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受講の手引 - 政策科学部 - 立命館大学

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第 5 章 文 献 案 内最 後 に、 研 究 テーマの 考 案 、 研 究 計 画 ・ 作 業 工 程 づくりに 役 立 つと 思 われる 基 本 文 献 を 紹介 して、この 冊 子 をとじることにします。「 研 究 入 門 フォーラム」のアクティブな 学 びは、能 動 的 で 知 的 な 社 会 経 験 を 意 味 します。 能 動 的 な 学 びの 意 欲 が 知 的 に 方 向 づけられてこそ、「 研 究 入 門 フォーラム」での 学 習 の 意 義 があるわけです。この 章 では、アクティブな 学 び 全般 に 役 立 つものを 中 心 に 列 挙 しておきます。こういった 文 献 案 内 には 注 意 しなければならない 点 がいくつかあります。まず、 文 献 案 内はけっして 網 羅 的 なものではありえません。 毎 年 、たくさんの 書 籍 が 出 版 されます。そのすべてを 把 握 するのは 不 可 能 です。 加 えて、よい 本 があっても、すぐに 品 切 れ、 絶 版 になったりしてしまいます。 研 究 する 者 にとって、 文 献 リストは 自 分 で 作 るものです。 他 人 のリストに 依 存 した 学 び 方 はアクティブとは 言 えません。ですから、この 文 献 案 内 は、 皆 さんがそれぞれの 関 心 に 応 じて 独 自 の 文 献 リストを 作 成 するための 手 がかりにすぎないことを 理 解 してください。また、 文 献 案 内 にも 執 筆 者 がいます。いきおい、その 案 内 は 執 筆 者 の 関 心 や 好 みが 投 影 されてしまいます。ですから、ある 人 からみれば 絶 対 にのせておかなければならない 文 献 が 掲載 されていないとか、こんな 本 を 掲 載 すべきではないといったことが 出 てきます。これは 仕方 のないことです。 上 に 書 いたように、 本 来 、 読 むべき 本 のリストは、 研 究 する 者 が 自 分 で作 成 するものですから、 気 に 入 らなければ 自 分 で 作 ればいいのです。ここでは、アクティブな 学 びを、(1) 社 会 研 究 ・ 調 査 の 方 法 、(2) 社 会 諸 科 学 への 入 門 、(3)フィールドワーク、(4) 学 術 論 文 の 執 筆 に 分 けた 上 で、それぞれに 役 立 つ 手 軽 な 本 を 列 挙 することにします。(1) 社 会 研 究 ・ 調 査 の 方 法皆 さんの 多 くは 社 会 問 題 や 社 会 現 象 の 中 からテーマを 選 択 することになると 思 います。そんなとき、 最 初 の 手 引 になりそうなのが、 社 会 科 学 の 入 門 書 です。 猪 口 孝 『 社 会 科 学 入 門------ 知 的 武 装 のすすめ』( 中 公 新 書 )、 森 岡 清 志 『ガイドブック 社 会 調 査 』( 日 本 評 論 社 )、宮 内 泰 介 『 自 分 で 調 べる 技 術 ------ 市 民 のための 調 査 入 門 』( 岩 波 アクティブ 新 書 )、ヒューマッケイほか『 入 門 情 報 社 会 の 社 会 科 学 』(NTT 出 版 )、 今 田 高 俊 編 『 社 会 学 研 究 法 -リアリティの 捉 え 方 』( 有 斐 閣 アルマ)などから 読 みはじめてはどうでしょうか。社 会 研 究 には 理 論 が 不 可 欠 です。 自 分 は 具 体 的 な 事 例 を 勉 強 するのだから、 抽 象 的 な 理 論の 勉 強 はあんまり 関 係 ないかな…と 思 っている 人 は、ちょっと 考 え 直 す 必 要 がありそうです。理 論 (theory)の 語 源 はギリシア 語 の teoria です。これは、 具 体 的 な 事 象 からちょっと 身 を引 いて、その 事 象 を 眺 めてみる、そんな 意 味 をもった 言 葉 です。 皆 さんは、 自 分 が 暮 らしている 街 を 近 くの 小 高 い 丘 や 山 から 見 下 ろしたことがありますか。 理 論 の 語 源 になっているteoria という 営 みは、そんな 体 験 と 似 ています。 街 の 中 にいると、 視 界 に 入 ってくるものごとはごく 限 られたものだけです。 街 の 全 体 を 見 渡 すためには、どうしても 街 から 離 れて、どこか 高 いところに 登 るしかない。そうすることで 全 体 がよくみえるようになる、 家 々がどこまで 拡 がっているのか、 大 きな 道 路 が 街 をどのように 貫 いているのか、 川 がどこをどう 流れているのか…。 理 論 は、 普 通 の 私 たちの 感 覚 で 捉 えられないものをみるための 道 具 の 役 割を 果 たします。理 論 は 抽 象 です。 目 の 前 にある 具 体 的 なモノをそのままみるのではなく、( 丘 に 登 って 街の 全 体 をみるときのように)、 別 の 見 方 をしてみる。その 別 の 見 方 を 提 供 してくれるのが 理論 です。たとえば、りんごとみかんとキウイが 一 つずつあるとする。それぞれ 別 の 果 物 ですが、たとえば、それぞれの 果 物 がもっている 他 の 側 面 を 全 部 無 視 して、・ 重 さにだけ 注 目 してみよう・ ビタミン C の 含 有 量 だけに 注 目 してみよう-18-

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