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放射光科学研究施設・光源リング トップアップ入射に係る放射線 ... - KEK

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電子は殆ど加速管・電磁石で損失されるため、制動X線が空気中を走る場所は少ない。いま実効的に生成し<br />

た 1 % の制動X線が空気中を走るとする。各光子が空気中を走る距離を 2 m と仮定する。ストレージリングの<br />

置かれるストレージリング室の容積は、8000m3である(図 6、図 14 参照)。ここでは、最大出力 2.00 GeV・A で<br />

トップアップ入射運転する場合を想定し評価を行う。2.5GeV 電子(または陽電子)のビーム損失を 1 秒当たりに<br />

平均すると最大の損失はスリットで 100%の損失が起こった時で、6.5×10-3 kW になる。上の表の第 2 欄の値に<br />

最大出力時の損失の値の 1% を乗じ 2 倍(空気中を走る距離 2m に対応)してから室内体積で割れば、上の表<br />

の第 3 欄に示す室内での最大の空気中の飽和放射能濃度が得られる。例えば表 37 第 3 欄第 2 行の 3H の<br />

値は、<br />

5×106 × 6.50×10 -3 × 0.01 × 2 ÷ 8000 ÷ 10 6 = 8.1×10 -8 Bq/cm 3 となる。<br />

41Ar は熱中性子による放射化で生成する。室内の熱中性子束 φ は次式で表される(中村尚司著「放射線物<br />

理と加速器安全の工学」地人書館)。<br />

φ = C・Q / S (cm-2 s-1) (7)<br />

Q:全中性子生成量 (neutron s-1) S:室内全表面積 (cm2) C:定数<br />

Cの値は部屋の形状に依存する。加速器室のような細長い部屋の時には C=1.25 が妥当であるが、ここでは<br />

安全側に C=4 の値を採用する。 40Ar (n,γ) 41Ar 反応断面積は 0.66×10-24 cm2(アイソトープ手帳、第 10 版)<br />

である。20℃での空気の密度は 1.205×10-3 g cm-2, Ar の空気中重量比は 0.012827 (ICRU レポート 37)で、<br />

Ar の質量数は 40 である。<br />

電子が厚いタ-ゲットに入射した際に発生する二次中性子は、ほとんどが巨大共鳴中性子である。放射線安<br />

全の観点からタ-ゲット内での中性子の自己吸収を無視した際の、中性子の発生量が Mao により計算され、<br />

以下の簡易式にまとめられた(X.Mao,K.Kase and W.R.Nelson: Health Phys.,70,207-214,1996)。<br />

Ythick = 8 × 10 -6 ×(Z 1/2 + 0.12 Z 3/2 - 0.001 Z 5/2) n electron -1 MeV -1 (8)<br />

Z: 原子番号 13 ~ Z ~ 82<br />

但し、電子エネルギ-は 50 MeV 以上、タ-ゲット厚さは、10 放射長以上<br />

6.5×10-3 kW のビームが加速管・電磁石などの鉄中で損失すれば、全中性子生成量は 8 式から 5.69×109 neutron s-1 になる。表 37 第 3 欄の 41Ar の値は、部屋の総表面積が 2000m2 であり(図 6、図 14 参照)<br />

4 ×5.69×109 × 0.66×10-24 × 6.02×1023 × 1.205×10-3 × 0.012827 / (40 × 2000×106 )<br />

= 1.8×10-6 Bq cm-2 となる。告示別表第 2 第 5 欄に示される排気中又は空気中放射能濃度限度を、表 37 第 4 欄に示す。3 欄の<br />

値はどの核種についても、第 4 欄の値を大幅に下回っている。また排気に係わる本機構予防規定に定める値<br />

(告示別表第 2 第 5 欄の 1/20)をも、下回っている。<br />

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