 とした 解 析<br />

松 島 綱 治<br />

東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

植 物 の 感 染 防 御 機 構 の<br />

生 物 有 機 化 学 的 解 明<br />

岩 村 俶<br />

京 都 大 学 大 学 院 農 学 研 究 科<br />

教 授<br />

仲 介 因 子 を 介 した 遺 伝 子 発 現 制 御 の<br />

解 明<br />

石 井 俊 輔<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 主 任 研 究 員<br />

研 究 総 括<br />

橋 本 嘉 幸<br />

共 立 薬 科 大 学<br />

理 事 長<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

生 物 が 自 らを 守 るために 備 えている 生<br />

体 防 御 のメカニズムについての 研 究 を<br />

対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、 動 物 から 植 物 に 至 る<br />

種 々の 生 物 の 備 えている 免 疫 機 能 や 外<br />

敵 防 御 の 機 構 を、 個 体 、 組 織 、 細 胞 、 分<br />

子 ・ 遺 伝 子 などの 観 点 から 追 及 します。さ<br />

らに 生 体 防 御 の 破 綻 を 引 き 起 こす 種 々<br />

の 疾 病 ( 免 疫 関 連 疾 患 、ウイルス 性 疾<br />

患 、 癌 など)の 誘 因 や、その 診 断 ・ 治 療 お<br />

よび 予 防 に 関 する 基 礎 生 物 科 学 的 な 研<br />

究 も 対 象 とします。<br />

免 疫 系 と 神 経 ・ 内 分 泌 系 の<br />

立 体 的 分 子 機 構 の 解 明<br />

奥 村 康<br />

順 天 堂 大 学 医 学 部 教 授<br />

ウイルス 持 続 感 染 による 免 疫 均 衡 の<br />

破 綻 機 序 とその 免 疫 治 療 法 の 開 発<br />

神 奈 木 真 理<br />

東 京 医 科 歯 科 大 学 医 歯 学 総 合 研 究 科<br />

教 授<br />

Fc 受 容 体 を 介 する 生 体 防 御 システムの<br />

解 析<br />

高 井 俊 行<br />

東 北 大 学 加 齢 医 学 研 究 所 教 授<br />

普 遍 的 な 生 体 防 御 機 構 としてのストレス<br />

応 答<br />

永 田 和 宏<br />

京 都 大 学 再 生 医 科 学 研 究 所 教 授<br />

遺 伝 子 の 不 活 化 ・ 活 性 化 を 通 した 植 物 の<br />

生 体 制 御<br />

大 橋 祐 子<br />

( 独 ) 農 業 生 物 資 源 研 究 所 特 待 研 究 員<br />

細 胞 容 積 調 節 の 分 子 メカニズムと<br />

その 破 綻 防 御<br />

岡 田 泰 伸<br />

岡 崎 国 立 共 同 研 究 機 構 生 理 学 研 究 所 教 授<br />

糖 鎖 シグナルを 介 する 生 体 防 御 システム<br />

の 解 析<br />

川 嵜 敏 祐<br />

京 都 大 学 大 学 院 薬 学 研 究 科 教 授<br />

免 疫 系 のフレームワーク 決 定 及 び<br />

免 疫 制 御 の 分 子 機 構<br />

笹 月 健 彦<br />

国 立 国 際 医 療 センター 研 究 所 所 長<br />

昆 虫 の 生 体 防 御 分 子 機 構 とその 応 用<br />

名 取 俊 二<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 特 別 招 聘 研 究 員<br />

異 物 排 除 システムの 分 子 基 盤<br />

杉 山 雄 一<br />

東 京 大 学 大 学 院 薬 学 系 研 究 科 教 授<br />

サイトカイン 機 能 不 全 の 分 子 機 構 と<br />

遺 伝 子 治 療<br />

菅 村 和 夫<br />

東 北 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授<br />

造 血 幹 細 胞 の 分 化 と 自 己 複 製 の<br />

制 御 機 構<br />

中 内 啓 光<br />

東 京 大 学 医 科 学 研 究 所 教 授<br />

超 分 子 システムによる 免 疫 識 別 の<br />

分 子 機 構 解 明<br />

田 中 啓 二<br />

( 財 ) 東 京 都 臨 床 医 学 総 合 研 究 所 部 長<br />

自 己 免 疫 制 御 の 分 子 基 盤<br />

谷 口 克<br />

千 葉 大 学 大 学 院 医 学 研 究 院 教 授<br />

環 境 発 がん 物 質 の 低 濃 度 発 がんリスクの<br />

解 明<br />

福 島 昭 治<br />

大 阪 市 立 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 教 授<br />

100

量 子 効 果 等 の<br />

物 理 現 象<br />

人 工 ナノ 構 造 の 機 能 探 索<br />

ナノ 物 質 空 間 の 創 製 と<br />

物 理 ・ 化 学 修 飾 による 物 性 制 御<br />

青 野 正 和<br />

大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

山 中 昭 司<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 主 任 研 究 員 広 島 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

1995-2002<br />

戦 略 目 標<br />

大 きな 可 能 性 を 秘 めた 未 知 領 域 への 挑 戦<br />

STM 発 光 分 光 法 と 近 接 場 光 学 分 光 法 に<br />

よる 表 面 極 微 細 構 造 の<br />

電 子 物 性 の 解 明<br />

潮 田 資 勝<br />

東 北 大 学 電 気 通 信 研 究 所 教 授<br />

有 機 / 金 属 界 面 の 分 子 レベル 極 微 細 構<br />

造 制 御 と 増 幅 型 光 センサー<br />

横 山 正 明<br />

大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

超 構 造 分 子 の 創 製 と<br />

有 機 量 子 デバイスへの 応 用<br />

雀 部 博 之<br />

千 歳 科 学 技 術 大 学 光 科 学 部 教 授<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 客 員 主 幹 研 究 員<br />

異 方 的 超 伝 導 体 の 量 子 効 果 と<br />

新 電 磁 波 機 能 発 現<br />

井 口 家 成<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

研 究 総 括<br />

川 路 紳 治<br />

学 習 院 大 学<br />

名 誉 教 授<br />

量 子 場 操 作<br />

清 水 明<br />

東 京 大 学 大 学 院 総 合 文 化 研 究 科<br />

助 教 授<br />

原 子 層 制 御 量 子 ナノ 構 造 のコヒーレント<br />

量 子 効 果<br />

小 倉 睦 郎<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 光 技 術 研 究 部 門<br />

主 任 研 究 官<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

原 子 レベルで 制 御 された 極 微 細 構 造<br />

自 己 組 織 性 分 子 を 用 いた 新 規 発 光 機 能 自 己 組 織 化 量 子 閉 じ 込 め 構 造<br />

材 料 の 設 計<br />

に 特 異 的 に 現 れる、 量 子 効 果 などの 物<br />

讃 井 浩 平<br />

筒 井 哲 夫<br />

上 智 大 学 理 工 学 部 教 授<br />

理 現 象 についての 研 究 を 対 象 とするも 九 州 大 学 総 合 理 工 学 研 究 院 教 授<br />

のです。<br />

具 体 的 には、 半 導 体 、 金 属 などに 形 成<br />

される 人 工 ナノ 構 造 、 自 己 組 織 性 分 子 、<br />

配 列 したミクロ 空 間 での 新 物 質 系 の 量 子 固 体 と 非 線 形 光 学 :<br />

などに 現 れる 電 子 と 光 子 が 量 子 性 を 示<br />

す 現 象 、スピン 自 由 度 に 関 連 する 新 奇 な<br />

現 象 、 極 微 細 領 域 に 現 れる 量 子 効 果 以<br />

外 の 先 端 的 研 究 などを 対 象 とします。 将<br />

来 的 には、 量 子 効 果 を 応 用 した 新 しいデ<br />

創 製 と 物 性<br />

寺 崎 治<br />

東 北 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 助 教 授<br />

新 しい 光 学 過 程 の 開 拓<br />

白 田 耕 藏<br />

電 気 通 信 大 学 電 気 通 信 学 部 教 授<br />

バイスへの 発 展 が 期 待 されます。 3 次 元 集 積 量 子 構 造 の 形 成 と<br />

サイクル 時 間 域 光 波 制 御 と 単 一 原 子 分 子<br />

知 能 情 報 処 理 への 応 用<br />

現 象 への 応 用<br />

廣 瀬 全 孝<br />

山 下 幹 雄<br />

広 島 大 学 工 学 部 教 授 北 海 道 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

スピン 計 測<br />

-スピンSPMの 開 発 とスピン 制 御 -<br />

武 笠 幸 一<br />

北 海 道 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

微 細 構 造 におけるスピン 量 子 物 性 の<br />

開 拓<br />

家 泰 弘<br />

東 京 大 学 物 性 研 究 所 教 授<br />

金 属 微 細 トンネル 接 合 システムの<br />

物 理 と 素 子 応 用<br />

大 塚 洋 一<br />

筑 波 大 学 物 理 学 系 教 授<br />

ナノ 構 造 磁 性 半 導 体 の<br />

巨 大 磁 気 光 学 機 能 の 創 出<br />

岡 泰 夫<br />

東 北 大 学 多 元 物 質 科 学 研 究 所 教 授<br />

量 子 構 造 を 用 いた 遠 赤 外 光 技 術 の<br />

開 拓 と 量 子 物 性 の 解 明<br />

小 宮 山 進<br />

東 京 大 学 大 学 院 総 合 文 化 研 究 科 教 授<br />

101

単 一 分 子 ・<br />

原 子 レベルの 反 応<br />

制 御<br />

1995-2002<br />

新 規 “ 有 機 ゼオライト” 触 媒 の 開 発<br />

青 山 安 宏<br />

大 分 子 糖 蛋 白 質 の 極 微 細 構 造 制 御<br />

中 原 義 昭<br />

九 州 大 学 有 機 化 学 基 礎 研 究 センター 教 授 東 海 大 学 工 学 部 教 授<br />

極 微 細 構 造 の 化 学 設 計 と 表 面 反 応 制 御<br />

岩 澤 康 裕<br />

完 全 フォトクロミック 反 応 系 の 構 築<br />

入 江 正 浩<br />

東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授 九 州 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

戦 略 目 標<br />

大 きな 可 能 性 を 秘 めた 未 知 領 域 への 挑 戦<br />

X 線 解 析 による 分 子 の 励 起 構 造 の 解 明<br />

大 橋 裕 二<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

超 臨 界 流 体 溶 媒 を 用 いた 反 応 の 制 御 と<br />

新 反 応 の 開 拓<br />

梶 本 興 亜<br />

京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

研 究 総 括<br />

山 本 明 夫<br />

オキシジェニクス( 高 分 子 錯 体 )<br />

土 田 英 俊<br />

早 稲 田 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

早 稲 田 大 学 理 工 学 総 合 研 究 センター<br />

顧 問 研 究 員<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

高 次 構 造 有 機 分 子 の 極 微 細 触 媒 構 造 を<br />

機 軸 とする 立 体 選 択 的 構 築<br />

福 山 透<br />

単 一 分 子 ・ 原 子 レベルの 反 応 に 注 目<br />

し、 新 規 な 物 質 やねらった 物 質 を 得 る 各<br />

種 の 化 学 反 応 の 研 究 を 対 象 とするもの<br />

東 京 大 学 大 学 院 薬 学 系 研 究 科 教 授<br />

です。<br />

フェムト 秒 領 域 の 光 反 応 コントロール<br />

具 体 的 には、 反 応 場 での 分 子 ・ 原 子<br />

山 内 薫<br />

レベルの 反 応 を 理 解 し、それを 制 御 する 東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授<br />

反 応 などを 物 理 ・ 化 学 ・ 生 物 的 観 点 から<br />

追 及 することなどが 含 まれます。 特 に、 各<br />

種 の 化 学 反 応 を 究 極 的 に 制 御 し、 伝 統<br />

的 化 学 の 方 法 論 のブレークスルーにつ 次 世 代 精 密 分 子 制 御 法 の 開 発<br />

ながるような 先 端 的 研 究 も 対 象 とします。 山 本 尚<br />

極 限 環 境 下 における 物 質 についての<br />

研 究 を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、 超 高 温 、 極 低 温 、 超 高<br />

圧 、 超 高 磁 場 、 極 高 真 空 、 微 小 重 力 場 な<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

どの 極 限 状 態 において 特 異 な 物 理 ・ 化<br />

学 的 現 象 を 示 す 物 質 を 分 子 ・ 原 子 ・ 電 子<br />

ダイヤモンド- 有 機 分 子 の 化 学 結 合 形 成<br />

機 構 と 制 御<br />

安 藤 寿 浩<br />

のレベルで 解 明 することなどが 含 まれま<br />

す。また、 新 物 質 の 創 製 、 極 限 環 境 の 創<br />

出 技 術 、 実 用 材 料 の 開 発 へ 道 を 拓 くよう<br />

( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 物 質 研 究 所 主 幹 研 究 員<br />

な 先 端 的 研 究 や 特 殊 環 境 下 における<br />

生 物 の 機 能 についての 先 端 的 研 究 も<br />

対 象 とします。<br />

低 次 元 超 構 造 のコンビナトリアル 分 子 層<br />

エピキタシー<br />

鯉 沼 秀 臣<br />

東 京 工 業 大 学 フロンティア 創 造 共 同 研 究 センター<br />

教 授<br />

金 属 クラスター 反 応 場 の 構 築 と<br />

クラスター 触 媒 反 応 の 開 発<br />

鈴 木 寛 治<br />

東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

超 天 然 物 の 反 応 制 御 と 分 子 設 計<br />

平 間 正 博<br />

東 北 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

遷 移 金 属 を 活 用 した 自 己 組 織 性 精 密 分 子<br />

システム<br />

藤 田 誠<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

生 体 分 子 解 析 用 金 属 錯 体 プローブの<br />

開 発<br />

松 本 和 子<br />

早 稲 田 大 学 理 工 学 部 教 授<br />

多 種 類 化 合 物 群 の 効 率 的 合 成 を<br />

指 向 した 分 子 レベルでの<br />

反 応 開 発<br />

小 林 修<br />

東 京 大 学 大 学 院 薬 学 系 研 究 科 教 授<br />

生 体 機 能 分 子 の 設 計 と 精 密 分 子 認 識 に<br />

基 づく 反 応 制 御<br />

齋 藤 烈<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

ヘテロ 原 子 間 結 合 活 性 化 による 新 物 質 ・<br />

新 反 応 の 開 拓<br />

田 中 正 人<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 グリーンプロセス 研 究<br />

ラボ 長<br />

102

極 限 環 境 状 態 に<br />

おける 現 象<br />

超 高 圧 下 における 水 素 結 合 の<br />

量 子 力 学 現 象 の 創 出 と 発 現<br />

青 木 勝 敏<br />

合 金 クラスター 集 合 体 の<br />

極 限 構 造 ・ 磁 性 制 御<br />

隅 山 兼 治<br />

物 質 工 学 工 業 技 術 研 究 所 首 席 研 究 官 名 古 屋 工 業 大 学 工 学 部 教 授<br />

1995-2002<br />

戦 略 目 標<br />

大 きな 可 能 性 を 秘 めた 未 知 領 域 への 挑 戦<br />

超 高 純 度 ベースメタルの 科 学<br />

安 彦 兼 次<br />

東 北 大 学 金 属 材 料 研 究 所 助 教 授<br />

銅 酸 化 物 超 伝 導 体 単 結 晶 を 用 いる<br />

超 高 速 集 積 デバイス<br />

山 下 努<br />

東 北 大 学 未 来 科 学 技 術 共 同 研 究 センター 教 授<br />

極 限 環 境 を 用 いた 超 伝 導 体 の<br />

臨 界 状 態 の 解 明<br />

門 脇 和 男<br />

筑 波 大 学 物 質 工 学 系 教 授<br />

超 高 圧 プロセスによる 天 然 ダイヤモンド<br />

単 結 晶 ・ 多 結 晶 体 の 成 因 解 明<br />

赤 石 實<br />

( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 物 質<br />

研 究 所 超 高 圧 グループ ディレクター<br />

研 究 総 括<br />

立 木 昌<br />

( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 特 別 研 究 員<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

