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国際交流旅行の教育プログラムとしての意義 一米国 ... - 筑波技術大学

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を 受 けることを 前 提 にしているために、 学 内 にある 支 援<br />

センターが 核 となって、ろう 学 生 の 学 習 や 生 活 等 への<br />

様 々な 支 援 を 行 っており、ろう 学 生 への 情 報 保 障 ・ 通 訳<br />

制 度 が 整 っていることは 言 うまでもないが、キャンパス<br />

内 で 出 会 う 聞 こえる 人 々にも、ろう 者 に 対 して 気 軽 にふ<br />

れあう 雰 囲 気 が 身 に 付 いているようであった。<br />

22ロサンゼルス 在 住 の 難 聴 者 、ろう 者 との 交 流 会<br />

ロサンゼルスを 中 心 に 活 動 しているろうのアクター<br />

( 芸 人 )とろう 者 の 団 体 である「 世 界 リクレーションろ<br />

う 者 協 会 (WRAD)」の 協 力 で、ユニバーサルスタジオ<br />

見 学 と 交 流 会 が 実 現 した。ユニバーサルスタジオの 見 学<br />

は、 現 地 手 話 通 訳 者 ( 英 語 とASL)3 人 とろうのアクタ<br />

ーと 共 に 様 々なコミュニケーションを 楽 しみながら 行 う<br />

ことができた。 現 地 の 手 話 通 訳 者 3 人 は、 共 に 日 本 の 手<br />

話 にも 興 味 を 持 ち、ASLと 日 本 の 手 話 の 表 現 についての<br />

交 換 が 随 時 行 われた。このやり 取 りは、 学 生 たちにも 通<br />

訳 者 たちにも 非 常 に 好 感 を 与 えたようである。 本 来 は、<br />

米 国 に 住 んでいるろう 者 でなければ、 通 訳 者 ( 費 用 は 一<br />

切 不 要 )はこのように 派 遣 されることはないとのことで<br />

あったが、WRADの 会 長 の 要 請 を 受 けて 派 遣 が 可 能 にな<br />

ったとのことであった。 国 際 交 流 の 醍 醐 味 を 実 感 できた<br />

- 時 であった。<br />

ユニバーサルスタジオ 見 学 後 の 交 流 会 には、ロス 近 郊<br />

のろう 者 が 約 20 名 も 集 まり、 非 常 にあたたかい 歓 迎 を 受<br />

けた。その 中 には、ロス 在 住 の 日 本 入 ろう 者 の 顔 もあり、<br />

うち 解 けるのに 時 間 はかからなかった。 集 まったろう 者<br />

の 中 には、 人 工 内 耳 をした 人 やこれから 手 術 を 受 ける 予<br />

定 であるという 人 もいたが、 手 話 は 自 分 の 言 葉 として 持<br />

ち 続 けることを 明 るく 明 言 していたのには、 驚 きと 共 に<br />

すがすがしさも 感 じた。 学 生 からの 質 問 にも 蠕 躍 するこ<br />

となく 答 えてくれた。<br />

また、あるろう 者 は、ギヤローデット 大 学 やNTIDと<br />

CSUNとの 比 較 についても、 個 人 的 にとの 断 りを 入 れな<br />

がら、CSUNの 雰 囲 気 が 一 番 良 いと 自 らの 経 験 をもとに<br />

学 生 に 語 っていた。 体 調 を 崩 してホテルに 先 に 帰 った 学<br />

生 たちを 心 配 しながらも、 交 流 会 に 参 加 した 我 々は 快 い<br />

交 流 の 余 韻 を 残 して、また 会 える 日 を 期 待 しながら 交 流<br />

会 を 終 わった。しかし、その 期 待 が5ケ 月 後 の8 月 に 現 実<br />

すると、その 時 の 誰 が 考 えただろうか。 我 々との 交 流 を 実<br />

現 してくれたろうのアクターであるCJジョーンズとの<br />

再 会 が、 昨 年 8 月 終 わりに 本 学 のキャンパスで 実 現 した<br />

のである。 彼 は、プロのアクターとして、 学 生 たちに 自 己<br />

