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火力関係設備効率化技術調査 報告書(1/2) - 経済産業省

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① ニッケル基合金(含む鉄ニッケル基合金)<br />

ニッケル基合金の候補材において、溶接部を含めたクリープ強度、水蒸気酸化、<br />

高温腐食、組織安定性、及び製作(溶接性、加工性)に関る評価試験が比較的多<br />

く実施されているのは、以下の 4 つの合金である。溶接施工の難易度としては、<br />

優れたクリープ強度を持つ析出強化型合金の Inco740 の溶接技術が極めて難しい<br />

開発状況にある。この要因の一つとして、析出強化型合金には析出強化相である<br />

γ'相を構成する Nb、Ti、Al などの活性元素が添加されており、溶接時の空気の<br />

混入で酸化消耗されることによる。不活性ガス(アルゴン、ヘリウム)で空気を<br />

遮断して行う TIG による溶接の場合には、比較的可能である。CCA617 などの固<br />

溶強化型合金は析出強化型に比べ溶接性は向上するが、実機に採用できるレベル<br />

までには未だ幾つかの課題(*)を残している。<br />

(*)高温割れなど防止した SMAW、MIG、SAW の確立、共金系溶材の開発など<br />

a. CCA617(55Ni-Cr-3W-8Mo-11Co-1Al)<br />

・GTAWは可能で良好、SMAWはスラグの問題で困難、厚手材のSAWは可能、<br />

溶接パス間温度Max150℃以内、1層当り厚さ≦3mm以内に管理、予熱及び溶<br />

接後熱処理不要<br />

・溶材INCO52、INCO72、INCO622の肉盛溶接は可能、溶材INCO177の肉盛溶<br />

接には割れ発生、共金溶材は実用的でなく改善が必要<br />

・T91、Super304H、SUS304Hとの異材継手のGTAWによる溶接部は良好<br />

・溶接部のクリープ破断試験20,000Hrを超えた段階での溶接継手強度低減係数<br />

は1.0<br />

・[参考:Alloy617の管、蒸発管の突合せにおいては、GTAW、SMAW、SAWは<br />

可能、国内にて厚肉約25mmを狭開先自動TIGにて実施し良好]<br />

b. Haynes230(57Ni-22Cr-9Mo-14W-2Mo-La)<br />

・薄肉のGTAW、SMAWは可能で良好、パルスMIGは可能、SAWは高温割れが<br />

発生し失敗<br />

・溶材INCO52、INCO72、INCO622の肉盛溶接は可能<br />

・溶接パス間温度Max.150℃、予熱及び溶接後熱処理不要<br />

・溶接部のクリープ破断試験20,000Hrを超えた段階での溶接継手強度低減係数<br />

は0.8(図Ⅱ.2.2.2.9-3に示す)<br />

c. Inco740(50Ni-25Cr-20Co-2Ti-2Nb-V-Al)<br />

・薄肉の GTAW(自動)は可能、但し割れが発生しやすい。<br />

・溶接パス間温度 Max.150℃、溶接後熱処理必要(800℃)<br />

・特に厚肉の溶接部については、全て失敗、共金系溶材の化学成分(ボロン、<br />

マンガンなどの添加量)を変更しながら溶接試行中、また溶接方法及び溶 接<br />

後熱処理方法を検討中<br />

・[参考:Alloy740 では、溶材 INC Filer Matal740,Nimonic Filer Metal263 を使用<br />

した薄肉の GTAW は可能であるが割れが発生し易い、SMAW は困難、SAW<br />

は適用放棄、パルス MIG では割れが発生、溶接部のクリープ試験の結果(継<br />

続中)、溶接金属部で破断が生じ、溶接継手強度低減係数は、現状では 0.75<br />

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