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San Diego Yu Yu, February 1, 2023

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ス タ ッフ 閑 談<br />

今 回 のテーマは「 引 っ 越 し」<br />

▽「 老 後 は 日 本 で 暮 らしたい」 と、ここ 数 年 、 友 人 知 人 が 母 国 に 引 っ 越 している。「 日 本 の 方 が<br />

安 心 」がその 理 由 。 確 かに、 言 語 、 食 事 、 医 療 や 介 護 など、アメリカより 日 本 での 老 後 に “ 安 住 感 ”<br />

を 持 てる 要 素 は 多 い。「でも、 本 帰 国 の 前 に、 一 定 期 間 は 暮 らしてみたほうがいいよ」と、 一 度 は 日<br />

本 に 帰 国 したが 馴 染 めず、アメリカに 戻 ってきた 知 人 がアドバスをくれた。▽「 自 分 を 大 きく 変 えた<br />

いなら、 引 っ 越 しをしよう」。モノの 本 によると、 引 っ 越 しこそ、 一 番 手 っ 取 り 早 く 人 生 を 変 えるこ<br />

とができる 方 法 とか ——。 引 っ 越 し 直 後 は 古 い 習 慣 を 断 ち 切 りやすく、 新 たな 習 慣 を 身 に 付 けやす<br />

いと 言 われる。でも、ボヤボヤしていてはいけない、 新 しい 環 境 に 脳 が 慣 れるまでが 勝 負 らしい。<br />

因 みに「 幸 福 への 鍵 は 15 分 アクセスにある」という。 満 足 度 から 部 屋 探 しを 考 えるなら、ウォー<br />

キングやサイクリングで、 片 道 15 分 でどこにでもアクセスできる 圏 内 が 理 想 と<br />

のこと。▽ NASA の 発 表 によると、2030 年 までに 月 への 移 住 が 可 能 になる<br />

という。 多 くの 困 難 を 乗 り 越 えてでも 月 を 目 指 す 理 由 は 「 人 類 を 存 続 させるた<br />

め」にあるそうだ。これまで 地 球 は、 最 低 5 回 、 大 量 絶 滅 期 を 経 験 していると<br />

のこと。 隕 石 が 衝 突 したり、 環 境 破 壊 が 進 んで 地 上 で 暮 らせなくなってからでは、<br />

他 を 探 しても 遅 い。 今 から 宇 宙 規 模 の 引 っ 越 しの 準 備 が 始 まっている。(NS)<br />

▽ 東 京 郊 外 のマンションに 引 っ 越 した 頃 のエピソードが 忘 れられない。 真 夜 中 のエレベーターに 乗 り<br />

合 わせた、 仕 立 ての 良 いコートに 身 を 包 んだ 男 が 同 じ 階 の 一 室 へ 向 かう。 芸 能 関 係 者 と 分 かる 華 やか<br />

な 風 貌 。 彼 は1970 年 代 のアクションドラマに 出 演 していた 準 主 役 級 の 俳 優 T さんで、そこに 若 い 愛 人<br />

を 住 まわせていたようだ。 管 理 人 が 不 在 の 時 、 女 性 宛 ての 宅 配 物 を 預 かっていた 私 は、 誰 も 受 け 取 り<br />

に 来 ないので、 併 記 されている☎︎ 番 号 をかけた。 彼 女 が 出 た 瞬 間 、うっかりして「T さんのお 宅 ですか?」<br />

とやってしまった! ガチャン! その 女 性 はひっそりと 転 居 した。 小 包 の 中 身 は 果 物 。 娘 を 心 配 している<br />

母 親 からの 贈 り 物 ? そう 思 うと、 他 人 事 ながら 切 なくなり、 差 出 人 へ 返 送 することで 私 の 役 目 を 終 えた。<br />

