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Untitled - 物質・材料研究機構

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InP における 光 核 偏 極 の 温 度 依 存 性Temperature dependence of the optical nuclear orientation in InP1物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 、 2 科 学 技 術 振 興 機 構 さきがけ後 藤 敦1,2 、 清 水 禎1 , 端 健 二 郎1 , 大 木 忍1 , 瀧 澤 智 恵 子1 1, 加 藤 誠 一1 National Institute for Materials Science, 2 PRESTO-JSTAtsushi Goto 1,2 , Tadashi Shimizu 1 , Kenjiro Hashi 1 , Shinobu Ohki 1 , Chieko Takizawa 1 and Seiichi Kato 1Abstract:We report on the temperature dependence of the optical orientation of 31 P in semi-insulating iron-doped indiumphosphide. The nuclear spin orientation manifests itself as an enhanced NMR signal under the irradiation of circularlypolarized infrared light. We find that the temperature dependence of the enhancement is strongly photon-energy ( )dependent. While the enhancement is observed in a wide range of between 1.26 and 1.43 eV at 10 K, most of themdisappear above 20 K. The only exception is that at =1.407 eV (slightly below the band gap ~ 1.42 eV), where theenhancement survives up to 50 K. This difference may originate from that in the spin relaxation times of photo-excitedelectrons trapped at donor centers.Keywords: dynamic nuclear polarization, optical pumping, double resonance, cross polarizationE-mail: goto.atsushi@nims.go.jp1. はじめに光 ポンピング NMR 法 は、 光 励 起 により 生 成 した 電子 スピン 偏 極 を 利 用 して、 物 質 内 に 核 スピンの 非 平 衡超 偏 極 状 態 を 生 成 する 手 法 で、 直 接 型 ギャップを 持 つ半 導 体 では、バンドギャップ 近 傍 のエネルギーを 持 つ円 偏 光 の 照 射 により 実 現 されます[1]。この 手 法 は、 固体 の 核 スピン 偏 極 法 として 大 変 有 効 ですが、 数 K~ 数十 K という 低 温 でのみ 生 じることが 応 用 上 の 制 約 となる 可 能 性 が 指 摘 されています[2,3,4]。より 高 温 で 核 スピン 偏 極 が 生 じる 条 件 を 検 討 するため、 代 表 的 化 合 物半 導 体 の 一 つであるインジウムリン(InP)における 核スピン 偏 極 の 温 度 依 存 性 を 測 定 しました。2. 実 験 方 法実 験 には、 新 規 開 発 した「 光 ポンピング 2 重 共 鳴NMR システム」を 用 いました[5]。 同 システムの 測 定プローブに、 結 晶 方 位 [100]、 厚 さ 350μm の 鉄 ドープの 半 絶 縁 性 InP ウエハー 試 料 を、 試 料 の 表 面 が 磁 場 に垂 直 になるように 設 置 し、 試 料 に 照 射 する 励 起 光 と 高周 波 パルスを NMR 分 光 計 で 制 御 しつつ、リン 原 子 核の 信 号 強 度 を 計 測 しました。パルスシーケンスには、 2飽 和 回 復 法 に 類 似 した「comb- -( )-FID」を 用いました。 最 初 の comb は、 互 いに 1 ミリ 秒 離 れた 90°パルス 8 本 からなる 連 続 パルス 系 列 です。 P とに 対 する 共 鳴 周 波 数 を 持 つ 2 つの comb 系 列 を 同 時 照射 することで、これらの 核 スピンの 偏 極 の 初 期 値 をゼロにします。その 後 、 強 度 約 200mW のσ + 円 偏 光 を L= 120s の 間 試 料 に 照 射 し、リン 核 に 対 する 90°パルスに 続 いて 生 じる FID 信 号 により、リン 核 の 偏 極 度を 測 定 しました。L31 115In3. 実 験 結 果 と 考 察図 1 は、10K~50K の 間 の 5 つの 温 度 において 測 定した、リン 核 の 信 号 強 度 の 照 射 光 子 エネルギー 依 存 性を 示 しています。リン 核 の 信 号 はすべての 光 子 エネルギーに 対 して 負 の 値 をとりますが、これは 核 スピンが熱 平 衡 状 態 の 時 とは 逆 向 きに 偏 極 していることを 示 しています。10K での 光 子 エネルギー 依 存 性 からは、バンドギャップ( 約 1.42 eV) 以 下 の 2 つの 領 域 [11.407eV( 1) 近 傍 、 及 び21.382 eV( 2 )に( 負の)ピークを 持 つ 1.398eV 以 下 の 領 域 ]において 顕 著 な信 号 増 強 が 観 察 されることがわかります。しかし、これらの 2 つの 領 域 のリン 核 信 号 強 度 は 互 いに 全 く 異 なる 温 度 依 存 性 を 示 します。図 1 Photon energy dependences of the 31 P signalintensity at 10, 20, 30, 40 and 50 K, normalized at the peakintensity at 10 K.- 89 -

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