電 子 波 の 位 相 と 振 幅 の 微 細 空 間 解 像<br />

北 澤 宏 一<br />

東 京 大 学 大 学 院 新 領 域 創 成 科 学 研 究 科 教 授<br />

磁 気 力 を 利 用 した 仮 想 的 可 変 重 力 場 に<br />

おけるタンパク 質 結 晶 成 長<br />

安 宅 光 雄<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 人 間 系 特 別 研 究 体<br />

グループリーダー<br />

極 限 環 境 下 における 物 質 についての<br />

研 究 を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、 超 高 温 、 極 低 温 、 超 高<br />

圧 、 超 高 磁 場 、 極 高 真 空 、 微 小 重 力 場 な<br />

どの 極 限 状 態 において 特 異 な 物 理 ・ 化<br />

学 的 現 象 を 示 す 物 質 を 分 子 ・ 原 子 ・ 電 子<br />

のレベルで 解 明 することなどが 含 まれま<br />

す。また、 新 物 質 の 創 製 、 極 限 環 境 の 創<br />

出 技 術 、 実 用 材 料 の 開 発 へ 道 を 拓 くよう<br />

な 先 端 的 研 究 や 特 殊 環 境 下 における<br />

生 物 の 機 能 についての 先 端 的 研 究 も<br />

対 象 とします。<br />

衝 撃 波 面 形 成 過 程 と<br />

新 化 学 反 応 プロセス<br />

近 藤 建 一<br />

東 京 工 業 大 学 応 用 セラミックス 研 究 所<br />

教 授<br />

反 強 磁 性 量 子 スピン 梯 子 化 合 物 の<br />

合 成 と 新 奇 な 物 性<br />

高 野 幹 夫<br />

深 度 地 下 極 限 環 境 微 生 物 の 探 索 と 利 用<br />

今 中 忠 行<br />

京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

新 しい 量 子 自 由 度 ・ 軌 道 の 動 的 構 造 の<br />

解 明<br />

遠 藤 康 夫<br />

京 都 大 学 化 学 研 究 所 教 授 東 北 大 学 金 属 材 料 研 究 所 教 授<br />

画 素 の 小 さいX 線 検 出 用 CCDの 開 発<br />

常 深 博 大<br />

超 過 冷 却 状 態 の 実 現 と 新 機 能 材 料 創 製<br />

戸 叶 一 正<br />

阪 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授 ( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 超 伝 導 センター<br />

技 術 参 事<br />

極 限 ストレス 土 壌 における 植 物 の<br />

耐 性 戦 略<br />

森 敏<br />

局 所 高 電 界 場 における 極 限 物 理 現 象 の<br />

可 視 化 観 測 と 制 御<br />

藤 田 博 之<br />

東 京 大 学 大 学 院 農 学 生 命 科 学 研 究 科 教 授 東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所 教 授<br />

低 次 元 金 属 ・ 超 伝 導 体 の 超 異 方 性<br />

強 磁 場 効 果<br />

石 黒 武 彦<br />

強 磁 場 における 物 質 の<br />

挙 動 と 新 素 材 の 創 製<br />

本 河 光 博<br />

教 授 京 都 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授 東 北 大 学 名 誉 教 授<br />

複 合 極 限 の 生 成 と 新 現 象 の 探 索<br />

( 超 高 圧 ・ 超 強 磁 場 ・ 極 低 温 )<br />

遠 藤 将 一<br />

大 阪 大 学 極 限 科 学 研 究 センター 教 授<br />

準 結 晶 の 創 製 とその 物 性<br />

蔡 安 邦<br />

( 独 ) 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 材 料 研 究 所<br />

チームリーダー<br />

低 次 元 異 常 金 属 の 開 発<br />

佐 藤 正 俊<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科<br />

教 授<br />

103

脳 を 知 る<br />

( 脳 の 機 能 )<br />

脳 神 経 系 を 構 成 する 細 胞 の 多 様 性 の<br />

形 成 機 構<br />

岡 野 栄 之<br />

脳 形 成 遺 伝 子 と 脳 高 次 機 能<br />

三 品 昌 美<br />

大 阪 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授 東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

1995-2002<br />

戦 略 目 標<br />

脳 機 能 の 解 明<br />

遺 伝 子 変 換 マウスによる 脳 機 能 の 解 明<br />

勝 木 元 也<br />

東 京 大 学 医 科 学 研 究 所 教 授<br />

フェロモンの 記 憶 に 関 わる<br />

シナプスメカニズムの 解 析<br />

市 川 眞 澄<br />

( 財 ) 東 京 都 神 経 科 学 総 合 研 究 所 解 剖 発 生 学 研 究<br />

部 門 主 任 研 究 員<br />

ヒト 脳 の 単 一 神 経 細 胞 の 発 現 遺 伝 子<br />

金 澤 一 郎<br />

脳 膜 神 経 相 関 の 分 子 機 構<br />

裏 出 良 博<br />

東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授 ( 財 ) 大 阪 バイオサイエンス 研 究 所 部 長<br />

研 究 総 括<br />

大 塚 正 徳<br />

日 本 臓 器 製 薬 ( 株 ) 生 物 活 性 科 学 研 究 所<br />

顧 問<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

感 覚 から 運 動 への 情 報 変 換 の<br />

分 散 階 層 処 理 神 経 機 構<br />

篠 田 義 一<br />

東 京 医 科 歯 科 大 学 大 学 院 医 歯 学 総 合 研 究 科<br />

教 授<br />

シナプス 可 塑 性 の 分 子 機 構 と 脳 の 制 御<br />

機 能<br />

小 澤 瀞 司<br />

群 馬 大 学 医 学 部 教 授<br />

脳 機 能 の 解 明 のうち、 人 間 たる 所 以<br />

の 根 元 である 脳 の 働 きの 理 解 を 目 標 と<br />

する 研 究 を 対 象 とするものです。<br />

具 体 的 には、「 脳 の 発 生 分 化 機 構 」<br />

「 神 経 回 路 網 の 構 造 、 機 能 と 形 成 機 構 」<br />

「 脳 の 高 次 機 能 ( 記 憶 、 学 習 、 意 識 、 情<br />

動 、 認 識 と 生 体 リズムなど)」「コミュニ<br />

ケーションの 脳 機 能 」の 解 明 を 目 標 とし<br />

ます。<br />

脳 内 光 受 容 とサーカディアンリズム<br />

深 田 吉 孝<br />

G 蛋 白 質 共 役 受 容 体 の 高 次 構 造<br />

芳 賀 達 也<br />

東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 教 授 学 習 院 大 学 生 命 分 子 科 学 研 究 所 所 長 ・ 教 授<br />

視 覚 認 識 の 脳 内 過 程<br />

藤 田 一 郎<br />

大 阪 大 学 大 学 院 基 礎 工 学 研 究 科 教 授<br />

神 経 系 の 遺 伝 的 プログラムと<br />

可 塑 的 メカニズム<br />

松 崎 文 雄<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 発 生 ・ 再 生 科 学 総 合 研 究 センター<br />

グループディレクター<br />

神 経 系 形 成 における Gl ial cells<br />

missing 遺 伝 子 の 機 能<br />

堀 田 凱 樹<br />

情 報 ・システム 研 究 機 構 国 立 遺 伝 学 研 究 所<br />

所 長 ・ 教 授<br />

脳 の 神 経 回 路 形 成 と 可 塑 性 の 分 子 機 構<br />

村 上 富 士 夫<br />

大 阪 大 学 大 学 院 生 命 機 能 研 究 科 教 授<br />

アルツハイマー 病 における 神 経 細 胞 死 の<br />

解 明<br />

井 原 康 夫<br />

東 京 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 教 授<br />

運 動 指 令 構 築 の 脳 内 メカニズム<br />

河 野 憲 二<br />

( 独 ) 産 業 技 術 総 合 研 究 所 脳 神 経 情 報 研 究 部 門<br />

部 門 長<br />

人 間 の 高 次 精 神 過 程 に 関 わる<br />

コラム 構 造 ・ 配 列<br />

田 中 啓 治<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 脳 科 学 総 合 研 究 センター<br />

グループディレクター<br />

神 経 ネットワーク 形 成 の<br />

遺 伝 子 プログラム<br />

野 田 昌 晴<br />

岡 崎 国 立 共 同 研 究 機 構 基 礎 生 物 学 研 究 所<br />

教 授<br />

神 経 結 合 の 形 成 、 維 持 、 再 編 成 を 制 御 する<br />

分 子 機 構 の 解 明<br />

藤 澤 肇<br />

名 古 屋 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 教 授<br />

104

環 境 低 負 荷 型 の<br />

社 会 システム<br />

1995-2002<br />

戦 略 目 標<br />

東 アジアにおける 酸 性 物 質 及 びオゾンの<br />

生 成 と 沈 着 に 関 する 観 測 と 環 境 影 響 評<br />

価<br />

秋 元 肇<br />

海 洋 科 学 技 術 センター 地 球 フロンティア 研 究 システム<br />

領 域 長<br />

自 立 都 市 をめざした 都 市 代 謝 システムの<br />

開 発<br />

柏 木 孝 夫<br />

微 生 物 を 活 用 する 汚 染 土 壌 修 復 の<br />

基 盤 研 究<br />

矢 木 修 身<br />

東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

アイソトポマーの 計 測 による 環 境 物 質 の<br />

起 源 推 定<br />

吉 田 尚 弘<br />

東 京 農 工 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授 東 京 工 業 大 学 大 学 院 総 合 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

環 境 にやさしい 社 会 の 実 現<br />

都 市 ヒートアイランドの 計 測 制 御 システム<br />

久 保 幸 夫<br />

元 慶 應 義 塾 大 学 教 授<br />

質 の 利 用 を 中 心 にすえた 新 しい<br />

都 市 水 代 謝 システムの 構 築<br />

渡 辺 義 公<br />

北 海 道 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

研 究 総 括<br />

茅 陽 一<br />

慶 應 義 塾 大 学 客 員 教 授 /( 財 ) 地 球 環 境 産<br />

業 技 術 研 究 機 構 副 理 事 長 ・ 研 究 所 長<br />

CO2 倍 増 時 の 生 態 系 のFACE 実 験 と<br />

モデリング<br />

小 林 和 彦<br />

都 市 交 通 の 環 境 負 荷 制 御 システムの<br />

開 発<br />

岩 田 規 久 男<br />

( 独 ) 農 業 環 境 技 術 研 究 所 室 長 学 習 院 大 学 経 済 学 部 教 授<br />

研 究 領 域 の 概 要<br />

ひっ 迫 した 環 境 問 題 に 対 して、 地 球 と<br />

森 林 衰 退 に 係 わる 大 気 汚 染 物 質 の 計 測 、 農 山 村 地 域 社 会 の 低 負 荷 型 生 活 ・ 生 産<br />

動 態 、 制 御<br />

システムの 構 築<br />

の 共 生 と 持 続 的 な 発 展 をめざしたクリー<br />

ンな 社 会 システムの 実 現 に 関 する 研 究<br />

を 対 象 とするものです。 具 体 的 には、 資<br />

源 のリサイクル、 有 効 利 用 を 概 念 とする<br />

佐 久 川 弘<br />

広 島 大 学 総 合 科 学 部 教 授<br />

合 田 素 行<br />

農 林 水 産 政 策 研 究 所 国 際 政 策 部 部 長<br />

LCA 評 価 の 高 い 生 産 システム、 低 エネ<br />

ルギー・ 資 源 消 費 、 効 率 的 なエネルギー・<br />

資 源 の 利 用 を 基 盤 とする 環 境 低 負 荷 型<br />

環 境 低 負 荷 型 の 高 分 子 物 質 生 産<br />

システムの 開 発<br />

土 肥 義 治<br />

低 環 境 負 荷 エネルギー 用 複 合 機 能 構 造<br />

材 料 の 開 発<br />

香 山 晃<br />

の 社 会 / 生 活 / 都 市 / 住 宅 実 現 のた<br />

( 独 ) 理 化 学 研 究 所 主 任 研 究 員 京 都 大 学 エネルギー 理 工 学 研 究 所 教 授<br />

めの 実 証 的 ・システム 的 研 究 を 中 心 に、<br />

環 境 汚 染 の 計 測 / 評 価 / 制 御 のため<br />

の 革 新 的 な 技 術 開 発 なども 対 象 とします。 環 境 影 響 と 効 用 の 比 較 評 価 に 基 づいた 途 上 国 に 適 合 する 連 鎖 反 応 を 利 用 した<br />

化 学 物 質 の 管 理 原 則<br />

乾 式 脱 硫 プロセスの 開 発<br />

中 西 準 子<br />

定 方 正 毅<br />

横 浜 国 立 大 学 環 境 科 学 研 究 センター 教 授 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授<br />