何 がしかの 料 金 を 支 払 って。▽カードキーで 出 入 りするホテルのような 最 新 式<br />

い と こ<br />

の 新 居 に 従 姉 妹 が 引 っ 越 した 。えっ! 転 居 初 日 にそれを 紛 失 ? 防 犯 上 からも<br />

再 発 行 に 厳 しい 制 約 が 掛 けられて 厄 介 なことに。 旦 那 にバレる 前 に 自 力 で 見 つ<br />

ちまなこ<br />

けようと、 血 眼 になってカードキーを 探 す「 奮 闘 記 」を 延 々 20 分 以 上 も 話 す。「 結<br />

局 、◯◯の 中 に 入 れたのを 忘 れてたのよ!」と 大 笑 いしている。 元 ガングロの<br />

1 1<br />

かたず<br />

姪 が「マ マ、 何 のオチもないじゃん」と 冷 たく 切 り 捨 てた。オジちゃんも 固 唾 を<br />

の<br />

呑 んで 聞 き 入 っていたんだよ。 長 い 話 はどんでん 返 しがなきゃいけない。 (SS)<br />

物 心 がついた 頃 に 住 んでいた 家 は、 引 き 戸 で 部 屋 が 区 切 られた、 日 本 家 屋 の 特 徴 的 な 間 取 りの<br />

二 階 建 てだった。 急 勾 配 の 階 段 が 付 いていて、 上 り 切 ると 広 い 空 間 があり、そこに 私 と 妹 の 勉 強<br />

ふすま<br />

机 2つと 二 段 ベッド、 本 棚 、おもちゃの 置 いてあるエリアがあった。その 部 屋 と、 襖 で 仕 切 られた<br />

2 部 屋 の 1 つは 父 母 の 寝 室 、もう1 つは 父 の 書 斎 だった。 私 と 妹 の 部 屋 ( 空 間 ? ) からはベランダ<br />

い と こ<br />

と 屋 根 に 出 られたし、 隣 の 従 姉 妹 宅 の 屋 根 との 隙 間 が 1m もなかった。 父 と 叔 父 が 隙 間 に 渡 り 板<br />

を 敷 いてくれたので、しょっちゅう、 屋 根 伝 いに 従 姉 妹 たちに 会 いに 行 っていた。10 歳 の 頃 、 家<br />

を 新 築 することになった。 実 家 から 歩 いて10 分 以 内 の 場 所 だったので、 骨 組 みの 段 階 の 時 から、<br />

ちょくちょく 見 に 連 れていってもらった。「Y の 部 屋 はここ、 妹 の 部 屋 はそこ」<br />

と 教 えられ、とても 感 動 したのを 覚 えている。 新 宅 は 洋 風 の 作 りで、 多 くの<br />

部 屋 に 分 かれていた。 何 と 言 っても、 初 めて 個 室 を 持 てたことが 嬉 しかった。<br />

壁 紙 もカーテンも 自 分 の 好 きな 柄 を 選 ばせてもらった。 家 が 完 成 して、それ<br />

ぞれ 自 分 の 持 って 行 きたいものを 運 ぶように 言 われた ( 子 供 だったので )。<br />

新 しい 家 への 引 っ 越 し 体 験 は、ワクワク 以 外 の 何 物 でもなかった。 (YA)<br />

引 っ 越 し…。はっきり 言 って、こりごりだ。1 年 半 前 、 現 在 の 家 に 引 っ 越 してきた 時 に、 家 財 道 具 が<br />

全 部 入 ったレンタルトラックごと 盗 まれて、 何 もかも 失 ったからだ。あの 時 は 頭 が 真 っ 白 になり、 何 を<br />

どうしたらいいのか、オロオロするばかりだった。1 か 月 ほど 滞 在 していたホテルから 新 築 の 家 に 転 居<br />

あわただ<br />

する 当 日 の 朝 に、トラックごと 消 えたのだ。 新 居 に 移 って、 荷 物 の 整 理 などで 慌 しくなるはずだった<br />

その 日 は、 警 察 に 被 害 届 を 出 したり、 必 要 物 を 買 い 揃 えるのに 忙 しい 日 となった。 空 っぽの 家 に 到 着<br />

したはいいが、ベッドも 調 理 器 具 も 何 もない。 夕 飯 が 作 れないので 外 食 で 済 ませ、 床 板 の 上 で 眠 るの<br />

イヤ<br />

は 嫌 なので、とにかくマットレスと 掛 け 布 団 を 買 い 求 め、2 階 のベッドルームにそれらを 敷 いて 家 族 み<br />

んなで 寝 た。 良 い 方 へ 考 えるなら、 荷 物 がないので 物 を 移 動 させる 手 間 が 省 け、<br />

家 具 も 全 て 新 品 になったこと。しかし、 当 時 はそんな 精 神 的 余 裕 などなかった。<br />

新 しい 隣 人 たちから「 荷 物 を 運 び 入 れるのは 大 変 ですね」と 言 われたが、「 入 れ<br />

あいさつ<br />

る 荷 物 ないんです」と 内 心 思 いながら、 笑 って 挨 拶 したのを 覚 えている。 時 が<br />

過 ぎて、 今 では 笑 って 話 せるようになったが、それでも U-Haul のトラックを 見<br />

かけるとモヤモヤする。あの 日 のことは、ずっと 忘 れられないだろうな。(SU)<br />

44 SAN DIEGO YU-YU FEBRUARY 1, <strong>2023</strong><br />

このテーマをもらって、 私 は 人 生 で 一 体 、 何 回 引 っ 越 しをしたのだろうと 数 えてみた。まず、 生 まれ<br />

うと<br />

故 郷 の 福 山 から 大 学 進 学 で 上 京 。 中 野 区 の 一 般 家 庭 に 下 宿 をした。 過 剰 な 心 配 性 のおばさんが 疎 まし<br />

