日 本 林 業 技 術 協 会
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「 <strong>林</strong> <strong>業</strong> <strong>技</strong> <strong>術</strong> 」は, 現 に 第 一 戦 で 活 躍 している 人 公 に 対 して,あるいは 次 代 をになう 人 なに 対 しての 挿 鱗 誌 であ<br />
り,また 啓 蒙 誌 であって 欲 しいと 念 願 してきた。 最 近 聞 くところによれば,「* 礫 <strong>技</strong> <strong>術</strong> 」もそのような 層 をねら<br />
って 編 集 されているようである。 私 ばそのような 人 灸 に 対 しては, <strong>日</strong> 頃 から 限 りない 期 待 を 寄 せている。 幸 いに<br />
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して, 今 その 機 <strong>会</strong> が 与 えられた。 以 下 私 のささやかな 体 験 と 智 識 を 通 じて,これからの 掛 謂 麦 <strong>術</strong> 者 はかくあって<br />
欲 しいとする 読 塁 の2,3を 述 べることにする。<br />
少 し 理 屈 ぽくなるが,「 <strong>技</strong> <strong>術</strong> 」とか「 剃 祭 <strong>技</strong> <strong>術</strong> 」とは, 何 かといったことを 復 習 して 蕊 よう。「ある 目 的 をなし<br />
とげるのに 適 当 瓶 手 段 の 体 系 」が「 識 I『」であるとすれば, <strong>林</strong> <strong>業</strong> <strong>技</strong> <strong>術</strong> は「 木 材 その 他 の 満 埋 吻 を 生 産 ずるため<br />
に,その 生 誕 葺 戯 径 において 各 種 の 生 獲 要 素 一 熟 練 労 働 者 , 未 辮 東 労 働 者 の 労 働 , 苗 木 , 伐 木 並 び 運 材 用 具 等 の 賓 太<br />
それに 土 地 一 を 組 合 せる 方 法 」だといえよう。つまり 接 茄 とは,いろいろの 意 味 にとられるが, 嵩 勝 の 始 まりは<br />
生 産 <strong>技</strong> <strong>術</strong> であり, 今 <strong>日</strong> でも 鐵 侭 の 根 幹 をなすものは 生 産 痴 街 である。したがって,この 生 産 <strong>技</strong> <strong>術</strong> はある 人 が, 国 民<br />
経 済 の 中 で 生 活 しながら,<br />
ある 組 合 せをえらぶことを<br />
決 意 することによって, 現<br />
実 の 生 産 活 動 に 役 立 ちうる<br />
こととなる。つまり 限 られ<br />
た 智 識 に 基 いて,ある 意 味<br />
でその 人 にもっとも 適 当 し<br />
た 結 果 が 得 られそうだと 思<br />
われる 生 産 要 素 の 組 合 せ<br />
を,いくつかの 生 産 方 法 鵲<br />
・ 巻 頭 言<br />
<strong>技</strong> 鱸 人 えの 期 繕<br />
☆<br />
藤 <strong>本</strong> 和 平<br />
〔31.4.20 受 理 )<br />
器 の 中 からえらぶことを 決<br />
意 するところに, 詞 際 の <strong>技</strong><br />
<strong>術</strong> が 生 れてくるのである。<br />
ここでメ 率 なことは,この<br />
『 限 られた 智 職 」から 生 れ<br />
る 生 産 舜 厨 が, 現 実 の 生 産<br />
漣 動 にどのように 役 立 つか<br />
ということである。この<br />
「 限 られた 智 識 」が「より<br />
詮 な 智 識 」に 近 づくため<br />
には, 広 汎 な 智 識 と 豊 たかな 耀 羨 をもたなくてはならない。いわゆる <strong>技</strong> <strong>術</strong> 者 を 目 して「 鍵 等 は 単 なる <strong>技</strong> ’{ 渥 だ」<br />
とし, 時 あってば 糟 饗 され, 時 あっては 利 用 されるというのは,「 極 く 限 られた 智 識 」の 中 で「 生 産 鐵 府 の 研 さ<br />
ん」に 没 頭 しているため, 異 論 室 においては,ひとかどの <strong>技</strong> <strong>術</strong> 者 として 通 用 しても, 一 歩 外 に 出 れば「 国 民 経 済 」<br />
という 嵐 に 軽 く 吹 きとばされてしまうわけである。<br />
ふつう「 科 学 」と「 <strong>技</strong> <strong>術</strong> 」とは 並 び 称 せられる。しかし 雅 浮 は 認 識 された 自 然 の 法 則 の 体 系 であるが, <strong>技</strong> <strong>術</strong> ほ<br />
このような 意 味 での 学 問 ではない。したがって, 極 言 すれば「 <strong>技</strong> <strong>術</strong> 者 」 臓 稗 学 的 癖 篭 を 必 要 とするが「 科 挙 昔 」<br />