微 生 物 の 機 能 強 化 による 水 環 境 修 復<br />

技 術 の 確 立<br />

前 川 孝 昭<br />

セラピューティック 煉 瓦 造 住 宅 の<br />

住 環 境 効 果<br />

松 藤 泰 典<br />

筑 波 大 学 農 林 工 学 系 教 授 九 州 大 学 大 学 院 人 間 環 境 学 研 究 院 教 授<br />

サンゴ 礁 によるCO2 固 定<br />

バイオリアクター 構 築 技 術 の 開 発<br />

茅 根 創<br />

高 温 空 気 燃 焼 技 術 を 用 いた 廃 棄 物 ・<br />

石 炭 高 効 率 発 電<br />

吉 川 邦 夫<br />

東 京 大 学 大 学 院 理 学 系 研 究 科 助 教 授 東 京 工 業 大 学 大 学 院 総 合 理 工 学 研 究 科 教 授<br />

地 球 環 境 保 全 のための<br />

国 際 的 枠 組 みのあり 方<br />

佐 和 隆 光<br />

京 都 大 学 経 済 研 究 所 所 長<br />

新 世 代 型 低 負 荷 環 境 保 全 技 術 による<br />

廃 棄 物 のエネルギー 化 ・ 再 資 源 化<br />

野 池 達 也<br />

東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

社 会 実 験 地 での 循 環 複 合 体 のシステム<br />

構 築 と 環 境 調 和 技 術 の 開 発<br />

盛 岡 通<br />

大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 教 授<br />

105

あ<br />

相 澤 清 晴 (アイザワ キヨハル) 情 報 環 境 58<br />

相 沢 慎 一 (アイザワ シンイチ) ソフトナノマシン 85<br />

井 口 家 成 (イグチ イエナリ) 量 子 効 果 101<br />

井 口 泰 泉 (イグチ タイセン) 内 分 泌 95<br />

池 内 克 史 (イケウチ カツシ) 高 度 メディア 社 会 92<br />

池 庄 司 民 夫 (イケショウジ タミオ) エネルギー 高 度 利 用 86<br />

井 ノ 口 馨 (イノクチ カオル) 精 神 ・ 神 経 32<br />

井 ノ 口 仁 一 (イノクチ ジュンイチ) 糖 鎖 79<br />

猪 俣 浩 一 郎 (イノマタ コウイチロウ) 新 しい 物 理 現 象 82<br />

伊 原 英 雄 (イハラ ヒデオ) 電 子 ・ 光 子 92<br />

合 原 一 幸 (アイハラ カズユキ) 脳 を 創 る 98<br />

青 木 勝 敏 (アオキ カツトシ) 極 限 環 境 103<br />

池 田 宰 (イケダ ツカサ) 水 利 用 14<br />

池 原 悟 鳥 (イケハラ サトル) 高 度 メディア 社 会 92<br />

井 原 康 夫 (イハラ ヤスオ)<br />

精 神 ・ 神 経 33<br />

脳 の 機 能 104<br />

青 木 百 合 子 (アオキ ユリコ) マルチ 71<br />

青 野 正 和 (アオノ マサカズ) 量 子 効 果 101<br />

伊 佐 正 (イサ タダシ) 脳 の 発 達 78<br />

伊 澤 達 夫 (イザワ タツオ) 光 科 学 54<br />

今 田 正 俊 (イマダ マサトシ) マルチ 71<br />

今 中 忠 行 (イマナカ タダユキ) 極 限 環 境 103<br />

青 柳 克 信 (アオヤギ ヨシノブ) 電 子 ・ 光 子 92<br />

青 山 茂 (アオヤマ シゲル) 生 命 現 象 77<br />

石 井 俊 輔 (イシイ シュンスケ)<br />

iPS 細 胞 27<br />

生 体 防 御 100<br />

今 村 健 志 (イマムラ タケシ) 光 展 開 42<br />

今 脇 資 郎 (イマワキ シロウ) 地 球 変 動 98<br />

青 山 安 宏 (アオヤマ ヤスヒロ) 単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

赤 石 實 (アカイシ ミノル) 極 限 環 境 103<br />

ナノ 製 造 52<br />

明 石 満 (アカシ ミツル)<br />

バイオ 素 子 84<br />

赤 松 友 成 (アカマツ トモナリ) 海 洋 生 物 多 様 性 8<br />

秋 永 広 幸 (アキナガ ヒロユキ) 次 世 代 デバイス 48<br />

石 井 秀 明 (イシイ ヒデアキ) EMS 2<br />

石 井 優 (イシイ マサル) 慢 性 炎 症 23<br />

石 川 孝 博 (イシカワ タカヒロ) 藻 類 バイオエネルギー 11<br />

情 報 環 境 58<br />

石 川 正 俊 (イシカワ マサトシ)<br />

脳 を 創 る 98<br />

石 川 雅 之 (イシカワ マサユキ) 植 物 91<br />

井 村 順 一 (イムラ ジュンイチ) EMS 2<br />

井 元 信 之 (イモト ノブユキ) 量 子 情 報 処 理 78<br />

彌 田 智 一 (イヨダ トモカズ) ナノファクトリー 82<br />

入 江 寛 (イリエ ヒロシ) 太 陽 光 利 用 12<br />

ナノ 構 造 体 46<br />

入 江 正 浩 (イリエ マサヒロ)<br />

単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

秋 元 肇 (アキモト ハジメ) 環 境 低 負 荷 105<br />

秋 山 英 文 (アキヤマ ヒデフミ) ナノデバイス 81<br />

石 川 裕 (イシカワ ユタカ) 組 込 み OS 64<br />

石 黒 武 彦 (イシグロ タケヒコ) 極 限 環 境 103<br />

岩 井 一 宏 (イワイ カズヒロ)<br />

代 謝 37<br />

たんぱく 質 87<br />

審 良 静 男 (アキラ シズオ) 生 体 防 御 100<br />

赤 穗 博 司 (アコウ ヒロシ) 新 しい 物 理 現 象 82<br />

浅 井 彰 二 郎 (アサイ ショウジロウ) DVLSI 62<br />

浅 井 冨 雄 (アサイ トミオ) 地 球 変 動 98<br />

浅 井 美 博 (アサイ ヨシヒロ) ナノ 構 造 体 材 料 83<br />

浅 島 誠 (アサシマ マコト) 生 命 活 動 99<br />

浅 野 ( 中 静 ) 透 (アサノ トオル) 地 球 変 動 98<br />

淺 原 弘 嗣 (アサハラ ヒロシ) 慢 性 炎 症 23<br />

浅 見 忠 男 (アサミ タダオ) CO2 資 源 化 6<br />

安 宅 光 雄 (アタカ ミツオ) 極 限 環 境 103<br />

安 達 千 波 (アダチ チハヤ) ナノデバイス 81<br />

跡 見 晴 幸 (アトミ ハルユキ) 藻 類 バイオエネルギー 10<br />

穴 井 宏 和 (アナイ ヒロカズ) シミュレーション 81<br />

安 彦 兼 次 (アビコ ケンジ) 極 限 環 境 103<br />

油 谷 浩 幸 (アブラタニ ヒロユキ) テーラメイド 医 療 80<br />

阿 部 二 朗 (アベ ジロウ) ナノ 構 造 体 47<br />

安 部 武 志 (アベ タケシ) 相 界 面 4<br />

甘 利 俊 一 (アマリ シュンイチ) 脳 を 創 る 98<br />

石 黒 浩 (イシグロ ヒロシ) 情 報 環 境 59<br />

石 田 清 仁 (イシダ キヨヒト) シミュレーション 81<br />

石 田 武 和 (イシダ タケカズ) ナノ 構 造 体 材 料 83<br />

石 田 亨 (イシダ トオル) 高 度 メディア 社 会 92<br />

石 田 誠 (イシダ マコト) センシング 66<br />

石 野 史 敏 (イシノ フミトシ) ゲノム 94<br />

石 橋 幸 治 (イシバシ コウジ) ナノファクトリー 82<br />

石 浜 明 (イシハマ アキラ) 生 命 活 動 99<br />

石 原 一 彰 (イシハラ カズアキ) ナノ 構 造 体 46<br />

石 原 一 (イシハラ ハジメ) 新 しい 物 理 現 象 82<br />

伊 勢 史 郎 (イセ シロウ) 情 報 環 境 59<br />

磯 貝 彰 (イソガイ アキラ) CO2 資 源 化 6<br />

礒 辺 俊 明 (イソベ トシアキ) 代 謝 36<br />

板 生 清 (イタオ キヨシ) センシング 66<br />

板 谷 謹 悟 (イタヤ キンゴ) 新 しい 物 理 現 象 82<br />

市 川 晴 久 (イチカワ ハルヒサ) ULP 69<br />

市 川 昌 和 (イチカワ マサカズ) ナノファクトリー 82<br />

市 川 眞 澄 (イチカワ マスミ) 脳 の 機 能 104<br />

岩 井 伸 一 郎 (イワイ シンイチロウ) 光 展 開 42<br />

岩 倉 洋 一 郎 (イワクラ ヨウイチロウ) 免 疫 機 構 30<br />

岩 佐 義 宏 (イワサ ヨシヒロ) 新 しい 物 理 現 象 82<br />

岩 澤 伸 治 (イワサワ ノブハル) ナノ 構 造 体 46<br />

岩 澤 康 裕 (イワサワ ヤスヒロ) 単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

岩 田 規 久 男 (イワタ キクオ) 環 境 低 負 荷 105<br />

岩 田 洋 夫 (イワタ ヒロオ) デジタルメディア 77<br />

岩 坪 威 (イワツボ タケシ) 精 神 ・ 神 経 32<br />

岩 船 由 美 子 (イワフネ ユミコ) EMS 2<br />

岩 間 厚 志 (イワマ アツシ) iPS 細 胞 27<br />

岩 村 俶 (イワムラ ハジメ) 生 体 防 御 100<br />

岩 本 晃 明 (イワモト テルアキ) 内 分 泌 95<br />

う<br />

上 田 博 (ウエダ ヒロシ) EMS 2<br />

上 田 昌 宏 (ウエダ マサヒロ) 生 命 システム 34<br />

植 田 充 美 (ウエダ ミツヨシ) 藻 類 バイオエネルギー 10<br />

植 松 光 夫 (ウエマツ ミツオ) 地 球 変 動 98<br />

新 井 賢 一 (アライ ケンイチ) 生 命 活 動 99<br />

荒 井 滋 久 (アライ シゲヒサ) ナノデバイス 81<br />

一 木 隆 範 (イチキ タカノリ) ナノ 製 造 53<br />

一 條 秀 憲 (イチジョウ ヒデノリ) たんぱく 質 87<br />

上 村 匡 (ウエムラ タダシ)<br />

生 命 システム 34<br />

生 物 の 発 生 90<br />

新 井 洋 由 (アライ ヒロユキ) 代 謝 36<br />

荒 木 弘 之 (アラキ ヒロユキ) たんぱく 質 87<br />

荒 瀬 尚 (アラセ ヒサシ) 免 疫 機 構 30<br />

荒 畑 喜 一 (アラハタ キイチ) 脳 を 守 る 97<br />

有 賀 克 彦 (アリガ カツヒコ) ナノ 構 造 体 46<br />

有 賀 寛 芳 (アリガ ヒロヨシ) 内 分 泌 95<br />

有 波 忠 雄 (アリナミ タダオ) テーラメイド 医 療 80<br />

有 賀 哲 也 (アルガ テツヤ) ナノ 界 面 50<br />

阿 波 賀 邦 夫 (アワガ クニオ) ナノ 構 造 体 47<br />

安 生 健 一 (アンジョウ ケンイチ) 数 学 61<br />

安 藤 敏 夫 (アンドウ トシオ) 生 命 現 象 77<br />

安 藤 寿 浩 (アンドウ トシヒロ) 単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

い<br />

飯 田 秀 利 (イイダ ヒデトシ) 植 物 91<br />

飯 野 正 光 (イイノ マサミツ) 生 体 防 御 100<br />

飯 野 雄 一 (イイノ ユウイチ) 生 命 動 態 22<br />

家 泰 弘 (イエ ヤスヒロ) 量 子 効 果 101<br />

家 田 真 樹 (イエダ マサキ) iPS 細 胞 28<br />

五 十 嵐 和 彦 (イガラシ カズヒコ) エピゲノム 20<br />

生 島 豊 (イクシマ ユタカ) 資 源 循 環 96<br />

生 田 幸 士 (イクタ コウジ) 生 命 現 象 77<br />

一 ノ 瀬 泉 (イチノセ イズミ) ナノ 界 面 51<br />

伊 藤 啓 (イトウ ケイ) 脳 神 経 回 路 26<br />

伊 藤 孝 司 (イトウ コウジ) 糖 鎖 79<br />

伊 藤 耕 三 (イトウ コウゾウ) 自 己 組 織 化 85<br />

伊 藤 公 平 (イトウ コウヘイ) 情 報 社 会 89<br />

たんぱく 質 87<br />

伊 藤 維 昭 (イトウ コレアキ)<br />

生 命 活 動 99<br />

伊 藤 禎 彦 (イトウ サダヒコ) 水 利 用 15<br />

伊 藤 正 (イトウ タダシ) 光 展 開 42<br />

伊 藤 寿 浩 (イトウ トシヒコ) センシング 66<br />

伊 藤 博 康 (イトウ ヒロヤス) ソフトナノマシン 85<br />

伊 藤 幸 成 (イトウ ユキシゲ) 糖 鎖 79<br />

稲 垣 伸 二 (イナガキ シンジ) ナノ 界 面 50<br />

稲 垣 冬 彦 (イナガキ フユヒコ) 生 命 活 動 99<br />

稲 蔭 正 彦 (イナカゲ マサヒコ) デジタルメディア 77<br />

稲 澤 譲 治 (イナザワ ジョウジ) テーラメイド 医 療 80<br />

井 ノ 上 逸 朗 (イノウエ イツロウ) テーラメイド 医 療 80<br />

井 上 和 秀 (イノウエ カズヒデ) 慢 性 炎 症 23<br />

井 上 恭 (イノウエ キョウ) 量 子 情 報 処 理 78<br />

井 上 晴 夫 (イノウエ ハルオ) 資 源 循 環 96<br />

井 上 治 久 (イノウエ ハルヒサ) iPS 細 胞 28<br />

井 上 光 輝 (イノウエ ミツテル) 情 報 社 会 89<br />

魚 住 泰 広 (ウオズミ ヤスヒロ) ナノ 構 造 触 媒 86<br />

潮 田 資 勝 (ウシオダ スケカツ) 量 子 効 果 101<br />

牛 島 俊 和 (ウシジマ トシカズ) エピゲノム 20<br />

臼 井 英 之 (ウスイ ヒデユキ) マルチ 71<br />

ナノ 製 造 52<br />

宇 田 泰 三 (ウダ タイゾウ)<br />

バイオ 素 子 84<br />

内 田 健 康 (ウチダ ケンコウ) EMS 2<br />

内 本 喜 晴 (ウチモト ヨシハル) CO2 抑 制 16<br />

梅 澤 喜 夫 (ウメザワ ヨシオ) 内 分 泌 95<br />

梅 田 正 明 (ウメダ マサアキ) CO2 資 源 化 6<br />

浦 環 (ウラ タマキ) 海 洋 生 物 多 様 性 8<br />

浦 岡 行 治 (ウラオカ ユキハル) ナノシステム 44<br />

裏 出 良 博 (ウラデ ヨシヒロ) 脳 の 機 能 104<br />

占 部 伸 二 (ウラベ シンジ) 量 子 情 報 処 理 78<br />

宇 理 須 恒 雄 (ウリス ツネオ) ナノシステム 44<br />

え<br />

栄 長 泰 明 (エイナガ ヤスアキ) 元 素 戦 略 40<br />

江 良 択 実 (エラ タクミ) iPS 細 胞 28<br />

