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Jaguar Magazine 02/2017 – Japanese

Das neue Jaguar Magazin präsentiert den neuen Jaguar E-PACE, blickt hinter die Kulissen der spektakulären Formel E und spricht mit Uhrengenie Jean-Claude Biver darüber, wie es ihm gelingt immer am Puls der Zeit zu bleiben. Lesen Sie rein in die neue Ausgabe THE JAGUAR 02.

Das neue Jaguar Magazin präsentiert den neuen Jaguar E-PACE, blickt hinter die Kulissen der spektakulären Formel E und spricht mit Uhrengenie Jean-Claude Biver darüber, wie es ihm gelingt immer am Puls der Zeit zu bleiben. Lesen Sie rein in die neue Ausgabe THE JAGUAR 02.

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THE ULTIMATE ONE-DAY ADVENTURE<br />

ミュンヘン 中 心 街 に 戻 ると、<br />

ツークシュピッツェ 山 の 白 い 斜 面 が<br />

まったく 別 世 界 のように 感 じられる。<br />

写 真 下 は 世 界 的 に 有 名 な<br />

都 会 のサーフスポット、<br />

アイスバッハヴェレ。<br />

バスティとダニエルの 動 きは 優 雅 で 自 信 に 満 ちている。あらゆる 凹<br />

凸 やカーブを 知 っているとでもいったふうに、 雪 上 を 滑 り 抜 けながらお<br />

しゃべりをしている。 突 然 止 まると 私 たちに 下 がって 待 つよう 言 い、 小<br />

さ な 丘 をよく 観 察 し な が ら 登 って いく。 し ばらくすると 頭 上 か ら<br />

「シューッ」という 音 がして 静 寂 を 破 った。スノーボードが 新 雪 を 滑 る、<br />

聞 き 間 違 えようのない 音 だ。その 数 秒 後 、ダニエルがギリギリの 地 点<br />

から 深 く 重 たい「ドンッ」という 音 とともに、 宙 を 舞 う。 頭 上 の 青 空 を<br />

優 雅 な 弧 を 描 きながら 360 度 回 転 しているのだ。この 小 さな 奇 跡 はス<br />

ローモーションのように 感 じられる。そこには、 我 々のほかに 誰 もいな<br />

い。 壮 大 なアルプスを 背 景 に、まっさらな 雪 、 朝 空 の 青 、そして 見 事 に<br />

着 地 するダニエルが 一 体 となった 瞬 間 、スノーボードの 真 髄 を 目 撃 した<br />

と 感 じた。それはあまりにも 純 粋 な、 自 由 の 瞬 間 だった。 笑 顔 のスノー<br />

ボーダーをうらやましく 思 っていると、その 男 は 隣 に 滑 ってきて 止 まり、<br />

「 今 のどうだった?」とニヤリと 笑 った。<br />

午 前 中 の 残 りの 時 間 は、 二 人 が 自 然 の 障 害 物 を 見 つけては 一 つ、ま<br />

た 一 つと 制 覇 していくのを 眺 めて 過 ごす。バスティは 脊 椎 を 骨 折 したこ<br />

とがあるという。 一 度 ならず4 年 の 間 に 二 度 も。それでも 彼 はボードに<br />

戻 ってきた。「スノーボード 人 生 の 付 き 物 だよ」と 肩 をすくめると、4<br />

メートルの 滑 降 に 出 ていく。 足 元 に 際 限 なく 広 がる 遊 び 場 に 興 奮 する<br />

ダニエルは、 新 雪 にボードを 何 度 も 投 げ 出 しては、カメラマンを 喜 ばせ<br />

るような 完 璧 な 純 白 の 雪 煙 を 追 いかける。 彼 らのエネルギーレベルに<br />

は 目 を 見 張 るものがあるが、まだ1 日 の 半 分 しか 終 わっていない。 傾 斜<br />

に 落 ちる 影 の 動 きを 眺 めながら 急 いで 昼 食 を 済 ませると、ミュンヘンの<br />

にぎやかな 市 街 地 に 戻 る 時 間 だ。 都 会 の 波 を 捕 まえたいなら、ぐずぐ<br />

ずしている 暇 はない。<br />

バイエルンの 州 都 、ミュンヘンの 真 ん 中 に 位 置 するアイスバッハヴェ<br />

レは、 何 十 年 にも 渡 って 世 界 中 からサーファーたちを 引 き 付 けている。<br />

かつてアイスバッハ 川 では、 川 床 の 条 件 が 整 って 波 (ヴェレ)が 立 つの<br />

は1 年 のうちたった 数 週 間 しかなかった。それが 完 全 に 変 わったのが<br />

1980 年 代 、 地 元 サーフシーンの 伝 説 の 人 物 、ヴァルター・シュトラッ<br />

サーが 立 ち 上 がったときだ。 自 らの 発 案 で、 彼 はある 晩 、 電 動 工 具 と<br />

発 電 機 付 き 照 明 を 川 辺 に 持 ち 込 み、 川 床 に1 本 の 重 い 鉄 道 レールを 渡<br />

らせた。 以 来 、レールがうまい 具 合 に 波 を 砕 き、 年 間 を 通 して 高 さ 約<br />

1.5メートルの 波 を 誇 らしげに 立 てるようになったのだ。<br />

ミ<br />

ュンヘンをどの 季 節 に 訪 れても、いかにサーフィン 人 気 が 高<br />

いかに 気 付 くだろう。 毎 日 何 十 人 ものサーファーが 川 辺 に 列<br />

を 成 し、ウェットスーツ、そしてここの 波 に 理 想 的 な 特 注 の<br />

ショートボードを 持 ち 歩 く。そんな 彼 らに 声 援 を 送 る 観 光 客 や 見 物 者 も<br />

たくさんいる。<br />

最 初 のひと 乗 りを 終 えて 水 辺 から 上 がりながらダニエルが 言 う。「 夏<br />

は 特 に 混 むけれど、ここではみんな1 年 を 通 してサーフィンをするんだ。<br />

以 前 は 冬 の 間 、 午 前 5 時 に 起 きてここへ 来 た。この 場 所 を 独 り 占 めす<br />

るためにね。そうやって 習 得 していく。 楽 しみたい 反 面 、 上 達 したいと<br />

い う 強 い 思 い も あ る 。 簡 単 な 道 は な い ん だ 」。<br />

背 後 ではバスティがすでに 最 初 の 数 ターンを 決 めていた。ボードを<br />

前 後 に 操 りながら 音 を 立 てる 波 を 乗 りこなしている。 彼 が 滑 り 落 ちて 強<br />

64 THE JAGUAR

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