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国際交流旅行の教育プログラムとしての意義 一米国 ... - 筑波技術大学

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ヨップの 成 功 は、 交 流 プログラムが 教 育 プログラムとし<br />

て 有 機 的 に 機 能 しその 影 響 を 少 なからず 与 えたことの 成<br />

果 であると 推 察 できる。<br />

今 回 のプログラムに 通 訳 として 参 加 された 聾 学 校 教 頭<br />

の 原 田 氏 からは、 教 育 プログラムとしての 意 義 が 述 べら<br />

れている 感 想 ・ 期 待 が 送 られてきた。 原 田 氏 の 許 可 を 得 て<br />

いるので 以 下 に 引 用 する。<br />

「 今 回 、 初 めて 交 流 プログラム 参 加 させていただいた。<br />

相 手 校 との 折 衝 もあることなので、 筑 波 技 短 の 方 でも、<br />

プログラム 作 りには 大 変 苦 労 されたことと 推 察 する。 時<br />

期 はともあれ、 私 のように 義 務 校 で 勤 務 している 者 にと<br />

っては、 大 変 新 鮮 な 内 容 であり、どのプログラムも 興 味<br />

を 引 くものであった。 特 に、 筑 波 技 短 の 学 生 との 触 れ 合<br />

いは 殆 どなかっただけに、 大 変 貴 重 な 体 験 であった。 全<br />

国 各 地 から 集 まった 学 生 (おそらく 彼 らにとってもエキ<br />

サイティングなものであろう)と 海 外 で 共 通 体 験 をする<br />

ことは、 義 務 段 階 での 聾 教 育 を 考 える 上 でも 新 たな 視 点<br />

を 見 出 してくれた 気 がする。<br />

また、 引 率 に 当 たられた 筑 波 技 短 の 先 生 達 とも 交 流 す<br />

る 好 機 を 得 ることができた。その 意 味 では、 個 人 的 に 本<br />

当 に 有 意 義 な 経 験 をすることができたと 感 謝 している。<br />

できれば、このような 機 会 を 多 くの 聾 学 校 ( 難 聴 学 級 他 )<br />

の 先 生 達 にも 与 えてくれたらと 願 っている。 更 に 欲 を 言<br />

えば、 交 流 プログラムに 参 加 した 学 生 達 の 帰 国 後 の 成 長<br />

も 見 てみたいと 思 っている。いずれにしても、 本 交 流 プ<br />

ログラムは 筑 波 技 短 の 学 生 にとって 極 めて 大 きな 意 味 が<br />

あると 信 じる。<br />

今 日 の 国 際 化 社 会 を 考 えたとき、 現 地 の 各 大 学 での 学<br />

生 や 地 域 の 人 々の 交 流 は、 少 なくとも 社 会 性 や 視 野 を 広<br />

げる 上 でとても 大 切 である。 今 後 は、 例 えば、- 週 間 ほ<br />

ど 同 じ 場 所 に 滞 在 し、それぞれの 学 生 が 独 自 にじっくり<br />

と 見 聞 したり 交 流 することも、 教 育 的 に 意 義 があると 思<br />

われる。 筑 波 技 短 には 是 非 とも、 継 続 した 取 り 組 みを 期<br />

待 したい。」<br />

ここには、 参 加 する 学 生 にとっての 教 育 的 意 義 に 留 ま<br />

らず、 同 行 する 聾 学 校 教 員 にとっても 研 修 的 意 義 の 大 き<br />

いプログラムであるとの 感 想 が 述 べられている。そして、<br />

このようなプログラムのより 発 展 的 な 取 り 組 みと 継 続 に<br />

対 する 期 待 が 込 められているのである。<br />

今 後 の 大 学 教 育 を 考 えたとき、そこで 学 ぶ 学 生 や 学 ぼ<br />

うとする 学 生 にとって 魅 力 的 な 教 育 カリキュラムの 存 在<br />

がますます 重 要 になることは 誰 の 目 にも 明 らかである。<br />

そのことを 踏 まえたとき、 担 当 教 官 の 個 人 的 な 負 担 に 支<br />

