439488936

МИНИСТЕРСТВО ОБРАЗОВАНИЯ И НАУКИ РОССИЙСКОЙ
ФЕДЕРАЦИИ
ФЕДЕРАЛЬНОЕ ГОСУДАРСТВЕННОЕ БЮДЖЕТНОЕ
ОБРАЗОВАТЕЛЬНОЕ УЧРЕЖДЕНИЕ
ВЫСШЕГО ПРОФЕССИОНАЛЬНОГО ОБРАЗОВАНИЯ
«САНК Т-ПЕТЕРБУРГСКИЙ ГОСУДАРСТВЕННЫЙ
ЭКОНОМИЧЕСК ИЙ УНИВЕРСИТЕТ»
ГУМАНИТАРНЫЙ ФАК УЛЬТЕТ
ЯПОНСКИЕ ЧТЕНИЯ
В САНКТ-ПЕТЕРБУРГЕ
Сборник статей Второй международной
научно-практической конференции
«Японский язык:
перспективы научного исследования»

2
ИЗДАТЕЛЬСТВО
САНК Т-ПЕТЕРБУРГСК ОГО ГОСУДАРСТВЕННОГО
ЭКОНОМИЧЕСК ОГО УНИВЕРСИТЕТА
2013
ББК 81.2
Я 70
Я 70
Японские чтения в Санкт-Петербурге : сборник статей
Второй международной научно-практической конференции
«Японский язык: перспективы научного исследования» / Отв.
ред. канд. филол. наук, доцент К.В. Полякова, С. Икэда. –
СПб. : Изд-во СПбГЭУ, 2013. – 109 с.
ISBN 978-5-7310-2943-8
Сборник подготовлен гуманитарным факультетом совместно
с Институтом Экономического Востоковедения Санкт-Петербургского
государственного экономического университета. В нем содержатся
результаты Второй международной научно-практической
конференции «Японский язык: перспективы научного исследования».
Конференция проходит с участием японских коллег, статьи
опубликованы на языке оригинала. Сборник освещает различные
аспекты современного состояния японского языка – от сугубо
филологических до междисциплинарных, также затронуты вопросы
преподавания японского языка.
Материал статей может представлять интерес для японоведов.
Может быть использован при составлении программ факультетов
востоковедения.
Рецензенты:
А.Г. Козлова, д-р пед. наук, РГПУ им. А.И. Герцена
П.В. Борисова, канд. пед. наук, доцент кафедры
иностранных языков НМСУ «Горный»
ББК 81.2
ISBN 978-5-7310-2943-8
© СПбГЭУ, 2013

3
Содержание
К ЧИТАТЕЛЮ – Руберт И.Б. ................................................... 5
ЯПОНСКИЙ ЯЗЫК В МЕЖДИСЦИПЛИНАРНОМ АСПЕКТЕ
日 本 語 の 学 際 的 研 究
日 本 語 教 育 におけるスポーツ ― 清 水 泰 生 .............................. 6
СОВРЕМЕННЫЕ ВОПРОСЫ ЯПОНОВЕДЕНИЯ
В ЛИНГВИСТИЧЕСКОЙ ПАРАДИГМЕ
言 語 学 のパラダイムにおける 日 本 研 究 の 現 代 的 な 問 題
「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 について ― 劉 剣 .................................... 14
Некоторые наблюдения над эволюцией японского
языка в контексте развития информационно-коммуникационных
технологий (ИКТ) – Рыбин В.В. .............................................. 26
Ксенонимы-русизмы в японском языке – Иванова Е.Ю. ....... 40
Звукоизобразительность в японском языке на примере гионго
и гитайго – Львова Е.С. ........................................................... 45
Различия по гендерному признаку на примере
модально-экспрессивных частиц – Пархачев Д.С. .................. 48
ЯПОНСКАЯ ЛИТЕРАТУРА: РАСПРОСТРАНЕНИЕ В МИРЕ
И ПЕРЕВОД
日 本 文 学 : 世 界 への 普 及 と 翻 訳
Влияние семантической модификации термина «дзёрю бунгаку»
на оценку творчества Ариёси Савако – Иванова Ю.В. ........... 54
万 葉 集 について ~ 統 合 と 鎮 魂 の 歌 集 ~ ― 永 田 慧 ............. 59
Средства выразительности стиха в императорских антологиях
XIV века – Мишукова О.В. ...................................................... 66
ЯПОНСКИЙ ЯЗЫК: ПРОБЛЕМЫ ПРЕПОДАВАНИЯ
日 本 語 : 教 育 の 問 題 点
日 本 語 教 育 に 有 用 な 単 語 文 体 の 分 類 について ― 井 上 次 夫 ... 73
Методика преподавания перевода с японского языка (ЯЯ)
на среднем уровне (технологии, приемы, штампы) –
Богоявленская Е.Д. ........................................................................ 82

4
日 本 語 を 第 二 言 語 とする 年 長 学 習 者 のための 包 括 的 な 漢 字 コー
ス 開 発 について ― 池 田 諭 史 、ポリャコーヴァ・クセーニヤ
.......................................................................................................... 89
ЯПОНСКИЙ ЯЗЫК И ПЕРЕВОДОВЕДЕНИЕ
日 本 語 と 語 訳 学
Понятие «ономатопоэтической лексики» в японском языке
и способы перевода – Тапилина К.Г. .................................... 94
ЯПОНСКИЙ ЯЗЫК В СРАВНИТЕЛЬНОЙ ЛИНГВИСТИКЕ
比 較 言 語 学 における 日 本 語
ロシア 語 母 語 話 者 のテイル 習 得 に 関 する 横 断 研 究
-ロシア 語 表 現 との 対 照 から 母 語 における〈 事 態 把 握 〉の 影 響
を 考 える- ― 松 井 一 美 ..........................................................
101
СВЕДЕНИЯ ОБ АВТОРАХ ............................................................. 109

5
К ЧИТАТЕЛЮ
Подъем интереса в России к японскому языку обусловлен
расширением экономических связей между странами, наметившимися
тенденциями к благополучному политическому разрешению
накопившегося в послевоенный период взаимного непонимания, а
также, возможно, в первую очередь интерес не угасает благодаря
постоянному культурному японско-русскому обмену. Образ Японии для
русских людей всегда был таинственным, и говорили об этой далекой
стране с внутренним уважением и каким-то особо чутким поиском
взаимных точек пересечения. Несмотря на разницу в менталитете и
объективном отсутствии информации об этой стране, многие
интуитивно тянулись ко всему, что хотя бы отдаленно напоминало бы о
красивой природе Японии, о людях, тихом дыхании Востока и четком
пульсе японского города. Однако, несмотря на все желание взаимного
сближения, Япония была и остается во многом загадкой для русского
человека. Выбирая между совсем не близким по восприятию жизни и
ментальности западом и непонятной Японией, многие выбирают
понятное и простое, хотя и вовсе неблизкое. Для того чтобы сломить
инерцию бывших привычек, необходимо не отступать от пути
взаимного понимания и уважения. Необходимо развивать культурный
обмен, но в первую очередь возложить на лингвистику задачу
обоюдного сближения. Лингвистические исследования позволяют не
только найти общий язык в прямом смысле этого слова, но и ощутить
мышление народа, прочувствовать восприятие мира народа.
Лингвистика создает общее поле для развития всех других областей
межкультурного обмена. Поэтому, создавая в 2009 году традицию
проведения конференций по японоведению в Санкт-Петербургском
государственном экономическом университете, мы видели именно
такое развитие событий, когда благодаря совместным усилиям, мы
сможем обогатить общую культурную базу, поделиться опытом в
области обучения японскому языку и открыть новые направления
японоведения, что подарило бы для многим из нас дополнительную
возможность ощутить необычность и схожесть двух культур и народов.
С уважением,
декан гуманитарного факультета СПбГЭУ,
Ирина Борисовна Руберт

6
ЯПОНСКИЙ ЯЗЫК
В МЕЖДИСЦИПЛИНАРНОМ АСПЕКТЕ
日 本 語 の 学 際 的 研 究
「 日 本 語 教 育 におけるスポーツ」
、
清 水 泰 生
日 本 、 大 阪 府
キーワード:
日 本 語 教 育 ,スポーツ, 教 科 書
本 稿 において 日 本 語 教 材 等 がスポーツをどのように 取 り 上 げているのかを 考
察 した。 初 級 ではテキストによってスポーツ 種 目 等 が 違 って 取 り 上 げられている。 中 、
上 級 はあまりスポーツは 取 り 上 げていない。 最 後 に 本 稿 でスポーツ(マラソン)の 新
聞 記 事 を 使 った 授 業 の 例 を 紹 介 した。
0.はじめに
スポーツは 社 会 、 文 化 の 縮 図 だと 言 われている。その 国 ・ 地 域 のスポーツを
通 せばその 地 域 、 国 の 社 会 、 文 化 が 見 えてくるということである。さて、 日 本 語 教 育
でスポーツがどのように 取 り 上 げられ、どのように 外 国 人 に 伝 えられているのであろ
うか。 本 稿 で、 日 本 語 教 材 や 生 教 材 に 出 ているスポーツについての 分 析 等 を 踏 まえな
がらそのことについて 述 べてみたい。
1. 初 級 調 査 テキスト
初 級 の 調 査 テキストは 初 級 の 主 要 テキストである。
『 日 本 語 初 歩 』( 国 際 交 流 基 金 )『 新 文 化 初 級 日 本 語 Ⅰ・Ⅱ』( 文 化 外 国 語
専 門 学 校 )『みんなの 日 本 語 Ⅰ・Ⅱ』(スリーエーネットワーク)『 日 本 語 初 級 1・
2 大 地 』(スリーエーネットワーク)『 新 装 版 日 本 語 初 級 Ⅰ・Ⅱ』( 東 海 大 学 )『 初
級 日 本 語 新 装 改 訂 版 上 ・ 下 』( 東 京 外 国 語 大 学 )
2. 初 級 の 考 察
初 級 は 基 本 文 型 の 定 着 等 が 中 心 になるので、 日 本 語 を 通 してスポーツそのも
のを 語 る、 日 本 語 で 書 かれたスポーツの 記 事 を 通 して 日 本 社 会 、スポーツ 文 化 等 を 伝
えることは 少 ない。ただ、 全 くないというわけでなく、『みんなの 日 本 語 』で 健 康 マ
ラソンのことを 取 り 上 げたり、『 新 装 版 日 本 語 初 級 Ⅱ』( 東 海 大 学 )で、 野 球 が 日 本
で 盛 んであることを 取 り 上 げ、『 新 文 化 初 級 日 本 語 Ⅱ』で 部 活 動 の 先 輩 後 輩 の 上 下 関
係 を 取 り 上 げている。
上 記 で 述 べているが、 文 型 等 の 定 着 のためにスポーツの 言 葉 を 文 型 やダイア
ローグにとり 入 れているのが 主 であるが、スポーツのことばの 取 り 上 げられ 方 には、
傾 向 、 考 え 等 が 見 られる。
たとえば、 日 本 の 人 気 のあるスポーツ、 野 球 冬 のスポーツ、レジャーでも
あるスキー 夏 のスポーツであり、レジャーでもある 水 泳 はどのテキストにも 取 り 上
げられている。また、 世 界 のスポーツであるサッカーがほとんどの 教 科 書 で 取 り 入 れ

7
られている。そしてゴルフ、テニス(テニスは、すべてのテキストで 採 用 )は 多 くの
テキストで 採 用 されている。 英 語 の 教 科 書 等 にも、ゴルフ・テニスはよく 出 ている。
また、これらのスポーツは 歴 史 があり、イギリスでは 貴 族 、 紳 士 のスポーツである。
そのことから、 日 本 語 のテキストにも 掲 載 されているのかもしれない。( 清 水 (20
11))
また、『スポーツ 白 書 』(2010)によるとテレビでのゴルフの 放 送 時 間
が 長 く 会 社 の 接 待 などでゴルフをすることがあるので、 若 者 に 人 気 があるというより
中 高 年 、サラリーマンに 人 気 のあるスポーツであり、そのことをそれとはなしにテキ
ストに 示 していると 言 えよう。
日 本 の 伝 統 スポーツ 相 撲 、 柔 道 はテキストによって 採 用 、 不 採 用 が 分 かれる。
意 外 なのは、 日 本 の 武 道 「 剣 道 」は『みんなの 日 本 語 』 以 外 のテキストでは 取 りあげ
られていない。ただ、『 日 本 語 初 級 1・2 大 地 』の 文 法 解 説 書 には 武 道 を 詳 しく 説 明
していて 剣 道 が 紹 介 されている。 剣 道 は、 見 るスポーツでもオリンピック 種 目 でもな
いので 取 り 上 げていないのだろうか。しかし、『スポーツ 白 書 』( 笹 川 スポーツ 財 団 ,
2006 )「 第 一 章 日 本 人 のスポーツ 参 加 動 向 」によると、 剣 道 はサッカーなどのスポ
ーツと 比 べて 競 技 登 録 者 数 が 断 然 多 いようである。このことからどの 教 科 書 にも 掲 載
されてもおかしくないであろう。( 清 水 (2011))
また、バスケットボール、バレーボール、ピンポン、バトミントンはテキ
ストの 採 用 が 少 ない。バスケットボールはアメリカ、 韓 国 等 で 人 気 があるが、イギリ
スでは 人 気 がない。バレーボールは 日 本 では TV 等 で 人 気 があるがイギリス、 中 国 等 で
は 人 気 がない。そして、ピンポンもアメリカ、イギリスは 人 気 がない。そのことも 教
材 への 採 用 に 影 響 しているのかもしれない。( 清 水 (2011))
それぞれのテキストでスポーツ 種 目 等 が 取 りあげられているのは 以 下 の 通
りである。
『 日 本 語 初 歩 』
スポーツ 運 動 サッカー 柔 道 水 泳 スキー テニス バスケッ
トボール バドミントン バレーボール ピンポン ラケット ランニング 野 球
泳 ぐ 散 歩
『みんなの 日 本 語 Ⅰ・Ⅱ』
スポーツ 運 動 会 運 動 します スポーツクラブ 剣 道 ゴルフ サッカー
柔 道 ジョギング 水 泳 スキー( 場 ) 相 撲 テニス マラソン 野 球 オリ
ンピック 泳 ぐ 散 歩
『 日 本 語 初 級 1・2 大 地 』
スポーツ 運 動 お 相 撲 さん ゴルフ サッカー ( 選 手 ) 市 民 マラソン
柔 道 ジョギング 水 泳 スキー スケート 相 撲 スノーボード テニス
バスケットボール バトミントン ボウリング ボール マラソン( 大 会 ) 野 球 ラ
ンナー 泳 ぐ オリンピック 散 歩 (する)
『 新 文 化 初 級 日 本 語 Ⅰ・Ⅱ』
スポーツ 運 動 ゴルフ サッカー( 部 )スキー 相 撲 ジョギング 水 泳
テニス 野 球 マラソン( 大 会 ) ハイキング ボウリング マラソン( 大 会 ) ク
ロール お 相 撲 さん 散 歩 泳 ぐ

8
『 新 装 版 日 本 語 初 級 Ⅰ・Ⅱ』スポーツ スポーツ 医 学 研 究 所 スポーツ 大 会
運 動 (する) お 相 撲 さん サッカー ジョギング スキー スケート 水 泳
選 手 テニス ピンポン 散 歩 泳 ぐ オリンピック
『 初 級 日 本 語 改 訂 版 上 ・ 下 』
スポーツ、 運 動 運 動 場 体 育 、 体 育 館 、ゴルフ、 水 泳 、スキー、スケート、
テニス、バトミントン、 野 球 、バット、ボール、 試 合 、オリンピック、 泳 ぐ 散 歩
上 記 の 六 つの 初 級 テキストにおける 用 語 頻 出 数 は 以 下 のとおりである。
スポーツ 6
運 動 6
テニス 6
スキー 6
水 泳 6
泳 ぐ 6
野 球 6
サッカー 5
ゴルフ 4
ジョギング 4
相 撲 3
柔 道 3
マラソン 3
スケート 3
バスケットボール 2
ボウリング 2
バドミントン 2
バレーボール 2
ピンポン 2
ランニング 1
剣 道 1
オリンピック 2
散 歩 6
なお、 初 級 テキストにおけるスポーツの 取 り 上 げ 方 について 問 題 点 、つまり、
テキストの 内 容 が、スポーツの 事 情 に 即 していないものには、 次 のようなものがある。
●『 日 本 語 初 級 1・2 大 地 』31 課
マラソン 大 会 * 警 察 の 届 出 は 先 週 ‥ 大 会 の 届 け 出 は、 直 前 なのは、あり 得 な
い。そんなことをすると 大 問 題 になる。
●『みんなの 日 本 語 』 45 課
途 中 で 棄 権 をした 場 合 、 名 前 を 言 ってから 家 に 直 帰 する。‥ 棄 権 をした 場 合
家 に 直 帰 など、あり 得 ない。 会 場 に 戻 るのが 当 然 である。
●『 新 装 版 日 本 語 初 級 Ⅰ・Ⅱ』
テレビも 新 聞 も 野 球 のニュースが 多 いですね。‥ 確 かにそうであるが、 最 近
テレビの 地 上 波 の 野 球 中 継 が 少 なくなった。なお、テキストには、ランニング、ジョ

9
ギング、マラソンの 違 いについてはテキストにはっきり 示 されていない。そして、 運
動 とスポーツとの 違 いについてもはっきりしていない。
3. 中 上 級 のテキストについて
中 上 級 テキストは 健 康 問 題 を 取 り 上 げているものが 比 較 的 多 いが、スポーツ
を 正 面 切 って 扱 っている 教 材 は 少 ない。 中 級 のメインテキストである『 中 級 Ⅱ』( 国
際 交 流 基 金 )では、 君 原 選 手 のマラソンレースのことが 取 り 上 げられている( 清 水
(2011))
また、『 文 化 中 級 Ⅰ 第 二 版 』( 文 化 外 国 語 学 院 )ではジャンプ(スキー)の
秋 元 選 手 のことが 紹 介 され、 恐 怖 に 打 ち 勝 つ 大 変 さを 伝 えようとしている。なお、 上
級 のメインテキストでは、『テーマ 別 上 級 で 学 ぶ 日 本 語 改 訂 版 』で 健 康 ブームについ
てジョギングが 取 りあげられている。( 清 水 (2011))
4. 新 聞 記 事 ( 生 教 材 )について
中 ・ 上 級 でスポーツを 題 材 にした 新 聞 教 材 を 使 い、 留 学 生 に 日 本 社 会 、 日 本
事 情 等 を 紹 介 することができる。その 代 表 的 なものの 一 つに 東 京 マラソンが 挙 げられ
る。
2007 年 1 月 27 日 付 の 朝 日 新 聞 夕 刊 では 東 京 オリンピック 招 致 や 東 京 の 名 所
等 について 紹 介 されており、2008 年 2 月 16 日 付 の 毎 日 新 聞 朝 刊 ではエコロジーについ
て 取 り 上 げられ、2011 年 2 月 28 日 付 けの 産 経 新 聞 朝 刊 ではチャリティー(ランナー)
が 取 り 上 げられている。( 注 1) 他 の 東 京 マラソンに 関 する 新 聞 記 事 にも 社 会 事 情 等
が 紹 介 されている。このことから 東 京 マラソンの 記 事 を 通 して、 日 本 語 学 習 者 に 日 本
の 社 会 事 情 、 時 事 問 題 等 を 紹 介 することができると 言 えよう。( 清 水 (2011))
なお、 新 聞 を 中 級 用 にアレンジした『 中 上 級 の 日 本 語 』( 創 作 集 団 にほん
ご)の「ニュースで 日 本 語 」のコーナーで、2011 年 4 月 号 で。 東 京 マラソンについ
て 取 り 上 げられ、 中 上 級 用 向 けの 現 代 の 話 題 の 長 い 読 み 物 である「 今 月 の 話 題 」
(『 中 上 級 の 日 本 語 』2013 年 5 月 号 )でも 東 京 マラソンが 紹 介 され、ランニング
ブーム、 経 済 効 果 、 美 ジョカー 等 が 取 り 上 げられている。
5.まとめ
以 上 の 考 察 により、 日 本 語 教 育 教 材 でどのようにスポーツが 紹 介 されている
のかが 分 かった。また、それを 通 して、 教 材 作 成 者 等 のスポーツに 関 する 考 え、 造 詣
の 深 さなどが 分 かった。そして、 本 稿 でスポーツに 関 する 新 聞 記 事 を 通 して 留 学 生 に
日 本 社 会 等 を 紹 介 できる 可 能 性 に 触 れ、その 例 として 東 京 マラソンに 関 する 新 聞 記 事
の 教 材 を 紹 介 した。
今 後 の 研 究 課 題 はスポーツに 関 する 記 事 を 使 った 日 本 語 教 育 とはなにか、
その 目 指 すところは 何 か。そして、 日 本 学 的 にもしくは 日 本 事 情 、 日 本 文 化 的 にまた
は 言 語 教 育 的 にそれらをどう 教 えるべきかなどを 考 えたい。
参 考 文 献 ( 本 文 で 取 り 上 げていないもの)
清 水 泰 生 (2011)「スポーツと 日 本 語 教 育 」『 日 本 語 教 育 方 法 研 究 会
誌 』 18(2) ,pp 18-19, 日 本 語 教 育 方 法 研 究 会 誌
笹 川 スポーツ 財 団 (2010)『スポーツ 白 書 』 笹 川 スポーツ 財 団
月 刊 日 本 語 編 集 部 (2011)「 特 集 戦 国 時 代 が 到 来 ?! 教 科 書 について 考 えよ
う」『 月 刊 日 本 語 』24-8,pp10-23 , アルク

10
ド』
( 財 ) 日 本 陸 上 競 技 連 盟 、 東 京 都 (2010)『 東 京 マラソン 2010 メディアガイ
田 口 貞 善 他 編 (2011)『スポーツの 百 科 事 典 』 丸 善
注
(1) 取 り 上 げている 新 聞 記 事 の 内 容 は 以 下 の 通 り、 強 調 したいところは
著 者 がアンダーライン、マーカーを 施 した。
2007 年 01 月 27 日 朝 日 新 聞 夕 刊
( 土 曜 フォーカス) 都 心 「 大 封 鎖 」 東 京 マラソン、 来 月 18 日
銀 座 、 皇 居 、 浅 草 と、 東 京 都 心 の 観 光 名 所 や 目 抜 き 通 りを 約 3 万 人 が 走 る
――。2 月 18 日 の 日 曜 日 に 開 かれる 第 1 回 「 東 京 マラソン」だ。 普 段 は 走 れないコ
ースとあって、 参 加 の 応 募 は 定 員 の3 倍 を 超 えて 抽 選 になり、 国 内 最 大 規 模 の 大 会 と
なる。ほとんどが 市 民 ランナーだけに、ゴールまでの 制 限 時 間 は7 時 間 。 主 要 道 路 は
長 時 間 にわたって「 大 封 鎖 」される。 都 心 の 機 能 はマヒしないですむかどうか。
( 堀 川 貴 弘 、 平 井 隆 介 、 深 津 慶 造 )
東 京 マラソン 構 想 は 石 原 慎 太 郎 都 知 事 が03 年 秋 に 打 ち 出 した。2016
年 の 五 輪 招 致 を 目 指 す 都 には、「 東 京 の 魅 力 を 知 ってもらう 絶 好 の 機 会 。 五 輪 招 致 に
弾 みをつけたい」との 思 惑 がある。
スタートは 午 前 9 時 すぎ。ただ、ゴールまでの 制 限 時 間 は7 時 間 。11 月
の 東 京 国 際 女 子 マラソンの 約 2 倍 だ。 沿 道 への 影 響 は 大 きい。
( 中 略 )
JR 浅 草 橋 駅 前 の 通 行 止 めは 約 5 時 間 。 軒 を 並 べる 人 形 店 は3 月 の 桃 の 節
句 を 控 え、かき 入 れ 時 だ。 老 舗 (しにせ)・ 久 月 は「お 客 様 に『この 日 は 避 けて』と
も 言 えない」と 困 惑 する。
銀 座 4 丁 目 交 差 点 はランナーが2 度 通 過 するため、 封 鎖 は 約 6 時 間 に 及 ぶ。
日 曜 日 には 約 10 万 人 の 買 い 物 客 が 訪 れる 銀 座 三 越 の 担 当 者 は「 歩 道 にも 観 衆 が 押 し
寄 せるかも。 店 の 出 入 り 口 の 確 保 や 安 全 誘 導 のため、 警 備 員 を 増 やさなければ」。 都
は、 歩 行 者 が 地 下 道 を 使 って 道 路 を 横 断 できるようにコースはなるべく 地 下 鉄 の 上 に
したという。
(2) 東 京 マラソン: 世 界 へ 猛 アピール サポート 万 全 、 五 輪 よ 来 い
2008 年 2 月 16 日 毎 日 新 聞 朝 刊
◇ 最 大 規 模 / 栄 養 補 給 / 健 康 管 理 / 環 境 配 慮
約 3 万 人 のランナーが 都 心 を 駆 け 抜 ける「 東 京 マラソン」が17 日 、 開 催
される。07 年 創 設 された 国 内 最 大 規 模 の 大 会 で、 今 回 は 約 15 万 6000 人 が 応 募
し07 年 の 約 9 万 5000 人 を 大 幅 に 上 回 った。ボランティアも 約 1 万 2000 人 に
上 る。 今 夏 の 北 京 五 輪 男 子 マラソンの 選 考 も 兼 ねており、 真 冬 の 熱 い 戦 いが 繰 り 広 げ
られる。
◆ 大 会 概 要
参 加 資 格 者 は3 万 2614 人 。フルマラソンと10キロコースに 分 かれ、
車 椅 子 利 用 者 や 障 害 者 、 臓 器 移 植 者 も 参 加 する。 新 宿 区 の 都 庁 前 をスタートし、マラ
ソンは 銀 座 や 浅 草 など 都 内 の 名 所 を 巡 り、 江 東 区 の 東 京 国 際 展 示 場 がゴール。 制 限 時
間 は7 時 間 で、 日 比 谷 通 りなどを 中 心 に 長 時 間 の 交 通 規 制 が 敷 かれる。
◆ 改 善 点

11
07 年 は 雨 と 寒 さの 影 響 で 栄 養 補 給 に 頼 る 参 加 者 が 多 く、 用 意 したバナナ
が 不 足 した。 今 回 は1・5 倍 の 約 6 万 本 を 用 意 する。 新 潟 県 中 越 ・ 中 越 沖 地 震 で 被 災
した 同 県 から、 復 興 支 援 のお 礼 にコシヒカリのおにぎり 約 3 万 個 もふるまわれる。
( 中 略 )
◆エコ 大 会
主 催 者 の 東 京 都 は16 年 五 輪 招 致 に 向 け、 環 境 に 配 慮 した 大 会 としてアピ
ールする。ゴール 会 場 などで 使 う 電 力 は、 下 水 の 汚 泥 から 出 るガスを 利 用 した 水 道 局
の「バイオマス 発 電 」でまかない、 二 酸 化 炭 素 の 排 出 を 削 減 。 関 連 イベントでもリサ
イクル 可 能 な 食 器 を 使 う。【 五 味 香 織 】
(3)【 東 京 マラソン2011】 感 謝 それぞれの 思 い 胸 にRUN
2011 年 2 月 28 日 産 経 新 聞 朝 刊
早 春 の 東 京 に 繰 り 広 げられた3 万 6 千 のドラマ-。27 日 に 行 われた 第
5 回 東 京 マラソンは、 最 高 気 温 18・4 度 、 好 天 に 恵 まれたレースとなった。 沿 道 に
は 多 くの 応 援 者 やファンも 駆 け 付 け、 参 加 したランナーはそれぞれ 思 いを 胸 に、 心 地
よいランを 楽 しんだ。
「こういう 形 でも 協 力 できればと 思 い 参 加 した」
今 大 会 から 導 入 されたチャリティー 制 度 で、10 万 円 を 寄 付 してレースに
参 加 した 福 井 県 敦 賀 市 の 司 法 書 士 、 杉 谷 英 昭 さん(35)はこう 話 した。
チャリティーは「10 万 円 以 上 の 寄 付 」がエントリーの 条 件 で、 寄 付 の 最
高 額 は24 万 円 だった。 計 707 人 がエントリーし、694 人 が 出 場 した。
寄 付 金 の 使 い 道 は、 難 病 の 子 供 やその 家 族 の 支 援 ▽ 緑 地 保 全 ▽ 世 界 の 難 民
キャンプ 支 援 ▽ 障 害 者 アスリート 支 援 -などから 選 べるシステムを 採 用 している。
杉 谷 さんは、 難 病 の 子 供 と 家 族 の 支 援 を 希 望 した。 長 女 (1)が 平 成 22
年 11 月 に 心 臓 の 手 術 のために 約 1カ 月 入 院 したことが、その 理 由 だ。
妻 (34)は1カ 月 の 間 、 病 院 で 長 女 に 付 きっきり。 杉 谷 さんも 病 院 近 く
のホテルで 暮 らし、 病 院 に 通 い 続 けた。
「 付 き 添 うのは 精 神 的 に 本 当 に 大 変 だった」と 杉 谷 さん。「 自 分 でも 同 じ
ような 家 族 のサポート 活 動 ができればと 思 うのだが、なかなかできない。じゃあ、チ
ャリテイーでということにした」
フルマラソン 初 挑 戦 の 杉 谷 さんは、 制 限 時 間 直 前 にゴール。 直 後 に 携 帯 電
話 で 妻 に「 疲 れた」とコール。しかし、 満 面 の 笑 みが 浮 かんでいた。「これで5 年 後 、
10 年 後 に 娘 に 自 慢 ができます」
チャリティー 参 加 者 だけが 着 られるTシャツには、 手 術 を 乗 り 越 えた 長 女
と 今 年 8 月 に 誕 生 予 定 の 第 2 子 に 向 けた「パパとママの 宝 物 」とのメッセージが 書 き
込 まれていた。( 半 田 泰 )
なお、この 論 考 は 清 水 (2011)をもとにそれを 詳 細 にかつ 拡 大 に 再 考 察
したものである。

12
СОВРЕМЕННЫЕ ВОПРОСЫ ЯПОНОВЕДЕНИЯ
В ЛИНГВИСТИЧЕСКОЙ ПАРАДИГМЕ
言 語 学 のパラダイムにおける 日 本 研 究 の 現 代 的 な 問 題
「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 について
劉 剣
日 本 、 茨 城 県
1. はじめに
Participant structure から 考 えれば、 参 与 者 一 つの 事 象 を 言 語 化 する 際 には、
自 動 詞 を 選 択 して 表 現 するのが 普 通 である。たとえば、「 太 郎 が 走 る」「 芽 が 生 え
る」「 水 が 流 れる」のような 事 象 には、それぞれ「 太 郎 」「 芽 」「 水 」という 一 つの
参 与 者 しかない。このような 参 与 者 一 つの 事 象 を「 単 一 事 象 」と 呼 ぶことにする。
一 方 、 参 与 者 が 二 つあり、 参 与 者 間 は 典 型 的 な 主 体 ― 客 体 の 関 係 にある 事 象
を 言 語 化 する 際 には、 他 動 詞 を 選 択 して 表 現 するのが 普 通 である。たとえば、「 太 郎
は 木 を 植 えた」や「 太 郎 は 家 を 建 てた」のような 事 象 には、それぞれ「 太 郎 ― 木 」
「 太 郎 ― 家 」という 二 つの 参 与 者 があり、 参 与 者 間 は、「 主 体 動 作 が 客 体 変 化 を 引 き
起 こす」という「 引 き 起 こし」の 関 係 にある。このような 事 象 を 複 合 事 象 と 呼 ぶこと
にする。
上 の 事 を 逆 の 方 向 からいうと、 自 動 詞 は 単 一 事 象 を 表 し、 他 動 詞 は 複 合 事 象
を 表 すのが 普 通 である。
しかし、 参 与 者 が 二 つあり、 参 与 者 間 は 典 型 的 な 主 体 ― 客 体 の 関 係 にある 事
象 は、 他 動 詞 ではなく、 自 動 詞 として 言 語 化 する 場 合 もある。たとえば、「 木 が 植 わ
った」や「 家 が 建 った」のような 例 が 挙 げられる。 誰 か 意 識 的 に 木 を 植 えるという 動
作 が 前 提 とならないと、 木 が 植 わるとは 言 えない。 山 に 自 然 に 生 えている 木 について
は「 木 が 植 わる」と 言 えない。Participant structure の 観 点 からみれば、このような
事 象 は 他 動 詞 が 表 す 複 合 事 象 と 同 じ、 自 動 詞 が 表 す 単 一 事 象 と 違 うことがわかる。つ
まり、「- 単 一 事 象 」なのに、 自 動 詞 として 表 現 される。このような 自 動 詞 を「- 単
一 事 象 」 自 動 詞 と 呼 ぶことにする。
自 動 詞 の 実 例 の 動 向 からみると、「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 は、「- 単 一 事 象 」
としか 解 釈 されないもの、 言 い 換 えれば、 専 用 「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 もあれば、 通 常
「+ 単 一 事 象 」を 表 す 自 動 詞 が、 一 部 の 用 法 で「- 単 一 事 象 」を 表 すようなものもあ
る。 前 者 は、たとえば「 建 つ、 植 わる」のようなものであり、 後 者 は、たとえば「ミ
ルクに 砂 糖 が 入 っている」のような「 入 る」の 一 部 の 用 法 である。
また、「 見 える」や「 煮 える」のような 自 動 詞 は 最 初 の 段 階 で「 煮 る」とい
う 他 動 的 行 為 を 前 提 としないと 成 り 立 たないが、しかし、「 煮 る」という 他 動 的 行 為
は 完 全 に 直 接 的 に「 煮 える」という 変 化 をもたらすわけではない。むしろ、「 煮 る」
は「 煮 える」を「 補 助 ないし 促 進 」させた 後 、「 煮 える」 主 体 、たとえば「イモが 煮
える」のイモは、それ 自 体 で 変 化 する。「 煮 える」は「- 単 一 事 象 」と「+ 単 一 事
象 」の 真 中 にある 中 間 的 な 事 象 ではないかと 思 われる。また、「このイモはよく 煮 え
るよ」「この 本 はよく 売 れる」などのように、「 煮 える」 類 自 動 詞 は「よく」と 共 起
するので、 変 化 事 象 自 動 詞 ではなく、ものの 能 力 を 表 す 状 態 動 詞 となる 可 能 性 が 高 い。
それに 対 して、 完 全 な「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 は「よく」と 共 起 しない。「✳このビル