遠 藤 将 一 (エンドウ ショウイチ) 極 限 環 境 103<br />

遠 藤 哲 郎 (エンドウ テツオ) 次 世 代 デバイス 48<br />

遠 藤 敏 夫 (エンドウ トシオ) ポストペタスケール 57<br />

106

遠 藤 斗 志 也 (エンドウ トシヤ)<br />

構 造 生 命 19<br />

ソフトナノマシン 85<br />

小 澤 瀞 司 (オザワ セイジ)<br />

脳 神 経 回 路 25<br />

脳 の 機 能 104<br />

神 谷 庄 司 (カミヤ ショウジ) 次 世 代 デバイス 49<br />

神 谷 律 (カミヤ リツ) ソフトナノマシン 85<br />

遠 藤 康 夫 (エンドウ ヤスオ) 極 限 環 境 103<br />

尾 嶋 正 治 (オシマ マサハル) ナノ 界 面 50<br />

蒲 生 健 次 (ガモウ ケンジ) ナノファクトリー 82<br />

お<br />

押 村 光 雄 (オシムラ ミツオ)<br />

iPS 細 胞 27<br />

生 命 活 動 99<br />

茅 幸 二 (カヤ コウジ) 自 己 組 織 化 85<br />

茅 陽 一 (カヤ ヨウイチ) 環 境 低 負 荷 105<br />

樗 木 俊 聡 (オウテキ トシアキ) 免 疫 機 構 30<br />

押 山 淳 (オシヤマ アツシ) マルチ 70<br />

茅 根 創 (カヤネ ハジメ) 環 境 低 負 荷 105<br />

大 石 進 一 (オオイシ シンイチ)<br />

数 学 60<br />

シミュレーション 81<br />

小 田 俊 理 (オダ シュンリ) 電 子 ・ 光 子 92<br />

小 田 吉 哉 (オダ ヨシヤ) 代 謝 36<br />

香 山 不 二 雄 (カヤマ フジオ) 内 分 泌 95<br />

烏 山 一 (カラスヤマ ハジメ) 免 疫 機 構 31<br />

大 石 道 夫 (オオイシ ミチオ) ゲノム 94<br />

大 垣 眞 一 郎 (オオガキ シンイチロウ) 水 利 用 14<br />

大 木 研 一 (オオキ ケンイチ) 脳 神 経 回 路 26<br />

大 串 秀 世 (オオクシ ヒデヨ) 新 しい 物 理 現 象 82<br />

大 越 慎 一 (オオコシ シンイチ) ナノ 構 造 体 47<br />

大 島 泰 郎 (オオシマ タイロウ) たんぱく 質 87<br />

尾 辻 泰 一 (オツジ タイイチ) 次 世 代 デバイス 48<br />

小 名 俊 博 (オナ トシヒロ) 資 源 循 環 96<br />

小 野 寺 秀 俊 (オノデラ ヒデトシ) DVLSI 62<br />

小 野 寺 宏 (オノデラ ヒロシ) 精 神 ・ 神 経 32<br />

小 俣 達 男 (オマタ タツオ) 藻 類 バイオエネルギー 10<br />

尾 松 孝 茂 (オマツ タカシゲ) 光 展 開 43<br />

川 合 知 二 (カワイ トモジ) 自 己 組 織 化 85<br />

河 岡 義 裕 (カワオカ ヨシヒロ) 免 疫 難 病 88<br />

川 勝 英 樹 (カワカツ ヒデキ) ナノファクトリー 82<br />

河 口 仁 司 (カワグチ ヒトシ) ナノデバイス 81<br />

川 口 正 代 司 (カワグチ マサヨシ) 植 物 91<br />

川 口 泰 雄 (カワグチ ヤスオ) 脳 神 経 回 路 25<br />

大 島 正 伸 (オオシマ マサノブ) 慢 性 炎 症 24<br />

大 須 賀 篤 弘 (オオスカ アツヒロ) バイオ 素 子 84<br />

恩 田 裕 一 (オンダ ユウイチ)<br />

水 利 用 14<br />

水 循 環 89<br />

河 口 洋 一 郎 (カワグチ ヨウイチロウ) デジタルメディア 77<br />

川 嵜 敏 祐 (カワサキ トシスケ) 生 体 防 御 100<br />

大 隅 典 子 (オオスミ ノリコ) 脳 の 発 達 78<br />

太 田 健 一 郎 (オオタ ケンイチロウ) 資 源 循 環 96<br />

か<br />

川 崎 雅 司 (カワサキ マサシ) ナノ 界 面 50<br />

川 路 紳 治 (カワジ シンジ) 量 子 効 果 101<br />

太 田 淳 (オオタ ジュン) 光 科 学 55<br />

太 田 岳 史 (オオタ タケシ) 水 循 環 89<br />

たんぱく 質 87<br />

甲 斐 荘 正 恒 (カイノショウ マサツネ)<br />

生 命 活 動 99<br />

河 田 聡 (カワタ サトシ)<br />

物 質 現 象 76<br />

新 しい 物 理 現 象 82<br />

太 田 啓 之 (オオタ ヒロユキ) 藻 類 バイオエネルギー 10<br />

太 田 快 人 (オオタ ヨシト) EMS 2<br />

大 谷 俊 介 (オオタニ シュンスケ) ナノデバイス 81<br />

大 塚 正 徳 (オオツカ マサノリ) 脳 の 機 能 104<br />

大 塚 洋 一 (オオツカ ヨウイチ) 量 子 効 果 101<br />

大 橋 祐 子 (オオハシ ユウコ) 生 体 防 御 100<br />

大 橋 裕 二 (オオハシ ユウジ) 単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

大 村 達 夫 (オオムラ タツオ) 水 利 用 15<br />

大 森 賢 治 (オオモリ ケンジ) 光 展 開 43<br />

大 毛 利 健 治 (オオモリ ケンジ) 次 世 代 デバイス 49<br />

大 森 浩 充 (オオモリ ヒロミツ) EMS 2<br />

岡 泰 夫 (オカ ヤスオ) 量 子 効 果 101<br />

岡 崎 拓 (オカザキ タク) 免 疫 機 構 31<br />

岡 崎 恒 子 (オカザキ ツネコ) 生 命 活 動 99<br />

岡 田 清 孝 (オカダ キヨタカ) 植 物 91<br />

岡 田 茂 (オカダ シゲル) 藻 類 バイオエネルギー 10<br />

尾 形 修 司 (オガタ シュウジ) マルチ 70<br />

岡 田 晋 (オカダ ススム) 次 世 代 デバイス 49<br />

岡 田 泰 伸 (オカダ ヤスノブ) 生 体 防 御 100<br />

岡 野 光 夫 (オカノ テルオ) バイオ 素 子 84<br />

貝 淵 弘 三 (カイブチ コウゾウ) 精 神 ・ 神 経 32<br />

加 賀 美 聡 (カガミ サトシ) 組 込 み OS 64<br />

垣 塚 彰 (カキヅカ アキラ) 脳 を 守 る 97<br />

生 命 動 態 22<br />

影 山 龍 一 郎 (カゲヤマ リョウイチロウ)<br />

生 命 システム 34<br />

笠 木 伸 英 (カサギ ノブヒデ) 相 界 面 4<br />

梶 井 克 純 (カジイ ヨシズミ) 地 球 変 動 98<br />

柏 野 牧 夫 (カシノ マキオ) 情 報 環 境 58<br />

梶 原 誠 司 (カジハラ セイジ) DVLSI 62<br />

梶 村 皓 二 (カジムラ コウジ) 新 しい 物 理 現 象 82<br />

梶 本 興 亜 (カジモト オキツグ) 単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

柏 木 孝 夫 (カシワギ タカオ) 環 境 低 負 荷 105<br />

片 浦 弘 道 (カタウラ ヒロミチ) ナノ 製 造 53<br />

ナノ 製 造 52<br />

片 岡 一 則 (カタオカ カズノリ)<br />

バイオ 素 子 84<br />

片 桐 秀 樹 (カタギリ ヒデキ) 恒 常 性 18<br />

片 桐 裕 則 (カタギリ ヒロノリ) 太 陽 光 利 用 12<br />

交 久 瀬 五 雄 (カタクセ イツオ) 内 分 泌 95<br />

片 山 佳 樹 (カタヤマ ヨシキ) バイオ 素 子 84<br />

片 寄 晴 弘 (カタヨセ ハルヒロ) デジタルメディア 77<br />

川 田 達 也 (カワダ タツヤ) 相 界 面 4<br />

川 田 善 正 (カワタ ヨシマサ) 光 展 開 42<br />

川 戸 佳 (カワト スグル) 内 分 泌 95<br />

河 野 憲 二 (カワノ ケンジ) 脳 の 機 能 104<br />

河 野 重 行 (カワノ シゲユキ) 藻 類 バイオエネルギー 10<br />

河 原 達 也 (カワハラ タツヤ) 情 報 環 境 58<br />

河 原 英 紀 (カワハラ ヒデキ) 脳 を 創 る 98<br />

川 原 田 洋 (カワラダ ヒロシ) 電 子 ・ 光 子 92<br />

神 田 崇 行 (カンダ タカユキ) 情 報 環 境 59<br />

神 田 学 (カンダ マナブ) 水 循 環 89<br />

神 奈 木 真 理 (カンナギ マリ) 生 体 防 御 100<br />

神 奈 木 玲 児 (カンナギ レイジ) 糖 鎖 79<br />

き<br />

菊 谷 仁 (キクタニ ヒトシ) 免 疫 難 病 88<br />

岸 野 克 巳 (キシノ カツミ) 光 科 学 54<br />

木 島 剛 (キジマ ツヨシ) エネルギー 高 度 利 用 86<br />

岸 本 健 雄 (キシモト タケオ) 生 命 活 動 99<br />

岸 本 忠 三 (キシモト タダミツ) 免 疫 難 病 88<br />

黄 瀬 浩 一 (キセ コウイチ) 情 報 環 境 59<br />

岡 野 栄 之 (オカノ ヒデユキ)<br />

生 物 の 発 生 90<br />

脳 の 機 能 104<br />

香 月 勗 (カツキ ツトム) 分 子 複 合 系 93<br />

勝 木 元 也 (カツキ モトヤ) 脳 の 機 能 104<br />

木 曽 真 (キソ マコト) 糖 鎖 79<br />

北 尾 彰 朗 (キタオ アキオ) マルチ 71<br />

岡 畑 恵 雄 (オカハタ ヨシオ) バイオ 素 子 84<br />

岡 部 聡 (オカベ サトシ) 水 利 用 14<br />

加 藤 和 彦 (カトウ カズヒコ) 情 報 社 会 89<br />

加 藤 茂 明 (カトウ シゲアキ) 生 命 活 動 99<br />

北 川 宏 (キタガワ ヒロシ)<br />

元 素 戦 略 40<br />

ナノ 界 面 50<br />

岡 村 寛 (オカムラ ヒロシ) 海 洋 生 物 多 様 性 8<br />

岡 本 謙 一 (オカモト ケンイチ) 水 循 環 89<br />

加 藤 丈 和 (カトウ タケカズ) EMS 2<br />

加 藤 忠 史 (カトウ タダフミ) エピゲノム 20<br />

北 川 勝 浩 (キタガワ マサヒロ)<br />

量 子 情 報 処 理 78<br />

電 子 ・ 光 子 92<br />

岡 本 仁 (オカモト ヒトシ)<br />

脳 神 経 回 路 25<br />

生 物 の 発 生 90<br />

加 藤 進 昌 (カトウ ノブマサ) 精 神 ・ 神 経 32<br />

加 藤 規 弘 (カトウ ノリヒロ) テーラメイド 医 療 80<br />

北 澤 宏 一 (キタザワ コウイチ) 極 限 環 境 103<br />

北 澤 茂 (キタザワ シゲル) 脳 の 発 達 78<br />

岡 本 博 明 (オカモト ヒロアキ) 太 陽 光 利 用 12<br />

小 川 健 一 (オガワ ケンイチ) CO2 抑 制 16<br />

小 川 誠 司 (オガワ セイシ) テーラメイド 医 療 80<br />

香 取 秀 俊 (カトリ ヒデトシ) 量 子 情 報 処 理 78<br />

光 科 学 55<br />

門 脇 和 男 (カドワキ カズオ)<br />

極 限 環 境 103<br />

ナノシステム 44<br />

北 森 武 彦 (キタモリ タケヒコ)<br />

バイオ 素 子 84<br />

木 戸 出 正 継 (キドデ マサツグ) 高 度 メディア 社 会 92<br />

沖 大 幹 (オキ タイカン)<br />

水 利 用 15<br />

水 循 環 89<br />

門 脇 孝 (カドワキ タカシ) 生 物 の 発 生 90<br />

金 井 弥 栄 (カナイ ヤエ) エピゲノム 20<br />

木 梨 達 雄 (キナシ タツオ) 免 疫 機 構 31<br />

木 下 一 彦 (キノシタ カズヒコ) 生 命 活 動 99<br />

奥 田 晶 彦 (オクダ アキヒコ) iPS 細 胞 27<br />

鼎 信 次 郎 (カナエ シンジロウ) 水 利 用 14<br />

木 下 タロウ(キノシタ タロウ) 糖 鎖 79<br />

奥 原 敏 夫 (オクハラ トシオ) ナノ 構 造 触 媒 86<br />

小 久 見 善 八 (オグミ ゼンパチ) 資 源 循 環 96<br />

金 澤 一 郎 (カナザワ イチロウ) 脳 の 機 能 104<br />

金 出 武 雄 (カナデ タケオ) 高 度 メディア 社 会 92<br />

木 下 博 雄 (キノシタ ヒロオ)<br />

次 世 代 デバイス 48<br />

ナノファクトリー 82<br />

奥 村 康 (オクムラ コウ) 生 体 防 御 100<br />

小 倉 睦 郎 (オグラ ミツオ) 量 子 効 果 101<br />

金 村 聖 志 (カナムラ キヨシ) エネルギー 高 度 利 用 86<br />

金 子 清 俊 (カネコ キヨトシ) 脳 を 守 る 97<br />

木 下 佳 樹 (キノシタ ヨシキ)<br />

組 込 み OS 64<br />

情 報 社 会 89<br />

小 江 誠 司 (オゴウ セイジ) ナノ 界 面 51<br />

金 田 篤 志 (カネダ アツシ) エピゲノム 21<br />

金 光 義 彦 (カネミツ ヨシヒコ) 太 陽 光 利 用 13<br />

君 塚 信 夫 (キミヅカ ノブオ) ナノ 界 面 50<br />

木 村 崇 (キムラ タカシ) 次 世 代 デバイス 49<br />

107

木 本 昌 秀 (キモト マサヒデ) 水 循 環 89<br />

Nick Campbell(キャンベル ニック) 高 度 メディア 社 会 92<br />

経 塚 淳 子 (キョウヅカ ジュンコ) 植 物 91<br />

慢 性 炎 症 23<br />

清 野 宏 (キヨノ ヒロシ)<br />

免 疫 難 病 88<br />

五 神 真 (ゴノカミ マコト) 光 科 学 54<br />

コハツ・ヒガ アルツーロ 数 学 60<br />

小 林 和 人 (コバヤシ カズト) 脳 の 発 達 79<br />

小 林 和 彦 (コバヤシ カズヒコ) 環 境 低 負 荷 105<br />

小 林 悟 (コバヤシ サトル) 生 物 の 発 生 90<br />

佐 々 木 節 (ササキ タカシ) シミュレーション 81<br />

佐 々 木 孝 友 (ササキ タカトモ) 次 世 代 デバイス 48<br />

ナノ 製 造 53<br />

佐 々 木 高 義 (ササキ タカヨシ)<br />

エネルギー 高 度 利 用 86<br />

佐 々 木 裕 之 (ササキ ヒロユキ) エピゲノム 21<br />

桐 野 高 明 (キリノ タカアキ) 脳 を 守 る 97<br />

く<br />

楠 田 哲 也 (クスダ テツヤ) 水 循 環 89<br />

工 藤 昭 彦 (クドウ アキヒコ) エネルギー 高 度 利 用 86<br />

久 野 宗 (クノ モトイ) 脳 を 知 る 96<br />

