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火力関係設備効率化技術調査 報告書(1/2) - 経済産業省

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1. 高温・高圧条件下における新材料、新技術等に関する調査<br />

<strong>火力関係設備効率化技術調査</strong>の背景には、発電システムの高度化及び高温・高圧<br />

発電設備用材料の検討の進展がある。前者は複合発電システム及び超々臨界圧<br />

(A-USC:Advanced Ultra-super Critical)汽力発電システムの高度化の進展であって、<br />

後者は耐クリープ性能に優れた新材料(特に、Ni 基合金)の製造技術の進歩である。<br />

改良型複合発電システム技術においては、ガスタービン圧縮機の大容量化・高圧<br />

力化、ガスタービン入口のガス温度及び技術の統合化によって高効率な 1,500℃級ガ<br />

スタービンが実現し、送電端効率は 50%を超えるまでに至っている。複合発電シス<br />

テムで石炭を利用する石炭ガス化複合発電システムでは、所内動力が少ない空気吹<br />

きガス化炉設備の実用化及び乾式給炭技術の採用により、送電端効率を 46~48%と<br />

する目途がつきつつある。また、耐クリープ性能に優れた材料が実現してきたこと<br />

から、排熱回収ボイラー入口ガス温度を高温化することも可能になり、更にガスタ<br />

ービン入口温度を上昇させることによって、送電端効率は 55%を超える可能性があ<br />

る。<br />

一方、A-USC 汽力発電システムの高度化については、フェライト系鋼による主要<br />

機器の構築による送電端効率 42%の達成以降、システムの高度化は休止状態であっ<br />

たが、近年の地球環境問題への対応から、高温・高圧化による高効率化の検討が開<br />

始されている[1]。表Ⅱ.1-1 に検討した 700℃級 A-USC 火力発電設備について示す。<br />

一段再熱よりは二段再熱システムを採用することによって高い効率が得られること<br />

が分かる。また、これらのシステムは上述のとおり耐クリープ性能に優れた新材料<br />

の開発に伴って可能となったものである。材料の適用計画の例を図Ⅱ.1-1 に示す。<br />

図中の高温部に Ni 基合金又は Fe-Ni 基合金を適用する計画としているが、これらは<br />

現行の火技解釈に規定の Ni 基合金(JIS G 4901、G 4902、G 4903 及び G 4904)では<br />

なく、これらよりも高強度の材料(例えば Alloy 617(ASME SA-167 Alloy N06617))<br />

であり、この材料は 1,300°F(704℃)で 11.2 ksi(77 MPa)の許容引張応力を有す<br />

る。因みに、火技解釈で規定の Ni 基合金である NCF 800HTP(JIS G 4903)の 700℃<br />

での許容引張応力は 34 MPa である。また、オーステナイト系ステンレス鋼にあっ<br />

ては従来材料のみで、例えば火技解釈に規定の火 SUS310J3TB を可能な限り高温度<br />

まで適用しようとするものである。また、フェライト系鋼の新材料は、650℃までの<br />

温度でタイプ IV クラックの発生を抑制したものとして開発された材料(例えば<br />

9Cr-3W-3Co 鋼)である。<br />

図Ⅱ.1-1 の材料適用案について具体的な材料の適用例を 700℃級と 600℃級とで比<br />

較し、表Ⅱ.1-2 及び表Ⅱ.1-3 に示した。<br />

Section 1. の参考文献(Section 1.1 及び Section 1.2 は除く)<br />

[1]日本機械学会 P-SCD 338、石炭利用発電の高効率化技術に関する調査研究分科会、<br />

成果報告書、2004 年 6 月<br />

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