13
はよく 建 ちます」「✳この 木 はよく 植 わる」。 以 上 を 用 いて、「 見 える、 煮 える、 売
れる」 類 の 自 動 詞 を「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 から 除 外 する。「 見 える、 煮 える、 売 れ
る」 類 の 自 動 詞 の 考 察 ・ 分 析 を 今 後 の 課 題 にする。
「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 のメンバーを 確 定 したうえで、 本 論 文 では『 現 代 日 本
語 書 き 言 葉 均 衡 コーパス・ 少 納 言 』を 用 いて、「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 の 中 心 メンバー
である「 入 る」と「 建 つ、 植 わる」を 対 象 に、そのアスペクト 形 式 を 中 心 に 調 査 を 行
った。
2. 実 例 の 動 向
2.1. 「インテルはいってる」における「 入 る」
商 品 広 告 の PR 用 語 として、「インテルはいってる」という 表 現 は 有 名 であ
る。 日 本 語 母 語 話 者 の 耳 にしたら、「テル」の 二 つ 繰 り 返 しで 面 白 く 感 じる 人 が 多 い
が、 文 法 的 に 違 和 感 を 覚 える 人 がほとんどいない。しかし、よく 考 えてみると、「イ
ンテルはいってる」における「 入 る」は、「 太 郎 はすし 屋 にはいる」「 太 郎 はお 風 呂
にはいる」などの 能 動 文 における「 入 る」と 違 うことがわかる。たとえば、「 太 郎 は
すし 屋 に 入 りたがる」や「 太 郎 はお 風 呂 に 入 りたがる」など、「~たがる」と 共 起 す
ることは 能 動 文 ではごく 自 然 である 一 方 、「*インテルは(パソコンに) 入 りたが
る」は 許 容 度 が 非 常 に 低 い。また、「 太 郎 よ、すし 屋 にはいれ!」「 太 郎 よ、お 風 呂
にはいれ!」などの 命 令 文 は 成 り 立 つのに 対 して、「*インテルよ、(パソコンに)
はいれ!」という 命 令 文 は 成 り 立 たない。 以 上 の「~したい」 文 や 命 令 文 でテストす
ると、「 雨 が 窓 から 入 る」における「はいる」は、「インテルはいってる」における
「はいる」と 同 様 で、「すし 屋 にはいる」における「はいる」と 異 なるように 見 える。
「* 雨 が 窓 から 入 りたがる」「* 雨 よ、 窓 からはいれ!」は 非 文 である。 表 1 のように
整 理 することができる。
表 1
~したい
命 令
太 郎 がすし 屋 に 入 る ○ ○
雨 が 窓 から 入 る ✕ ✕
インテルはいってる ✕ ✕
「ゆっくり」でテストすると、どうなるだろうか。「 太 郎 はゆっくりとすし
屋 にはいった」「 太 郎 はゆっくりとお 風 呂 に 入 ってきた」は 問 題 なく 成 り 立 つ。「イ
ンテルはゆっくりと(パソコンに) 入 った」は 成 り 立 たない。「 雨 がゆっくりと 地 下
駅 にはいった」という 文 は 言 えるため、「 雨 が 入 る」における「はいる」は、 能 動 文
のおける「はいる」と 共 通 性 も 見 られる。 表 1 を 含 めて 整 理 すると、 表 2 になる。
表 2
~したい 命 令 ゆっくり
太 郎 がすし 屋 に 入 る ○ ○ ○
雨 が 窓 から 入 る ✕ ✕ ○
インテル 入 ってる ✕ ✕ ✕
したがって、「はいる」は 少 なくとも 三 つのタイプに 分 けられる。
(1)Ⅰ「 太 郎 はすし 屋 にはいる」のような 文 における「 入 る」
Ⅱ「 雨 が 地 下 駅 にはいる」のような 文 における「 入 る」

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Ⅲ「インテルはいってる」のような 文 における「 入 る」
タイプⅠは、 人 間 の 意 図 的 な 動 作 を 表 す「 入 る」である。この 用 法 の「 入
る」は 能 動 的 である。 動 詞 としての「 入 る」は「 入 れる」と 自 他 交 替 を 有 していると
認 める 先 行 研 究 は 少 なくないが、しかし、 奥 津 (1967)や 佐 藤 (1994b)などの 自 他 交
替 の 定 義 によれば、タイプⅠの「はいる」は、ほとんど、「 入 れる」と 交 替 しない。
他 動 詞 との 交 替 を 有 しているのはタイプⅡとタイプⅢの「はいる」である。
タイプⅡは、 前 述 した 自 然 生 起 の 事 象 、つまり「+ 単 一 事 象 」を 表 す 自 動 詞 であり、
タイプⅢは「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 である。 本 章 ではタイプⅢの「 入 る」の 実 例 を 収 集
し、それについて 分 析 を 行 う。
2.1.1. 観 察
2.1.1.1. 用 例 採 取
まず、『 現 代 日 本 語 書 き 言 葉 均 衡 コーパス・ 少 納 言 』を 用 いて、「~ガ ハ
イル」の 実 例 の 動 向 を 調 べよう。 検 索 語 は「が 入 る」「がはいる」「が 入 っ」「がは
いっ」「が 入 り」「がはいり」である。 調 査 に 当 たったところ、「わざと」「~たが
る」などのテストを 用 いて、ガ 格 が 意 志 性 を 持 つ 動 作 主 と 判 断 されたものを 除 外 した。
また、 連 体 修 飾 語 の「 入 る」も 除 外 した。「THEME が 入 る」と 解 釈 可 能 な 例 を 採 取 し
た。「THEME が 入 る」と 解 釈 可 能 な 例 は、ほとんどがテイル 形 のものである。 以 下 の
とおりに 示 す。
(2)この 財 布 には 3 千 円 入 っています。
(3) 自 分 のジーンズのポケットにも 何 か 入 っているのに 気 づきました。
(4)スキムミルクの 中 には 乳 糖 が 入 っているんじゃないでしょうか。
(5) 煮 干 しや 干 し 椎 茸 、ときにはさけの 頭 も 入 っていました。
(6)そのとき 私 の 手 には、すでに 東 和 銀 行 支 店 から 盗 んだ 一 千 万 円 の 大 金 が
入 っていたのです。
(7) 時 計 用 のボタン 電 池 がはいっていますよ。
(8)モミガラの 中 に、 真 っ 赤 なリンゴがいっぱい 入 っています。
(9) 封 筒 の 中 にはソ 連 のミサイル 配 置 図 が 入 っていた。
(10) 洗 濯 機 をあけたら、 脱 水 済 みの 洗 濯 物 が 入 っていたりします。
(11) 風 船 の 中 には 綿 毛 の 種 が 入 っていますね。
2.1.1.2. 用 例 から 抽 出 される 特 徴
ア)(2)-(11)のいずれも、 他 動 的 行 為 が 前 提 となっていると 解 釈 され
る。たとえば、(2)の 3 千 円 は、 誰 かが 財 布 に 入 れるという 動 作 が 前 提 となっていな
いと、 自 ら 財 布 に 入 ることができない。 言 い 換 えれば、「+ 単 一 事 象 」と 解 釈 する 可
能 性 はない。
イ)テイル 形 で 出 てくるのがそのほとんどである。 連 体 修 飾 語 として 出 て
くる 場 合 、ル 形 タ 形 の 例 はあるにもかかわらず、 言 い 切 り 文 として 出 てくる 場 合 は、
ル 形 タ 形 の 例 はほとんど 観 察 されなかった。「ハイッテイル(マス)」「ハイッテイ
タ(マシタ)」の 形 で 出 てくるのが 圧 倒 的 に 多 い。「ハイッテイル(マス)」「ハイ
ッテイタ(マシタ)」の 形 で 出 てくる 用 例 は、すべて 結 果 状 態 を 表 すものであり、 進
行 を 表 すものは 観 察 されなかった。

15
ウ)ほとんどの 用 例 は(2)の「この 財 布 に」、(3)の「ジーンズのポケ
ットに」などのような 場 所 ニ 格 や 場 所 を 表 す 名 詞 を 伴 っている。 文 全 体 の 意 味 は「あ
る 場 所 にあるものがある」という 単 なる 存 在 文 の 意 味 に 近 い。
2.1.2 分 析
調 べた 限 り、テイル 形 をとって 出 てきた「 入 る」(「ハイッテイル」)はす
べて 結 果 状 態 の 局 面 を 表 す 用 例 である。 進 行 の 局 面 を 表 すものはコーパスでは 見 つか
らなかった。 用 例 数 がゼロであることから、 使 用 頻 度 が 低 いことがわかった。Yahoo
grep を 用 いて 追 加 調 査 を 行 うと、 以 下 のような 進 行 の 局 面 を 表 す「ハイッテイル」を
見 つけた。
(12) 穴 から 少 しずつ(すこしずつ) 水 が 入 って( はいって)いて、 沈 んで
(しずんで)しまったら、…
http://www.kodomoseiko.com/classroom/class/rekishi/rekishi0007.html
(13)( 放 射 線 が) 1 むしろ 日 常 の 食 事 などから 慢 性 的 に 少 しずつ 体 に 入 っ
ているとして 評 価 した 方 が 現 実 的 であると 考 えられます。
http://www.nirs.go.jp/information/qa/qa.php
以 上 の 二 例 の「 入 る」は、 自 然 生 起 の 事 象 (「+ 単 一 事 象 」)と 解 釈 される。
テイル 形 が 進 行 の 局 面 を 表 すのは、「+ 単 一 事 象 」と 解 釈 できるものに 限 られる。
(2)-(11)は 進 行 を 表 す 副 詞 「 少 しずつ」「ゆっくりと」などと 共 起 できない。そ
のため、「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 はアスペクト 的 な 結 果 局 面 しかもたないと 解 釈 できる。
る。
(14)*この 財 布 に 3 千 円 が 少 しずつ/ゆっくりとはいっている。
(15)* 自 分 のジーンズのポケットにも 何 かが 少 しずつ/ゆっくりと 入 ってい
(16)*スキムミルクの 中 には 乳 糖 が 少 しずつ/ゆっくりと 入 っている。
また、タ 形 をとる「 入 る」では、「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 と 解 釈 されるのは 連
体 修 飾 語 に 限 られる。
(17) 台 所 のコンロにはカレーの 入 った 鍋 があり、…
(18)Dさんが 持 ってきたMM(パナエオラス・トロピカリス)の 入 った 段
ボール 箱 は10 箱 くらいあった。
(17)(18)の 連 体 修 飾 語 としての「ハイッタ」は、 言 い 切 り 文 の 述 語 に 変
えると、 文 の 許 容 度 が 下 がる。
(19)?? 台 所 のコンロには 鍋 がある。その 鍋 にカレーが 入 った。
(20)??Dさんが 持 ってきた 段 ボール 箱 は10 箱 くらいあった。その 段 ボー
ル 箱 にMM(パナエオラス・トロピカリス)が 入 った。
る。
(19)(20)の「ハイッタ」を「ハイッテイル」に 変 えると、 許 容 度 が 上 が
1
前 文 脈 でによってわかるが、 本 例 文 に 現 れない。

16
(21) 台 所 のコンロには 鍋 がある。その 鍋 にカレーが 入 っている。
(22)Dさんが 持 ってきた 段 ボール 箱 は10 箱 くらいあった。その 段 ボール
箱 にMM(パナエオラス・トロピカリス)が 入 っている。
連 体 修 飾 語 ではなく、 述 語 になる「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 は、テイル 形 を 取 っ
て 文 に 出 てくるのが 安 定 している。 言 い 換 えれば、 言 い 切 り 文 の 述 語 として 出 てくる
「ハイッタ」は、ほとんど「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 ではない。 実 際 の 用 例 を 見 てみよう。
(23) 飛 行 機 の 中 で 女 性 が 二 人 話 しているのが 耳 に 入 った。
(24)やっと 九 ヵ 月 に 入 った。
(25) 海 水 浴 で 耳 に 水 が 入 った。
(26) 歩 くたびに 大 粒 の 汗 が 眼 に 中 に 入 った。
(23)-(26)で 示 したように、「ハイッタ」は、ほとんどが 自 然 生 起 の 事
象 を 表 す。つまり、ものが 人 為 的 な 力 を 頼 らずに、 自 然 にどこかにはいるということ
を 表 す。このような 事 象 は「+ 単 一 事 象 」である。
結 果 を 表 す「ハイッタ」の 例 も 見 られた。 以 下 の 用 例 である。ただ、 非 常 に
まれであった。
(27)ぜひ 手 に 入 れたかった 本 が、やっと 手 に 入 った。
以 上 から、「 入 る」は、「+ 単 一 事 象 」 自 動 詞 とも 解 釈 され、「- 単 一 事
象 」 自 動 詞 とも 解 釈 されることがわかった。「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 としての「 入 る」
が、ほとんどテイル 形 を 取 って 文 に 出 てくるのに 対 して、「+ 単 一 事 象 」 自 動 詞 とし
ての「 入 る」は、テイル 形 が、タ 形 、ル 形 に 比 べれば、それほど 数 的 に 優 勢 ではない。
2.2.「 植 わる」、「 建 つ」
「 植 わる」と「 建 つ」は、 動 力 学 からみれば、 必 ず 誰 かが「 植 える」や「 建
てる」という 動 作 が 前 提 となっているため、「 単 一 事 象 」 自 動 詞 と 解 釈 される 可 能 性
はなく、「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 としか 解 釈 されない。
「 植 わる」「 建 つ」のコーパスでの 実 例 の 動 向 は、 前 述 した「 入 る」と 同 様
な 傾 向 性 を 示 す。
2.2.1.「 植 わる」の 実 例 の 動 向
2.2.1.1. 用 例 採 取
検 索 形 態 : 植 わ
ヒット 数 :26
そのうち、 連 体 修 飾 語 の 用 法 、「 植 わった+ 名 詞 」5 件 、「 植 わる+ 名 詞 」2
件 、「 植 わっている+ 名 詞 」4 件 がある。 連 体 修 飾 語 のテンス・アスペクト 体 制 が 言 い
切 り 文 のテンス・アスペクト 体 制 と 比 べ、 特 殊 性 があるため、 本 論 文 では 除 外 と 処 理
した。
残 りの 15 例 はすべてテイル 形 を 取 るものである。 以 下 の 通 りで 列 挙 する。
が、
(28) 両 方 の 家 とも、 大 きな 木 が 植 わっていて、 素 晴 らしい 家 だったんです
(29)むかしはこの 街 道 ぞいにも 柳 の 並 木 が 植 わってました。

17
(30) 真 ん 中 にこんもりとした 築 山 があり、 低 く 枝 を 伸 ばした 形 のいい 松 が
植 わっていた。
(31) 現 状 が 良 くわかりませんが、 大 きな 木 が 植 わっているとすると、それ
を 切 って 根 っこを 起 こすのが 大 変 そうですね。
(32) 外 には 昔 から 残 っている 梅 の 木 が 植 わっています。
(33) 次 にいいと 思 うのは、 外 に 梅 の 木 や 竹 が 植 わっていて、 梅 の 香 りや 竹
の 葉 ずれの 音 がするという 点 です。
(34)お 宅 の 庭 園 にも、 一 本 の 桜 が 植 わっていた。
(35)さらに、その 向 こうには 梅 の 木 が 植 わっていました。
(36)そして、この 部 屋 の 前 に 一 株 の 梅 が 植 わっていて―それが 戸 の 前 とい
うからおそらく 南 側 だろうと 思 うのですが
(37) 庭 にもそうとうひろく、 流 行 りのガーデニングというのか、 小 さな 樹
木 と 達 夫 の 知 らない 奇 妙 な 植 物 が 密 集 して 植 わっていた。
(38) 南 側 だろうと 思 うのですが―、 東 側 には 竹 が 植 わっている。
(39) 塀 のかわりに、いろんな 種 類 の 木 が 植 わっていて、 花 壇 には、 赤 や 黄
色 の 花 がいっぱい 咲 いていた。
(40) 若 しこんな 指 が 福 寿 草 のように 小 さな 鉢 に 植 わって 居 たら、どんなに
可 愛 らしいだろう。
(41) 井 戸 端 にひょろ 高 いいちじくの 木 、 厠 の 汲 み 取 り 口 に 南 天 が 二 、 三 本
植 わっているほか、 目 ぼしい 草 も 樹 木 もなく、もっぱら 洗 濯 物 の 干 し 場 に 使 われてい
る。
(42) 築 山 には 人 の 背 丈 より 高 い 屏 風 石 が 見 事 に 配 置 され、クロマツ、モチ
ノキ、モッコク、カエデ、ウメなど、きれいに 整 枝 された 木 々が 植 わっている。
2.2.1.2. 用 例 から 抽 出 される 特 徴
ア)(28)-(42)のいずれも、 他 動 的 な 行 為 が 前 提 となっていると 解 釈 さ
れる。
イ)「 植 わる」は 言 い 切 り 文 の 述 語 として 文 に 現 れる 際 、テイル 形 を 取 る。
「 植 わる」という 例 において、2.1 の「 入 る」の 調 査 より、テイル 形 の 比 率 が 高 く、
100%を 占 める。
ウ) 文 には、 場 所 二 格 や 場 所 を 表 す 名 詞 ・ 名 詞 句 を 伴 う 傾 向 が 見 られる。 場
所 二 句 、 場 所 句 とガ 格 の 語 順 は、(63)を 除 いて、「~ニ」・ 場 所 句 →「~ガ」 語 順
である。 存 在 文 の 語 順 と 一 致 している。
2.2.2.「 建 つ」の 実 例 の 動 向
2.2.2.1. 用 例 採 取
検 索 形 態 : 建 た、 建 ち、 建 って、 建 った、 建 つ、 建 ってい
ヒット 数 :582
582 例 の 中 、「 建 つ」の 各 アスペクト 形 式 の 個 数 は 以 下 の 通 りである。
表 3「 建 つ」のアスペクト 形 式
形 式 テイル タ その 他 総 数
用 例 数 498 30 54 582
比 率 86% 5% 9% 100%

18
テイル 形 を 取 る 用 例 数 は 86%を 占 め、 傾 向 として、「 入 る」「 植 わる」の 観
察 結 果 と 差 がない。 以 下 では、「 建 っている」の 例 と「 建 った」の 例 をいくつか 挙 げ
る。
(43) 駅 の 西 口 に 駅 前 ビルが 建 ってます。
(44) 庭 の 奥 に 三 棟 のはなれ 屋 が 建 っていた。
(45) 湯 煙 りのたつ 谷 川 の 岩 の 上 に、ちいさな 板 葺 き 小 屋 が 建 っていて、 入
り 口 にサンダルが 脱 ぎ 捨 てられてある。
(46)この 村 の 家 はほとんど、 古 代 の 墓 の 上 に 建 っているのだが、…
(47)それが 鉄 クズの 散 らばる 原 っぱの 中 にポツンと 建 っていた。
(48) 建 物 自 体 が 標 高 150mくらいの 位 置 に 建 っており、 天 気 が 良 ければ
絶 景 を 拝 めると 聞 きました。
(49) 受 け 付 け 用 のテントは 十 人 の 男 の 手 で、ほんの 十 五 分 で 建 った。
(50) 徳 川 宗 敬 様 のお 筆 で、 公 の 御 事 蹟 顕 彰 の 碑 が 建 った。
2.2.2.2. 用 例 から 抽 出 される 特 徴
ア)(43)-(50)のいずれも、 他 動 的 な 行 為 が 前 提 となっていると 解 釈
される。
イ)テイル 形 で 出 てくるのが 多 い。ル 形 、タ 形 の 例 も 若 干 あるが、「タッテ
イル(マス)」「タッテイタ(マシタ)」の 形 で 出 てくるのが 圧 倒 的 に 多 い。テイル
形 で 出 てくる 用 例 は、すべて 結 果 状 態 を 表 すものであり、 進 行 を 表 すものは 観 察 され
なかった。
ウ)ほとんどの 用 例 は(43)の「 駅 の 西 口 に」、(44)の「 庭 の 奥 に」など
のような 場 所 ニ 格 や 場 所 を 表 す 名 詞 を 伴 っている。 文 全 体 の 意 味 は「ある 場 所 にある
ものがある」という 単 なる 存 在 文 の 意 味 に 近 い。ただ、「 入 る」と「 植 わる」とやや
異 なり、「 建 っている」 文 の 語 順 には、「~ニ」・ 場 所 句 →「~ガ」という 語 順 がや
はり 優 位 ではあるが、「~ガ」→「~ニ」・ 場 所 句 という 語 順 をとる 例 も 数 少 ないと
は 言 えない。「~ニ」・ 場 所 句 →「~ガ」 語 順 が 存 在 文 の 基 本 語 順 と 一 致 しているが、
(46)-(48)で 示 したように、それと 違 う 語 順 もある。
2.3. まとめ
「 入 る」「 建 つ」「 植 わる」の 実 例 の 動 向 から、「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 はテ
イル 形 を 取 りやすいとわかる。これと 表 裏 の 関 係 にあるのは、「- 単 一 事 象 」 自 動 詞
はル 形 やタ 形 、またそれ 以 外 のアスペクト 形 式 を 取 りにくいということを 示 唆 する。
先 行 研 究 によると、テイル 形 は、「 動 作 進 行 」と「 結 果 残 存 」という 二 つの
主 な 意 味 を 持 つとされる。「 入 る」「 建 つ」「 植 わる」のテイル 形 は、プロセス( 進
行 )を 表 す 副 詞 と 共 起 できない。「 結 果 残 存 」の 意 味 しか 持 たない。また、 進 行 の 局
面 を 持 つ 動 詞 はル 形 やタ 形 を 取 りやすい。ル 形 やタ 形 を 取 りにくいことは、「 建 つ」
「 植 わる」 類 の 動 詞 は 進 行 の 局 面 を 持 たないことを 示 唆 する。
また、「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 のテイル 形 の 文 は、 存 在 文 に 近 い 性 質 を 持 つと
いう 特 徴 が 明 らかになった。
3. 「+ 単 一 事 象 」 自 動 詞 との 違 い
3.1. タ 形 とテイル 形 の 比 率
アスペクト 形 式 の 観 点 から 見 れば、「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 は、「+ 単 一 事
象 」 自 動 詞 と 違 う 振 る 舞 いを 示 す。『 現 代 日 本 語 書 き 言 葉 均 衡 コーパス・ 少 納 言 』で

19
調 べると、「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 は、 言 い 切 り 文 の 述 語 として 文 に 現 れる 際 、ほとん
どがテイル 形 を 取 る 一 方 、「+ 単 一 事 象 」( 非 能 格 動 詞 と 非 対 格 動 詞 )はテイル 形 を
取 ることに 限 らない。
表 4:タ 形 とテイル 形 の 動 詞 別 の 出 現 頻 度 差
タ 形 テイル 形 割 合
建 つ 30 498 6%:94%
植 わる 0 15 0%:100%
タ 形 テイル 形 割 合
落 ちる 2334 486 83%:17%
倒 れる 997 234 81%:19%
数 値 の 分 布 により、「 建 つ」「 植 わる」は「 落 ちる」「 倒 れる」と 明 らかに
二 つのタイプに 分 かれている。 表 4 から、「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 はテイル 形 をとるのが
普 通 のに 対 して、この 種 以 外 の 自 動 詞 は、テイル 形 をとることに 限 らないことが 明 ら
かにわかる。それは、「 建 つ」「 植 わる」のような 自 動 詞 は「 点 」 的 なアスペクト 特
徴 を 持 ち、そのままタ 形 をとり、 変 化 を 表 しにくく、テイル 形 を 取 り、その 点 ( 終 止
点 )の 後 の 結 果 の 局 面 を 表 すのが 普 通 であるからであろう。それと 反 対 に、「 点 」 的
な 事 象 と 限 らない「+ 単 一 事 象 」 自 動 詞 は、それ 自 身 の 変 化 の 局 面 を 持 ち、その 変 化
は 開 始 点 から 終 止 点 までの 移 行 局 面 も 含 んでいるため、タ 形 を 取 りやすいからである
と 考 えられる。
3.2. プロセス 副 詞 との 共 起
動 詞 がテイル 形 を 取 った 後 、プロセスを 表 す 副 詞 「だんだん」、「 少 しず
つ」、「ゆっくり」と 共 起 できるか 否 かをテストする。「だんだん 建 ってくる」や
「だんだん 建 ちつつある」などは、プロセスではなく、 結 果 点 に 近 づくの 意 味 である
ため、 除 外 する。 動 詞 のテイル 形 に 限 ってテストを 行 う。
『 現 代 日 本 語 書 き 言 葉 均 衡 コーパス・ 少 納 言 』と yahoo grep を 使 って、「だ
んだん」、「 少 しずつ」、「ゆっくり」をそれぞれ、「 動 詞 +ている」と 共 起 する 例
を 探 す。 結 果 は 以 下 のようになる。「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 の「 建 つ、 植 わる」は「だ
んだん~ている」と 共 起 する 例 が 見 つからなかった。
表 5:「だんだん~ている」
少 納 言
Yahoo
建 つ 0 件 ≒0 件
植 わる 0 件 ≒0 件
「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 と 違 って、 自 立 の 単 一 事 象 (「+ 単 一 事 象 」)を 表 す
自 動 詞 は、「だんだん~ている」と 共 起 する 例 が 見 つかった。
(51) 成 績 がだんだん 落 ちています
http://benesse.jp/forum/zboca040?CONTENTS_ID=00010001&ME
SSAGE_ID=018181
(52)だんだん 壊 れてる。
1
1 Yahoo の 用 例 を 尽 くして 調 べることができなかったが、ヒットした 結 果 を 人 工 で 大 量 調 べた 限 り、
0 件 検 出 。 以 下 も 同 様 。

20
http://blogs.yahoo.co.jp/nanohanacyacyacya/48301566.html
(53) 古 い 県 営 釜 神 町 アパートの 建 っている 崖 が 余 震 でだんだん 崩 れている。
http://bestof.at.webry.info/201106/article_21.html
(54) 木 が 目 の 前 でだんだん 倒 れている…
「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 の「 建 つ、 植 わる」は「 少 しずつ~ている」と 共 起 す
る 例 が 見 つからなかった。
表 6:「 少 しずつ~ている」
少 納 言
Yahoo
建 つ 0 件 ≒0 件
植 わる 0 件 ≒0 件
「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 と 違 い、 自 立 の 事 象 (「+ 単 一 事 象 」)を 表 す 自 動 詞
は、「 少 しずつ~ている」と 共 起 する 例 が 見 つかった。
(55) 大 人 女 性 が 少 しずつ 増 えてます.
http://baraboabo.blog.fc2.com/blog-entry-427.html
(56)AKB が 少 しずつ 壊 れてるような 気 がする。
http://twitter.comG/ENwa15
(57)M13 後 も 相 変 わらずデルバー 祭 りと 思 いきや、 少 しずつ 動 いてる?
http://endlessdream.diarynote.jp/201201170109371334/
「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 の「 建 つ、 植 わる」は「 少 しずつ~ている」と 共 起 す
る 例 が 見 つからなかった。
表 7:「ゆっくり(と)~ている」
少 納 言
Yahoo
建 つ 0 件 ≒0 件
植 わる 0 件 ≒0 件
「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 と 違 い、 自 立 の 事 象 (「+ 単 一 事 象 」)を 表 す 自 動 詞
は、「ゆっくり(と)~ている」と 共 起 する 例 が 見 つかった。
(58)みんな~フェイが ゆっくり 倒 れているよ~
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id
(59)ゆっくり 落 ちているだけと 思 っていただければ…。
http://www.pixiv.net
プロセスを 表 す 副 詞 と 共 起 できないことも、「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 がアスペ
クト 的 なプロセス 局 面 を 持 たないことを 示 唆 する。
4. 終 わりに
ル 形 やタ 形 を 取 りにくいこと 自 体 が、「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 がプロセス 局 面
を 持 たない、 言 い 換 えれば、「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 が 動 作 事 象 の 完 結 点 に 出 てきた 結
果 の 局 面 しかもたないことを 示 唆 する。また、プロセス 副 詞 と 共 起 しないため、「-
単 一 事 象 」 自 動 詞 がテイル 形 を 取 っても、 動 作 進 行 の 意 味 が 取 れない。テイル 形 を 取

21
っても 動 作 進 行 の 意 味 が 取 れないことも、「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 がプロセスの 局 面 を
持 たないことを 示 唆 する。 言 い 換 えれば、「- 単 一 事 象 」 自 動 詞 は 動 作 事 象 の 完 結 点
に 出 てきた 結 果 の 局 面 しかもたない。
参 考 文 献
奥 田 靖 雄 (1977)「アスペクトの 研 究 をめぐって― 金 田 一 的 段 階 ―」『 国 語 国
文 』8 pp51-63. 宮 城 教 育 大 学
影 山 太 郎 (1996)『 動 詞 意 味 論 ― 言 語 と 認 知 の 接 点 』くろしお 出 版
William, Croft.1991.Syntactic Categories and Grammatical Relations: The Cognitive
Organization of Information. Chicago: University of Chicago Press.
Некоторые наблюдения над эволюцией
японского языка в контексте развития
информационно-коммуникационных технологий (ИКТ)
Рыбин В.В.
Россия, Санкт-Петербург
Ключевые слова: информационно-коммуникационные
технологии (ИКТ), язык Интернета, Mixi, Facebook, Twitter,
2-Channel, Chiebukuro, сетевой язык, ASCII Art, СМС
Настоящая статья посвящена влиянию ИКТ на современное
состояние японского языка, а также обусловленной им специфике
коммуникации в социальных сетях, СМС 1 , чатах и особенностям
передачи графики. Прежде чем перейти к описанию и оценке изменений,
которым подвергся и продолжает подвергаться японский язык в
контексте коммуникаций в Интернете, представляется необходимым
провести обзор наиболее распространенных в Японии информационнокоммуникационных
технологий и широко используемых Интернетресурсов,
относящихся к социальным медиа.
1 Выражаю благодарность К. В. Головиной, которая любезно прислала ряд ценных
материалов, без которых данный обзор не был бы выполнен. Этот обзор, в основном,
фокусируется на использовании японского в Интернете. В отличие от общения в
Интернете, которое происходит на виду у большого количества пользователей и
обозревателей, СМС – обмен информацией между ограниченным количеством людей
(как правило, между двоими), поэтому выявить общие тенденции использования
японского языка в СМС крайне сложно. Теме СМС будет отведена последняя часть
этого обзора.

22
Информационно-коммуникационные технологии
В 2001 году японское правительство внедрило стратегию
«e-Japan» 1 («электронная Япония»), которая имела своей целью
превратить Японию в державу передовых информационных технологий.
Главными задачами стало следующее: 1. Сделать возможным
использование наиболее быстрого по мировым стандартам Интернета и
обеспечить возможность повсеместного доступа к нему по низким для
потребителя ценам; 2. Реализовать возможность произведения
электронных коммерческих операций; 3. Снабдить электронными
ресурсами правительство Японии; 4. Усилить обучение персонала в
области информационных технологий.
Япония достигла немалых успехов в отношении
вышеназванных задач, и к 2005 году использование широкополосной
сети было увеличено, а потребительские цены снижены. Далее, в
2007 году была введена стратегия «u-Japan» 2 , расширившая задачи
предыдущей стратегии. Ее основной целью было создание к 2010 году
универсального Интернет-сообщества, в котором доступ к сети
повсеместен и повсевременен. В 2010 году японский язык стал
четвертым в мире наиболее используемым языком Интернета (вслед за
английским, китайским и испанским).
Несмотря на то, что цели стратегий, описанных выше, можно
считать достигнутыми, для потребителя Япония не является страной,
где доступ к беспроводному Интернету вне места работы или дома
свободен. Хотя число локаций, где предоставляется Wi-Fi, за последнее
время увеличилось, в большинстве случаев для его использования
требуется быть подписчиком какого-либо специального плана, за что
взимается месячная плата. Оплатив нужную ему опцию, человек может
использовать Wi-Fi вне дома (в точках доступа) и через мобильный
телефон (смартфон), и через ноутбук, дополнительно зарегистрировав
последний. Подобная ситуация объясняется тем, что компании,
предоставляющие мобильную связь, не хотят терять пользователей и,
соответственно, прибыль, которая сократится, если они смогут
использовать бесплатный Wi-Fi, поэтому доступ к беспроводному
Интернету жестко регулируется.
Иностранцы, прибывающие в Японию, нередко удивлены, что
бесплатного Wi-Fi нет даже в аэропорту Нарита. На данный момент,
места, где можно подключиться к бесплатному Интернету
1 http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ict/u-japan/new_outline01.html
2 http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ict/u-japan/index.html

23
ограничиваются кафе Starbucks, Wired Cafe, а также несколькими
другими точками. Однако такая возможность, скажем, существует в
крупных гостиницах по всей стране.
Наиболее используемые в Японии Интернет-ресурсы
Прежде всего в данной части следует отметить, что японцы, во
многом, используют Интернет посредством мобильных телефонов. По
результатам исследования, проведенного Google, 88% японских
пользователей просматривают мобильный Интернет со смартфонов
ежедневно 1 . Приверженность мобильным телефонам диктует
поведенческие особенности при использовании социальных медиа.
По результатам исследования профессора Adam Acar (Kobe City
University of Foreign Studies), в 2011 году картина использования
японцами социальных медиа была следующей. Наиболее популярной
социальной сетью стал Twitter, вытеснивший с первых позиций более
старую и исключительно японскую соцсеть Mixi. Facebook, в свою
очередь, начал набирать обороты в Японии, и в 2011 году число его
японских пользователей возросло на 200 процентов 2 . Facebook, в
зависимости от методологии исследования, занимает вторую или
третью позицию по популярности в Японии. Среди других популярных
соцсетей следует отметить GREE, 2channel, а также Yahoo Chiebukuro.
О некоторых из этих и других социальных медиа будет рассказано
вкратце далее.
Профессор Adam Acar, в 2012 году проведший исследование на
базе 1000 респондентов, выделил следующие причины использования
японцами социальных медиа: убить время, повеселиться, получить
информацию о сфере интереса, выйти на связь с друзьями, более удобно
общаться с друзьями, узнать новости, расслабиться, рассказать другим,
чем занят, проверить, чем заняты другие, снять стресс (порядок по мере
убывания значимости каждой из причин). Этот исследователь также
отметил, что, в целом, японцы гораздо меньше обсуждают в социальных
медиа политику, нежели их американские собратья (данное наблюдение
было упомянуто и во многих других источниках). Особое место в
исследовании отведено проблеме анонимности. Профессор указывает на
1 http://googlemobileads.blogspot.ca/2012/01/new-research-global-surge-in-smartphone.html
2 http://asiajin.com/blog/2012/04/02/a-summary-of-the-latest-studies-about-japan-social-media/
При цитировании Adam Acar далее используется этот же источник.