えられて 始 められた 研 修 プログラムではあるが、その 成<br />

果 を 継 続 する 形 で 現 在 にいつたっていること、ろう 学 生<br />

を 中 心 にした 国 際 的 な 交 流 プログラムは、 本 学 の 特 質 に<br />

合 った 特 徴 ある 学 生 参 加 の 教 育 プログラムになっている<br />

ことを 今 再 確 認 しておくことは 重 要 であろう。<br />

4 教 育 プログラムを 用 意 するために<br />

今 回 のプログラムを 進 めるに 当 たってどのような 準 備<br />

がなされ、それがどのように 機 能 したかを 考 察 しておく<br />

ことは 今 後 このような 交 流 プログラムを 進 めるときの 参<br />

考 になると 考 える。<br />

まず、 今 回 の 特 徴 の 一 つは、 旅 行 に 同 行 する 本 学 卒 業<br />

生 ( 依 頼 先 の 旅 行 会 社 員 )の 役 割 ( 職 務 )を、 旅 行 会 社 ( 本<br />

人 )との 間 で、コミュニケーション 及 び 企 画 サポート 要<br />

員 として 明 確 にしたことである。このことで、 予 定 訪 問<br />

先 との 事 前 交 渉 を 行 う 場 合 にも、すべてを 一 人 で 行 うの<br />

ではなく、 必 要 に 応 じた 分 担 作 業 が 可 能 になり、また、<br />

両 者 の 相 談 を 通 して 自 由 度 のある 企 画 の 提 案 や 工 夫 がで<br />

きたと 考 えられる。もちろん、このようなサポート 要 員<br />

としての 仕 事 を 依 頼 できるためには、 人 的 なネットワー<br />

クを 持 ち、 訪 問 先 との 連 絡 をこまめにとってもらえるよ<br />

うな 人 材 の 存 在 と 旅 行 会 社 の 理 解 ・ 協 力 が 不 可 欠 である。<br />

今 回 の 交 流 プログラムを 通 して、 国 際 的 な 交 流 プログラ<br />

ムが 教 育 的 なプログラムとして 有 機 的 に 機 能 するための<br />

貴 重 な 連 携 スタイルを 模 索 することができた。<br />

それから、 公 的 な 場 所 での 通 訳 体 制 の 確 保 である。もち<br />

ろん 完 全 に 確 保 できたわけではないが、 直 前 までその 確<br />

保 を、 模 索 したことが 結 果 的 にコミュニケーションの 幅<br />

の 広 い 交 流 プログラムを 用 意 できたことにつながったの<br />

である。<br />

上 述 のような 準 備 の 結 果 として、CSUNでのパネル 形<br />

式 のコミュニケーション、 現 地 通 訳 者 同 行 のユニバーサ<br />

ルスタジオ 見 学 、ギャローデット 大 学 名 誉 教 授 アンダー<br />

ソンの 特 別 講 義 などの 実 現 があげられる。<br />

さらに 今 回 のプログラム 準 備 の 特 徴 として、 電 子 メー<br />

リングリストや 電 子 掲 示 板 ・ホームページの 開 設 ・ 運 用<br />

がある。これについての 実 践 報 告 及 び 考 察 は、テクノレ<br />

ポートの 前 号 に 報 告 されている[4]ので 詳 しくはふれな<br />

いことにするが、 学 生 集 団 が 参 加 するプログラムの 実 行<br />

には、 今 後 は 必 要 不 可 欠 になる 準 備 だと 考 える。そして、<br />

電 子 ネットワークは 情 報 を 共 有 するメディアとしての 利<br />

用 価 値 が 今 後 ますます 高 まるので、それを 利 用 できない<br />

者 へのきめ 細 かい 配 慮 を 欠 かさないことが 極 めて 重 要 で<br />

あることを、 今 回 の 教 訓 の 一 つとして 最 後 に 明 記 してお<br />

きたい。<br />

5おわりに<br />

本 学 の 聴 覚 部 に 入 ってくる 学 生 の 中 には、 米 国 研 修 旅<br />

行 ( 交 流 プログラム)に 参 加 することを 楽 しみにしている<br />

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