二科展デザイン部「入選作品&応募作品」の概略報告 - 筑波技術大学
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た 広 告 について 発 表 することになっている。 学 生 たちは<br />
新 聞 広 告 、 雑 誌 広 告 、ポスター、インターネット 上 の 広<br />
告 など 様 々なメディアにわたる 広 告 をとりあげ、 関 心 を<br />
示 す 部 分 も、ビジュアルワークからコピーワークまで 多<br />
岐 にわたっている。<br />
このように、 現 実 の 社 会 に 流 れている 生 きた 広 告 をウ<br />
ォッチングすることは、まさに 生 きた 教 材 を 活 用 するこ<br />
とであり、 当 授 業 全 体 にとっての 効 果 的 な 予 習 ともなっ<br />
ている。 学 生 たちが 発 表 する 表 情 も 生 き 生 きとしている。<br />
2.3 演 習 ではアイデア 出 し&ラフスケッチの 練 習<br />
前 述 2.1)で 解 説 したアート 手 法 を 教 授 の 後 に、 本 <br />
度 はソフトドリンクや 家 電 品 の 課 題 を 与 え、その 表 現 <br />
アイデア 出 しとラフスケッチの 習 作 を 行 った。<br />
このような 助 走 的 トレーニングの 後 に 二 科 展 デザイン<br />
部 門 課 題 へ 取 り 組 んでいった。<br />
3. 二 科 展 デザイン 部 課 題 への 取 り 組 み<br />
2002 年 第 87 回 二 科 展 デザイン 部 募 集 作 品 のテーマは、<br />
A 部 門 ( 自 由 テーマ)・B 部 門 (イラストレーション)・<br />
C 部 門 ( 特 別 テーマ「『2003 年 日 ・ASEAN 交 流 年 』をテ<br />
ーマとしたポスター」)であった。<br />
今 回 は 履 修 学 生 7 名 全 員 がC 部 門 を 選 んだ。<br />
[ 入 選 作 品 ]<br />
作 品 ❶ 寺 井 亮 宣<br />
・タイトル:「アジアのハートは 熱 くなる」<br />
ブルーの 空 と 海 に 浮 かぶハートをモチーフにし、その<br />
まわりに 日 本 と ASEAN の 国 旗 が 描 かれたリボンがから<br />
み 合 うように 描 かれている。 心 あたたかい 交 流 をイメー<br />
ジしている。 制 作 段 階 で 苦 労 したのは、ハートの 形 の 立<br />
体 感 と 透 明 感 の 表 現 であった。<br />
作 品 ❷ 中 島 ひとみ<br />
・タイトル:「アジアの 友 情 」<br />
学 校 で 社 会 科 の 授 業 を 受 けている 情 景 を 思 い 出 しなが<br />
ら、 教 室 の 黒 板 にチョークで ASEAN 諸 国 と 日 本 を 描 き、<br />
授 業 さながらの 風 景 をモチーフにしている。アイデアと<br />
制 作 者 が 手 描 きで 黒 板 に 直 接 メインビジュアルを 描 いた<br />
ことによる 素 朴 さがアピールポイント。<br />
作 品 ❸ 村 田 幸 謙<br />
・タイトル:「アジアの 風 を 運 びます」<br />
「アジアの 熱 を 感 じます」<br />
二 枚 連 作 。 日 本 と ASEAN 諸 国 の 国 旗 がそれぞれペイ<br />
ンティングされた 手 が、まさに 握 りあおうとしている 緊<br />
張 の 瞬 間 がモチーフ。 二 枚 連 作 のアイデアとマッチし、<br />
ダイナミックかつドラマティックに 表 現 されている。<br />
表 現 手 法 としては、マネキンの 手 、 実 際 の 人 間 の 手 に<br />
ペインティングするなど 試 行 錯 誤 した 結 果 、 最 終 的 には<br />
パソコンソフトを 使 っての 表 現 でまとめあげた。<br />
[ 応 募 作 品 ]<br />
作 品 ❹ 新 井 有 美 子<br />
・タイトル:「ASEAN へ 行 こう」<br />
劇 中 劇 ならぬ、 広 告 中 広 告 のアイデアである。ASEAN<br />
へ 旅 行 するというシチュエーションで、 車 両 の 中 の 中 吊<br />
り 広 告 に ASEAN 諸 国 の 地 図 を 描 き、 乗 客 たちの 会 話 で<br />
ASEAN への 関 心 を 訴 えている。<br />
作 品 ❺ 雪 森 文 晃<br />
・タイトル:「 握 手 ・SHAKE HANDS WITH ASEAN」<br />
握 手 をモチーフにして、ASEAN の 交 流 を 表 現 してい<br />
る。 表 現 手 法 としては、「 握 手 」という 文 字 の 集 合 体 とし<br />
て、 握 手 しているビジュアルが 浮 き 出 てくるタイポグラ<br />
フィ 的 手 法 をとっている。<br />
作 品 ❻ 吉 澤 直 人<br />
・タイトル:「アセアン 共 和 国 」<br />
日 本 列 島 が、 突 然 、 南 シナ 海 へ 大 陸 移 動 し「アセアン<br />
共 和 国 」という 仮 想 の 地 図 が 出 現 したことを 表 現 アイデ<br />
アとしている。「アセアン 共 和 国 」を 照 らす 太 陽 が 力 強 く<br />
描 かれている。<br />
作 品 ❼ 平 野 恵 美<br />
・タイトル:「 熱 烈 友 好 」<br />
あたたかな 太 陽 の 引 力 圏 で 回 遊 するようなイメージで<br />
ASEAN の 友 好 を 表 現 している。ASEAN 諸 国 の 国 旗 で<br />
ASEAN のアルファベットを 形 作 り、 加 盟 諸 国 をアピー<br />
ルしている。<br />
学 生 たちが 挑 戦 したテーマ「『2003 年 日 ・ASEAN 交 流<br />
年 』をテーマとしたポスター」は、かなり 抽 象 度 の 高 い<br />
ものであった。このテーマをビジュアル 表 現 に 置 き 換 え<br />
るためのアイデアやモチーフに 関 して 概 観 してみると、<br />
ハート(1 点 )、 海 と 空 (1 点 )、 地 図 (3 点 )、 握 手 (2<br />
点 )、 国 旗 (4 点 )、 太 陽 (2 点 )があげられる。<br />
これらは、「ASEAN」および「 交 流 年 」というキーワ<br />
ードを 考 えた 場 合 、 順 当 であったといえよう。<br />
4.おわりに<br />
情 報 化 社 会 のますますの 深 化 と 世 界 のグローバル 化 の<br />
進 展 にともない、 視 覚 伝 達 デザインは、コミュニケーシ<br />
ョンを 円 滑 にするために、 今 後 ますますその 重 要 性 を 増<br />
してくる。また、 聴 覚 に 障 害 がありデザインを 学 ぶ 学 生<br />
にとって、 視 覚 伝 達 デザインのスキルを 習 得 することは、<br />
社 会 で 自 立 し、 自 己 実 現 するために 必 須 である。その 意