24
то, что наибольшую популярность среди японцев завоевали те
социальные коммуникативные ресурсы, которые дают возможность
пользователям оставаться максимально инкогнито.
1. Mixi (ミクシィ)
Несмотря на то, что, как указано выше, в последние годы Mixi и
был вытеснен Twitter с первого места по уровню популярности, данной
платформе необходимо уделить особое внимание как исконно японской
и поэтому в наибольшей степени отражающей поведенческие
особенности японцев при использовании социальных медиа. В данной
социальной сети пользователи могут обмениваться сообщениями, вести
дневник, читать и оставлять комментарии к дневникам других,
становиться участниками групп и приглашать друзей (самое большое
число возможных друзей – 1000). Главная особенность Mixi
заключается в высоком уровне защищенности. Стать пользователем
Mixi можно исключительно по приглашению уже существующего
юзера. Также для регистрации необходим номер японского телефона.
Это означает, что иностранцы, не проживающие в Японии, не могут
использовать эту систему. Все общение происходит, естественно, на
японском. Эти два фактора противоречат заявлениям многих японцев,
что они общаются в Mixi в том числе и для того, чтобы завести друзейиностранцев.
Хотя это и невозможно, подобные иностранцы будут теми,
кто проживает в Японии и, возможно, говорит по-японски. Данная
тенденция говорит о том, что японцы, пытающиеся найти друзейиностранцев
через Mixi, хотят осуществить это в рамках наиболее
благоприятных и защищенных для себя условий. Другая особенность
Mixi – анонимность. Хотя пользователь Mixi и регистрирует свое
настоящее имя, он может свободно выбрать псевдоним, который будет
единственным, что другие юзеры смогут увидеть. В результате этого,
практически все пользователи применяют исключительно псевдонимы.
Ситуации, когда выдается настоящее имя, практически отсутствуют.
Несмотря на высокую популярность Mixi в Японии, в связи с
«закрытостью» данной платформы, о ней мало известно вне страны.
Использование Mixi привело к зарождению определенной
терминологии, описывающей различные статусы и явления,
относящиеся к Mixi. Так, например, «mymiku»「マイミク」(сокращение
от «mymixi» 「 マイミクシィ」) означает «друг-пользователь Mixi».
Данный термин отражает прогрессирующую тенденцию заимствований
из английского (особенно для применения в качестве терминологии,
причем нередко с присвоением заимствованному слову новых
смысловых нюансов), а также тягу к сокращениям, наблюдаемым в

25
разговорной речи и находящим отражение в письменной или, в случае
социальных сетей, письменно-разговорной речи 1 . Также любопытен
термин「ミクシィ 疲 れ」(микусий-дзукарэ), означающий – «усталость от
Mixi». Прежде чем окончательно удалить свой аккаунт в Mixi,
пользователи, которые устали от постоянной необходимости быть на
связи через Mixi, впадают в состояние некой «депрессии», постепенно
сокращая использование данной сети. Этот термин интересен как и в
лингвистическом, так и в поведенческом смыслах. Он отражает
приверженность японцев давать названия всевозможным состояниям
или периодам, с которыми человек сталкивается на протяжении жизни,
спроектированную в данном случае на микрокосм общения в
конкретной социальной сети.
2. Twitter
Twitter зародился в 2006 году. Версия на японском языке
появилась в 2008. Как сказано выше, Twitter, на данный момент, –
наиболее распространенное средство общения в социальных сетях
среди японцев.
Twitter обладает рядом преимуществ, которые делают его
крайне удобным в использовании. Так как, в основном, сообщения в
Twitter используются для передачи различного рода информации
новостного характера, они в большей степени несут функцию
констатации факта, нежели призыва к реакции. Соответственно, по
негласным правилам, на данные сообщения отвечать необязательно, что
способствует разряженной обстановке в Twitter. Пользователь может
свободно как поделиться новостями и мыслями (без угрозы лишних
вопросов), так и найти нужную информацию, исходящую от других
пользователей, используя функцию поиска. Фотография пользователя
требуется только одна, но ее можно заменить картинкой, в том числе и
любой из картинок уже предоставляемых самим Twitter. Все эти
факторы делают Twitter, в сравнении, скажем, с Facebook, наименее
приватным и, учитывая культурную особенность японцев максимально
не распространяться о своей личной жизни, упрощают его
использование.
Далее, как и в Mixi, в Twitter возможно применение псевдонима
в качестве имени, высвечиваемого перед сообщениями. Несмотря на это,
1 То, что речь социальных сетей можно расценивать как письменно-разговорную,
например, помимо особой стилистики, прекрасно иллюстрируется японским названием
сообщений в Twitter –「 呟 き」. Этот термин произносится как «цубуяки», и дословно его
можно перевести словом «бормотание». По-английски, «tweet», сообщение в Twitter,
означает «щебетание».

26
многие иностранцы все равно предпочитают поставить там свое
настоящее имя, а вот японцы практически поголовно выбирают
псевдонимы (кроме, пожалуй, аккаунтов известных личностей или
бизнесменов, для которых Twitter – это уже средство персонального
маркетинга).
Сообщение Twitter состоит из 140 знаков. Объем информации,
которая может быть передана 140 знаками на японском, значительно
превышает объем информации, укладывающуюся в 140 английских
знаков. В связи с этим, хирагана, где возможно, заменяется
иероглифами, чтобы уложиться в как можно меньшее число знаков.
Грамматические обороты также нередко сокращается (конкретные
примеры – в следующей части данного обзора).
3. Facebook
Facebook существует с 2004 года. Японский интерфейс данной
социальной сети появился в 2008 году. До открытия в 2010 году в
Японии представительства Facebook, данный ресурс не пользовался
большой популярностью, но с 2010 по 2011 год число пользователей
возросло более чем в три раза и на данный момент близко к 10
миллионам.
Несмотря на то, что Facebook становится все более
популярным в Японии, и число его японских пользователей продолжает
возрастать, многих японцев нельзя назвать по-настоящему активными
(или «правильными») пользователями данной сети. Японцы нередко
игнорируют негласные правила Facebook, чем вызывают недоумение
иностранцев. Так, Facebook, о чем говорит название самой сети, это
«книга лиц», нечто вроде интерактивного выпускного альбома. Люди
используют Facebook, чтобы найти старых друзей и соединиться с
новыми, поддерживать связь и обмениваться информацией.
Подавляющее большинство участников используют свое настоящее имя,
иначе найти их и связаться с ними невозможно. Несмотря на подобные
правила, вместо настоящего имени японцы иногда регистрируют в
Facebook псевдоним, а также не выкладывают фотографии себя и, тем
более, своей семьи из-за опасений, связанных с проблемой приватности.
Подобная тенденция довольно любопытна, так как в обычной жизни
японец обязан предоставлять информацию о себе (включающую полное
имя, адрес, телефон и дату рождения) при проведении практически
любых операций, будь то приобретение телефона или регистрация на
сайте для покупки, скажем, билетов на концерт. Без предоставления
информации, например, регистрация будет просто невозможна, и,

27
видимо, поэтому японцы воспринимают это как нечто должное. В
Facebook же, где есть возможность скрыть информацию о себе, пусть
вопреки общепринятым правилам использования данной сети, японцы
часто предпочитают сохранять хотя бы частичную анонимность.
4. 2-Channel (2 ちゃんねる – ни-тяннэру)
Так же как и Mixi, 2-Channel – это полностью японский ресурс
общения в Интернете, поэтому заслуживает отдельного внимания в
контексте данного курса. В связи с тем, что он появился на свет в 1999
году, на тему 2-Channel, а также интересующего нас использования в
нем японского языка и графики, существует немало информации. Как
было указано выше, непосредственно японскому языку посвящена
следующая часть этого обзора. Здесь же приведем описание 2-Channel.
2-Channel – это анонимная (юзеры используют исключительно
псевдонимы) доска объявлений, разделенная на «потоки» сообщений по
тематике. Самые популярные «потоки» показываются первыми на сайте,
поэтому можно быстро определить, какие проблемы волнуют
пользователей 2-Channel в большей степени. Тематические «потоки»
сообщений содержатся на всевозможных «досках». Подобные «доски»
пользователи так и называют – 「いた」(ита) или 「ばん」(бан). «Доски»
далее классифицируются по жанрам. В 2009 году на 2-Channel было
более 780 «досок», подразделенных на 40 категорий. Каждая «доска»
содержит до 800 «потоков» сообщений 1 . Число пользователей 2-Channel
превышает 10 миллионов человек. Кстати, само название данной доски
объявлений (означающее «второй канал») также вызывает интерес. В
Интернете бытует несколько версий происхождения этого названия,
однако самая правдоподобная – следующая. На старой домашней телевидеоаппаратуре,
при переключении в режиме видео на второй канал,
можно было и видео смотреть, и подключать различные игровые
приставки. То есть второй канал – метафорически это место, где можно
делать все. Сами пользователи называются 「 2 ちゃんねらー」(нитяннэраа),
что буквально переводится как «второканальщик».
В связи с тем, что доска полностью анонимная, а также, в
отличие от более молодых социальных сетей, не предоставляет
возможности прикреплять фотографии, дискуссия там сфокусирована
непосредственно на теме обсуждения, и дебаты происходят крайне
активные и очень часто – на самые злободневные темы дня.
Пользователи, не боясь быть разоблаченными и в связи с этим готовые
1
内 山 弘 「ネットの 日 本 語 -2 ちゃんねるとニコニコ 動 画 を 中 心 に」『 地 域 政 策 科 学 研 究 』7: 219-
236、2010(3)。При цитировании Утияма далее в тексте используется этот же источник.

28
принять любую критику, оставляют немало смелых, а порой и
язвительных комментариев. Нелегко приходится политикам и звездам,
оказавшимся темой обсуждений юзеров данной доски.
2-Channel нашумел еще и тем, что несколько раз объявления на
этом форуме оказывались непосредственно связанными с
административными нарушениями или криминальной деятельностью.
Полиция неоднократно производила аресты пользователей, в постах
которых содержались намеки либо на их связь с уже совершенными
преступлениями, либо угрозы совершения новых. Предполагается, что
японская полиция регулярно просматривает сообщения
подозрительного содержания на 2-Channel, и, хотя имя пользователя по
оставленной им информации определить невозможно, идентификация
обидчиков производится при помощи выслеживания их IP-адресов.
Несмотря на вышеприведенные факты, 2-Channel не стоит
рассматривать в негативном свете. Это – богатейший источник
информации, который может пролить немало света на социальный
климат в Японии, исходящей непосредственно от жителей Японии,
пусть и ее определенной прослойки. Информация на 2-Channel –
кладезь и для журналистов, изучающих различные социальные
проблемы японского общества и пытающихся выстроить правдивые
картины тех или иных происшествий.
5. Chiebukuro ( 知 恵 袋 )
Chiebukuro (дословно – «мешок мудрости, знаний»,
существует с 2004 года) – это форум, предоставляемый Yahoo!JAPAN,
где пользователи могут задать различные вопросы и получить ответы от
других пользователей. Вопросы задаются на многочисленные темы – от
того, как лучше добраться до той или иной станции или приготовить
заморское блюдо, до проблем в семье и личных переживаний. В
качестве псевдонима можно использовать свой существующий Yahoo
ID или создать новый. При использовании первого, те, кто знают
электронную почту пользователя, могут определить, что вопросы
исходят от того или иного человека. Минус в Chiebukuro заключается
еще и в том, что, если вопрос получил хотя бы один ответ, удалить его
уже нельзя, даже если спустя пять лет пользователь захочет скрыть ту
или иную информацию о себе, содержащуюся в вопросе, которой он
открыто поделился несколько лет назад. Chiebukuro использует систему
поощрения – чем более активен пользователь и чем больше оценок
«лучший ответ» он получил, тем больше «монеток» (「 知 恵 袋 コイン」) он
приобретает. Самые популярные вопросы-ответы дня выставляются на
главной странице Chiebukuro. Вопрос считается закрытым тогда, когда

29
спросивший выбирает «лучший ответ» из полученных ответов.
Пользователи называют друг-друга 「 ブ ク ラ ー 」 (производное на
английский манер от「 袋 /ふくろ」, последнего слова в названии ресурса).
「ブクラー」(букураа) дословно переводится как «мешочник». Часто, ища
в японском Интернете ответы на те или иные вопросы (скажем, как
оплачивать налоги по правилам того или иного района), прежде всего
можно выйти на информацию именно из Chiebukuro и,
воспользовавшись опытом предшественников, разрешить свой вопрос.
Японский язык в Интернет-ресурсах
Одними из главных движущих сил, влияющих на состояние
японского языка при его использовании в Интернете (социальные сети,
доски объявлений и т.д.), можно назвать сокращение и
дифференциацию. Сокращения вызваны необходимостью – место,
предоставляемое для выражения своих мыслей, нередко ограничено.
Дифференциация также напрямую связана с необходимостью уложить
свои мысли в ограниченное количество знаков. Сделать это надо так,
чтобы оставленное сообщение, комментарий или вопрос привлекли
внимание, ответную реакцию, то есть стали звеном коммуникации.
Пользователи применяют для этого различные способы, которые
включают как и всевозможные изменения японского языка, так и
богатую графику.
Самым поздним и популярным на настоящий момент
нововведением является способ передачи времен – настоящего,
прошедшего и будущего. Данный способ, описание которого
приводится ниже, особенно широко используется в Twitter, где
пользователю отводится всего 140 знаков для одного сообщения.
Японские грамматические конструкции нередко тяжеловесны, поэтому
юзеры используют английские наречие «now», а также глаголы
прошедшего времени «was» и «done» и будущего – «will», записывая их
хираганой (「なう、わず、だん、うぃる」) и ставя в конец предложения, то
есть по правилам японской грамматики. Получается, что правила
использования данных частей речи в английском игнорируются. Встает
вопрос, что мешает подобным же образом сократить и применить
японские грамматические показатели? Возможно, «неправильный»
японский воспринимать труднее (он больше режет ухо природного
носителя языка), нежели «неправильный» английский, поэтому
пользователи с удовольствием заимствуют средства иностранного языка,
интерпретируя их и приписывая им новые функции. То, что они
используется больше по правилам японской, нежели английской
грамматики, подчеркивается и тем, что эти слова записываются азбукой

30
хирагана, а не традиционно применяемой для транслитерации
заимствованных слов азбукой катакана.
Наиболее распространено использование наречия「なう」(now).
Выделяются следующие негласные «правила» его применения:
обозначение места, где находится пользователь (「 丸 の 内 なう」(Мару-но
ути нау) = «Я сейчас нахожусь на станции Маруноути»), обозначение
действия, которое он совершает (「 会 議 なう」(кайги нау) = «Я сейчас
принимаю участие в совещании»), обозначение происходящего в
социальной среде события (「 消 費 税 アップなう」(сёохидзэй аппу нау) =
«Потребительский налог только что поднялся») 1 . Грамматически
правильное и законченное (в английском и японском языках)
предложение требует глагола. В приведенных примерах, однако, видно,
что глагол подвергся элизии, и его функция в предложении присвоена
наречию «now», чьи смысловые нюансы меняются в зависимости от
контекста.
Английские глаголы прошедшего и будущего времени「わず」
(вадзу от англ. was),「だん」(данъ от done) и「うぃる」(УиРУ от will)
используются по такому же принципу (「 東 京 駅 わず」(тоокёоэки вадзу) =
«Я был на станции Токио»; 「 映 画 だ ん 」 (эйга данъ) = «Я окончил
просмотр фильма» ; 「 デ ー ト う ぃ る 」 (дээто УиРу) = «Я пойду на
свидание») 2 . Иной раз функция сокращения не настолько сильна.
Скажем, в последнем примере, сказать «Я пойду на свидание» можно
коротко и используя исключительно японские слова (「デートに 行 く」
(дээто-ни ику) ), и количество знаков (шесть) при этом не увеличится. В
данном случае использование заимствованного「うぃる」 может быть
объяснено стремлением к дифференциации или приверженностью
пользователя к стилистике Twitter в целом. В таком случае речь может
идти об образовании Twitter-жаргона.
Как уже было отмечено выше, наиболее описанной темой
использования японского языка в Интернете можно назвать его
применение на доске объявлений 2-Channel. Существует даже
Интернет-словарь, посвященный лексике на 2-Channel и
насчитывающий 3173 слова 3 .
Утияма Хироси (Университет Кагосима), уже цитировавшийся
нами выше, подробно описывает грамматику, фонетику, лексику
(включая новообразования), особенности передачи знаков, а также
1 http://nanapi.jp/258/
2 http://nanapi.jp/10067/
3 http://www.media-k.co.jp/jiten/

31
графику на 2-Channel и Niсo Niсo Douga 1 (「にこにこ 動 画 」). Так, в
отношение грамматики Утияма выделяет следующие особенности: 1.
Повелительная форма глагола приобретает окончание «э»: 見 ろ (миро)
«смотри»→ 見 れ (мирэ)、 教 えろ(осиэро) «объясни»→ 教 えれ (осиэрэ). 2.
Многочисленные изменения в разных формах претерпевает глагол
«делать» ( 「 す る 」 ) : ~ しる (конечная форма), ~ しれ (повелительная
форма),~ す れ (повелительная форма). 3. «Лишний» показатель
респектива «масу» (「ます」): なるます(нарумасу) «становиться», 行 くます
(икумасу) «ехать, идти», 見 るます (мирумасу) «смотреть». 4. Конечная
форма глаголов используется со связкой дэсу (「です」) :~するです (сурудэсу),~
し ま す で す (симасу-дэсу) и даже ~ で す で す (дэсу-дэсу). 5.
Адъективированные глаголы формы 「 そ う 」 трансформируются в
«ложные» прилагательные: うまそう(умасоо) «аппетитный» →うまそい
(умасои)、おもしろそう(омосиросоо) «вроде интересный»→おもしろそい.
Отметим, что многие из вышеприведенных примеров являются
грубыми нарушениями японской грамматики (например, из подклассов
3 и 4). Любопытно, что стремление к сокращениям в данных примерах
не наблюдается. Это можно объяснить тем, что пользователи 2-Channel,
в отличие от Twitter, не ограничены, скажем, 140 знаками для
выражения мыслей. В примерах выше гораздо более ярко выражены
функции дифференциации, а также эмфазы, усиления, утверждения.
Фонетика на 2-Channel подвергается еще более сильным
изменениям. Вот типы изменений, выделенные Утияма: 1. Слова,
заканчивающиеся долгим «о» 「~う」, приобретают назальное 「~ん」:
ありがとう(аригатоо «Спасибо»)→ありがとん (аригатонъ). 2. Фонетические
изменения претерпевают следующие звуки: d→r 駄 目 (дамэ «нельзя»)→
らめ (рамэ); h→アホ (ахо «дурак»)→アフォ (афо); u→o くわしく(кувасику
«подробно»)→くわしこ (кувасико); よろしく (ёросику «Всего доброго!»→
よろしこ (ёросико); yo→o つよい (цуёй «крепкий, прочный»)→ つおい
(цуой); ae→ai - お ま え (омаэ «ты»)→ お ま い (омаи); e: →ei お 姉 さ ん
(онээсанъ «сестрица»)→ お ね い さん (онэисанъ); i: → ui ほ しい (хосий
«хочу» )→ほすい (хосуй).
Утияма отмечает, что данные и многие другие примеры
фонетических изменения наблюдаются и в обычной устной речи (а это
может говорить о том, что некоторые из вышеприведенных форм легче
1 Niсo Niсo Douga – это платформа обмена видео между пользователями, появившаяся на
свет в 2006 году и нынче являющаяся четырадцатым по популярности сайтом в Японии. В
данном обзоре о Niсo Niсo Douga отдельно не говорится, ввиду его сильного отличия от
более традиционных социальных сетей, описываемых здесь.

32
произносить, чем правильные), однако на 2-Channel они применяются с
более частотно.
Лексика, таким образом, помимо необычной визуальной формы,
приобретает определенную звуковую окраску, хотя она и рассчитана,
прежде всего, на написание и прочтение, нежели на произнесение и
слуховое восприятие. Игра с фонетикой, однако, в очередной раз
подтверждает речевой аспект «сетевого языка» (ネット 語 – нэтто-го ),
посредством которого пользователи пытаются донести свои мысли с не
меньшей силой, чем если бы они находились перед собеседником и
имели возможность повышать и понижать голос, растягивать звуки,
усиливать ударения, а также жестикулировать, чтобы произвести более
сильное впечатление.
В своей работе Утияма также отмечает, что в комментариях
пользователей на 2-Channel можно часто наблюдать слова, содержащие
опечатки, совершаемые в результате ошибочного введения
близлежащих клавиш, нажатия лишних или, наоборот, пропуска
нужных клавиш на клавиатуре компьютера, а также неправильного
выбора иероглифа после ввода хираганы. В некоторых случаях
преобразование в иероглиф в принципе невозможно, так как хирагана,
составляющая слово, изначально печатается пользователем с ошибкой.
Предполагается, что юзеры стремятся набрать и загрузить текст с
наибольшей скоростью, что не дает им возможности перечитать
написанное и исправить погрешности. Возможно, однако, что
участники данного форума преднамеренно не исправляют опечатки, так
как их наличие придает тексту особую стилистику. Также, ввиду того,
что данные ошибки зависят от специфики японской клавиатуры и
правил печатания, они совершаются многими пользователями и, в своей
массе, становятся «нормой» правил написания на 2-Channel. Утияма
выделяет многочисленные типы подобных опечаток. В качестве
примеров приведем несколько.
1. Ошибки в порядке нажатия клавиш: ~ください→~くだしあ,~せ
ざ る を えな い →~ せざ ろ うえ な い ; 2. Ошибочное введение близлежащей
клавиши: B/G がんばれ→がんがれ, N/M ~じゃないか→~じゃまいか, ま/も ただ
いま→ただいも, 3.Ошибки в выборе иероглифов: 来 た→ 北 、 読 め→ 嫁 .
Помимо вышеназванных опечаток, которые объясняются
особенностями японской клавиатуры и печати, требующей перевода
хираганы в иероглифы, и скоростью печати пользователей, участники
форума 2-Channel также совершают ряд «ошибок» при написании слов,
которые практически однозначно можно назвать преднамеренными.
Назовем несколько типов.

33
1. Замена знака катаканы на похожий знак: シ→ツ (и наоборот)
ヤツ→ヤシ, ス→ヌ (и наоборот) おススメ→おヌヌメ; 2. Замена последнего
знака на знак «су» 「ス」: 萌 える→モエス, 可 愛 そう→カワイソス, すごい→スゴ
ス .Слова при этом записываются катаканой, традиционно
использующейся для записи заимствованных слов, но здесь играющей
роль выделения, эмфазы. 3. Замена на одинаково (или похоже)
звучащий знак: オ→ヲ 俺 →ヲレ、おじさん→ヲじさん, じ→ぢじゃん→ぢゃん, b→v
バカ→ヴァカ.
Печать на японском даёт возможность использовать
всевозможные ухищрения для того, чтобы слова смотрелись необычно,
и пользователи 2-Channel не упускают случая применить разные
способы отображения слов, которые уже скорее затрагивают область
графики, нежели просто написания. Приведем примеры: 1.
Использование символов для замены части или целых слов: アトピー→@
p、かっこう 悪 い→( 悪 ), 2. Использование цифр для замены части или целых
слов: やおい→801、 冷 凍 食 品 →0( 食 ) 1 . 3. Запись японских слов латинскими
буквами с пропуском гласных: く わしく→kwsk、 加 速 →ksk、ドキド キ
→dkdk.
Утияма также выделяет «ASCII 2 Art» – способ передачи эмоций
с помощью всевозможных знаков клавиатуры (скобок, знаков
восклицания, тире и т.д.), так называемые «смайлики», которые
являются немалой составляющей текстов на форуме 2-Channel. По его
мнению, три основных причины, лежащие в основе вышеназванных
трансформаций, осуществляемых пользователями по отношению к
японскому языку, – это дифференциация, минимизация усилий и тяга к
необычному. Это во многом соответствует названным нами в начале
данной части движущим силам изменений японского при его
использовании в социально-коммуникативных ресурсах – стремлению к
сокращениям и, опять же, дифференциации. Цитируя Утияма, мы
1 Данный способ традиционно популярен в Японии. По телевидению часто можно увидеть
рекламу, в которой цифры в телефонном номере произносятся по одному из чтений
иероглифа, соответствующего цифре (а иногда даже и по английскому прочтению).
Маркетологи обычно стараются подобрать такой номер телефона, прочтение которого
подобным способом еще бы и соответствовало тематике рекламы, способствуя его
легкому запоминанию. Например, телефон фирмы «Ядзуя», продающей пищевые добавки,
– 0120-828-828. Иероглиф「 八 」, означающий «8», можно прочесть как «я», а
английское чтение «2» в японском произношении – «цу», которое заменено на созвучное
«дзу». Получается, что номер телефона после кода 0120 произносится как «я-дзу-я-я-дзуя»,
что соответствует названию фирмы.
2 ASCII (англ. American Standard Code for Information Interchange) – американская
стандартная кодировочная таблица для печатных символов и некоторых специальных
кодов (http://ru.wikipedia.org/wiki/ASCII) .

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привели лишь некоторые из принятых им способов классификации и
только небольшое количество примеров. Они должны, однако, пролить
свет на тенденции применения языка, бытующие в Интернете.
Специфика коммуникации посредством СМС
То, что Япония является страной мобильных телефонов, –
общеизвестный факт. Культуру этой страны даже иногда называют
«кэйтай бунка»/「 携 帯 文 化 」, или «культурой мобильников». Несколько
лет назад в Японии бытовала шутка о том, что новое поколение японцев
рождается с увеличенным большим пальцем на правой руке, так как это
основной палец, используемый для написания сообщений и многих
других функций на мобильных телефонах.
Учитывая то, что в Японии существуют довольно строгие
правила в отношении использования мобильных телефонов в местах
публичного пользования (например, разговаривать по телефону в
поездах запрещено), именно сообщения, а не телефонные переговоры
являются наиболее распространенным средством общения между
японцами. В зависимости от провайдера телефонной связи и модели
телефона, длина сообщений варьируется. Большинство современных
мобильных телефонов оснащено многочисленными функциями, но еще
задолго до того, как подобные функции стали доступны на телефонах
производства различных стран, японские телефоны, ориентированные
исключительно на японский рынок, обладали невероятными по тем
временам возможностями – цветным дисплеем, фотокамерой,
звукозаписывающим устройством и т.д. В те времена особо популярны
были сообщения с прикрепленной фотографией («сямэ» сокращение от
「 写 真 メール」сясинъ-мээру «фото-послание»). Такие фотографии можно
было самостоятельно редактировать – вставлять во всевозможные
рамочки, прикреплять бантики и сердечки или подписывать. Также, во
время написания сообщений можно было выбрать из большого числа
предоставляемых «смайликов» и маленьких картинок и прикрепить их к
тексту.
Несмотря на то, что в настоящее время в Японии стали
популярными и смартфоны не обязательно японского производства,
традиционные мобильные телефоны, сохранив излюбленные всеми
функции, описанные выше, расширили свои возможности еще больше.
Истинные приверженцы японских телефонов ни за что не променяют их
ни на какой смартфон.
Отследить особенности использования японского языка и
графики в сообщениях – довольно сложная задача, ввиду их
приватности, однако исследователям удалось обратить внимание на

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некоторые тренды. Японские мобильные телефоны предоставляют
большой простор для творчества – сообщения можно составить с
помощью азбук хирагана, катакана, иероглифов, латинских букв, цифр,
также вставить в них всевозможные символы, которые варьируются от
самых стандартных до всевозможных стрелочек и звездочек. Также в
обиходе пользователя «смайлики», о которых упомянуто выше. Вот
некоторые из трендов: 1. Запись слов или выражений цифрами (по
чтению иероглифов, соответствующих данным цифрам): 4-6-4-9 →よ-ろ-
し-く (Ё-РО-СИ-КУ). 2. Использование так называемых «гяру модзи»/ギ
ャル 文 字 , или «азбуки гяру». Гяру – это субкультура, популярная среди
японских девушек и зародившаяся в 1990-е годы. Сама азбука получила
свое название в начале 2000-х. Ее элементы используются не
обязательно исключительно приверженцами данной субкультуры, но и
определенным числом не принадлежащих к ней японских девушек.
Азбука крайне сложная. Некоторые знаки хирагана (из ряда «А»
силлабной азбуки ГОДЗЮУОНЪ) приведена ниже. В японском
Интернете немало сайтов, предоставляющих возможность «перевести»
слова или сообщения, составленные подобным образом, в стандартные
японские знаки.
あ 行
• あ: ぁ・ァ・ 了
• い: ぃ・ィ・レヽ・レ 丶 ・レ)・レ`・L 丶 ・L1・レ l
• う: ぅ・ゥ・ 宀 ・ヴ・ウ
• え: ぇ・ェ・ 之 ・ 工 ・ヱ
• お: ぉ・ォ・ 才 и т. д.
Ксенонимы-русизмы в японском языке
Иванова Е.Ю.
Россия, Санкт-Петербург
Ключевые слова: ксеноним, интерлингвокультурология,
ксенонимическая обратимость, образование ксенонимов
Межкультурная коммуникация между Россией и Японией в
эпоху глобализации распространилась на все сферы общественной
жизни и приобретает все большее значение. Это не могло не сказаться
на взаимопроникновении различных лексических единиц из одного
язык в другой. Знакомство с японоязычным описанием русской
культуры, представленным, например, в текстах, посвященных русской
культуре или путеводителях, выявляет появление в подобных текстах
русизмов, языковой статус которых до сих пор еще до конца не

36
определен. Эта проблема изучается в рамках новой лингвистической
дисциплины – интерлингвокультурологии [3, с.4].
1. Понятие ксенонимии и ксенонимической обратимости
Ксенонимы (от греческого xenos, «чужой» + оним) - это
«языковые единицы, функционально направленные на обозначения
элементов внешних культур» [1, с.20]. Например: «суши», «дзюдо»,
«айкидо» - ксенонимы японской лингвокультуры в русском языке; マト
リョーシカ 人 形 , ツァール, サモワール – ксенонимы русской лингвокультуры в
японском языке. Ксеноним является вторичным обозначением элемента
культуры, используемым для наименования элементов внешних культур.
Важным моментом является тот факт, что между
соответствующим идионимом и ксенонимом образуется связь, в основе
которой лежит использование культуронимов для обозначения одних и
тех же элементов культуры, называемая ксенонимической корреляцией.
В таком случае идионим и ксеноним выступают коррелятами по
отношению друг к другу [1, с.21]. При этом ксеноним для обеспечения
точности наименования должен однозначно возводиться исходному
идиониму, т.е. должен неукоснительно соблюдаться принцип
ксенонимической обратимости – ксеноним должен легко и однозначно
возводиться к своему идиониму-прототипу [1, с.49].
Установление идеального соответствия между прототипом и
способом его передачи в иноязычном тексте называется абсолютной
обратимостью. Абсолютную обратимость могут обеспечить только
ксенонимы-траснплантаты, т.е. такие номинации, которые были
перенесены из языка в язык без каких-либо изменений. Уверенная
обратимость позволяет с высокой степенью надежности восстановить
исходный идионим и проявляется, как правило, в случае заимствования
и традиционно устоявшихся соответствий. В случае проблематичного
восстановления ксенонимической корреляции говорят о неуверенной
обратимости [1, с.49-50].
2. Способы образования ксенонимов
К наиболее продуктивным способам образования ксенонимов
относят заимствование, калькирование и гибридные образования
(образования смешанного типа) [1, с. 81-89] . Рассмотрим их
подробнее на примере ксенонимов русской лингвокультуры в японском
языке.
В интерлингвокультурологии заимствование – самый
распространенный и один из продуктивных способов образования
ксенонимов. «Заимствование в языке межкультурной коммуникации

37
(ЯМО) – это базовый способ образования ксенонимов, обеспечивающий
уверенную ксенонимическую обратимость, то есть такое иноязычное
наименование специфического элемента культуры (идионима), которое
позволяет с высокой степенью надежности восстановить оригинал
(идионим-прототип)» [2, с. 109-114].
Таблица 1. Заимствование при образовании ксенонимоврусизмов
Ксеноним-русизм
Идионим-прототип
シチー
щи
ボルシチ
борщ
ウハー
уха
オクローシカ
окрошка
ピロシキ
пирожки
キセリ
кисель
プリャーニク
пряник
パスハ
пасха
ペリメニ
пельмени
ラッソーリニク
рассольник
ブリン
блин
カーシャ
каша
ウォッカ/ ヴォトカ
водка
クンストカメラ
Кунсткамера
ドゥーマ
Дума
ゼムストヴォ
Земство
ツァール
царь
ボリシェヴィキ
большевики
Мы видим, что основной пласт таких заимствований
составляют названия блюд, а также общественно-политические
ксенонимы. Интересно, что анализ материала показывает, что в
большинстве случаев такие наименования сопровождаются
пояснениями. Например: シチー (キャベツのスープ), オクローシカ ( 野 菜 と 肉 を 刻
み、クワスを 加 えた 冷 たいスープ), ペリメニ ( 水 餃 子 に 似 たダンプリング。シベリア 起
源 。) и т.д. Для записи подобных ксенонимов используется катакана ( 片
仮 名 , カタカナ), т.е. одна из двух графических форм японской слоговой
азбуки, что представляется вполне логичным.
По продуктивности с заимствованием соперничает
калькирование, которое представляет собой «опосредованное
заимствование, когда заимствуется не материальный знак, а либо
воспроизводится его лексическая модель (лексическая калька), либо на
уже существующее слово распространяется под влиянием иностранного

38
слова значение последнего (семантическая калька)» [1, с.85].
Лексическое калькирование представляет собой автоматическую замену
слов и его частей соответствующими единицами (коррелятами) другого
языка.
Таблица 2. Калькирование при образовании ксенонимоврусизмов
Ксеноним-русизм
Идионим-прототип
血 の 上 の 救 世 主 教 会
Храм Спаса-на-Крови
国 家 評 議 会
Государственный совет
社 会 革 命 党 Партия социалистовреволюционеров
自 由 主 義 右 派 十 月 党
Октябристы
古 儀 式 派
Старообрядчество
芸 術 世 界
Мир искусства
黒 土
чернозём
動 乱 時 代
赤 軍
Смутное время
Красная армия
Из представленных ксенонимов видно, что калькирование, в
основном, используется в рамках общественно-политических и
религиозных тематических групп. Ксенонимы образуются с помощью
сложения [5, с.53-54] и представляют собой сложные слова. Интересно
отметить, что зачастую наряду с калькированными единицами
применяются также заимствованные аналоги. Например: 古 儀 式 派 / スタロ
オブリャージェストヴォ, 動 乱 時 代 / スムータ, 赤 軍 / クラースナヤ アールミヤ. Еще
один важный момент заключается в том, что нередко калькирование
происходит не с языка-оригинала, а с языка-посредника, в основном
английского. В данном случае можно говорить об опосредованном
переводе [4, с.87].
Третьим продуктивным способом образования ксенонимов
являются гибридные образования. Гибридные образования –
смешанные ксенонимические образования, состоящие из
калькированных элементов, облегчающих понимание, запоминание и
воспроизведение номинации, и заимствованных элементов,
обеспечивающих ксенонимическую обратимость. [1, с.105].
В.В. Кабакчи выделяет два типа гибридных образований:
полукальку – в этом случае в качестве определяемого слова выступает
родовое понятие (полионим), а в качестве определяющего –
заимствованный идионим и гибридное образование смешанного типа,
включающее в себя описательный элемент. Однако анализ
практического материала показывает, что второй тип практически не
представлен в японском языке.

