San Diego Yu Yu, October 1, 2023

Book
墓 との 関 係 見 つめ 直 す
時 代 の 変 化 と 多 様 な 埋 葬
現 代 の 日 本 では、「お 墓 は 不 要 」という 意 見 が 増 えてきており、 墓 の 維 持 コストや 将 来 の 子 孫 への 負 担 を 考 慮 して、 墓 を
持 たない 選 択 をする 人 が 増 加 している。だが、そもそも 墓 は 何 のためにあるのか。 本 当 になくてもいいものなのか。
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鵜 飼 秀 徳 「 絶 滅 する『 墓 』」(NHK 出 版 新 書 、1,210 円 )は、 京 都 市 にある 寺 で 住 職 を 務 める 著 者 が、 各 地 で 取 材 した 不
思 議 な 形 態 の 墓 や 埋 葬 を 紹 介 。 墓 の 形 態 は 時 代 とともに 変 わってきたが、 故 人 への 弔 いの 心 は 変 わっていないことを 明 らか
にしている。また、 現 代 のさまざまな 葬 送 文 化 や、 墓 が 持 つ 歴 史 的 な 価 値 、 災 害 や 感 染 症 の 記 録 としての 役 割 などを 詳 しく 解 説 している。
一 方 、 島 田 裕 巳 「 葬 式 消 滅 」(G.B.1,760 円 )は、 宗 教 学 者 としての 見 地 から、 現 代 では「 個 人 の 死 というものが 徹 底 的 に 私 的 な 事 柄 」とされ、「 葬 式
も 墓 もすっかり 時 代 遅 れのものに」なったと 指 摘 する。 新 型 コロナウイルス 感 染 症 の 流 行 が、その 流 れを 加 速 させたという。
このような 文 化 や 価 値 観 の 変 遷 を 受 け、 私 たち 一 人 一 人 が 自 らの 死 や 葬 式 についてどのような 考 えを 持 つべきか、どのような 葬 送 文 化 を 望 むのかという
ことを、 深 く 考 える 必 要 があるというメッセージが 伝 わってくる。
記 事 & 写 真 提 供 : 共 同 通 信 社