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4 人 のジャパネスク・ネオ・ファンタジー 女 流 作 家 たち― 小 野 不 由 美 を 中 心 に
くるという 形 で 書 かれています。これもすごく 今
たくさん、 児 童 文 学 に 限 らず 書 かれています。 輪
廻 転 生 ものとして 書 かれたり、あるいはオカルト
的 に 書 かれたりしています。『いま、 会 いにゆき
ます』もそういう 話 ですか 死 んでしまった 奥
さんが 戻 ってくる 話 でしたっけ このように、
死 の 世 界 と 行 ったり 来 たりして 折 り 合 いをつけよ
うという 傾 向 が 非 常 にはっきりと 見 えるのではな
いかと 思 います。
現 実 の 政 治 的 倫 理 vs.スピリチュアルな 世 界 の 論
理
そして、それらのことを 含 めてレジュメの「D
現 実 の 政 治 的 論 理 vs.スピリチュアルな 世 界 の 論
理 」に 進 みます。 特 に 自 然 の 力 がかなり 弱 まって
きている、 文 明 が 進 んでしまった 日 本 や 西 洋 、ア
メリカではすべてが 人 間 の 狭 い 知 恵 によって 管 理
されて、 政 治 的 にすべてきちっとできるのではな
いかというふうになっている。それはそれで 便 利
な 文 明 ではあるのですが、ある 意 味 閉 塞 感 という
か、 非 常 に 管 理 されていて、 驚 きや 偶 然 や 奇 跡 の
ない 世 界 ができてきている。それを 補 うような 形
でもう 一 つスピリチュアルな 世 界 がある。それは
何 も 息 苦 しいからそういうオカルトの 世 界 に 逃 れ
ようというのではなくて、むしろそういう 世 界 が
もう 一 つあるということを 子 どもたちが 実 感 し 始
めている。それはインターネットなどの 世 界 に
よって、あるいは 陰 陽 師 などもそうなのですが、
非 常 に 進 化 した CGとか 映 像 とかを 使 って、そう
いうもう 一 つの 世 界 をまざまざと 見 せてしまうこ
とによって「あ、こういう 世 界 がある」と 非 常 に
実 感 できる。 目 に 見 えない 人 と 繋 がりあうイン
ターネットの 世 界 とか、 別 世 界 へ 行 って 冒 険 をす
るゲームとか、 映 画 といったものは、ありえない
ものをどんどん 作 って 見 せてしまうのですね。 陰
陽 師 の 映 画 で、 怨 霊 とか、 安 倍 晴 明 の 超 能 力 とか
ですね、いろいろなものがあまりにもうまく 作 ら
れていたのでびっくりしたのですけれど、そうい
うものによって、もう 一 つのスピリチュアルな 世
界 がすごく 実 感 できるようになってしまってい
る。これが 今 の 状 況 ではないかと 思 います。
『 十 二 国 記 』の 世 界
それがとりあえず 大 本 の 話 でありまして、『 十 二
国 記 』という 一 番 ファンタジーらしいファンタ
ジーで、ハイ・ファンタジーらしい 小 野 不 由 美 さ
んの 世 界 観 を 中 心 に 見 たいと 思 ってレジュメを
作 ってきてあります。『 十 二 国 記 』シリーズをこ
こにまとめて 一 覧 にしてあります。
地 図 を 見 ていただくとおわかりですが、 十 二 国
はすさまじい 変 な 形 をしている。「 十 二 国 早 わか
り MAP」(『 活 字 倶 楽 部 』2001 年 夏 号 雑 草 社 所 収 )
を 見 ていただくと、 字 が 大 きくてわかるのですけ
れど、お 花 のような 形 になっている 真 ん 中 に 八 国
あって、その 周 りに 四 つ 島 が 浮 いていて、これで
十 二 国 ということになっています。 真 ん 中 の 部 分
に、 白 海 、 黒 海 、 青 海 、 赤 海 という 四 つの 海 があ
ります。これは 実 際 の 海 です。ところが 真 ん 中 の
黄 海 は、ここは 海 ではなくて、 何 に 似 ているかと
言 うと、 富 士 山 の 裾 野 の 青 木 ヵ 原 の 樹 林 ですね、
ああいう 世 界 なのです。 海 ではなくて、その 中 央
に、 富 士 山 ならぬ 蓬 山 というものがあります。こ
こが 霊 峰 、 富 士 山 みたいなものと 考 えていただけ
ればいいです。
この 世 界 にはいろいろ 変 なことがいっぱいある
のですけれど、まずこの 地 図 があまりにも 人 工 的
な 世 界 ですよね。そして 王 様 になるシステムがす
ごくゲーム 的 です。ゲーム・ファンタジーと 思 っ
ていただいてもいいのですけれども。 各 国 に 麒 麟
という 一 角 獣 のような 生 き 物 がいます。その 一 角
獣 のような 生 き 物 がどこから 出 てくるかという
しゃ しんぼく と、 蓬 山 というところに 捨 身 木 という 不 思 議 な 木
がありまして、そこに 卵 のようにして 実 るのです。
『 十 二 国 記 』の 世 界 では 人 間 でも 動 物 でもすべて
のものが 木 に 実 るという 形 で 生 まれてきます。い
わゆる 性 交 渉 的 なことはできなくはないみたいな
のですけれども、 子 どもはそういうふうにして 生
まれてくることになっているのですね。 結 婚 をし
た 男 女 が 帯 に 刺 繍 をしまして、それを 自 分 の 村 の
ところの 里 木 に 行 って 結 び 付 けますと、 天 帝 がそ
れを 見 て、この2 人 はちゃんとした 夫 婦 だという
ことでその 木 に 実 をならしてくれる。その 実 が10
か 月 くらいすると 生 まれてくる。ところが、 人 間
の 夫 婦 なのに 人 間 ではなく 半 獣 が 生 まれてくるこ
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