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Таблица 3. Образования смешанного типа
Ксеноним-русизм
Идионим-прототип
ソヴィエト 連 邦
Советский Союз
アレクサンドル・ネフスキー 大 修 道 院 Александро-Невская лавра
ネヴァ 川
Нева
マリインスキー 劇 場
Мариинский театр
エルミタージュ 美 術 館
Эрмитаж
カザン 聖 堂
Казанский собор
タヴリーダ 宮 殿
Таврический дворец
シュヴァロフスキー 公 園
Шуваловский парк
12 コレギア 館 Здание двенадцати коллегий
プルコヴォ 空 港
аэропорт «Пулково»
巡 洋 艦 アヴローラ
крейсер «Аврора»
Как видно из приведённых выше материалов, образования
смешанного типа присущи, в основном, ономастическим ксенонимам, а
также ксенонимам мира искусства. Производные номинации
представляют собой сочетания, состоящие из идионима,
записывающегося катаканой, а также полионима, обозначающегося
иероглифическим слиянием.
Проанализировав практический материал, можно сделать вывод,
что для различных тематических групп характерны различные способы
образования ксенонимической номинации. Так как знаний носителей
японского языка зачастую оказывается недостаточным для
восстановления ксенонимической корреляции, адресанту часто
приходится сопровождать ксенонимы-русизмы пояснительными
комментариями. Этот факт доказывает периферийность расположения
ксенонимического пласта в словарном составе японского языка. Таким
образом, большая часть ксенонимов является недоступной
неподготовленному читателю.
Библиографический список
1. Кабакчи В.В. Основы англоязычной межкультурной
коммуникации. – СПб.: РГПУ им. А.И. Герцена, 1998.
2. Кабакчи В.В. Англоязычное описание русской культуры.
Russian Culture Through English: Учеб. пособие для студ. высш. учебн.
заведений. – М.: Издательский центр «Академия», 2009.
3. Кабакчи В.В., Белоглазова Е.В. Введение в
интерлингвокультурологию. – CПб.: Изд-во СПбГУЭФ, 2012.

40
4. Прошина З.Г. Английский язык и культура Восточной Азии. –
Владивосток: Изд-во Дальневост. ун-та, 2001.
5. Ефимова С.К., Руфова Е.С. Лексикология японского языка //
[Электронный ресурс] - 2005. Режим доступа:
http://www.ysu.ru/users/itc/sitim//e-books/metod/yapon/lekcikol%20yaya.
Звукоизобразительность в японском языке на примере
гионго и гитайго
Львова Е.С.
Россия, Санкт-Петербург
Явление звукоизобразительности, которое является
центральной категорией фоносемантики, с давних пор вызывает
неугасающий интерес лингвистов. Истоки изучения связи звука и
значения можно найти у античных философов (Платон, Аристотель),
мыслителей средневековья (Фома Аквинский), ученых XVII–XIX веков
(В.фон Гумбольдт, Ф.де Соссюр). Долгое время многие лингвисты
игнорировали звукоизобразительную систему, однако во второй
половине ХХ века интерес к изучению связи между звуком и значением
возрос, и исследователями звукоизобразительности было доказано, что
запас звукоизобразительных слов намного больше, чем это принято
считать. Такие ученые, как В. фон Гумбольдт, А.А. Потебня,
И.А. Бодуэн де Куртенэ, Э. Сепир, Л. Блумфилд, С.В. Воронин,
А.П. Журавлев, А.Б. Михалев, М. Магнус, О.А. Барташова и другие,
занимались проблемой звукоизобразительности и изучали различные
аспекты, связанные с этим понятием.
Объектом фоносемантики является звукоизобразительная
система, которую разделяют на две подсистемы: звукоподражательную
и звукосимволическую. Звукоподражательная подсистема включает в
себя звукоподражательные слова, основой номинации которых является
акустический денотат, т.е. звук. Звукосимволическую систему образуют
номинации, основанные на модальном восприятии по средствам зрения,
обоняния, осязания, слуха и вкуса. Звук в данной системе не является
сферой мотивации начальной денотации звукосимволического слова.
Психофизиологической основой звукосимволического слова являются
кинемы (различные жестовые движения, служащие мимическими
подражаниями «внешним» неакустическим объекта) и явление
синестэмии (явление, учитывающее помимо чисто сенсорных переносов,

41
и эмоциональные переносы). Кроме того, среди основных принципов
фоносемантики выделяют: принцип не-произвольности языкового знака,
принцип детерминизма, принцип отражения, принцип целостности,
принцип многоплановости и его следствия [1, с. 166-174].
Звукоизобразительность тесно связано с явлением ономотопеи,
которая согласно словарю Ахмановой О.С. представляет собой
«условное воспроизведение звуков природы и звучаний,
сопровождающих некоторые процессы (дрожь, смех, свист и т.п.) и
крики животных, а также создание слов, звуковые оболочки которых в
той или иной степени напоминают называемые (обозначаемые)
предметы и явления» [2, с. 288, 157]. В японском языке
звукоизобразительная лексика широко распространена и в основном
представлена в виде 擬 音 語 («гионго»- звукоподражательные слова,
имитирующие звуки) и 擬 態 語 («гитайго» - слова, передающие состояние
предмета, которые можно отнести к звукосимволической системе).
Среди гионго и гитайго встречаются практически все части речи, как то:
• Имена существительные (ピチ T シャツ-рубашка в обтяжку;
のろのろ 運 転 -ехать на машине медленно; ピリ 辛 -обжигающе острый и т.д);
• Имена прилагательные (ツルツルのお 肌 -гладкий;ツンツンの 頭 -
взъерошенная голова и т.д.);
• Наречия ( キラキラと 輝 く-ярко блестеть; ピ カ ピ カ に 磨 く -
натереть до блеска; スラスラ 書 く- писать с легкостью и т.д.);
• Глаголы (イライラする - злиться, нервничать; ニコニコするулыбаться;
ぺこぺこする-проголодаться и т.д.).
В процессе исследования гионго и гитайго было выявлено, что
большинство звукоизобразительных лексических единиц данного типа
образуется путем редупликации фонестем (фонема или комплекс фонем,
общий для группы слов и имеющий общий элемент значения или
функцию [3, c. 83-84.]).
При изучении лексических единиц гитайго и гионго, было
обнаружено, что данные примеры ономотопеи широко употребляются
как в повседневной речи японцев, так и фиксируются в письменных
источниках (манга, словари и т.д.). К примеру, в широко известной
манге «Наруто» [4] были найдены следующие яркие примеры
исследуемого явления:
• がんがん (gangan) — звук ударов по железному предмету;
• ばんばん (banban) — звук сильных ударов рукой или какимлибо
предметом по столу;
• ぱ ん ぱ ん (panpan) — звук несильных ударов рукой по
предмету;

42
• どんどん (dondon) — звук сильных ударов кулаком по двери,
дереву, стене, барабану и т.п.
• とんとん (tonton) — звук несильных ударов по двери, по плечу
и т.п.
Отличительной особенностью звукоизобразительной
характеристик лексических единиц гионго и гитайго, является легкое
декодирование японцами семантики подобных слов. При этом, у не
носителей языка могут возникнуть сложности с декодировкой значения,
так как многие гионго и гитайго не фиксируются в словарях и являются
окказиональным словотворчеством. В связи с чем нельзя не упомянуть
определение окказионализма: окказионализм – это экспрессивная
лексическая единица, созданная автором как по продуктивным, так и по
непродуктивным словообразовательным моделям, не зафиксированная в
словарях, но обладающая значением, складывающимся из значений
составляющих его компонентов, которая обладает свойствами
невоспроизводи-мости, ненормативности, номинативной
факультативности, словообразовательной производимости,
функциональной одноразовости, индивидуальной принадлежности и
синхроннодиахронной диффузности [5, c. 153-166], [6].
Существует пример окказионального ономотопа “ ベロン”
(beron) для описания неприятного ощущения от кожи вареной курицы,
придуманный японцем для более полного выражения своих эмоций [7].
Таким образом, мы видим, насколько широко распространен
звукоизобразительный пласт лексики в японском языке. Естественно,
данная статья представляет собой лишь краткий обзор, и не является
исчерпывающим описанием такого интересного и многогранного
языкового явления, как звукоизобразительность, которая представляет
особый интерес для современных лингвистов и является открытой для
дальнейшего изучения. Однако мы надеемся на дальнейшее развитие
этой области лингвистики в будущем.
Библиографический список
1. Воронин С.В. Основы фоносемантики. – Л., 1982.
2. Ахманова О.С. Словарь лингвистических терминов. Изд. 3-е,
стереотипное. – М.: КомКнига, 2005.
3. Householder F.W. On the Problem of Sound and Meaning, an
English Phonestheme // Word. – 1946. – № 2. – С. 83-84.
4. http://www.diary.ru/~naruto-canon/
5. Ханпира Э. Об окказиональном слове и окказиональном
словообразовании // Развитие словообразования современного русского
языка. – М., 1966. – С. 153-166.

43
6. Бабенко Н.Г. Окказиональное в художественном тексте.
Структурно-семантический анализ: Учебное пособие. – Калининград,
1997.
7. http://j.cooljapan.ru/archives/1003
Различия по гендерному признаку на примере
модально-экспрессивных частиц
Пархачев Д.С.
Россия, Санкт-Петербург
Ключевые слова: гендерный аспект, модально-экспрессивные
частицы, мужские частицы, женские частицы, нейтральные
частицы
Гендерный аспект является очень важным фактором в
переводческой деятельности, ведь он несет в себе информацию,
которую необходимо передать при переводе с одного языка на другой.
Данная тема очень актуальна и, как следствие, требует более глубокого
исследования для определение роли гендерного аспекта в языке и какие
единицы языка употребляются мужчинами и женщинами. Для
исследования берется речь индивида и выделяются некоторые
избранные особенности, присущие полу.
Язык - явление социальное, и некоторые гендерные
особенности присущи определенной стране изучаемого языка. Ярким
примером является японский язык, где гендерный аспект ярко выражен.
Впервые гендерный аспект был обнаружен в социологических
исследованиях, но впоследствии он заинтересовал многих лингвистов и
приобрел большое значение.
Термин «гендер» был введен американским психоаналитиком
Робертом Столлером в 1958 году. В 1963 г. он выступил на конгрессе
психоаналитиков в Стокгольме, сделав доклад о понятии социополового
или же гендерного самоосознания. Совместно с эндокринологом
Джоном Мони, им удалось установить разницу между терминами sex и
gender. Первый термин является предметом изучения таких наук как
биология, в то время как второй изучают культурологи, социологи,
психологи, и, смотря на нынешнее состояние - лингвисты.
Касательно развития японского языка существует достаточно
много версий на счет различий женской и мужской речи.

44
Кончено же, в современной Японии имеется четкое
разграничение женской и мужской речи, хоть и отмечается, что
осознание того, какие именно слова стоит и не стоит употреблять
женщине, появляется довольно поздно, по сравнению даже с кэйго или
со спряжением глаголов.
В.М Алпатов в своем труде «Япония: язык и культура»
утверждает, что все-таки логично, что различия в японской речи
женщин и мужчин – явление скорее культурно-социальное, а не
языковое. Человек, находясь в обществе, перенимает нормы, которое
это общество ему диктует, и, в конечном итоге, все перетекает в
привычку.
Если говорить о нашей современности, то на сегодняшний день
именно та женская речь, которую мы можем услышать от современных
японок – ни что иное, как последствие модернизации японского языка в
период Мейдзи. Новые условия жизни и индустриализация оставила
значимый след на речи женщин.
Четко проследить изменение норм женской речи можно среди
токийских студенток того периода, которые часто стали пускать в
оборот частицы わ(wa) и の(no). Конечно же, такая манера речи не
была воспринята хорошо критиками и приверженцами старых
лингвистических норм. Считалось, что «новая» женская речь придает
вульгарность и излишнюю раскрепощенность среди молодых женщин, а
также звучит грубо, разрушая все представления о классической манере
речи того же периода Эдо.
В ХХ веке вместе с новыми выражениями в женской речи,
которые, как указано выше, изначально не были приняты, появились и
заимствования из западных языков. Так же одежда, прически и новый
стиль жизни оставили яркий отпечаток на речи молодых японок. Хотя,
следует отметить, что изначально использование частиц わ(wa) и の
(no) считалось не нормой языка, а скорее диалектизмом. Но, с другой
стороны, женщины того времени смогли не просто сделать модной
свою речь, но и изменить устоявшиеся нормы языка.
Однако стоит также добавить, что на речь женщин повлияло
распространение буддизма. Согласно учениям буддистов, женщина
стояла ниже мужчины и, следовательно, это сильно отразилось и на
женской речи. Большое количество табу, определенные правила
поведения и этические нормы того времени сформировали женскую
речь, что, в итоге, имеет прямой отголосок в современном японском
языке, несмотря на то, что многие из конструкций женской речи ушли в
прошлое.

45
Если вернуться к теории Ориэ Эндо, то она в своем труде
«История культуры женской речи» считает, что на женскую речь все же
повлиял язык придворных дам 女 房 言 葉 (Nyooboo kotoba) XIV века. 女 房 言 葉
до сих пор является идеалом и эталоном женской речи. Стоит отметить,
что долгое время 女 房 言 葉 не было чисто речью женщин. Им
пользовались все люди высшего сословия и люди благородных кровей.
Считалось хорошим тоном говорить возвышенно и вежливо вне
зависимости от гендерного признака.
Однако ближе к нашим дням, многие ученые лингвисты сочли,
что все же женщина должна максимально приблизить манеру своей
речи к классической nyooboo kotoba. Они посчитали, что именно такая
речь указывает на воспитанность и образованность, а вежливые
конструкции лишь подчеркнут грацию женской речи и выставят
говорящую в наилучшем свете. Конечно же, с другой стороны, был
огромный минус и почти шаг назад: Такая тонкая и вежливая речь у
женщин могла означать только одно - при общении с мужчинами
женщина должна себя вести очень робко и скромно. Но тем не менее,
это приобрело ценность среди японцев, если женщина говорила в
манере 女 房 言 葉 .
Стоит тут упомянуть, что положение женщины в Японии всегда
было ниже, чем у мужчин, и эта разница всегда была на поверхности.
Женщина, с ее кроткой и вежливой речью, была в образе примерной
жены и домохозяйки. Конечно, это и подкупало современных
лингвистов, и так и было решено, что идеальная японка не может быть
идеальной без такой речи.
Сложно было бы представить, если бы навязанные нормы речи
действительно продержались бы долго. Начиная с 1970 года, женская
часть населения Японии стала усиленно бороться за свои права.
Это течение, выступавшее за равноправие и демократию,
пришло с запада, как и многие другие вещи, реалии и понятия.
Женщины отказывались от старых норм просто потому, что
больше никто не хотел себя ощущать стоящей ниже по отношению к
мужчинам. Избавление от вежливых форм и становление резкости и
грубости на первый план в речи давали женщинам уверенность в том,
что они имеют права наравне с мужчинами. Лексический состав
женщин стал пополнятся вульгаризмами, грубыми частицами и, вскоре,
язык женщины, практически, стал мужским. Рамки гендерных различий
оказались постепенно стерты.
Гендерный аспект может проявляться на нескольких уровнях:
1. Фонологический - различия фонемного состава,
различия в интонации.

46
2. Морфонологический - различия в использовании
определенных морфмем.
3. Морфологический - разница в категории адрессива и
гоноратива, разница в формах вежливости.
4. Морфосинтаксический - различия в виде модальноэкспрессивных
частиц.
5. Синтаксический - различия в оформлении составного
именного сказуемого.
6. Лексический - различия в лексическом составе,
различия в употребляемых местоимениях.
Различия можно рассмотреть на примере сравнений на
морфосинтаксическом уровне японского языка, а именно на примере
модально-экспрессивных частиц. Эти частицы играют важную роль в
японском языке, как писал Алпатов: «Эти частицы занимают очень
большое место в разговорных вариантах японского языка. Наряду с
частицами, существующими в мужском и женском вариантах (нэ и др.),
существуют частицы, встречающиеся только в одном из них. Такие
частицы - одна из самых ярких особенностей мужского и женского
вариантов. Как правило, при письменной фиксации японской речи пол
говорящего легко устанавливается по наличию тех или иных частиц».
Гендерный аспект может проявляться на трех уровнях:
1. Мужские частицы ( 男 らしい(otokorashii))- ярко окрашенные
частицы, употребление которых присуще мужскому населению.
2. Женские частицы ( 女 らしい(onnarashii)) - ярко окрашенные
частицы, употребление которых присуще женскому населению.
3. Нейтральные частицы ( 中 性 ら しい(chuuseirashii)- частицы,
употребляемые в равной мере мужчинами и женщинами.
Изначально, границы между употреблением той или иной
частицы были четко выделены, однако, с эволюцией языка, эти границы
постепенно размываются, и ярко окрашенные гендерные частицы могут
стать нейтральными, и можно столкнуться с ситуацией, когда женщина
использует в своей речи явную мужскую частицу ぞ(dzo). Заметно
уменьшенное использование женской частицы か し ら 、 близким
эквивалентом которой является английское «i wonder»(мне интересно),
что возможно указывает на рост женщины в обществе и ее уверенность
в себе. Женщины все чаще и чаще начинают прибегать к
использованию мужских особенностей речи. Мужчины же не стремятся
отказываться от своей маскулинности, а даже наоборот, стремятся
усилить ее, отказываясь от фемининных особеностей речи. Это заметно
в уменьшении использование таких частиц как «な»(na), «の»(no)
«ね»(ne).

47
Очевидно, что использование той или иной частицы тесно
связано с индивидуальными характерными особенностями говорящего,
и порой выбор частицы может быть обусловленными внешними
факторами и определенным контекстом. Т.е вполне возможно
использование частица для создания эмоциональной насыщенности, как
в случае с частицой よ ( yo)、чье использование в японском языке
схоже с использованием восклицательного знака в русском языке,
однако в случае русского языка, восклицание выделяется только
интонацией говорящего. Возможно так же использовать частицы для
создания аппелятивного характера речи, с помощью частицы ね(ne),
которая как раз относится к нейтральным частицам, т.к она может равно
встречаться в речи как мужчин, так и женщин.
К частицам с ярко выраженной мужской гендерной
составляющей можно отнести частицы ぞ (dzo) и ぜ(dze), к частицам с
ярко выраженной женской гендерной составляющей можно отнести
частицы かしら(kashira)、わ(wa)、の(no).
Можно выделить частицы, которые употребляются независимо
от пола говорящего, и чаще всего, имеющих множество значений. К
таким частицам можно отнести частицы な(na) , さ(sa)и よ(yo).
Оставшиеся же частицы когда-то были присущи определенному
полу, однако с нынешней тенденцией развития языка, эти границы
постепенно стираются, хоть и все еще наблюдается некое преобладание
в использовании данных частиц мужским полом. Такими частицами
являются частицы ね и や。
В зависимости от того, к какой группе относятся те или иные
частицы, нужно выбирать правильный и подходящий вариант перевода.
Так как в русском языке гендерный аспект не проявляется достаточно
ярко, появляется необходимость в использовании переводческих
трансформаций. Данные трансформации необходимы при переводе
частиц, относящихся к мужской или женской группе, так как они
указывают на мужественность и женственность. В случае же с
нейтральной группой, перевод гендерного аспекта возможен, но не
является необходимостью.

48
ЯПОНСКАЯ ЛИТЕРАТУРА:
РАСПРОСТРАНЕНИЕ В МИРЕ И ПЕРЕВОД
日 本 文 学 : 世 界 への 普 及 と 翻 訳
Влияние семантической модификации термина «дзёрю
бунгаку» на оценку творчества Ариёси Савако
Иванова Ю.В.
Россия, Владивосток
Ключевые слова: «дзёрю бунгаку», «дзёсэи бунгаку»
(«литература женского потока»), феминное письмо, маскулинное
письмо, дифференциация литературы по гендерному признаку
Творчество Ариёси Савако пришлось на 1956–1984-е гг. ХХ в.,
время окончания американской оккупации (1945−1952), эру высоких
темпов экономического роста (1950−1970) и деятельность
представительниц женского движения («уман рибу», 1970). Социальные
трансформации и их последствия оказали влияние на тематику
произведений Ариёси Савако, в основе которых лежал собранный
автором материал о современных проблемах японского общества.
Отвечая требованиям времени, ее работы были выполнены в разных
жанрах (романа, рассказа, новеллы, репортажа), что свидетельствует о
динамическом развитии личности писательницы и ее активной
авторской позиции.
В японском литературоведении Ариёси Савако принято
относить к группе женских авторов – представительниц литературы
«женского потока» («дзэсэи бунгаку»), существовавшей внутри
«третьего послевоенного поколения писателей» («даисанно синдзин»).
С 1900-х гг. для обозначения группы женских авторов и женского
творчетва был введен специальный термин – «дзёрю бунгаку», который
с 1970-х гг. модифицировали в – «дзёсэй бунгаку». Вместе с
трансформацией его семантики изменилась критическая оценка
произведений, написанных авторами-женщинами. В связи с тем, что
деятельность Ариёси Савако совпала с этим процессом, видится
необходимым исследовать его этапы и итог эволюции, сказавшиеся на
отношении литературоведов к сочинениям Ариёси Савако.
Возобновление женской писательской деятельности считается
профессором японского женского университета Ивабути Хироко и ее

49
коллегой из международного университета Дзёсай Китада Сатиэ
следствием послевоенной политики американского командования по
эмансипации женщин 1 . Они подразумевали пункты Новой конституции
Японии, касающиеся взаимоотношений полов: женщине вернули права
и гарантии не только в семейной, но и социальной жизни. Некоторое
время конституционные нововведения оставались только на бумаге, что
сказывалось на отношении к женскому творчеству.
Прежде всего, это выражалось в терминологии. Термин «дзёрю
бунгаку» вошел в обращение в 1900-е гг. с первыми публикациями
работ, посвященных женскому творчеству в Японии. Он подразумевал
создание женскими-авторами «просто легкой, романтической и
эмоциональной» литературы в жанре хэйанской классики – моногатари
и в свойственном ему феминном стиле. Жанр сёсэцу («роман» в его
западном понимании), активно использовавшийся мужскими авторами,
предполагал создание современных, продуманных работ, более
похожих на западные образцы романов, к которым работы женских
авторов не могли быть отнесены.
Активные дебаты о соответствие феминного и маскулинного
стилей женскому письму пришлись на 1950-е гг., начало творчества
представительниц литературы «женского потока», у истоков которого
стояла Ариёси Савако. Критики отметили, что в сочинениях
писательниц появились темы, несвойственные феминному стилю.
Историк женской литературы Итагаки Наоко отмечала, что впервые
изображение современных социальных проблем появилось в
сочинениях писательниц 1920-х гг. и стало отличительной чертой их
творчества 2 . Одагири Хидэо, критик левого крыла, работавший в начале
1970-х гг., говорил о преемственности писательницами 1950-х гг.
традиции описания «социального сознания» и продолжал
дифференцировать литературу по гендерному принципу и авторским
стилям письма 3 .
Говоря, что феминный стиль свойственен не всем авторам,
литературный критик Накамура Мицуо в 1953 г. разделил
представительниц «литературы женского потока» на две группы 4 . В
первую вошли авторы-женщины, чья манера написания походила на
1
岩 淵 宏 子 、 北 田 幸 恵 。はじめて 学 ぶ 日 本 女 性 文 学 史 . – 京 都 , 2005. – 252 頁 . Ивабучи Хироко,
Китада Сатиэ
2
板 垣 直 子 。 明 治 、 対 照 、 昭 和 の 女 流 文 学 。 桜 楓 社 , 1967. P. 117.
3
小 田 切 秀 雄 . 現 代 の 作 家 :その 意 味 と 位 置 . 冬 樹 社 , 1972. P. 172.
Odagiri Hideo. Contemporary writers: Their meaning and position. Tojusha, 1972.
4
Ericson J. E. Be a woman. Hayashi Fumiko and Modern Japanese Women`s
Literature.Honolulu: University of Hawai`I Press, 1997. – P. 13.

50
мужскую. Среди них выделил Миямото Юрико и Хирабаяси Таико
(1905-1972). Во вторую – писательницы, обладающие «феминной
чувствительностью» и создающихе «женскую литературу», где ярким
примером, по мнению критика, стала Хаяси Фумико.
Вероятно, стимулом к данной градации послужила работа
Миямото Кэндзи – «Мир Миямото Юрико» («Миямото Юрико но сэкаи,
1951»). По причине использования иного стиля для описания событий в
произведениях, муж Миямото Юрико, Миямото Кэндзи, впервые в
истории японской литературы отделил свою жену, а также Цубои Сакаэ
(1899-1967), Сата Инэко, Ногами Яэко (1885-1985) и Хаяси Фумико от
«потока женской литературы». Он написал биографическую книгу о
жизни Миямото Юрико, где представил ее не как женщинуписательницу
(дзёрю сакка), но как важную фигуру в японской
литературе и интеллектуального писателя пролетарской школы, чье
творчество отличалось рациональным подходом к описанию
действительности. В биографии своей жены он также уделил особое
место рассказу о распространенных в Японии того времени гендерных
стереотипах, которые определяли издания, где женщина могла
публиковать свои работы, и ожидания редакторов.
В отношении нее и других женщин, названных выше, Миямото
Кэндзи использовал слова «дзёсэй» и «фудзин» (женщина), избегая
термина «дзёрю» 1 . Тем самым, в литературоведении было
зарегистрировано мнение о том, что литературный стиль современных
писательниц отличается от феминной манеры хэйанских авторов. В
связи с этим, становилось нелогичным причисление их к дзёрю бунгаку,
его жанру и манере написания произведений. Однако мы видим
расхождения во мнениях двух ученых относительно творчества Хаяси
Фумико, где один из них считает ее манеру феминной, а другой
отделяет от потока «женской литературы».
В 1970-х гг. в критическом литературоведении продолжалась
традиция дифференциации литературы по гендерному признаку.
Критик Одагири Хидэо, активно работающий в первую половину 1970-х
гг., восхвалял работы отдельных писательниц, но относил их к «потоку
женской литературы». По его мнению, все сочинения писательниц
объединяли общие черты, отделяющие их от работ, написанных
мужскими авторами 2 .
1 Schalow P. G. The woman`s hand: Gender and Theory in Japanese Women`s Writing. Stanford,
California: Stanford University Press, 1996. – P. 95.
2 Ericson J. E. Be a woman. Hayashi Fumiko and Modern Japanese Women`s Literature.
Honolulu: University of Hawai`I Press, 1997. – P. 86.

51
В поддержку женских авторов выступал литературный критик
Окуно Такэо, который считал, что мужчинам-авторам необходим
женский голос, чтобы создавать свои сочинения. Ввиду того, что
премия литературы «женского потока» была ранее учреждена
издательством журнала «Чуо Корон», критик предложил учредить
специальную литературную премию «данрю» («мужской стиль») 1 .
Вероятно, советуя создать мужской аналог литературной награды, он
попытался смягчить ситуацию с разделением авторов по гендерному
принципу.
Исследователи и литературоведы, пытаясь доказать, что
феминный стиль не свойственен произведениям современных
писательниц, продолжали проводить текстологические анализы и
сравнивать литературные вокабуляры мужских и женских авторов. Из
данных майского издания журнала «Национальная литература»
(«Кокуминбунгаку», 1967) стало ясно, что работы писательниц
отличались меньшим количеством эмоциональных выражений
(«кандзётэки хёгэн»), значительной независимостью суждений и
объективностью («дзирицусэй кяккансэй»), чем сочинения авторовмужчин
2 . Следует отметить, что все это происходило с целью признания
литературными кругами женского творчества и отмены устаревшей
семантики термина «дзёрю бунгаку».
В 1970 г. благодаря выступлениям активисток по женской
эмансипации, «поток женской литературы», в его японском варианте,
известный как «дзёрю бунгаку», был переименован в «дзёсэй бунгаку».
Тем самым на семантическом уровне произошло утверждение того, что
специфичный феминный стиль женского письма, распространенный в
эпоху Хэйан (794-1185), более не вмещал всего разнообразия подходов
женщин-авторов к литературе, так же как и жанр моногатари, к
которому относили их работы.
На первый взгляд современным писательницам удалось убедить
критиков и литературные круги, что классические каноны женского
письма, его темы и герои в ХХ в. не соответствуют произведениям
женских-авторов. Однако привыкшие к первоначальному термину
писатели, исследователи и читатели не смогли сразу активно
использовать его новый эквивалент. Вероятно, по этой причине в кругу
писательниц появились те, кто хотел, чтобы их перестали причислять к
«потоку», вне зависимости от его названия.
1 Ericson J. E. Be a woman. Hayashi Fumiko and Modern Japanese Women`s Literature.
Honolulu: University of Hawai`I Press, 1997. – P. 28.
2 Schalow P. G. The woman`s hand: Gender and Theory in Japanese Women`s Writing. Stanford,
California: Stanford University Press, 1996. – P. 94.

