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火力関係設備効率化技術調査 報告書(1/2) - 経済産業省

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溶接中の入熱が抑えられ酸素の影響も低く、候補材のデータから溶接性も比較的<br />

良好なので、この溶接方法によるものは適用除外とする、などの案が考えられる。<br />

放射線透過試験と超音波探傷試験の特徴を表Ⅱ.2.2.2.11-4 に示す。この特徴に<br />

おける大きな差異は、特に照射方向に体積を持たない平行または傾きのある面状<br />

欠陥(融合不良、クラックなど)の検出精度に対して、放射線透過試験は不得手<br />

であるが、超音波探傷試験は得手としている点である。ニッケル基合金の溶接部<br />

が割れ感受性が高いことを考慮すると、放射線透過試験に超音波試験を組み合せ<br />

ることは、より安全策な手ではある。しかしながら、この組み合せによる試験を、<br />

完全溶け込み溶接部に全て適用することになると、損傷等の予想リスクに比して<br />

過剰な試験となるおそれがあるため、対象範囲を、割れ感受性が高い溶接方法を<br />

採用した場合、長手継手部や熱応力が高い部位など限定する必要がある。<br />

以上のことを考慮し、A-USC ボイラー等(候補材のニッケル基合金)の溶接部<br />

に対する非破壊検査の対象範囲について、整理したものを表Ⅱ.2.2.2.11-6 に示す。<br />

また、この表を基に仕様規定案として作成したものを表Ⅱ.2.2.2.11-7 に示す。<br />

(4) 継手強度の評価と規定について<br />

溶接性に係る調査から、ニッケル基合金の最適な溶接条件は限られた狭い範囲<br />

となり、各変動要因(入熱量、パス間温度、ウィービング、姿勢など)に対する<br />

ロバスト性も低いものとなる。条件、要因の僅かな変動により強度へ及ぼす影響<br />

は大きく、そのため、実機の溶接部強度を評価する目的で実機における機械試験<br />

の適用が必要と考える。<br />

現行火技解釈の別表第 29 では、ボイラー等の容器の溶接部には機械試験の要求<br />

はあるが、管については、平成 17 年改正時に削除されているため、新に規定化す<br />

る必要がある。規定(案)として、試験板の作成方法は、別表第 29 の機器の区分<br />

のボイラー等の容器のものと同じ方法とし、機械試験の種類は、別表第 30 の機器<br />

の区分ボイラー等の継手引張試験、型曲げ試験とする。また、この機械試験以外<br />

に、評価方法は別途検討する必要があるが、断面マクロ試験を追加し、この試験<br />

により溶接施工法に従った積層、微細な割れなどが生じていないか確認する。但<br />

し、今後候補材の溶接性について研究、開発が進みロバスト性が改善できれば、<br />

実機での機械試験は不要と考える。<br />

(5) 余盛量の適用範囲の見直しと規定について<br />

火技解釈の第 125 条に余盛量の規定があり、この規定が適用されるのは非破壊<br />

試験(放射線透過試験)を行う場合のみで、欠陥検出精度を高めるために余盛部<br />

とそうでないところのフィルム上の濃度差が大きくならないようにする目的で現<br />

状は規定されている。本来この余盛量の規定は、過去の ASME Sec. I にて溶接部<br />

の過度な余盛による強度低下の防止(応力集中の低減)の目的で規定されていた<br />

ものである。また、図Ⅱ.2.2.2.11-1(b)においては、ビード幅 W が一定で余盛り高<br />

さ h が高くなると余盛り角度θが小さくなり、疲れ強さが低下することが読み取<br />

れる。よって、過酷な熱環境下での仕様条件を考慮すると、放射線透過試験の適<br />

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