表 現 のワークショップを 本 学 で 開 催 してくれたのである。<br />

学 生 たちも 再 会 の 喜 びを 間 違 いなく 味 わったに 違 いない。<br />

23「ギヤローデット 大 学 」 訪 問 とプログラム<br />

ギヤローデット 大 学 への 訪 問 は、 残 念 なことに 大 学 が<br />

学 期 休 みに 入 ってしまい 学 生 たちがほとんどいない 時 期<br />

となってしまった。しかし、ギャローデット 大 学 の 名 誉<br />

教 授 、 世 界 ろうあ 連 盟 の 前 会 長 で 現 在 は 国 連 の 委 員 でも<br />

あるアンダーソン(YerkerAndersson) 氏 と 事 前 にコンタ<br />

クトを 計 り、 忙 しい 中 での 時 間 調 整 の 結 果 、 特 別 講 義 が<br />

実 現 したことは 大 きな 成 果 であった。その 際 の 通 訳 とし<br />

て、アメリカに 留 学 中 であったASL 協 会 の 日 本 支 部 事 務<br />

局 長 ( 野 崎 氏 )に 依 頼 できたことも 幸 運 であった。「 世 界<br />

のろう 者 」というテーマで 語 られるアンダーソンの 手 話<br />

は、 疲 れているはずの 学 生 たちを 眠 らせることなくその<br />

目 を 最 後 まで 引 きつけた。「 人 工 内 耳 についてどう 思 う<br />

か」という 学 生 からのアンダーソンヘの 質 問 にはろう 者<br />

として 否 定 的 な 反 応 を 示 していた。この 質 問 をした 学 生<br />

は、ロサンゼルスで 人 工 内 耳 をつけたばかりのろう 者 に<br />

会 い、 人 工 内 耳 の 需 要 が 増 えてきていることやその 論 争<br />

が 出 ていることなどからろう 者 の 中 のろう 者 のように 見<br />

えるアンダーソンの 考 えを 聞 きたかったのである。いろ<br />

いろなろう 者 がいるという 現 実 を 再 確 認 できたようであ<br />

った。<br />

また、 本 学 の 第 3 期 卒 業 生 でギヤローデットに 留 学 中<br />

の 早 川 君 とその 友 人 たちのおかげで、 学 内 見 学 も 緊 張 す<br />

ることなく、くつろいだ 中 で 行 うことができた。 大 学 説<br />

明 の 時 には、 早 川 君 にASLと 日 本 の 手 話 との 通 訳 をお 願<br />

いしたのだが、 彼 は 日 本 の 手 話 を 得 意 としないままに 米<br />

国 に 行 ってASLを 身 につけたので、 通 訳 としては 不 十 分<br />

なものになってしまった。 大 学 説 明 者 のASLでの 話 にう<br />

なずく 彼 を、 話 の 内 容 がわからない 学 生 たちがもどかし<br />

く 眺 めているという 状 況 がしばし 生 じていた。「 話 を 聞 い<br />

て 大 変 すばらしい 大 学 だということは 分 かりましたが、<br />

何 か 問 題 点 はないのですか」という 学 生 の 質 問 に 対 して<br />

「ありません」と 即 答 されて、 質 問 した 学 生 も 驚 いてい<br />

たようである。 自 分 の 大 学 に 対 する 誇 り、 自 信 の 現 れであ<br />

ろう。そして、ギャローデット 大 学 でのプログラム 終 了<br />

後 、その 夜 にはギャローデット 大 学 のろう 者 のスタッフ<br />

と 通 訳 者 を 交 えての 会 食 ・ 交 流 も 行 うことができた。 学<br />

生 の 中 には、 片 言 のASLではあるが、ろうのスタッフと<br />

のコミュニケーションを 楽 しくとるものもいて、 次 第 に<br />

交 流 の 雰 囲 気 を 高 めていった。<br />

このように、いろいろな 人 との 出 会 いが、 学 生 たちの<br />

中 に 異 国 でのコミュニケーション 力 を 強 めていき、 最 後<br />

の 訪 問 地 であるNTIDでの 活 力 を 蓄 えることになったの<br />

ではないだろうか。<br />

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