52
Подтверждением этому служат слова Цусима Юко (род. в 1947),
которая «в 1991 г. заявила, что она пыталась искоренить
сентиментальность из своего стиля и дистанцироваться от
представительницы литературы “женского потока”» 1 . Она также
отделяла современных писательниц, Ариёси Савако и Соно Аяко, от тех
женщин-авторов, которые активно работали в 1920-х гг. и полагались на
страсть и энтузиазм («дзёнэцу»), чтобы достичь успеха. Цусима Юко
считала Ариёси Савако и Соно Аяко умными и неэмоциональными
писательницами, которые наряду с Курахаси Юмико и Кусака Юко,
были представительницами первого послевоенного поколения
образованных женщин-писательниц, чьи работы характеризовались
интеллектуальностью, ироничностью и иногда черным юмором.
Другие писательницы также выражали свою позицию по этому
вопросу: «Сэтоути Харуми настаивала не только на упразднении
разделений внутри литературы, но и специальных премий для авторовженщин,
учрежденных в большом количестве в последние пятьдесят лет
и играющих значительную роль в продвижении женской литературы.
Сата Инэко отрицала наличие клейма на термине, однако признавала,
что была рада, когда критики написали об оригинальности ее авторских
идей, отличных от тех, которые выражали писательницы-женщины» 2 .
В качестве итога активным дебатам, продолжающимся с 1950 гг.,
следует привести мнение литературного критика Кавамура Дзиро. В
специальном декабрьском издании журнала «Национальная литература»
(«Кокумин бунгаку», второе издание, 1980) он подчеркнул изменения,
произошедшие в последние годы в использовании термина «дзёрю
бунгаку»: «Если вы скажете дзёрю бунгаку, то вам придется понять,
каким человеком был автор и чем он занимался. Сам же термин «дзёрю
бунгаку» в наши дни больше под собой ничего не подразумевает» 3 .
В данной критической оценке мы видим результат сложного
эволюционного пути термина «женская литература». Несмотря на
успех писательниц и представительниц женского движения, мы видим,
что критик Кавамура Дзиро использовал первоначальный термин –
«дзёрю бунгаку», подразумевая под ним смысл нового. Он также
утвердил, что в критике продолжали придерживаться оригинального
термина и дифференцировать литературу по гендерному признаку.
Другой критик, Китада Сатиэ, объяснил данную ситуацию с термином:
«Термин “дзёрю бунгаку” является приемлемым потому, что
1 Schalow P. G. The woman`s hand: Gender and Theory in Japanese Women`s Writing. Stanford,
California: Stanford University Press, 1996. – P. 103.
2 Там же. – С. 75-76.
3 Ericson J. E. Be a woman. Hayashi Fumiko and Modern Japanese Women`s Literature.
Honolulu: University of Hawai`I Press, 1997. – P. 30.

53
подразумевает “женское современное”» 1 . Из этого мы можем сделать
вывод, что, несмотря на достижения представительниц «женского
движения» и трансформацию термина в «дзёсэй бунгаку»,
исследователи японской литературы продолжали использовать его
первоначальную форму, но уже с другим значением.
Таким образом, исследуя материалы современных ученых по
творчеству Ариёси Савако, становится понятным использование ими
обоих терминов «дзёсэи бунгаку» и «дзёрю бунгаку» по отношению к
литературному наследию японской писательницы. Обнаружение
отзывов современниц Ариёси Савако, утверждающих ее особую манеру
написания произведений и выбор тем, позволяет сделать вывод, что ее
авторская позиция и творчество выделялись, считались современными и
высоко оценивались среди представительниц литературы «женского
потока» 2 .
万 葉 集 について ~ 統 合 と 鎮 魂 の 歌 集 ~
木 ワード: 万 葉 集 、 日 本 人 の 精 神 、 歌 の 形 式
永 田 慧
日 本 、 岐 阜 県
はじめに
・ 春 過 而 夏 来 良 之 白 妙 能 衣 乾 有 天 之 香 来 山 ( 万 葉 集 原 文 )
・ 春 過 ぎて 夏 来 るらし 白 栲 の 衣 干 したり 天 の 香 具 山 ( 訓 読 み)
・ 春 が 過 ぎてどうやら 夏 が 来 たらしい。 白 い 着 物 が、 天 の 家 具 山 の 辺 りの
家 々に 干 してあることだ。( 現 代 語 訳 )
この 歌 は 万 葉 集 の28 番 目 に 載 せられている 持 統 天 皇 の 作 った 歌 である。 春
は 花 咲 く 季 節 でありがなら、 空 気 は 霞 み 雨 も 多 く、どこかぼんやりとした 季 節 である。
対 照 的 に 夏 は 太 陽 の 光 に 満 ちた 季 節 である。この 歌 には 季 節 が 春 から 夏 へ 移 り 変 わっ
ていく 風 景 が 見 事 に 描 かれている。 日 本 人 は 昔 から、 人 間 や 動 物 、 植 物 ばかりか 山 や
川 にも 生 命 が 宿 るという 世 界 観 を 持 ち 自 然 を 神 として 崇 めてきた。 現 在 でもほとんど
の 神 社 や 寺 は 自 然 に 溢 れている。そしてこの 歌 が 出 来 た 時 代 (7 世 紀 後 半 )、 日 本 の
首 都 は 現 在 の 奈 良 県 にあり、 天 の 家 具 山 はその 中 でも 最 も 尊 い 山 とされていた。 新 緑
に 恵 まれた 神 の 山 である 天 の 香 具 山 、そしてその 辺 りの 家 に 干 された 白 い 着 物 が、 太
陽 の 光 を 浴 び 美 しい 緑 と 白 のコントラストを 生 み、その 風 景 の 中 に 持 統 天 皇 の 晴 れ 晴
れとした 気 持 ちが 見 事 に 映 し 出 されている。
1 Kitada S. Contemporary Japanese Feminist Literary Chriticism // Japan Women`s Journal
(English Supplement). – 1994. – 7. – P. 72-97.
2
Исследование выполнено при финансовой поддержке гранта Дальневосточного
федерального университета. Программа «Научный фонд». Проект «Проблемы
современной японской литературы и литератур Восточной Азии». № 12-05-04110-01.

54
万 葉 集 の 歌 には 様 々な 種 類 の 歌 があり、そしてたくさんの 個 性 的 な 歌 人 の 歌
が 収 められている。その 特 徴 としては、 技 巧 的 ではなく 自 分 のありのままの 気 持 ちを
素 朴 かつ 率 直 に 歌 ったものが 多 いといわれる。ありのままを 歌 うことで 人 は 自 然 や 神
と 繋 がりそしてそこに 自 分 の 気 持 ちが 現 れる。そこには 共 生 と 言 う 言 葉 だけでは 表 現
することが 出 来 ない 大 いなる 統 合 がある。
また 現 代 では“ 訓 読 み”という 読 み 方 で 万 葉 集 を 読 むことが 多 いが、 万 葉
集 の 原 文 は、 万 葉 仮 名 と 呼 ばれる 特 殊 な 漢 字 の 使 い 方 によって 表 記 されている。 漢 字
は 本 来 、 字 そのものに 音 と 共 に 意 味 が 含 まれている。しかし 中 国 で 生 まれた 漢 字 で 日
本 の 歌 を 表 現 するのは 難 しく、 試 行 錯 誤 の 中 で、 日 本 語 特 有 の“てにをは”と 呼 ばれ
る 助 詞 や 助 動 詞 には、 漢 字 を 意 味 ではなく 音 を 表 現 するためだけに 使 用 するようにな
る。
やがてそれが 発 展 していき、 現 在 でも 使 われている 仮 名 が 生 まれるのである。
そして 仮 名 が 生 まれたことにより、 日 本 人 の 心 を 今 まで 以 上 に 文 学 の 中 に 表 現 出 来 る
ようになり、「 源 氏 物 語 」などの 優 れた 長 編 の 文 学 が 生 まれたのである。
万 葉 集 は 日 本 に 現 存 する 最 古 の 歌 集 である。 古 代 の 歌 人 たちの 歌 声 が、 日
本 を 超 えロシアの 大 地 にも 届 くことを 願 っている。
1. 万 葉 集 の 成 立
万 葉 集 には 約 4500 首 の 歌 が 収 められており、 時 代 的 に 一 番 古 いものは5
世 紀 後 半 頃 の 磐 姫 皇 后 の 歌 と 伝 えられている、
君 が 行 き 日 長 くなりぬ 山 だづね 迎 えか 行 かむ 待 ちにか 待 たむ
( 現 代 語 訳 )あなたが 行 ってしまってからもう 長 い 月 日 が 経 ちました。 山 を
訪 ねてあなたを 迎 えに 行 きましょうか。それともひたすらここで 待 ちましょうか。
という 歌 であり、 一 番 新 しい 歌 は759 年 に 大 伴 家 持 によって 作 られた、
新 しき 年 の 初 めの 初 春 の 今 日 降 る 雪 のいやしけ 吉 事
( 現 代 語 訳 ) 新 しい 年 、 正 月 の 初 めの 日 、 今 日 降 る 雪 が 積 もっていくように、
どうか 良 いことが 重 なっておくれ
という 歌 である。つまり 万 葉 集 には 約 400 年 間 の 歌 が 収 められていること
になるが、その 大 半 を 舒 明 天 皇 の 時 代 629 年 からの 約 130 年 間 の 歌 が 占 めている。
しかしいつ 誰 がどのような 目 的 で 万 葉 集 を 編 集 したのかは 明 らかではなく、 学 者 によ
って 様 々な 意 見 が 述 べられているが 未 だ 確 かな 答 えは 見 つかっていない。そのためこ
こではその 中 の 一 説 を 紹 介 することにする。
万 葉 集 は 全 20 巻 にも 及 ぶ 膨 大 な 量 の 歌 集 であり、 恐 らく 幾 人 もの 人 が 編
集 に 携 わり 何 回 かにわたり 編 集 が 行 われたと 思 われる。まず1、2 巻 が 当 時 の 貴 族 、
橘 諸 兄 を 中 心 に 編 集 を 行 い753 年 に 完 成 し、 残 りの18 巻 が770 年 から780 年
にかけて 当 時 の 貴 族 、 大 伴 家 持 を 中 心 に 編 集 され、 前 の2 巻 と 合 わせこの 頃 ほぼ 全 2
0 巻 が 完 成 していたと 推 測 される。そして 日 本 の 首 都 が 現 在 の 奈 良 県 から 現 在 の 京 都
府 に 遷 った 後 の 平 城 天 皇 の 時 代 に、 天 皇 の 命 令 により 改 めて 編 集 が 行 われ806 年 に
本 格 的 に 完 成 したとされる。
しかし 大 伴 家 持 が 亡 くなるのは785 年 であり 大 伴 家 持 は759 年 から26
年 間 歌 を 作 っていないことになる。そしてそれは 同 時 に 本 格 的 な 完 成 である806 年
までの47 年 間 の 歌 が 万 葉 集 に 載 せられていないということである。 万 葉 集 は 謎 の 多
い 歌 集 であり、それも 万 葉 集 の 一 つの 魅 力 である。

55
2. 万 葉 集 の 特 徴
1、 歌 の 形 式
万 葉 集 の 歌 には 様 々な 形 式 があるが、ここではその 大 半 を 占 める3つの 歌 の
形 式 を 紹 介 する。
・ 旋 頭 歌 約 60 首
リズムは5、7、7、5、7、7で 歌 われる。 個 人 で 歌 われたものではなく、
集 団 で 歌 われ、 民 衆 によって 歌 い 継 がれてきたものが 多 いとされている。
・ 短 歌 約 4200 首
リズムは5、7、5、7、7で 歌 われる。 主 に 個 人 が 作 りそして 歌 っ
たものとされる。この 形 式 は 現 在 でもポピュラーな 形 式 である。
・ 長 歌 約 260 首
リズムは5、7を3 回 以 上 繰 り 返 し 最 後 を5、7、7で 結 ぶ 歌 。 長 い
歌 になると5、7を200 回 近 く 繰 り 返 すものがある。そして 長 歌 の 後 には 反 歌 と 呼
ばれる 短 歌 形 式 の 歌 が 添 えられる 事 が 多 い。なお 万 葉 集 以 後 の 歌 集 では 長 歌 がほとん
ど 作 られなくなる。 江 戸 時 代 に 流 行 する 俳 句 はリズムが5、7、5でたった17 文 字
である。 日 本 文 化 の 特 徴 の 一 つに“ 短 縮 ”ということがよく 挙 げられるが、 万 葉 集 に
はその 特 徴 に 反 してたくさんの 長 歌 が 歌 われていることも 大 きな 特 徴 と 言 えるだろう。
2、 歌 集 としての 特 徴
万 葉 集 には 様 々な 人 の 歌 が 載 せられている。そこには 天 皇 や 皇 族 、 貴 族 だけ
ではなく 当 時 の 一 般 の 民 衆 の 歌 も 多 く 載 せられている。 当 時 の 民 衆 は 文 字 を 書 くこと
が 出 来 ない 人 が 多 く、 恐 らくは 万 葉 集 を 編 集 した 人 が、 民 衆 から 歌 を 聞 き 文 字 にして
残 したのだろう。またその 民 衆 の 歌 には 身 分 の 高 い 人 が 歌 った 歌 に 似 ているものがあ
り、 逆 に 身 分 の 高 い 人 の 歌 には 民 衆 の 歌 った 歌 に 似 たものがある。 当 時 の 階 級 制 度 は
厳 しいものであったに 違 いないが、 民 衆 と 貴 族 が 歌 を 媒 介 として 繋 がりお 互 いに 影 響
を 与 え 合 い、 歌 の 上 での 平 等 を 創 り 上 げていたことは 世 界 史 の 中 でも 類 のないことで
はないだろうか。
また 歴 史 を 語 る 中 で、 一 番 見 えない 部 分 は 当 時 の 民 衆 の 生 活 である。 一 般 の
民 衆 たちが 歌 った 歌 は 日 常 生 活 の 一 部 分 を 歌 った 歌 が 多 く、 当 時 の 民 衆 の 生 活 や 思 い
を 知 る 資 料 としての 価 値 も 万 葉 集 は 有 しているのである。
3. 日 本 人 の 精 神 と 万 葉 集
1、 和 の 精 神
“ 和 を 以 って 貴 しとなす”これは 聖 徳 太 子 が 制 定 した、604 年 に 日 本 で 初
めて 作 られた 憲 法 の 第 1 条 の 言 葉 である。 和 とはすなわち、お 互 いに 相 手 との 関 係 を
大 切 にして 協 力 し 合 い、 争 いを 起 こさないことである。そしてそれをなによりも 大 切
にしろとこの 憲 法 には 書 かれている。 日 本 人 は 古 代 から 今 に 至 るまで 個 人 よりも 人 間
と 人 間 の 関 係 を 重 視 してきた。 今 でも 日 本 人 は 会 話 の 時 に 主 語 を 用 いないことが 多 く、
討 論 を 苦 手 とし、 和 を 乱 す 人 を 嫌 う 傾 向 が 強 いのである。

56
2、 怨 霊 信 仰
古 代 の 日 本 人 の 精 神 の 特 徴 としては 怨 霊 信 仰 がある。 怨 霊 信 仰 とはこの 世 に
恨 みを 持 って 死 んでいった 人 が 幽 霊 となり、その 幽 霊 が 病 気 や 天 災 などをこの 世 に 引
き 起 こすという 信 仰 である。 現 在 、 日 本 には 数 多 くの 神 社 があるが、その 中 には 怨 霊
を 慰 めるためにその 怨 霊 を 神 として 祀 った 神 社 もあるのである。
3、 和 の 精 神 と 怨 霊 信 仰 から 見 る 万 葉 集
今 でも 和 を 重 んじる 日 本 人 には、 昔 から 個 性 などなかったのだろうか? 答 え
は NO である。 万 葉 集 を 読 んでいると“ 我 ”(= 私 )という 言 葉 が 多 い 事 に 気 付 く。 外
向 的 に 主 語 を 語 らない 日 本 人 が 内 向 的 に 歌 を 作 る 時 、そこには 外 向 的 に 抑 えられてい
た“ 私 ”というものが 強 く 出 てくる。しかしその 私 もやはり 個 人 としての“ 私 ”では
ない。 自 然 との 和 における“ 私 ”である。 万 葉 集 の 歌 には 自 然 が 歌 われたものが 多 い
が、それは“ 私 ”を 強 く 出 すことで、その 心 は 自 然 と 繋 がり、“ 私 ”と 自 然 が 一 体 と
なって 歌 を 歌 うのである。 万 葉 集 の 多 くの 歌 には、 人 の 心 も 自 然 も 本 来 同 じものであ
るという 確 信 が 無 意 識 的 に 表 現 されているのである。
また 万 葉 集 には 挽 歌 と 呼 ばれる 人 の 死 に 関 する 歌 が 多 い。そしてその 歌 の 中
には、 時 の 支 配 者 から 無 実 の 罪 を 科 され 死 を 命 じられた 人 のために 作 られた 歌 も 多 い
のである。 恐 らくそれは 怨 霊 を 慰 めるための 行 為 であるのだろう。
万 葉 集 の 中 で 多 く 人 の 死 を 歌 たった 柿 本 人 麿 は、 恐 らく 多 くの 怨 霊 を 慰 めた
だろうが、 実 は 彼 自 身 も 時 の 支 配 者 によって 殺 されたという 伝 承 がある。 柿 本 人 麿 は
現 在 でも 歌 の 神 として 幾 つもの 神 社 に 祀 られているのである。 万 葉 集 は 日 本 に 現 存 す
る 歌 集 の 中 で 最 も 古 い 歌 集 であるが、“ 万 葉 集 ”という 言 葉 の 意 味 には、“ 永 遠 に 伝
えられていく 歌 集 ”という 意 味 がある。 歌 が 永 遠 に 残 されることで、 怨 霊 も 永 遠 に 鎮
魂 されるのである。
4. . 日 本 史 の 中 の 万 葉 集
1、 万 葉 集 初 期 の 激 動 の 時 代
万 葉 集 の 歌 の 多 くは629 年 から759 年 までの 約 130 年 の 中 で 歌 われた
歌 が 多 いが、その 中 でも645 年 から672 年 までは、 外 国 との 戦 争 や 内 戦 、クーデ
ターなどが 起 こり 日 本 にとっては 激 動 の 時 代 であった。 特 に662 年 の 白 村 江 の 戦 い
で、 日 本 は 唐 ( 現 在 の 中 国 )と 新 羅 ( 現 在 の 朝 鮮 半 島 にあった 国 )の 連 合 軍 に 敗 れ、
国 内 は 混 乱 した。その 時 の 天 皇 である 天 智 天 皇 は、 首 都 を 現 在 の 奈 良 県 から、 現 在 の
滋 賀 県 へ 強 引 に 遷 し、そして 強 い 国 を 作 るため 中 国 の 文 化 を 積 極 的 に 取 り 入 れた。し
かし 天 智 天 皇 が 亡 くなった 後 、 天 智 天 皇 の 政 策 に 反 対 する 勢 力 が、 滋 賀 の 都 を 攻 め 落
とし、その 勢 力 の 中 心 であり 天 智 天 皇 の 弟 でもある 天 武 天 皇 が 即 位 し 首 都 を 再 び 奈 良
に 戻 した。7 世 紀 後 半 、 天 武 天 皇 は 日 本 を 中 国 の 文 化 を 取 り 入 れ 強 い 国 にする 事 と 同
時 に、 日 本 独 自 の 文 化 や 政 治 を 創 造 する 必 要 に 迫 られたのである。
2、 日 本 独 自 の 文 化 の 創 造

57
歌 はもともと 宮 廷 の 行 事 や 民 衆 の 間 で、 集 団 的 に 歌 われ、そして 歌 い 継 がれ
ていくものであった。 万 葉 集 には 個 人 で 歌 われた 短 歌 形 式 のものが 多 い。 恐 らくそれ
までの 日 本 の 個 人 が 作 る 詩 は、 中 国 語 で 作 られる 漢 詩 が 主 流 であっただろうが、 時 代
の 流 れの 中 で、 日 本 独 自 の 詩 を 作 る 必 要 に 迫 られ、 集 団 的 に 歌 われていた 日 本 の 歌 を
ベースに、 個 人 が 歌 う 短 歌 が 次 々と 作 られていったのであろう。
しかし 問 題 は 文 字 である。 日 本 語 で 歌 われた 短 歌 を 中 国 で 生 まれた 漢 字 で 現
わすのは 難 しい。そこで 独 特 な 漢 字 の 使 い 方 をしていわゆる 万 葉 仮 名 が 生 まれていっ
たのである。また“ 天 皇 ”という 称 号 が 生 まれたのもこの 時 期 とされる。 恐 らく 中 国
の“ 皇 帝 ”という 称 号 に 対 抗 するために 作 られたのであろう。
そしてこの7 世 紀 後 半 から、 現 存 する 日 本 最 古 の 歴 史 書 である 古 事 記 が 作 ら
れ 始 める。 古 事 記 の 前 半 は 神 話 であり、この 書 の 中 で 天 皇 を 神 の 子 孫 とする 正 当 性 が
示 され、そして 万 葉 集 の 中 でも 天 皇 を 神 として 讃 える 歌 が 幾 つも 歌 われるのである。
3、その 後 の 万 葉 集
平 安 時 代 、 鎌 倉 時 代 と 時 代 が 進 むにつれ 万 葉 集 は 一 部 の 学 者 以 外 には、 万 葉
仮 名 という 特 殊 な 漢 字 の 使 い 方 ゆえに、 多 くの 人 にとっては 読 めない 歌 集 になってし
まった。しかし 江 戸 時 代 に 入 ると 万 葉 集 や 古 事 記 などが 国 学 者 によって 盛 んに 研 究 さ
れ、そして 明 治 時 代 になると 万 葉 集 は“ 正 直 で 男 らしい 歌 集 ”とされ 日 本 文 化 の 象 徴
とされた。
しかしこの 時 代 に 古 事 記 や 万 葉 集 が 単 純 な 解 釈 により、 天 皇 を 絶 対 とする 極
端 なナショナリズムが 形 成 され、 軍 国 主 義 者 によって 利 用 されてしまったことは 残 念
でならない。
5. 万 葉 集 の 代 表 歌 人 とその 歌
万 葉 集 には 多 くの 個 性 的 な 歌 人 が 登 場 する。ここではその 一 部 ではあるが 歌
人 とその 歌 を 紹 介 していくことにする。
・ 額 田 大 王 の 歌 ( 天 智 、 天 武 という 日 本 を 代 表 する 二 人 の 天 皇 の 妃 となった
女 性 歌 人 )
熟 田 津 に 船 乗 りせむと 月 待 てば 潮 もかなひぬ 今 は 漕 ぎ 出 でな
( 現 代 語 訳 ) 熟 田 津 の 港 で 船 を 出 そうと 月 を 待 てば、 潮 も 満 ちて 穏 やかだ。
さあ 今 、 海 原 へ 漕 ぎ 出 して 行 こう。 ※ 熟 田 津 は 地 名 。 今 の 愛 媛 県 松 山 市 あたりにあ
ったとされる 港 。
・ 柿 本 人 麿 の 歌 (その 生 涯 には 不 明 な 点 が 多 いが、 死 後 も 歌 の 神 として 崇 め
られている)
東 の 野 にかぎろひの 立 つ 見 えて かへり 見 すれば 月 かたぶきぬ
( 現 代 語 訳 ) 東 の 野 に、 夜 明 けを 告 げる 光 が 見 え、 振 り 返 れば、 西 の 空 に 落
ちていく 月 が 見 える。
・ 高 市 黒 人 の 歌 ( 恐 らく 身 分 の 低 い 役 人 。 目 の 前 から 消 えていくものを 歌 っ
た 歌 が 多 い)

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旅 にして もの 恋 しきに 山 下 の 赤 のそほ 船 沖 を 漕 ぐ 見 ゆ
( 現 代 語 訳 ) 旅 の 途 中 、なんとなく 恋 しくなり 海 を 眺 めれば、 都 へと 漕 ぎ 去
っていく、 赤 い 船 が 沖 に 見 える。
・ 山 上 憶 良 の 歌 ( 自 然 よりも 家 族 や 貧 しい 人 達 の 生 活 を 多 く 歌 う、 万 葉 集 で
は 珍 しい 歌 人 )
憶 良 らは 今 は 罷 らむ 子 泣 くらむ それその 母 も 我 を 待 つらむぞ
( 現 代 語 訳 )もう 失 礼 して 帰 ることにしょましょう。 私 の 子 供 は 泣 いている
だろうし、 妻 も 私 を 待 っているだろうから。※ 宴 会 の 席 で 歌 われた 歌 。
た)
・ 山 部 赤 人 の 歌 ( 情 景 詩 を 得 意 とし、 柿 本 人 麿 と 共 にその 死 後 も 尊 敬 を 受 け
田 児 の 浦 ゆ うち 出 でて 見 れば 真 白 にそ 富 士 の 高 嶺 に、 雪 は 降 りける
( 現 代 語 訳 ) 田 児 の 浦 より 東 へうち 出 て、 眺 めの 良 い 所 に 出 ると、なんと 真
っ 白 に!
富 士 山 の 高 嶺 に、 雪 が 降 り 積 もっていることだ。 ※ 田 児 の 浦 は 今 の 静 岡 県
にあるといわれる 海 岸 の 名 前 。
おわりに
・ 君 が 代 も わが 代 も 知 るや 磐 代 の 岡 の 草 根 を いざ 結 びてな
( 現 代 語 訳 )あなたの 命 も 私 の 命 も 支 配 する、 磐 代 の 岡 に 生 える 草 を さあ、
結 びましょう。
※ 磐 代 は 地 名 、 今 の 和 歌 山 県 にある。
間 人 皇 后 の 歌 われたこの 歌 には、 草 が 人 の 命 を 支 配 し、その 草 を 結 ぶこ
とで 長 寿 を 願 う 古 代 の 信 仰 にもとづく 宗 教 的 行 為 が 表 現 されている。
しかし 現 在 は、 自 然 は 人 間 から 区 別 され、 人 間 が 自 然 を 支 配 出 来 るとい
う 錯 覚 に 陥 っている 時 代 であり、 日 本 人 の 価 値 観 もその 例 外 ではない。
“2011 年 3 月 11 日 ” 東 日 本 大 震 災 と 福 島 の 原 発 事 故 は 日 本 人 に 多 大
な 悲 しみと 衝 撃 を 与 えた。しかし 震 災 で 助 け 合 う 人 達 、 必 死 に 復 興 に 向 け 励 む 人 達 の
姿 は、まだ 日 本 人 に 自 然 を 神 として 恐 れ 敬 う 精 神 、そして 仏 教 的 な 慈 悲 の 精 神 が 宿 っ
ていることを 示 してくれた。
明 治 以 後 欧 米 の 文 化 に 憧 れ、 日 本 の 精 神 を 自 らの 手 で 捨 ててきた 日 本 は、
もう 一 度 冷 静 に 自 らの 精 神 を 取 り 戻 し、そして 常 に“ 和 ”を 忘 れず、 世 界 に 強 く 日 本
という 国 を 主 張 していかなければならない。
万 葉 集 は 日 本 文 学 、 日 本 人 の 精 神 、そして 日 本 語 という 言 語 を 知 るため
のこの 上 ない 歌 集 であると 思 う。 拙 い 文 章 ではあるが、これを 読 んでロシアの 方 々が、
万 葉 集 に 少 しでも 興 味 を 持 って 頂 けたら 幸 いである。

59
Средства выразительности стиха
в императорских антологиях XIV века
Мишукова О.В.
Россия, г. Владивосток
югэн
Ключевые слова: японская поэзия, императорская антология,
Уже в раннем средневековье Ки-но Цураюки определил
ведущие темы в японской поэзии. Самое глубокое волнение вызывают
печаль и любовь. Мотивы верности и неверности, связанные с
сильнейшим эмоциональным проявлением чувств, примыкали к
тематике «мимолетности» и «горестей жизни», общей непрочности и
ненадежности всего в этом мире 1 .
Циклы песен о любви двух звезд, разделенных Небесной рекой
можно найти во всех имперских антологиях, начиная с X века.
Объектами были избраны ранее не переведенные на русский
язык «Сингосэнвакасю», «Сёкусэндзайвакасю», «Фугавакасю» и
«Синсюивакасю».
Цель данной работы – исследовать поэтические приемы в
формировании образной системы звезд в памятниках японской
классической поэзии эпох Камакура и Муромати.
С началом эпохи Камакура борьба за власть продолжалась.
Попытки вернуть былое величие привели к окончательному расколу
императорского двора на Северный и Южный 2 .
Сложная политическая обстановка не могла не оказать влияния
на поэтов, живших в период огромных потрясений.
В поздних сборниках наряду с концепцией мистического
постижения смысла явлений югэн, закрепляется категория саби,
представившая собой обширную часть японского эстетического
мировоззрения.
В поэзии саби можно видеть в выхваченной из общего фона
незаметной детали, которая благодаря своей непрочности, позволяет
соприкоснуться с вечностью. Мгновение, в котором существует деталь,
1 Конрад Н. И. Очерки японской литературы. – М., 1973. – С. 111.
2 Рай, Дзё Сисэй. История сёгуната в Японии. Нихон гайси / Пер. с яп., коммент. и прилож.
В.М. Мендрина. URL: http://enoth.narod.ru/Japan/Mendrin00B.htm (дата обращения:10.11.2012)

60
настолько мало, что выпадает из движущегося времени и переходит в
безвременье, что порождает в душе чувство Вечного одиночества 1 .
13-я имперская антология «Сингосэнвакасю» («Новое позднее
собрание японских песен»), завершенная в 1303 г., и 15-я антология
«Сёкусэндзайвакасю» («Продолжение тысячелетнего собрания японских
песен»), законченная около 1320 г., были заказаны императором Го-Уда
и составлены Нидзё Тамэйдзи сыном Фудзивара Тамэиэ.
Тамэё
幾 秋 も 君 ぞ 映 してみかは 水 雲 居 に 絶 えぬほしあひのかげ 2
Ику аки мо
Кими дзо уцуситэ
Ми кава мидзу
Кумои ни таэну
Хосиаи но кагэ
Которую уж осень вижу я
Лишь твой прекрасный лик,
Рекою отраженный,
Подобный свету звезд
В безоблачную ночь?
В этом стихотворении можно видеть и возвышенное, и
прекрасное, и фантастическое, относящееся к категории югэн,
творчески разработанной Фудзивара Тэйка с его концепциями ёэн и
ёдзё ёэн.
Прекрасный лик в стихотворении поистине эфемерен и готов
рассыпаться в любой момент. Поэт видит даже не сам лик, а его
отражение там, где в действительности его и представить бывает
невозможно – в свете звезд Млечного Пути – хосиаи но кагэ.
Фудзивара Норинага
天 の 河 水 かげ 草 のいく 秋 か 枯 れなで 年 のひとよ 待 つらむ 3
Ама но кава
Мидзу кагэ куса но
Ику аки ка
Корэнадэ тоси но
Хитоё мацураму
Ждет отраженье трав
В Реке Небес
Прикосновенья осени
Сухого
Этой ночью.
Эстетика югэн представлена не только как обворожительная,
пленительная, волшебная, очаровательная но и как глубокая и
таинственная. Существует мнение, что Сюндзэй обозначал термином
1 Григорьева, Т. П. Японская художественная традиция.
URL:http://lib.adtm.ru/lib/history/grigorieva/japanese_art_tradition/traditional_structure (дата
обращения:10.05.2013)
2
新 後 撰 和 歌 集 (Сингосэнвакасю).
URL:http://etext.lib.virginia.edu/japanese/imperial_anthologies/shingosen/index.html (дата
обращения:10.11.2012)
3
續 千 載 和 歌 集 (Сёкусэндзайвакасю).
URL:http://etext.lib.virginia.edu/japanese/imperial_anthologies/shokusenzai/index.html (дата
обращения:10.05.2013)

61
югэн в первую очередь красоту глубокого одиночества, «печальочарование»
(аварэ) и «унылость души» (кокорохососи) 1 . Омываемый
волнами жизни эстетический многогранник повернулся к свету новой
своей стороной, на сей раз «печальной» гранью 2 . Поэт находит красоту
в увядании природы ранней осенью. Процесс ухода неотвратим, а жизнь
хрупка и коротка. Но средневековое искусство воплощает идею
круговорота, не исчезновения, а видоизменения одного и того же 3 . В
стихотворении есть понимание смерти как перехода из одного
состояния в другое: поэт воспевает не непосредственно воспринятый
пейзаж, а его отражение – мидзу кагэ куса (отражение травы в воде). На
короткий миг трава отражается в вечной Реке Небес, и это отображение
воспринимается как символ связи сиюминутного и непреходящего:
ожидающие осени растения не уходят в никуда, они остаются частью
земной природы и космического пространства.
В 1346 г. появилась одна из последних императорских
антологий японской поэзии танка − «Фугавакасю» («Собрание изящных
песен»).
Составителем был император Японии Ханадзоно, отрекшийся
от престола и принявший постриг.
Аритада
仕 へ 來 し 跡 に 殘 りて 浦 鵆 有 るかひもなき 音 をのみぞ 鳴 く 4
Цукаэкоси
Ато ни нокоритэ
Уратидори
Ару каи мо наки
Нэ о номи дзо наку
Здесь нет весла,
Лишь чайки
Кричат,
Оставив у воды
Следов цепочку.
В стихотворении поэт Аритада использует обыденную,
повседневную лексику: лирический герой не может найти весел – каи
мо наки – «весел тоже нет», что можно озвучить и по-другому – имо
наки – «нет жены». При разборе этого стихотворения можно провести
параллель со стихотворением Ки-но Цураюки из «Синкокинсю», у
которого художественный образ также построен на сходном звучании
слов «плакать», «кричать» и «исчезать». В песне из «Фугавакасю»
1 Бреславец, Т. И. Горный приют. С. 202.
2 Григорьева, Т. П. Японская художественная традиция.
URL:http://lib.adtm.ru/lib/history/grigorieva/japanese_art_tradition/traditional_structure (дата
обращения:10.05.2013)
3 Там же. structure (дата обращения:10.05.2013
4
風 雅 和 歌 集 (Фуга вакасю).
URL:http://etext.virginia.edu/japanese/imperial_anthologies/fuga/index.htm (дата
обращения:10.11.2012)