小 林 修 (コバヤシ シュウ) 単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

小 林 孝 嘉 (コバヤシ タカヨシ) 光 展 開 43<br />

小 林 速 男 (コバヤシ ハヤオ) ナノ 構 造 体 材 料 83<br />

ULP 68<br />

小 林 光 (コバヤシ ヒカル)<br />

資 源 循 環 96<br />

小 林 亮 (コバヤシ リョウ) 数 学 60<br />

佐 々 木 裕 次 (ササキ ユウジ)<br />

笹 月 健 彦 (ササヅキ タケヒコ)<br />

雀 部 博 之 (ササベ ヒロユキ)<br />

生 命 現 象 77<br />

たんぱく 質 87<br />

テーラメイド 医 療 80<br />

生 体 防 御 100<br />

バイオ 素 子 84<br />

量 子 効 果 101<br />

久 保 幸 夫 (クボ ユキオ) 環 境 低 負 荷 105<br />

熊 ノ 郷 淳 (クマノゴウ アツシ) 慢 性 炎 症 24<br />

倉 光 君 郎 (クラミツ キミオ) 組 込 み OS 64<br />

ナノ 界 面 51<br />

栗 原 和 枝 (クリハラ カズエ)<br />

自 己 組 織 化 85<br />

車 谷 浩 一 (クルマタニ コウイチ) センシング 66<br />

黒 川 峰 夫 (クロカワ ミネオ) iPS 細 胞 28<br />

黒 崎 知 博 (クロサキ トモヒロ) 免 疫 機 構 31<br />

黒 田 一 幸 (クロダ カズユキ) ナノ 構 造 触 媒 86<br />

小 原 雄 治 (コハラ ユウジ) 生 命 活 動 99<br />

小 夫 家 芳 明 (コブケ ヨシアキ) 分 子 複 合 系 93<br />

小 松 輝 久 (コマツ テルヒサ) 海 洋 生 物 多 様 性 8<br />

小 松 登 志 子 (コマツ トシコ) 水 利 用 15<br />

物 質 現 象 76<br />

小 宮 山 進 (コミヤマ ススム)<br />

量 子 効 果 101<br />

小 室 一 成 (コムロ イッセイ) 慢 性 炎 症 23<br />

米 田 忠 弘 (コメダ タダヒロ) 物 質 現 象 76<br />

小 森 和 弘 (コモリ カズヒロ) 新 しい 物 理 現 象 82<br />

定 方 正 毅 (サダカタ マサヨシ) 環 境 低 負 荷 105<br />

佐 藤 健 一 (サトウ ケンイチ) ULP 68<br />

佐 藤 俊 一 (サトウ シュンイチ) 光 展 開 42<br />

佐 藤 真 一 (サトウ シンイチ) 太 陽 光 利 用 12<br />

佐 藤 知 正 (サトウ トモマサ) センシング 66<br />

佐 藤 矩 行 (サトウ ノリユキ) 生 物 の 発 生 90<br />

佐 藤 正 樹 (サトウ マサキ) マルチ 70<br />

佐 藤 正 俊 (サトウ マサトシ) 極 限 環 境 103<br />

佐 藤 三 久 (サトウ ミツヒサ) 組 込 み OS 64<br />

黒 田 真 也 (クロダ シンヤ)<br />

生 命 動 態 22<br />

生 命 システム 34<br />

小 安 重 夫 (コヤス シゲオ) 免 疫 難 病 88<br />

DVLSI 62<br />

佐 藤 洋 一 (サトウ ヨウイチ) 情 報 環 境 58<br />

讃 井 浩 平 (サヌイ コウヘイ) 量 子 効 果 101<br />

黒 田 忠 広 (クロダ タダヒロ) ULP 68<br />

小 柳 光 正 (コヤナギ ミツマサ)<br />

ナノデバイス 81<br />

寒 川 誠 二 (サムカワ セイジ) ナノシステム 45<br />

黒 田 雅 彦 (クロダ マサヒコ) 内 分 泌 95<br />

脳 を 創 る 98<br />

佐 谷 秀 行 (サヤ ヒデユキ) iPS 細 胞 27<br />

黒 田 洋 一 郎 (クロダ ヨウイチロウ) 内 分 泌 95<br />

桑 嶋 功 北 (クワジマ イサオ) 分 子 複 合 系 93<br />

桑 畑 進 (クワバタ ススム) ナノ 製 造 53<br />

こ<br />

小 池 勲 夫 (コイケ イサオ) 海 洋 生 物 多 様 性 8<br />

水 循 環 89<br />

小 池 俊 雄 (コイケ トシオ)<br />

地 球 変 動 98<br />

小 池 帆 平 (コイケ ハンペイ) ULP 68<br />

小 池 康 晴 (コイケ ヤスハル) 情 報 環 境 58<br />

小 山 信 人 (コヤマ ノブト) 糖 鎖 79<br />

古 山 通 久 (コヤマ ミチヒサ) 相 界 面 4<br />

近 藤 昭 彦 (コンドウ アキヒコ) CO2 抑 制 16<br />

近 藤 建 一 (コンドウ ケンイチ) 極 限 環 境 103<br />

近 藤 滋 (コンドウ シゲル) 生 命 動 態 22<br />

生 命 システム 34<br />

近 藤 孝 男 (コンドウ タカオ)<br />

植 物 91<br />

近 藤 正 章 (コンドウ マサアキ) ポストペタスケール 57<br />

さ<br />

佐 和 隆 光 (サワ タカミツ) 環 境 低 負 荷 105<br />

澤 田 和 明 (サワダ カズアキ) ナノシステム 44<br />

し<br />

塩 見 美 喜 子 (シオミ ミキコ) 生 命 システム 34<br />

塩 谷 隆 二 (シオヤ リュウジ) ポストペタスケール 56<br />

鹿 内 利 治 (シカナイ トシハル) CO2 資 源 化 6<br />

重 岡 成 (シゲオカ シゲル) CO2 資 源 化 6<br />

重 川 直 輝 (シゲカワ ナオテル) 太 陽 光 利 用 13<br />

重 川 秀 実 (シゲカワ ヒデミ) 物 質 現 象 76<br />

鯉 沼 秀 臣 (コイムラ ヒデオミ)<br />

エネルギー 高 度 利 用 86<br />

単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

齋 藤 烈 (サイトウ イサオ) 単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

齊 藤 英 治 (サイトウ エイジ) ナノシステム 45<br />

重 本 隆 一 (シゲモト リュウイチ) 脳 を 知 る 97<br />

七 田 芳 則 (シチダ ヨシノリ) たんぱく 質 87<br />

洪 実 (コウ ミノル) 生 命 動 態 22<br />

合 田 素 行 (ゴウダ モトユキ) 環 境 低 負 荷 105<br />

河 野 健 二 (コウノ ケンジ) 組 込 み OS 65<br />

斉 藤 和 季 (サイトウ カズキ) 植 物 91<br />

斎 藤 公 明 (サイトウ キミアキ) シミュレーション 81<br />

齋 藤 永 宏 (サイトウ ナガヒロ) 分 子 技 術 38<br />

篠 田 義 一 (シノダ ヨシカズ) 脳 の 機 能 104<br />

篠 原 隆 司 (シノハラ タカシ) iPS 細 胞 27<br />

篠 原 久 典 (シノハラ ヒサノリ) ナノ 構 造 体 材 料 83<br />

河 本 邦 仁 (コウモト クニヒト)<br />

CO2 抑 制 16<br />

エネルギー 高 度 利 用 86<br />

斎 藤 英 雄 (サイトウ ヒデオ) デジタルメディア 77<br />

斎 藤 通 紀 (サイトウ ミチノリ) iPS 細 胞 28<br />

芝 清 隆 (シバ キヨタカ) 自 己 組 織 化 85<br />

柴 田 武 彦 (シバタ タケヒコ) ゲノム 94<br />

香 山 晃 (コウヤマ アキラ) 環 境 低 負 荷 105<br />

國 府 寛 司 (コクブ ヒロシ) 数 学 60<br />

才 野 敏 郎 (サイノ トシロウ) 地 球 変 動 98<br />

脳 神 経 回 路 26<br />

柴 田 良 弘 (シバタ ヨシヒロ) 数 学 60<br />

澁 澤 栄 (シブサワ サカエ) 水 利 用 15<br />

木 暮 一 啓 (コグレ カズヒロ) 海 洋 生 物 多 様 性 8<br />

酒 井 邦 嘉 (サカイ クニヨシ)<br />

脳 の 発 達 78<br />

渋 谷 彰 (シブヤ アキラ) 免 疫 機 構 31<br />

小 坂 英 男 (コサカ ヒデオ) 量 子 情 報 処 理 78<br />

脳 を 創 る 98<br />

島 川 祐 一 (シマカワ ユウイチ) 元 素 戦 略 40<br />

越 塚 誠 一 (コシズカ セイイチ) シミュレーション 81<br />

腰 原 伸 也 (コシハラ シンヤ) 光 展 開 43<br />

坂 井 修 一 (サカイ シュウイチ)<br />

DVLSI 62<br />

情 報 社 会 89<br />

嶋 田 純 (シマダ ジュン) 水 利 用 15<br />

清 水 明 (シミズ アキラ) 量 子 効 果 101<br />

小 島 克 己 (コジマ カツミ) CO2 抑 制 16<br />

榊 裕 之 (サカキ ヒロユキ) ナノデバイス 81<br />

清 水 孝 雄 (シミズ タカオ) 脳 を 知 る 97<br />

小 島 正 己 (コジマ マサミ) 精 神 ・ 神 経 32<br />

五 條 堀 孝 (ゴジョウボリ タカシ) 海 洋 生 物 多 様 性 8<br />

坂 口 志 文 (サカグチ シモン)<br />

慢 性 炎 症 24<br />

免 疫 難 病 88<br />

清 水 敏 美 (シミズ トシミ) 分 子 複 合 系 93<br />

清 水 富 士 夫 (シミズ フジオ) 量 子 情 報 処 理 78<br />

小 杉 賢 一 朗 (コスギ ケンイチロウ) 水 利 用 15<br />

阪 口 薫 雄 (サカグチ ノブオ) 免 疫 難 病 88<br />

清 水 正 昭 (シミズ マサアキ) バイオ 素 子 84<br />

古 関 明 彦 (コセキ ハルヒコ) iPS 細 胞 27<br />

小 谷 元 子 (コタニ モトコ) 数 学 60<br />

坂 上 貴 之 (サカジョウ タカシ) 数 学 61<br />

佐 方 功 幸 (サガタ ノリユキ) たんぱく 質 87<br />

下 村 政 嗣 (シモムラ マサツグ)<br />

ナノ 製 造 53<br />

自 己 組 織 化 85<br />

兒 玉 了 祐 (コダマ リョウスケ) 光 科 学 54<br />

小 寺 秀 俊 (コテラ ヒデトシ) ナノ 製 造 52<br />

後 藤 敏 (ゴトウ サトシ) ULP 68<br />

坂 野 仁 (サカノ ヒトシ) 生 物 の 発 生 90<br />

佐 久 川 弘 (サクガワ ヒロシ) 環 境 低 負 荷 105<br />

櫻 井 和 朗 (サクライ カズオ) ナノ 界 面 51<br />

下 山 雄 平 (シモヤマ ユウヘイ) 物 質 現 象 76<br />

徐 超 男 (ジョ チョウナン) センシング 66<br />

白 岩 善 博 (シライワ ヨシヒロ) 藻 類 バイオエネルギー 10<br />

後 藤 真 孝 (ゴトウ マサタカ) 情 報 環 境 59<br />

後 藤 祐 児 (ゴトウ ユウジ) たんぱく 質 87<br />

櫻 井 鉄 也 (サクライ テツヤ) ポストペタスケール 56<br />

櫻 井 英 樹 (サクライ ヒデキ) 分 子 複 合 系 93<br />

白 川 昌 宏 (シラカワ マサヒロ)<br />

エピゲノム 20<br />

生 命 現 象 77<br />

後 藤 由 季 子 (ゴトウ ユキコ) 脳 神 経 回 路 25<br />

小 西 史 朗 (コニシ シロウ) 脳 を 知 る 97<br />

櫻 井 芳 雄 (サクライ ヨシオ) 脳 の 発 達 78<br />

笹 川 千 尋 (ササカワ チヒロ) 免 疫 難 病 88<br />

白 髭 克 彦 (シラヒゲ カツヒコ) エピゲノム 20<br />

辛 埴 (シン シギ) 光 展 開 42<br />

108

新 海 征 治 (シンカイ セイジ) ナノ 界 面 50<br />

眞 貝 洋 一 (シンカイ ヨウイチ) エピゲノム 21<br />

す<br />

た<br />

大 門 寛 (ダイモン ヒロシ) ナノファクトリー 82<br />

平 良 眞 規 (タイラ マサノリ) 脳 を 知 る 97<br />

辰 巳 砂 昌 弘 (タツミサゴ マサヒロ) CO2 抑 制 17<br />

建 部 修 見 (タテベ オサム) ポストペタスケール 56<br />

田 中 歩 (タナカ アユミ) CO2 資 源 化 6<br />

田 中 一 義 (タナカ カズヨシ) ナノ 構 造 体 材 料 83<br />

水 藤 寛 (スイトウ ヒロシ) 数 学 61<br />

末 永 和 知 (スエナガ カズトモ) 物 質 現 象 76<br />

多 賀 厳 太 郎 (タガ ゲンタロウ) 脳 の 発 達 78<br />

高 井 治 (タカイ オサム) ナノ 製 造 52<br />

田 中 啓 二 (タナカ ケイジ)<br />

構 造 生 命 19<br />

生 体 防 御 100<br />

末 益 崇 (スエマス タカシ) 太 陽 光 利 用 13<br />

免 疫 機 構 30<br />

田 中 啓 治 (タナカ ケイジ) 脳 の 機 能 104<br />

末 宗 幾 夫 (スエムネ イクオ) 光 科 学 54<br />

高 井 俊 行 (タカイ トシユキ)<br />

免 疫 難 病 88<br />

田 中 耕 一 郎 (タナカ コウイチロウ) 光 展 開 43<br />

菅 裕 明 (スガ ヒロアキ) 分 子 技 術 38<br />

生 体 防 御 100<br />

田 中 晃 二 (タナカ コウジ) 分 子 複 合 系 93<br />

菅 野 卓 雄 (スガノ タクオ) 電 子 ・ 光 子 92<br />

高 井 義 美 (タカイ ヨシミ) 脳 神 経 回 路 26<br />

田 中 成 典 (タナカ シゲノリ) シミュレーション 81<br />

菅 村 和 夫 (スガムラ カズオ)<br />

免 疫 機 構 30<br />

生 体 防 御 100<br />

高 木 直 史 (タカギ ナオフミ) ULP 68<br />

高 木 優 (タカギ マサル) 植 物 91<br />

田 中 順 三 (タナカ ジュンゾウ) 分 子 複 合 系 93<br />

田 中 高 史 (タナカ タカシ) シミュレーション 81<br />

杉 田 秀 夫 (スギタ ヒデオ) 脳 を 守 る 97<br />

杉 田 倫 明 (スギタ ミチアキ) 水 循 環 89<br />

杉 田 陽 一 (スギタ ヨウイチ) 脳 の 発 達 78<br />

杉 野 目 道 紀 (スギノメ ミチノリ) ナノ 構 造 体 47<br />

杉 原 厚 吉 (スギハラ コウキチ) 数 学 61<br />

菅 原 聡 (スギハラ サトシ) 次 世 代 デバイス 48<br />

杉 本 諭 (スギモト サトシ) 元 素 戦 略 40<br />

杉 山 弘 (スギヤマ ヒロシ) ナノ 構 造 体 46<br />

杉 山 雄 一 (スギヤマ ユウイチ) 生 体 防 御 100<br />

鈴 木 昭 憲 (スズキ アキノリ) 植 物 91<br />

鈴 木 淳 史 (スズキ アツシ) エピゲノム 20<br />

鈴 木 啓 介 (スズキ ケイスケ) 分 子 複 合 系 93<br />

鈴 木 健 二 郎 (スズキ ケンジロウ) 資 源 循 環 96<br />

