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(注1)<br />
「分割されなかったAT&T」Bell<br />
Canadaの前身<br />
Bell Canadaの前身は1880年 に<br />
Alexander Graham Bellが設立した<br />
Bell Telephone Company of Canada。但<br />
しAT&Tとの資本関係<br />
(49%)は1975年までに解消され<br />
ている。<br />
(注2)<br />
カナダの州際通信ネットワーク<br />
カナダの州際通信はかつて米国の<br />
ネットワークを使って疎通されて<br />
いたが、徐々に州際ネットワーク<br />
が整備されて1931年にILEC7社の<br />
コンソーシアムであるTrans Canada<br />
Communicaitons System<br />
(TCTS)が誕生、州際ネットワ<br />
ークと対米国際通信ネットワーク<br />
の運用を担当した。TCTSへの参<br />
加ILECは後に9社に増え、二度の再<br />
編を経て名称もTelecom Canada<br />
(1983年~)、Stentor(1992年1<br />
月~)と変わったが支配権は一貫<br />
してBell Canadaが掌握(Stentor時<br />
代は系列会社を併せて60%、単独<br />
で50%の投票権)。長距離通信自<br />
由化(1992年6月)を経てStentor<br />
が1998年末に事実上崩壊し、州<br />
際・対米通信ネットワークをコン<br />
ソーシアムが運用するというカナ<br />
ダ独特の方式も終焉を迎えた。<br />
4 July 2000<br />
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●一体化進む米加墨市場に割拠を目指す、BCEグループの近況<br />
1.BCEグループの概要<br />
BCE Inc.(1988年にBell Canada Enterprises Inc.から社名変更)はBell<br />
Canadaを中心とする企業グループの持株会社。そのBell CanadaはOntario・<br />
Quebec両州を営業区域とするカナダ最大の既存地域事業者(ILEC)だが、同社を<br />
ILECのうちの一社と見るのはむしろ間違いで「分割されなかったAT&T」と理解<br />
した方が現実に近い (注1) 。西部二州(British Columbia・Alberta)を除く全州で<br />
他のILECを資本支配するか提携下に置いているためである(【図】)。カナダでは<br />
伝統的に国内長距離ネットワークと対米国際ネットワークをILECのコンソーシアム (注2)<br />
が運営してきたがそのコンソーシアムも高い出資比率を有するBell Canadaの支配<br />
下にあった。BCEの認知度が我が国で低いのはかつて国際通信(Teleglobe)が国<br />
営独占故にBCEの支配を免れていたためと考えられるが、国際通信も1998年10月<br />
には自由化化済みでTeleglobeは近くBCEの100%子会社になる予定である(後<br />
述)。<br />
BCEは、1999年5月のグループ会社整理(後述)で、グループ企業を伝統的テレ<br />
コム事業(地域通信及び長距離通信等)と戦略分野(ソリューション、放送及び衛<br />
星通信)に分け、前者をBell Canada傘下に集め後者を自身が直轄することにした<br />
(【表3】)。1999年収益では前者がグループの89%を占める(【表4】)。