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AFJ ティボーとの関連を通して - 成城大学

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成 城 美 学 美 術 史<br />

第 17 号<br />

容 認 している 事 実 に 注 目 したい。 創 立 当 時 既 に、セシリア 運 動 は 器 楽 排 斥 、とのイメージが<br />

あったらしく、それを 払 拭 すべくわざわざ 明 記 したように 見 える 28 。<br />

続 いて、2つの 資 料 を 見 てみよう。<br />

1ヴィット 自 身 の 作 品 目 録 から<br />

Op. 9. M. “Exulet”für 2 Singst. (S. u. A. od. T. u. B)u. Orgel. Rg. A. C. Später hat der<br />

Componist T. u. B. Streichquartett 2 Hörn. und Baßposaune ad libit. Rg. F. P. erscheinen<br />

lassen. (C. K. 8)u. F. B. 76. (Kirchenmusikalisches Jahrbuch 1890: 110)<br />

2 声 (ソプラノとアルト、 又 は、テノールとバス)とオルガンのためのミサ 曲 Exulet。<br />

レーゲンスブルク、アルフレッド・コッペンラート 出 版 社 。 作 曲 者 は 後 に、テノールと<br />

バス、 弦 楽 四 部 と 2 つのホルンと、 任 意 (ad libit.)でバス・トロンボーンを 追 加 しても<br />

よいとした 版 をレーゲンスブルクのフリードリッヒ・プーステット 出 版 社 から 刊 行 した。<br />

『セシリア 協 会 作 品 目 録 8 号 』と、Fliegende Blätter 1876 年 号 に 収 録 。<br />

2 Karl Greith (1828–1887) の 作 品 目 録 から<br />

Missa in honorem Sancti Josephi, ad quatuor voces impares, comitatibus 2 Violinis, Viola,<br />

Bassis, Organo, Flauto, 2 Oboe, 2 Cornibus, 2 Clarinis, (et 3 Trombonis cum Tympanis) ad<br />

libitum, Opus XVI (Lickleder 2006: 205)<br />

引 用 の 前 者 は、ヴィット 自 身 「 器 楽 伴 奏 付 き 教 会 音 楽 」 を 作 っていた 事 実 を 示 している。<br />

後 者 の Karl Greith は、ヴィットの 盟 友 でセシリア 協 会 の 有 力 メンバーであった。ヴィット<br />

及 び 幹 部 たちの 作 品 に、 任 意 といいながらも、ティンパニやトロンボーンなどの 楽 器 指 定 が<br />

あることに 驚 く。<br />

ここで、Dittrich の 論 文 の 続 きを 検 討 しよう。<br />

Dittrich によれば、ヴィットは 運 動 の 最 初 期 から、 彼 の 改 革 において「すべての 楽 器 を 完<br />

全 に 追 放 するわけではない」との 態 度 を 表 明 していた。ヴィットは、 教 会 内 で 演 奏 される 音<br />

楽 を 聖 歌 やパレストリーナ 様 式 のものだけではない、ことを 認 めていた。ヴィットが 喫 緊 の<br />

課 題 としたのは、 教 会 音 楽 にはびこっている 通 俗 さや 下 品 さの 撲 滅 であったと 言 う。<br />

さらに Dittrich は、ヴィット 自 身 器 楽 作 品 を 作 曲 していたことや、 他 者 の 器 楽 付 きミサ 曲<br />

を 演 奏 したことを 紹 介 した 上 で、ヴィットの 言 う 典 礼 にかなった 器 楽 の 使 い 方 を、 次 のよう<br />

に 示 した。<br />

・ 楽 器 のオブリガートは、 聖 歌 の 伴 奏 にのみ 許 されること。<br />

・ 伴 奏 が 劇 場 的 な 性 格 を 持 つことは 許 されない、そして、 打 楽 器 をオブリガートとして<br />

使 うことや、トランペットやホルンをファンファーレ 風 に 使 うことも 許 されない。<br />

・ 大 がかりな、とりわけヴィルトゥーゾ( 名 人 芸 ) 的 な 器 楽 独 奏 やフィギュレーション<br />

は、 絶 対 に 避 けるべきである。<br />

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