San Diego Yu Yu, January 1, 2017

漢 字 の 古 い 字 形 では「 鳥 」は 特 別 な 意 味 を 持 つ 鳥 に 使 われ、 他 の 鳥 はその 省 略 (しょ
うりゃく) 形 「 隹 (すい)」が 使 われました。「 隹 」は「 旧 (きゅう)」の 字 の 旧 字 「 舊 」
に 含 (ふく)まれるため、 日 本 では「ふるとり」と 呼 (よ)ばれています。「 隹 」を 含 む
漢 字 はたくさんあります。
「 隻 (せき)」の 「 又 (ゆう)」は 手 を 表 す 字 で、「 隻 」は 鳥 を1 羽 持 つ 形 。「ひとつ」の 意 味 。
そして「 双 (そう)」は 旧 字 「 雙 」を 見 ると、 鳥 を2 羽 持 つ 形 で 「ふたつ」の 意 味 となりました。
「 集 」の 古 い 文 字 に 「 隹 」が3つある 形 があります。 木 に 鳥 がたくさんいる 形 で 「あつ
まる」 意 味 になりました。 古 代 中 国 では 鳥 を 使 った 占 (うらな)いが 行 われていて、 木
に 鳥 がどれだけ 集 まるかで 物 事 を 占 っていたようです。
鳥 占 いの 代 表 的 な 文 字 は「 進 」です。「 道 (しんにゅう)」は 道 を 行 くこと。 軍 隊 の 進
退 (しんたい)を 鳥 で 占 って、 進 軍 させることを「 進 」といいます。「 隹 」に「 扌 (てへん)」
を 加 えた「 推 (すい)」は 鳥 占 いによって、ことを 推 (お)しはかり、 推 進 するかどうかを
決 める 文 字 です。「 推 理 」「 推 測 (すいそく)」には 今 も 占 い 的 な 意 味 を 残 しています。
「 唯 (ゆい)」「 雖 (すい)」はセットで 覚 えてください。「 唯 」の「 口 」は 顔 の「くち」で
はなく、 神 への 祈 (いの)りの 言 葉 を 入 れる 器 です。 鳥 の 横 に 神 意 をきくために 祈 りの 言
葉 を 入 れた 器 を 置 き、 鳥 の 動 きで 神 の 意 思 を 知 るのが「 唯 」。その 「 唯 」の 「 口 」の 下 に
「 虫 」を 加 えたのが「 雖 」。 神 への 祈 りが 入 った 器 が 虫 に 侵 (おか)されて 神 意 が 害 されて
いるので、 祈 りの 実 行 を 留 保 (りゅうほ)する 字 。そこから「いえども」の 意 味 となりました。
× × × ×
「 酉 (ゆう)」は 酒 を 入 れる 器 の 形 、 酒 樽 (さかだる)のことです。 十 二 支 (じゅうにし)
では「とり」に 使 います。「 酉 」に「 河 (さんずい)」を 加 えた 字 が「 酒 」で「さけ」の 意 味 。
「 酒 」の 元 の 字 が「 酉 」でした。
「 尊 (そん)」の 旧 字 は「 酋 (しゅう)」と「 寸 (すん)」を 合 わせた 文 字 。「 酋 」の「 八 」
は 酒 の 香 (かお)りがにおい 立 っている 様 子 です。「 寸 」は 手 のこと。 古 代 文 字 では「 寸 」
の 部 分 が 両 手 を 示 (しめ)す「 廾 (きょう)」という 字 形 でした。「 尊 」は、におい 立 つ
酒 樽 を 両 手 でささげ 持 って、 神 前 に 置 くことを 表 した 文 字 で「さかだる」の 意 味 があります。
公 爵 (こうしゃく)、 侯 爵 (こうしゃく)、 伯 爵 (はくしゃく)、 子 爵 (ししゃく)、 男 爵 (だ
んしゃく)という 諸 侯 (しょこう)の 身 分 を5 段 階 (だんかい)に 分 ける 爵 位 (しゃくい)
というものがあります。
その「 爵 」は 祭 りに 用 いる 酒 を 入 れる 青 銅 器 (せいどうき)のことです。 青 銅 器 製 の 酒
樽 を 賜 (たまわ)ることによって 爵 位 が 決 まったので、「 尊 」に「とうとい」などの 意 味 が
あります。
「 医 」の 旧 字 「 醫 」にも「 矢 」や「 酉 」があります。 古 代 中 国 での 医 学 では、 治 療 (ちりょ
う)に「 矢 」や「 酒 」を 使 ったのです。
記 事 & 写 真 提 供 : 共 同 通 信 社
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