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火力関係設備効率化技術調査 報告書(1/2) - 経済産業省

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Ⅱ.平成 21 年度までの調査結果<br />

<strong>火力関係設備効率化技術調査</strong>の背景には、発電システムの高度化及び高温・高圧<br />

発電設備用材料の検討の進展があり、現時点では 700℃級の最高使用温度が達成で<br />

きる見通しが得られてきた。電気事業法第 48 条第 3 項によれば、工事計画において<br />

電気工作物は技術基準に適合することが課せられている。技術基準に定める技術的<br />

要件を満たすべき技術的内容を具体的に示したものとして技術基準の解釈(火技解<br />

釈)が定められているが、火技解釈の規定では最高使用温度が 700℃程度の場合に、<br />

伝熱管、管寄せ、蒸気管等の材料として合理的に適用可能なものが規定されていな<br />

い。<br />

一方、700℃級の温度で十分な高温強度を有する材料を火技解釈に追加して規定し、<br />

火技解釈に規定の方法で強度設計することで、構造が安全なものと判断できるかは<br />

不明である。すなわち、600℃から 700℃に最高使用温度が上昇することは、ステン<br />

レス鋼で約 350 MPa の熱応力(熱変位が拘束されている場合)が発生することに相<br />

当する。また、最高使用圧力の増加に伴う圧力の増加は、一次応力(内圧応力)制<br />

限から機器の厚さを求める計算式の適用範囲を超える可能性もある。<br />

ボイラー及び圧力容器を対象に開発された国際性能規定規格 ISO 16528 において、<br />

仕様規定は、損傷防止の性能要求を満たすべく作成されるべきとしており、700℃級<br />

の設備に関しては、損傷モードの同定が重要である。<br />

電気事業法第 39 条第 1 項によれば、電気工作物は技術基準に適合するように維持<br />

することが課せられている。すなわち、供用期間中の設備であっても技術基準に適<br />

合することが確認されなくてはならない。電気事業法第 55 条第 1 項の定期事業者検<br />

査の方法は、電気事業法施行規則第 94 条の 3 に規定されており、具体的な方法が「電<br />

気事業法施行規則第 94 条の 3 の解釈例について」に例示として示されている。この<br />

解釈例で 700℃級の設備が技術基準に適合することが確認できるか否かは、上述の<br />

とおり損傷モードを同定した上で策定される技術基準及び火技解釈に依存すると考<br />

えられる。<br />

以上に鑑み、<strong>火力関係設備効率化技術調査</strong>では、現状の技術基準及び火技解釈で<br />

保安確保が可能な電気工作物を仮に火技解釈で許容引張応力が定められており運転<br />

実績のある温度程度までとし、この温度を超える範囲の設備機器について新たな性<br />

能規定(技術基準)案及び仕様規定(火技解釈)案のバックグランドとなる技術的<br />

課題等を検討するものとする。この概念を表Ⅱ-1 の案 3 として示した。表中の維持<br />

規格適用は、供用期間中において技術基準の適合以外に合理的な維持方法が必要な<br />

場合に適用すべき概念として示したものである。技術基準は、設計・建設時を対象<br />

として規定されているため、供用期間中を対象とした技術的要求を規定した維持規<br />

格の必要性が挙げられる。しかし、火力発電所に対する維持規格の要否については、<br />

社会的な必要性等の背景を考慮しつつ今後の検討課題と考えられる。<br />

前年度までの調査結果を基にレビュー及び追加を行い、平成 21 年度までの調査結<br />

果としてまとめた。ただし、Section 1.2 及び Section 3 については、平成 21 年度のみ<br />

の調査結果をまとめた。<br />

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