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受講の手引 - 政策科学部 - 立命館大学

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第 3 章 研 究 計 画 をたてよう一 般 に、 研 究 テーマが 決 まったら、 今 度 は 研 究 計 画 をたてる、そんな 風 に 考 えられがちです。これは 正 しくもあり、 間 違 ってもいます。旅 行 の 例 をつかって 説 明 しましょう。この 場 合 、 旅 行 の 行 き 先 はテーマにあたります。 皆さんは 旅 行 の 行 き 先 を 決 めるときに、すでにいくつかの 条 件 を 前 提 にあれこれ 考 えると 思 います。たとえば、お 好 み 焼 きが 食 べたいとします。その 人 にあまり 時 間 の 余 裕 がなければ、 遠 くまでは 行 けませんから、 多 分 、お 好 み 焼 きが 名 物 だと 言 われている 大 阪 あたりの 適 当 な 店 まで 日 帰 りで 出 かけるかもしれません( 京 都 から 大 阪 へでかけるのを「 旅 行 」と 呼 ぶのはさみしい 気 がしますが)。けれども、その 人 に 二 日 か 三 日 の 時 間 的 余 裕 があったとしたらどうでしょう。 私 なら 断 然 、 広 島 焼 きを 奨 めます。ちょっと 遠 いですが 時 間 的 余 裕 があります。ついでに 今 の 季 節 なら 宮 島 まで 足 を 伸 ばして 牡 蠣 料 理 なども 視 野 に 入 れられます。おみやげは紅 葉 まんじゅうで 決 まりでしょう( 笑 )。このように、 行 き 先 (テーマ)の 決 定 には、 時 間 的 な 制 約 条 件 がすでに 影 響 しています。 時間 があってもお 金 がなければ 広 島 まで 行 けません。お 好 み 焼 きが 食 べたいという 目 的 がなければ、 広 島 が 候 補 になる 可 能 性 は 小 さくなるかもしれません。 時 間 的 制 約 だけではなく、お金 や 目 的 といった 他 の 条 件 も 行 き 先 (テーマ) 決 定 にとって 重 要 な 前 提 になります。 計 画 づくりには、 総 合 的 な 視 点 が 必 要 です。ですので、テーマを 決 めるときには、 実 は 計 画 もまたできつつあると 考 えた 方 がよさそうです。では、「 研 究 入 門 フォーラム」の 受 講 する 準 備 を 始 める 皆 さんが、テーマの 設 定 にさいして、もっとも 重 視 しなければならない 条 件 とは 何 でしょうか。3.1 時 間 の 制 約何 といっても、 時 間 の 制 約 があります。「 研 究 入 門 フォーラム」は 自 主 的 な 調 査 企 画 です。ですから、 研 究 グループができて、 研 究 計 画 の 見 通 しがついたら、 各 自 がもっている 時 間 をフルにつかって 調 査 し 研 究 してもらいます。あとでまた 触 れることになりますが、 週 1 回 の授 業 は、そうした 日 常 的 な 活 動 を 教 員 や TA に 報 告 し、その 間 の 活 動 で 遭 遇 した 問 題 点 について 助 言 を 得 る 時 間 と 考 えて 下 さい。 週 1 度 の 90 分 の 授 業 時 間 だけでは、 自 主 的 な 調 査 企画 は 全 うできないでしょう。これが 他 の 授 業 科 目 との 違 いです。「 研 究 入 門 フォーラム」で大 事 なことは、 授 業 時 間 以 外 の 時 間 をどう 使 うかだといっても 過 言 ではありません。しかし、そうはいっても、4 月 に 始 まり 翌 年 の 1 月 には 研 究 成 果 報 告 書 を 提 出 しなければなりません。 報 告 書 を 執 筆 する 時 間 も 必 要 ですから、 実 質 的 に 調 査 と 研 究 の 活 動 は 12 月 にはだいたい 終 了 ということになるでしょう。 夏 休 みを 入 れても、8 ヶ 月 強 しかありません。長 いようで 短 いのです。8 ヶ 月 で 何 ができるのか。これが 研 究 計 画 をたてるさいの 最 初 の 前 提 です。そしてこれが、研 究 と 調 査 のテーマ・タイトルを 制 約 します。たとえば、 何 年 もの 観 察 が 必 要 な 研 究 は 無 理です(もちろん、 他 の 研 究 者 が 実 施 した 観 察 結 果 を 活 用 して、 一 定 の 期 間 観 察 してみることはできるでしょう)。フィールドワークをするにも、 現 地 に 長 期 滞 在 しなければならないような 調 査 は 無 理 です。 皆 さんは、「 研 究 入 門 フォーラム」 以 外 にも 授 業 がありますから、 現地 へ 出 かける 頻 度 にも 制 約 があります。文 献 や 資 料 の 調 査 でも 同 様 のことが 言 えます。 皆 さんは 集 中 して 一 日 にどのくらいの 読 書ができますか。それを 考 えると、たとえばあまりにも 膨 大 な 文 献 と 資 料 の 読 破 が 前 提 になるようなテーマは 無 謀 です。たとえば、「 戦 争 の 歴 史 」なんていうテーマは、 読 破 しなければならない 文 献 と 資 料 を 想 像 しただけでめまいがします。「20 世 紀 の 戦 争 の 歴 史 」と 限 定 したところで 事 態 はあまり 変 わりません。「20 世 紀 東 アジアの 地 域 紛 争 」でもまだたいへん。さらに 絞 って、テーマをコンパクトにしないと 研 究 の 遂 行 途 上 で 萎 えてしまうこと 必 至 です。-8-

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