62
применена трансформация слов, не связанных при прочих условиях
друг с другом. Частичное совпадение звучаний слов наки – «нет» и
наку – «кричать», «плакать» сразу фокусирует внимание. Поэт
подталкивает читателя к следующему выводу: чайки кричат, потому что
здесь нет Ткачихи – «чайки, которые, в отсутствие жены, лишь кричат».
Создается впечатление, будто лирический герой обманут. Он ожидал
увидеть жену, а нашел всего лишь следы чаек. Лирическое «я»
оказывается в одиночестве на берегу реки, становясь отражением
эстетики саби – эстетики одиночества и запустения. Но герой тоскует не
из-за того, что не нашел жены. «Саби создает атмосферу одинокости, но
это не одинокость человека, потерявшего любимое существо. Это
одинокость дождя, падающего ночью на широколиственное дерево, или
одинокость цикады, которая стрекочет где-нибудь на голых белесых
камнях... В безличной атмосфере одинокости – суть саби» – пишет Уэда
Макото 1 .
19-я имперская антология японской поэзии «Синсюивакасю»
(«Новое собрание японских песен, не вошедших в прежние антологии»)
была закончена в конце 1364 г., её заказал император Го-Когон по
просьбе сегуна Асикага Ёсиакира.
Красота избыточного чувства (ёдзёби) является центральной
компонентой антологии, поддерживающей эстетическое состояние югэн,
где эстетический смысл югэн в целом близок к его первоначальному
значению – «отрешенность от мира», «высокая одухотворенность» 2 .
Фудзивара Taмэиэ
七 夕 の 雲 のころもの 衣 々に 歸 るさつらきあまのかはなみ 3
Танабата но
Кумо но коромо но
Кинукину ни
Каэру са цураки
Ама но каванами
Одеждам-облакам из шелка
Пощады нет от
Волн, бурлящих
В небе
В миг разлуки…
Облака в стихотворении можно сравнить с одеждами
небожителей, сделанными из перьев, которые в японском фольклоре
воспринимались как непременный атрибут небесных фей. Сказка
1 Цит. по: Григорьева, Т. П. Японская художественная традиция.
URL:http://lib.adtm.ru/lib/history/grigorieva/japanese_art_tradition/traditional_structure (дата
обращения:10.05.2013)
2 Бреславец, Т. И. Горный приют. С. 201.
3
新 拾 遗 和 歌 集 (Синсюивакасю).
URL:http://etext.virginia.edu/japanese/imperial_anthologies/fuga/index.htm (дата
обращения:10.05.2013)

63
«Небесная дева», перекликающаяся с легендой о Танабата, рассказывает
о том, как крестьянин украл перья небесной феи и как она не могла
вернуться на небо. В сказке разворачивается такой диалог: «Если я не
надену этой одежды, то не смогу вернуться на небо. Тебе, человеку
земного мира, летающая одежда не нужна. Отдай же ее мне! – молила
девушка».
Но есть у облаков и другое значение. Посредники между землей
и небом, духом и материей, сном и реальностью, облака символизируют
туманность, неясное представление о чем-либо, а также меланхолию и
печаль. Они становятся метафорой неприступности и недосягаемости.
Облака схожи с туманом - обитателем промежуточного мира между
миром форм и неоформленным. В буддизме облако – символ пустых,
ускользающих удовольствий, которые имеют обыкновение исчезать и
улетать прочь так же быстро, как облака. В объятиях героя осталось
лишь изменчивое облако, пустая тень.
Облака оказываются в одном ассоциативном ряду с волнами,
поскольку вода символизирует бесконечное движение, а волны на ее
поверхности олицетворяют заблуждения, превратности жизни,
изменения, иллюзии.
Таким образом, традиционные образы, благодаря
использованию метафор, иносказаний и сравнений, получали новое
толкование в лирике, основанной на эстетике югэн, где земное
противопоставляется небесному, тленное – вечному.
Идея взаимосвязи земного и космического выливается в
возвышенные и величественные образы. Их красота сочетается с
глубиной философских обобщений. Авторы, обращаясь к природе,
видят в ней отражение явлений космического порядка, ощущая
единство всего живого.
Поэты поздних антологий ищут истину в обыденных предметах
и явлениях мира, простых повседневных образах, что соответствует
идеалу саби. Лексические средства средневековой поэзии предельно
просты. В стихах делается упор на подтекст, свободное пространство,
отсутствие украшений и спокойные приглушенные тона.
Используются многочисленные поэтические приемы, одни из
которых сохранились со времен «Манъёсю», другие − возникли позже,
в эпоху Хэйан: аллюзия – хонкадори, омонимическая метафора –
какэкотоба, связанные слова – энго, устойчивые эпитеты –
макуракотоба, придающие стихотворениям дополнительные оттенки.
Лирика поздних антологий – это лирика одиночества,
отстраненности от мира, наполненная таинством невысказанной мысли.
Красота в поэзии предстает в постоянной изменчивости, обновлении,

64
динамике и сравнима с фантазией. Она проявляется не только через
космос, но и на земле. Так отдельные мотивы, связанные с легендой о
Танабата, продолжали жить в песнях, сложенных средневековыми
поэтами.
Библиографический список
Источники
1. 續 千 載 和 歌 集 [Electronic resource]. –
URL:http://etext.lib.virginia.edu/japanese/imperial_anthologies/shok
usenzai/index.html (Сёкусэндзайвакасю)
2. 新 後 撰 和 歌 [Electronic resource]. –
URL:http://etext.lib.virginia.edu/japanese/imperial_anthologies/shingosen/in
dex.html (Сингосэнвакасю)
3. 新 拾 遗 和 歌 集 [Electronic resource]. – URL:
http://etext.lib.virginia.edu/japanese/imperial_anthologies/shinshui/i
ndex.html (Синсюивакасю)
4. 風 雅 和 歌 集 [Electronic resource]. –
URL:http://etext.virginia.edu/japanese/imperial_anthologies/fuga/in
dex.htm (Фугавакасю)
Литература на русском языке
5. Бреславец Т.И. Горный приют. Творчество Фудзивара
Сюндзэй. – Владивосток: Изд-во Дальневост. ун-та, 2010. – 232 с.
6. Григорьева Т.П. Японская художественная традиция. – М.:
Наука, 1992. – 424 с. [Электронный ресурс]. − URL:http://lib.adtm.ru/lib/
history/grigorieva/japanese_art_tradition/traditional_structure.
7. Конрад Н.И. Очерки японской литературы. Статьи и
исследования. Вступ. ст. Б. Сучкова. – М.: Худож. лит., 1973. – 462 c.
8. Накамура Кооя. История Японии. – М.: Русская панорама,
2006. – 381 с.

65
ЯПОНСКИЙ ЯЗЫК: ПРОБЛЕМЫ ПРЕПОДАВАНИЯ
日 本 語 : 教 育 の 問 題 点
日 本 語 教 育 に 有 用 な 単 語 文 体 の 分 類 について
井 上 次 夫
日 本 , 奈 良 県
キーワード: 日 本 語 教 育 , 単 語 の 文 体 , 内 省 ,アンケート, 日 本 語 コーパス
【 要 旨 】 単 語 文 体 の 分 類 は, 研 究 者 の 内 省 , 雑 誌 ・ 書 籍 等 の 用 例 調 査 に 基 づ
くものから, 現 在 ,インフォーマントへのアンケート, 大 規 模 日 本 語 コーパスを 利 用
したものへと 進 んできている。また,それに 伴 って 単 語 文 体 の 分 類 は,3 分 類 ,5 分 類
に 加 えて 新 しく 2 分 類 ,4 分 類 が 提 案 されている。 本 稿 ではそれらの 分 類 を 概 観 した 上
で, 日 本 語 教 育 に 有 用 な 単 語 文 体 の 分 類 の 姿 について 考 察 する。
1.はじめに
文 章 に 文 体 があるように, 動 詞 をはじめとする 単 語 にも 文 体 がある。 単 語
の 文 体 とは「 文 章 全 体 としての 文 体 を 成 り 立 たせるような, 個 々の 単 語 が 持 っている
特 徴 」( 宮 島 1972: 708-709)のことである。そして, 通 常 , 単 語 の 文 体 は「かたい/やわ
らかい」「くだけた/あらたまった」といった 印 象 や 感 覚 に 基 づく 語 で 表 現 されるよ
うに,その 分 類 基 準 は 必 ずしも 明 確 ではない。このため,「 文 体 的 特 徴 からする 単 語
の 分 類 は, 連 続 的 であり, 程 度 の 差 によるものである」( 宮 島 1977: 873)と 言 わざるを 得
ず,「まず,たいせつなことは, 対 象 を 分 類 するためにどこかに 線 をひくことよりも
まえに, 対 象 を 程 度 の 差 によって 一 定 の 順 序 にならべること」( 同 : 873)にとどまってい
た。
しかし, 日 本 語 教 育 の 現 場 において 考 えてみると, 外 国 人 留 学 生 が 日 本 語 で
論 文 ・レポートのような 文 章 を 執 筆 する 際 , 仮 に 単 語 の 文 体 を 明 確 に 位 置 づける 分 類
基 準 が 示 され,その 単 語 の 一 覧 表 が 明 示 された 場 合 , 留 学 生 は 論 文 ・レポートにおけ
る 使 用 語 彙 に 迷 いや 逸 脱 がなくなり 有 益 であることは 疑 いない。そのような 観 点 から
単 語 の 文 体 を 2 分 類 することを 試 みたのが 井 上 (2009a)であり,それ 以 降 , 単 語 の 文 体
を 明 確 に 位 置 づけて 分 類 を 行 う 実 証 研 究 が 続 けられてい る( 井 上 2009b・2010a・
2010b・2010c・2010d)。
本 稿 では,これまで 行 われてきた 単 語 文 体 の 分 類 法 や 分 類 基 準 を 再 検 討 し,
日 本 語 教 育 に 益 する 単 語 文 体 の 分 類 の 姿 について 議 論 する。
2. 単 語 文 体 の 種 類
2.1 文 体 の 3 分 類
宮 島 (1972:709)は, 動 詞 の 文 体 的 特 徴 の 分 析 を 出 発 点 として 単 語 の 文 体 を 次
のように 日 常 語 ・ 文 章 語 ・ 俗 語 の 3 種 類 に 分 類 した。
日 常 語 : 話 しことば・ 書 きことばを 通 じて,あらゆる 言 語 生 活 の 場 に 用 い
られ, 特 に 文 体 上 の 制 約 がないもの。
文 章 語 : 主 として 書 きことば,またはあらたまった 場 面 における 話 しことば
で 使 われるもの。
俗 語 :もっぱらくだけた 話 しことばでだけ 用 いられ, 書 きことばの 中 や,あ
らたまった 場 面 における 話 しことばには,あまりあらわれないもの。

66
そして, 日 常 語 に 和 語 が 多 く, 文 章 語 に 漢 語 が 多 いという 現 象 はあるが
(1), 必 ずしも 和 語 が 日 常 語 , 漢 語 サ 変 動 詞 が 文 章 語 ではない 点 を 指 摘 している。
2.2 文 体 の 5 分 類
その 後 , 宮 島 (1977:873)は, 宮 島 (1972)による 文 体 3 分 類 の 中 にも 程 度 の 差
が 認 められることから,「 文 体 的 特 徴 からする 単 語 の 分 類 は, 連 続 的 であり, 程 度 の
差 によるものである」として, 範 囲 が 広 かった 日 常 語 を「くだけた 日 常 語 」「 無 色 透
明 な 日 常 語 」「あらたまった 日 常 語 」の 3 つに 下 位 分 類 した。この 結 果 , 単 語 の 文 体 に
は「 俗 語 」「くだけた 日 常 語 」「 無 色 透 明 な 日 常 語 」「あらたまった 日 常 語 」「 文 章
語 」という 5 分 類 が 立 てられることとなった。
一 方 , 田 中 (1981・1987)は, 現 代 の 接 続 表 現 の 用 法 について 整 理 した 後 ,
文 体 的 ・ 場 面 的 特 性 の 観 点 から 文 体 上 の 段 階 差 を 認 めて「 会 話 的 」「 話 しことば 的 」
「 一 般 」「 書 きことば 的 」「 文 語 的 」という 単 語 文 体 の 5 分 類 を 示 した。そして, 文 体
は「うちとけた」ものほど 会 話 的 ,「かたい」ものほど 文 語 的 であるとしたが,その
分 類 基 準 は 明 示 していない。
その 後 , 井 上 (2010c)では「 語 の 文 体 (の 分 類 )は 連 続 的 ・ 相 対 的 なもので
あることから,3 分 類 にせよ,5 分 類 にせよ,その 境 界 部 分 については 不 透 明 なものが
残 る」( 同 :187)と 指 摘 し, 各 文 体 の 境 界 部 分 を 明 確 化 することを 目 的 に 大 規 模 日 本 語 コ
ーパス BCCWJ2008( 国 立 国 語 研 究 所 『 現 代 日 本 語 書 き 言 葉 均 衡 コーパス』)を 用 いた
単 語 文 体 の 分 類 法 を 具 体 的 に 提 案 した。 同 時 に, 先 行 研 究 の 5 分 類 の 名 称 に 対 し,わか
りやすい 文 体 名 として「 卑 俗 体 」「 口 頭 体 」「 汎 用 体 」「 書 記 体 」「 文 語 体 」を 付 す
ことを 提 案 した。
2.3 文 体 の 2 分 類
これまで 単 語 文 体 の 分 類 は, 単 語 の 文 体 的 特 徴 に 基 づき 3 分 類 から 5 分 類
へと 精 密 化 の 方 向 で 進 んできたが, 井 上 (2009a)は 教 育 上 ・ 実 用 上 の 観 点 から 2 分 類 を
提 案 した。つまり,「 社 会 事 象 , 身 辺 生 活 の 事 実 , 研 究 上 の 問 題 等 について 自 分 の 意
見 , 主 張 を 根 拠 に 基 づいて 論 理 的 に 述 べ, 読 み 手 を 説 得 する 目 的 を 持 った 文 章 」( 国 語
教 育 研 究 所 編 『 国 語 教 育 研 究 大 辞 典 』1991)である 論 説 文 で 用 いる 単 語 の 文 体 の 適 切 性
という 観 点 から 任 意 の 単 語 を 論 説 文 で 用 いることの 適 否 を 判 断 するためには,3 分 類 や
5 分 類 ではなく 便 法 としての 2 分 類 が 有 用 だとしたのである。そこでは, 次 のような 文
体 式 を 提 示 している。「

67
に」「 椅 子 」「 自 然 」 等 については「ふつう」の 文 体 であり,「 欠 如 する」は「あら
たまった」 文 体 であろう。 実 は,それらの 判 断 は 次 の 2 点 を 内 省 した 上 でのものである
と 言 える。
(1) 当 該 語 は,どのような 場 面 で 使 用 されるか( 場 面 的 「あらたまり
度 」)
(2) 当 該 語 と 意 味 ・ 用 法 が 近 い 語 を 探 索 し,それらの 語 との 関 係 において
当 該 語 はどこに 位 置 づけられるか( 相 対 的 「あらたまり 度 」)
内 省 法 では,どのような 語 についても 一 定 の 個 人 的 判 断 を 下 すことが 可 能
である 点 が 長 所 である。しかし,その 判 断 はあくまで 日 本 語 ネイティヴとしての 一 個
人 の 経 験 的 ・ 直 感 的 なものに 基 づくために, 必 ずしも 信 頼 性 が 保 証 されるものではな
いという 点 で 課 題 が 残 る。この 内 省 法 による 研 究 の 例 としては 田 中 (1981・1987)を 挙 げ
ることができる(2)。
3.2 アンケート 調 査 法
内 省 法 は, 特 定 の 一 個 人 による 単 語 の 文 体 についての 判 断 であり, 任 意 の
単 語 について 簡 便 に 判 断 が 得 られるという 長 所 がある 反 面 ,それが 経 験 的 ・ 直 感 的 判
断 に 基 づくために 大 なり 小 なり 個 人 差 が 伴 うという 点 で 問 題 があった。なお,その 判
断 の 個 人 差 の 実 態 ついては,これまで 先 行 研 究 で 指 摘 されていながらも, 管 見 の 限 り,
調 査 報 告 が 行 われていなかった。
そこで, 井 上 (2010b)に 始 まる, 個 人 差 の 実 態 を 踏 まえたインフォーマント
へのアンケート 調 査 法 について 検 討 する。
3.2.1 高 専 生 111 人 の 調 査
単 語 の 文 体 判 断 には 一 定 の 範 囲 で 個 人 差 が 存 在 すると 考 えられるが, 実 際 ,
どの 程 度 の 個 人 差 が 存 在 するかについて 実 態 を 明 らかにするために, 井 上 (2010b)は 15
組 50 語 について 国 立 高 等 専 門 学 校 2 年 生 111 人 を 対 象 に「 単 語 の 文 体 5 分 類 の 判 断 に
関 する 調 査 」を 行 った。 同 時 に, 被 調 査 者 を 国 語 成 績 の 上 位 ・ 中 位 ・ 下 位 の 3 層 に 分 類
し, 層 別 による 文 体 判 断 の 相 違 の 有 無 についても 検 証 している。その 結 果 , 全 体 調 査
及 び 層 別 調 査 のいずれにおいても, 単 語 の 文 体 は 大 きく「 卑 俗 と 口 頭 」「 口 頭 と 汎
用 」「 汎 用 と 書 記 」という 互 いに 隣 接 する 文 体 から 成 る 3 種 と 文 語 体 の 計 4 種 に 分 類 さ
れる 可 能 性 が 判 明 したことから, 個 人 差 の 実 態 を 反 映 する 単 語 文 体 の 4 分 類 を 提 案 した。
また,アンケート 調 査 の 信 頼 性 を 高 めるため,さらに 被 調 査 者 を 大 学 生 や 成 人 にまで
広 げ, 規 模 を 拡 大 することを 課 題 として 挙 げている(3)。
3.2.2 大 学 生 108 人 の 調 査
井 上 (2010d)では, 井 上 (2010b)と 同 様 の「 単 語 の 文 体 5 分 類 の 判 断 に 関 する
調 査 」を 私 立 大 学 生 ( 教 育 学 部 1 年 生 )108 人 に 対 して 実 施 した。ただし, 調 査 語 は 7
組 22 語 を 入 れ 替 えた 15 組 50 語 に 変 更 している。そして, 高 専 生 の 場 合 と 共 通 の 調 査
語 9 組 28 語 について 分 析 した 結 果 , 高 専 生 調 査 と 同 様 , 文 体 の 個 人 差 は 互 いに 隣 接 す
る 2 文 体 に 及 ぶ 傾 向 を 指 摘 した。しかし, 調 査 ではさらに 単 語 の 文 体 に 次 の 点 数 を 与 え
( 卑 俗 :1, 口 頭 :2, 汎 用 :3, 書 記 :4, 文 語 :5),その 平 均 値 を 求 めることで 語 の
文 体 の 数 値 化 を 試 みている。そうして 求 めた 文 体 の 代 表 値 をここでは「アンケート 文
体 値 」と 呼 ぶ。そして, 単 語 文 体 については, 高 専 生 と 大 学 生 との 平 均 値 をアンケー
ト 文 体 値 として 採 用 し, 次 の 暫 定 基 準 に 基 づき 認 定 している。
1 1.0≦ 卑 俗 体

68
3.2.3 漢 検 上 級 合 格 者 32 人 の 調 査
その 後 , 井 上 は 新 たに 私 立 大 学 生 124 人 (1 年 生 ~4 年 生 , 経 営 ・ 法 ・ 教 育
の 各 学 部 ) 及 び 漢 検 上 級 (1 級 ・ 準 1 級 ) 合 格 者 32 人 に 対 し, 井 上 (2010b)と 同 様 の 調
査 を 実 施 した。 調 査 語 は 13 組 45 語 。また,ここでの 文 体 認 定 は 両 者 のアンケート 文 体
値 の 平 均 を 採 用 し, 下 記 の 暫 定 基 準 に 基 づきレベル 1 からレベル 4 の 4 分 類 として 示 す。
例 えば,「だいたい」の 場 合 , 大 学 と 漢 検 の 平 均 値 の 小 数 第 2 位 を 四 捨 五 入 したアンケ
ート 文 体 値 は 1.9 であり, 次 の 暫 定 基 準 によって「だいたい」の 単 語 文 体 はレベル 1 と
認 定 される。
2 1.0≦レベル 1

69
こで,その 点 を 補 うために 極 座 標 の 考 え 方 を 用 い, 新 たな「 文 体 値 」の 提 案 を 行 った
井 上 (2010a)を 次 に 検 討 する。
3.3.3 極 座 標 による 分 類
点 P が x-y 平 面 上 にある 場 合 , 点 P の 位 置 は 座 標 (x,y)と 表 せる 一 方 , 極
座 標 を 用 いて P(r,θ)と 表 すことも 可 能 である。 極 座 標 の r は 基 準 点 からの 距 離 ,θ
は x 軸 となす 角 である。この 極 座 標 の 考 え 方 を 用 い,いま「 知 恵 袋 」での 出 現 数 を x 軸 ,
「 白 書 」での 出 現 数 を y 軸 とする x-y 座 標 における 語 W の 位 置 を 次 のように 表 すもの
とする。
3 語 W(r,θ)の 位 置 (1) r :r/10 (2)θ:tanθ
すると, 上 記 (1)により 単 語 の 使 用 規 模 ,(2)により 単 語 文 体 の 傾 きをそ
れぞれ 数 値 化 して「コーパス 文 体 値 」として 表 すことが 可 能 となる。なお, 語 W の 文
体 を 認 定 する 際 には,(1)の r( 語 W の 使 用 規 模 )に 比 べ(2)のθ( 語 W の 文 体 ら
しさ)がより 重 要 であると 考 えられるため,(2)を 先 に 表 示 する 次 のような 方 式 を 用
いることとする。また, 表 1に 漸 次 表 現 の 場 合 を 示 す。
4 語 W のコーパス 文 体 値 :W(tanθ, r/10)
表 1 漸 次 表 現 のコーパス 文 体 値
語 知 恵 袋 ( 出 現 数 ) 白 書 ( 出 現 tanθ r
数 )
じわじわ 11 0 0 1.1
だんだん 159 0 0 16.0
少 しずつ 139 9 0.1 13.9
徐 々に 108 155 1.4 18.9
次 第 に 25 161 6.4 16.3
この 表 1によれば,tanθの 値 を 基 準 として 次 の 文 体 式 が 導 かれる。
じわじわ(0, 1.1)・だんだん(0, 16.0)< 少 しずつ(0.1,13.9)
< 徐 々に(1.4, 18.9)< 次 第 に(6.4, 16.3)
なお,tanθに 関 しては,tanθの 値 が 大 きくなればなるほど 当 該 語 の 座 標 は y
軸 「 白 書 」に 接 近 する。このため, 書 きことばらしさが 強 くなり, 文 語 体 に 近 くなる。
逆 に,tanθの 値 が 小 さくなればなるほど 当 該 語 の 座 標 は x 軸 「 知 恵 袋 」に 接 近 する。
このため, 書 きことばらしさは 弱 くなり, 卑 俗 体 に 近 くなる。 以 上 を 視 覚 化 して 示 し
たのが 図 1である。
図 1 漸 次 表 現 の 文 体

70
そしていま, 上 記 のコーパス 文 体 値 W(tanθ, r/10)の tanθを 用 いると,
単 語 の 文 体 は 表 2 のように 3 分 類 できる。
表 2 コーパス 文 体 値 による 単 語 の 分 類
分 類 基 準 文 体 名 例 語 ( 漸 次 表 現 )
0.0≦tanθ

71
また, 単 語 文 体 の 分 類 法 として,これまで 内 省 法 ,アンケート 調 査 法 ,コー
パス 調 査 法 が 行 われているが,このうち, 大 規 模 日 本 語 コーパス BCCWJ を 用 いた 語 の
出 現 数 , 出 現 比 率 , 極 座 標 に 基 づく 実 証 的 なコーパス 調 査 法 は 注 目 を 集 め, 有 力 視 さ
れている。しかし, 任 意 の 単 語 を 自 在 に 取 り 上 げてその 文 体 の 認 定 を 行 うためには,
同 時 に 内 省 法 ,アンケート 調 査 法 の 有 効 性 を 生 かしていく 手 法 の 確 立 が 必 要 である。
そして,それらによってコーパス 文 体 値 が 単 語 文 体 の 明 確 な 分 類 基 準 となる
とき, 日 本 語 教 育 における 話 しことばと 書 きことばの 区 別 , 特 に 論 述 文 語 彙 の 指 導 に
きわめて 有 効 であり, 幅 広 く 活 用 されることが 期 待 される。
5.おわりに
単 語 文 体 の 分 類 は, 日 本 語 による 書 きことばの 使 用 場 面 においては 2 分 類
の 必 要 性 が 高 い。しかし, 話 しことばを 視 野 に 入 れ, 豊 かな 日 本 語 表 現 を 求 める 際 に
は 詳 細 な 分 類 が 必 要 となる。 本 稿 では,そのような 幅 と 奥 行 きのある 必 要 性 に 応 える
ことができる 単 語 文 体 の 分 類 に 有 効 と 考 えられるコーパス 文 体 値 の 可 能 性 について 議
論 した。
今 後 , 日 本 語 教 育 において 単 語 文 体 の 分 類 を 有 効 に 活 用 する 指 導 法 に 至 るま
でを 考 慮 しながら,コーパス 文 体 値 の 信 頼 度 を 高 める 研 究 をさらに 進 めていく 必 要 が
ある。
注
注 1) 一 般 に, 論 説 文 ・ 論 文 のような 論 理 的 文 章 においては 漢 語 ・ 字 音 語 ・
漢 文 訓 読 語 的 な 語 彙 が 多 く 用 いられている。
注 2) 一 覧 表 「 現 代 の 接 続 表 現 の 用 法 」を 田 中 (1987:16)は 掲 げているが, 根
拠 となるデータの 提 示 がなされていないため。
注 3) 被 調 査 者 として 学 生 以 外 には 日 本 語 研 究 者 , 国 語 教 育 または 日 本 語 教
育 の 関 係 者 を 始 めとする 日 本 語 の 専 門 家 が 望 ましい。
[ 参 考 文 献 ]
井 上 次 夫 (2009a)「 論 説 文 における 語 の 文 体 の 適 切 性 について」『 日 本 語 教
育 』141, pp.57-63.
井 上 次 夫 (2009b)「 日 本 語 コーパスに 基 づく『 語 の 文 体 』の 明 確 化 」 文 部 科 学
省 科 学 研 究 費 特 定 領 域 研 究 「 日 本 語 コーパス」『 平 成 20 年 度 公 開 ワークショップサテ
ライトセッション 予 稿 集 』pp.109-118.
井 上 次 夫 (2010a)「BCCWJ を 用 いた『 語 の 文 体 』の 位 置 づけ」 文 部 科 学 省 科
学 研 究 費 特 定 領 域 研 究 「 日 本 語 コーパス」『 平 成 21 年 度 公 開 ワークショップサテライ
トセッション 予 稿 集 』pp.91-100.
井 上 次 夫 (2010b)「 単 語 の 文 体 意 識 について- 話 しことばと 書 きことばの 区 別
-」 全 国 大 学 国 語 教 育 学 会 第 118 回 東 京 大 会 研 究 発 表 要 旨 集 『 国 語 科 教 育 研 究 』
pp.129-132.
井 上 次 夫 (2010c)「コーパスに 基 づく『 語 の 文 体 』の 明 確 化 」『 白 鴎 大 学 教 育
学 部 論 集 』4-1, pp.183-201
井 上 次 夫 (2010d)「BCCWJ を 用 いた『 語 の 文 体 』の 分 類 」『2010 世 界 日 語 教
育 大 会 論 文 集 ・ 予 稿 集 』 論 文 番 号 1040
田 中 章 夫 (1978)『 国 語 位 相 論 』, 明 治 図 書 .
田 中 章 夫 (1981)「 接 続 の 表 現 と 語 法 」『 日 本 語 ・ 日 本 文 化 』10, 大 阪 外 国 語 大
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72
田 中 章 夫 (1987)「 接 続 の 表 現 と 語 法 (Ⅱ)」『 日 本 語 ・ 日 本 文 化 』14, 大 阪 外 国
語 大 学 留 学 生 別 科 , pp.1-19.
田 中 章 夫 (1999)『 日 本 語 の 位 相 と 位 相 差 』, 明 治 図 書 .
宮 島 達 夫 (1972)『 動 詞 の 意 味 ・ 用 法 の 記 述 的 研 究 』( 国 立 国 語 研 究 所 報 告 43),
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宮 島 達 夫 (1977)「 単 語 の 文 体 的 特 徴 」『 松 村 明 教 授 還 暦 記 念 国 語 学 と 国 語
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宮 島 達 夫 (1988)「 単 語 の 文 体 と 意 味 」『 国 語 学 』154, pp.78-88.
宮 島 達 夫 (1994)『 語 彙 論 研 究 』,むぎ 書 房 .
宮 島 達 夫 (2008)「 文 章 の 文 体 と 単 語 の 文 体 - 国 研 コーパスを 利 用 して-」
『 近 代 語 研 究 』14 , 武 蔵 野 書 院 , pp.375-386.
付 記
本 稿 は, 科 学 研 究 費 補 助 金 ( 基 盤 研 究 (C))「 論 述 文 における 適 切 な 単 語 使 用
のための 教 材 開 発 と 指 導 法 の 研 究 」( 研 究 代 表 者 井 上 次 夫 , 課 題 番 号 22531046, 平 成
22-24 年 度 )における 研 究 成 果 の 一 部 である。
Методика преподавания перевода с японского языка (ЯЯ)
на среднем уровне (технологии, приемы, штампы)
Богоявленская Е.Д.
Россия, г. Москва
Ключевые слова: фоновые знания, лингвострановедение
Японии, газетные заголовки, правила перевода имен и фамилий,
собственных географических названий, практические и
грамматические соответствия, сложноподчиненные предложения,
глаголы направленности действия и вежливые глаголы.
стилистические особенности перевода
Эпиграф:
1. «Мысль формирует себя без утайки, во всей полноте;
поэтому-то она легко находит и ясное для себя выражение. И
синтаксис, и грамматика, и знаки препинания охотно ей
повинуются»
Михаил Евграфович Салтыков-Щедрин, писатель-сатирик
(1826-1889 гг.)
2. «Точность слова является не только требованием стиля,
требованием вкуса, но, прежде всего, требованием смысла»
Константин Александрович Федин, русский-советский писатель
(1892-1977 гг.)
Что такое перевод с исходного языка (ИсЯ) на язык перевода
(ЯзП)? Это, как говорят авторы Википедии,

73
«деятельность по интерпретации смысла текста на одном
языке и созданию нового, эквивалентного текста на другом языке» 1 .
Или говоря иначе, передача смысла предложения с ИсЯ на
ЯзП адекватными средствами лексики, синтаксиса, грамматики.
Вынесенные в эпиграф определения писателей различных эпох
и жанров очень метко характеризуют основные принципы
писательского творчества. Но и при работе переводчика с ЯЯ следует
придерживаться тех же правил. Если соединить выделенные мною
слова из этих эпиграфов, то получится суть главного в методике
преподавания практического курса письменного перевода японского
текста: а именно, добиваться выражения МЫСЛИ с помощью средств
СИНТАКСИСА, ГРАММАТИКИ И ЗНАКОВ ПРЕПИНАНИЯ
(Салтыков–Щедрин) и ТОЧНОСТИ СЛОВА, т.е лексики, для
передачи СМЫСЛА (Федин) ИсЯ и ЯзП.
Японские тексты – это статьи из газет, журналов по
специальности или общественно-политической тематике. Отрабатывая
указанные ниже приемы, можно выработать у студента навыки
переводчика, которые могут применяться ими как при переводе
письменных текстов, так и при устном переводе. К требованиям этого
Курса относятся
1. Накопление ФОНОВЫХ ЗНАНИЙ с помощью
спецкурсов
Например, «Лингвострановедение Японии» на базе, в
частности, авторского учебного пособия [1]. В нем представлены
специальные термины и общеизвестные японские реалии на японском
и русском языках по самым трудным для перевода темам.
- Система образования Японии. Например, перевод с ЯЯ на
РЯ таких словосочетаний как:
小 学 校 начальная школа (а НЕ младшая школа)
中 学 校 средняя школа (неполная)
高 校 полная средняя школа, колледж
大 学 университет, институт
学 院 институт(как факультет)
СЁ:ГАККО:
ТЮ:ГАККО:
КО:КО:
ДАЙГАКУ
ГАКУИН
- Географическое положение и административное деление
Японии: характерный пример трудного перевода в виде
иероглифического словосочетания 都 道 府 県 市 町 村 при чтении
ТОДО:ФУКЭН СИТЁ:СОН
1 Википедия, раздел «Перевод».

