特許審査便覧第2100章 - Japan Patent Office

III. 先 行 技 術 に 関 する 徹 底 的 調 査 の 実 施
クレームされている 発 明 を、 特 許 法 第 101 条 に 基 づいて 評 価 する 前 に、 米 国 特 許 商 標 庁 審 査
官 は 先 行 技 術 の 徹 底 調 査 を 実 施 するよう 期 待 される。 徹 底 調 査 には 米 国 及 び 外 国 双 方 の 特 許
並 びに 非 特 許 文 献 の 確 認 が 含 まれる。 多 くの 場 合 、かかる 調 査 の 結 果 は 米 国 特 許 商 標 庁 審 査
官 が 当 該 発 明 を 理 解 するために 役 に 立 つ。クレームされていない 態 様 が 後 でクレームされる
ことがあるという 合 理 的 予 想 がある 場 合 、 明 細 書 記 載 の 発 明 は、クレームされているものも
クレームされていないものも 共 に 調 査 されねばならない。 調 査 は、 明 細 書 に 記 述 される 構 造
又 は 材 料 と、 特 許 法 第 112 条 第 6 段 落 並 びに MPEP 第 2181 条 乃 至 第 2186 条 に 従 ってクレーム
されたミーンズ・プラス・ファンクションの 限 定 に 対 応 するその 均 等 物 を 考 慮 に 入 れなけれ
ばならない。
IV. クレームされている 発 明 が 特 許 法 第 101 条 に 適 合 するかどうかの 判 定
A. 適 用 される 法 の 下 における 特 許 法 第 101 条 の 範 囲 の 検 討
合 衆 国 法 典 第 35 巻 第 101 条 は 次 のように 規 定 している。
新 規 かつ 有 用 な 方 法 , 機 械 , 製 造 物 若 しくは 組 成 物 , 又 はそれらの 新 規 かつ 有 用 な 改 良 を 発
明 又 は 発 見 した 者 は, 本 法 の 条 件 及 び 要 件 のもとに 特 許 を 取 得 することができる。
最 高 裁 判 所 が 認 めているように、 議 会 は「 人 間 によって 作 られるいかなる 物 も」 法 定 の 保 護
対 象 として 含 むべく 特 許 法 第 101 条 に 意 味 の 広 い 文 言 を 選 択 した。Diamond v. Chakrabarty,
447 U.S. 303, 308-09, 206 USPQ 193, 197 (1980)。Chakrabarty, 447 U.S.の at 308-309、
206 USPQat 197 で 裁 判 所 は 次 のように 述 べた。
議 会 は、 包 括 的 な『いかなる』という 語 で 修 飾 した『 製 造 物 』 及 び『 組 成 物 』 等 の 意 味 の 広
い 用 語 を 選 択 するとき、 特 許 法 は 幅 広 い 範 囲 に 与 えられることを 明 確 に 予 想 した。また、 関
連 立 法 の 経 緯 も 幅 広 い 解 釈 を 裏 付 けている。トーマス・ジェファーソン 起 草 による 1793 年 特
許 法 は 法 に 定 められる 保 護 対 象 を「 新 規 かつ 有 用 な 技 術 、 機 械 、 製 造 物 、 又 は 組 成 物 、 若 し
くは 新 規 かつ 有 用 な[それらの] 改 良 」と 定 義 した。1793 年 2 月 21 日 特 許 法 第 11 章 第 1 条 、
制 定 法 第 1 巻 318 条 。 特 許 法 は『 発 明 の 才 は 惜 しみない 奨 励 を 受 けるべき』というジェファ
ーソン 哲 学 を 具 体 化 した。5 Writings of Thomas Jefferson, at 75-76。Graham v. John Deere
Co., 383 U.S. 1, 7-10 (148 USPQ 459, 462-464) (1966)を 参 照 のこと。 続 く 1836 年 ,1870
年 及 び 1874 年 の 特 許 法 でこの 同 じ 広 義 の 文 言 を 採 用 した。1952 年 に 特 許 法 が 再 編 纂 された
際 、 議 会 は『 技 術 』を『 方 法 』に 置 き 換 えたがその 他 はジェファーソンの 文 言 をそのまま 残
した。1952 年 の 法 律 に 付 随 する 委 員 会 報 告 書 から、 議 会 は 法 定 の 保 護 対 象 に『 人 によって 作
られるありとあらゆるものを 含 める』ことを 意 図 していたことがわかる。S. Rep. No. 1979,
82d Cong., 2d Sess., 5 (1952); H.R. Rep. No. 1923, 82d Cong., 2d Sess., 6 (1952)。[ 脚
注 略 ]
このような 考 えは 連 邦 巡 回 控 訴 裁 判 所 に 受 け 入 れられてきた。
第 101 条 の 平 易 かつ 曖 昧 さのない 意 味 は、 新 規 かつ 有 用 な 方 法 、 機 械 、 製 造 物 、 又 は 組 成 物 、
若 しくは 新 規 かつ 有 用 なそれらの 改 良 は、 特 許 法 に 定 められる 特 許 要 件 、 第 102 条 、 第 103
条 及 び 第 112 条 などの 要 件 に 適 合 する 場 合 、 特 許 を 受 けられる 可 能 性 があるということであ
る。 第 101 条 における 包 括 的 な 用 語 「いかなる」の 使 用 は、 特 許 を 取 得 し 得 る 保 護 対 象 に、
第 101 条 及 び 特 許 法 の 他 の 部 分 で 具 体 的 に 記 載 される 制 限 を 超 える 何 らの 制 限 も 設 けないと
する 議 会 の 意 図 を 示 している。このように、 立 法 経 緯 が、 議 会 はかかる 制 限 を 明 確 に 意 図 し
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