ではない、それはむしろ「 掛 <strong>会</strong> 人 」であり「 経 潜 入 」でなくてはならない。<br />
これからの「 搾 繕 掻 訓 『 者 」に 望 むところは 多 いが,「 <strong>技</strong> <strong>術</strong> 者 」の 運 葬 として, 惟 人 も 口 にし 自 らも 認 めながら<br />
も 一 向 にその 反 応 のないものの 一 つを, 特 にとり 畠 して, 私 の 考 えを 皇 貿 菖 にのべ 結 びとしたい。すなわち,それ<br />
は 通 俗 的 な 言 い 方 をすれば「 小 さい 殻 から 脱 皮 」することである。<br />
盲 人 が 象 をなでた 話 はだれでも 知 っている。「 象 の 脚 をなでた 盲 人 は 象 は 大 きな 木 の 幹 象 たいだといった。 体<br />
をなでた 盲 人 は 象 は 壁 みたいだといった。また 鼻 をなでた 盲 人 は 象 ほ <strong>本</strong> 当 ば 曲 った 大 きな 鉤 承 たいだといった」<br />
というのである。たんにある 一 つの 局 部 だけにもとづいて 結 論 を 下 し,そのことの 智 識 の 深 さに 満 足 し, 潅 嘉 足<br />
れりとしていた 嫌 いが「 <strong>技</strong> <strong>術</strong> 者 」には 特 に 多 いようである。 一 つの 事 物 は, 他 の 多 数 の 喜 鋤 と 毯 課 脚 遮 りない 有 壌<br />
的 な 関 連 をもっている。だとすれば,その 関 連 の 一 つ 一 つは 単 なる 一 面 にしかすぎない。あらゆる 関 連 の 繕 和 で<br />
あってはじめて 全 面 となる。しかし「 科 学 者 」の 研 究 の 目 的 ほ,ある 局 部 的 な 翻 丙 を 明 らかにすること 漣 ある 場<br />
合 がある。 例 えば 生 理 鐸 者 が 人 体 の 心 臓 を 研 究 するが 如 きである。そしてこの 場 合 心 臓 が 人 体 の 有 機 的 櫛 戊 の 一<br />
部 分 であることを 忘 れていても「 奉 岸 者 」としての 華 礎 研 究 はできる。しかし 心 臓 病 を 治 療 するときに, 心 臓 が<br />
人 体 の 一 部 分 であることを 忘 れたならば,その 患 者 は 生 命 を 失 うかもしれない。 私 が 云 う「 鐡 <strong>術</strong> 者 」 妹 ,ここに<br />
云 う「 科 学 者 」ではなく,「 医 者 」の 立 場 にたって, 物 を 考 えかつ 実 行 しなくてはならないということである。<br />
蟹 は 己 が 甲 羅 に 似 た 穴 を 堀 り, 人 は 自 ら 課 しうる 課 題 しか 自 己 の 諜 電 となしえない。 専 門 家 = <strong>技</strong> <strong>術</strong> 者 が 自 らの 特<br />
殊 知 識 , 龍 力 , 問 題 をすべてのものだと 考 え,その 背 後 にさらに 大 きい 世 界 が 横 たわっていることを 自 覚 しなけ<br />
ればならないわけである。<br />
一 口 に <strong>林</strong> <strong>業</strong> といっても, 他 の 産 <strong>業</strong> の 如 く 単 純 なものではない。 農 <strong>業</strong> 的 性 幡 をもちながら 鉱 工 <strong>業</strong> 的 な 性 絡 も 併 巷<br />
て 有 しており, 仲 ☆に 複 緬 生 をもっている。したがって, 考 えようによっては,「 <strong>林</strong> <strong>業</strong> 按 <strong>術</strong> 者 」ほど 円 満 な 常 識<br />
と 広 汎 な 知 識 をもっているものはないといえよう。 然 るに, 事 実 はこれと 異 なって「 樹 木 をみて 森 <strong>林</strong> を 象 ない」<br />
人 々が 多 いことば 遺 憾 である。「1 <strong>本</strong> 1 <strong>本</strong> の 木 を 皆 細 かに 数 え 研 究 したあとでなければ 森 <strong>林</strong> はわからない」とい<br />
う。つまり「 局 部 の 集 計 が 全 局 」だとする 経 験 主 義 的 なやり 方 ないし 考 え 方 から 脱 しなくてはならない。 各 局 部<br />
が 集 って 一 つの 全 局 を 構 成 する 理 由 幟 , 必 ず 各 局 部 のあいだに, 密 接 な 相 互 連 関 一 有 穰 豹 連 関 があるからであ<br />
る。 関 連 のない 若 干 の 事 楠 を 強 いて 一 つにあつめたところで, 決 して 一 つの 全 局 とはならない。<br />
つまり 吾 を「 <strong>林</strong> <strong>業</strong> <strong>技</strong> <strong>術</strong> 者 」は, ー 小 さ.な 殻 から 脱 皮 」して「 視 野 を 広 く」したいものと 念 願 するものである。<br />
( <strong>林</strong> 野 庁 <strong>業</strong> 務 部 長 )<br />
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