鈴 木 孝 治 (スズキ コウジ) バイオ 素 子 84<br />

鈴 木 貴 (スズキ タカシ) 数 学 60<br />

鈴 木 達 也 (スズキ タツヤ) EMS 3<br />

高 倉 伸 幸 (タカクラ ノブユキ) iPS 細 胞 28<br />

高 田 潤 (タカダ ジュン) 元 素 戦 略 41<br />

高 田 彰 二 (タカダ ショウジ) ソフトナノマシン 85<br />

高 田 俊 和 (タカダ トシカズ) マルチ 70<br />

高 田 広 章 (タカダ ヒロアキ) ULP 68<br />

高 田 昌 樹 (タカタ マサキ) 物 質 現 象 76<br />

高 田 保 之 (タカタ ヤスユキ) 相 界 面 4<br />

高 野 明 彦 (タカノ アキヒコ) 高 度 メディア 社 会 92<br />

高 野 直 樹 (タカノ ナオキ) シミュレーション 81<br />

高 野 幹 夫 (タカノ ミキオ) 極 限 環 境 103<br />

高 橋 桂 子 (タカハシ ケイコ) マルチ 70<br />

高 橋 聡 (タカハシ サトシ) 生 命 現 象 77<br />

高 橋 隆 (タカハシ タカシ) 物 質 現 象 76<br />

高 橋 保 (タカハシ タモツ) 分 子 複 合 系 93<br />

高 橋 智 幸 (タカハシ トモユキ) 脳 神 経 回 路 25<br />

高 橋 淑 子 (タカハシ ヨシコ) iPS 細 胞 28<br />

田 中 剛 (タナカ ツヨシ) CO2 抑 制 17<br />

田 中 英 彦 (タナカ ヒデヒコ) 情 報 社 会 88<br />

田 中 宏 明 (タナカ ヒロアキ) 水 利 用 14<br />

田 中 正 人 (タナカ マサト) 単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

田 中 通 義 (タナカ ミチヨシ) 物 質 現 象 76<br />

田 中 康 資 (タナカ ヤスモト) 電 子 ・ 光 子 92<br />

田 邊 勉 (タナベ ツトム) 脳 を 守 る 97<br />

谷 口 維 紹 (タニグチ タダツグ) 免 疫 機 構 31<br />

谷 口 直 之 (タニグチ ナオユキ) 糖 鎖 79<br />

谷 口 克 (タニグチ マサル) 生 体 防 御 100<br />

玉 尾 皓 平 (タマオ コウヘイ) 元 素 戦 略 40<br />

田 村 隆 明 (タムラ タカアキ) 生 命 活 動 99<br />

田 村 秀 行 (タムラ ヒデユキ) デジタルメディア 77<br />

田 矢 洋 一 (タヤ ヨウイチ) ゲノム 94<br />

丹 治 順 (タンジ ジュン) 脳 を 知 る 97<br />

丹 治 肇 (タンジ ハジメ) 水 循 環 89<br />

鈴 木 継 美 (スズキ ツグヨシ) 内 分 泌 95<br />

鈴 木 俊 法 (スズキ トシノリ) 光 展 開 42<br />

高 橋 義 朗 (タカハシ ヨシロウ)<br />

光 展 開 42<br />

量 子 情 報 処 理 78<br />

ち<br />

鈴 木 秀 幸 (スズキ ヒデユキ) EMS 3<br />

鈴 木 寛 治 (スズキ ヒロハル) 単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

鈴 木 雅 一 (スズキ マサカズ) 水 循 環 89<br />

たんぱく 質 87<br />

鈴 木 理 (スズキ マサシ)<br />

生 命 活 動 99<br />

鈴 木 康 夫 (スズキ ヤスオ) 糖 鎖 79<br />

鈴 木 義 茂 (スズキ ヨシシゲ) 電 子 ・ 光 子 92<br />

薄 良 彦 (ススキ ヨシヒコ) EMS 3<br />

須 田 年 生 (スダ トシオ) iPS 細 胞 27<br />

須 永 剛 司 (スナガ タケシ) デジタルメディア 77<br />

砂 田 憲 吾 (スナダ ケンゴ) 水 循 環 89<br />

須 原 哲 也 (スハラ テツヤ) 脳 を 守 る 97<br />

Sherwood Lan Smith(スミス ラン シャーウッド) 海 洋 生 物 多 様 性 8<br />

隅 山 兼 治 (スミヤマ ケンジ) 極 限 環 境 103<br />

せ<br />

清 野 進 (セイノ ススム) 代 謝 37<br />

関 根 光 雄 (セキネ ミツオ) バイオ 素 子 84<br />

瀬 戸 誠 (セト マコト) 物 質 現 象 76<br />

瀬 谷 司 (セヤ ツカサ) 免 疫 難 病 88<br />

千 住 覚 (センジュ サトル) iPS 細 胞 27<br />

千 田 俊 哉 (センダ トシヤ) 構 造 生 命 19<br />

そ<br />

早 出 広 司 (ソウデ コウジ) 藻 類 バイオエネルギー 10<br />

曽 根 純 一 (ソネ ジュンイチ) ナノシステム 44<br />

祖 父 江 元 (ソブエ ゲン) 精 神 ・ 神 経 33<br />

染 谷 隆 夫 (ソメヤ タカオ) ナノシステム 45<br />

反 町 洋 之 (ソリマチ ヒロユキ) たんぱく 質 87<br />

高 橋 良 輔 (タカハシ リョウスケ) 精 神 ・ 神 経 32<br />

高 林 純 示 (タカバヤシ ジュンジ) 植 物 91<br />

高 村 仁 (タカムラ ヒトシ) 資 源 循 環 96<br />

相 界 面 4<br />

高 柳 邦 夫 (タカヤナギ クニオ)<br />

物 質 現 象 76<br />

髙 柳 英 明 (タカヤナギ ヒデアキ) 新 しい 物 理 現 象 82<br />

寶 馨 (タカラ カオル) 水 循 環 89<br />

田 川 精 一 (タガワ セイイチ) 次 世 代 デバイス 48<br />

滝 沢 寛 之 (タキザワ ヒロユキ) ポストペタスケール 56<br />

田 口 精 一 (タグチ セイイチ) CO2 資 源 化 6<br />

田 口 良 (タグチ リョウ) 代 謝 36<br />

内 匠 透 (タクミ トオル) 精 神 ・ 神 経 33<br />

竹 内 理 (タケウチ オサム) 慢 性 炎 症 24<br />

竹 内 健 (タケウチ ケン) DVLSI 63<br />

竹 内 繁 樹 (タケウチ シゲキ) 光 展 開 43<br />

竹 腰 清 乃 理 (タケゴシ キヨノリ) 物 質 現 象 76<br />

武 田 一 哉 (タケダ カズヤ) 情 報 環 境 58<br />

武 田 和 義 (タケダ カズヨシ) 植 物 91<br />

竹 田 潔 (タケダ キヨシ) 免 疫 機 構 31<br />

武 田 健 (タケダ ケン) 内 分 泌 95<br />

武 田 純 (タケダ ジュン) テーラメイド 医 療 80<br />

武 田 俊 一 (タケダ シュンイチ) ゲノム 94<br />

武 田 常 広 (タケダ ツネヒロ) 脳 を 創 る 98<br />

竹 縄 忠 臣 (タケナワ タダオミ) 生 物 の 発 生 90<br />

竹 山 春 子 (タケヤマ ハルコ) 海 洋 生 物 多 様 性 9<br />

情 報 環 境 58<br />

舘 暲 (タチ ススム)<br />

高 度 メディア 社 会 92<br />

立 木 昌 (タチキ マサシ) 極 限 環 境 103<br />

橘 和 夫 (タチバナ カズオ) 分 子 複 合 系 93<br />

辰 巳 敬 (タツミ タカシ) ナノ 構 造 触 媒 86<br />

陳 明 偉 (チェン ミンウェイ) 相 界 面 4<br />

千 葉 滋 (チバ シゲル) ポストペタスケール 56<br />

田 旺 帝 (チョン ワンジェ) ナノ 構 造 触 媒 86<br />

鎮 西 康 雄 (チンゼイ ヤスオ) 免 疫 難 病 88<br />

つ<br />

蔡 安 邦 (ツァイ アンパン) 極 限 環 境 103<br />

蔡 兆 申 (ツァイ ヅァオシェン) 量 子 情 報 処 理 78<br />

塚 越 一 仁 (ツカゴシ カズヒト) ナノ 製 造 52<br />

月 原 冨 武 (ツキハラ トミタケ) 構 造 生 命 19<br />

辻 井 潤 一 (ツジイ ジュンイチ) 高 度 メディア 社 会 92<br />

辻 康 之 (ツジイ ヤスシ) ナノ 構 造 触 媒 86<br />

辻 井 敬 亘 (ツジイ ヨシノブ) ナノシステム 45<br />

辻 本 賀 英 (ツジモト ヨシヒデ) 脳 を 守 る 97<br />

土 田 英 俊 (ツチダ エイシュン) 単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

筒 井 哲 夫 (ツツイ テツオ) 量 子 効 果 101<br />

堤 敦 司 (ツツミ アツシ) 資 源 循 環 96<br />

堤 治 (ツツミ オサム) 内 分 泌 95<br />

堤 伸 浩 (ツツミ ノブヒロ) CO2 資 源 化 7<br />

常 深 博 大 (ツネミ ヒロシ) 極 限 環 境 103<br />

津 野 洋 (ツノ ヒロシ) 資 源 循 環 96<br />

鍔 田 武 志 (ツバタ タケシ) 糖 鎖 79<br />

坪 内 和 夫 (ツボウチ カズオ) DVLSI 62<br />

妻 木 範 行 (ツマキ ノリユキ) iPS 細 胞 28<br />

脳 の 発 達 78<br />

津 本 忠 治 (ツモト タダハル)<br />

脳 を 知 る 97<br />

都 留 稔 了 (ツル トシノリ) 水 利 用 15<br />

て<br />

寺 岡 靖 剛 (テラオカ ヤスタケ) ナノ 構 造 触 媒 86<br />

109

寺 崎 治 (テラサキ オサム) 量 子 効 果 101<br />

寺 崎 哲 也 (テラサキ テツヤ) 脳 を 守 る 97<br />

寺 前 紀 夫 (テラマエ ノリオ) テーラメイド 医 療 80<br />

天 能 精 一 郎 (テンノウ セイイチロウ) マルチ 70<br />

と<br />

土 居 範 久 (ドイ ノリヒサ) シミュレーション 80<br />

土 井 正 男 (ドイ マサオ) シミュレーション 81<br />

土 肥 義 治 (ドイ ヨシハル) 環 境 低 負 荷 105<br />

東 倉 洋 一 (トウクラ ヨウイチ) 情 報 環 境 58<br />

堂 免 一 成 (ドウメン カズナリ) 分 子 複 合 系 93<br />

中 辻 博 (ナカツジ ヒロシ) マルチ 71<br />

中 戸 義 禮 (ナカト ヨシヒロ) エネルギー 高 度 利 用 86<br />

中 西 憲 司 (ナカニシ ケンジ) 免 疫 難 病 88<br />

中 西 重 忠 (ナカニシ シゲタダ) 生 命 システム 34<br />

中 西 準 子 (ナカニシ ジュンコ) 環 境 低 負 荷 105<br />

中 西 八 郎 (ナカニシ ハチロウ) 分 子 複 合 系 93<br />

長 野 哲 雄 (ナガノ テツオ) 生 命 現 象 77<br />

仲 野 徹 (ナカノ トオル) エピゲノム 21<br />

中 野 義 昭 (ナカノ ヨシアキ) 電 子 ・ 光 子 92<br />

中 畑 龍 俊 (ナカハタ タツトシ) エピゲノム 21<br />

長 濱 嘉 孝 (ナガハマ ヨシタカ) 内 分 泌 95<br />

ぬ<br />

貫 名 信 行 (ヌキナ ノブユキ) 精 神 ・ 神 経 33<br />

濡 木 理 (ヌレキ オサム) 慢 性 炎 症 24<br />

の<br />

野 池 達 也 (ノイケ タツヤ) 環 境 低 負 荷 105<br />

野 地 博 行 (ノジ ヒロユキ) ナノシステム 45<br />

野 尻 幸 宏 (ノジリ ユキヒロ) 地 球 変 動 98<br />

野 田 五 十 樹 (ノダ イツキ) ポストペタスケール 57<br />

太 陽 光 利 用 13<br />

銅 谷 賢 治 (ドウヤ ケンジ) 脳 を 創 る 98<br />

中 原 義 昭 (ナカハラ ヨシアキ) 単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

野 田 進 (ノダ ススム)<br />

光 科 学 54<br />

遠 山 千 春 (トウヤマ チハル) 内 分 泌 95<br />

中 別 府 雄 作 (ナカベップ ユウサク) 脳 を 守 る 97<br />

電 子 ・ 光 子 93<br />

遠 山 正 彌 (トオヤマ マサヤ) 脳 を 守 る 97<br />

中 村 新 男 (ナカムラ アラオ) 電 子 ・ 光 子 92<br />

野 田 哲 生 (ノダ テツオ) 生 命 活 動 99<br />

戸 叶 一 正 (トガノ カズマサ) 極 限 環 境 103<br />

徳 田 恵 一 (トクダ ケイイチ) 情 報 環 境 59<br />

中 村 和 夫 (ナカムラ カズオ) 電 子 ・ 光 子 92<br />

中 村 克 樹 (ナカムラ カツキ) 脳 の 発 達 78<br />

野 田 昌 晴 (ノダ マサハル)<br />

生 物 の 発 生 90<br />

脳 の 機 能 104<br />

徳 田 英 幸 (トクダ ヒデユキ) 組 込 み OS 64<br />

徳 永 史 生 (トクナガ フミオ) 自 己 組 織 化 85<br />

都 甲 潔 (トコウ キヨシ) センシング 66<br />

所 眞 理 雄 (トコロ マリオ) 組 込 み OS 64<br />

戸 田 達 史 (トダ タツシ) テーラメイド 医 療 80<br />

戸 辺 義 人 (トベ ヨシト) センシング 67<br />

戸 部 義 人 (トベ ヨシト) 分 子 複 合 系 93<br />

冨 重 圭 一 (トミシゲ ケイイチ) CO2 抑 制 16<br />

中 村 健 治 (ナカムラ ケンジ) 水 循 環 89<br />

中 村 振 一 郎 (ナカムラ シンイチロウ) ナノ 構 造 触 媒 86<br />

中 村 宏 (ナカムラ ヒロシ) ULP 68<br />

中 村 保 典 (ナカムラ ヤスノリ) 植 物 91<br />

中 村 義 一 (ナカムラ ヨシカズ) 生 命 現 象 77<br />

中 村 仁 彦 (ナカムラ ヨシヒコ) 脳 を 創 る 98<br />

永 山 國 昭 (ナガヤマ クニアキ) 生 命 現 象 77<br />

生 命 システム 35<br />

野 村 一 也 (ノムラ カズヤ) 糖 鎖 79<br />

は<br />

芳 賀 達 也 (ハガ タツヤ) 脳 の 機 能 104<br />

萩 谷 昌 己 (ハギヤ マサミ) 情 報 社 会 89<br />

萩 原 正 敏 (ハギワラ マサトシ) エピゲノム 20<br />

白 田 耕 藏 (ハクタ コウゾウ) 量 子 効 果 101<br />

箱 嶋 敏 雄 (ハコシマ トシオ) たんぱく 質 87<br />

冨 田 勝 (トミタ マサル) シミュレーション 81<br />

中 山 敬 一 (ナカヤマ ケイイチ)<br />

生 物 の 発 生 90<br />

橋 詰 保 (ハシズメ タモツ) CO2 抑 制 17<br />

富 永 圭 介 (トミナガ ケイスケ) 自 己 組 織 化 85<br />

脳 を 守 る 97<br />

橋 田 浩 一 (ハシダ コウイチ) 高 度 メディア 社 会 92<br />

寅 市 和 男 (トライチ カズオ) 情 報 社 会 89<br />

鳥 海 明 (トリウミ アキラ) 次 世 代 デバイス 49<br />

な<br />