74
Если перевод каждого иероглифа, входящего в эту лексическую
единицу, звучит как: столичный округ (Токио) 都 , район Хоккайдо 道 ,
округи 府 городов Киото и Осака, префектура 県 , крупный город 市 ,
городок 町 , деревня 村 , то в целом это иероглифическое сочетание переводится
как вся территория Японии: ее районы, города и поселки.
- Национальная и народная идентичность японского
населения: разница в переводе на РЯ таких слов, как:
国 民 (японский) народ, наш народ
人 民 народы (любой другой страны)
人 口 (народо-)население
市 民 数 количество жителей (города)
КОКУМИН
ДЗИММИН
ДЗИНКО:
СИМИНСУ:
- Хронология и календарь Японии: перевод европейского
календаря в историческую хронологию современной Японии; различия
нового и старого стиля в календаре России (для сравнения):
西 暦 западный (европейский) календарь
旧 暦 で по старому стилю (в России)
新 暦 новый стиль (современный календарь в России)
年 号 хронология (в Японии: по годам правления
императоров)
СЭЙРЭКИ
КЮ:РЭКИ ДЭ
СИНРЭКИ
НЭНГО:
- Бытовая жизнь Японии: жилище, одежда, питание.
Объяснение, в частности, ошибок в названиях и транскрипции
японских блюд в многочисленных японских ресторанах Москвы и
России (например, суши и сашими вместо правильных вариантов СУСИ
и САСИМИ); трудности перевода на РЯ слова КИМОНО и способы
употребления глаголов «одевания/надевания одежды» при переводе с
РЯ на ЯЯ; переводы на РЯ слов ФУТОН (и одеяло, и матрац) ,
ТАТАМИ (соломенная циновка), СЁДЗИ (раздвижные стены,
перегородки), ФУСУМА (ширмы, перегородки).
-Традиционные виды спорта: сумо, дзюдо, кэндо. Перевод и
толкование данных терминов на РЯ, а также возможности и способы
толкования производных от них слов. В частности,
お 相 撲 さん борец сумо (японской борьбы)
О-СУМО: САН
柔 道 дзюдо (борьба)
ДЗЮ:ДО:
剣 道 японское фехтование на мечах
КЭНДО:
-Культура и театральное искусство. Речь идет не только о
театре НО, Бунраку и Кабуки, но и об искусстве ОРИГАМИ и
ИКЭБАНА. Отработка навыка перевода на РЯ этих терминов,
привычных даже для людей , не знающих ЯЯ. Перевод, в основном,
описательный:

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能 楽 классический японский театр НО
文 楽 劇 кукольный театр Бунраку
НО:ГАКУ
БУНРАКУ ГЭКИ
歌 舞 伎 座 традиционный театр Кабуки
КАБУКИ ДЗА
折 り 紙 бумага для складывания фигурок
ОРИГАМИ
生 け 花 (дословно) живые цветы, (описательный ИКЭБАНА
перевод) искусство аранжировки цветов
- Некоторые исторические факты международного и
внутриполитического положения Японии. Речь идет о Конституции
японского государства и ее мирном характере, об участии Японии во
второй мировой войне и о правильной терминологии при переводе
понятия Тихоокеанской войны в рамках второй мировой войны и так
называемой «территориальной» проблемы, о двусторонних японосоветско/-российских
отношениях). Вот примеры перевода некоторых
терминов.
北 方 領 土 問 題 проблема «северных территорий»
ХОППО:РЁ:ДО
МОНДАЙ
日 露 戦 争 японо-русская война (со стороны
Японии)
露 日 関 係 российско-японские отношения (со
стороны России)
日 ソ 共 同 宣 言 Японо-советская совместная
Декларация
НИТИРО СЭНСО:
РОНИТИ КАНКЭЙ
НИССО КЁ:ДО:
СЭНГЭН
2. Изучение основ перевода ГАЗЕТНЫХ ЗАГОЛОВКОВ
«Заголовки» в японских газетах и журналах переводятся
довольно трудным для восприятия студентов словом 見 出 し МИДАСИ.
Если следовать дословному переводу иероглифов, это - «вытащить
наружу (2) и смотреть (1)» (цифры указывают на порядок написания
иероглифов в слове). Для сравнения: говоря о книге, слово «заглавие,
заголовок» переводится как 題 名 ДАЙМЭЙ, в котором буквальный
перевод иероглифов означает «название темы».
Кроме того, много трудностей при переводе газетножурнальных
заголовков кроется и в их содержании. Заголовки статей в
японских газетах печатаются и по горизонтали, и по вертикали,
жирным и обычным шрифтом, сокращенными иероглифическими
символами, без использования грамматических окончаний и падежных

76
показателей. Нет в них также и знаков пунктуации. Всему этому
приходится обучать студентов на примере конкретных текстов и
штампов перевода. Помогают в этом два японских учебных пособия для
иностранных студентов 新 聞 で 学 ぶ 日 本 語 и 新 聞 の 経 済 面 を 読 む [2; 3].
3. Усвоение ПРАВИЛ ПЕРЕВОДА имен и фамилий,
СОБСТВЕННЫХ географических НАЗВАНИЙ, названий компаний,
ведомств, политических партий, практических соответствий и
ФРАЗЕОЛОГИЗМОВ
По этому аспекту методики автор имеет отдельную статью,
которая раскрывает все варианты перевода с ЯЯ указанных терминов
[4]. Помимо перевода русскоязычных ФИО на ЯЯ с их адаптацией к
восприятию японцем российского отчества (которых у японцев нет),
внимание следует уделять и переводу на РЯ иностранных имен и
фамилий с латинской письменности, написанных японскими знаками
азбуки катакана . Например, サッチャー Thatcher ТЭТЧЕР (чтение пояпонски:
САТТЯ:).
Камнем преткновения становятся имена и фамилии из
иероглифических языков (Китая и Южной Кореи). На РЯ их перевод с
ЯЯ звучит не так, как читаются эти же японские иероглифы на ЯЯ. И
правила орфографии и пунктуации в написании перевода этих имен на
РЯ отличаются друг от друга. Например, в китайском языке:
毛 沢 東 ( 主 席 ) МО: ТАКУ ТО: (чтение на ЯЯ) , а перевод на РЯ:
Мао Цзэ дун (председатель) или Мао Цзэдун (прежнее и
современное правописание), а в корейском языке, в частности,
транскрипция и правописание на РЯ выглядят иначе:
金 日 成 ( 主 席 ) КИН ХИ СЭЙ (транскрипция с ЯЯ) , а перевод
на РЯ Ким Ир Сен (председатель). Или
( 故 ) 金 正 日 ( 総 書 記 ) КИН СЁ: ХИ (транскрипция с ЯЯ)
(покойный), перевод на РЯ Ким Чен Ир (генеральный секретарь)
4. Различение ЗНАКОВ ПРЕПИНАНИЯ в ЯЯ
В частности, особенности японских запятых ( выглядит
так 、) и кавычек при прямой/косвенной речи и цитировании
( выглядят кавычки так 「あ」 ), а также использование знаков
пунктуации РЯ при наличии в японском тексте восклицательных и
вопросительных частиц вместо самих восклицательных и
вопросительных знаков как таковых.
か、ね、の ??? よ、わ !!!
5. Соблюдение ГРАММАТИЧЕСКИХ СООТВЕТСТВИЙ
Главное внимание в этом разделе уделяется отработке
навыков переводчика при анализе сложноподчиненных предложений, в
состав которых входят придаточные определительные, условные,

77
уступительные, времени и пр. Это занимает наибольшее количество
времени и доставляет максимальные трудности и «мучения» студентам.
Хотя все правила грамматики изучаются теоретически и практически с
первого года обучения ЯЯ, но студенты не всегда могут адаптировать
их к конкретному связному тексту.
Этот аспект методики частично изложен автором в отдельной
статье, опубликованной в сборнике выступлений на Международной
конференции РГГУ в 2007 г. [5].
В отличие от существующих в российских учебниках правил
интерпретации грамматики, я предлагаю серьезное внимание обращать
НА МНОГООБРАЗИЕ ФОРМ ПЕРЕВОДА на РЯ одного и того же
правила из ЯЯ с различными формами образования и грамматических
показателей. Например, мало перечислить и выучить формообразование
все ПРАВИЛА УСТУПИТЕЛЬНОГО НАКЛОНЕНИЯ. Переходя к
каждой последующей форме, нужно показать ОТЛИЧИЯ В ПЕРЕВОДЕ
на РЯ. Ведь в РЯ существуют разные выражения, характеризирующие
эту функцию в русской речи: хоть-хотя, даже если, несмотря на, пусть
даже, так-то оно так, но… и пр.
6. Соблюдение СТИЛИСТИЧЕСКИХ ОСОБЕННОСТЕЙ при
переводе с ЯЯ подразумевает умение студента-переводчика различать в
ЯЯ разговор на «ты» или «вы», уровень вежливости в обращении к
«старшим» и скромной почтительности к «младшим». Здесь главное
внимание уделяется глаголам направленности действия без
использования личных местоимений в ЯЯ и обязательного их
восстановления при переводе на РЯ.
Эти правила я отрабатываю с помощью своего рукописного
пособия «ЯЯ – В ТАБЛИЦАХ, ГРАФИКАХ, РИСУНКАХ», которое я
начала собирать в 1995 г. и намерена завершить публикацией в текущем
году. В качестве примера привожу ниже одну из таблиц.
Таблица 13. Глаголы (служебные) в ЯЯ, выражающие
направленность действия
Лицо Примеры на ЯЯ Перевод на РЯ
От 1-го ко 2-му 本 を 読 んであげます Я ВАМ почитаю
本 を 読 んでいただき
ますか
книгу
ВЫ почитаете МНЕ
От 2-го к 1-му
本 を 読 んでもらいま
すか
книгу?
ТЫ МНЕ почитаешь
книгу?
ВЫ МНЕ почитаете

78
От 3-го к 1-3му
本 を 読 んでください
ますか
本 を 読 んでくれます
か
книгу?
ОН НАМ/ВАМ/ИМ
почитает книгу?
7. Отработка ТЕХНОЛОГИЧЕСКИХ ПРИЕМОВ И ШТАМПОВ
перевода с ЯЯ реализуется постепенно и поэтапно и дает студенту
возможность добиться ощутимых результатов в приобретении навыков
переводчика.
Библиографический список
1. Богоявленская Е.Д. Страноведение Японии. – М.: ЗАО
«Япония-сегодня», 2004. – 88 с.
2. Reading Japanese Financial Newspapers. 新 聞 の 経 済 面 を 読 む,
revised and updated edition, Association for Japanese-Language Teaching,
Kodansha International, Tokyo-New York- London, 1999.
3 水 谷 修 ・ 水 谷 信 子 、 新 聞 で 学 ぶ 日 本 語 、 読 んで 話 す 現 代 の 日 本 , Mizutani
Osamu, Mizutani Nobuko, Nihongo through Newspaper Articles. – Tokyo,
the Japan Times, 2000.
4. Богоявленская Е.Д. Теория и практика перевода имен
собственных в ЯЯ / Ассоциации преподавателей ЯЯ РФ и стран СНГ
«ЯЯ в ВУЗе: актуальные проблемы преподавания». Выпуск 6.
Материалы научно-методической конференции «ЯЯ и проблемы
преподавания» (октябрь, 2011). – М.: ИД «Ключ-С», 2011. – С. 29-40.
5. Богоявленская Е.Д. Некоторые аспекты теории перевода с ЯЯ
и методические рекомендации по их преподаванию на среднем уровне
обучения» / Восточные языки культуры: Материалы 1-й международной
научной конференции 22-23 ноября 2007 года. – М.: РГТУ ИЛ, 2007. –
С. 264-267.
6. Богоявленская Е.Д. ЯЯ – в таблицах, графиках, рисунках
(в рукописи): Авторское пособие. – Начало сбора материала в 1995 г.
日 本 語 を 第 二 言 語 とする 年 長 学 習 者 のための 包 括 的 な 漢 字 コース 開 発
について
池 田 諭 史 、ポリャコーヴァ・クセーニヤ
ロシア、サンクトペテルブルグ

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キーワード: 文 字 学 、 漢 字 の 教 え 方 、ニューモニック、 教 科 書 作 成 法 、 年 長
学 習 者 、 包 括 的 な 漢 字 コース
はじめに
日 本 語 を 教 育 するとき、 総 合 日 本 語 と 漢 字 を 分 けて 教 えることが 伝 統 になっ
ている。それは、 教 科 書 が 総 合 日 本 語 と 漢 字 とに 分 かれて 用 意 されているためだ。 西
洋 言 語 の 教 育 課 程 では、 文 字 は 重 要 な 役 割 を 果 たさない 音 素 文 字 であるため、 特 別 に
教 育 する 制 度 がない。 一 方 、 漢 字 は、それぞれが 意 味 を 持 ち 音 節 に 対 応 している 形 態
素 であるため、 総 合 日 本 語 の 教 育 のほかに 漢 字 の 教 育 が 必 要 となった。その 時 に 1 冊 の
教 科 書 で 包 括 的 に 日 本 語 を 教 える 方 法 が 開 発 されたらよかったのだが、そうはならな
かった。 最 近 も、この 問 題 についての 論 文 が 発 表 されたが、その 理 論 が 未 だ 世 界 的 に
受 け 入 れられておらず、 旧 来 通 りの 方 法 が 採 用 されている。また、 漢 字 の 教 科 書 や 教
育 方 法 自 体 にも 問 題 がある。 文 字 形 成 の 背 景 を 歪 曲 させたり、ニーモニックに 基 づい
て 作 成 されたりしているのだ。これは 言 語 学 からすると 間 違 いである。しかし、それ
についての 批 判 や 修 正 がない。 世 界 で 使 われている 有 名 な 教 科 書 にも 学 生 が 覚 えやす
い 方 法 を 使 うだけで、 文 字 の 歴 史 や 文 化 との 繋 がりが 無 視 されている。ベーシック 漢
字 ブックは 今 現 在 、 世 界 でもっとも 使 われている 1 冊 であることには 間 違 いがない。し
かし、この 本 も 矛 盾 や 誤 りが 数 多 く 見 受 けられるほか、 漢 字 の 出 現 する 順 番 や 他 の 文
字 との 関 連 性 がおかしく 見 える。とはいえ、この 本 に 勝 った 本 に 出 合 えないばかりか
選 択 肢 がないため、 長 年 内 容 を 補 正 して 使 ってきた。ただ、その 行 為 は 合 理 的 ではな
いため、 新 たな 教 授 法 を 創 作 するという 考 えに 至 った。
教 授 法 の 研 究 について
日 本 語 教 育 に お け る 漢 字 の 教 え 方 に つ い て の 論 文 、 Стрижак У.П.
«Система обучения иероглифической письменности (японский язык)»
( 日 本 語 教 育 における 漢 字 の 教 授 法 )では、 漢 字 を 教 える 3 つのアプローチが 述 べられ
ている。1 つ 目 は、 運 動 記 憶 を 使 ったアプローチ。 繰 り 返 して 書 かせて 覚 えさせるとい
うものだ。2 つ 目 は、 視 覚 記 憶 を 使 ったアプローチ。 漢 字 を 部 首 や 構 造 に 分 けずに、ま
るごと 覚 えさせる。この 方 法 では、 往 々にしてニューモニックが 利 用 される。3 つ 目 は、
構 造 分 析 を 使 ったアプローチ。 漢 字 のパーツを 理 解 させることだ。これは、ずっと 以
前 に М.Ф. Хваном によって「ニューモニック」と 名 付 けられたが、 現 在 のニューモ
ニックの 語 義 は「 記 憶 を 助 ける」という 意 味 で 使 われ、 当 初 の 語 義 より 拡 大 している。
Стрижак У.П.の 論 文 によると 漢 字 の 教 え 方 のストラテジーはまだできていない。こ
の 3 つのアプローチは、 学 習 者 の 年 齢 を 考 慮 しないものであるため、 年 長 学 習 者 へのア
プローチにそぐわない。
他 に、コミュニケーションアプローチを 使 った 日 本 語 の 教 授 法 がある。 記 憶
にあると 思 うが、1990 年 代 には 偽 物 の 日 本 語 教 育 に 関 する 教 科 書 が 多 く 並 んでいた。
それらは「90 日 間 で 日 本 語 ができる」など、 短 期 間 で 日 本 語 を 習 得 できる 教 授 法 を 謳
い 文 句 にした 本 が 数 多 く、それらはコミュニケーションアプローチから 日 本 語 を 習 得
させるというものであった。 中 を 見 ると、 漢 字 が 1 字 も 記 されていなかった。 簡 単 な 挨
拶 や 決 まり 文 句 を 教 える 程 度 なら 話 は 別 だが、 会 話 が 出 来 るどころか、 程 無 くして 問
題 に 直 面 することは 明 確 である。 日 本 語 と 漢 字 の 関 係 は 極 めて 深 いゆえに、 最 初 から
漢 字 を 含 めて 学 習 しはじめることが 合 理 的 であり、その 後 の 学 習 の 基 礎 になる。
それに 比 べ 中 国 語 は 別 だ。 中 国 語 を 教 えるときにはもっと 複 雑 なアプローチ
を 使 う。それは 筆 画 からスタートして 部 首 に 進 む。これは 伝 統 的 な 教 授 法 となってい
る。この 大 切 な 部 分 が 日 本 語 教 育 において、ほとんど 無 視 されている。また、 意 思 ア

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プローチというものがある。このアプローチは 歴 史 に 基 づいた 漢 字 の 成 り 立 ちと、 今
の 状 態 との 比 較 がある。このアプローチは、М.Ф. Хваном のアプローチにおおよそ
で 一 致 している。 «Идеография»には «Наиболее трудный, но верный метод
углубленного изучения идеограмм. Этот метод проливает свет на
историю языка, дает правильное осмысление идеограмм и обогащает
теоретическое познание иероглифических языков»(このアプローチはとて
も 困 難 であるが、 一 番 正 しい 漢 字 の 学 習 方 法 である。このアプローチを 利 用 して、 言
語 の 歴 史 と 漢 字 とのつながりを 理 解 し、 理 論 の 基 礎 、 漢 字 を 利 用 する 言 語 についての
知 識 を 広 げる。)と 記 されている。
アプローチの 選 択 肢 が 多 いにも 関 わらず、 日 本 語 教 師 は 包 括 的 な 教 授 法 の 完
成 を 待 ち 続 けている。
年 長 学 習 者 おける 漢 字 教 科 書 作 成 法 の 傾 向 について
一 つ 目 の 特 徴 として、 総 合 日 本 語 と 漢 字 の 教 科 書 は、それぞれのメーカーが
どの 本 に 準 拠 することもなく 作 成 されていることである。 前 述 のとおり、 漢 字 は 総 合
日 本 語 とは 別 に 教 えられている。それも、メーカーの 違 う 教 科 書 を 組 み 合 わせて 使 う
ことが 大 半 である。 現 在 、 世 界 にいる 日 本 語 教 師 はこのような 形 を 選 択 している。 漢
字 の 教 科 書 を 総 合 日 本 語 の 教 科 書 と 組 み 合 わせて 使 うが、お 互 いの 繋 がりはない。 漢
字 は 他 のアスペクトと 繋 がりがなくてもいいという 意 見 があるためだ。そうすると、
ときどき 変 なギャップが 生 じる。 難 しい 漢 字 を 習 得 している 者 が、 優 しい 漢 字 を 習 得
していない 状 態 になる。その 状 態 では 新 しい 漢 字 を 導 入 できない 以 上 に、レベルを 戻
さなければならなくなる。これは、 学 習 のテンポを 乱 すことになる。 新 しい 漢 字 と 既
習 漢 字 との 組 み 合 わせが 一 番 効 果 的 で 忘 れにくい。
もう 一 つの 特 徴 として、 教 科 書 全 体 に 一 貫 した 制 度 がないことである。 日 本
語 能 力 試 験 対 策 の 教 科 書 に 似 ている。まとまりのないグループに 分 けられて 少 しずつ
覚 えようというものだ。 漢 字 の 歴 史 、 成 り 立 ちや 筆 画 などを 記 載 している 部 分 がない。
たまにコース 全 体 の 制 度 だけでなく、1 つのユニットですら 制 度 がない。たとえばベー
シック 漢 字 Vol.1 を 例 に 挙 げる。そこには 漢 字 10 字 挙 げているが、その 中 の 4 字 が
「 絵 からできた 漢 字 」に 該 当 しない。(「 絵 からできた 漢 字 」Basic Kanji Book
p.59)また、「 牛 」という 漢 字 と「 物 」という 漢 字 が 併 記 されている。これは「 牛 」
という 漢 字 に 関 連 があるため 併 記 した 意 図 がみられるが、 絵 からできた 漢 字 としてま
とめるのはおかしい。そのほかに 漢 字 が 出 現 の 順 番 も 逆 になっていため、 学 習 者 が 困
惑 し、 間 違 ったイメージで 理 解 してしまう。
総 合 日 本 語 と 漢 字 の 教 科 書 を 合 わせて 販 売 しているものもある。 総 合 日 本 語
に 沿 って 作 られているので 繋 がりはあるが、 補 助 的 なものとして 用 意 されており 漢 字
を 理 解 させる 仕 組 みが 全 くない。 学 習 者 は、 漢 字 を 理 解 するための 基 礎 が 欠 如 し、 応
用 や 他 の 漢 字 との 繋 がりもできないので、 記 憶 に 頼 ることになる。シンプルな 漢 字 は
簡 単 で 覚 えやすいが、 先 に 進 むにつれ 文 字 が 複 雑 化 していくため、 教 育 者 が 幾 ら 頑 張
って 教 えても 学 習 者 は 漢 字 への 興 味 を 徐 々に 失 っていく。 教 育 者 はニューモニックを
利 用 して、 楽 しくわかりやすい 方 法 を 選 んでいるようだが、 基 礎 が 形 成 できていない
ため 忘 れ 易 い。
年 長 学 習 者 の 漢 字 の 覚 え 方 について
Стрижак У.П.の 論 文 によると、 漢 字 を 記 憶 するためには「 手 続 き 記 憶 」、
「 感 覚 記 憶 」、「 意 味 記 憶 」を 正 しく 繰 り 返 し 行 うことが 重 要 であると 述 べている。

81
特 に 年 長 学 習 者 を 教 育 するときは、このシステムをバランス 良 く 行 うかがとても 重 要
である。だが、この 制 度 がとても 効 果 的 であるにも 関 わらず 使 われていない。その 理
由 は、 教 育 者 が 1 つのアプローチを 選 択 して 教 えるため、 他 のアプローチを 無 視 してし
まうからだ。また、 既 存 の 教 科 書 を 見 ても、このシステムに 基 づいていないため、3 タ
イプの 記 憶 法 を 使 わないものとなってしまっている。
もう 1 つ 問 題 は、 日 本 語 を 学 習 するときに 漢 字 の 入 門 のコースがないことだ。
既 存 の 教 科 書 は、 漢 字 の 歴 史 や 漢 字 辞 典 の 使 い 方 を 無 視 して 進 むばかりか、いきなり
単 漢 字 から 教 えるため、 部 首 を 知 ることなく 進 んでしまう。 西 洋 言 語 の 入 門 コースを
勉 強 する 時 には、 必 ず 発 音 のコースが 始 まる。しばらく 文 字 の 発 音 方 法 や 文 字 だけを
勉 強 する。 基 礎 を 作 るためだ。そのあとに 総 合 言 語 のコースに 入 る。
日 本 語 は 難 しい 言 語 であるのに、なぜそのような 教 育 方 法 が 日 本 語 にはない
のだろうか。 年 長 学 習 者 にとって、 入 門 コースを 経 ることは 効 果 的 であり 合 理 的 であ
る。
漢 字 コースの 開 発 について
漢 字 のコースを 作 るにあたり、 文 字 学 の 科 学 に 基 づいて 作 成 されなければな
らない。 言 語 学 は 古 くから 西 洋 言 語 学 が 中 心 であったため、 文 字 学 が 無 視 されてきた。
なぜならば、 西 洋 の 言 語 では 文 字 が 重 要 な 役 割 を 果 たさない 音 素 文 字 と 考 えられてい
たためだ。Ferdinand de Saussure は、「シニファン(signifiant)とシニフィエ
(signifié)の 繋 がりはない。」と 唱 えた。 絵 からできた 漢 字 は 西 洋 言 語 学 にとって 邪
魔 であったため、 無 視 や 隠 蔽 がされた。そのために 西 洋 言 語 学 における 文 字 学 の 関 心
は 低 かった。 漢 字 には 学 際 的 研 究 の 結 果 がある。 発 掘 された 物 からの 科 学 、 歴 史 に 基
づいた 意 味 など 文 字 の 歴 史 が 多 く 残 されており、この 学 識 を 無 視 することは 学 術 に 反
することになる。 学 習 者 に 教 育 者 のエゴや 反 学 問 的 な 教 育 をすることは 良 いことでは
ない。
以 前 、 漢 字 コースを 作 った 際 、 学 習 者 は 初 級 から 上 級 までおり、 単 漢 字 を 勉
強 する 前 に 漢 字 入 門 コースを 大 学 や 言 語 学 院 で 実 際 に 行 なった。このコースは 3 か 月 間
のコースで、 部 首 や 筆 画 を 教 えるコースであった。 結 果 は 学 習 者 が 部 首 で 漢 字 の 構 成
を 理 解 できたほか、 辞 書 も 上 手 に 引 けるようになった。 毛 筆 による 筆 画 の 学 習 によっ
て、 自 然 と 書 き 順 も 矯 正 できた。 書 道 を 積 極 的 に 取 り 入 れることによって 文 字 のバラ
ンス、スタイルを 見 てもらい、 漢 字 の 世 界 を 考 察 してもらう。これにより 漢 字 に 対 す
る 興 味 関 心 が 強 くさせられるのではないかと 考 える。また、 筆 跡 にも 力 を 入 れたい。
西 洋 言 語 では 行 書 ( 筆 記 体 )が 一 般 的 であるためか、 日 本 語 の 形 を 崩 したりつなげた
りして 書 く 人 が 多 くみられる。 日 本 語 では 楷 書 体 が 一 般 的 であり、 字 をきれいに 書 く
のが 理 想 であることを 認 識 してもらいたい。
入 門 コースが 終 わると、 次 は 基 本 コースに 入 る。 大 切 なのは 練 習 制 度 である。
普 通 に 単 漢 字 を 練 習 させるのではなく、 既 習 漢 字 と 繋 がりのある 新 たな 漢 字 を 同 時 に
練 習 させることで、 学 習 者 の 記 憶 を 整 理 することが 効 果 的 であると 考 える。また、 漢
字 の 90% 以 上 が 形 声 なので、 意 符 と 音 符 を 習 得 させることで 読 めない 漢 字 も 読 めるよ
うになる。
1 単 位 の 授 業 では 単 漢 字 10 字 までを 上 限 とし、 必 ず 次 のすべての 方 法 、アプ
ローチを 利 用 して 導 入 する。(1) 歴 史 に 基 づいた 漢 字 の 意 味 。(2) 書 道 。フォン
トとの 違 い。(3) 発 音 。 音 符 とほかの 漢 字 との 繋 がり。(4) 漢 字 の 使 用 例 。これ
は 組 み 合 わせ 例 をたくさん 示 し、それぞれ 熟 字 の 意 味 の 違 いを 理 解 させる。(5) 語
義 。1 つの 漢 字 に 複 数 の 意 味 を 持 ち 合 わせたものがあるので 注 意 を 払 う。

82
また、 読 み 書 きだけの 練 習 に 留 まらず、 漢 字 の 上 手 な 利 用 が 重 要 になると 思
われる。 文 脈 に 沿 った 適 切 な 使 い 方 が 大 切 である。そうすることで 漢 字 の 違 いが 分 か
るようになり、さらには 文 脈 を 使 うことで 長 期 記 憶 にも 繋 がる。
まとめ
このコースは 現 在 実 行 中 であるが、まだまだ 修 正 の 余 地 がある。コースをさ
らに 面 白 くするため、 必 ず 文 字 ・ 言 語 学 の 新 しい 研 究 を 常 に 反 映 させて、 試 行 錯 誤 す
れば 素 晴 らしいものになるに 違 いないだろう。
参 考 文 献
1. Готлиб О.М. Основы грамматологии китайской
письменности. – М.: АСТ: Восток-Запад, 2007.
2. Соссюр Фердинанд де. Курс общей лингвистики: Пер.
с фр. – М.: Едиториал УРСС, 2004.
3. Стрижак У.П. Система обучения иероглифической
письменности: Японский язык: Дис. ... канд. пед. наук: 13.00.02. – М.,
2005. – 155 c.
4. Хван М.Ф. Идеография (курс дальневосточной
письменности). – Л.: Лингвистический факультет, 1936.
5. Basic Kanji Book 基 本 漢 字 500Vol 1., Bonjinsha Co., LTD.

83
ЯПОНСКИЙ ЯЗЫК И ПЕРЕВОДОВЕДЕНИЕ
日 本 語 と 語 訳 学
Понятие «ономатопоэтической лексики»
в японском языке и способы перевода
Тапилина К.Г.
Россия, Санкт-Петербург
Ключевые слова: японский язык, ономатопея,
звукоподражание, звукосимволизм
В современном японском языке существует довольно большое
количество звукоподражаний или ономатопоэтической лексики, которая
является одной из самых употребляемых как в литературе, так и в
повседневной разговорной речи, являясь одной из характерных
особенностей японского языка.
В настоящее время интерес к функционированию
ономатопоэтической лексики в японском языке растет. Такие лингвисты,
как Подшибякина А.А., Чиронов С.В., Алпатов В.М., Киндаити Х.,
Тамамура Ф. занимались изучением данного вопроса. В современной
лингвистике явление ономатопеи привлекает внимание в свете
проблемы мотивированности языкового знака в работах Ф. Соссюра,
Ш. Балли. С точки зрения их роли в процессе формирования языка
явления ономатопоэтики рассматриваются К. Вундтом, Г. Паулем
(Вундт 1912, Пауль 1960), а также у Э. Сепира (Сепир 1968). Проблемам
функционирования звукосимволизма в различных пластах языка вне
связи с ономатопоэтической лексикой посвящены работы О. Есперсена
(1964), М. Свадеша (1972), Й. Коржинека [6].
Японский язык представляет особый интерес с точки зрения
исследования ономатопоэтических слов ввиду богатства
представленного в нём ономатопоэтического материала.
Определение понятия «ономатопея»
Вот некоторые из определений, наиболее точно отражающие
суть понятия:
1) Ономатопея – это звукоподражание, образование слов,
условно воспроизводящих природные звуки, крики животных и т. д.
(гав-гав, кукареку, мяу), а также создание слов путем звукоподражания
(гавкать, кудахтать, куковать, мяукать) [7].

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2) Ономатопея - звукоподражание, образование слов, условно
воспроизводящих природные звуки, крики животных и т. д. (гав-гав, ку
нареку, мяу), а также создание слов путем звукоподражания (гавкать,
кудахтать, куковать, мяукать) [8].
Теория звукоподражания (ономатопоэтическая теория)
Одной из теорий происхождения языка является теория
звукоподражаний. Она говорит о том, что «язык возник в результате
того, что человек подражал звуковым (и незвуковым) признакам
называемых объектов». Звукоподражание понималось как подражание
звуком звуку (когда в звучании слова находил свое отражение звуковой
признак объекта-денотата) и подражание звуком не-звуку (отражение в
звучании слова какого-либо незвукового признака объекта денотата) –
то есть как звукосимволизм и звукоподражание.
Суть данной теории заключается в том, что человек, не
обладавший языком, пытался подражать звукам природы и
окружающего мира при помощи речевого аппарата.
У данной теории были и противники, которые считали, что в
ней абсолютизируется принцип звукоподражания и отказывались
признавать существование звукосимволизма.
Ономатопоэтика представляет собой доказательство теории о
логической связи между звуком и смыслом. По мнению многих
исследователей, ономатопоэтическая лексика распространена намного
шире в языках развитых народов.
Терминология: звукоподражания и звукосимволизмы
Звукоподражание (ономатопея) как явление определяется как
«закономерная, не произвольная, фонетически мотивированная связь
между фонемами словами и лежащими в основе номинации звуковым
(акустическим) признаком денотата (мотивом)» или как «условная
имитация звучаний окружающей действительности фонетическими
средствами данного языка». Как класс слов можно обозначить, как
«слова, в звучании которых отражены звуковые характеристики
воспроизводимых ими объектов». Такие слова могут обозначать звуки
природы, голоса птиц, животных, человека. Обязательная
характеристика - как можно более точное обозначение того или иного
звука.
Данный класс присутствует во многих языках мира, это можно
объяснить тем, что языки адаптируют определенные звуки
фонетической системой, и поэтому, имея одни источники
происхождения, могут быть облечены в различные фонетические

85
формы в разных языках мира. Этот класс слов присутствует
практически во всех языках, и, как правило, является
немногочисленным, однако японский язык в данном плане –
исключение.
Явление же звукосимволизма принято обозначать как
«закономерную, не произвольную, фонетически мотивированную часть
между фонемами слова и полагаемыми в основу номинации незвуковым
(неакустическим) признакам денотата (мотивом)».
Звукосимволизм охватывает большой спектр понятий -
движение и свет, форму и величину предметов, удаленность и близость
объектов, свойства материалов и поверхностей, походку и мимику,
поведение животных, физиологическое и эмоциональное состояние
человека. Традиционно принято выделять:
• обозначение световых явлений;
• свойства предметов, их поверхности, формы, вида;
• способы, манеры движения человека или животного;
• облик, мимика и выражения лица человека;
• эмоции, настроение.
Звукосимволизмы передают звуки, не имеющей прямой связи,
то есть отражение звука в языке не похоже на его реальное звучание. А
иногда посредством звукосимволизма передаются и не звуковые
явления. Также звукосимволизм можно разделить:
• на «субъективный» - связь между звуком и значением в
психике человека;
• на «объективный» - связь между звуком и заначением слова в
языке.
Такое деление принято в русской лингвистике.
В японской лингвистике приняты следующие термины:
• Гитайго («слово, подражающее поведению, состоянию или
ситуации») – аналог термина «звукосимволизм»;
• Гисэйго (слово, подражающее голосу») – более узкий термин,
используемый для передачи голосов птиц, животных и человека;
• Гионго («слово, подражающее звуку») – аналог термина
«звукоподражание», им обозначают голоса или звуки воздействия на
неодушевленные предметы для передавания в устной или письменной
формах;
• Ономатопэ – «ономатопея» или «звукоподражание»;
• Онга – «обозначение звука»;
• Оммохо – «слова, отражающие картину мира»;
• Онсэй-но сё:тё – «символы звука»;

86
• Онсё:тё: – «звуковой символизм»;
• Ими-но сё:тё – «символы смысла»;
• Гибо:го – «слова, описывающие внешность или облик
человека»;
• Моё:го – «слова, описывающие состояние, положение или
ситуацию»;
• Сяе:го – «слова, описывающие форму, цвет, вид, образ» и т.д.
Тематические классификации ономатопоэтической лексики
В японских словарях и литературе встречается разделение на
гитайго, гионго и гисэйго. В некоторых изданиях упоминается вместо
«гисэйго» термин «гионго» и наоборот.
Класс гионго насчитывает, по сравнению с гитайго, гораздо
меньшее количество единиц, обладает понятной мотивированностью.
В классе гитайго принято выделять несколько подклассов, их
можно разделять на группы, подгруппы и так далее, потому что гитайго
охватывает большой спектр обозначаемых явлений, например, можно
выделить подклассы:
• обозначение действий, производимых одушевленными
существами, в том числе и человеком;
• вид, облик;
• чувства (зрение, осязание, обоняние и так далее);
• эмоции;
• состояние души;
• состояние явлений, процессы изменения того или иного
состояния предметов или явлений.
Также существуют классификации, основанные на
ассоциациях:
• звуковых;
• зрительных;
• осязательных;
• моторных [3, с. 9].
Фразеологические комплексы
Устойчивые словосочетания, образованные по принципу
«ономатопоэтическое наречие + глагол», можно именовать
фразеологическими комплексами. Лексическое значение
ономатопоэтического слова реализуется только в сочетании с одним
или несколькими глаголами, а употребление того или иного наречия
автоматически предполагает употребление соответствующего глагола.