くて、1 年 で 杉 並 区 の 女 子 寮 のようなアパートへ。そこから 世 田 谷 、 再 び 杉 並 、またまた 世 田 谷 と、 東<br />

京 で 5 回 引 っ 越 しをした。 最 終 的 に 世 田 谷 の 上 北 沢 からサンディエゴの PB、Rancho <strong>San</strong> <strong>Diego</strong> と<br />

住 まいを 変 え、 現 在 の UTC がサンディエゴでは 3 軒 目 となる。ということは、 人 生 で 8 回 引 っ 越 しを<br />

してきた、ということか。これが 多 いのか 少 ないのか。 引 っ 越 しは 不 用 品 の 片 付 けには 実 に 有 効 な 手 段<br />

いかん<br />

だが、 如 何 せん、お 金 と 時 間 、そして 莫 大 なエネルギーと 体 力 を 要 する。 現 在 の 住 まいに 引 っ 越 して<br />

ぐうきょ<br />

きた 時 、この 家 はしばしの 寓 居 、くらいの 気 持 ちで 転 居 したのだが、 気 がつけば、<br />

人 生 で 一 番 長 く 使 っている 住 所 となった。 当 地 は 気 温 もインランドなどに 比 べて<br />

穏 やか。 年 間 を 通 じてクーラーもヒーターも 不 要 という 究 極 の 節 電 エリア。おま<br />

けに、スーパー、 映 画 館 、ジム、 多 彩 なレストラン、ショッピングモール、 郵 便 局 、<br />

銀 行 などに 歩 行 可 能 な 距 離 という 便 利 さ。 故 に、 引 っ 越 す 理 由 が 見 当 たらないし、<br />

そのエネルギーも、まして 体 力 も 既 にない。 一 世 一 代 、 人 生 大 決 断 の 引 っ 越 し、<br />

つい すみか<br />

日 本 への 帰 国 を 企 てない 限 りは、この 地 が 終 の 棲 家 になるのだろうか…。(Belle)<br />

おんとし<br />

お 正 月 に 愛 知 県 の 実 家 に 帰 った 時 のお 話 。 私 が 育 ったその 家 は 区 画 整 理 で 撤 去 され、 御 年 ◯◯ 歳 の<br />

両 親 が 2 年 前 に 50 メートル 後 方 に 新 宅 を 建 てた。コロナ 前 以 来 の 帰 省 となったわたしには、 初 めまし<br />

ウチ<br />

てのお 家 だった 笑 玄 関 に 入 ったら 新 築 の 香 り。お 母 さん 自 慢 の 空 調 システム 完 備 ! 前 の 家 といえば、<br />

冬 は 食 料 を 冷 蔵 庫 / 冷 凍 庫 に 入 れるまでもなく、 室 内 でも 白 い 息 が 出 るほどの 笑 、 底 冷 えする “ 昭 和<br />

タイプ”だったけど、この 家 は、 何 と! スリッパを 勧 められても 裸 足 でオッケ〜! 笑 旧 家 からお 引 越<br />

しをするのに、プロを 雇 うには 微 妙 な 距 離 。でも、お 年 寄 りだけでは 運 べない、で、 兄 弟 や、おじさん<br />

お ば さ ん が 手 伝 っ てく れ た 、ら し い 。 だ か ら な の か 、 家 の 中 が 、、、 何 と い う か 、、ズ バ リ 言 っ て し ま う な ら 、、<br />

センスない? 笑 お 母 さん 曰 く、ここは 「 年 寄 りの 家 」・・・ 笑 屋 内 で 一 番 面 積<br />

を 取 っている、ご 立 派 な 台 所 のカウンターの 上 には、、ウェットティッシュ、タオル、<br />

ひつ<br />

箸 、 湯 飲 み、 天 然 水 、お 櫃 ( ご 飯 入 り 笑 )、、つまり、 自 分 に 必 要 なものは 手 の<br />

届 く 所 に 置 いている。 置 いておかないと 面 倒 !なんだって 笑 いいけどさ、 孫<br />

あやも<br />

( 彩 雲 ) の 描 いたアニメ 画 と 由 緒 ある 日 本 画 を 並 べないでくれる? 笑 。と い う こ と で、<br />

あやも<br />

帰 米 前 夜 、 皆 が 寝 静 まった 時 間 に、 彩 雲 のアニメ 画 を 洗 面 所 の 壁 に 貼 ってきた。<br />

あやも なつき みほし<br />

気 づくかなぁ?? (イタズラしがいのある 家 笑 )。(りさ 子 と 彩 雲 と 那 月 と 満 星 が 姪 )

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