中 山 俊 憲 (ナカヤマ トシノリ) 慢 性 炎 症 24<br />

長 山 雅 晴 (ナガヤマ マサハル) 数 学 61<br />

中 山 喜 萬 (ナカヤマ ヨシカズ) 生 命 現 象 77<br />

名 取 俊 二 (ナトリ シュンジ) 生 体 防 御 100<br />

橋 本 和 仁 (ハシモト カズヒト) 相 界 面 4<br />

橋 本 秀 樹 (ハシモト ヒデキ) 光 科 学 55<br />

橋 本 嘉 幸 (ハシモト ヨシユキ) 生 体 防 御 100<br />

羽 角 博 康 (ハスミ ヒロヤス) マルチ 71<br />

内 藤 康 秀 (ナイトウ ヤスヒデ) 物 質 現 象 76<br />

苗 村 健 (ナエムラ タケシ) 情 報 環 境 59<br />

鍋 倉 淳 一 (ナベクラ ジュンイチ)<br />

脳 神 経 回 路 26<br />

脳 の 発 達 78<br />

長 谷 川 剛 (ハセガワ ツヨシ) 次 世 代 デバイス 49<br />

長 谷 川 哲 也 (ハセガワ テツヤ) 元 素 戦 略 40<br />

中 井 浩 巳 (ナカイ ヒロミ) 元 素 戦 略 41<br />

代 謝 37<br />

畠 賢 治 (ハタ ケンジ) ナノシステム 44<br />

永 井 良 三 (ナガイ リョウゾウ) 恒 常 性 18<br />

鍋 島 陽 一 (ナベシマ ヨウイチ)<br />

ゲノム 94<br />

花 井 泰 三 (ハナイ タイゾウ) 藻 類 バイオエネルギー 11<br />

中 内 啓 光 (ナカウチ ヒロミツ) 生 体 防 御 100<br />

生 命 活 動 99<br />

花 岡 文 雄 (ハナオカ フミオ) ゲノム 94<br />

中 尾 真 一 (ナカオ シンイチ) 水 利 用 14<br />

永 雄 総 一 (ナガオ ソウイチ) 脳 を 創 る 98<br />

長 尾 真 (ナガオ マコト) 高 度 メディア 社 会 92<br />

中 尾 光 善 (ナカオ ミツヨシ) エピゲノム 20<br />

長 岡 正 隆 (ナガオカ マサタカ) マルチ 71<br />

並 河 一 道 (ナミカワ カズミチ) 物 質 現 象 76<br />

成 宮 周 (ナルミヤ シュウ) 慢 性 炎 症 23<br />

名 和 田 新 (ナワタ ハジメ) 内 分 泌 95<br />

南 谷 崇 (ナンヤ タカシ) ULP 68<br />

南 里 豪 志 (ナンリ タケシ) ポストペタスケール 57<br />

花 園 豊 (ハナゾノ ユタカ) iPS 細 胞 28<br />

花 村 榮 一 (ハナムラ エイイチ) 電 子 ・ 光 子 93<br />

馬 場 旬 平 (ババ ジュンペイ) EMS 3<br />

馬 場 俊 彦 (ババ トシヒコ) 光 科 学 54<br />

馬 場 嘉 信 (ババ ヨシノブ) ゲノム 94<br />

仲 岡 雅 裕 (ナカオカ マサヒロ) 海 洋 生 物 多 様 性 9<br />

永 長 直 人 (ナガオサ ナオト) ナノ 構 造 体 材 料 83<br />

に<br />

濱 田 博 司 (ハマダ ヒロシ)<br />

生 命 システム 34<br />

生 物 の 発 生 90<br />

長 澤 丘 司 (ナガサワ タカシ) 慢 性 炎 症 23<br />

新 川 詔 夫 (ニイカワ ノリオ) ゲノム 94<br />

生 命 活 動 99<br />

中 嶋 敦 (ナカジマ アツシ) ナノ 構 造 体 材 料 83<br />

長 嶋 雲 兵 (ナガシマ ウンペイ) シミュレーション 81<br />

西 浦 廉 政 (ニシウラ ヤスマサ) 数 学 60<br />

西 川 徹 (ニシカワ トオル) 精 神 ・ 神 経 33<br />

浜 地 格 (ハマチ イタル) ナノ 構 造 体 46<br />

林 泰 弘 (ハヤシ ヤスヒロ) EMS 3<br />

長 嶋 和 郎 (ナガシマ カズオ) 脳 を 守 る 97<br />

中 島 研 吾 (ナカジマ ケンゴ) ポストペタスケール 56<br />

西 川 博 昭 (ニシカワ ヒロアキ) ULP 69<br />

西 澤 直 子 (ニシザワ ナオコ) 植 物 91<br />

林 崎 良 英 (ハヤシザキ ヨシヒデ)<br />

自 己 組 織 化 85<br />

生 命 活 動 99<br />

中 島 孝 (ナカジマ タカシ) EMS 3<br />

中 島 達 夫 (ナカジマ タツオ) 組 込 み OS 64<br />

中 島 映 至 (ナカジマ テルユキ) 地 球 変 動 98<br />

中 嶋 直 敏 (ナカシマ ナオトシ) ナノ 構 造 体 46<br />

永 島 英 夫 (ナガシマ ヒデオ) 元 素 戦 略 40<br />

中 島 浩 (ナカシマ ヒロシ) 情 報 社 会 89<br />

中 島 田 豊 (ナカシマダ ユタカ) 藻 類 バイオエネルギー 11<br />

西 澤 松 彦 (ニシザワ マツヒコ) ナノシステム 44<br />

西 島 正 弘 (ニシジマ マサヒロ) 代 謝 36<br />

西 条 寿 夫 (ニシジョウ ヒサオ) 脳 の 発 達 78<br />

西 田 晃 (ニシダ アキラ) シミュレーション 81<br />

西 田 栄 介 (ニシダ エイスケ) iPS 細 胞 28<br />

西 田 佳 史 (ニシダ ヨシフミ) センシング 66<br />

西 野 一 三 (ニシノ イチゾウ) 脳 を 守 る 97<br />

早 瀬 修 二 (ハヤセ シュウジ) 相 界 面 4<br />

原 英 二 (ハラ エイジ) 恒 常 性 18<br />

原 辰 次 (ハラ シンジ) EMS 3<br />

原 登 志 彦 (ハラ トシヒコ) 植 物 91<br />

原 口 徳 子 (ハラグチ トクコ) ソフトナノマシン 85<br />

原 島 博 (ハラシマ ヒロシ) デジタルメディア 77<br />

原 田 明 (ハラダ アキラ) ナノ 構 造 体 46<br />

永 田 和 宏 (ナガタ カズヒロ)<br />

たんぱく 質 87<br />

生 体 防 御 100<br />

西 原 祥 子 (ニシハラ ショウコ) 糖 鎖 79<br />

西 村 いくこ(ニシムラ イクコ) 植 物 91<br />

原 田 慶 (ハラダ ヨシエ) ソフトナノマシン 85<br />

春 田 正 毅 (ハルタ マサタケ) ナノ 界 面 50<br />

長 田 重 一 (ナガタ シゲカズ)<br />

免 疫 機 構 30<br />

ゲノム 94<br />

新 田 淳 作 (ニッタ ジュンサク) ナノデバイス 81<br />

二 瓶 瑞 久 (ニヘイ ミズヒサ) 次 世 代 デバイス 48<br />

韓 礼 元 (ハン リュアン) 太 陽 光 利 用 12<br />

半 那 純 一 (ハンナ ジュンイチ) ナノ 製 造 52<br />

永 田 俊 (ナガタ トシ) 水 循 環 89<br />

丹 羽 仁 史 (ニワ ヒトシ) iPS 細 胞 28<br />

中 田 博 (ナカダ ヒロシ) 糖 鎖 79<br />

110

ひ<br />

藤 田 誠 (フジタ マコト)<br />

ナノ 界 面 51<br />

自 己 組 織 化 85<br />

真 島 和 志 (マシマ カズシ) ナノ 構 造 体 47<br />

真 島 豊 (マジマ ユタカ) ナノ 製 造 53<br />

東 野 輝 夫 (ヒガシノ テルオ) センシング 67<br />

単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

町 田 昌 彦 (マチダ マサヒコ) マルチ 71<br />

樋 口 輝 彦 (ヒグチ テルヒコ) 精 神 ・ 神 経 32<br />

樋 口 知 之 (ヒグチ トモユキ) シミュレーション 81<br />

藤 田 政 之 (フジタ マサユキ) EMS 2<br />

藤 野 毅 (フジノ タケシ) DVLSI 63<br />

松 井 真 二 (マツイ シンジ)<br />

次 世 代 デバイス 49<br />

ナノファクトリー 82<br />

樋 口 秀 男 (ヒグチ ヒデオ) 生 命 現 象 77<br />

樋 口 昌 芳 (ヒグチ マサヨシ) ナノシステム 45<br />

樋 口 芳 樹 (ヒグチ ヨシキ) 構 造 生 命 19<br />

彦 坂 幸 毅 (ヒコサカ コウキ) CO2 資 源 化 6<br />

久 田 俊 明 (ヒサダ トシアキ) シミュレーション 81<br />

久 堀 徹 (ヒサボリ トオル) 藻 類 バイオエネルギー 11<br />

藤 野 陽 三 (フジノ ヨウゾウ) センシング 67<br />

藤 幡 正 樹 (フジハタ マサキ) デジタルメディア 77<br />

藤 巻 朗 (フジマキ アキラ) ナノデバイス 81<br />

藤 吉 好 則 (フジヨシ ヨシノリ) ソフトナノマシン 85<br />

藤 原 拓 (フジワラ タク) 水 利 用 14<br />

藤 原 毅 夫 (フジワラ タケオ) シミュレーション 81<br />

松 井 俊 浩 (マツイ トシヒロ) 情 報 社 会 89<br />

松 浦 充 宏 (マツウラ ミツヒロ) マルチ 70<br />

松 尾 二 郎 (マツオ ジロウ) ナノ 製 造 53<br />

松 岡 聡 (マツオカ サトシ) ULP 69<br />

松 岡 隆 志 (マツオカ タカシ) 光 科 学 55<br />

松 岡 英 明 (マツオカ ヒデアキ) バイオ 素 子 84<br />

尾 藤 晴 彦 (ビトウ ハルヒコ) 脳 神 経 回 路 26<br />

日 比 孝 之 (ヒビ タカユキ) 数 学 60<br />

二 井 將 光 (フタイ マサミツ)<br />

ソフトナノマシン 85<br />

生 命 活 動 99<br />

松 崎 文 雄 (マツザキ フミオ)<br />

生 物 の 発 生 90<br />

脳 の 機 能 104<br />

平 井 優 美 (ヒライ マサミ) 代 謝 37<br />

舩 岡 正 光 (フナオカ マサミツ) 資 源 循 環 96<br />

松 崎 政 紀 (マツザキ マサノリ) 脳 神 経 回 路 25<br />

平 尾 敦 (ヒラオ アツシ) 代 謝 36<br />

平 尾 公 彦 (ヒラオ キミヒコ) マルチ 70<br />

船 水 尚 行 (フナミズ ナオユキ) 水 循 環 89<br />

古 川 貴 久 (フルカワ タカヒサ) 脳 神 経 回 路 25<br />

松 島 綱 治 (マツシマ コウジ)<br />

慢 性 炎 症 23<br />

生 体 防 御 100<br />

平 岡 泰 (ヒラオカ ヤスシ) ゲノム 94<br />

平 川 一 彦 (ヒラカワ カズヒコ) ナノ 界 面 50<br />

古 澤 明 (フルサワ アキラ) 量 子 情 報 処 理 78<br />

古 原 忠 (フルハラ タダシ) 元 素 戦 略 40<br />

松 田 文 彦 (マツダ フミヒコ) テーラメイド 医 療 80<br />

松 永 是 (マツナガ タダシ) 藻 類 バイオエネルギー 10<br />

開 一 夫 (ヒラキ カズオ) 情 報 環 境 59<br />

平 田 賢 (ヒラタ マサル) 資 源 循 環 96<br />

古 米 弘 明 (フルマイ ヒロアキ)<br />

水 利 用 14<br />

水 循 環 89<br />

松 原 謙 一 (マツバラ ケンイチ) ゲノム 94<br />

松 原 仁 (マツバラ ヒトシ) デジタルメディア 77<br />

平 野 俊 夫 (ヒラノ トシオ) 免 疫 機 構 30<br />

平 野 丈 夫 (ヒラノ トモオ) 脳 の 発 達 78<br />

平 林 義 雄 (ヒラバヤシ ヨシオ) 糖 鎖 79<br />

平 間 正 博 (ヒラマ マサヒロ) 単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

古 屋 一 仁 (フルヤ カズヒト) ナノデバイス 81<br />

へ<br />

ヘンシュ 貴 雄 (ヘンシュ タカオ) 脳 の 発 達 78<br />

松 藤 泰 典 (マツフジ ヤスノリ) 環 境 低 負 荷 105<br />

松 村 英 樹 (マツムラ ヒデキ) 太 陽 光 利 用 13<br />

バイオ 素 子 84<br />

松 本 和 子 (マツモト カズコ)<br />

単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

平 本 昌 宏 (ヒラモト マサヒロ) 太 陽 光 利 用 12<br />

平 山 秀 樹 (ヒラヤマ ヒデキ) 光 科 学 55<br />

ほ<br />

松 本 和 彦 (マツモト カズヒコ)<br />

ナノ 界 面 51<br />

新 しい 物 理 現 象 82<br />

平 山 祥 郎 (ヒラヤマ ヨシロウ) 電 子 ・ 光 子 92<br />

廣 瀬 全 孝 (ヒロセ マサタカ) 量 子 効 果 101<br />

廣 瀬 通 孝 (ヒロセ ミチタカ) デジタルメディア 77<br />

広 海 健 (ヒロミ ヤスシ) 生 物 の 発 生 90<br />

ふ<br />

深 井 周 也 (フカイ シュウヤ) 構 造 生 命 19<br />

深 井 朋 樹 (フカイ トモキ) 脳 を 創 る 98<br />

深 田 吉 孝 (フカダ ヨシタカ) 脳 の 機 能 104<br />

福 井 康 雄 (フクイ ヤスオ) 地 球 変 動 98<br />

鳳 紘 一 郎 (ホウ コウイチロウ) 電 子 ・ 光 子 92<br />

宝 谷 紘 一 (ホウタニ ヒロカズ) ソフトナノマシン 85<br />

元 素 戦 略 41<br />

宝 野 和 博 (ホウノ カズヒロ)<br />

物 質 現 象 76<br />

朴 泰 祐 (ボク タイスケ) ポストペタスケール 57<br />

星 英 司 (ホシ エイジ) 脳 神 経 回 路 26<br />

細 貝 知 直 (ホソカイ トモナオ) 光 展 開 43<br />

生 物 の 発 生 90<br />

堀 田 凱 樹 (ホッタ ヨシキ)<br />

脳 の 機 能 104<br />

堀 敦 史 (ホリ アツシ) ポストペタスケール 56<br />

松 本 要 (マツモト カナメ) エネルギー 高 度 利 用 86<br />

生 物 の 発 生 90<br />

松 本 邦 弘 (マツモト クニヒロ)<br />

生 命 活 動 99<br />

松 本 満 (マツモト ミツル) 慢 性 炎 症 24<br />

松 本 泰 道 (マツモト ヤスミチ) ナノ 構 造 体 47<br />

間 野 博 行 (マノ ヒロユキ) テーラメイド 医 療 80<br />

丸 山 厚 (マルヤマ アツシ) テーラメイド 医 療 80<br />

丸 山 直 也 (マルヤマ ナオヤ) ポストペタスケール 56<br />

み<br />

福 井 宣 規 (フクイ ヨシノリ) 免 疫 機 構 30<br />

福 島 昭 治 (フクシマ ショウジ) 生 体 防 御 100<br />

堀 裕 和 (ホリ ヒロカズ) 光 科 学 54<br />

堀 勝 (ホリ マサル) ナノ 製 造 53<br />

三 浦 正 幸 (ミウラ マサユキ)<br />

恒 常 性 18<br />

代 謝 37<br />

福 住 俊 一 (フクズミ シュンイチ) 分 子 複 合 系 93<br />

福 田 正 己 (フクダ マサミ) 資 源 循 環 96<br />

福 谷 克 之 (フクタニ カツユキ) 物 質 現 象 76<br />