87
Существуют также сочетания типа «ономатопоэтическое слово
+ глагол «суру». Некоторые исследователи (например, Эндрю Чэн,
автор японо-английского словаря ономатопоэтической лексики)
считают, что такие сочетания должны рассматриваться как одно слово,
а не как фразеологический комплекс. Изначально же в японском языке
существовала форма типа «ономатопоэтическое слово + «то» + «суру»,
но со временем закрепилась сокращенная форма, без послеслога «то».
В конструкции с глаголом «суру» гионго и гитайго в
предложении выполняют глагольные функции. Если
ономатопоэтическое слово или глагольная конструкция (плюс «суру»)
стоит в конце предложения – это функция сказуемого. В этой функции
может также встречаться сокращенная форма, без глагола «суру» [3,
с. 9].
Способы перевода звукоподражаний
1) Поиск постоянных эквивалентов (полное соответствие на
языке перевода)
В японском языке постоянные эквиваленты существуют в
основном для гитайго, однако полные лексические соответствия
встречаются редко. То есть необходимо подобрать такие языковые
средства в языке перевода, которые соответствуют по смыслу
оригиналу и создают такой же эффект, как и в исходном языке,
несмотря на то, что иногда они могут оказаться очень далекими по
звучанию от оригинала [4, с. 39].
2) Поиск единиц, имеющих неполный аналог в языке перевода
В данном случае звукоподражание можно перевести словом или
словосочетанием, максимально близким по смыслу. Однако есть случаи,
когда индивидуальные звукоподражания (механические или животные),
рассчитаны на определенный стилистический эффект.
В таких случаях С. Влахов советует постараться сохранить их,
ибо, как говорит И. Левый, «нельзя перевести или заменить
звукоподражательный ряд, возникший в единичном случае, специально
созданный для передачи того или иного природного звучания; здесь
возможна только фонетическая транскрипция» [2, с. 39].
3) Описательный перевод
Такой способ перевода советует А.А.Подшибякина. Его можно
использовать в случае, если нет эквивалентов в языке перевода.
Примерами может служить звукосимволизм или гитайго.

88
Это наиболее популярный способ перевода, но поскольку не
всегда возможно подобрать эквивалент на языке перевода, удачным его
считать нельзя.
4) Нулевой перевод
Еще Е.Д. Поливанов утверждал, что японские
звукоизобразительные слова «отлично можно не переводить, просто
опуская», так как «все нужное для смысла оказывается выраженным
другими словами» [Поливанов, 1968. С. 42].
5) Выбор подходящего способа по контексту
Согласно А.А. Подшибякиной, иногда необходимо вообще
отказаться от лексического соответствия и выбрать совершенно иное
слово, являющееся наиболее подходящим в данном контексте.
Проблемы перевода ономатопей
Среди ученых довольно распространено мнение, что
звукоизобразительные слова относятся к безэквивалентной лексике
(БЭЛ). С. Влахов и С. Флорин, относя звукоизобразительную лексику к
безэквивалентной, рассматривают только звукоподражания,
существенно сужая границы звукоизобразительной лексики. В
доказательство своей теории С. Влахов и С. Флорин приводят пример,
когда носители разных языков воспроизведут лай одной и той же собаки
по-разному, в силу сложившейся в их стране традиции, особенностей
фонетического состава языка и артикуляторного аппарата.
Библиографический список
1. Алпатов В.М. Япония: язык и общество / Институт
востоковедения РАН. – М.: Муравей, 2003.
2. Влахов С., Флорин С. Непереводимое в переводе. – М.:
Высшая школа, 1986. – 416 с.
3. Подшибякина А.А. Ономатопоэтическая лексика в японском
языке / МГУ им. Ломоносова, Институт Стран Азии и Африки. – М.:
Муравей, 2003.
4. Поливанов Е.Д. По поводу звуковых жестов японского языка //
Статьи по общему языкознанию. – М.: Наука, 1968. – С. 91-114.
5. Фролова О.А. Ономатопоэтические слова японского языка в
функции экспрессивной характеристики человека и их системные связи. –
Новосибирск, 1988 – С. 65-70.

89
6. Чиронов С.В. Ономатопоэтические слова в современном
японском языке (Проблемы функционирования): Дис. ... канд. филол.
наук: 10.02.22. – М., 2004.
Список лексикографических источников
7. Русский семантический словарь. Толковый словарь,
систематизированный по классам слов и значений / Российская
академия наук. Ин-т рус. яз. им. В.В. Виноградова; Под общей ред.
Н.Ю. Шведовой. – М.: Азбуковник, 1998.
8. Словарь-справочник лингвистических терминов / Розенталь Д.Э.,
Теленкова М.А. Изд. 2-е. – М.: Просвещение, 1976.

90
ЯПОНСКИЙ ЯЗЫК В СРАВНИТЕЛЬНОЙ ЛИНГВИСТИКЕ
比 較 言 語 学 における 日 本 語
ロシア 語 母 語 話 者 のテイル 習 得 に 関 する 横 断 研 究
-ロシア 語 表 現 との 対 照 から 母 語 における〈 事 態 把 握 〉の 影 響 を 考 える-
松 井 一 美
日 本 , 大 分 県
キーワード:ロシア 語 の 完 了 体 ・ 不 完 了 体 , 結 果 維 持 , 結 果 残 存 , 事 態 把 握
抄 録
言 語 の 話 者 (あるいは 書 き 手 )が 紡 ぎ 出 す 表 現 は, 認 知 の 主 体 である 話 者
(あるいは 書 き 手 )の〈 事 態 把 握 〉の 表 出 であるといえる。ロシア 語 と 日 本 語 はアス
ペクト 体 系 が 異 なる 言 語 である。したがって,ロシア 語 母 語 話 者 と 日 本 語 母 語 話 者 に
はアスペクトに 関 わる 表 現 において, 異 なった〈 事 態 把 握 〉がなされることが 予 測 さ
れる。ロシア 語 のアスペクトは 動 詞 の 完 了 体 と 不 完 了 体 で 表 されるが, 日 本 語 のアス
ペクトにはロシア 語 のような 二 項 対 立 構 造 はない。 日 本 語 のアスペクト 研 究 ではテイ
ル 表 現 を 中 心 にすでに 多 くの 研 究 がなされており, 研 究 の 成 果 も 広 く 共 有 されている
ところである。そこで 本 研 究 では, 日 本 語 のテイル 表 現 とロシア 語 表 現 の 対 照 から,
日 本 語 を 学 習 しているロシア 語 母 語 話 者 のテイル 表 現 の 習 得 において,ロシア 語 によ
る〈 事 態 把 握 〉の 影 響 がみられるか 否 かを 検 証 する。 松 井 (2008)などの 先 行 研 究 を
もとに, 本 研 究 では,「 日 本 語 学 上 の 分 類 『 動 作 継 続 』『 結 果 状 態 』にかかわらず,
ロシア 語 で 表 現 したとき, 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 すことができるテイルは 習 得 し 易 く,
不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 すことができないテイルは 習 得 が 難 しい」という 仮 説 を 立 て,
空 所 補 充 型 の 文 法 テストにより 仮 説 の 検 証 を 行 う。 本 稿 では 特 に「 結 果 状 態 」の 継 続
性 に 焦 点 をあて 検 証 を 行 うとともに, 仮 説 のような 結 果 をもたらす 要 因 として,ロシ
ア 語 においての〈 事 態 把 握 〉の 影 響 を 考 える。
1.はじめに
テイルは 基 準 時 点 において「ある 動 作 が 始 まり,まだ 終 わらず 持 続 している
( 動 作 継 続 )」か,あるいは「ある 動 作 , 出 来 事 が 終 わり,その 結 果 が 存 在 している( 結 果
状 態 ) 」 こ と を 話 者 が 状 態 と し て 捉 え て 表 す い い 方 で あ る 。 〈 unbounded 〉と
〈bounded〉の 事 態 が 同 じ 文 法 形 式 で 表 されることから 学 習 者 にとって 習 得 困 難 な 項 目
となっている。 多 くの 先 行 研 究 で「 動 作 継 続 」が「 結 果 状 態 」より 習 得 が 容 易 である
ことが 報 告 されているが, 筆 者 は 日 本 語 学 上 の 分 類 のみを 基 準 に 論 じるだけでは 不 十
分 であると 考 え,ロシア 語 を 母 語 とする 日 本 語 学 習 者 を 対 象 にロシア 語 表 現 との 対 照
から「 日 本 語 学 上 の 分 類 にかかわらず,ロシア 語 で 表 現 したとき 不 完 了 体 動 詞 一 語 で
表 すことができるテイルは 習 得 し 易 く, 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 すことができないテイ
ルは 習 得 が 困 難 である」との 仮 説 を 立 て 検 証 を 行 うこととした。 松 井 (2008)では,
口 頭 産 出 テストにより 仮 説 の 検 証 を 行 い, 仮 説 に 沿 う 結 果 を 得 た。 本 研 究 では, 空 所
補 充 型 の 文 法 テストにより,「 結 果 状 態 」の 継 続 性 に 焦 点 をあて 検 証 を 行 う。 継 続 性
の 有 る「 結 果 状 態 」と 継 続 性 の 無 い「 結 果 状 態 」がそれぞれロシア 語 ではどのように
表 現 されるかを 示 すことにするが, 本 研 究 では「-し 続 ける」が 言 えるか 否 かをもっ
て 継 続 性 の 有 無 とし,「 結 果 維 持 」と「 結 果 残 存 」とに 区 別 する。

91
2. 先 行 研 究
日 本 語 学 習 者 のテ イル 習 得 に 関 する 先 行 研 究 に は, 黒 野 ( 1995 ) , 許
(2005)などがある。いずれも「 結 果 状 態 」の 方 が「 動 作 継 続 」より 習 得 が 困 難 であ
るとの 結 論 を 得 ている。 許 (2005)は 母 語 の 影 響 についても 論 じており,テイルの
「 動 作 の 持 続 」は“ 在 ”に 相 当 し, 正 の 転 移 が 考 えられ 習 得 しやすく,「 結 果 の 状 態 」は
“ 著 ”に 相 当 するものと,“ 了 ”に 相 当 するものがあり,“ 了 ”は「タ」と 捉 えられる 場 合 が
多 く 習 得 されにくいとしている。ロシア 語 母 語 話 者 を 調 査 対 象 とした 先 行 研 究 として
は 菅 谷 (2003), 同 (2004)が 挙 げられるが,ロシア 語 のアスペクトである 完 了 体 ・
不 完 了 体 と 日 本 語 のアスペクトとしてのテイルの 対 照 研 究 によるものではない。これ
に 対 し, 本 研 究 では,ロシア 語 のアスペクトである「 完 了 体 ・ 不 完 了 体 」に 焦 点 を 当
て,テイル 表 現 との 対 照 研 究 を 試 み,そこから 仮 説 を 導 き 出 し, 実 験 調 査 により 仮 説
の 検 証 を 行 う。
3. 仮 説
3.1.ロシア 語 の 完 了 体 ・ 不 完 了 体 について
テイル 表 現 とロシア 語 表 現 の 対 照 を 行 う 前 に,まずロシア 語 のアスペクトで
ある「 体 」について 簡 単 に 触 れておく。ロシア 語 のアスペクト 表 現 の 中 核 は, 動 詞 に
固 有 の vid「 体 」という 文 法 範 疇 によって 担 われる。「 体 」には 完 了 体 と 不 完 了 体 があ
り,ロシア 語 の 動 詞 は 必 ず 完 了 体 か 不 完 了 体 のいずれかであり,そのどちらでもない
動 詞 は 存 在 しない。ロシア 語 の 動 詞 の 多 くに 完 了 体 と 不 完 了 体 のペアが 存 在 する。 完
了 体 は 行 為 の 終 了 と 結 果 を 示 し, 不 完 了 体 は 行 為 の 過 程 を 示 す。
ロシア 語 の 完 了 体 ・ 不 完 了 体 の 主 な 用 法 は 次 のとおりである。
・ 不 完 了 体 の 主 な 用 法 :1 進 行 継 続 中 の 動 作 ,2 習 慣 ,3 能 力 ,4 一 般 的 真 理
・ 完 了 体 ( 現 在 )の 主 な 用 法 :1 未 来 において 発 生 すること,2 完 成 ・ 完 了
すること
(『 現 代 ロシア 語 文 法 中 ・ 上 級 編 』 東 洋 書 店 より)
3.2.テイル 表 現 と 完 了 体 ・ 不 完 了 体
日 本 語 のテイル 表 現 をロシア 語 で 表 現 したとき,どのようになるかをまとめ
てみる。「 動 作 継 続 」のテイルはすべて 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 されるが,「 結 果 状
態 」のテイルは 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 されるもの(「 座 っている」 等 ),いわゆる 受
身 形 の 被 動 形 動 詞 短 語 尾 で 表 されるもの(「 折 れている」 等 ), 完 了 体 動 詞 を 使 って
説 明 的 にしか 表 せないもの(「 落 ちている」 等 )の 3 つに 分 けることができる。
以 下 に 例 文 を 示 す。
1「 動 作 継 続 」- 不 完 了 体
庭 を 子 供 たちが 走 っています。 Дети бегают в саду.
2「 結 果 状 態 」- 不 完 了 体
男 の 人 がベンチに 座 っています。 Мужчина сидит на скамейке.
3「 結 果 状 態 」- 被 動 形 動 詞 短 語 尾
木 の 枝 が 折 れています。 Ветка сломана.
4「 結 果 状 態 」- 説 明 的
財 布 が 落 ちています。 Там лежит бумажник.(そこに 財 布 が 横 に
なってあります。)
( 訳 文 はその 状 況 を 表 す 自 然 な 訳 である。лежит は 不 完 了 体 動 詞 だが,
仮 に「 落 ちる」という 動 詞 を 使 って 表 現 しようとすると「 誰 かが 落 とした 財 布 がそこ

92
にあります。」という 説 明 的 な 表 現 にならざるをえない。よって 説 明 的 という 形 で 分
類 した。)
図 に 表 すと 次 のようになる。
図 1.テイル 表 現 とロシア 語 表 現 の 関 係
日
本
語
動 作 の 継 続
( 走 っている)
結 果 の 状 態
( 座 っている)
( 折 れている)
( 落 ちている)
ロ シア
語
不 完 了 体 動 詞
(1 走 っている)・(2 座 っている)
被 動 形 動 詞 短 語 尾
(3 折 れている)
説 明 的
(4 落 ちている)
3.3. 仮 説
「テイル 表 現 と 完 了 体 ・ 不 完 了 体 の 関 係 」および 先 行 研 究 の 結 果 から 次 の 仮
説 を 立 てる。「 日 本 語 学 上 の 分 類 『 動 作 継 続 』『 結 果 状 態 』にかかわらず,ロシア 語
で 表 現 したとき, 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 すことのできるテイルは 習 得 し 易 く, 不 完 了
体 動 詞 一 語 で 表 すことができないテイルは 習 得 が 難 しい。」
4. 口 頭 産 出 テストによる 検 証
松 井 (2008)では, 絵 を 調 査 協 力 者 に 見 せ,その 発 話 データを 分 析 する 方 法
により 上 記 仮 説 の 検 証 を 行 った。 検 証 の 結 果 , 仮 説 に 沿 う 結 果 を 得 られた。ロシア 語
母 語 話 者 がテイル 表 現 を 使 用 した 回 数 を 日 本 語 母 語 話 者 に 対 する 割 合 として 示 すと 次
のようになった。
「 動 作 継 続 」が 75.2%,「 結 果 状 態 」のうちロシア 語 で 表 現 したとき 不 完 了
体 動 詞 一 語 で 表 すことができるテイルが 80%, 被 動 形 動 詞 で 表 すものが 28.57%, 説 明
的 なものが 27.27%であった。 使 用 比 率 から 考 えると,ロシア 語 母 語 話 者 にとって 不 完
了 体 動 詞 一 語 で 表 すことができるテイルは 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 すことができないテ
イルに 比 べ 習 得 が 容 易 であることが 窺 える。また, 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 すことがで
きないテイルについて 調 査 協 力 者 がどのように 表 現 しているかを 見 てみると, 明 らか
にロシア 語 の 直 訳 と 思 われる 表 現 および「テシマウ」「タ」との 混 同 が 見 られた。
5. 空 所 補 充 型 文 法 テストによる 検 証
空 所 補 充 型 の 文 法 テストにより, 仮 説 を 検 証 する。 本 調 査 では 特 に,「 結 果
状 態 」の 継 続 性 に 焦 点 をあてる。 継 続 性 の 有 無 については「-し 続 ける」が 言 えるか
否 かをもって 継 続 性 の 有 無 とし,「 結 果 維 持 」と「 結 果 残 存 」とに 区 別 する。
5.1. 調 査 方 法
空 所 補 充 型 の 文 法 規 則 操 作 法 による 文 法 テストを 実 施 した。 問 題 数 はダミー
を 含 め 全 部 で 40 問 である。 場 面 を 限 定 するため 設 問 毎 に 予 め 文 の 一 部 と 絵 を 与 え, 空
欄 に 適 切 な 動 詞 を 適 切 な 形 にして 書 き 込 ませた。

93
例 )1 教 室 で 男 子 学 生 が 本 を 。
同 じテストを 日 本 語 母 語 話 者 にも 行 い, 日 本 語 母 語 話 者 の 75% 以 上 がテイル
を 使 用 した 問 題 を 分 析 の 対 象 とした。 分 析 の 対 象 としたのは,「 動 作 継 続 」「 結 果 維
持 」「 結 果 残 存 」がそれぞれ5 問 ,「 単 なる 状 態 」が3 問 の 計 18 問 である。 調 査 は
2007 年 9 月 にモスクワ 国 立 大 学 アジア・アフリカ 諸 国 大 学 において, 日 本 専 攻 の 学 生
36 名 を 対 象 に 行 った。
5.2. 結 果 と 分 析
「 動 作 継 続 」は 全 て 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 すことができる。「 動 作 継 続 」で
は 調 査 協 力 者 のほとんどが,テイルを 使 用 していた。「ル」の 使 用 が 若 干 見 られたが,
「タ」や「テシマウ」の 使 用 は 見 られなかった。「 結 果 維 持 」には 不 完 了 体 動 詞 一 語
で 表 せるものとそうでないものがある。「 結 果 維 持 」のうち「 座 っている」と「 咲 い
ている」には,ほとんどの 調 査 協 力 者 がテイルで 答 えており,「タ」「テシマウ」は
現 れていない。しかし,「 止 まっている」「 乗 っている」「 閉 じている」には,
「タ」が 多 く 現 れており, 明 らかな 違 いが 見 られる。「 座 っている」「 咲 いている」
はロシア 語 で 表 現 したとき, 当 該 の 意 味 を 表 す 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 すことができる。
しかし,「 止 まっている」「 乗 っている」「 閉 じている」は,いずれもロシア 語 で 表
現 したとき, 当 該 の 動 作 を 表 す 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 すことができない。 一 般 に「 止
まっている」には,「 立 った 状 態 で(~に)ある」という 意 味 の 不 完 了 体 動 詞 が 使 用
される。「 止 まる」に 相 当 する 動 詞 を 使 用 すると, 別 の 説 明 的 な 言 い 方 にしなければ
ならない。 以 下 に 例 として,テストの 問 題 文 と,そのロシア 語 訳 を 記 す。(ロシア 語
訳 は, 二 人 のロシア 語 母 語 話 者 および 一 人 の 日 本 人 ロシア 語 教 員 の 協 力 を 得 て 訳 した
ものである。)
・バスがバス 停 に 止 まっている。 Автобус стоит на остановке.
「 乗 っている」も,ロシア 語 では「 乗 る」という 動 詞 を 使 わないで 表 される。
・バスにはたくさんの 人 が 乗 っている。 В автобусе много людей.
上 記 のロシア 語 を 日 本 語 に 直 訳 すると,「バスにはたくさんの 人 が〈い
る〉。」であるが, 調 査 協 力 者 の 解 答 には「いる」が 多 く 見 られ, 母 語 の 直 訳 の 影 響
が 窺 われる。また,「 閉 じている」も「 閉 じる」という 動 作 を 表 す 不 完 了 体 動 詞 一 語
では 表 すことができない。
・この 女 の 人 は 目 を 閉 じている。 У этой женщины закрыты глаза.
「 結 果 残 存 」には 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 せるものが 筆 者 の 調 査 では 見 あたら
なかった。
調 査 の 結 果 をまとめると 次 のようになる。
「 動 作 継 続 」(テイル 使 用 割 合 :90%)では 全 ての 問 題 でテイルが 使 用 され
ている。「 結 果 維 持 」のうち, 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 せる
「 座 っている」(100%)と「 咲 いている」(76%)にはテ
イルが 多 く 使 用 されているが,ロシア 語 で 表 現 したとき 当
該 の 動 詞 の 不 完 了 体 一 語 で 表 すことができない「 止 まって
いる」(56%),「 乗 っている」(63%),「( 目 を) 閉
じている」(50%)では,タの 使 用 が 多 く 見 られ,テイル
の 使 用 割 合 において 違 いが 見 られた。また,「 結 果 残 存 」
(52%)は 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 すことができず, 調 査 協
力 者 の 解 答 にはタやテシマウが 多 く 見 られ, 母 語 の 影 響 が
窺 われた。 結 果 は 仮 説 に 沿 うものであったと 言 える。「 座 っている」や「 咲 いてい

94
る」は 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 言 えることから,ロシア 語 母 語 話 者 のアスペクト 認 知 は,
「 動 作 継 続 」と 同 様 の〈 事 態 把 握 〉がなされているのではないかと 思 われる。また,
ロシア 語 で 表 現 したとき 完 了 体 動 詞 を 使 って 表 されるような 事 態 には「タ」や「テシ
マウ」の 使 用 が 見 られることから,「 完 了 体 が 動 作 の 終 了 と 結 果 を 示 すアスペクトで
ある」ため「タ」や「テシマウ」と 結 びつきやすいのではないかと 推 測 される。さら
に「 結 果 状 態 」の 継 続 性 の 有 無 と 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 されるかどうかは 一 致 しない
ことがわかったが, 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 せるかどうかの 境 界 が「 結 果 維 持 」にあっ
たことはテイルの 継 続 性 を 考 える 上 で 興 味 深 いと 思 われる。
6.まとめと 考 察
調 査 の 結 果 と 分 析 をまとめると 次 のようになる。
1「 動 作 継 続 」はロシア 語 では, 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 すことができ,ロシ
ア 語 母 語 話 者 にとって 習 得 が 容 易 である。
2「 結 果 状 態 」には 習 得 し 易 いものと 習 得 しにくいものがある。 不 完 了 体 動
詞 一 語 で 表 すことができる「 結 果 状 態 」は 習 得 が 容 易 であり, 当 該 の 不 完 了 体 動 詞 一
語 で 表 すことができない「 結 果 状 態 」は 習 得 が 困 難 である。
3「 結 果 状 態 」のうち 継 続 性 の 有 る「 結 果 維 持 」には 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表
せるものとそうでないものがある。
4 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 せる「 結 果 維 持 」と 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 せない
「 結 果 維 持 」にはテイルの 使 用 に 差 が 見 られる。
5「 結 果 残 存 」には 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 せるものが 本 調 査 では 見 あたらな
かった。
6 ロシア 語 で 完 了 体 動 詞 を 使 って 表 す 事 態 には「タ」や「テシマウ」の 使
用 が 見 られる。
「 動 作 継 続 」が 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 され,「 結 果 状 態 」が 不 完 了 体 動 詞 一
語 で 表 されるものとそうでないものに 分 類 されることは, 許 (2005)で 述 べられてい
る 結 論 と 共 通 部 分 があることを 窺 わせる。 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 すことができない
「 結 果 状 態 」の 習 得 困 難 の 要 因 として, 言 語 による〈 事 態 把 握 〉の 違 いが 考 えられる。
例 えば,ロシア 語 では「 座 っている」 状 態 は,сидеть という 不 完 了 体 動 詞 で 表 すが,
立 っている 状 態 からの 変 化 を 表 す「(~へ) 座 る」は,садиться( 不 完 了 体 )という
別 の 動 詞 を 使 う。このことから,ロシア 語 母 語 話 者 には, 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 言 える
「 座 っている」や「 咲 いている」は,「 食 べている」などと 同 様 に 捉 えられているの
ではないかと 推 測 される。 当 該 の 事 態 を 表 現 するとき 個 別 言 語 によって 表 現 の 仕 方 が
違 うということが 習 得 を 困 難 にしている 要 因 の 一 つと 考 えられるが,「 動 作 継 続 」お
よび 不 完 了 体 動 詞 一 語 で 表 すことができる「 結 果 状 態 」は,その 事 態 を 表 す 当 該 の 動
詞 のテイル 形 で 表 せる。 文 法 形 式 の 違 いはあれ, 他 の 言 語 においても 当 該 の 動 作 を 示
す 動 詞 が 存 在 し,それは 事 態 認 知 において 大 きな 役 割 を 果 たしていると 思 われる。こ
れに 対 して,「 落 ちている」が 習 得 困 難 であるのは,「 落 ちている」という 事 態 を 表
すのに「 落 ちる」という 動 詞 が 使 用 されているところに 要 因 があると 思 われる。「 落
ちている」という 事 態 を 表 現 するとき, 日 本 語 では「 落 ちる」という 動 詞 を 使 って 表
すが, 英 語 やロシア 語 などの 言 語 では, 必 ずしも「 落 ちる」という 意 味 の 動 詞 を 使 用
する 必 要 はない。 同 様 に,バスに 人 が「 乗 っている」においても,ロシア 語 では「 乗
る」という 動 詞 を 使 用 せず「いる」にあたる 表 現 が 使 われ,ロシア 語 母 語 話 者 の 解 答
には 母 語 の 直 訳 と 思 われる 表 現 が 多 く 見 られた。このタイプのテイルには,そこに 至
ったプロセスを 含 んだ 表 現 を 用 いるという 日 本 語 の〈 事 態 把 握 〉の 特 徴 が 見 られる。
このようなテイル 表 現 は, 日 本 語 学 習 者 にとって 習 得 が 難 しいと 思 われる。

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本 研 究 では,テイル 表 現 とロシア 語 表 現 の 対 照 からロシア 語 母 語 話 者 にとっ
て 習 得 困 難 なテイルの 用 法 を 見 てきた。 今 後 は, 他 の 文 法 項 目 においても, 個 別 言 語
による〈 事 態 把 握 〉の 違 いが, 第 二 言 語 習 得 にどのような 影 響 を 与 えるのかについて
研 究 を 行 いたい。
参 考 文 献
池 上 嘉 彦 (2008)「 日 本 語 話 者 における〈 好 まれる 言 い 回 し〉としての〈 主
観 的 把 握 〉」 東 京 言 語 研 究 所 2008 年 度 理 論 言 語 学 講 座 「 認 知 言 語 学 Ⅱ」 配 布 資 料 より
許 夏 珮 (2005)『 日 本 語 学 習 者 によるアスペクトの 習 得 』 くろしお 出 版
黒 野 敦 子 (1995)「 初 級 日 本 語 学 習 者 における『-テイル』の 習 得 につい
て」『 日 本 語 教 育 』87 号 pp.153‐ 164 日 本 語 教 育 学 会
コルチャーギナ・タチヤナ(1997)「ロシアにおける 日 本 語 教 育 -ロシア 人
日 本 語 学 習 者 に 多 く 見 られる 間 違 いの 傾 向 について-」『 東 海 大 学 紀 要 留 学 生 セン
ター』No.18 pp.83-84 東 海 大 学 出 版 会
城 田 俊 (2003)『 現 代 ロシア 語 文 法 中 ・ 上 級 編 』 東 洋 書 店
菅 谷 奈 津 恵 (2003)「 日 本 語 学 習 者 のアスペクト 習 得 に 関 する 縦 断 研 究 -
『 動 作 の 持 続 』 と『 結 果 の 状 態 』の テイル を 中 心 に -」 『 日 本 語 教 育 』 119 号
pp.65‐ 74 日 本 語 教 育 学 会
菅 谷 奈 津 恵 (2004)「 文 法 テストによる 日 本 語 学 習 者 のアスペクト 習 得 研 究
-L1 の 役 割 の 検 討 -」『 日 本 語 教 育 』123 号 pp.56‐ 65 日 本 語 教 育 学 会
ストロゴワ・エレーナ(1996)「ロシアにおける 日 本 語 教 育 の 問 題 点 をめぐ
って」『ICU 日 本 語 教 育 センター 紀 要 』No.5 pp.95-101 国 際 基 督 教 大 学 日 本 語 教 育
研 究 センター
原 求 作 (1996)『ロシア 語 の 体 の 用 法 』 水 声 社
松 井 一 美 (2008)「ロシア 人 日 本 語 学 習 者 のテイルの 習 得 研 究 ―『 動 作 の 継
続 』と『 結 果 の 状 態 』を 中 心 に」『 創 価 大 学 別 科 紀 要 19 号 pp.69-85 創 価 大 学 別 科
松 井 一 美 (2009)「『-ている』の 意 味 とロシア 語 のアスペクト―ロシア 語
話 者 の『-ている』 習 得 から」 杏 林 大 学 大 学 院 博 士 学 位 論 文
松 井 一 美 (2010)「ロシア 語 母 語 話 者 のテイル 習 得 に 関 する 横 断 研 究 ―『 結
果 状 態 』の 継 続 性 を 中 心 にロシア 語 表 現 との 対 照 から」『2010 年 度 日 本 語 教 育 学 会 春
季 大 会 予 稿 集 』 日 本 語 教 育 学 会
森 山 卓 郎 (1988)『 日 本 語 動 詞 述 語 文 の 研 究 』 明 治 書 院

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СВЕДЕНИЯ ОБ АВТОРАХ
Богоявленская Елена Давыдовна, доцент кафедры восточных
языков института лингвистики РГГУ
Иванова Екатерина Юрьевна, ассистент кафедры теории
языка и переводоведения СПбГЭУ
Иванова Юлиана Владимировна, ассистент ДВФУ
Львова Екатерина Сергеевна, преподаватель ЧОУ ДО
«Лингвистический центр «Тайкун»
Мишукова Ольга Васильевна, ДВФУ ШРМИ
Пархачев Данил Сергеевич, преподаватель ЧОУ ДО
«Лингвистический центр «Тайкун»
Полякова Ксения Владимировна, кандидат филологических
наук, директор ИЭВ при СПбГЭУ, доцент кафедры теории языка и
переводоведения СПбГЭУ
Руберт Ирина Борисовна, доктор филологических наук,
профессор кафедры теории языка и переводоведения СПбГЭУ
Рыбин Виктор Викторович, доктор филологических наук,
заведующий кафедрой японоведения восточного факультета СПбГУ
Тапилина Ксения Григорьевна, студентка СПбГЭУ
井 上 次 夫 、 国 立 奈 良 工 業 高 等 専 門 学 校 ・ 一 般 教 科 、 修 士 、 教 授
池 田 諭 史 、リングイスティックセンター タイクーン、 講 師
清 水 泰 生 、 大 阪 国 際 大 学 、 非 常 勤 講 師
永 田 慧 、 放 送 大 学 教 養 学 部 人 間 と 文 化 コース
松 井 一 美 、 立 命 館 アジア 太 平 洋 大 学 、 博 士 ( 学 術 )、 嘱 託 講 師
劉 剣 、 筑 波 大 学 人 文 社 会 科 学 研 究 科 日 本 語 学 博 士 課 程

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Научное издание
ЯПОНСКИЕ ЧТЕНИЯ В САНКТ-ПЕТЕРБУРГЕ
Сборник статей Второй международной
научно-практической конференции
«Японский язык:
перспективы научного исследования»
Ответственные редакторы
канд. филол. наук, доцент К.В. Полякова, С. Икэда
Редактор М.В. Манерова
Подписано в печать 17.09.13. Формат 60х84 1/16.
Усл. печ. л. 7,0. Уч.-изд. л. 6,8. Тираж 100 экз. Заказ 370.
Издательство СПбГЭУ. 191023, Санкт-Петербург, Садовая ул., д. 21.
Отпечатано на полиграфической базе СПбГЭУ