特許審査便覧第2100章 - Japan Patent Office

2106 特 許 保 護 対 象 としての 適 格 性
I. 序
特 許 保 護 対 象 としての 適 格 性 に 関 する 特 許 出 願 審 査 の 暫 定 指 針 ( 以 下 「 審 査 指 針 」)は、クレ
ームされている 発 明 が 法 定 の 保 護 対 象 に 関 するかどうかを 個 別 に 判 定 する 上 で 審 査 官 を 助 け
るものである。これらの 審 査 指 針 は 米 国 特 許 商 標 庁 の 現 時 点 における 法 律 の 理 解 に 基 づくも
のであって、 最 高 裁 判 所 、 連 邦 巡 回 控 訴 裁 判 所 及 びその 前 身 裁 判 所 の 法 的 拘 束 力 を 有 する 判
例 と 十 分 な 整 合 性 を 有 するものと 考 えられる。
これらの 審 査 指 針 は 実 体 法 規 を 形 成 するものではなく、 従 って 法 的 効 力 も 拘 束 力 もない。こ
れらの 審 査 指 針 は、クレームされた 保 護 対 象 は 実 体 法 に 適 合 しているかを 分 析 する 上 で 米 国
特 許 商 標 庁 審 査 官 を 支 援 することを 目 的 としている。 拒 絶 は 実 体 法 に 基 づくものであり、 上
訴 可 能 な 拒 絶 は 実 体 法 に 基 づくものである。 従 って、 米 国 特 許 商 標 庁 審 査 官 による 本 審 査 指
針 の 不 遵 守 については 上 訴 することも 嘆 願 することもできない。
本 審 査 指 針 は 出 願 審 査 時 に 米 国 特 許 商 標 庁 審 査 官 が 従 う 手 順 を 規 定 する。 米 国 特 許 商 標 庁 審
査 官 は、これらの 審 査 指 針 と 米 国 特 許 商 標 庁 の 以 前 の 指 示 との 間 に 矛 盾 する 問 題 の 取 扱 いが
在 った 場 合 は、これらの 審 査 指 針 に 依 拠 しなければいけない。
米 国 特 許 商 標 庁 審 査 官 が 従 うべきプロセスの 流 れ 図 は 本 条 末 に 記 載 する。
II. 出 願 人 が 発 明 し 特 許 を 請 求 しているものの 確 定
特 許 出 願 人 には、 速 やかであってしかも 完 全 な 出 願 審 査 を 得 ることが 重 要 である。 審 査 手 続
の 迅 速 化 の 原 則 のもと、1 以 上 のクレームが 法 定 特 許 要 件 を 満 たさないことが 分 かったとし
ても、 最 初 の 出 願 審 査 においてすべてのクレームに 関 して、すべての 法 定 特 許 要 件 への 適 合
性 を 審 査 しなくてはならない。したがって、 米 国 特 許 商 標 庁 審 査 官 は、 最 初 の 拒 絶 理 由 通 知
において、クレームを 拒 絶 するすべての 理 由 及 び 根 拠 を 陳 述 しなくてはならない。 不 備 は、
拒 絶 の 根 拠 となる 場 合 は 特 に、 明 確 に 説 明 されねばならない。 米 国 特 許 商 標 庁 審 査 官 は 可 能
な 場 合 はいつも、 拒 絶 を 克 服 し 得 る 方 法 及 び 問 題 を 解 決 し 得 る 方 法 を 示 さなくてはならない。
この 手 法 を 守 らないことが 当 該 出 願 審 査 の 不 要 な 遅 延 につながる 可 能 性 がある。
米 国 特 許 商 標 庁 審 査 官 は 特 定 の 法 定 要 件 に 的 を 絞 る 前 に、 当 該 出 願 人 は 正 確 には 何 を 発 明 し
て 特 許 を 請 求 しているか、クレームはその 発 明 にどのように 関 連 しかつその 発 明 をどのよう
に 定 義 しているかを 確 認 することによって 審 査 を 開 始 しなくてはならない。( 裁 判 所 が 繰 り 返
し 米 国 特 許 商 標 庁 に 次 のように 伝 えているとおり。「 目 的 は『 出 願 人 は 何 を 発 明 したか?』
という 質 問 に 答 えることである。」In re Abele, 684 F.2d 902, 907, 214 USPQ 682, 687 (CCPA
1982)。 同 様 の 事 例 として、Arrhythmia Research Tech. v. Corazonix Corp., 958 F.2d 1053,
1059, 22 USPQ2d 1033, 1038 (Fed. Cir. 1992)。) 米 国 特 許 商 標 庁 審 査 官 は、 発 明 の 詳 細 な
説 明 、 開 示 されたすべての 具 体 的 実 施 例 、クレーム 及 び 当 該 発 明 に 主 張 されるすべての 具 体
的 、 実 質 的 かつ 信 頼 できる 有 用 性 を 含 めて、 明 細 書 のすべてを 審 査 する。
出 願 人 が 発 明 したものの 理 解 を 得 た 後 、 審 査 官 は 先 行 技 術 の 調 査 を 実 施 して、クレームされ
た 当 該 発 明 はすべての 法 定 要 件 に 適 合 しているかどうかを 判 断 する。
A. 発 明 に 主 張 される 有 用 性 及 び/ 又 は 実 用 性 の 特 定 と 理 解
全 体 としてクレームされている 発 明 は 有 用 であって 実 用 性 の 域 に 達 していなくてはならない。
すなわち、「 有 用 、 具 体 的 かつ 有 形 の 成 果 」を 生 まなければならない。State Street Bank &
Trust Co. v. Signature Financial Group Inc., 149 F.3d 1368, 1373-74, 47 USPQ2d 1596,
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