福 山 透 (フクヤマ トオル) 単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

福 山 秀 敏 (フクヤマ ヒデトシ) ナノ 構 造 体 材 料 83<br />

藤 井 輝 夫 (フジイ テルオ) ナノシステム 45<br />

藤 井 義 明 (フジイ ヨシアキ) 内 分 泌 95<br />

藤 岡 洋 (フジオカ ヒロシ) ナノシステム 44<br />

藤 木 道 也 (フジキ ミチヤ) 分 子 複 合 系 93<br />

堀 池 靖 浩 (ホリイケ ヤスヒロ) ナノ 製 造 52<br />

堀 内 佐 智 雄 (ホリウチ サチオ) 元 素 戦 略 40<br />

堀 越 佳 治 (ホリコシ ヨシジ) 太 陽 光 利 用 12<br />

本 家 孝 一 (ホンケ コウイチ) 糖 鎖 79<br />

本 田 文 江 (ホンダ アヤエ) 光 展 開 42<br />

本 田 賢 也 (ホンダ ケンヤ) 恒 常 性 18<br />

誉 田 雅 彰 (ホンダ マサアキ) 脳 を 創 る 98<br />

本 田 学 (ホンダ マナブ) センシング 67<br />

本 多 嘉 明 (ホンダ ヨシアキ) 地 球 変 動 98<br />

三 上 益 弘 (ミカミ マスヒロ) マルチ 71<br />

三 澤 弘 明 (ミサワ ヒロアキ) 新 しい 物 理 現 象 82<br />

三 品 昌 美 (ミシナ マサヨシ) 脳 の 機 能 104<br />

水 澤 英 洋 (ミズサワ ヒデヒロ) 精 神 ・ 神 経 33<br />

水 谷 五 郎 (ミズタニ ゴロウ) 物 質 現 象 76<br />

水 野 哲 孝 (ミズノ ノリタカ) ナノ 構 造 体 46<br />

御 園 生 誠 (ミソノウ マコト) ナノ 構 造 触 媒 86<br />

三 村 徹 郎 (ミムラ テツロウ) 代 謝 37<br />

宮 城 島 進 也 (ミヤギシマ シンヤ) 藻 類 バイオエネルギー 11<br />

藤 木 幸 夫 (フジキ ユキオ)<br />

代 謝 37<br />

生 命 活 動 99<br />

本 間 敬 之 (ホンマ タカユキ) 太 陽 光 利 用 13<br />

本 間 芳 和 (ホンマ ヨシカズ) ナノファクトリー 82<br />

宮 川 剛 (ミヤカワ ツヨシ) 精 神 ・ 神 経 32<br />

宮 城 妙 子 (ミヤギ タエコ) 糖 鎖 79<br />

藤 崎 泰 正 (フジサキ ヤスマサ) EMS 3<br />

藤 澤 克 樹 (フジサワ カツキ) ポストペタスケール 57<br />

ま<br />

三 宅 健 介 (ミヤケ ケンスケ) 免 疫 難 病 88<br />

三 宅 なほみ(ミヤケ ナホミ) 高 度 メディア 社 会 92<br />

藤 澤 肇 (フジサワ ハジメ) 脳 の 機 能 104<br />

藤 嶋 昭 (フジシマ アキラ) エネルギー 高 度 利 用 86<br />

前 川 禎 通 (マエカワ サダミチ)<br />

次 世 代 デバイス 49<br />

ナノ 構 造 体 材 料 83<br />

三 宅 亮 (ミヤケ リョウ) 水 利 用 15<br />

宮 坂 昌 之 (ミヤサカ マサユキ) 慢 性 炎 症 23<br />

藤 田 一 郎 (フジタ イチロウ)<br />

脳 の 発 達 79<br />

脳 の 機 能 104<br />

前 川 孝 昭 (マエカワ タカアキ) 環 境 低 負 荷 105<br />

前 田 進 (マエダ ススム) 生 体 防 御 100<br />

宮 澤 淳 夫 (ミヤザワ アツオ) 生 命 現 象 77<br />

宮 下 精 二 (ミヤシタ セイジ) 量 子 情 報 処 理 78<br />

藤 田 禎 三 (フジタ テイゾウ) たんぱく 質 87<br />

前 田 太 郎 (マエダ タロウ) センシング 67<br />

宮 下 保 司 (ミヤシタ ヤスシ) 脳 神 経 回 路 26<br />

藤 田 敏 郎 (フジタ トシロウ) エピゲノム 21<br />

藤 田 博 之 (フジタ ヒロユキ) 極 限 環 境 103<br />

前 田 俊 行 (マエダ トシユキ) 組 込 み OS 64<br />

前 田 英 明 (マエダ ヒデアキ) ナノ 製 造 52<br />

宮 島 篤 (ミヤジマ アツシ)<br />

iPS 細 胞 29<br />

免 疫 難 病 88<br />

前 田 龍 太 郎 (マエダ リュウタロウ) ULP 69<br />

馬 越 淳 (マゴシ ジュン) 資 源 循 環 96<br />

宮 武 健 治 (ミヤタケ ケンジ) 相 界 面 4<br />

宮 永 憲 明 (ミヤナガ ノリアキ) 光 科 学 55<br />

111

宮 野 健 次 郎 (ミヤノ ケンジロウ) 光 科 学 55<br />

宮 原 裕 二 (ミヤハラ ユウジ) ナノシステム 44<br />

宮 本 薫 (ミヤモト カオル) 内 分 泌 95<br />

宮 山 勝 (ミヤヤマ マサル) CO2 抑 制 17<br />

む<br />

武 笠 幸 一 (ムカサ コウイチ) 量 子 効 果 101<br />

虫 明 功 臣 (ムシアケ カツミ) 水 循 環 89<br />

虫 明 元 (ムシアケ ハジメ) 脳 神 経 回 路 25<br />

武 藤 俊 一 (ムトウ シュンイチ) 情 報 社 会 89<br />

村 岡 洋 一 (ムラオカ ヨウイチ) 組 込 み OS 64<br />

村 上 富 士 夫 (ムラカミ フジオ) 脳 の 機 能 104<br />

村 田 稔 岡 (ムラタ ミノル) 植 物 91<br />

村 松 正 實 (ムラマツ マサミ) 生 命 活 動 99<br />

も<br />

持 田 勲 (モチダ イサオ) ナノ 構 造 触 媒 86<br />

本 河 光 博 (モトカワ ミツヒロ) 極 限 環 境 103<br />

百 瀬 孝 昌 (モモセ タカマサ) 量 子 情 報 処 理 78<br />

森 郁 恵 (モリ イクエ) 生 命 システム 34<br />

山 口 真 史 (ヤマグチ マサフミ) 太 陽 光 利 用 12<br />

糖 鎖 79<br />

山 口 陽 子 (ヤマグチ ヨウコ)<br />

脳 を 創 る 98<br />

山 子 茂 (ヤマゴ シゲル) ナノ 構 造 体 47<br />

山 崎 聡 (ヤマサキ サトシ) CO2 抑 制 17<br />

山 﨑 信 行 (ヤマサキ ノブユキ) DVLSI 63<br />

山 崎 秀 勝 (ヤマザキ ヒデカツ) 海 洋 生 物 多 様 性 9<br />

山 下 一 郎 (ヤマシタ イチロウ) 自 己 組 織 化 85<br />

山 下 晃 一 (ヤマシタ コウイチ) 相 界 面 5<br />

山 下 努 (ヤマシタ ツトム) 極 限 環 境 103<br />

山 下 俊 英 (ヤマシタ トシヒデ) 脳 神 経 回 路 26<br />

分 子 技 術 38<br />

山 下 正 廣 (ヤマシタ マサヒロ)<br />

ナノ 構 造 体 材 料 83<br />

光 科 学 54<br />

山 下 幹 雄 (ヤマシタ ミキオ)<br />

量 子 効 果 101<br />

山 瀬 利 博 (ヤマセ トシヒロ) バイオ 素 子 84<br />

山 田 一 郎 (ヤマダ イチロウ) センシング 67<br />

山 田 興 一 (ヤマダ コウイチ) 資 源 循 環 96<br />

山 田 容 子 (ヤマダ ヒロコ) 太 陽 光 利 用 13<br />

山 中 一 司 (ヤマナカ カズシ) センシング 67<br />

吉 村 宏 和 (ヨシムラ ヒロカズ) 地 球 変 動 99<br />

吉 本 雅 彦 (ヨシモト マサヒコ) DVLSI 62<br />

恒 常 性 18<br />

吉 森 保 (ヨシモリ タモツ)<br />

たんぱく 質 87<br />

依 田 幹 雄 (ヨダ ミキオ) 水 利 用 14<br />

米 澤 明 憲 (ヨネザワ アキノリ) ポストペタスケール 56<br />

米 澤 一 仁 (ヨネザワ カヅヨシ) たんぱく 質 87<br />

米 田 友 洋 (ヨネダ トモヒロ) DVLSI 62<br />

米 田 悦 啓 (ヨネダ ヨシヒロ) iPS 細 胞 28<br />

ら<br />

覧 具 博 義 (ラング ロイ) 電 子 ・ 光 子 92<br />

わ<br />

若 狭 暁 (ワカサ キョウ) 植 物 91<br />

若 土 正 曉 (ワカツチ マサアキ) 地 球 変 動 98<br />

和 田 圭 司 (ワダ ケイジ) 脳 の 発 達 79<br />

渡 邉 聡 (ワタナベ サトシ) シミュレーション 81<br />

渡 部 俊 太 郎 (ワタナベ シュンタロウ) 光 科 学 55<br />

渡 辺 隆 司 (ワタナベ タカシ) CO2 資 源 化 6<br />

森 憲 作 (モリ ケンサク) 脳 神 経 回 路 25<br />

森 敏 (モリ サトシ) 極 限 環 境 103<br />

山 中 昭 司 (ヤマナカ ショウジ) 量 子 効 果 101<br />

山 中 伸 弥 (ヤマナカ シンヤ) 免 疫 難 病 88<br />

渡 辺 富 夫 (ワタナベ トミオ)<br />

デジタルメディア 77<br />

高 度 メディア 社 会 92<br />

森 望 (モリ ノゾム) 脳 を 守 る 97<br />

森 伸 也 (モリ ノブヤ) 次 世 代 デバイス 49<br />

山 中 康 裕 (ヤマナカ ヤスヒロ)<br />

海 洋 生 物 多 様 性 8<br />

マルチ 71<br />

渡 辺 久 恒 (ワタナベ ヒサツネ) 次 世 代 デバイス 48<br />

渡 邉 信 (ワタナベ マコト) CO2 抑 制 16<br />

森 浩 禎 (モリ ヒロタダ) ゲノム 94<br />

森 正 樹 (モリ マサキ) テーラメイド 医 療 80<br />

森 勇 介 (モリ ユウスケ) 生 命 現 象 77<br />

山 内 薫 (ヤマノウチ カオル) 単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

山 村 研 一 (ヤマムラ ケンイチ) iPS 細 胞 29<br />

山 本 明 夫 (ヤマモト アキオ) 単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

渡 辺 政 廣 (ワタナベ マサヒロ) 資 源 循 環 96<br />

渡 辺 義 公 (ワタナベ ヨシマサ) 環 境 低 負 荷 105<br />

盛 岡 通 (モリオカ トオル) 環 境 低 負 荷 105<br />

森 川 弘 道 (モリカワ ヒロミチ) 植 物 91<br />

山 元 公 寿 (ヤマモト キミヒサ)<br />

ナノシステム 45<br />

ナノ 構 造 触 媒 86<br />

森 島 繁 生 (モリシマ シゲオ) デジタルメディア 77<br />

山 本 雅 (ヤマモト タダシ) 生 命 動 態 22<br />

森 田 靖 (モリタ ヤスシ) 元 素 戦 略 41<br />

諸 熊 奎 治 (モロクマ ケイジ) マルチ 71<br />

山 本 尚 (ヤマモト ヒサシ)<br />

分 子 技 術 38<br />

単 一 分 子 ・ 原 子 102<br />

諸 橋 憲 一 郎 (モロハシ ケンイチロウ) 内 分 泌 95<br />

や<br />

八 尾 寛 (ヤオ ヒロム) 脳 を 知 る 97<br />

矢 川 元 基 (ヤガワ ゲンキ) マルチ 70<br />

矢 木 修 身 (ヤギ オサミ) 環 境 低 負 荷 105<br />

エピゲノム 20<br />

山 本 雅 之 (ヤマモト マサユキ)<br />

慢 性 炎 症 24<br />

山 本 喜 久 (ヤマモト ヨシヒサ) 量 子 情 報 処 理 78<br />

山 本 量 一 (ヤマモト リョウイチ) マルチ 71<br />

ゆ<br />

八 木 健 (ヤギ タケシ)<br />

脳 神 経 回 路 26<br />

ゲノム 94<br />

湯 浅 新 治 (ユアサ シンジ) 次 世 代 デバイス 49<br />

由 井 伸 彦 (ユイ ノブヒコ) ナノ 界 面 51<br />

八 木 康 史 (ヤギ ヤスシ) 情 報 環 境 59<br />

八 嶋 建 明 (ヤシマ タツアキ) ナノ 構 造 触 媒 86<br />

柚 﨑 通 介 (ユザキ ミチスケ) 脳 神 経 回 路 26<br />

由 良 敬 (ユラ ケイ) バイオ 素 子 84<br />

安 井 至 (ヤスイ イタル)<br />

CO2 抑 制 16<br />

資 源 循 環 96<br />

よ<br />

安 浦 寛 人 (ヤスウラ ヒロト) DVLSI 62<br />

安 田 二 朗 (ヤスダ ジロウ) センシング 66<br />

安 武 潔 (ヤスタケ キヨシ) 太 陽 光 利 用 12<br />

安 友 康 二 (ヤストモ コウジ) 慢 性 炎 症 24<br />

柳 澤 修 一 (ヤナギサワ シュウイチ) 代 謝 36<br />

横 田 隆 徳 (ヨコタ タカノリ) 分 子 技 術 38<br />

横 田 治 夫 (ヨコタ ハルオ) 情 報 社 会 89<br />

横 山 正 明 (ヨコヤマ マサアキ) 量 子 効 果 101<br />

吉 岡 芳 親 (ヨシオカ ヨシチカ) 生 命 現 象 77<br />

吉 川 明 彦 (ヨシカワ アキヒコ) ナノデバイス 81<br />

柳 田 敏 雄 (ヤナギダ トシオ)<br />

柳 田 充 弘 (ヤナギダ ミツヒロ)<br />

生 命 現 象 76<br />

ソフトナノマシン 85<br />

代 謝 36<br />

生 命 活 動 99<br />

吉 川 邦 夫 (ヨシカワ クニオ) 環 境 低 負 荷 105<br />

吉 川 研 一 (ヨシカワ ケンイチ) 分 子 複 合 系 93<br />

吉 川 信 也 (ヨシカワ シンヤ) 生 命 活 動 99<br />

吉 川 暹 (ヨシカワ ススム) CO2 抑 制 16<br />

山 内 和 人 (ヤマウチ カズト) 光 展 開 43<br />

山 内 美 穂 (ヤマウチ ミホ) CO2 抑 制 17<br />

山 木 準 一 (ヤマキ ジュンイチ) エネルギー 高 度 利 用 86<br />

吉 崎 正 憲 (ヨシザキ マサノリ) 地 球 変 動 98<br />

吉 田 尚 弘 (ヨシダ ナオヒロ) 環 境 低 負 荷 105<br />

iPS 細 胞 29<br />

山 口 明 人 (ヤマグチ アキヒト)<br />

構 造 生 命 19<br />

たんぱく 質 87<br />

吉 田 稔 (ヨシダ ミノル)<br />

代 謝 36<br />

ゲノム 94<br />

山 口 茂 弘 (ヤマグチ シゲヒロ) ナノ 構 造 体 47<br />

山 口 猛 央 (ヤマグチ タケオ) CO2 抑 制 17<br />

吉 村 昭 彦 (ヨシムラ アキヒコ) 免 疫 機 構 30<br />

吉 村 忍 (ヨシムラ シノブ) マルチ 72<br />

※ 終 了 領 域 の 研 究 総 括 の 所 属 機 関 ・ 役 職 は、 領 域 終 了 時 点 のものです。<br />

※ 終 了 課 題 の 研 究 代 表 者 の 所 属 機 関 ・ 役 職 は、 研 究 終 了 時 点 のものです。<br />

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